JP2012167523A - アンカーボルトの固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄骨鉄筋コンクリート造構造物等の構造物における柱部分は、基礎に対して埋設状態に設けたアンカーボルトに対して柱ユニットをボルト締めして固定されている。このような工法においては、基礎の養生の際に、施工中の振動、誤差等によって、アンカーボルトが本来設置されるべき設計上の位置である基準位置から偏芯してしまうことは、一般的な工法においては避けがたい。
【解決手段】 より大きな許容範囲でアンカーボルトの位置ずれを吸収し得るようにすることで、アンカーボルトが基準位置から偏芯した場合であっても柱を所望の位置に効果的に固定することができ、且つアンカーボルトの強度低下を伴うことがない、新規なアンカーボルトの固定用座金を用いたアンカーボルトの固定具を提供する
【選択図】 図１

Description

本発明は構造物の基礎におけるアンカーボルトと、柱と一体に形成されたベースプレートとの接続構造に関するものであり、特に基準位置から偏芯した状態に施工されたアンカーボルトであっても、位置修正のための曲げ等を要さずにアンカーボルトと柱ユニットとの接続を行うことのできる、アンカーボルトの固定用具に係るものである。
鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造構造物等の構造物における柱部分は、基礎に対して埋設状態に設けたアンカーボルトに対して柱ユニットをボルト締めして固定されている。このような工法においては、基礎の養生の際に、施工中の振動、誤差等によって、アンカーボルトが本来設置されるべき設計上の位置である基準位置から偏芯してしまうことは、一般的な工法においては避けがたいのが実状である。
） 特許第３４０１６３４号公報 ） 特開２００７−２９１７６０号公報
本発明はこのような背景の下になされたものであって、より大きな許容範囲でアンカーボルトの位置ずれを吸収し得るようにすることで、アンカーボルトが基準位置から偏芯した場合であっても柱を所望の位置に効果的に固定することができ、且つアンカーボルトの強度低下を伴うことがない、新規なアンカーボルトの固定用座金を用いたアンカーボルトの固定具を提供するものである。
すなわち請求項１記載のアンカーボルトの固定具は、ベースプレートの円孔内に遊嵌可能な外周面を有するとともに、偏心位置にアンカーボルトよりも大径の嵌合孔を有する大偏心円板と、前記大偏心板の前記嵌合孔内に配置可能であり、偏心位置に前記アンカーボルトを貫通させる貫通孔を有した小偏心円板とから成るものである。
また請求項２に記載のアンカーボルト固定具は、大偏心板の嵌合孔は当該大偏心板の半径よりも大きく、前記大偏心板に形成された嵌合孔は外周に開口したアンカーボルトの直径よりも大きな開口部を有し、小偏心板はアンカーボルトの直径よりもやや大きい長孔であってかつアンカーボルトに装着した際にアンカーボルトの外周が小偏心板の外周とほぼ同一となるように形成して成るものである。
本発明によれば、アンカーボルトが偏芯した位置に埋設されている場合であっても柱等の構造物を所望の位置に固定することができ、且つアンカーボルトの強度低下を伴うことがない、新規なアンカーボルトの固定具を提供することができる。さらに、アンカーボルトにナットを装着したままで作業を完了できるので、いちいちナットを取り外して従来の偏心吸収用座金を取り付ける手間が省け、作業が迅速に行われ、工期短縮等の効果がある。
使用状態を示す斜視図 アンカーボルトがほぼ中心に位置した場合の配置図 アンカーボルトが最大にずれた位置の場合の配置図 アンカーボルトが任意の位置の場合の配置図
本発明のアンカー固定具はベースプレート５とほぼ同等の厚みを有する２個のパーツで構成される。１つは、外周面の任意の点に接するアンカーボルト６の直径よりもやや大き目の孔Ｈ１が穿設された小偏心円板２であって、円孔Ｈ１と小偏心円板２の中心を結ぶ線と平行でかつ孔Ｈ１に接する線で切り欠いたＵ字状長孔Ｈ９を有している。別の１つは、ベースプレート５の円孔Ｈ２内に遊嵌可能な外周面を有する大偏心円板１であって、該大偏心円板１の中心からアンカーボルト６の半径に相当する長さだけ離れた点を通りかつ前記小偏心円板２を遊嵌可能な円孔Ｈ４を配設し、該大偏心円板１の中心と円孔Ｈ４の中心とを結ぶ線に平行で円孔Ｈ４に接する線で切り欠いたＵ字状長孔Ｈ８を有している。
ベースプレート５は予め、大偏心円板１を遊嵌可能な大きさの円孔Ｈ２が穿設されている。柱７などの構造部材をアンカーボルト６が埋設された基礎４上に設置し、まず、大偏心円板１をベースプレートの円孔Ｈ２に遊嵌する。次いで、大偏心円板１のＵ字状長孔Ｈ８もしくは円孔４の内側にアンカーボルト６が接するように大偏心円板１を円孔Ｈ２内で回動させながら大偏心円板１を位置決めする。
次に、小偏心円板２を、アンカーボルト６をＵ字状長孔Ｈ６に沿わせて配設し、小偏心円板２を回動させて大偏心円板１のＵ字状長孔Ｈ８に嵌合する。この際に、大偏心円板１も小偏心円板２もＵ字状の長孔Ｈ８及びＨ９を有しており、アンカーボルト６のナット８を装着したままの状態で組み付け作業ができ、ナットの紛失や落下等のトラブルを回避しうる。
最後に、ベースプレート、大偏心円板１、小偏心円板２を溶接接合してナット８を締め付ければ完了である。
本発明は、主として建築構造物のアンカーボルトの位置調整用に考えたものであるが、位置調整を必要とする他の、例えばフランジ接合のボルト孔の位置ずれにも適用可能であり、類似の範囲での適用が可能である。
１ 大偏心円板
２ 小偏心円板
３ ナット
４ 基礎
５ ベースプレート
６ アンカーボルト
７ 柱
８ ナット
Ｈ１ 円孔
Ｈ２ 円孔
Ｈ３ 円孔
Ｈ４ 円孔
Ｈ８ Ｕ字状長孔
Ｈ９ Ｕ字状長孔

Claims (2)

  1. ベースプレートの円孔内に遊嵌可能な外周面を有するとともに、偏心位置にアンカーボルトよりも大径の嵌合孔を有する大偏心円板と、前記大偏心板の前記嵌合孔内に遊嵌可能であり、偏心位置に前記アンカーボルトを貫通させる貫通孔を有した小偏心円板とから成るアンカーボルトの固定具。
  2. 大偏心板の嵌合孔は当該大偏心板の半径よりも大きく、前記大偏心板に形成された嵌合孔は外周に開口したアンカーボルトの直径よりも大きな開口部を有し、小偏心板はアンカーボルトの直径よりもやや大きい長孔であってかつアンカーボルトに装着した際にアンカーボルトの外周が小偏心板の外周とほぼ同一となるように形成して成るアンカーボルトの固定具。
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