JP2012164549A - バイオ燃料電池及び電源装置 - Google Patents

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恒俊 寒川
Shuji Fujita
修二 藤田
Hiroki Mita
洋樹 三田
Hideki Sakai
秀樹 酒井
Yuichi Tokita
裕一 戸木田
Ryuhei Matsumoto
隆平 松本
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Abstract

【課題】燃料カートリッジを使用せずに、電池本体に燃料を補充することができるバイオ燃料電池及び電源装置を提供する。
【解決手段】表面に酸化還元酵素が存在する電極(アノード、カソード)を備えた発電部の一方の面上に、例えば蜜蜂用巣礎又は巣板からなる燃料供給部を設け、蜜蜂などの生物により燃料の収集及び/又は改質を行う。その際、必要に応じて、アノードと巣礎又は巣板との間に、不織布やセロハンなどの濾材を配置し、これらを介して蜂蜜がアノードに供給されるようにする。
【選択図】図1

Description

本技術は、酸化還元酵素を用いたバイオ燃料電池及びこの燃料電池を備えた電源装置に関する。より詳しくは、バイオ燃料電池に燃料を供給するための技術に関する。
反応触媒に酸化還元酵素を用いたバイオ燃料電池は、通常の工業触媒を使用した燃料電池では利用できないグルコースやエタノールなどから効率よく電子を取り出すことができるため、高容量でかつ安全性が高い次世代の燃料電池として注目されている。
図5は酵素を使用したバイオ燃料電池の発電原理を模式的に示す図である。例えば、図5に示すようなグルコースを燃料とするバイオ燃料電池の場合、負極(アノード)101では表面に固定化された酵素によりグルコース(Glucose)を分解して、電子(e)を取り出すと共にプロトン(H)を発生する。一方、正極(カソード)102においては、負極(アノード)101からプロトン伝導体103を介して輸送されたプロトン(H)と、外部回路を通って送られた電子(e)と、例えば空気中の酸素(O)とにより水(HO)を生成する。
一方、燃料電池は、燃料を追加供給することにより、長期間に亘って連続して発電することが可能である(例えば、特許文献1参照)。そして、電池本体への燃料補充には、一般に、燃料を直接電池本体の燃料貯蔵部に充填する方法や燃料カートリッジを使用する方法(例えば、特許文献2,3参照。)などがある。更に、従来、セルロースなどのそのままでは燃料とはなり得ないものから、グルコースなどの燃料を生成する燃料改質器を備えた燃料電池も提案されている(特許文献4参照)。
特開2009−048848号公報 特開2007−227092号公報 特開2008−192345号公報 特開2010−245015号公報
しかしながら、燃料を直接電池本体の燃料貯蔵部に充填する方法や燃料カートリッジを使用する方法などの従来の燃料補充方法は、作業が煩雑であり、また、燃料の種類によっては安全性の面から取り扱いに注意が必要であるといった問題点がある。
そこで、本技術は、燃料カートリッジを使用せずに、電池本体に燃料を補充することができるバイオ燃料電池及び電源装置を提供することを主目的とする。
本技術に係るバイオ燃料電池は、表面に酸化還元酵素が存在する電極を備えた発電部と、該発電部に燃料を供給する燃料供給部と、を有し、前記燃料供給部において生物により燃料の収集及び/又は改質を行うものである。
このバイオ燃料電池では、前記燃料供給部は蜜蜂用巣礎又は巣板であり、蜜蜂を利用して燃料の収集及び/又は改質を行ってもよい。
その場合、発電部に設けられたアノードと巣礎又は巣板との間に、濾材を配置し、これらを介して蜂蜜がアノードに供給される構成とすることもできる。
本技術に係る電源装置は、前述したバイオ燃料電池を、直列又は並列に複数個接続したものである。
この電源装置には、変圧器やバッテリーを設けてもよい。
本技術によれば、生物の習性を利用して燃料の収集及び改質を行うため、燃料カートリッジや燃料改質器を使用しなくても、電池本体に燃料を補充することが可能となる。
本技術の第1の実施形態のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す斜視図である。 (a)は図1に示すバイオ燃料電池1の使用時の状態を模式的に示す斜視図であり、(b)はその一部を示す拡大図である。 図1に示すバイオ燃料電池1を複数備えた電源装置を模式的に示す斜視図である。 本技術の第2の実施形態のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す斜視図である。 酵素を使用したバイオ燃料電池の発電原理を模式的に示す図である。
以下、本技術を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本技術は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。また、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態
(蜜蜂を利用したバイオ燃料電池の例)
2.第2の実施の形態
(シロアリを利用したバイオ燃料電池の例)
<1.第1の実施の形態>
[バイオ燃料電池の全体構成]
先ず、本技術の第1の実施形態に係るバイオ燃料電池について説明する。図1は本実施形態のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態のバイオ燃料電池1は、「蜜蜂」を利用して燃料の収集及び改質を行うものであり、図1に示すように、発電部2の一方の面上に蜜蜂用の巣礎3が設けられている。
「蜜蜂」には、花の蜜を集め、巣に貯蔵するという習性がある。本実施形態のバイオ燃料電池1では、この蜜蜂の習性を利用することにより、燃料自己収集型のバイオ燃料電池を実現する。
[発電部2]
発電部2には、アノード21とカソード22とが設けられており、これらの間には、セパレータ23が配置されている。また、このバイオ燃料電池1では、アノード21若しくはカソード22又はその両方の電極表面に、酸化還元酵素が存在している。ここで、電極の表面とは、電極の外面と電極内部の空隙の内面との全体を含み、以下の記載においても同様とする。更に、これらアノード21及びカソード22には、それぞれ集電体(図示せず)が接触配置されていてもよい。
(アノード21)
アノード21は、燃料極であり、例えば導電性多孔質材料からなる電極の表面に酸化還元酵素が固定化されているものを使用することができる。その際使用する導電性多孔質材料には、公知の材料を使用することができるが、特に、多孔質カーボン、カーボンペレット、カーボンフェルト、カーボンペーパー、炭素繊維又は炭素微粒子の積層体などのカーボン系材料が好適である。
また、アノードの表面に固定化される酵素としては、例えば燃料成分がグルコースである場合は、グルコースを分解するグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を使用することができる。更に、燃料成分にグルコースなどの単糖類を用いる場合には、アノード表面に、GDHのような単糖類の酸化を促進して分解する酸化酵素と共に、補酵素酸化酵素や電子メディエーターが固定化されていることが望ましい。
補酵素酸化酵素は、酸化酵素によって還元される補酵素(例えば、NAD,NADPなど)と、補酵素の還元体(例えば、NADH,NADPHなど)を酸化するものであり、例えば、ジアホラーゼなどが挙げられる。この補酵素酸化酵素の作用により、補酵素が酸化体に戻るときに電子が生成され、補酵素酸化酵素から電子メディエーターを介して電極に電子が渡される。
また、電子メディエーターとしては、キノン骨格を有する化合物を使用することが好ましく、特に、ナフトキノン骨格を有する化合物が好適である。具体的には、2−アミノ−1,4−ナフトキノン(ANQ)、2−アミノ−3−メチル−1,4−ナフトキノン(AMNQ)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(VK3)、2−アミノ−3−カルボキシ−1,4−ナフトキノン(ACNQ)などを用いることができる。また、キノン骨格を有する化合物としては、ナフトキノン骨格を有する化合物以外に、例えば、アントラキノン−1−スルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸及びアントラキノン−2−カルボン酸などのアントラキノン骨格を有する化合物やその誘導体を用いることもできる。更に、必要に応じて、キノン骨格を有する化合物と共に、電子メディエーターとして作用する1種又は2種以上の他の化合物を固定化してもよい。
一方、燃料成分に多糖類を用いる場合には、前述した酸化酵素、補酵素酸化酵素、補酵素及び電子メディエーターに加えて、多糖類の加水分解などの分解を促進し、グルコースなどの単糖類を生成する分解酵素が固定化されていることが望ましい。なお、ここでいう「多糖類」は、広義の多糖類であり、加水分解によって2分子以上の単糖を生じる全ての炭水化物を指し、二糖、三糖及び四糖などのオリゴ糖を含む。具体的には、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、マルトース、スクロース及びラクトースなどが挙げられる。これらは2以上の単糖類が結合したものであり、いずれの多糖類においても結合単位の単糖類としてグルコースが含まれている。
また、アミロースとアミロペクチンとはデンプンに含まれる成分であり、デンプンはアミロースとアミロペクチンとの混合物である。例えば、多糖類の分解酵素としてグルコアミラーゼを使用し、単糖類を分解する酸化酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼを使用する場合には、燃料成分にはグルコアミラーゼによりグルコースにまで分解することができる多糖類を使用することができる。このような多糖類としては、例えばデンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン及びマルトースなどが挙げられる。ここで、グルコアミラーゼは、デンプンなどのα−グルカンを加水分解しグルコースを生成する分解酵素であり、グルコースデヒドロゲナーゼは、β−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化する酸化酵素である。
なお、アノード2は、表面に酸化還元酵素が固定化されているものに限定されるものではなく、電極表面に酸化還元酵素が存在しているものであれば、例えば、酸化還元酵素を有し反応触媒として作用する微生物が付着した電極などを使用することも可能である。
(カソード22)
カソード22は、空気極であり、直接又はPTFE(PolyTetraFluoroEthylene:ポリテトラフルオロエチレン)などの気液分離膜を介して気相(空気)に接触している。このカソード22を構成する電極は、特に限定されるものではないが、例えば導電性多孔質材料からなる電極の表面に、酸化還元酵素及び電子メディエーターが固定化されているものを使用することができる。カソード22を形成する導電性多孔質材料も、公知の材料を使用することができるが、特に、多孔質カーボン、カーボンペレット、カーボンフェルト、カーボンペーパー、炭素繊維又は炭素微粒子の積層体などのカーボン系材料が好適である。
このカソード22に固定化される酸素還元酵素としては、例えば、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ及びアスコルビン酸オキシダーゼなどが挙げられる。また、これらの酵素と共に固定化される電子メディエーターとしては、例えば、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、フェリシアン化カリウム及びオクタシアノタングステン酸カリウムなどが挙げられる。
なお、カソード22も、表面に酸化還元酵素が固定化されているものに限定されるものではなく、電極表面に酸化還元酵素が存在しているものであれば、例えば、酸化還元酵素を有し反応触媒として作用する微生物が付着した電極などを使用することも可能である。
(セパレータ23)
セパレータ23は、各電極(アノード21、カソード22)の短絡を防止するものであり、柔軟性を有し、かつ、プロトンを透過する材料により形成されている。具体的には、例えば、不織布、セロハン又はパーフルオロスルホン酸系イオン交換膜などを使用することができる。
[巣礎3]
巣礎3は、蜜蜂が巣を形成するための土台となるもので、平面視で六角形状の枠がハニカム状に形成されており、アノード21を覆うように配置されている。この巣礎3は、蜂蜜が発電部2(アノード21)に透過するような構造となっていれば、材質などは特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。
なお、巣礎3とアノード21とは直接接触していてもよいが、これらの間に不織布、セロハン、布、金属製や合成樹脂製の網、その他の多孔質材料などを濾材として配置し、この濾材を介して蜂蜜がアノード21に浸透するようにしてもよい。これにより、ごみなどの不純物を取り除き、燃料となる蜂蜜のみを効率的にアノード21に供給することができる。
[バイオ燃料電池1の動作]
次に、前述したバイオ燃料電池1の動作、即ち、バイオ燃料電池1を使用して発電する方法について説明する。図2(a)は図1に示すバイオ燃料電池1の使用時の状態を模式的に示す斜視図であり、図2(b)はその一部を示す拡大図である。先ず、図1に示す巣礎3を備えたバイオ燃料電池1を用いて、通常の養蜂と同様の方法で蜜蜂を飼育する。
そうすると、図2(a)に示すように、蜜蜂によって、巣礎3の上にハニカム構造の巣板4が形成され、その後、図2(b)に示すように、巣板4を構成する各中空六角柱内に、蜂蜜が貯蔵される。この蜂蜜貯蔵部4aに貯蔵された蜂蜜に含まれる糖類は、花の蜜の主成分であるショ糖が蜜蜂の酵素(フルクトシダーゼ)によって分解されたものであり、主に、グルコース及びフルクトースなどの単糖類で構成されている。
蜂蜜に含まれるグルコースは、バイオ燃料電池において改質せずにそのまま使用することができる燃料の1種であるため、蜂蜜貯蔵部4aに貯蔵された蜂蜜は、アノード21に浸透し、そのまま燃料として使用される。具体的には、アノード21において、表面に固定化された酵素により、蜂蜜中のグルコースなどの燃料成分を分解して、電子(e)を取り出すと共にプロトン(H)を発生する。一方、カソード22においては、アノード21からセパレータ23を介して輸送されたプロトン(H)と、アノード21から外部回路を通って送られた電子(e)と、空気(気相)中の酸素(O)とにより水(HO)を生成する。
[電源装置]
本実施形態のバイオ燃料電池1は、並列又は直列に複数個接続して、電源装置とすることもできる。図3は、図1に示すバイオ燃料電池1を複数備えた電源装置を模式的に示す斜視図である。例えば、図3に示す電源装置10では、蜂の巣箱の中に、複数のバイオ燃料電池1を配置し、これらを並列に接続した構成となっている。
この電源装置10は、更にバッテリー11を設けて、得られた電力を充電できるようにしてもよい。また、変圧器12を設けて、この変圧器12にプラス端子13及びマイナス端子14を接続することで、安定した電力源とすることができる。
以上詳述したように、本実施形態のバイオ燃料電池1は、蜜蜂の習性を利用することにより、燃料自己収集・補充型の燃料電池を実現することができる。また、蜜蜂が分泌する酵素を利用することにより、改質が不要な燃料を得ることができる。その結果、燃料カートリッジや燃料改質器を使用しなくても、電池本体に燃料を補充することが可能となる。更に、本実施形態のバイオ燃料電池1では、自然界に広く薄く存在する再生可能なエネルギーを効率よく利用することができる。
なお、本実施形態においては、蜜蜂が集めた蜂蜜を燃料として利用する場合を例に説明したが、本技術は、昆虫を利用する場合に限定されるものではなく、例えば樹木などの植物の習性を利用することもできる。具体的には、楓などの樹木の樹液を燃料として利用することも可能である。その場合、樹液の主成分はショ糖であるため、バイオ燃料電池に、ショ糖分解酵素によりショ糖をグルコースやフルクトースに改質する改質部を設ける必要がある。また、樹液の収集は、例えば、バイオ燃料電池に樹液貯留用の容器を設け、この容器を幹に取り付けて、樹液を溜めればよい。
<2.第2の実施の形態>
[バイオ燃料電池の全体構成]
次に、本技術の第2の実施形態に係るバイオ燃料電池について説明する。図4は本実施形態のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す斜視図である。なお、図4に示すバイオ燃料電池31においては、図1に示すバイオ燃料電池1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
一般に、酸化還元酵素を用いたバイオ燃料電池では、主にグルコースが燃料として利用されている。また、グルコース以外のものを燃料として使用する場合には、燃料を改質する必要があり、例えば前述した特許文献4に記載のバイオ燃料電池では、酵素によりセルロースを改質して、グルコースなどの燃料を得ている。しかしながら、特許文献4に記載されている改質方法では、木材などのように不純物を多く含むセルロース源を改質し、燃料とすることは難しいという問題がある。
一方、微生物の代謝を利用する微生物燃料電池も提案されており、この燃料電池では、燃料として多用なバイオマスを利用することができるが、酸化還元酵素を利用した燃料電池に比べて、得られる電流密度が低いという問題点がある。更に、従来、微生物を利用して木質系廃棄物から水素や単糖類を得る方法も提案されているが(特開平7−31465号公報参照)、得られた水素や単糖類を電気エネルギーに変換する方法については、検討がなされていない。
そこで、本実施形態のバイオ燃料電池においては、従来の酵素を用いた改質器によりも広範なセルロースを燃料に利用することが可能で、かつ高出力なバイオ燃料電池を実現するため、「シロアリ」を利用して燃料の改質を行う。具体的には、図4に示すように、本実施形態のバイオ燃料電池50は、発電部2の一方の面上に改質器5が設けられている。
[改質器5]
改質器5は、「シロアリ」により木材を分解する分解部51と、分解された木材をシロアリごと粉砕してセルロースの糖化反応を進行させる粉砕部52とで構成されている。そして、例えば、粉砕部52をアノード21に接触配置することにより、粉砕部52で生成したセルロース糖化液体53が、発電部2のアノード21に供給されるようになっている。
なお、粉砕部52とアノード21との間には、セルロース糖化液体53から固形物を分離するための濾材(図示せず)が設けられていることが望ましい。これにより、燃料となるセルロース糖化液体53のみを、効率的にアノード21に供給することができる。また、改質器5の分解部51の上には、蓋54が設けられていてもよい。
[バイオ燃料電池50の動作]
次に、前述したバイオ燃料電池50の動作について説明する。本実施形態のバイオ燃料電池50においいては、先ず、改質器5の分解部51に、燃料となる木材とシロアリを入れる。「シロアリ」は、木材などの植物遺体に含まれるセルロースを食べ、エネルギー源として利用している。
この「シロアリ」は、セルロースの分解方法により大きく2つに分類することができる。その一方は、セルロースを分解するセルラーゼを、シロアリ自身で作る高等シロアリであり、他方は、腸管内に生息する原生動物類や細菌類にセルラーゼを作らせる下等シロアリである。なお、本実施形態のバイオ燃料電池50には、高等シロアリ及び下等シロアリのいずれも使用することができる。
そして、シロアリによって、木材がある程度分解されるまで放置する。その後、分解された木材とシロアリを粉砕部52に移動させ、木材をシロアリごと粉砕する。この粉砕物にはセルラーゼが含まれているため、ここに水を加え放置することにより、セルロースの糖化反応を進行させることができる。
なお、下等シロアリを使用した場合には、腸内細菌を利用して木質断片を更に分解させてもよい。その場合、粉砕部52内を嫌気状態とし、所定時間放置する。これにより、セルロースの糖化反応を進行させることができる。
そして、得られたセルロール糖化液体53を、例えば濾過膜などを使用して固形物を除去した後、アノード21に供給し、バイオ燃料電池50の燃料として使用する。なお、発電部2の動作は、前述した第1の実施形態のバイオ燃料電池1と同様である。
以上詳述したように、本実施形態のバイオ燃料電池50では、シロアリの代謝を利用して燃料を改質しているため、単体の酵素を用いた改質器に比べて、広範なバイオマスを燃料として利用することができる。また、その代謝物を、酸化還元酵素を用いたバイオ燃料電池の燃料として利用しているため、微生物燃料電池に比べて、高い出力が得られる。
なお、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)表面に酸化還元酵素が存在する電極を備えた発電部と、
該発電部に燃料を供給する燃料供給部と、を有し、
前記燃料供給部において生物により燃料の収集及び/又は改質を行うバイオ燃料電池。
(2)前記燃料供給部が蜜蜂用巣礎又は巣板であり、蜜蜂を利用して燃料の収集及び/又は改質を行う前記(1)に記載のバイオ燃料電池。
(3)前記発電部に設けられたアノードと前記巣礎又は巣板との間に、濾材が配置されており、これらを介して蜂蜜がアノードに供給される前記(2)に記載のバイオ燃料電池。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のバイオ燃料電池が、直列又は並列に複数個接続された電源装置。
(5)変圧器を備える前記(4)に記載の電源装置。
(6)バッテリーを備える前記(4)又は(5)に記載の電源装置。
1、50 バイオ燃料電池
2 発電部
3 巣礎
4 巣板
5 改質器
10 電源装置
11 バッテリー
12 変圧器
13 プラス端子
14 マイナス端子
21、101 アノード
22、102 カソード
23 セパレータ
51 分解部
52 粉砕部
53 セルロース糖化液体
54 蓋
103 プロトン伝導体

Claims (6)

  1. 表面に酸化還元酵素が存在する電極を備えた発電部と、
    該発電部に燃料を供給する燃料供給部と、を有し、
    前記燃料供給部において生物により燃料の収集及び/又は改質を行うバイオ燃料電池。
  2. 前記燃料供給部は蜜蜂用巣礎又は巣板であり、蜜蜂を利用して燃料の収集及び/又は改質を行う請求項1に記載のバイオ燃料電池。
  3. 前記発電部に設けられたアノードと前記巣礎又は巣板との間に、濾材が配置されており、これらを介して蜂蜜がアノードに供給される請求項2に記載のバイオ燃料電池。
  4. 請求項1に記載のバイオ燃料電池が、直列又は並列に複数個接続された電源装置。
  5. 変圧器を備える請求項4に記載の電源装置。
  6. バッテリーを備える請求項4に記載の電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015070819A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 株式会社竹中庭園緑化 バイオ燃料の生成方法及びバイオ燃料生成手段

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