JP2012167055A - 毛髪化粧料 - Google Patents

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JP2012167055A JP2011029273A JP2011029273A JP2012167055A JP 2012167055 A JP2012167055 A JP 2012167055A JP 2011029273 A JP2011029273 A JP 2011029273A JP 2011029273 A JP2011029273 A JP 2011029273A JP 2012167055 A JP2012167055 A JP 2012167055A
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Mayumi Uchida
真由美 内田
Toshiki Origuchi
俊樹 折口
Tsunayuki Ishimori
綱行 石森
Takahiro Yamashita
貴弘 山下
Satoshi Yamaki
悟史 八巻
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Abstract

【課題】優れたヘアカラーの褪色抑制効果を有する毛髪化粧料の提供。
【解決手段】第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーが下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)に対応する構成単位を含み、好ましくは前記成分(C)由来の第3級アミン部位が第4級アンモニウムイオン化されたウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、下記成分(D)が結合してウレア結合を形成した構造を有する該第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有する毛髪化粧料。成分(A):ポリイソシアネート化合物、成分(B):ポリオール化合物、成分(C):ヒドロキシル基を2個以上有する第3級アミン化合物、成分(D):特定の3種のエステル変性アミノ基含有アルコキシシラン
【選択図】なし

Description

本発明は毛髪化粧料、具体的には、ヘアカラーの褪色抑制効果を有するシャンプー、コンディショナー等の毛髪化粧料に関する。
近年、酸化染料を使用した頭髪のカラーリングが広く行われている。頭髪のカラーリングを楽しむ人々の主な悩みとしては、色持ちが悪く、染毛後は通常1ヵ月程度で褪色が目立つようになり、頻回に染毛を繰り返さなければ、綺麗なヘアカラーを保持することができないことが挙げられる。酸化染料の褪色は、洗髪等の際に毛髪内部に水が浸透して、毛髪内部に取り込まれていた染料が洗い流されることによって引き起こされるということが分かっており、ヘアカラーの褪色抑制効果を有するシャンプーやコンディショナー等が求められている。
特許文献1には、シリル化ペプチド−シラン化合物共重合組成物を配合した、褪色抑制効果を有するシャンプーが記載されている。また、特許文献2には、親油性カチオン界面活性剤とステロール類とを含有した、褪色抑制効果を有するトリートメントが記載されている。しかし、これらは何れも効果が不十分であり、ヘアカラーの持ちの良さを実感することができなかった。
特開2004−315369号公報 特開2003−176214号公報
従って、本発明の目的は、優れたヘアカラーの褪色抑制効果を有する毛髪化粧料を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーは、アニオン性を呈する毛髪表面に吸着しやすく、吸着した前記ポリマー同士が互いにシロキサン結合して架橋構造を形成するためか、流水下でも毛髪表面に優れた密着性を発揮することができ、シャンプー、コンディショナー等に配合して使用すると、洗髪処理に際し、まず毛髪に適用した際に速やかに毛髪表面に吸着して毛髪内部に水分が浸透するのを抑制し、水で濯いでも染料が毛髪内部から溶け出すのを抑制することができ、ヘアカラーの褪色を有意に抑制できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有する毛髪化粧料を提供する。
第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーは、下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)に対応する構成単位を含み、前記成分(C)由来の第3級アミン部位が第4級アンモニウムイオン化されたウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、下記成分(D)が結合してウレア結合を形成した構造を有することが好ましい。
成分(A):ポリイソシアネート化合物
成分(B):ポリオール化合物
成分(C):ヒドロキシル基を2個以上有する第3級アミン化合物
成分(D):下記式(d1)、(d2)又は(d3)で表されるエステル変性アミノ基含有アルコキシシラン
Figure 2012167055
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、アルキル基を示し、R3、R4は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R6は水素原子又は−COOR6'を示し、R6'はアルキル基を示す。また、mは1〜3の整数である。mが1である場合、2個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。mが2以上の整数である場合、2個以上のR1O−基は同一であってもよく、異なっていてもよい)
第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを構成する成分(B)は、3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又は該付加物の末端水酸基が封止された誘導体を含むことが好ましく、特に、下記式(b)
Figure 2012167055
(式中、n1は10〜40の整数を示す)
で表される化合物を含むことが好ましい。
第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを構成する成分(D)由来の末端アルコキシシリル基には、下記式(e1)又は(e2)
Figure 2012167055
(式(e1)中、R7、R8、R9、R10は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す。m’は1又は2である。n2は1以上の整数である。
式(e2)中、R11は(OR7)又はR8を示し、R12は有機基を示す。n3は1以上の整数である。R7、R8、m’は前記に同じ)
で表される化合物(E)を反応させて得られるシリコーン鎖を有することが好ましい。
本発明における第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーは、アニオン性を呈する毛髪表面に吸着しやすく、且つ、末端に反応性シリル基を有するため、この反応性シリル基が相互に反応して架橋構造を形成することにより、流水下でも毛髪表面に対して優れた吸着性を発揮することができる。そして、本発明に係る毛髪化粧料は、前記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有するため、毛髪に適用すると前記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーが速やかに毛髪表面に吸着して、毛髪内部への水分の浸透を妨げることができ、洗髪の際に毛髪内部から染料が洗い流されるのを抑制して毛髪の褪色を有意に抑制することができ、その上、毛髪になめらかな感触を付与することができる。本発明に係る毛髪化粧料は、特に、シャンプー、コンディショナー等として有用である。
[第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマー]
第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーとしては、ウレタン系ポリマーに少なくとも1個の第4級アンモニウム基と、少なくとも1個の反応性シリル基を有する化合物であればよい。反応性シリル基としては、加水分解性シリル基とシラノール基を挙げることができる。
本発明における第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーとしては、なかでも、下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)に対応する構成単位を含み、前記成分(C)由来の第3級アミン部位が第4級アンモニウムイオン化されたウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、下記成分(D)が結合してウレア結合を形成した構造を有する化合物が好ましい。
成分(A):ポリイソシアネート化合物
成分(B):ポリオール化合物
成分(C):ヒドロキシル基を2個以上有する第3級アミン化合物
成分(D):下記式(d1)、(d2)又は(d3)で表されるエステル変性アミノ基含有アルコキシシラン
Figure 2012167055
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、アルキル基を示し、R3、R4は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R6は水素原子又は−COOR6'を示し、R6'はアルキル基を示す。また、mは1〜3の整数である。mが1である場合、2個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。mが2以上の整数である場合、2個以上のR1O−基は同一であってもよく、異なっていてもよい)
上記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーは、少なくとも下記工程(1)、(2)、(3)を経て合成することができる。
工程(1):上記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を反応させてウレタン系ポリマーを合成する工程
工程(2):成分(C)由来の第3級アミン部位を第4級アンモニウムイオン化する工程
工程(3):ウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、上記成分(D)を反応させる工程
[成分(A):ポリイソシアネート化合物]
成分(A)は、分子内に少なくとも2つのイソシアネート基を有する化合物であればよく、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネ−ト等の脂肪族ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルエ−テルジイソシアネ−ト、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネ−ト、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシネ−ト、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジイソシアネート等を挙げることができる。
また、前記脂肪族ポリイソシアネ−ト、脂環式ポリイソシアネ−ト、芳香族ポリイソシアネ−ト、芳香脂肪族ポリイソシアネ−トによる二量体や三量体、反応生成物又は重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート等)等も挙げることができる。
本発明における成分(A)としては、なかでも、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等を好適に用いることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。また、脂肪族ポリイソシアネートを使用すると変色の少ない樹脂を得ることが出来る。
[成分(B):ポリオール化合物]
成分(B)としては、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又はその末端水酸基が封止された誘導体、ヒマシ油等を挙げることができる。本発明における成分(B)としては、なかでも、製造時の取り扱いが比較的容易なことから、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又はその末端水酸基が封止された誘導体から選択される化合物が好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)等のポリアルキレングリコール;エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等の複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体等を挙げることができる。本発明においては、商品名「PTMG2000」(三菱化学(株)製)等の市販品を使用してもよい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物等を用いることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)、糖アルコール類(キシリトール、ソルビトール等)等を挙げることができる。多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等を挙げることができる。また、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等を挙げることができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステルの開環重合物等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。多価アルコールとホスゲンとの反応に使用する多価アルコールとしては、前記多価アルコールの例と同様の例を挙げることができる。また、前記環状炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等を挙げることができる。なお、本発明においてポリカーボネートポリオールとは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
前記3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又はその末端水酸基が封止された誘導体としては、3価以上の多価アルコールが有するヒドロキシル基の1つに、ポリアルキレンオキシドが付加して得られる化合物又は該付加物の末端水酸基がメチル、エチル基等のアルキル基やアセチル、ベンゾイル基等のアシル基で封止された誘導体を挙げることができる。
前記3価以上の多価アルコールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、なかでもトリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ましい。
また、前記ポリアルキレンオキシドとしては、単一のアルキレンオキシドを含むアルキレンオキシド重合体、複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体を挙げることができる。そして、前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド,1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、オクチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシドの他、ジペンタンエチレンオキシド、ジヘキサンエチレンオキシド等の脂肪族エポキシド;トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オクチレンオキシド等の脂環エポキシド;スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド等の芳香族エポキシド等を挙げることができる。本発明におけるポリアルキレンオキシドとしては、なかでも、水分散安定性に優れる点でエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドを含むことが好ましく、特にエチレンオキシドを含むことが好ましい。
本発明における3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又はその末端水酸基が封止された誘導体としては、例えば、トリメチロールプロパンモノ(ポリエチレンオキシドメチルエーテル)、トリメチロールプロパンモノ(ポリエチレンオキシドエチルエーテル)等のトリメチロールプロパンモノ(ポリアルキレンオキシドアルキルエーテル);ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシアルキレンソルビタンモノ脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリルモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート等のポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル;トリメチロールプロパンモノ(ポリエチレンオキシドメチルエーテル)等のトリメチロールプロパンモノ(ポリアルキレンオキシドアルキルエーテル等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、トリメチロールプロパンモノ(ポリアルキレンオキシドアルキルエーテル)が好ましく、特に、下記式(b)
Figure 2012167055
(式中、n1は10〜40の整数を示す)
で表される化合物が好ましい。本発明においては、商品名「YmerN120」(Perstorp社製)等の市販品を使用してもよい。
本発明における成分(B)の数平均分子量としては、例えば、500〜5000程度が好ましく、なかでも800〜3000程度が好ましい。数平均分子量が500を下回ると、褪色抑制効果が低下する傾向がある。一方、数平均分子量が5000を上回ると、水分散安定性が低下する傾向がある。
本発明における成分(B)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又はその末端水酸基が封止された誘導体から選択される1以上の化合物を含むことが好ましく、特に、ウレタン系ポリマーにペンダント型のノニオン側鎖(親水基)を導入することにより、更に毛髪表面への吸着性が向上し、褪色抑制効果をより一層向上させることができる点で、少なくとも3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又はその末端水酸基が封止された誘導体(特に、上記式(b)で表される化合物)を含むことが好ましい。
成分(B)中の3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又は該付加物の末端水酸基が封止された誘導体の割合としては、例えば5〜100質量%、好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。
[成分(C):ヒドロキシル基を2個以上有する第3級アミン化合物]
成分(C)としては、カチオン化し得る第3級アミンと2個以上のヒドロキシル基を有していればよく、例えば、トリエタノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン等のトリアルカノールアミン;N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等のN−炭化水素基置換−ジアルカノールアミン等を挙げることができる。
本発明における成分(C)としては、なかでも、N−炭化水素基置換−N,N−ジアルカノールアミンが好ましく、特にN−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジプロパノールアミンが好ましい。
[成分(D):エステル変性アミノ基含有アルコキシシラン]
本発明における成分(D)は、上記式(d1)、(d2)又は(d3)で表される。式中、R1、R2は、同一又は異なって、アルキル基を示し、R3、R4は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R6は水素原子又は−COOR6'を示し、R6'はアルキル基を示す。また、mは1〜3の整数である。mが1である場合、2個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。mが2以上の整数である場合、2個以上のR1O−基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(d1)、(d2)、(d3)中のR1、R2は、同一又は異なってアルキル基を示す。前記アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル基等を挙げることができる。本発明のR1、R2におけるアルキル基としては、なかでも炭素数1〜6程度のアルキル基(特に安全性の点で、エチル基)が好ましい。
上記式(d1)、(d2)、(d3)中のR3、R4は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。前記アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、デカメチレン、テトラデカメチレン基等を挙げることができる。本発明のR3、R4におけるアルキレン基としては、なかでも炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。前記アリーレン基としては、例えば、フェニレン、ナフチレン、アントリレン基等を挙げることができる。本発明のR3、R4におけるアリーレン基としては、なかでも炭素数6〜10のアルキレン基が好ましい。
また、R3、R4が有していてもよい置換基としては、例えば、フェニル基等のアリール基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等を挙げることができる。また、該置換基は、さらに他の置換基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アシル基、アミノ基等)を有していてもよい。
上記式(d1)、(d2)、(d3)中のR5は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。前記アルキル基としては、上記R1、R2におけるアルキル基の例と同様の例を挙げることができる。本発明のR5におけるアルキル基としては、なかでも炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等の炭素数3〜20の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基等を挙げることができる。前記アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリル、ビフェニル基等の炭素数6〜20のアリール基等を挙げることができる。前記アラルキル基としては、例えば、前記アリール基で置換された前記アルキル基等を挙げることができる。
上記式(d1)、(d2)、(d3)中のR6は、水素原子又は−COOR6'を示し、R6'はアルキル基を示す。R6'におけるアルキル基としては、上記R1、R2におけるアルキル基の例と同様の例を挙げることができ、なかでも炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
上記式(d1)、(d2)、(d3)で表されるエステル変性アミノ基含有アルコキシシランは、例えば、下記式(d1,2-1)
Figure 2012167055
(式中、R1、R2、R3、R4、mは前記に同じ)
で表される第1級及び第2級アミノ基含有アルコキシシラン化合物、又は下記式(d3-1)
Figure 2012167055
(式中、R1、R2、R3、mは前記に同じ)
で表される第1級アミノ基含有アルコキシシラン化合物における第1級又は第2級アミノ基の窒素原子に、下記式(1)
Figure 2012167055
(式中、R5、R6は前記に同じ)
で表される不飽和カルボン酸エステルの不飽和結合(炭素−炭素二重結合)をマイケル付加反応することにより合成することができる。前記マイケル付加反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。また、反応に際し加熱や加圧を行ってもよい。
式(d1,2-1)で表される第1級及び第2級アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のN−(アミノアルキル)アミノアルキルトリアルコキシシラン;N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のN−(アミノアルキル)アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン等を挙げることができる。本発明においては、商品名「KBE602」、「KBM602」、「KBE603」「KBM603」(以上、信越化学工業(株)製)等の市販品を使用してもよい。
式(d3-1)で表される第1級アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリブトキシシラン等のアミノアルキルトリアルコキシシラン;2−アミノエチルメチルジメトキシシラン、2−アミノエチルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジプロポキシシラン等の(アミノアルキル)アルキルジアルコキシシランやこれらに対応するアミノアルキルジアルキル(モノ)アルコキシシラン等を挙げることができる。本発明においては、商品名「KBE902」、「KBM902」、「KBE903」、「KBM903」(以上、信越化学工業(株)製)等の市販品を使用してもよい。
上記式(1)で表される不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、3−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、グリシジルアクリレート等を挙げることができる。本発明における式(1)で表される不飽和カルボン酸エステルとしては、なかでも、n−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましい。
[工程(1):ウレタン系ポリマーの合成]
ウレタン系ポリマーは、上記成分(A)、(B)、(C)を、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物からウレタン系ポリマーを調製する公知乃至慣用の方法に準じて反応させることにより合成することができる。ウレタン系ポリマー合成には、反応促進のために重合触媒を用いてもよい。
前記重合触媒としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応に用いられる公知乃至慣用の重合触媒(硬化触媒)を用いることができ、例えば、アミン化合物等の塩基性化合物を挙げることができる。アミン化合物等の塩基性化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩類;三共エアプロダクツ社製の商品名「DABCO」シリーズや「DABCO BL」シリーズ、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)等の複数の窒素原子を含む直鎖状或いは環状の第三級アミン又は第四級アンモニウム塩等を挙げることができる。
また、反応は溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等を挙げることができる。反応時の雰囲気は特に制限されず、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等から選択される。反応温度は、反応成分の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、20〜150℃、好ましくは20〜100℃程度である。反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応時間は、成分の反応性に応じて適宜選択でき、例えば、2〜20時間、好ましくは3〜10時間程度である。
成分(A)、成分(B)、成分(C)の使用量としては、特に制限されることがなく求める諸物性に応じて適宜調整することができ、例えば、成分(A)におけるイソシアネート基/成分(B)及び成分(C)におけるヒドロキシル基(NCO/OH基)(当量比)が、1より大きく1.5以下(好ましくは1より大きく1.3以下、さらに好ましくは1より大きく1.2以下)となるような範囲である。該NCO/OH基の比が大きすぎると(例えば、1.5(当量比)を越えると)、分散性が低下する傾向がある。一方、該NCO/OH基の比が小さすぎると(例えば、1以下(当量比)であると)、シリル基導入が十分に行えず、褪色抑制効果が低下する傾向がある。
さらに、成分(C)は、ウレタン系ポリマー中のカチオン化し得る第3級アミンの含有量が、2〜90質量%(好ましくは2〜50質量%、さらに好ましくは5〜20質量%)となるような割合で含まれていることが好ましい。該カチオン化し得る第3級アミンの含有量が上記範囲を上回ると、粘度が高くなりすぎ、使用しづらくなる傾向がある。一方、該カチオン化し得る第3級アミンの含有量が上記範囲を下回ると、水分散安定性が低下する傾向がある。
ウレタン系ポリマーの末端イソシアネート基含有量としては、例えば、0.3〜7.0重量%程度が好ましい。末端イソシアネート基含有量が7.0重量%を上回ると、水分散が困難となる傾向がある。一方、末端イソシアネート基含有量が0.3重量%を下回ると、合成時の粘度が高くなりすぎて、合成が困難となる傾向がある。
[工程(2):第3級アミン部位の第4級アンモニウムイオン化]
上記工程(1)を経て得られたウレタン系ポリマーにおける成分(C)由来の第3級アミン部位を第4級アンモニウムイオン化(カチオン化)することにより、第4級アンモニウム基含有ウレタン系ポリマーを合成することができる。
第3級アミンの窒素原子をカチオン化する方法としては、例えば、上記工程(1)を経て得られたウレタン系ポリマーにアルキル化剤(第4級化剤)を反応させて、成分(C)由来の第3級アミン部位に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル、イソプロペニル、アリル、メタリル、3−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;ベンジル、2−フェニルエチル基等の炭素数7〜11のアラルキル基等を導入する方法等を挙げることができる。
前記アルキル化剤(第4級化剤)としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の硫酸エステル;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド等のハロゲン化物等を挙げることができる。
上記アルキル化剤の使用量としては、適宜調整することができ、ウレタン系ポリマー中の第3級アミン部位(第3級アミノ基)1モルに対して、例えば、30モル%以上(好ましくは50〜120モル%、さらに好ましくは80〜100モル%)となるような範囲内である。アルキル化剤の使用量が上記範囲を上回ると、反応時の熱上昇が激しく作業性が低下する傾向がある。一方、アルキル化剤の使用量が上記範囲を下回ると、褪色抑制効果が低下する傾向がある。
また、上記カチオン化反応は溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等を挙げることができる。反応時の雰囲気は特に制限されず、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等から選択される。反応温度は、反応成分の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、0〜100℃、好ましくは20〜80℃程度である。反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応時間は、反応率に応じて適宜選択でき、例えば、10分〜5時間、好ましくは30分〜3時間程度である。
[工程(3):シリル化]
上記工程(2)で得られた第4級アンモニウム基含有ウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、上記成分(D)を付加させることにより、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを合成することができる(シリル化反応)。尚、工程(3)の処理は上記工程(2)の処理を施す前に行ってもよい。その場合は、上記工程(1)で得られたウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、上記成分(D)を付加させることにより、シリル化ウレタン系ポリマーを合成し、その後、工程(2)において第3級アミン部位の窒素原子を第4級アンモニウムイオン化することにより、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを合成することができる。以下、工程(2)−工程(3)の方法について記載するが、工程(3)−工程(2)の場合も同様である。
上記シリル化反応は、上記工程(2)で得られた第4級アンモニウム基含有ウレタン系ポリマーと成分(D)を混合し、必要に応じて加熱することにより行うことができる。該シリル化反応を行うことにより、前記第4級アンモニウム基含有ウレタン系ポリマーの末端のイソシアネート基がエステル変性アルコキシシリル化されて、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーが得られる。シリル化反応に際しては、必要に応じて重合触媒を使用してもよい。また、この反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。
成分(D)は、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマー中のケイ素原子の含有量が0.05〜10質量%(好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%)となるような割合で付加することが好ましい。該ケイ素含有量が上記範囲を上回ると、保存安定性が低下する傾向があり、一方、該ケイ素含有量が上記範囲を下回ると、褪色抑制効果が低下する傾向がある。
シリル化反応時の雰囲気は特に制限されず、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等から選択される。反応温度は、反応成分の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、20〜100℃、好ましくは40〜80℃程度である。反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応時間は、適宜選択でき、例えば、10分〜3時間、好ましくは20分〜2時間程度である。
[工程(4):シリコーン鎖付加]
上記工程(1)〜(3)を経て得られた、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーには、上記成分(D)由来の末端アルコキシシリル基に、更に、加水分解性珪素原子含有基を有する化合物を反応させて、前記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーにシリコーン鎖を付加する工程を設けてもよい(工程(4))。第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーにシリコーン鎖を付加することにより、毛髪表面への吸着性を更に向上させることができ、褪色抑制効果をより一層向上させることができる。
加水分解性珪素原子含有基を有する化合物としては、加水分解性珪素原子含有基を分子中に少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限されない。加水分解性珪素原子含有基としては、例えば、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、ハロゲン化シリル基(例えば、塩素化シリル基、ブロモ化シリル基、ヨウ素化シリル基、フッ素化シリル基等)等の加水分解性シリル基等を挙げることができる。なお、加水分解性シリル基において、珪素原子に結合している基又は原子(アルコキシ基、水素原子、ハロゲン原子等)は、1つの珪素原子に、通常、1〜3個(好ましくは2又は3個)結合しており、同一の基(特にアルコキシ基)や原子が結合していてもよく、異なる基や原子が2種以上組み合わせられて結合していてもよい。
本発明における加水分解性シリル基としては、アルコキシシリル基やヒドロシリル基が好ましく、特にアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基を分子中に少なくとも1つ有する化合物としては、特に、下記式(e1)又は(e2)
Figure 2012167055
で表されている化合物(E)を好適に用いることができる。
式(e1)中、R7、R8、R9、R10は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す。m’は1又は2である。n2は1以上の整数である。また、式(e2)中、R11は(OR7)又はR8を示し、R12は有機基を示す。n3は1以上の整数である。R7、R8、m’は前記に同じ。
7、R8、R9、R10におけるアルキル基としては、上記R1、R2におけるアルキル基の例と同様の例を挙げることができ、なかでも炭素数1〜10(さらに好ましくは1〜6、特に1〜4)のアルキル基が好ましい。
また、R7、R8のアルキル基は置換基を有していてもよい。また、該置換基等を介して、R7、R8のアルキル基は、他のアルキル基(例えば、他の珪素原子に結合しているR7、R8のアルキル基等)と結合して環(芳香族性環や非芳香族性環)を形成していてもよい。さらにまた、R7、R8は、それぞれ、同一又は異なる珪素原子に結合しているR7、R8と結合していてもよい。
m’は1又は2であり、好ましくは2である。なお、m’が2の場合は、R8が存在せず、式(e1)中の珪素原子に2つの(OR7)基が結合していることを意味している。n2は1以上の整数である。前記式(e1)で表される化合物は、n2が1の場合は、単量体であることを意味しており、n2が2以上の整数の場合は、オリゴマー又はポリマー等の多量体であることを意味している。
前記式(e1)で表される化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メトキシトリエトキシシラン等のアルコキシトリアルコキシシラン;ジメトキシジエトキシシラン等のジアルコキシジアルコキシシラン等の単量体の化合物;ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエトキシシラン、ポリテトラプロポキシシラン、ポリテトライソプロポキシシラン、ポリテトラブトキシシラン等のポリテトラアルコキシシラン;ポリ(メトキシエトキシシラン)等のポリ(アルコキシアルコキシシラン);ポリ(メトキシシラン)、ポリ(エトキシシラン)、ポリ(プロポキシシラン)、ポリ(イソプロポキシシラン)、ポリ(ブトキシシラン)等のポリ(アルコキシシラン);ポリ(メトキシメチルシラン)、ポリ(メトキシエチルシラン)、ポリ(エトキシメチルシラン)等のポリ(アルコキシアルキルシラン)等の多量体の化合物等が挙げられる。
前記式(e2)において、R11はOR7又はR8であり、R7、R8、m’は、式(e1)におけるR7、R8、m’と同じである。また、同一の珪素原子に結合している複数のOR7やR8は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、R12の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基や、該炭化水素基の主鎖中に炭素原子以外の原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子等)を有するヘテロ原子含有基等が挙げられ、これらは、1価又は多価のいずれの形態を有していてもよい。具体例としては、例えば、アルキル基、ビニル基、メルカプト基の他、ビニル−アルキル基、ビニル−(アルキル)−アリール基、ビニル−(アルキル)−シクロアルキル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基(ビニル−カルボニルオキシアルキル基)、(メタ)アクリロイルオキシアリール基、メルカプト−アルキル基、メルカプト−(アルキル)−アリール基、メルカプト−(アルキル)−シクロアルキル基等を挙げることができる。
n3は1以上の整数であり、好ましくは1〜4の整数(さらに好ましくは1又は2、特に好ましくは1)である。なお、n3が2以上の整数である場合、R12の有機基に、2つ以上の加水分解性珪素原子含有基が結合していることを意味している。
前記式(e2)で表される化合物のうち、R12がアルキル基である化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシランや、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソプロピルジメトキシメチルシラン、イソプロピルジエトキシメチルシラン等のジアルキルジアルコキシシランの他、これらに対応するトリアルキルアルコキシシラン等を挙げることができる。
また、R12が置換基(例えば、グリシドキシ基、イソシアネート基、アミノ基等)を有するアルキル基である化合物としては、例えば、前記R12がアルキル基である化合物として例示されたものに対応する化合物等を挙げることができる。
前記式(e2)で表される化合物のうち、R12がビニル基である化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン;ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等の(ビニル)アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(ビニル)ジアルキル(モノ)アルコキシシラン等を挙げることができる。
前記式(e2)で表される化合物のうち、R12が(メタ)アクリロイルオキシアルキル基である化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル−トリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキル−トリアルコキシシラン;3−(メタ)アクリロキシプロピル−メチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル−メチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキル−アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロキシアルキル−ジアルキル(モノ)アルコキシシラン等を挙げることができる。
前記式(e2)で表される化合物のうち、R12がメルカプト−アルキル基である化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトアルキルトリアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルメチルジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジイソプロポキシシラン等の(メルカプトアルキル)アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メルカプトアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシラン等を挙げることができる。
前記式(e2)で表される化合物のうち、ジアルコキシシリル基を有する化合物としては、なかでも、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、イソプロピルジメトキシメチルシラン、イソプロピルジエトキシメチルシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等の(ビニル)アルキルジアルコキシシラン;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキル−アルキルジアルコキシシラン等を好適に用いることができる。
また、前記式(e2)で表される化合物のうち、トリアルコキシシリル基を有する化合物としては、なかでも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン;3−(メタ)アクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル−トリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキル−トリアルコキシシラン等を好適に用いることができる。
化合物(E)の使用量としては、例えば、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマー中のシリル基1モルに対して1〜50モル(好ましくは5〜40モル、さらに好ましくは5〜20モル)となるような割合で使用することが好ましい。化合物(E)の使用量が上記範囲を上回ると、保存安定性が低下する傾向がある。
シリコーン鎖付加反応時の雰囲気は特に制限されず、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等から選択される。反応温度は、反応成分の種類等に応じて適宜選択でき、例えば20〜100℃、好ましくは40〜80℃程度である。反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応時間は、適宜選択でき、例えば、1〜20時間、好ましくは1〜5時間程度である。
[毛髪化粧料]
本発明に係る毛髪化粧料は、上記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有することを特徴とする。第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーの配合量としては、例えば、毛髪化粧料全量(100質量%)に対して0.01質量%以上(好ましくは、0.05質量%以上、特に好ましくは、0.15質量%以上)である。第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーの混合割合が上記範囲を下回ると、十分な褪色抑制効果を発揮することが困難となる傾向がある。また、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーの配合量を、特に、0.01〜1質量%程度(好ましくは0.05〜0.80質量%、特に好ましくは0.05〜0.60質量%程度、最も好ましくは0.15〜0.60質量%程度)に調整すると、優れた褪色抑制効果と共に、優れた使用感触(なめらかさ)、及び保存安定性を兼ね備えることができる。第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーの混合割合が多すぎると、保存安定性が低下する傾向があり、また、適用後の毛髪がごわごわする等、使用感触が低下する場合がある。
本発明おける洗髪等によるヘアカラーの褪色抑制効果は、ヘアカラーを施した毛髪について、洗髪等を施す前と後に毛髪の色を分光測色計を使用して測定し、その色差(ΔE)によって評価することができる。色差(ΔE)がゼロに近いほど褪色抑制効果が高いことを意味する。
本発明に係る毛髪化粧料をシャンプーとして使用して洗髪処理(洗浄−すすぎ−乾燥を5回繰り返す処理)を施す場合、洗髪処理の前後における毛髪の色差(ΔEs)としては、例えば2.05以下、好ましくは2.00以下、特に好ましくは1.60以下である。また、本発明に係る毛髪化粧料をコンディショナーとして使用してコンディショナー処理を施し、続いて第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有しないシャンプーを使用して洗髪処理(洗浄−すすぎ−乾燥を5回繰り返す処理)を施す場合、処理(コンディショナー処理及び洗髪処理)の前後における毛髪の色差(ΔEc)としては、例えば3.50未満、好ましくは3.00以下、特に好ましくは2.50以下である。色差が上記範囲を超えると、褪色抑制効果を実感することが困難となる傾向がある。
本発明に係る毛髪化粧料は、上記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーの他に、水、多価アルコール、界面活性剤(非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤)、変性セルロース、pH調整剤等の、毛髪化粧料(例えば、シャンプー、コンディショナー等)に一般的に含有される化合物を必要に応じて適宜添加することができる。
水としては、例えば、脱イオン水、イオン交換水、純水等を挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、マルチトール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ソルビトール、ソルビタン、トレハロース、プロピレングリコールなどを挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。多価アルコールを添加すると、毛髪にしっとり感を付与することができる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、C8-12脂肪酸モノグリセリド、グリセリンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、C6-24脂肪酸ジエタノールアミド、C6-24脂肪酸モノエタノールアミド、グリセリン脂肪酸(C6-24)エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤等を挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸系界面活性剤、アルキルリン酸塩等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、イミダゾリミウム型、スルホベタイン型、アラニン型両性界面活性剤、等を挙げることができる。
変性セルロースとしては、例えば、セルロース系材料にグリシジルトリアルキルアンモニウムハライド等のカチオン化剤を作用させることにより得られるカチオン化セルロース、等を挙げることができる。変性セルロースを添加することにより、毛髪に柔軟性を付与することができる。本発明においては、例えば、商品名「ポリマーJR400」(ユニオンカーバイド製)等の市販品を使用することができる。
pH調整剤としては、特に限定されることがなく、例えば、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等が挙げられる。
さらに、本発明に係る毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の添加物を含んでいてもよい。他の添加物としては、例えば、一般的に、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる公知の成分を挙げることができ、例えば、粉末成分、液体油脂(例えば、流動パラフィン、イソパラフィン)、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール等)、エステル類、シリコーン成分、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、防腐剤(例えば、エチルパラベン、ブチルパラベン等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、コウジ酸等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等より抽出された成分等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)の他、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物等の薬剤等を挙げることができる。
本発明に係る毛髪化粧料は、上記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有し、毛髪に適用することにより、上記第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーが速やかに毛髪表面に強固に吸着し、水ですすいでも洗い流されることがない。そのため、洗髪等の際に毛髪内部への水分の浸透を抑制することができ、毛髪内部からの染料の流出を抑制し、優れた褪色抑制効果を発揮することができる。そのため、例えば、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアパック等として使用することが好ましい。日々の洗髪用途に、本発明に係る毛髪化粧料から成るシャンプー等を使用すると、ヘアカラーの褪色を有意に抑制することができ、美しいヘアカラーを維持することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
調製例1
エステル変性アミノ基含有アルコキシシラン(化合物A)の調製例
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名「KBE903」、信越化学工業(株)製) 221.4部に対して、ラウリルアクリレート 240.4部の割合で混合し、50℃で7日間反応させて、エステル変性アミノ基含有アルコキシシラン(化合物A)を得た。
製造例1
窒素導入管、温度計、コンデンサー及び撹拌装置の付いた4つロフラスコに、ポリプロピレングリコール(数平均分子量:2007.2、商品名「スミフェン3600K」、住化バイエルウレタン(株)製)150部、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン(MDA)10部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)39.0部、及びメチルエチルケトン(MEK)50部、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)0.1部を配合し、80〜85℃の温度で、窒素雰囲気下、5時間反応を行い、第3級アミンを含有するウレタン系ポリマーを含む反応混合物を得た。
このウレタン系ポリマーを含む反応混合物にメチルエチルケトン(MEK)150部を加えて50℃に冷却し、第4級化剤としてジメチル硫酸 10.6部を加え、50〜60℃で30分〜1時間かけて第3級アミン部位の第4級アンモニウムイオン化を行い、第4級アンモニウム基含有ウレタン系ポリマーを製造した。
この第4級アンモニウム基含有ウレタン系ポリマーの反応混合物に、調製例1で得られた化合物A 12.3部を配合して混合した後、65〜75℃の温度で窒素雰囲気下1時間反応を行い、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含む反応混合物(1)を得た。
次に、反応混合物(1)を40℃まで冷却した後、高速撹拌下、脱イオン水 600部を加えた。その後、減圧下、45〜50℃で溶剤を留去して水性分散液(1)を得た。
製造例2〜4
下記表1に記載した処方に変更した点以外は製造例1と同様にして水性分散液(2)、(3)、及び(4)を得た。
また、製造例3では、得られた水性分散液(3)に、減圧下、45〜50℃で溶剤を留去して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBE−503」、信越化学工業(株)製)57.9部、脱イオン水 500部を添加し、窒素雰囲気下、65〜75℃の温度で窒素雰囲気下3時間反応を行い、シリコーン鎖を付加した第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含む水性分散液(3’)を得た。
Figure 2012167055
表1中の略語の説明
「3600K」:ポリプロピレングリコール(数平均分子量:2007.2、商品名「スミフェン3600K」、住化バイエルウレタン(株)製
「PTMG2000」:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量:1944.5、商品名「PTMG2000」、三菱化学(株)製
「PEG2000」:ポリエチレングリコール(数平均分子量:1982.3、商品名「PEG♯2000」、日油(株)製
「YmerN120」:下記式(2)で表されるトリメチロールプロパンモノ(ポリエチレンオキシドメチルエーテル)、商品名「YmerN120」、数平均分子量:1089.3、Perstorp社製
Figure 2012167055
「MDA」:N−メチル−N,N−ジエタノールアミン
「IPDI」:イソホロンジイソシアネート
「MEK」:メチルエチルケトン
「DBU」:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
「KBE−503」:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBE−503」、信越化学工業(株)製)
実施例1〜9、比較例1
下記表2に記載の配合比で各成分を混合してシャンプーを調製し、下記方法により褪色抑制効果、及び使用感触を評価した。
Figure 2012167055
尚、表中の水性分散液配合量は、樹脂分換算量である。
また、カチオン化セルロースとして、商品名「ポリマーJR−400」(ユニオンカーバイド製)を使用した。
実施例10〜15、比較例2
下記表3に記載の配合比で各成分を混合してコンディショナーを調製し、下記方法により褪色抑制効果、及び使用感を評価した。
Figure 2012167055
尚、表中の水性分散液配合量は、樹脂分換算量である。
<褪色抑制効果の評価方法>
実施例及び比較例で得られたシャンプー、及びコンディショナーについて、下記方法で褪色抑制効果、及び使用感触を評価した。
シャンプーの評価方法
1.白髪100%の毛束(ビューラックス社製)をブラウン系ヘアカラー(商品名「ディアニストNB8」、資生堂プロフェッショナル(株)製)を使用して染色した。
2.染色を施した毛束(染色毛束)について、毛の色を分光測色計(商品名「CM−2500d」、コニカミノルタ社製)を使用して測定した(C1)。
3.上記実施例及び比較例で得られたシャンプー(各シャンプーについて、サンプル数を10とした)を使用して染色毛束に洗浄処理(シャンプー−すすぎ−乾燥を5回繰り返す処理)を施した。
4.洗浄後の染色毛束について、毛の色を上記と同様に分光測色計を使用して測定し、その平均値(C2)を算出し、洗浄処理の前後における色差(ΔEs:C1−C2)を求め、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有しないシャンプーを使用した場合(比較例1に相当)と比較して、下記評価基準に従って褪色抑制効果を評価した。
評価基準
(各実施例のΔEs)−(比較例1のΔEs)の値が−0.5以下:○
(各実施例のΔEs)−(比較例1のΔEs)の値が−0.5を超え、0未満:△
(各実施例のΔEs)−(比較例1のΔEs)の値が0以上:×
また、洗浄後の染色毛束について、10名の専門パネラーによる官能試験を行い、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有しないシャンプーを使用した場合(比較例1に相当)と比較した毛髪のなめらかさを下記評価基準に従って評価した。
評価基準
同等又はよりなめらかであると評価したパネラーが5名以上:○
同等又はよりなめらかであると評価したパネラーが3〜4名:△
同等又はよりなめらかであると評価したパネラーが2名以下:×
コンディショナーの評価方法
1.白髪100%の毛束(ビューラックス社製)をブラウン系ヘアカラー(商品名「ディアニストNB8」、資生堂プロフェッショナル(株)製)を使用して染色した。
2.染色を施した毛束(染色毛束)について、毛の色を分光測色計(商品名「CM−2500d」、コニカミノルタ社製)を使用して測定した(C1)。
3.上記実施例及び比較例で得られたコンディショナー(各コンディショナーについて、サンプル数を10とした)を染色毛束に塗布し、その後すすいだ(コンディショナー処理)。
4.コンディショナー処理後、シャンプー(商品名「プロシナジートリートメントシャンプー1」、(株)資生堂製)を使用して洗浄処理(シャンプー−すすぎ−乾燥を5回繰り返す処理)を施した。
5.洗浄後の染色毛束について、毛の色を上記と同様に分光測色計を使用して測定し、その平均値(C3)を算出し、コンディショナー処理・洗浄処理の前後における色差(ΔEc:C1−C3)を求め、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有しないコンディショナーを使用した場合(比較例2に相当)と比較して、下記評価基準に従って褪色抑制効果を評価した。
評価基準
(各実施例のΔEc)−(比較例2のΔEc)の値が−0.5以下:○
(各実施例のΔEc)−(比較例2のΔEc)の値が−0.5を超え、0未満:△
(各実施例のΔEc)−(比較例2のΔEc)の値が0以上:×
また、コンディショナー処理、及び洗浄後の染色毛束について、10名の専門パネラーによる官能試験を行い、第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有しないコンディショナーを使用した場合(比較例2に相当)と比較した毛髪のなめらかさを下記評価基準に従って評価した。
評価基準
同等又はよりなめらかであると評価したパネラーが5名以上:○
同等又はよりなめらかであると評価したパネラーが3〜4名:△
同等又はよりなめらかであると評価したパネラーが2名以下:×

Claims (5)

  1. 第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを含有する毛髪化粧料。
  2. 第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーが、下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)に対応する構成単位を含み、前記成分(C)由来の第3級アミン部位が第4級アンモニウムイオン化されたウレタン系ポリマーのイソシアネート末端に、下記成分(D)が結合してウレア結合を形成した構造を有する請求項1に記載の毛髪化粧料。
    成分(A):ポリイソシアネート化合物
    成分(B):ポリオール化合物
    成分(C):ヒドロキシル基を2個以上有する第3級アミン化合物
    成分(D):下記式(d1)、(d2)又は(d3)で表されるエステル変性アミノ基含有アルコキシシラン
    Figure 2012167055
    (式中、R1、R2は、同一又は異なって、アルキル基を示し、R3、R4は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいアリーレン基を示す。R5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R6は水素原子又は−COOR6'を示し、R6'はアルキル基を示す。また、mは1〜3の整数である。mが1である場合、2個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。mが2以上の整数である場合、2個以上のR1O−基は同一であってもよく、異なっていてもよい)
  3. 第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを構成する成分(B)が3価以上の多価アルコールのポリアルキレンオキシド付加物又は該付加物の末端水酸基が封止された誘導体を含むことを特徴とする請求項2に記載の毛髪化粧料。
  4. 第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを構成する成分(B)が下記式(b)
    Figure 2012167055
    (式中、n1は10〜40の整数を示す)
    で表される化合物を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の毛髪化粧料。
  5. 第4級アンモニウム基含有シリル化ウレタン系ポリマーを構成する成分(D)由来の末端アルコキシシリル基に、下記式(e1)又は(e2)
    Figure 2012167055
    (式(e1)中、R7、R8、R9、R10は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す。m’は1又は2である。n2は1以上の整数である。
    式(e2)中、R11は(OR7)又はR8を示し、R12は有機基を示す。n3は1以上の整数である。R7、R8、m’は前記に同じ)
    で表される化合物(E)を反応させて得られるシリコーン鎖を有する請求項2〜4の何れかの項に記載の毛髪化粧料。
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