JP2012167654A - エンジン制御プログラム及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気圧制御系と新気量制御系とが互いに干渉を生じる制御系においてむだ時間を補償するためのモデル予測制御技術を提供する。
【解決手段】むだ時間特性をパディ近似で表すことで追加される吸気圧及び新気量に関する内部状態を推定する状態オブザーバを導入し、吸気圧制御系と新気量制御系との干渉要素を含む、システムの行列を用いることで、モデル予測制御でむだ時間を補償できる。さらに、むだ時間補償量及びエンジンの特性を表す行列を運転モードに応じて設定することで、運転モードに追従した安定的な制御を行うことができるようになる。
【選択図】図8

Description

本技術は、エンジンの制御技術に関する。
近年のディーゼルエンジンにおいては、エミッションの低減と燃費の向上を目的として、新気量(MAF:Mass Air Flow)及び吸気圧(MAP:Manifold Air Pressure)が吸気系制御器により最適に制御されている。
一般的に、図1に示すように、ディーゼルエンジンの吸気制御系は、吸気圧制御系と新気量制御系を含み、吸気圧と新気量は、互いに独立に制御されている。吸気圧制御系は、排気中のスス(PM:Particulate Matter)を低減するために、可変ノズルターボVNT(Variable Nozzle Turbo)のノズル径を制御して吸気圧を吸気圧目標値に追従するようにコントロールしている。一方、新気量制御系は、排気中の窒素酸化物(NOx)を低減するために、排気をシリンダ内に再循環させる排気循環器EGR(Exhaust Gas Recirculation)のバルブ開度を制御して新気量を新気量目標値に追従するようにコントロールしている。
これらの制御系に対しては、後に述べる計画器において、運転条件(エンジン回転数rpm及び燃料噴射量q)に応じて、最適な吸気圧及び新気量が目標値として、また最適なVNTのノズル開度とEGRのバルブ開度の基準値がフィードフォワード値として決定されて、吸気制御系に出力される。
従来、吸気圧制御系と新気量制御系は、図2のように独立に構成されていた(SISO: Single Input Single Output)。すなわち、吸気制御系は、上段の新気量制御系と下段の吸気圧制御系の2つを含む。新気量制御系は、EGRのバルブ開度を調節して新気量をコントロールしている。一方、吸気圧制御系は、VNTのノズル開度を調節して吸気圧をコントロールしている。具体的には、運転条件(燃料噴射量及びエンジン回転数の設定)が入力された計画器は、対応する新気量目標値及び吸気圧目標値とEGR基準値及びVNT基準値とを出力する。そして、新気量制御器は、新気量目標値と新気量測定値との差に応じて操作量を出力する。そうすると、当該操作量とEGR基準値との和がEGRのバルブ開度としてエンジンに入力される。一方、吸気圧制御器は、吸気圧目標値と吸気圧測定値との差に応じて操作量を出力する。そうすると、当該操作量とVNT基準値との和がVNTのノズル開度としてエンジンに入力される。
しかしながら、エンジンは干渉要素を有する。すなわちVNTのノズル開度に応じて新気量が変化したり、EGRのバルブ開度に応じて吸気圧が変化したりする。従って、吸気圧と新気量を同時に目標に追従させることが難しい。このため、図3のように、新気量の誤差に応じてVNTノズル開度を変化させるための第1干渉補償と吸気圧の誤差に応じてEGRバルブ開度を変化させるための第2干渉補償を設けて、2つの制御系の干渉を補償する。この干渉補償に加えて、VNTノズル開度及びEGRバルブ開度の操作量に飽和がある場合に適用可能な協調制御系(MIMO:Multi Input Multi Output。多入力多出力制御系。2入力2出力を含む。)が提案されている。そして、このような協調制御系において、制御系に干渉があり且つ飽和のある場合に有効なモデル予測制御理論による制御系も提案されている。
図4を用いてモデル予測制御について説明する。時刻kにおける目標値sが設定されると、制御対象であるプラントからの、時刻kにおける観測軌道y(k)(=状態x(k))に応じて、予測区間Nにおける参照軌道r(k)(実質的な目標値であるから目標値r(k)とも記す。)を算出する。この参照軌道r(k)にできるだけ近付くように、時刻kから制御区間Huにおける操作量u(k)、u(k+1)、...u(k+Hu−1)を算出する。但し、Hu=Nの場合もある。そして、操作量u(k)のみを採用してプラントに出力する。以下、時刻k+1以降同様の処理を実施する。
また、吸気制御系において、EGRやVNTの応答遅れや、MAFセンサやMAPセンサの反応遅れなどのむだ時間が存在する。図5にエンジン特性の模式図を示す。エンジン特性には、EGRバルブ開度の指令値に対して、応答遅れ等によるむだ時間特性と新気量特性とが含まれている。また、VNTノズル開度の指令値に対して、応答遅れ等によるむだ時間特性と吸気圧特性とが含まれている。さらに、EGRバルブ開度の指令値に対して、むだ時間特性と新気量特性に作用する干渉特性も含まれている。同様に、VNTノズル開度の指令値に対して、むだ時間特性と吸気圧特性に作用する干渉特性も含まれている。これらのむだ時間によって、応答が遅れたり制御系が不安定になったりして、排気ガス中の微粒子物質や窒素酸化物が増加してしまう。
このようなむだ時間に対処するための技術としては、非線形、パラメータ変動、時変及び未知外乱を有する1入力1出力系に対して、1次遅れの制御対象に、むだ時間を1次のパディ近似によって線形近似し、さらにステップ外乱モデルを入れて定式化し、スライディングモード制御と外乱推定オブザーバを併用した制御系が提案されている。また、多入力多出力系においては,パディ近似誤差補償形外乱オブザーバを用いて、むだ時間による遅れの補償を行っている。しかしながら、多入力多出力系については、相互干渉が無視されることを前提としている。また、モデル予測制御に対する適用については考慮されていない。
特開2007−182171号公報 特開2002−318602号公報 特開2004−270657号公報 特開2004−360591号公報
従って、本技術の目的は、吸気圧制御系と新気量制御系とが互いに干渉を生じる制御系において安定的な制御を行うためのモデル予測制御技術を提供することである。
本エンジン制御方法は、(A)排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、(B)吸気圧の測定値及び新気量の測定値とエンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、排気循環器のバルブ開度と可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における第1の行列と第2の行列とを用いて吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態を状態オブザーバによって推定し、第2の状態ベクトルを生成するステップと、(C)燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じた新気量の目標値及び吸気圧の目標値と、生成した第2の状態ベクトルと、第1の行列と第2の行列とから得られる行列とを用いてモデル予測制御を実施することで、排気循環器のバルブ開度の操作量と可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じた、排気循環器のバルブ開度の基準値及び可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、排気循環器のバルブ開度の指令値及び可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するステップとを含む。
そして、第1の行列により、状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、第2の行列が、排気循環器のバルブ開度が吸気圧に影響を与える干渉要素と、可変ノズルターボのノズル開度が新気量に影響を与える干渉要素とを含む、エンジンの状態方程式における行列と、排気循環器のバルブ開度が吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、可変ノズルターボのノズル開度が新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列とを含む。
吸気圧制御系と新気量制御系とが互いに干渉を生じている制御系にモデル予測制御を適用した場合、安定的な制御を行うことができるようになる。
図1は、エンジンの模式図である。 図2は、エンジンの従来の制御系を説明するためのブロック線図である。 図3は、他の従来の制御系を説明するためのブロック線図である。 図4は、モデル予測制御を説明するための図である。 図5は、むだ時間を説明するための図である。 図6は、本実施の形態における行列を説明するための図である。 図7は、本実施の形態におけるエンジンの模式図である。 図8は、第1の実施の形態におけるブロック線図である。 図9は、第1の実施の形態における処理フローを示す図である。 図10は、第1の実施の形態における処理フローを示す図である。 図11Aは、燃料噴射量qの時間変化を表す図である。 図11Bは、エンジン回転数rpmの時間変化を表す図である。 図11Cは、新気量MAFの時間変化を表す図である。 図11Dは、吸気圧MAPの時間変化を表す図である。 図11Eは、EGRバルブ開度の操作量指令値の時間変化を表す図である。 図11Fは、VNTノズル開度の操作量指令値の時間変化を表す図である。 図12は、第2の実施の形態におけるブロック線図である。 図13は、第2の実施の形態における処理フローを示す図である。 図14は、第2の実施の形態における処理フローを示す図である。 図15は、第3の実施の形態におけるブロック線図である。 図16は、第3の実施の形態における処理フローを示す図である。 図17は、第3の実施の形態における処理フローを示す図である。 図18は、第3の実施の形態における処理フローを示す図である。 図19は、第4の実施の形態におけるブロック線図である。 図20は、第4の実施の形態における処理フローを示す図である。 図21は、第4の実施の形態における処理フローを示す図である。 図22は、第5の実施の形態において導入される行列設定部の機能ブロック図である。 図23は、第5の実施の形態に係る処理フローを示す図である。 図24は、第5の実施の形態に係るブロック線図である。 図25は、エンジン制御装置の機能ブロック図である。 図26は、エンジン制御装置の機能ブロック図である。
[実施の形態1]
一般的なプラント(例えばディーゼルエンジン)を状態方程式で表現すると以下のようになる。
Figure 2012167654
p(k)は2次元の状態ベクトルを表し、up(k)は2次元の操作量ベクトル(又は入力ベクトル)を表し、yp(k)は2次元測定出力ベクトルを表す。
maf(k)は新気量、xmap(k)は吸気圧、uegr(k)はEGRバルブ開度、uvnt(k)はVNTノズル開度を表す。
Figure 2012167654
さらに、むだ時間が存在する場合を考える。その場合の状態方程式は以下のように表される。但し、lは、むだ時間分の遅延を表している。
Figure 2012167654
一方、むだ時間要素e-sτでは、状態方程式表現ができないため、パディ近似により線形化して表現することにする。そうすると、むだ時間要素e-sτの2次のパディ近似による伝達関数表現は、以下のようになる。
Figure 2012167654
むだ時間は、図5に示したように、新気量制御系のEGRバルブ開度から新気量MAFへの直達項の係数τ11として、吸気圧制御系のVNTノズル開度から吸気圧MAPへの直達項の係数τ22として、EGRバルブ開度から吸気圧MAPへの干渉項の係数τ12として、VNTノズル開度から新気量MAFへの干渉項の係数τ21として現れる。そしてそれらは異なる値を持つため、実際のエンジンの特性に合わせて設定する。なお、τ11乃至τ22をむだ時間補償量と記す。
(1−3)式を、周知の方法で連続系の状態方程式に変換して、さらに離散系の状態方程式に変換すると、以下のように表される。なお、τと以下で表す行列Ad、Bd及びCdとの関係式についてはエンジン制御装置内のメモリなどに保持しておく。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
本実施の形態では、むだ時間のない系((1−1)式)と、むだ時間要素をパディ近似したモデルの系((1−4)式)とがカスケードに接続されていると考えて、その合成系を考える。そうすると、以下のように表される。
Figure 2012167654
ここで(1−8)式を改めて書き直す。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
(1−11)式に含まれる行列A及びBは、吸気圧制御系と新気量制御系とで干渉がある制御系においてむだ時間を適切に取り扱う上で主要な役割を有している。図6に示すように、行列Aにおける要素(1)は、ディーゼルエンジンの元々の状態方程式に含まれる行列Apであり、現時刻の新気量MAFが1単位時間後の新気量MAFに対して影響を与える要素a11と、現時刻の吸気圧MAPが1単位時間後の新気量MAFに対して影響を与える干渉要素a12と、現時刻の新気量MAFが1単位時間後の吸気圧MAPに対して影響を与える干渉要素a21と、現時刻の吸気圧MAPが1単位時間後の吸気圧MAPに対して影響を与える要素a22とを含む。
さらに、行列Aにおける要素(2)は、むだ時間のパディ近似による状態方程式で導入された内部状態xmaf1が1単位時間後の新気量MAFに影響を与える要素b1111と、内部状態xmap1が1単位時間後の吸気圧MAPに影響を与える要素b2111を含む。これらは、むだ時間のパディ近似による状態方程式のBd及びCdに由来している。同様に、行列Aにおける要素(3)は、むだ時間のパディ近似による状態方程式で導入された内部状態xmaf1が1単位時間後の吸気圧MAPに影響を与える要素b1211と、内部状態xmap1が1単位時間後の吸気圧MAPに影響を与える要素b2223を含む。これらは、むだ時間のパディ近似による状態方程式のBd及びCdに由来している。
さらに、行列Aにおける要素(4)乃至(7)は、むだ時間のパディ近似による状態方程式における行列Adに由来する。そして、行列Aにおける要素(4)は、現時刻の内部状態xmaf1及びxmaf2が1単位時間後の内部状態xmaf1及びxmaf2に影響を与える要素である。また、行列Aの要素(5)は、現時刻の内部状態xmap1及びxmap2が1単位時間後の内部状態xmaf1及びxmaf2に影響を与える干渉要素である。また、行列Aの要素(6)は、現時刻の内部状態xmaf1及びxmaf2が1単位時間後の内部状態xmap1及びxmap2に影響を与える干渉要素である。また、行列Aの要素(7)は、現時刻の内部状態xmap1及びxmap2が1単位時間後の内部状態xmap1及びxmap2に影響を与える要素である。
さらに、行列Bにおける要素(8)は、エンジンの元々の状態方程式における行列Bpに由来する。そして、行列Bにおける要素(8)は、現時刻のEGRバルブ開度の指令値uegrが1単位時間後の新気量に影響を与える要素b11と、現時刻のVNTノズル開度の指令値uvntが1単位時間後の新気量に影響を与える干渉要素b12と、現時刻のEGRバルブ開度の指令値uegrが1単位時間後の吸気圧に影響を与える干渉要素b21と、現時刻のVNTノズル開度の指令値uvntが1単位時間後の吸気圧に影響を与える要素b22とを含む。
さらに、行列Bにおける要素(9)乃至(12)は、むだ時間のパディ近似による状態方程式における行列Bdに由来する。行列Bにおける要素(9)は、現時刻のEGRバルブ開度の指令値uegrが、むだ時間のパディ近似による状態方程式における内部状態xmaf1及びxmaf2に影響を与える要素dd11及びdd21を含む。また、行列Bにおける要素(10)は、現時刻のEGRバルブ開度の指令値uegrが、内部状態xmap1及びxmap2に影響を与える干渉要素bd31及びbd41を含む。さらに、行列Bにおける要素(11)は、現時刻のVNTノズル開度の指令値uvntが、内部状態xmaf1及びxmaf2に影響を与える干渉要素bd21及びbd22を含む。また、行列Bにおける要素(12)は、現時刻のVNTノズル開度の指令値uvntが、内部状態xmap1及びxmap2に影響を与える要素bd32及びbd42を含む。
そして、(1−9)乃至(1−12)式は、むだ時間要素の位相遅れを表現しているため、(1−1)式に対して内部モデルとして位相遅れ特性を組み込んだことに相当する。なお、パディ近似の次数を2次の例を示したが、3次、4次と次数を上げることも可能である。次数を上げると、近似精度を高くできる。なお、むだ時間おおよそ40ms毎に1次次数を上げると良いことが実験的に分かっている。
このようにパディ近似で増やした状態xmaf1、xmaf2、xmap1、xmap2については外部から観測できないので、状態オブザーバを導入して推定する。本実施の形態では、以下に示すような同次元オブザーバを採用することにする。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
ここでオブザーバゲインLは、以下のような行列式が例えば6次のバタワースフィルタの離散パルス伝達関数に一致するように定める。
Figure 2012167654
(1−11)及び(1−12)式で(1−13)式を展開すると以下のようになる。
Figure 2012167654
この行列式は6次式であり、6次のバタワースフィルタの離散パルス伝達関数の分母は、以下のように表される。
Figure 2012167654
このように(1−18)式も6次式となるので、z5の係数同士、z4の係数同士、z3の係数同士、z2の係数同士、z1の係数同士、z0の係数同士が一致するものとして、連立方程式を構成して解く。そうすると、l11、l12、l21、l22、l31、l32、l61及びl62が算出される。以下でも述べるように、行列A及びBは変更される場合があるので、その場合にはLも計算し直すことになる。
なお、今回の場合、xmaf及びxmapは観測できるので、xmaf1、xmaf2、xmap1、xmap2のみについて最小状態推定オブザーバを採用するようにしても良い。
次に、(1−9)式のプラントモデルについてモデル予測制御による最適操作量を導出するものとする。
ここでは一般的な評価関数を最小にする操作量を求める有限時間最適制御問題として解くことにする。但し、up(k)=Δup(k)+up(k−1)である。
Figure 2012167654
Q(i)及びR(i)は、重み係数である。重みQとRの設定により、第1項と第2項とはトレードオフ関係となる。具体的には、Rが一定で、重みQを大きくすることは、同じu(k)のエネルギーで、目標値への追従誤差を相対的に小さくするような解が得られ、逆に重みQを小さくすることは、目標値への追従誤差は相対的に大きくてもよいというような解が得られる。一方、重みQが一定で、Rを大きくすることは、少ないエネルギーで一定の目標値追従性を達成することを意味し、逆に小さくすることは、大きなエネルギーで一定の目標値追従性を達成することを意味している。
また、Yを2N次元の状態ベクトル、Uを2N次元の操作量ベクトルとして拡大系を定義すると、(1−9)式は以下のように書き換えられる。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
さらに、目標値に関しても、同様に2N行の目標ベクトルとして拡大系を表す。
Figure 2012167654
なお、T(k)=Ts(k)であり、s(k)=[smaf,smapTである。Tは以下のように表される。
Figure 2012167654
ここで、Trは参照軌道の1次遅れの時定数である。Trを短くすると即応性のある応答を、長くするとゆっくりした応答となる。(1−21)乃至(1−24)式を用いて(1−19)式を書き換えると以下のようになる。
Figure 2012167654
ここで、E(k)を以下のように定義する。
Figure 2012167654
そうすると、(1−26)式を以下のように変形できる。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
(1−28)式のJ(k)を最適にするUopt(k)は、以下の条件から(1−28)式は(1−30)式のように書くことができる。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
Figure 2012167654
従って、ΔUopt(k)は以下のように表される。
Figure 2012167654
最終的に、Δuopt(k)は、以下のように表される。なお、Δuopt(k)はΔup(k)とも表される。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
但し、x(k)=[xmaf,xmap,xmaf1,xmaf2,xmap1,xmap2Tについては一部の状態を観測できないので、上でも述べたように状態オブザーバによって推定された値x^(k|k−1)(x^又はxprは、xハットを表す)を用いる。すなわち、以下のように表される。
Figure 2012167654
本実施の形態では、(1−35)式に基づく制御を行う。図7に、本技術の実施の形態に係るエンジンの一例としてディーゼルエンジンを示す。エンジン本体1には、エンジン本体1からの排ガスを供給する排気循環器EGRと、排ガスの圧力にてタービンを回して新気(Fresh Air)を圧縮してエンジン本体1に供給する可変ノズルターボVNTとが接続されている。可変ノズルターボVNTのノズル開度を調整することによって、可変ノズルターボVNTのタービンの回転が調整され、吸気圧(MAP)センサで測定される吸気圧(MAP)が調整される。一方、排気循環器EGRに設けられているEGRバルブのバルブ開度を調整することによって、新気量(MAF)センサで測定される新気量(MAF)が調整される。
本実施の形態に係るエンジン制御装置1000には、MAPセンサからの吸気圧測定値と、MAFセンサからの新気量測定値と、外部から与えられる燃料噴射量の設定値と、同じく外部から与えられるエンジン回転数の設定値とが入力されるようになっている。また、エンジン制御装置1000からは、EGRバルブのバルブ開度の操作量がEGRバルブに出力され、VNTノズルのノズル開度の操作量がVNTノズルに出力されるようになっている。
本実施の形態に係るエンジン制御装置1000のブロック線図を図8に示す。エンジン制御装置1000は、計画器100と、モデル予測制御部110と、状態オブザーバ120とを有する。
すなわち、燃料噴射量の設定値とエンジン回転数の設定値とが入力されて、燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値に対応付けてEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値の組み合わせと新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値の組み合わせが登録されている計画器100から、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応する新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)と、EGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値uref(k)とを読み出す。
そして、計画器100が出力した新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)に、参照軌道行列Tを乗じて2N次元の目標ベクトルT(k)を算出すると共に、状態オブザーバ120の出力x^(k|k−1)にΨcを乗じて2N次元の応答ベクトルΨcx(k)を算出する。また、1サンプル前の操作量up(k−1)に対してΓcを乗じたΓcup(k−1)も算出する。そうすると、2N次元の誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx(k)−Γcup(k−1)が得られる。
この誤差ベクトルE(k)は、MPC主制御部111に入力される。MPC主制御部111は、(1−35)式に従ってM2x2N-1ΘcTQ~(Q~又はQbarは、Qバーを表す。)をE(k)に乗じてΔup(k)を算出して出力する。積分要素112では、Δup(k)を基に(例えばΔup(k)+up(k−1))、up(k)を算出する。そして、この操作量up(k)は、計画器100が出力したフィードフォワード値uref(k)と加算されてエンジン特性130に出力される。すなわち、up(k)+uref(k)によって、VNTノズル開度及びEGRバルブ開度が制御される。
なお、遅れ要素113は、操作量up(k)を1サンプル遅らせてup(k−1)を出力する。このup(k−1)は、状態オブザーバ120にも出力される。状態オブザーバ120は、(1−13)式に従った演算を実施する。
具体的には、エンジン特性130の測定値yp(k)=xp(k)に対して−Cx^(k|k−1)を加算して(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。さらにこれにLを乗じて、L(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。一方、モデル予測制御部110の出力up(k−1)に対してBを乗じてBup(k−1)を算出し、x^(k|k−1)にAを乗じてAx^(k|k−1)を算出する。そして、x^(k|k−1)、Bup(k−1)及びL(xp(k)−Cx^(k|k−1))を加算して遅れ要素121に入力して、1サンプル遅延させてから、モデル予測制御部110に次のx^(k|k−1)として出力する。
次に、エンジン制御装置1000の詳細な処理内容について図9及び図10を用いて説明する。
まず、エンジン制御装置1000は、k=0に設定する(図9:ステップS1)。また、エンジン制御装置1000は、初期設定を実施する(ステップS3)。具体的には、エンジン制御装置1000は、k=0におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に応じたプラント行列A及びB並びにむだ時間補償量τ(=[τ11,τ12,τ21,τ22])を取得すると共に、重み行列Q及びR、予測期間N、初期値x(0)及びu(0)、時定数Tr等を取得する。なお、これらのデータについては、予めメモリなどに保持しておき、該当データを読み出す。
さらに、エンジン制御装置1000は、初期計算として、参照軌道行列Tを算出し、設定する(ステップS5)。さらに、エンジン制御装置1000は、モデル予測制御部110及び状態オブザーバ120において用いる行列Hc-1(=(ΘcTQ~Θc+R~)-1)及びΘcTQ~、L、Γc、Ψcなどを算出し、設定する(ステップS7)。さらに、Hc-1ΘcTQ~も算出してしまっても良い。処理は端子Aを介して、図10の処理に移行する。
図10の処理の説明に移行して、エンジン制御装置1000は、kを1インクリメントし(ステップS9)、MAPセンサ及びMAFセンサから測定値yp(k)を取得し、さらに計画器100から現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量を取得して当該エンジン回転数及び燃料噴射量に対応する目標値s(k)を取得する(ステップS11)。なお、エンジン制御装置1000は、計画器100から現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する基準値urefも取得する。
そして、エンジン制御装置1000のモデル予測制御部110は、目標値ベクトルT(k)(=Ts(k))を算出する(ステップS13)。また、エンジン制御装置1000の状態オブザーバ120は、(1−13)式に従ってx^(k|k−1)を算出する(ステップS15)。そして、モデル予測制御部110のMPC主制御部111は、応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出すると共に、Γcup(k−1)を算出して、誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)−Γcup(k)を算出する(ステップS17)。そして、モデル予測制御部110は、(1−32)式に従ってΔUopt(k)を算出する(ステップS19)。さらに、モデル予測制御部110のMPC主制御部111は、ΔUopt(k)に対してM2x2Nを乗ずることで、Δuopt(k)を算出する(ステップS21)。
その後、モデル予測制御部110は、Δuopt(k)からΔuopt(k)+uopt(k−1)によりuopt(k)(=up(k))を算出し、さらに基準値uref(k)を加算することで最終的な操作量の指令値を算出し、当該指令値をエンジン1のVNTノズル及びEGRバルブに出力する(ステップS23)。
また、モデル予測制御部110は、up(k−1)=uopt(k)と設定して、時刻(k+1)についての処理で用いるようにメモリに保持しておく(ステップS25)。
そして、エンジン制御装置1000は、kが予め設定された最大値kmaxに達したか判断する(ステップS27)。kがkmaxに達していない場合には、処理はステップS9に戻る。一方、kがkmaxに達した場合には、処理を終了する。例えば、ステップS1に戻って、初期設定から処理を開始する。
以上のような処理を実施することで、むだ時間が存在する多入力多出力制御系(MIMO)において、むだ時間要素の位相遅れに起因するシステムの応答遅れや不安定性を補償して安定化することができる。なお、図9のステップS3の内、システム行列A、B、重みQ、R、むだ時間補償量τの読み込み、および、ステップS7の定数行列の計算を、図10のステップS9とステップS11の間に入れることにより、毎回、運転条件が変わってシステム行列が変化する場合に対応することもできる。
例えば、図11Aに示すような燃料噴射量qが設定され、図11Bに示すようなエンジン回転数rpmが設定された場合を想定する。なお、図11Aの縦軸は燃料噴射量Qを表し、横軸は時間を表し、図11Bの縦軸はエンジン回転数rpmを表し、横軸は時間を表す。なお、むだ時間が1サンプル遅れ、3サンプル遅れ、6サンプル遅れの各ケースについて本実施の形態を実施した場合を検討する。
図11Cは、新気量MAFの時間変化を表す。図11Cにおいて、太点線は目標値を表しており、このケースではむだ時間の補正量が多くなると目標値に近付くことが分かる。同様に、図11Dは、吸気圧MAPの時間変化を表す。図11Dにおいて、太点線は目標値を表しており、このケースではむだ時間の補正量が多くなると目標値に近付くことが分かる。図11Eは、EGRバルブ開度の操作量指令値の時間変化を表しており、図11Fは、VNTノズル開度の操作量指令値の時間変化を表している。むだ時間の補正量に応じて、大きく波形が異なっており、本実施の形態によるモデル予測制御が適切に作用していることが分かる。
[実施の形態2]
(1−19)式ではΔupを用いて評価関数を定義していたが、単にupを用いて定義することも可能である。
この場合評価関数は以下のように表すことができる。
Figure 2012167654
これを拡大系に変形した場合、E(k)は以下のように表される。
Figure 2012167654
従って、(1−33)式の代わりに、本実施の形態では、uopt(k)は以下のように表される。
Figure 2012167654
(2−3)式に従ってエンジンを制御する場合のエンジン制御装置1000は、例えば図12のようなブロック線図で表される。エンジン制御装置1000は、計画器100と、第2モデル予測制御部210と、状態オブザーバ120とを有する。(2−3)式を採用することにしたので、モデル予測制御部110の代わりに第2モデル予測制御部210が採用されている。
具体的には、燃料噴射量の設定値とエンジン回転数の設定値とが入力されて、燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値に対応付けてEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値の組み合わせと新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値の組み合わせが登録されている計画器100から、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応するEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値uref(k)と、新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの基準値s(k)とを読み出す。
そして、計画器100が出力した新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)に、参照軌道行列Tを乗じて2N次元の目標ベクトルT(k)を算出すると共に、状態オブザーバ120の出力x^(k|k−1)にΨcを乗じて2N次元の応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出する。第1の実施の形態とは異なり、第2モデル予測制御部210内でのフィードバックはない。従って、2N次元の誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)が算出される。
この誤差ベクトルE(k)は、第2MPC主制御部211に入力される。第2MPC主制御部211は、(2−3)式に従ってM2x2N-1ΘcTQ~をE(k)に乗じてup(k)を算出して出力する。そして、この操作量up(k)は、計画器100が出力したフィードフォワード値uref(k)と加算されてエンジン特性130に出力される。すなわち、up(k)+uref(k)によって、VNTノズル開度及びEGRバルブ開度が制御される。
なお、遅れ要素212は、操作量up(k)を1サンプル遅らせてup(k−1)を出力する。このup(k−1)は、状態オブザーバ120に出力される。状態オブザーバ120は、(1−13)式に従った演算を実施する。
具体的には、エンジン特性130の測定値yp(k)=xp(k)に対して−Cx^(k|k−1)を加算して(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。さらにこれにLを乗じて、L(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。一方、第2モデル予測制御部210の出力up(k−1)に対してBを乗じてBup(k−1)を算出し、x^(k|k−1)にAを乗じてAx^(k|k−1)を算出する。そして、Ax^(k|k−1)、Bup(k−1)及びL(xp(k)−Cx^(k|k−1))を加算して遅れ要素121に入力して、1サンプル遅延させてから、第2モデル予測制御部210に次のx^(k|k−1)として出力する。
次に、エンジン制御装置1000の詳細な処理内容について図13及び図14を用いて説明する。
まず、エンジン制御装置1000は、k=0に設定する(図13:ステップS31)。また、エンジン制御装置1000は、初期設定を実施する(ステップS33)。具体的には、エンジン制御装置1000は、k=0におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に応じたプラント行列A及びB並びにむだ時間補償量τ(=[τ11,τ12,τ21,τ22])を取得すると共に、重み行列Q及びR、予測期間N、初期値x(0)及びu(0)、時定数Tr等を取得する。なお、これらのデータについては、予めメモリなどに保持しておき、該当データを読み出す。
さらに、エンジン制御装置1000は、初期計算として、参照軌道行列Tを算出し、設定する(ステップS35)。さらに、エンジン制御装置1000は、第2モデル予測制御部210及び状態オブザーバ120において用いる行列Hc-1(=(ΘcTQ~Θc+R~)-1)及びΘcTQ~、L、Ψcなどを算出し、設定する(ステップS37)。さらに、Hc-1ΘcTQ~も算出してしまっても良い。処理は端子Bを介して、図14の処理に移行する。
図14の処理の説明に移行して、エンジン制御装置1000は、kを1インクリメントし(ステップS41)、MAPセンサ及びMAFセンサから測定値yp(k)を取得し、さらに現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値を取得して当該エンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する目標値s(k)を取得する(ステップS43)。なお、エンジン制御装置1000は、計画器100から現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する基準値urefも取得する。
そして、エンジン制御装置1000の第2モデル予測制御部210は、目標値ベクトルT(k)=Ts(k)を算出する(ステップS45)。また、エンジン制御装置1000の状態オブザーバ120は、(1−13)式に従ってx^(k|k−1)を算出する(ステップS47)。そして、第2モデル予測制御部210は、応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出し、さらに誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)を算出する(ステップS49)。そして、第2モデル予測制御部210の第2MPC主制御部211は、(2−3)式に従ってuopt(k)を算出する(ステップS51)。
その後、第2モデル予測制御部210は、uopt(k)と基準値uref(k)とを加算することで操作量の指令値を算出し、当該指令値をエンジン1のVNTノズル及びEGRバルブに出力する(ステップS53)。
また、第2モデル予測制御部210は、up(k−1)=uopt(k)と設定して、時刻(k+1)についての処理で用いるようにメモリに保持しておく(ステップS55)。
そして、エンジン制御装置1000は、kが予め設定された最大値kmaxに達したか判断する(ステップS57)。kがkmaxに達していない場合には、処理はステップS41に戻る。一方、kがkmaxに達した場合には、処理を終了する。例えば、ステップS31に戻って、初期設定から処理を開始する。
以上のような処理を実施することで、むだ時間が存在する多入力多出力制御系(MIMO)において、むだ時間要素の位相遅れに起因するシステムの応答遅れや不安定性を補償して安定化することができる。なお、図13のステップS33の内、システム行列A、B、重みQ、R、むだ時間補償量τの読み込み、および、ステップS37の定数行列の計算を、図14のステップS41とステップS43の間に入れることにより、毎回、運転条件が変わってシステム行列が変化する場合に対応することもできる。
[実施の形態3]
EGRバルブ及びVNTノズルは、開閉されるものであるから、全閉が0、全開が1又は100といったように、制約を有する。従って、このような制約を考慮して上で述べたような評価関数J(k)を最小にする解を求めることになる。すなわち、モデル予測制御では、このような制約条件の下での最適化問題を解くことになる。
より具体的には、操作量に対する制約条件は以下のように表される。
Figure 2012167654
ここで、a、bはEGRの下限値、上限値を、c、dはVNTの下限値、上限値を示す。
(3−1)式を以下のような拡大系で表すことを考える。
Figure 2012167654
そうすると(3−1)式は以下のように変形される。
Figure 2012167654
そして(3−3)式は以下のように表現される。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
さらに、U(k)の全ての要素について上記の制約が課される。すなわち、以下のように表される。
Figure 2012167654
これをまとめると以下のように表される。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
このように(3−2)式の形に変形される。一方、制御量に対する制約条件は、以下のように表される。なお、上限値及び下限値に同じa,b,c,dを使用しているが、上で述べたa,b,c,dとは異なる。
Figure 2012167654
(3−9)式は、以下のような拡大系で表すことを考える。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
さらに(3−11)式は以下のように表すこともできる。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
さらに、X(k)の全ての要素について上記の制約が課される。すなわち、以下のように表される。
Figure 2012167654
従って、これをまとめると以下のように表される。
Figure 2012167654
Figure 2012167654
(3−14)式にX(k)=Ψcx(k)+ΘcΔU(k)を代入すると以下のように表される。
Figure 2012167654
以上の制約条件をまとめると以下のように表される。
Figure 2012167654
但し、x(k)はそのままでは観測できない状態があるので、x^(k|k−1)を用いる。すなわち、以下のように表される。
Figure 2012167654
(3−18)式を満たさないようなU(k)が算出された場合には、以下のような(3−18)式の制約条件を満たし且つ(1−28)式のJ(k)を最小化するU(k)を見つけるという最適化問題を解くことになる。すなわち、最適化問題は以下のように表される。なお、(3−18)式に含まれる、EGRとVNTに関する制約のa、b、c、dの値は、フィードフォワード値uref(k)を加算した後の値が飽和しているか否かを判定できるような値に設定されているものとする。
Figure 2012167654
(3−19)式の解法としては、QP問題、ラグランジュ乗数法、アクティブセット法、内点法などが存在しているので、ここでは詳しく述べない。
このような制約条件を考慮した場合のブロック線図の一例を図15に示す。具体的には、燃料噴射量の設定値とエンジン回転数の設定値とが入力されて、燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値に対応付けてEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値の組み合わせと新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値の組み合わせが登録されている計画器100から、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応するEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値uref(k)と、新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)とを読み出す。
そして、計画器100が出力した新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)に、参照軌道行列Tを乗じて2N次元の目標ベクトルT(k)を算出すると共に、状態オブザーバ120の出力x^(k|k−1)にΨcを乗じて2N次元の応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出する。また、1サンプル前の操作量up(k−1)に対してΓcを乗じたΓcup(k)も算出する。そうすると、2N次元の誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)−Γcup(k)が得られる。
この誤差ベクトルE(k)は、最適化処理部311に入力される。最適化処理部311は、(1−32)式に従ってΔU(k)=H-1ΘcTQ~E(k)を算出する。ここで、最適化処理部311は、状態オブザーバ120からの出力x^(k|k−1)とΔU(k)とを用いて(3−18)式が満たされているか判断する。(3−18)式が満たされていない場合には、最適化処理部311は、(3−19)式に表される最適化処理を実施して、ΔUopt(k)を算出する。一方、(3−18)式が満たされている場合には、既に計算されているΔU(k)をΔUopt(k)に設定する。そして、最適化処理部311は、M2x2NをΔUopt(k)を乗ずることによって、Δup(k)を算出して出力する。積分要素312は、Δupを基に(例えばΔup(k)+up(k−1))、up(k)を算出する。そして、この操作量up(k)は、計画器100が出力したフィードフォワード値uref(k)と加算されてエンジン特性130に出力される。すなわち、up(k)+uref(k)によって、VNTノズル開度及びEGRバルブ開度が制御される。
なお、遅れ要素313は、操作量up(k)を1サンプル遅らせてup(k−1)を出力する。このup(k−1)は、状態オブザーバ120にも出力される。状態オブザーバ120は、(1−13)式に従った演算を実施する。
具体的には、エンジン特性130の測定値yp(k)=xp(k)に対して−Cx^(k|k−1)を加算して(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。さらにこれにLを乗じて、L(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。一方、第3モデル予測制御部310の出力up(k−1)に対してBを乗じてBup(k−1)を算出し、x^(k|k−1)にAを乗じてAx^(k|k−1)を算出する。そして、Ax^(k|k−1)、Bup(k−1)及びL(xp(k)−Cx^(k|k−1))を加算して遅れ要素121に入力して、1サンプル遅延させてから、第3モデル予測制御部310に次のx^(k|k−1)として出力する。
次に、エンジン制御装置1000の詳細な処理内容について図16乃至図18を用いて説明する。
まず、エンジン制御装置1000は、k=0に設定する(図16:ステップS61)。また、エンジン制御装置1000は、初期設定を実施する(ステップS63)。具体的には、エンジン制御装置1000は、k=0におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に応じたプラント行列A及びB並びにむだ時間補償量τ(=[τ11,τ12,τ21,τ22])を取得すると共に、重み行列Q及びR、予測期間N、初期値x(0)及びu(0)、時定数Tr等を取得する。なお、これらのデータについては、予めメモリなどに保持しておき、該当データを読み出す。
また、エンジン制御装置1000は、メモリなどに格納されている制約条件(上の説明におけるa,b,c及びdを2セット、具体的には、VNTノズル開度の上限値及び下限値、EGRバルブ開度の上限値及び下限値、xmafの上限値及び下限値、並びにxmapの上限値及び下限値)を取得する(ステップS65)。
さらに、エンジン制御装置1000は、初期計算として、参照軌道行列Tを算出し、設定する(ステップS67)。
また、エンジン制御装置1000は、最適化処理部311で用いる定数行列H-1(=(ΘTQ~Θ+R~)-1)及びΘTQ~等、L、Ψc、Γc、制約拡大行列f、F、g及びGを算出し、設定する(ステップS69)。H-1ΘTQ~も算出してしまっても良い。処理は端子Cを介して、図17の処理に移行する。
図17の処理の説明に移行して、エンジン制御装置1000は、kを1インクリメントし(ステップS71)、MAPセンサ及びMAFセンサから測定値yp(k)を取得し、さらに現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値を取得して当該エンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する目標値s(k)を取得する(ステップS73)。なお、エンジン制御装置1000は、計画器100から現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する基準値urefも取得する。
そして、第3モデル予測制御部310は、目標値ベクトルT(k)(=Ts(k)を算出する(ステップS75)。また、エンジン制御装置1000の状態オブザーバ120は、(1−13)式に従ってx^(k|k−1)を算出する(ステップS77)。そして、第3モデル予測制御部310は、応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出すると共に、Γcup(k−1)を算出して、誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)−Γcup(k−1)を算出する(ステップS79)。そして、最適化処理部311は、(1−32)式に従ってΔU(k)を算出する(ステップS81)。
そして、最適化処理部311は、(3−18)式の制約条件を満たしているかを判断する(ステップS83)。制約条件を満たしているΔU(k)が得られた場合には、ΔU(k)をΔUopt(k)に設定して、処理は端子Dを介して図18の処理に移行する。一方、制約条件を満たしているΔU(k)が得られなかった場合には、最適化処理部311は、(3−19)式に従って最適化処理を実施してΔUopt(k)を算出する(ステップS85)。そして処理は端子Dを介して図18の処理に移行する。
図18の処理の説明に移行して、第3モデル予測制御部310は、ΔUopt(k)に対してM2x2Nを乗ずることで、Δuopt(k)を算出する(ステップS87)。
その後、第3モデル予測制御部310は、Δuopt(k)からΔuopt(k)+uopt(k−1)によりuopt(k)(=up(k))を算出し、さらに基準値uref(k)を加算することで操作量の指令値を算出し、当該指令値をエンジン1のVNTノズル及びEGRバルブに出力する(ステップS89)。
また、第3モデル予測制御部310は、up(k−1)=uopt(k)と設定して、時刻(k+1)についての処理で用いるようにメモリに保持しておく(ステップS91)。
そして、エンジン制御装置1000は、kが予め設定された最大値kmaxに達したか判断する(ステップS93)。kがkmaxに達していない場合には、処理はステップS71に戻る。一方、kがkmaxに達した場合には、処理を終了する。例えば、ステップS61に戻って、初期設定から処理を開始する。
以上のような処理を実施することで、むだ時間が存在する多入力多出力制御系(MIMO)において、制約条件を満たしつつ、むだ時間要素の位相遅れに起因するシステムの応答遅れや不安定性を補償して安定化することができる。なお、図16のステップS63の内、システム行列A、B、重みQ、R、むだ時間補償量τの読み込み、ステップS65の制約条件及びステップS69の定数行列の計算を、図17のステップS71とステップS73の間に入れることにより、毎回、運転条件が変わってシステム行列が変化する場合に対応することもできる。
[実施の形態4]
第2の実施の形態についても、第3の実施の形態のように、制約条件に従った形で制御を行うように変形することができる。
第2の実施の形態の場合には、(3−14)式にX(k)=Ψcx(k)+ΘcU(k)を代入すると以下のように表される。
Figure 2012167654
以上の制約条件をまとめると以下のように表される。
Figure 2012167654
但し、x(k)はそのままでは観測できない状態があるので、x^(k|k−1)を用いる。すなわち、以下のように表される。
Figure 2012167654
(4−3)式を満たさないようなU(k)が算出された場合には、以下のような(4−3)式の制約条件を満たし且つ(2−1)式の拡大系の評価式を最小化するU(k)を見つけるという最適化問題を解くことになる。すなわち、最適化問題は以下のように表される。なお、(4−3)式に含まれる、EGRとVNTに関する制約fのa、b、c、dの値は、フィードフォワード値uref(k)を加算した後の値が飽和しているか否かを判定できるような値に設定されているものとする。
Figure 2012167654
(4−4)式の解法としては、QP問題、ラグランジュ乗数法、アクティブセット法、内点法などが存在しているので、ここでは詳しく述べない。
このような制約条件を考慮した場合のブロック線図の一例を図19に示す。具体的には、燃料噴射量の設定値とエンジン回転数の設定値とが入力されて、燃料噴射量の値及びエンジン回転数の値に対応付けてEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値の組み合わせと新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値の組み合わせが登録されている計画器100から、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に対応するEGRバルブ開度の基準値及びVNTノズル開度の基準値uref(k)と、新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)とを読み出す。
そして、計画器100が出力した新気量MAFの目標値及び吸気圧MAPの目標値s(k)に、参照軌道行列Tを乗じて2N次元の目標ベクトルT(k)を算出すると共に、状態オブザーバ120の出力x^(k|k−1)にΨcを乗じて2N次元の応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出する。そうすると、2N次元の誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)が得られる。
この誤差ベクトルE(k)は、第2最適化処理部411に入力される。第2最適化処理部411は、(2−3)式に従ってU(k)=H-1ΘTQ~E(k)を算出する。ここで、第2最適化処理部411は、状態オブザーバ120からの出力x^(k|k−1)とU(k)とを用いて(4−3)式が満たされているか判断する。(4−3)式が満たされていない場合には、第2最適化処理部411は、(4−4)式に表される最適化処理を実施して、Uopt(k)を算出する。一方、(4−3)式が満たされている場合には、既に計算されているU(k)をUopt(k)に設定する。そして、第2最適化処理部411は、M2x2NをUopt(k)を乗ずることによって、up(k)を算出して出力する。そして、この操作量up(k)は、計画器100が出力したフィードフォワード値uref(k)と加算されてエンジン特性130に出力される。すなわち、up(k)+uref(k)によって、VNTノズル開度及びEGRバルブ開度が制御される。
なお、遅れ要素412は、操作量up(k)を1サンプル遅らせてup(k−1)を出力する。このup(k−1)は、状態オブザーバ120に出力される。状態オブザーバ120は、(1−13)式に従った演算を実施する。
具体的には、エンジン特性130の測定値yp(k)=xp(k)に対して−Cx^(k|k−1)を加算して(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。さらにこれにLを乗じて、L(xp(k)−Cx^(k|k−1))を算出する。一方、第4モデル予測制御部410の出力up(k−1)に対してBを乗じてBup(k−1)を算出し、x^(k|k−1)にAを乗じてAx^(k|k−1)を算出する。そして、Ax^(k|k−1)、Bup(k−1)及びL(xp(k)−Cx^(k|k−1))を加算して遅れ要素121に入力して、1サンプル遅延させてから、第4モデル予測制御部410に次のx^(k|k−1)として出力する。
次に、エンジン制御装置1000の詳細な処理内容について図20及び図21を用いて説明する。
エンジン制御装置1000は、k=0に設定する(図20:ステップS101)。また、エンジン制御装置1000は、初期設定を実施する(ステップS103)。具体的には、エンジン制御装置1000は、k=0におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に応じたプラント行列A及びB並びにむだ時間補償量τ(=[τ11,τ12,τ21,τ22])を取得すると共に、重み行列Q及びR、予測期間N、初期値x(0)及びu(0)、時定数Tr等を取得する。なお、これらのデータについては、予めメモリなどに保持しておき、該当データを読み出す。
また、エンジン制御装置1000は、メモリなどに格納されている制約条件(上の説明におけるa,b,c及びdを2セット分、具体的には、VNTノズル開度の上限値及び下限値、EGRバルブ開度の上限値及び下限値、xmafの上限値及び下限値、並びにxmapの上限値及び下限値)を取得する(ステップS105)。
さらに、エンジン制御装置1000は、初期計算として、参照軌道行列Tを算出し、設定する(ステップS107)。
また、エンジン制御装置1000は、第2最適化処理部411で用いる定数行列H-1(=(ΘTQ~Θ+R~)-1)及びΘTQ~等、L、Ψc、制約拡大行列f、F、g及びGを算出し、設定する(ステップS109)。H-1ΘTQ~も算出してしまっても良い。処理は端子Fを介して、図21の処理に移行する。
図21の処理の説明に移行して、エンジン制御装置1000は、kを1インクリメントし(ステップS111)、MAPセンサ及びMAFセンサから測定値yp(k)を取得し、さらに現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値を取得して当該エンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する目標値s(k)を取得する(ステップS113)。なお、エンジン制御装置1000は、計画器100から現時刻におけるエンジン回転数及び燃料噴射量の設定値に対応する基準値urefも取得する。
そして、エンジン制御装置1000の第4モデル予測制御部410は、目標値ベクトルT(k)=Ts(k)を算出する(ステップS115)。また、エンジン制御装置1000の状態オブザーバ120は、(1−13)式に従ってx^(k|k−1)を算出する(ステップS117)。そして、第4モデル予測制御部410は、応答ベクトルΨcx^(k|k−1)を算出し、さらに誤差ベクトルE(k)=T(k)−Ψcx^(k|k−1)を算出する(ステップS119)。そして、第4モデル予測制御部410は、(2−3)式に従ってU(k)を算出する(ステップS121)。
第4モデル予測制御部410の第2最適化処理部411は、(4−3)式の制約条件を満たしているかを判断する(ステップS123)。制約条件を満たしているU(k)が得られた場合には、U(k)をUopt(k)に設定して処理はステップS127に移行する。一方、制約条件を満たしているU(k)が得られなかった場合には、第2最適化処理部411は、(4−4)式に従って最適化処理を実施してUopt(k)を算出する(ステップS125)。
そして、第2最適化処理部411は、Uopt(k)に対してM2x2Nを乗ずることで、uopt(k)を算出し、第4モデル予測制御部410は、uopt(k)に基準値uref(k)を加算することで操作量の指令値を算出し、当該指令値をエンジン1のVNTノズル及びEGRバルブに出力する(ステップS127)。
また、第4モデル予測制御部310は、up(k−1)=uopt(k)と設定して、時刻(k+1)についての処理で用いるようにメモリに保持しておく(ステップS129)。
そして、エンジン制御部1000は、kが予め設定された最大値kmaxに達したか判断する(ステップS131)。kがkmaxに達していない場合には、処理はステップS111に戻る。一方、kがkmaxに達した場合には、処理を終了する。例えば、ステップS101に戻って、初期設定から処理を開始する。
以上のような処理を実施することで、むだ時間が存在する多入力多出力制御系(MIMO)において、制約条件を満たしつつ、むだ時間要素の位相遅れに起因するシステムの応答遅れや不安定性を補償して安定化することができる。なお、図20のステップS103の内、システム行列A、B、重みQ、R、むだ時間補償量τの読み込み、ステップS105の制約条件及びステップS109の定数行列の計算を、図21のステップS111とステップS113の間に入れることにより、毎回、運転条件が変わってシステム行列が変化する場合に対応することもできる。
[実施の形態5]
(1−4)式におけるむだ時間補償量τ(=[τ11,τ12,τ21,τ22])、プラントの行列Ap並びにBp等は運転モードによって異なる。従って、運転モードの切替が検出された場合又は所定時間毎にこれらによって影響を受ける行列を計算し直すと、より効果的である。
従って、図22に示すように行列設定部500を導入する。行列設定部500は、例えばエンジン回転数rpm及び燃料噴射量qで特定される運転モード毎にむだ時間補償量τの値が登録されている第1のテーブルと、エンジン回転数rpm及び燃料噴射量qで特定される運転モード毎にエンジン特性の行列Ap及びBpとが登録されている第2のテーブルとを格納するデータ格納部501を有しており、パディ近似表現行列生成部502と、拡大システム行列生成部503と、オブザーバゲイン算出部504と、定数行列生成部505とを有する。
パディ近似表現行列生成部502は、エンジン回転数rpm及び燃料噴射量qに基づき第1のテーブルから読み出したむだ時間補償量τを用いて、パディ近似についての状態方程式で用いられる行列Ad及びBdを算出する。拡大システム行列生成部503は、エンジン回転数rpm及び燃料噴射量qに基づき第2のテーブルから読み出したエンジン特性の行列Ap及びBpと、パディ近似表現行列生成部502によって生成された行列Ad及びBdを用いて、拡大系の行列A及びBを生成する。オブザーバゲイン算出部504は、拡大系の行列A及びBを用いてオブザーバゲインLを算出する。定数行列生成部505は、行列A及びB等を用いて、Ψc、Γc及びΘc等を算出する。
より具体的には、図23に示すような処理を実施する。まず、行列設定部500は、例えば計画器100からエンジン回転数rpm及び燃料噴射量qの設定値を取得する(図23:ステップS141)。そして、行列設定部500は、エンジン回転数rpm及び燃料噴射量qの設定値に応じてデータ格納部501における第1のテーブルから、該当するむだ時間補償量τを特定する(ステップS143)。そして、パディ近似表現行列生成部502は、むだ時間補償量τから、むだ時間についての状態方程式における行列Ad及びBdを算出し、例えばメモリに格納する(ステップS145)。さらに、拡大システム行列生成部503は、エンジン回転数rpm及び燃料噴射量qの設定値から、データ格納部501における第2のテーブルにおける、エンジンの状態方程式の行列Ap及びBpを特定するとともに、行列Ap及びBpと行列Ad及びBdとを用いて、合成状態方程式の行列A及び行列Bを算出し、例えばメモリに格納する(ステップS147)。
その後、オブザーバゲイン算出部504は、行列A及びBから、オブザーバゲイン行列Lを生成し、例えばメモリに格納する(ステップS149)。そして、定数行列生成部505は、行列A及びBから定数行列Ψc、Θc、Γc及びその他のモデル予測制御に用いる定数行列を算出し、例えばメモリに格納する(ステップS151)。なお、Γcは、第2及び第4の実施の形態では不要である。
このようにすれば、モデル予測制御で用いられる行列を運転モードに応じた適切な行列に設定することができるようになる。
なお、第1乃至第4の実施の形態との関係を、図24に一例を示す。図24は、行列設定部500を第1の実施の形態に係るエンジン制御装置1000に組み込んだ場合のブロック線図を示している。このように、計画器100からエンジン回転数rpm及び燃料噴射量qの設定値を取得して、定期的に又はこれらの設定値が基準以上に変動した場合など、図23に示したような処理を実施して、モデル予測制御部110のMPC主制御部111、T、Ψc及びΓc、状態オブザーバ120の行列L、A及びBを設定する。第1乃至第4の実施の形態では、kをkmaxに達するまで処理を繰り返すようになっているが、例えばエンジン回転数rpm及び燃料噴射量qの設定値が急激に変化した場合には、割り込みをかけて図23に示したような処理を実施して、行列を新たに設定するようにしても良い。図24と同様に、他の実施の形態のエンジン制御装置1000にも行列設定部500を導入することができる。
以上本技術の実施の形態を説明したが本技術はこれに限定されるものではない。例えば、ブロック線図に従ったプログラムモジュール構成ではなくてもよい。また、処理フローについても、処理結果が変わらない限り処理順番を入れ替えたり、並列実施しても良い。
なお、上で述べたエンジン制御装置1000は、コンピュータ装置であって、図25に示すように、RAM(Random Access Memory)2501とプロセッサ2503とROM(Read Only Memory)2507とセンサ群2515とがバス2519で接続されている。本実施の形態における処理を実施するための制御プログラム及び存在している場合にはオペレーティング・システム(OS:Operating System)は、ROM2507に格納されており、プロセッサ2503により実行される際にはROM2507からRAM2501に読み出される。所定のプロセッサ2503は、センサ群(吸気圧センサ及び新気量センサ。場合によっては燃料噴射量測定部及びエンジン回転数測定部など。)を制御して、所定の測定値を取得する。また、処理途中のデータについては、RAM2501に格納される。なお、プロセッサ2503は、ROM2507を含む場合もあり、さらに、RAM2501を含む場合もある。本技術の実施の形態では、上で述べた処理を実施するための制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスクに格納されて頒布され、ROMライタによってROM2507に書き込まれる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたプロセッサ2503、RAM2501、ROM2507などのハードウエアと制御プログラム(場合によってはOSも)とが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
但し、エンジン制御装置全体をハードウエアのみにて実装することも可能である。以上述べた本実施の形態をまとめると以下のようになる。
実施の形態に係るエンジン制御方法は、(A)排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、(B)吸気圧の測定値及び新気量の測定値とエンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、排気循環器のバルブ開度と可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における第1の行列と第2の行列とを用いて吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態を状態オブザーバによって推定し、第2の状態ベクトルを生成するステップと、(C)燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じた新気量の目標値及び吸気圧の目標値と、生成した第2の状態ベクトルと、第1の行列と第2の行列とから得られる行列とを用いてモデル予測制御を実施することで、排気循環器のバルブ開度の操作量と可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じた、排気循環器のバルブ開度の基準値及び可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、排気循環器のバルブ開度の指令値及び可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するステップとを含む。
そして、第1の行列により、状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、第2の行列が、排気循環器のバルブ開度が吸気圧に影響を与える干渉要素と、可変ノズルターボのノズル開度が新気量に影響を与える干渉要素とを含む、エンジンの状態方程式における行列と、排気循環器のバルブ開度が吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、可変ノズルターボのノズル開度が新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列とを含む。
このように、状態オブザーバを導入すると共に、上記のような第1及び第2の行列を用いることで、吸気圧制御系及び新気量制御系で干渉があってもむだ時間を適切に補償するモデル予測制御を実施することができるようになる。
なお、上で述べた第1の行列は、(A)吸気圧が新気量に影響を与える干渉要素と新気量が吸気圧に影響を与える干渉要素とを含む、エンジンの状態方程式における行列と、(B)吸気圧に関する内部状態が新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素と新気量に関する内部状態が吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と、(C)吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態が新気量に影響を与える干渉要素、及び吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態が吸気圧に影響を与える干渉要素とを含むようにしてもよい。制御系の干渉に対処できるようになる。
なお、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じて第1の行列及び第2の行列を更新するステップをさらに含むようにしても良い。このようにすれば、運転モードの切り替えに適切に対処することができ、安定的な制御が可能となる。
なお、第1の行列及び第2の行列が、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じて変化するむだ時間の補償量に応じて算出されるような場合もある。
また、上で述べたモデル予測制御の処理が、(A)排気循環器のバルブ開度の操作量の時系列値及び可変ノズルターボのノズル開度の操作量の時系列値が、排気循環器のバルブ開度及び可変ノイズターボのノズル開度の飽和による制約条件を満たすか判断するステップと、(B)制約条件が満たされないと判断された場合には、制約条件を満たしつつ、追従誤差に関する値と、操作量に関する値とを重み付け加算した評価関数の値を最小化するように、排気循環器のバルブ開度の操作量の時系列値及び可変ノズルターボのノズル開度の操作量の時系列値を計算し直すステップとを含む場合がある。このようにすれば、排気循環器のバルブ開度及び可変ノズルターボのノズル開度の飽和による制約条件を満たすように操作量を決定することができるようになる。なお、制約条件については、吸気圧及び新気量の測定値についての制約を含む場合もある。
なお、実施の形態に係るエンジン制御装置(図26:6000)は、(A)排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するデータ取得部(図26:6010)と、(B)吸気圧の測定値及び新気量の測定値とエンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと上で述べた第1の行列との積と、排気循環器のバルブ開度と可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと上で述べた第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における第1の行列と第2の行列とを用いて吸気圧に関する内部状態及び新気量に関する内部状態を推定し、第2の状態ベクトルを生成する状態オブザーバ(図26:6020)と、(C)燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じた新気量の目標値及び吸気圧の目標値と、生成した第2状態ベクトルと、第1の行列と第2の行列とから得られる行列とを用いてモデル予測制御を実施することで、排気循環器のバルブ開度の操作量と可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、燃料噴射量の設定値及びエンジン回転数の設定値に応じた、排気循環器のバルブ開度の基準値及び可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、排気循環器のバルブ開度の指令値及び可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するモデル予測制御部(図26:6030)とを有する。
なお、上記方法による処理をプロセッサに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、
前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値と前記エンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、前記排気循環器のバルブ開度と前記可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における前記第1の行列と前記第2の行列とを用いて前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態を状態オブザーバによって推定し、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値と併せて状態ベクトルを生成するステップと、
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた前記新気量の目標値及び前記吸気圧の目標値と、生成した前記状態ベクトルとから、前記第1の行列と前記第2の行列とから得られる行列を用いてモデル予測制御を実施することで、前記排気循環器のバルブ開度の操作量と前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた、前記排気循環器のバルブ開度の基準値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、前記排気循環器のバルブ開度の指令値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するステップと、
をプロセッサに実行させ、
前記第1の行列により、前記状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、
前記第2の行列が、
前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と
を含む、エンジン制御プログラム。
(付記2)
前記第1の行列が、
前記吸気圧が前記新気量に影響を与える干渉要素と前記新気量が前記吸気圧に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
前記吸気圧に関する内部状態が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素と前記新気量に関する内部状態が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と、
前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態が前記新気量に影響を与える干渉要素、及び前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と
を含む付記1記載のエンジン制御プログラム。
(付記3)
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じて前記第1の行列及び前記第2の行列を更新するステップ
をさらに前記プロセッサに実行させるための付記1又は2記載のエンジン制御プログラム。
(付記4)
前記第1の行列及び前記第2の行列が、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じて変化するむだ時間の補償量に応じて算出される
付記3記載のエンジン制御プログラム。
(付記5)
前記モデル予測制御の処理が、
前記排気循環器のバルブ開度の操作量の時系列値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量の時系列値が、前記排気循環器のバルブ開度及び前記可変ノイズターボのノズル開度の飽和による制約条件を満たすか判断するステップと、
前記制約条件が満たされないと判断された場合には、前記制約条件を満たしつつ、追従誤差に関する値と、操作量に関する値とを重み付け加算した評価関数の値を最小化するように、前記排気循環器のバルブ開度の操作量の時系列値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量の時系列値を計算し直すステップと、
を含む付記1記載のエンジン制御プログラム。
(付記6)
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、
前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値と前記エンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、前記排気循環器のバルブ開度と前記可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における前記第1の行列と前記第2の行列とを用いて前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態を状態オブザーバによって推定し、第2の状態ベクトルを生成するステップと、
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた前記新気量の目標値及び前記吸気圧の目標値と、生成した前記第2の状態ベクトルと、前記第1の行列と前記第2の行列とから得られる行列とを用いてモデル予測制御を実施することで、前記排気循環器のバルブ開度の操作量と前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた、前記排気循環器のバルブ開度の基準値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、前記排気循環器のバルブ開度の指令値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するステップと、
を含み、
前記第1の行列により、前記状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、
前記第2の行列が、
前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と
を含む、エンジン制御方法。
(付記7)
排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するデータ取得部と、
前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値と前記エンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、前記排気循環器のバルブ開度と前記可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における前記第1の行列と前記第2の行列とを用いて前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態を推定し、第2の状態ベクトルを生成する状態オブザーバと、
前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた前記新気量の目標値及び前記吸気圧の目標値と、生成した前記第2の状態ベクトルと、前記第1の行列と前記第2の行列とから得られる行列とを用いてモデル予測制御を実施することで、前記排気循環器のバルブ開度の操作量と前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた、前記排気循環器のバルブ開度の基準値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、前記排気循環器のバルブ開度の指令値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するモデル予測制御部と、
を有し、
前記第1の行列により、前記状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、
前記第2の行列が、
前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と
を含む、エンジン制御装置。
1 エンジン本体
1000 エンジン制御装置
100 計画器
110 モデル予測制御部
120 状態オブザーバ
130 エンジン特性

Claims (7)

  1. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、
    前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値と前記エンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、前記排気循環器のバルブ開度と前記可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における前記第1の行列と前記第2の行列とを用いて前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態を状態オブザーバによって推定し、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値と併せて状態ベクトルを生成するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた前記新気量の目標値及び前記吸気圧の目標値と、生成した前記状態ベクトルとから、前記第1の行列と前記第2の行列とから得られる行列を用いてモデル予測制御を実施することで、前記排気循環器のバルブ開度の操作量と前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた、前記排気循環器のバルブ開度の基準値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、前記排気循環器のバルブ開度の指令値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するステップと、
    をプロセッサに実行させ、
    前記第1の行列により、前記状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、
    前記第2の行列が、
    前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
    前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と
    を含む、エンジン制御プログラム。
  2. 前記第1の行列が、
    前記吸気圧が前記新気量に影響を与える干渉要素と前記新気量が前記吸気圧に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
    前記吸気圧に関する内部状態が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素と前記新気量に関する内部状態が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と、
    前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態が前記新気量に影響を与える干渉要素、及び前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と
    を含む請求項1記載のエンジン制御プログラム。
  3. 前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じて前記第1の行列及び前記第2の行列を更新するステップ
    をさらに前記プロセッサに実行させるための請求項1又は2記載のエンジン制御プログラム。
  4. 前記第1の行列及び前記第2の行列が、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じて変化するむだ時間の補償量に応じて算出される
    請求項3記載のエンジン制御プログラム。
  5. 前記モデル予測制御の処理が、
    前記排気循環器のバルブ開度の操作量の時系列値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量の時系列値が、前記排気循環器のバルブ開度及び前記可変ノイズターボのノズル開度の飽和による制約条件を満たすか判断するステップと、
    前記制約条件が満たされないと判断された場合には、前記制約条件を満たしつつ、追従誤差に関する値と、操作量に関する値とを重み付け加算した評価関数の値を最小化するように、前記排気循環器のバルブ開度の操作量の時系列値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量の時系列値を計算し直すステップと、
    を含む請求項1記載のエンジン制御プログラム。
  6. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するステップと、
    前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値と前記エンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、前記排気循環器のバルブ開度と前記可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における前記第1の行列と前記第2の行列とを用いて前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態を状態オブザーバによって推定し、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値と併せて状態ベクトルを生成するステップと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた前記新気量の目標値及び前記吸気圧の目標値と、生成した前記状態ベクトルとから、前記第1の行列と前記第2の行列とから得られる行列を用いてモデル予測制御を実施することで、前記排気循環器のバルブ開度の操作量と前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた、前記排気循環器のバルブ開度の基準値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、前記排気循環器のバルブ開度の指令値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するステップと、
    を含み、
    前記第1の行列により、前記状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、
    前記第2の行列が、
    前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
    前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と
    を含む、エンジン制御方法。
  7. 排気循環器及び可変ノズルターボを有するエンジンに対する燃料噴射量の設定値、エンジン回転数の設定値、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値を取得するデータ取得部と、
    前記吸気圧の測定値及び前記新気量の測定値と前記エンジンが有するむだ時間特性をパディ近似により表すことで追加される前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態とを表す状態ベクトルと第1の行列との積と、前記排気循環器のバルブ開度と前記可変ノズルターボのノズル開度とを表す操作量ベクトルと第2の行列との積との和により1単位時間後の状態ベクトルが表される合成状態方程式における前記第1の行列と前記第2の行列とを用いて前記吸気圧に関する内部状態及び前記新気量に関する内部状態を推定し、前記エンジンの吸気圧の測定値及び新気量の測定値と併せて状態ベクトルを生成する状態オブザーバと、
    前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた前記新気量の目標値及び前記吸気圧の目標値と、生成した前記状態ベクトルとから、前記第1の行列と前記第2の行列とから得られる行列を用いてモデル予測制御を実施することで、前記排気循環器のバルブ開度の操作量と前記可変ノズルターボのノズル開度の操作量とを算出し、前記燃料噴射量の設定値及び前記エンジン回転数の設定値に応じた、前記排気循環器のバルブ開度の基準値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の基準値を加算することで、前記排気循環器のバルブ開度の指令値及び前記可変ノズルターボのノズル開度の指令値を算出するモデル予測制御部と、
    を有し、
    前記第1の行列により、前記状態ベクトルに含まれる要素間の相互作用を表し、
    前記第2の行列が、
    前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に影響を与える干渉要素とを含む、前記エンジンの状態方程式における行列と、
    前記排気循環器のバルブ開度が前記吸気圧に関する内部状態に影響を与える干渉要素と、前記可変ノズルターボのノズル開度が前記新気量に関する内部状態に影響を与える干渉要素とを含む、前記むだ時間特性をパディ近似で表すことで規定される状態方程式における行列と
    を含む、エンジン制御装置。
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