JP2012164889A - 気相成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス室と加熱手段との間の遮蔽構造を簡単化すると共に、被処理基板の加熱効率を向上させ、加熱手段の過加熱による経年劣化の促進を防ぐことのできる気相成長装置を提供する。
【解決手段】被処理基板50を保持するウエハホルダ14を配置したプロセス室12と、プロセス室12内に設けられて誘導加熱コイル32(32a〜32f)が配置されたコイル室22と、コイル室22内に配置され、コイル室22内の気圧をプロセス室12内の気圧よりも高く保つパージガス供給手段46と、コイル室22とプロセス室12とを空間的に遮蔽すると共に誘導加熱コイル32により加熱される発熱源28とを有することを特徴とする。また、前記ウエハホルダ14は、前記被処理基板50を保持するためのザグリ16を有する少なくとも1つの貫通孔18を備えるようにすると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は気相成長装置に係り、特に複数の基板を同時に処理する、いわゆるバッチ処理に適した気相成長装置に関する。
環境特性の向上が望まれる昨今、消費電力が少ない発光ダイオードによる照明器具や、ソーラーデバイスによる発電などに対する注目が高まっている。このため、各デバイスの原材料となる化合物半導体の開発、量産化が期待されている。ヒ化ガリウム(GaAs)や窒化ガリウム(GaN)、およびヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs)等の2つ以上の原子がイオン結合により結合してできる半導体(化合物半導体)の製造には、有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いた装置(以下、単に気相成長装置と称す)が用いられる。
このような気相成長装置としては、特許文献1や特許文献2に開示されているようなものが知られている。特許文献1に開示されている気相成長装置は、被処理基板が自公転可能に載置されるサセプタを有する装置である。このような装置では、サセプタの下面に、加熱手段である抵抗加熱ヒータや、ランプヒータを配置している。そして、加熱手段を配置したサセプタ下面側には、腐食性を有する原料ガスが加熱手段に接触することを防止するためのパージガスが流通されている。
また、特許文献2に開示されている気相成長装置は、被処理基板を公転させるサセプタを有する装置である。特許文献2に開示されている気相成長装置では、被処理基板載置面におけるサセプタの肉厚を変化させることで、被処理基板表面の温度分布の均一化を図っている。具体的には、原料ガスの流れ方向を基準として、上流側に位置するサセプタの肉厚を厚くし、下流側に位置するサセプタの肉厚を薄くするというものである。これにより、サセプタの下面に配置した加熱手段とサセプタとの距離に差を生じさせ、加熱バランスの均等化を図っている。
また、高速昇温という観点から、誘導加熱を用いた半導体熱処理装置として、本願出願人は特許文献3に開示されているようなものを出願している。特許文献3に開示されている半導体熱処理装置は、いわゆる枚葉型の熱処理装置であり、コイル室と、コイル室の下部に配置され、コイル室との間を石英板によって仕切られたプロセス室を備えるという基本構成を有するものである。特許文献3に開示される半導体熱処理装置では、コイル室内に誘導加熱コイル、プロセス室内にグラファイトと被処理基板を備える。そして、真空引きされるプロセス室の負圧により遮蔽板である石英板が破損することを防止するため、プロセス室よりもコイル室が負圧となるよう設定されている。
特開2008−196031号公報 特開2009−275254号公報 特開2005−276527号公報
特許文献1、2に開示されている気相成長装置は、いずれも加熱手段として抵抗加熱ヒータやランプヒータを用いることを前提としている。このため、ヒータからの距離による被加熱部材の温度分布依存が大きく、被処理基板の直接加熱ができない。このため、被処理基板と発熱源であるヒータ(加熱手段)との間に、均熱板としてのサセプタが不可欠となる。このような構造とした場合、ヒータによりサセプタが加熱され、ヒータにより加熱されたサセプタを介して被処理基板が加熱されることとなる。よって、ヒータが必要以上に高温となり、経年劣化が促進される(寿命が短くなる)といった問題がある。
また、上述したように加熱手段を抵抗加熱ヒータやランプヒータとした場合、ヒータの配置形態に起因した温度分布依存が大きくなる。このため、特許文献1や2に開示されている気相成長装置では、サセプタの回転によって温度分布の均一化が図られている。一方で、原料ガスが加熱手段に接触することによる腐食を防止するために、NガスやHガスによるパージが行われているが、加熱手段が収容された隔壁を遮蔽するサセプタは駆動部材であるため、遮蔽構造が複雑となり、メンテナンス性が悪化するといった問題もある。
また、特許文献3に開示されている半導体熱処理装置によれば、ヒータの過加熱やパージといった問題は生じないが、被加熱部材であるグラファイトと誘導加熱コイルとの間に石英板を介在させるため、両者の距離を近接させることが難しく、両者の距離が離れた場合には加熱効率が悪化するといった問題がある。
そこで本発明では、プロセス室と加熱手段との間の遮蔽構造を簡単化すると共に、被処理基板の加熱効率を向上させることで加熱手段の過加熱による経年劣化の促進を防ぐことのできる気相成長装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る気相成長装置は、被処理基板を保持するウエハホルダを配置したプロセス室と、前記プロセス室内に設けられて誘導加熱コイルが配置されたコイル室と、前記コイル室内に配置され、前記コイル室内の気圧を前記プロセス室内の気圧と同等又は、前記プロセス室内の気圧よりも高く保つパージガス供給手段と、前記コイル室と前記プロセス室とを空間的に遮蔽すると共に前記誘導加熱コイルにより加熱される被誘導加熱部材と、を有することを特徴とする。
また、上記のような特徴を有する気相成長装置において前記ウエハホルダは、前記被処理基板を保持するためのザグリを有する少なくとも1つの貫通孔を有することが望ましい。
このような構成とすることで、発熱源である被誘導加熱部材により被処理基板を直接、輻射加熱することができる。よって、従来に比べて加熱効率の向上を図ることができる。
また、貫通孔を有さない場合に比べ、ウエハホルダと被処理基板との温度差を小さくすることができる。このため、被処理基板のエッジ部分のオーバーヒートを抑制することができる利点がある。
また、上記のような特徴を有する気相成長装置において前記ウエハホルダは、回転機構を備えた回転軸に接続すると良い。
このような構成とすることで、被誘導加熱部材に円周方向の温度分布の偏りが生じた場合であっても、被処理基板を均等加熱することが可能となる。
また、上記のような特徴を有する気相成長装置において前記誘導加熱コイルは、同芯円上に隣接配置された複数の円形コイルであり、各誘導加熱コイルには、それぞれに供給する電力を制御するインバータを接続することが望ましい。
このような構成とすることで、被誘導加熱部材の半径方向の温度分布を均一あるいは所望する温度分布に制御することが可能となる。よって、被処理基板の均等加熱をより精度良く行なうことが可能となる。
また、上記のような特徴を有する気相成長装置において前記誘導加熱コイルは、それぞれ少なくとも2ターンづつ巻回形成されたコイルであり、前記コイル室内において2ターン巻回される各誘導加熱コイルのターン間には、前記グラファイトの温度を計測するための温度センサを設け、前記温度センサによって計測された温度に基づいて前記インバータを介して前記誘導加熱コイルに供給する電力を定める電力制御手段を備えるようにすると良い。
このような構成とすることにより、温度センサは誘導加熱コイルによる各加熱ゾーンの中心温度を検出することができる。また、インバータによる供給電力の制御は、温度センサによって計測された温度に基づくフィードバック制御とすることができる。このため、リアルタイムでの温度分布制御を実現することができる。
また、上記のような特徴を有する気相成長装置では、前記ウエハホルダをSiCにより構成することが望ましい。
このような構成とすることにより、ウエハホルダを薄型化することができる。これにより、ウエハホルダの熱容量を低減し、昇温速度の向上を図ることができる。
さらに、上記のような特徴を有する気相成長装置では、前記被誘導加熱手段を導電性SiCにより構成することが望ましい。
このような構成とすることにより、原料ガスに晒される被誘導加熱手段の腐食による劣化を抑制することができる。
上記のような特徴を有する気相成長装置によれば、プロセス室と加熱手段である誘導加熱コイルを配置したコイル室内との間の遮蔽構造を簡単化することができる。また、被処理基板の加熱効率を向上させることで発熱源である被誘導加熱部材の過加熱による経年劣化の促進を防ぐことができる。
実施形態に係る気相成長装置の構成を示す正面断面図である。 ウエハホルダの構成を示す部分断面拡大図である。 ウエハホルダの平面構成を示す図である。 発熱源である被誘導加熱部材を透過させた状態で誘導加熱コイルの配置形態を示す平面図である。
以下、本発明の気相成長装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図1は実施形態に係る気相成長装置の正面断面構成を示す図である。また、図2はウエハホルダの部分断面拡大図であり、図3はウエハホルダの平面構成を示す図である。さらに、図4は発熱源である被誘導加熱部材を透過させた状態で示す誘導加熱コイルの配置形態を示す平面図である。
本実施形態に係る気相成長装置10は少なくとも、プロセス室12と、コイル室22とを備える。
プロセス室12には、被処理基板50を支持するためのウエハホルダ14と、ウエハホルダ14を回転支持する回転軸20、および図示しない原料ガス供給口が設けられる。ウエハホルダ14は、被処理基板50の外縁を支持するためのザグリ16を有する複数の貫通孔18を備えている。貫通孔18は図3に示すように、平面形態を円形とするウエハホルダ14における中心を基点として、放射状に配置することで、限られた面積の中により多く形成することができ、被処理基板50の処理数を稼ぐことが可能となる。ここで、被処理基板50としては、例えばサファイアを挙げることができる。また、原料ガスとしては、ガリウム(Ga)を含むトリメチルガリウムや、アルミニウム(Al)を含むトリメチルアルミニウム、ヒ素(As)を含むアルシンなどを挙げることができ、それぞれキャリアガスとして、水素(H)ガス、窒素(N)ガスを挙げることができる。
さらに、ウエハホルダ14は、グラファイトやSiCによって構成すれば良い。ウエハホルダ14をSiCにより構成した場合には、その強度に依存した薄肉化を図ることができる。ここで、ウエハホルダ14を薄肉化した場合には、熱容量の低下により、昇温速度の上昇を期待することができる。
このような基本構成を有するウエハホルダ14に対し、被処理基板50は貫通孔に設けられたザグリ16に嵌め込むように載置される(図2参照)。載置された被処理基板50は、貫通孔18を介して詳細を後述する発熱源28からの輻射熱(熱放射)によって直接加熱される。このため、ヒータの輻射熱によってサセプタを加熱し、加熱されたサセプタの輻射熱および熱伝達によって被処理基板を加熱する抵抗加熱方式に比べ、加熱効率を高めることができる。
回転軸20は、詳細を後述するコイル室22を貫通して配置され、回転機構30を介して駆動力を得る。なお、回転軸20とコイル室22との間には、隔壁24が備えられている。回転軸20を介してウエハホルダ14を水平回転させることで、載置された複数の被処理基板50が公転することとなる。これにより、発熱源28に加工時や加熱時の反りが生じた(あるいは生じていた)場合であっても、当該反りによって生ずる温度の偏りが抑制され、円周方向における温度分布の均等化を図ることができる。
本実施形態に係る気相成長装置10のコイル室22は、プロセス室12内に配置された隔壁24と、被誘導加熱部材である発熱源28によって遮蔽された領域である。コイル室22には、少なくとも誘導加熱コイル32(32a〜32f)が設けられ、本実施形態の場合、温度センサ42(42a〜42f)、およびパージガス供給手段46を有する。発熱源28は、例えばグラファイトにより構成され、隔壁24の上端に対して、耐熱性を有するシール部材26を介して載置される。これにより、コイル室22の内部とプロセス室12とが空間的に遮蔽されることとなる。また、本実施形態では、コイル室22を遮蔽する発熱源28が、隔壁24に対して相対的に動くことが無いため、従来のサセプタによる仕切りに比べ、遮蔽機構を簡易にした場合であっても、高い遮蔽効果を得ることができる。また、遮蔽機構としては、シール部材26を介在させるだけの簡易な構造とすることができるため、回転式のサセプタを備えた抵抗加熱方式の気相成長装置に比べ、メンテナンス性も向上させることができる。
誘導加熱コイル32は、コイル室22の内部であって、発熱源28の直下に配置される。誘導加熱コイル32を発熱源28に近接させることで、電磁誘導によるグラファイト(発熱源28)の発熱効率を向上させることができるからである。本実施形態における誘導加熱コイル32は、上述した回転軸20の中心軸を基点とした複数の円形コイルを同芯円上に近接配置して構成される。また、本実施形態における誘導加熱コイル32は、2ターンの巻回コイルを1つの加熱ゾーンに配置する構成としており、実施形態においては、グラファイトの半径方向に沿って6ゾーン分のコイルを配置している(各ゾーンは、図1に示す誘導加熱コイル間に示した破線によって区切られる範囲とする)。誘導加熱コイル32は、内部に冷却ガスや冷却水といった冷媒を挿通することのできる筒状体により構成すると良く、例えば銅管などを採用すると良い。このような構成とすることによれば、誘導加熱コイル32が過加熱されることを抑制することができる。
また、このように分割配置された誘導加熱コイル32では、個々の誘導加熱コイル32a〜32fの長さが短くなることより、各誘導加熱コイル32a〜32fに供給する電力の電圧を低くすることができる。このような作用によっても、誘導加熱コイル32間におけるパッシェン放電の発生を抑制することができる。
誘導加熱コイル32の下部には、誘導加熱コイル32の形状を保持するための支持板33が設けられている。支持板33は、アルミナ等のセラミック材料で構成すれば良い。また、支持板33は冷媒の挿通によって冷却される誘導加熱コイル32に密着させることで、発熱源28からの輻射熱を受けて加熱されてしまう虞が無い。
各加熱ゾーンを構成する誘導加熱コイル32a〜32fは、電源部40に接続されている。電源部40には、少なくともインバータ34(34a〜34f)と電源36、および電力制御手段38が備えられる。インバータ34は、各誘導加熱コイル32毎に個別に設けられ、各誘導加熱コイル32に供給する電力を個別に制御することを可能とする。近接配置された複数の誘導加熱コイル32に供給する電力の個別制御に関しては、周知技術によれば良く、例えば各誘導加熱コイル32に供給する電流の周波数を一致させ、電流波形の位相を一致、あるいは所定の位相角を保つように制御した上で、電力制御を行うようにすれば良い。電源36は、インバータ34に対して整流した直流電流を供給する機構であれば良く、図示しないコンバータを含む構成とする。また、電力制御手段38は、発熱源28の温度分布に基づいてインバータ34からの供給電力を制御する役割を担うユニットである。具体的には、まず、詳細を後述する温度センサ42a〜42fによって検出された各加熱ゾーンの温度に基づいて、発熱源28の温度分布を均一化するために各誘導加熱コイル32a〜32fに必要とされる供給電力を算出する。次に、各インバータ32a〜32fに対する指令値として、出力電力を算出された電力値と合致させるためのゲート信号を出力する。このようなフィードバック制御を行うことにより、発熱源28の半径方向温度分布を均一あるいは所望する温度分布に保つことが可能となる。
温度センサ42は、2ターンの巻回によって各加熱ゾーンを構成する誘導加熱コイル32のターン間にそれぞれ配置され、直上に位置する発熱源28の温度を計測する。温度センサ42をこのような配置形態とすることによれば、各加熱ゾーンの中心温度を計測することが可能となる。温度センサ42としては、接触型の熱電対や、非接触型の放射温度計などであれば良い。なお、温度センサ42により検出された温度は、センサ制御部44を介して検出値(例えば抵抗値の変化等)が電気信号に変換され、電力制御手段38に入力される。
また、パージガス供給手段46は、コイル室22内にパージガスを供給するノズル46aを有する。パージガスとしては窒素ガス(N)や水素ガス(H)であれば良い。パージガスは、コイル室22内の気圧が、プロセス室12内の気圧よりも僅かに(例えば1Torr≒133Pa程度)高くなるように供給する。このような供給形態を採ることで、プロセス室12内に供給される原料ガスがコイル室22内に侵入する虞が無くなる。これにより、原料ガスが誘導加熱コイル32等の内部要素に接触することによる腐食を防止することができる。
このような基本構成を有する気相成長装置10によれば、電源部40から誘導加熱コイル32に対して電力が供給されることで、誘導加熱コイル32の回りに磁束が発生する。誘導加熱コイル32から生じた磁束がグラファイトにより構成された発熱源28に投入されると、発熱源28の内部に渦電流が発生する。渦電流が生じた発熱源28は、渦電流によるジュール熱で発熱し、輻射熱を生じさせる。ウエハホルダ14によって支持された被処理基板50は、発熱源28からの輻射熱により加熱される。
被処理基板50が加熱状態にある中で、プロセス室12には、図示しない原料ガス供給口から原料ガスが導入される。そして、導入された原料ガスが、加熱された被処理基板50の表面に付着することで、被処理基板50の表面に化合物半導体の薄膜が形成される。
このように、上記構成の気相成長装置10を用いることによれば、分割された誘導加熱コイル32を介した加熱制御(いわゆるゾーンコントロール制御)を行うことで、発熱源28を均等加熱することができる。このため、発熱源28は、その主面全体がヒータとして作用することとなり、加熱に際しての温度ムラが無くなる。よって、被処理基板50を発熱源28によって直接加熱することができる。
発熱源28からの直接加熱により被処理基板50を加熱することで、従来の抵抗加熱方式に比べて放射加熱段数(発熱源から被処理基板の加熱に至るまでに経由される放射熱源の数)が低減される。これにより、加熱効率の向上が図れると共に、発熱源の低温化による経年劣化の遅延化(長寿命化)、および温度制御の応答性の高速化を図ることができる。
また、実施形態に係る気相成長装置10では、温度センサ42による計測温度に基づくフィードバック制御を行うことが可能なため、リアルタイムでの温度分布制御を実現することができる。
また、遮蔽機構を簡略化することで従来に比べてコイル室22の密閉性を向上させることができると共に、パージガスの供給による圧力バランスの制御を成すことで、原料ガスがコイル室22内に流れ込むことを防止することができる。これにより、原料ガスの付着による誘導加熱コイル32等の腐食を防止することができる。
なお、上記構成は、本発明に係る気相成長装置10として適用可能な一部の構成であり、本発明は上記具体的な構成に限定されるものでは無い。例えば、上記実施形態では被誘導加熱部材である発熱源28としてグラファイトを例に挙げて説明していたが、発熱源28をグラファイトに代えて導電性SiCやSiCコートグラファイト、およびPBN(熱分解窒化ホウ素)コートグラファイト等により構成しても良い。発熱源28の構成部材としてこのようなものを採用することによれば、グラファイトに比べて原料ガス等に対する反応性が低くなり、腐食による劣化を抑制することができる。
また、実施形態に係る構成の気相成長装置10では、プロセス室12内に、原料ガスがウエハホルダ14の裏面側へ回り込むことを防止する遮蔽壁25(図1においては二点鎖線で表示)を設けるようにすると良い。遮蔽壁25を設けて原料ガスの回り込みを防止することで、加熱された被処理基板50の裏面側(発熱源28と対向する側の面)に化合物半導体の薄膜が形成されてしまう虞がなくなる。
また、ウエハホルダ14について上記実施形態では、被処理基板50を支持するザグリ16を有する貫通孔18を複数設けるバッチ処理型のホルダである旨記したが、貫通孔18は必ずしも複数である必要は無く、少なくとも1つあれば、被処理基板50の気相成長に寄与することができる。
また、ウエハホルダ14は、回転軸20を基点として水平回転することで、貫通孔18のザグリ16部分に支持された被処理基板50を公転可能とする旨記載した。しかしウエハホルダ14の構成としては、被処理基板50を公転させるだけで無く、自転させる機構を備えたものを採用しても良い。このようなウエハホルダを採用した場合であっても、自転用のホルダに支持された被処理基板が発熱源28により直接加熱されるための貫通孔を備えることで、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、自公転可能なウエハホルダの構成としては、被処理基板を支持する小径の自転ホルダ(不図示)を自転ホルダよりも大径とされる公転ホルダ(不図示)が保持するといった構成のものであれば良い。
また、上記実施形態では、誘導加熱コイル32は、それぞれ2ターンで1つの加熱ゾーンを構成する旨記載した。しかしながら、本発明の気相成長装置10を構成する誘導加熱コイル32は、少なくとも2ターンで1つの加熱ゾーンを構成すれば良く、例えば3ターンや4ターンで1つの加熱ゾーンを構成するようにしても良い。なお、1つの加熱ゾーンを構成する誘導加熱コイル32のターン数を増やす場合には、ターン数を偶数とすることが望ましい。温度センサ42を配置する際、各誘導加熱コイル32により加熱される加熱ゾーンの中心に配置することが可能となるからである。
さらに、上記実施形態ではコイル室22の気圧がプロセス室12の気圧よりも僅かに高くなるように、コイル室22内にパージガスを供給する旨記載した。しかしながら、パージガスの役割は、プロセス室12内に供給される原料ガスがコイル室22に混入することを防止することである。このため、コイル室22の気圧とプロセス室12の気圧とを同等としても良い。このような構成とした場合であっても、原料ガスの混入を防止する効果があるからである。
10………気相成長装置、12………プロセス室、14………ウエハホルダ、16………ザグリ、18………貫通孔、20………回転軸、22………コイル室、24………隔壁、26………シール部材、28………発熱源、30………回転機構、32(32a〜32f)………誘導加熱コイル、33………支持板、34(34a〜34f)………インバータ、36………電源、38………電力制御手段、40………電源部、42(42a〜42f)………温度センサ、44………センサ制御部、46………パージガス供給手段、46a………ノズル、50………被処理基板。

Claims (7)

  1. 被処理基板を保持するウエハホルダを配置したプロセス室と、
    前記プロセス室内に設けられて誘導加熱コイルが配置されたコイル室と、
    前記コイル室内に配置され、前記コイル室内の気圧を前記プロセス室内の気圧と同等又は、前記プロセス室内の気圧よりも高く保つパージガス供給手段と、
    前記コイル室と前記プロセス室とを空間的に遮蔽すると共に前記誘導加熱コイルにより加熱される被誘導加熱部材と、を有することを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記ウエハホルダは、前記被処理基板を保持するためのザグリを有する少なくとも1つの貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記ウエハホルダは、回転機構を備えた回転軸に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気相成長装置。
  4. 前記誘導加熱コイルは、同芯円上に隣接配置された複数の円形コイルであり、各誘導加熱コイルには、それぞれに供給する電力を制御するインバータを接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  5. 前記誘導加熱コイルは、それぞれ少なくとも2ターンづつ巻回形成されたコイルであり、
    前記コイル室内において2ターン巻回される各誘導加熱コイルのターン間には、前記グラファイトの温度を計測するための温度センサを設け、
    前記温度センサによって計測された温度に基づいて前記インバータを介して前記誘導加熱コイルに供給する電力を定める電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の気相成長装置。
  6. 前記ウエハホルダをSiCにより構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  7. 前記被誘導加熱手段を導電性SiCにより構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の気相成長装置。

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