JP2012167133A - ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 - Google Patents
ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012167133A JP2012167133A JP2011026469A JP2011026469A JP2012167133A JP 2012167133 A JP2012167133 A JP 2012167133A JP 2011026469 A JP2011026469 A JP 2011026469A JP 2011026469 A JP2011026469 A JP 2011026469A JP 2012167133 A JP2012167133 A JP 2012167133A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- styrene
- resin composition
- wire harness
- poly
- block copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
Landscapes
- Insulated Conductors (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】ワイヤーハーネス用止水材として必要な電線被覆材との接着性、耐熱性、柔軟性を併せ持ち、かつポッティング法を用いずに、射出成形によって止水可能な熱可塑性エラストマー樹脂組成物を提供する。
【解決手段】スチレン系エラストマー(A)と、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が50〜99:50〜1であるワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】スチレン系エラストマー(A)と、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が50〜99:50〜1であるワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は電子機器、車載・電送部品、トランス・コイルパワーモジュール及びそのデバイス、リレー、センサー等のワイヤーハーネスの止水材用樹脂組成物に関する。
自動車や二輪車などに搭載される電子制御ユニットは、水のかからない非被水領域に搭載される場合においても、接続するワイヤーハーネスに雨水等が浸入しやすい被水領域を通って配線される場合が多いため、ワイヤーハーネス側からの電子制御ユニット内への水の浸入を防止することが重要である。
従来、ワイヤーハーネスの止水には耐熱性を必要とされることから、シリコーン樹脂をはじめとして硬化性の樹脂をポッティングする方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの樹脂は硬化のために長時間の工程が必要となり、また、硬化するまで単体で形状保持が出来ないため、箱型の中に流し入れるポッティング法が使用されている。
近年、シール部材の材料として耐熱性を向上させた熱可塑性エラストマーが開発されている(例えば、特許文献2参照)。しかしこの材料では、軟化剤の添加を必須とし、流動性を高め、また、高温時の形状保持のために、フィラーの添加を必須としている。
従来、ワイヤーハーネスの止水には耐熱性を必要とされることから、シリコーン樹脂をはじめとして硬化性の樹脂をポッティングする方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの樹脂は硬化のために長時間の工程が必要となり、また、硬化するまで単体で形状保持が出来ないため、箱型の中に流し入れるポッティング法が使用されている。
近年、シール部材の材料として耐熱性を向上させた熱可塑性エラストマーが開発されている(例えば、特許文献2参照)。しかしこの材料では、軟化剤の添加を必須とし、流動性を高め、また、高温時の形状保持のために、フィラーの添加を必須としている。
主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(SPS)は、他の構造のものに比べて格別に融点が高いため熱成形に際して高い温度において行う必要がある。しかし、このように高い温度で成形する際には、熱分解による分子量低下を招くことになり、機械的性質が低下する。
従来から、成形時の熱分解による機械的性質の低下を防ぐために、ポリスチレン樹脂に、トリホスファイトとフェノール系酸化防止剤を添加したものや、トリホスファイト、ジホスファイトおよびフェノール系酸化防止剤を加えた方法が知られており、SPSと熱可塑性エラストマーからなる組成物に特定構造を有するリン系化合物とフェノール系酸化防止剤を配合してなるポリスチレン系樹脂組成物が公知である(例えば、特許文献3参照)。
従来から、成形時の熱分解による機械的性質の低下を防ぐために、ポリスチレン樹脂に、トリホスファイトとフェノール系酸化防止剤を添加したものや、トリホスファイト、ジホスファイトおよびフェノール系酸化防止剤を加えた方法が知られており、SPSと熱可塑性エラストマーからなる組成物に特定構造を有するリン系化合物とフェノール系酸化防止剤を配合してなるポリスチレン系樹脂組成物が公知である(例えば、特許文献3参照)。
本発明はワイヤーハーネス用止水材として必要な電線被覆材との接着性、耐熱性、柔軟性を併せ持ち、かつポッティング法を用いずに、射出成形によって止水可能な熱可塑性エラストマー樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記課題について鋭意検討を行った結果、未変性スチレン系エラストマーと、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(SPS)からなる組成物が上記の目的に適うものであり、射出成形によって止水可能なワイヤーハーネス用止水材として使用できるものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物を提供するものである。
1. 未変性スチレン系エラストマー(A)と、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が50〜99:50〜1であることを特徴とするワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
2.(A)成分と(B)成分の質量比が60〜90:40〜10である上記1のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
3.未変性スチレン系エラストマー(A)および主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)の合計100質量部に対して、さらにポリフェニレンエーテル(C)0.1〜15質量部を含有する上記1又は2のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
4.未変性スチレン系エラストマー(A)が、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレン共重合体(SEEPS)から選ばれる少なくとも一種である上記1〜3のいずれかのワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
5.未変性スチレン系エラストマー(A)が、未変性スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)である上記4のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
1. 未変性スチレン系エラストマー(A)と、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が50〜99:50〜1であることを特徴とするワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
2.(A)成分と(B)成分の質量比が60〜90:40〜10である上記1のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
3.未変性スチレン系エラストマー(A)および主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)の合計100質量部に対して、さらにポリフェニレンエーテル(C)0.1〜15質量部を含有する上記1又は2のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
4.未変性スチレン系エラストマー(A)が、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレン共重合体(SEEPS)から選ばれる少なくとも一種である上記1〜3のいずれかのワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
5.未変性スチレン系エラストマー(A)が、未変性スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)である上記4のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
本発明によれば、柔軟性と耐熱性を併せ持ち、かつ電線被覆材との接着性に優れた熱可塑性エラストマー樹脂組成物を提供する。該樹脂組成物は、ポッティング法を用いずに、射出成形などによってワイヤーハーネスの止水が可能であり、電子機器、車載・電送部品、トランス・コイルパワーモジュール及びそのデバイス、リレー、センサー等のワイヤーハーネスの止水材として極めて好適に使用することができる。
本発明は未変性スチレン系エラストマー(A)と、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が50〜99:50〜1であることを特徴とするワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物である。
ワイヤーハーネス(Wire Harness)は、絶縁されている導線を絶縁体の物質を用いてまとめてくくりつけたもので、電源供給・信号通信を目的とした複数の電線を束にして、それらを配線し易い長さ、形状にかたどったものであり、ケーブルハーネス(Cable Harness)とも呼ばれている。
屋外に設置される電気・電子機器は、接続するワイヤーハーネスに雨水等が浸入しやすい被水領域を通って配線される場合が多いため、ワイヤーハーネス側からの電子制御ユニット内への水の浸入を防止することが重要であり、本発明の樹脂組成物は該ワイヤーハーネスの止水材として使用されるものである。
ワイヤーハーネス(Wire Harness)は、絶縁されている導線を絶縁体の物質を用いてまとめてくくりつけたもので、電源供給・信号通信を目的とした複数の電線を束にして、それらを配線し易い長さ、形状にかたどったものであり、ケーブルハーネス(Cable Harness)とも呼ばれている。
屋外に設置される電気・電子機器は、接続するワイヤーハーネスに雨水等が浸入しやすい被水領域を通って配線される場合が多いため、ワイヤーハーネス側からの電子制御ユニット内への水の浸入を防止することが重要であり、本発明の樹脂組成物は該ワイヤーハーネスの止水材として使用されるものである。
本発明のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物で用いられる(A)成分の未変性スチレン系エラストマーとしては、未変性のスチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレン共重合体(SEEPS)などが挙げられ、これらの未変性スチレン系エラストマーは一種のみを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、これら未変性スチレン系エラストマーの中で未変性スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)が好ましい。
(B)成分の主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(SPS)におけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素-炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。
核磁気共鳴法(13C−NMR法)により測定されるシンジオタクチック構造のタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、(B)成分の主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体には、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン系重合体が用いられる。
核磁気共鳴法(13C−NMR法)により測定されるシンジオタクチック構造のタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、(B)成分の主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体には、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン系重合体が用いられる。
(B)成分のSPSにおけるスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。
ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソピルスチレン)、ポリ(t-ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、またポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。
ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソピルスチレン)、ポリ(t-ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、またポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。
なお、これらの中で特に好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(m-メチルスチレン)、ポリ(p-又はt-ブチルスチレン)、ポリ(p-クロロスチレン)、ポリ(m-クロロスチレン)、ポリ(p-フルオロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
このようなSPSは、例えば、不活性炭化水素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる(特開昭62−187708号公報参照)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については特開平1−46912号公報に記載の方法、水素化重合体は特開平1−178505号公報に記載の方法などにより得ることができる。これらのSPSは一種のみを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなSPSは、例えば、不活性炭化水素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる(特開昭62−187708号公報参照)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については特開平1−46912号公報に記載の方法、水素化重合体は特開平1−178505号公報に記載の方法などにより得ることができる。これらのSPSは一種のみを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分と(B)成分の質量比は50〜99:50〜1であり、60〜90:40〜10であることが好ましく、70〜80:30〜20であることが更に好ましい。(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して(B)成分(SPS)が1質量部未満の場合にはSPSによる耐熱性向上効果が得られず、50質量部よりも多い場合には止水材として必要な電線被覆材との接着性が維持できなくなる恐れがある。
本発明のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物には、必要により、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、ポリフェニレンエーテル(C)を0.1〜15質量部含有することが好ましく、1〜10質量部を含有することがより好ましく、2〜8質量部を含有することが更に好ましい。ポリフェニレンエーテル(C)を0.1質量部以上含有させることによりポリフェニレンエーテルによる接着性の向上効果が得られ、15質量部以下とすることにより、エラストマーの伸びが阻害されず、必要とされる柔軟性が得られる。
(C)成分のポリフェニレンエ−テル(PPE)の例としては、ポリ(2,3−ジメチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−クロロメチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ〔2−(4'−メチルフェニル)−1,4−フェニレンエーテル〕;ポリ(2−ブロモ−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−クロロ−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−クロロ−6−ブロモ−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−クロロ−6−メチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)及びポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。この中で、特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。なお、上記ポリフェニレンエ−テルは、一種のみを単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのポリフェニレンエ−テルは、公知の化合物であり、米国特許第3,306,874号,同3,306,875号,同3,257,357号及び同3,257,358号の各明細書を参照することができる。ポリフェニレンエーテルは、通常、銅アミン錯体、および二箇所もしくは三箇所を置換した一種以上のフェノール化合物の存在下で、ホモポリマー又はコポリマーを生成する酸化カップリング反応によって調製される。ここで、銅アミン錯体は、第一,第二及び第三アミンから誘導される銅アミン錯体を使用できる。
これらのポリフェニレンエ−テルは、公知の化合物であり、米国特許第3,306,874号,同3,306,875号,同3,257,357号及び同3,257,358号の各明細書を参照することができる。ポリフェニレンエーテルは、通常、銅アミン錯体、および二箇所もしくは三箇所を置換した一種以上のフェノール化合物の存在下で、ホモポリマー又はコポリマーを生成する酸化カップリング反応によって調製される。ここで、銅アミン錯体は、第一,第二及び第三アミンから誘導される銅アミン錯体を使用できる。
また、本発明のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物には、コンパウンド中および製品の熱安定性を高める目的で、5質量%以内で酸化防止剤を添加しても良い。
酸化防止剤としてはペンタエリスリトール テトラキス[3−(3、5−ジ-t-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロビオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGANOX1010)、ビス−(2、6−ジ−tert−ブチル-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジ ホスファイト(株式会社ADEKA製、アデカスタブ PEP−36)、1、3、5−トリス−(3'、5'−ジ‐tert−ブチル−4‘−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸(株式会社ADEKA製、アデカスタブ AO−20)等を用いることができる。
酸化防止剤としてはペンタエリスリトール テトラキス[3−(3、5−ジ-t-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロビオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGANOX1010)、ビス−(2、6−ジ−tert−ブチル-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジ ホスファイト(株式会社ADEKA製、アデカスタブ PEP−36)、1、3、5−トリス−(3'、5'−ジ‐tert−ブチル−4‘−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸(株式会社ADEKA製、アデカスタブ AO−20)等を用いることができる。
本発明のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物の調製方法については、特に制限はなく、公知の方法により調製することができる。例えば、上記成分を常温で混合した後、溶融混練など様々な方法でブレンドすればよく、その方法は特に制限はされない。混合・混練方法として、二軸押出機を用いた溶融混練が好ましく用いられる。
二軸押出機を用いた溶融混練においては、用いるSPSの融点以上、350℃未満での混練が好ましい。混練温度を用いるSPSの融点以上とすることにより、SPSの粘度が高くなりすぎることがないため、生産性が低下することがない。また、350℃未満とすることにより、SPSが熱分解するおそれがない。
二軸押出機を用いた溶融混練においては、用いるSPSの融点以上、350℃未満での混練が好ましい。混練温度を用いるSPSの融点以上とすることにより、SPSの粘度が高くなりすぎることがないため、生産性が低下することがない。また、350℃未満とすることにより、SPSが熱分解するおそれがない。
本発明のワイヤーハーネス止水用樹脂組成物の成形方法についても特に制限はなく、射出成形、 押出成形等公知の方法により成形することができる。射出成形のときの成形温度は、用いるSPSの融点以上、350℃未満が好ましい。成形温度を用いるSPSの融点以上とすることにより、流動性が低下するおそれがなく、350℃未満とすることにより、SPSが熱分解するおそれがない。また金型温度としては、40〜100℃ が好ましく、40〜80℃ が更に好ましい。金型温度を40℃ 以上とすることにより、SPSが十分結晶化し、SPSの特徴が十分発揮される。また100℃ 以下とすることにより、本材料が金型内で溶融してしまうことがない。
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例における物性試験の測定およびシール性の評価を次のように行った。
(1)ピーリング応力
インサート成形により127mm×13mm、厚み2mmの架橋ポリエチレン製の電線被覆材のシートと、実施例および比較例で得られた127mm×13mm、厚み1.2mmの止水材のシートを貼り合わせ、それをT型剥離試験装置(INSTRON製、5567P7529)にて25mm/minの試験速度でピーリング応力を測定した。
(2)ビカット軟化点
JIS K7206に準拠して測定した。
(3)破断伸び
ASTM D638に準拠して測定した。
(4)シール性(止水性)の評価
図1に示された導電性の芯線11と、絶縁性の被覆部12とを備えている電線1に、ペレット状に成形された本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物を用いて止水部2を成形する。次いで、本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物とは異なる樹脂組成物を用いて、ハウジング部3を成形する。前記手順によって得られた成形体をアルミ製の冶具(図示せず)にセットして水中にいれ、冶具にチューブを通して当該チューブから冶具内に100.0kPaの圧縮空気を30秒間送り、止水部2と電線1の界面、止水部2とハウジング部3の界面からの圧縮空気の漏れを観測した。圧縮空気の漏れがないものを合格(○)、圧縮空気の漏れがあるものを不合格(×)とした。
なお、以下の実施例および比較例における物性試験の測定およびシール性の評価を次のように行った。
(1)ピーリング応力
インサート成形により127mm×13mm、厚み2mmの架橋ポリエチレン製の電線被覆材のシートと、実施例および比較例で得られた127mm×13mm、厚み1.2mmの止水材のシートを貼り合わせ、それをT型剥離試験装置(INSTRON製、5567P7529)にて25mm/minの試験速度でピーリング応力を測定した。
(2)ビカット軟化点
JIS K7206に準拠して測定した。
(3)破断伸び
ASTM D638に準拠して測定した。
(4)シール性(止水性)の評価
図1に示された導電性の芯線11と、絶縁性の被覆部12とを備えている電線1に、ペレット状に成形された本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物を用いて止水部2を成形する。次いで、本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物とは異なる樹脂組成物を用いて、ハウジング部3を成形する。前記手順によって得られた成形体をアルミ製の冶具(図示せず)にセットして水中にいれ、冶具にチューブを通して当該チューブから冶具内に100.0kPaの圧縮空気を30秒間送り、止水部2と電線1の界面、止水部2とハウジング部3の界面からの圧縮空気の漏れを観測した。圧縮空気の漏れがないものを合格(○)、圧縮空気の漏れがあるものを不合格(×)とした。
実施例1〜15、比較例1〜2
下記の配合成分を第1表及び第2表に示す割合でドライブレンドした後、二軸押出機を用いシリンダー温度290℃で溶融混練を行い、得られたストランドを水槽を通して冷却した後、ペレット化し、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて上記の物性試験の測定を行った。測定結果を第1表及び第2表に示す。
(A)未変性スチレン系エラストマー
スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体:(旭化成ケミカルズ株式会社製、タフテック H1041、スチレン/エチレンブチレン質量比=30/70、MFR(温度230℃、荷重2.16Kgf)=5g/分)
(B)主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(SPS)
ホモシンジオタクチックポリスチレン:(出光興産株式会社製、ザレック130ZC、ラセミペンタッドタクティシティー=98%、MFR(温度300℃、荷重1.3kgf)=13g/分)
(C)ポリフェニレンエーテル(PPE)
ポリ(2、6−ジメチルフェニレンエーテル):(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、IUPIACE PX−100L)
下記の配合成分を第1表及び第2表に示す割合でドライブレンドした後、二軸押出機を用いシリンダー温度290℃で溶融混練を行い、得られたストランドを水槽を通して冷却した後、ペレット化し、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて上記の物性試験の測定を行った。測定結果を第1表及び第2表に示す。
(A)未変性スチレン系エラストマー
スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体:(旭化成ケミカルズ株式会社製、タフテック H1041、スチレン/エチレンブチレン質量比=30/70、MFR(温度230℃、荷重2.16Kgf)=5g/分)
(B)主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(SPS)
ホモシンジオタクチックポリスチレン:(出光興産株式会社製、ザレック130ZC、ラセミペンタッドタクティシティー=98%、MFR(温度300℃、荷重1.3kgf)=13g/分)
(C)ポリフェニレンエーテル(PPE)
ポリ(2、6−ジメチルフェニレンエーテル):(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、IUPIACE PX−100L)
実施例1〜8及び比較例1〜2で得られたSPS添加量と、ピーリング応力(N)、ビカット軟化点(℃)及び破断伸び(%)の関係を図4〜6にグラフで示す。また、実施例9〜15で得られたPPE添加量と、ピーリング応力(N)、ビカット軟化点(℃)及び破断伸び(%)の関係を図7〜9にグラフで示す。
以上の実施例及び比較例の結果から次のようなことが確認される。
(1)未変性スチレン系エラストマーにSPSを添加することによりビカット軟化点が高くなり、耐熱性が向上すると共に、ポッティング法を用いずに、射出成形によって止水可能な熱可塑性エラストマー樹脂組成物を得ることができる。
(2)未変性スチレン系エラストマーとSPSの組成物にポリフェニレンエーテル(PPE)を添加することによりピーリング応力が上昇し、接着性が向上する。但し、破断伸びが低下するので、用いられるワイヤーハーネスに応じたPPEの含有量が選定される。
(3)未変性スチレン系エラストマーにSPSを添加することによりピーリング応力および破断伸びが低下する。
以上の実施例及び比較例の結果から次のようなことが確認される。
(1)未変性スチレン系エラストマーにSPSを添加することによりビカット軟化点が高くなり、耐熱性が向上すると共に、ポッティング法を用いずに、射出成形によって止水可能な熱可塑性エラストマー樹脂組成物を得ることができる。
(2)未変性スチレン系エラストマーとSPSの組成物にポリフェニレンエーテル(PPE)を添加することによりピーリング応力が上昇し、接着性が向上する。但し、破断伸びが低下するので、用いられるワイヤーハーネスに応じたPPEの含有量が選定される。
(3)未変性スチレン系エラストマーにSPSを添加することによりピーリング応力および破断伸びが低下する。
本発明によれば、柔軟性と耐熱性を併せ持ち、かつ電線被覆材との接着性に優れた熱可塑性エラストマー樹脂組成物が提供され、電子機器、車載・電送部品、トランス・コイルパワーモジュール及びそのデバイス、リレー、センサー等のワイヤーハーネスの止水材として極めて好適に使用することができる。
1 電線
2 止水部
3 ハウジング部
11 芯線
12 被覆部
2 止水部
3 ハウジング部
11 芯線
12 被覆部
Claims (5)
- 未変性スチレン系エラストマー(A)と、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)を含有し、(A)成分と(B)成分の質量比が50〜99:50〜1であることを特徴とするワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
- (A)成分と(B)成分の質量比が60〜90:40〜10である請求項1に記載のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
- 未変性スチレン系エラストマー(A)および主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体(B)の合計100質量部に対して、さらにポリフェニレンエーテル(C)0.1〜15質量部を含有する請求項1又は2に記載のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
- 未変性スチレン系エラストマー(A)が、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレン共重合体(SEEPS)から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
- 未変性スチレン系エラストマー(A)が、未変性スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)である請求項4に記載のワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011026469A JP2012167133A (ja) | 2011-02-09 | 2011-02-09 | ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011026469A JP2012167133A (ja) | 2011-02-09 | 2011-02-09 | ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012167133A true JP2012167133A (ja) | 2012-09-06 |
Family
ID=46971595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011026469A Withdrawn JP2012167133A (ja) | 2011-02-09 | 2011-02-09 | ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012167133A (ja) |
-
2011
- 2011-02-09 JP JP2011026469A patent/JP2012167133A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1563008B1 (en) | Resin composition for wire and cable covering material | |
US6469081B1 (en) | Styrene-based resin composition | |
JP4846731B2 (ja) | 耐摩耗性電線 | |
JP5981091B2 (ja) | コネクタ | |
EP2714801B1 (en) | Molding composition for photovoltaic junction boxes and connectors | |
KR101836956B1 (ko) | 폴리(아릴렌 에테르)-블록 코폴리머 조성물을 사용한 사출 성형품 | |
TWI643903B (zh) | 樹脂組合物、樹脂組合物之製造方法及成形體 | |
JP3705624B2 (ja) | 酸変性ポリフェニレンエーテルの製造法 | |
JP5576312B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 | |
JP5746514B2 (ja) | コネクタ | |
JP3591559B2 (ja) | シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物 | |
JP2017119739A (ja) | 樹脂組成物および成形品 | |
JP2012167135A (ja) | ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 | |
WO2021206077A1 (ja) | 樹脂組成物ペレット | |
JP2012167133A (ja) | ワイヤーハーネス止水材用樹脂組成物 | |
JP3658810B2 (ja) | ポリフェニレンエーテル系フィルム又はシートの製造方法 | |
JP2012164590A (ja) | コネクタ | |
CN113260670A (zh) | 聚苯乙烯系树脂组合物 | |
JPH11302480A (ja) | スチレン系樹脂組成物 | |
WO2020235437A1 (ja) | 配線部品 | |
JP2005248185A (ja) | ポリスチレン系樹脂組成物 | |
JP6049483B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形品 | |
JP2001294745A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2004269899A (ja) | シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物 | |
JP2011046779A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140513 |