JP2013016413A - バイオ燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】直列接続された複数のセルに燃料を供給することが可能なバイオ燃料電池を提供する。
【解決手段】表面に酸化還元酵素が存在する電極(アノード及び/又はカソード)を備えた発電部が、直列に接続された積層セル構造のバイオ燃料電池において、各発電部の燃料注入口と連通する燃料供給部を設ける。そして、この燃料供給部から燃料溶液を注入した後、蓋体により、燃料供給部及び各燃料注入口を閉塞し、充填された燃料溶液が相互に接触しないようにする。
【選択図】図1

Description

本技術は、酸化還元酵素を用いたバイオ燃料電池に関する。より詳しくは、バイオ燃料電池における燃料供給技術に関する。
近年、アノード又はカソードの少なくとも一方の電極上に、反応触媒として酸化還元酵素を固定した燃料電池(以下、バイオ燃料電池という。)が注目されている。このバイオ燃料電池は、グルコースやエタノールなどのように通常の工業触媒では反応が困難な燃料から、効率よく電子を取り出すことができるため、高容量でかつ安全性が高い次世代の燃料電池として期待されている。
図11は酵素を使用したバイオ燃料電池の発電原理を模式的に示す図である。例えば、図11に示すようなグルコースを燃料とするバイオ燃料電池の場合、負極(アノード)101では表面に固定化された酵素によりグルコース(Glucose)を分解して、電子(e)を取り出すと共にプロトン(H)を発生する。また、正極(カソード)102においては、負極(アノード)101からプロトン伝導体103を介して輸送されたプロトン(H)と、外部回路を通って送られた電子(e)と、例えば空気中の酸素(O)とにより水(HO)を生成する。そして、これら正負極の反応が同時に起こることで、正負極間で電気エネルギーが発生する。
一方、ダイレクトメタノール型などの燃料電池は、単セルの電圧が低いという問題がある。このため、従来の燃料電池は、一般に、複数のセルを直列に接続したモジュール形態で使用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。また、従来、バイオ燃料電池においても、出力向上を目的として、複数のセルを並列及び/又は直列に接続した構造が提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。
特開2006−139985号公報 特表2007−149432号公報 特開2009−48848号公報 特開2009−158466号公報
しかしながら、前述した従来の燃料電池には、以下に示す問題点がある。燃料電池は、燃料を追加供給することで、長期間に亘って連続して発電することが可能であるが、複数のセルを接続したモジュール形態の燃料電池の場合、セル毎に燃料注入口が設けられており、個別に燃料を供給しなければならない。このため、従来の燃料電池には、燃料供給時の作業が煩雑であるという問題点がある。また、仮に燃料注入口を1つにした場合でも、電池内部に流路などの燃料分配機構を設けなければならず、装置の複雑化や単位体積あたりの出力低下を招く。
一方、特許文献2に記載の燃料電池では、共通燃料タンク内に、複数の燃料極を浸漬しているが、バイオ燃料電池の場合、燃料溶液がプロトン伝導体を兼ねているため、このような構造を採用することはできない。具体的には、バイオ燃料電池の場合、セル毎に燃料溶液が独立しており、相互に接触しない状態にする必要がある。
そこで、本開示は、直列接続された複数のセルに燃料を供給することが可能なバイオ燃料電池を提供することを主目的とする。
本開示に係るバイオ燃料電池は、表面に酸化還元酵素が存在する電極を備え、直列に接続された2以上の発電部と、各発電部の燃料注入口と連通する燃料供給部と、前記燃料供給部及び各燃料注入口を閉塞する蓋体と、を有するものである。
このバイオ燃料電池では、各発電部を仕切り板によって相互に分離し、前記仕切り板の一部に高さの低い部分を設けることにより、凹状の燃料供給部が構成することもできる。
また、前記蓋体に、各発電部に充填される燃料の量を調節する充填量調節部を設け体もよい。
更に、前記発電部の燃料タンク内に、内部から各電極を押圧する1又は2以上の押圧部材が配置することもできる。その場合、前記押圧部材は、幅方向及び高さ方向に延びる複数の棒状部材を一体化した構造としてもよい。
本開示によれば、各発電部の燃料注入口に連通する燃料供給部を備えているため、直列接続された複数のセルに対して、一度の操作で燃料を供給することができる。
本開示の第1の実施形態のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。 図1に示すバイオ燃料電池1において、燃料電池本体2と蓋体3とを分離した状態を模式的に示す断面図である。 図1に示すバイオ燃料電池1の発電部11の構成を模式的に示す分解斜視図である。 (a)及び(b)は押圧部材28の配置例を示す平面図であり、(c)は押圧部材のない従来の電池構造を示す平面図である。 横軸に時間をとり、縦軸に電流値をとって、図4(a)〜(c)のバイオ燃料電池について定電位測定を行った結果を示すグラフ図である。 図1に示すバイオ燃料電池1の発電部11の他の構成を模式的に示す分解斜視図である。 横軸に時間をとり、縦軸に電流値をとって、プレスバー48の有無による出力の変化を示すグラフ図である。 図1に示すバイオ燃料電池1に燃料溶液を供給する方法を模式的に示す斜視図である。 本開示の第1の実施形態の第1変形例のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。 本開示の第1の実施形態の第2変形例のバイオ燃料電池の構成を示す斜視図である。 酵素を使用したバイオ燃料電池の発電原理を模式的に示す図である。
以下、本開示を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。また、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態
(複数の燃料部に共通する燃料供給部を備えるバイオ燃料電池の例)
2.第1の実施の形態の第1変形例
(蓋体に燃料溶液量調節孔が設けられているバイオ燃料電池の例)
3.第1の実施の形態の第2変形例
(筐体側面に燃料溶液量調節孔が設けられているバイオ燃料電池の例)
<1.第1の実施の形態>
[全体構成]
先ず、本開示の第1の実施形態に係るバイオ燃料電池について説明する。図1は本実施形態のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す断面図であり、図2はその燃料電池本体と蓋体とを分離した状態を模式的に示す断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態のバイオ燃料電池1は、少なくとも、複数の発電部11が直列に接続された積層セルからなる燃料電池本体2と、その燃料供給部14を塞ぐ蓋体3とを備えている。
燃料電池本体2の各発電部11は、仕切り板12によって、電気的に絶縁されている。ただし、各発電部11の燃料注入口が設けられている部分は、仕切り板12の高さが外装板13よりも低くなっており、これにより燃料供給部14が構成されている。即ち、本実施形態のバイオ燃料電池1は、燃料供給部14から燃料溶液4を注入することにより、全ての発電部11に燃料溶液4が充填されるようになっている。
[発電部11]
図3は図1に示すバイオ燃料電池1の発電部11の構成を模式的に示す分解斜視図である。図3に示すように、各発電部11には、アノード21とカソード22とが設けられており、これらの間には、セパレータ24が配置されている。また、アノード21及びカソード22には、それぞれ集電体23,25が接触配置されている。
更に、セパレータ24とアノード21との間には燃料タンク27が配置されており、その内部に貯留された燃料溶液4がアノード21に接触するようになっている。そして、この燃料タンク27内には、例えば1又は2以上の押圧部材28を配置することができる
一方、本実施形態のバイオ燃料電池1においては、アノード21若しくはカソード22又はその両方の電極表面に、酸化還元酵素が存在している。ここで、電極の表面とは、電極の外面と電極内部の空隙の内面との全体を含み、以下の記載においても同様とする。
なお、図3では、例えば仕切り板12と外装板13との間に、アノード集電体23、アノード21、燃料タンク27、セパレータ24、カソード22、カソード集電体25、気液分離膜26の順に配設した例を示しているが、アノード集電体23とアノード21の位置及び/又はカソード集電体25とカソード22の位置は、逆でもよい。
(アノード21)
アノード21は、燃料極であり、例えば導電性多孔質材料からなる電極の表面に酸化還元酵素が固定化されているものを使用することができる。その際使用する導電性多孔質材料には、公知の材料を使用することができるが、特に、多孔質カーボン、カーボンペレット、カーボンフェルト、カーボンペーパー、炭素繊維又は炭素微粒子の積層体などのカーボン系材料が好適である。
また、アノード21の表面に固定化される酵素としては、例えば燃料成分がグルコースである場合は、グルコースを分解するグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を使用することができる。更に、燃料成分にグルコースなどの単糖類を用いる場合には、アノード表面に、GDHのような単糖類の酸化を促進して分解する酸化酵素と共に、補酵素酸化酵素や電子メディエーターが固定化されていることが望ましい。
補酵素酸化酵素は、酸化酵素によって還元される補酵素(例えば、NAD,NADPなど)と、補酵素の還元体(例えば、NADH,NADPHなど)を酸化するものであり、例えば、ジアホラーゼなどが挙げられる。この補酵素酸化酵素の作用により、補酵素が酸化体に戻るときに電子が生成され、補酵素酸化酵素から電子メディエーターを介して電極に電子が渡される。
また、電子メディエーターとしては、キノン骨格を有する化合物を使用することが好ましく、特に、ナフトキノン骨格を有する化合物が好適である。具体的には、2−アミノ−1,4−ナフトキノン(ANQ)、2−アミノ−3−メチル−1,4−ナフトキノン(AMNQ)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(VK3)、2−アミノ−3−カルボキシ−1,4−ナフトキノン(ACNQ)などを用いることができる。
また、キノン骨格を有する化合物としては、ナフトキノン骨格を有する化合物以外に、例えば、アントラキノン−1−スルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸及びアントラキノン−2−カルボン酸などのアントラキノン骨格を有する化合物やその誘導体を用いることもできる。更に、必要に応じて、キノン骨格を有する化合物と共に、電子メディエーターとして作用する1種又は2種以上の他の化合物を固定化してもよい。
一方、燃料成分に多糖類を用いる場合には、前述した酸化酵素、補酵素酸化酵素、補酵素及び電子メディエーターに加えて、多糖類の加水分解などの分解を促進し、グルコースなどの単糖類を生成する分解酵素が固定化されていることが望ましい。なお、ここでいう「多糖類」は、広義の多糖類であり、加水分解によって2分子以上の単糖を生じる全ての炭水化物を指し、二糖、三糖及び四糖などのオリゴ糖を含む。具体的には、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、マルトース、スクロース及びラクトースなどが挙げられる。これらは2以上の単糖類が結合したものであり、いずれの多糖類においても結合単位の単糖類としてグルコースが含まれている。
また、アミロースとアミロペクチンとはデンプンに含まれる成分であり、デンプンはアミロースとアミロペクチンとの混合物である。例えば、多糖類の分解酵素としてグルコアミラーゼを使用し、単糖類を分解する酸化酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼを使用する場合には、燃料成分にはグルコアミラーゼによりグルコースにまで分解することができる多糖類を使用することができる。
このような多糖類としては、例えばデンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン及びマルトースなどが挙げられる。ここで、グルコアミラーゼは、デンプンなどのα−グルカンを加水分解しグルコースを生成する分解酵素であり、グルコースデヒドロゲナーゼは、β−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化する酸化酵素である。
なお、アノード2は、表面に酸化還元酵素が固定化されているものに限定されるものではなく、電極表面に酸化還元酵素が存在しているものであれば、例えば、酸化還元酵素を有し反応触媒として作用する微生物が付着した電極などを使用することも可能である。
(カソード22)
カソード22は、空気極であり、気液分離膜26を介して気相(空気)に接触している。このカソード22を構成する電極は、特に限定されるものではないが、例えば導電性多孔質材料からなる電極の表面に、酸化還元酵素及び電子メディエーターが固定化されているものを使用することができる。カソード22を形成する導電性多孔質材料も、公知の材料を使用することができるが、特に、多孔質カーボン、カーボンペレット、カーボンフェルト、カーボンペーパー、炭素繊維又は炭素微粒子の積層体などのカーボン系材料が好適である。
このカソード22に固定化される酸素還元酵素としては、例えば、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ及びアスコルビン酸オキシダーゼなどが挙げられる。また、これらの酵素と共に固定化される電子メディエーターとしては、例えば、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム及びオクタシアノタングステン酸カリウムなどが挙げられる。
なお、カソード22も、表面に酸化還元酵素が固定化されているものに限定されるものではなく、電極表面に酸化還元酵素が存在しているものであれば、例えば、酸化還元酵素を有し反応触媒として作用する微生物が付着した電極などを使用することも可能である。
(セパレータ24)
セパレータ24は、各電極(アノード21、カソード22)の短絡を防止するものであり、柔軟性を有し、かつ、プロトンを透過する材料(プロトン伝導体)により形成されている。具体的には、例えば、不織布、セロハン又はパーフルオロスルホン酸系イオン交換膜などを使用することができる。
(気液分離膜26)
気液分離膜26は、液体は透過せず気体のみを透過するものであり、例えばPTFE(PolyTetraFluoroEthylene:ポリテトラフルオロエチレン)膜などを使用することができる。また、その厚さや物性は、特に限定されるものではなく、燃料溶液の漏出を防止し、かつ、カソード5に反応に必要な酸素を供給できるものであればよい。
(集電体23、25)
集電体3,6の材質は、特に限定されるものではなく、外部と電気的に接続可能で、かつバイオ燃料電池内において電気化学反応を生じない材料であればよい。具体的には、Pt、Ag、Au、Ru、Rh、Os、Nb、Mo、In、Ir、Zn、Mn、Fe、Co、Ti、V、Cr、Pd、Re、Ta、W、Zr、Ge及びHfなどの金属材料、アルメル、真ちゅう、ジュラルミン、青銅、ニッケリン、白金ロジウム、パーマロイ、パーメンダー、洋銀及びリン青銅などの合金類、ポリアセチレン類などの導電性高分子、カーボンフェルト、カーボンペーパー、炭素繊維又は炭素微粒子の積層体などのカーボン系材料、HfB、NbB、CrB及びBCなどの硼化物、TiN及びZrNなどの窒化物、VSi、NbSi、MoSi及びTaSiなどの珪化物、並びにこれらの複合材料などが挙げられる。
(燃料タンク27,押圧部材28)
燃料タンク27は、燃料溶液4を貯留するものであり、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂(Acrylonitrile Styrene Copolymer)、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene Copolymer)、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートなどの各種プラスチック材料、天然ゴムや合成ゴムなどの弾性体、アルミナ、シリカ及びセラミックスなどの絶縁性金属酸化物などにより構成することができる。その構造は、特に限定されるものではないが、少なくとも燃料溶液4がアノード21に接触と共に、プロトンがカソード22に移動可能な構成とする必要がある。具体的には、燃料注入口(図示せず)を有し、アノード21及びカソード22側が開口した枠状構造とすることができる。
一方、バイオ燃料電池においてアノード21・カソード22間でプロトンを素早く移動させるためには、アノード21とカソード22との距離はできるだけ短いことが好ましい。従来の燃料電池では、撥水化剤を有機溶媒に溶解して塗布し、ホットプレスで圧着することにより、アノード、カソード及びセパレータを一体化した構造も提案されている。しかしながら、バイオ燃料電池の場合、有機溶剤や加熱により、酵素が劣化してしまうため、現時点では、このような構造は採用することができない。
そこで、本実施形態のバイオ燃料電池1においては、例えば、燃料タンク27内に1又は2以上の押圧部材28を配置することで、電池内部からアノード21及びカソード22を押圧することとした。これにより、各電極を面方向においてより均一に押圧することができるため、アノード21とカソード22との距離が全体として縮められ、プロトンの移動速度を速めることができる。また、アノード21及びカソードと、電体23,25との密着力が向上するため、集電時の抵抗を低減することもできる。その結果、発電効率が高まり、単位体積あたりの出力を高めることが可能となる。
この押圧部材28は、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートなどの各種プラスチック材料、天然ゴムや合成ゴムなどの弾性体、アルミナ、シリカ及びセラミックスなどの絶縁性金属酸化物などで形成することができる。また、押圧部材28の形状は、特に限定されるものではないが、図3に示すような円柱状の他、球状、角柱状又は反角柱状などにすることができる。ただし、燃料タンク27内に空気が溜まらないように、下向きの凹状は避けることが望ましい。
更に、押圧部材28の厚さ(高さ)が、燃料タンク27の厚さよりも厚いと、燃料タンク27とセパレータ24との密着性が低下し、液漏れが発生する可能性がある。そこで、押圧部材28の厚さ(高さ)は、液漏れ防止の観点から、燃料タンク27の厚さと同じか、燃料タンク27の厚さよりもわずかに薄くすることが望ましい。更にまた、複数の押圧部材28を配置する場合は、一定の間隔を開けて配置することが望ましい。
図4(a)及び(b)は押圧部材28の配置例を示す平面図であり、(c)は押圧部材のない従来の電池構造を示す平面図である。また、図5は横軸に時間をとり、縦軸に電流値をとって、図4(a)〜(c)のバイオ燃料電池について定電位測定を行った結果を示すグラフ図である。図4(a)〜(c)に示す構成の単セル構造のバイオ燃料電池について、燃料タンク27に燃料溶液4を充填し、定電位測定を行ったところ、図5に示すように、押圧部材28を配置したものでは高い電流値が得られた。
具体的には、図4(a)及び(b)に示す押圧部材28を9個配置したバイオ燃料電池は、図4(c)に示す押圧部材28を配置していないバイオ燃料電池に比べて、電流値が2倍に向上していた。これは、アノード21とカソード22との間の距離が縮まり、プロトンの移動に要する時間が短縮できたことと、電極と集電体との間の抵抗が低減されたためと考えられる。
また、図6は図1に示すバイオ燃料電池1の発電部11の他の構成を模式的に示す分解斜視図である。なお、図6においては、図3に示すバイオ燃料電池1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図3及び図4には、円柱状の押圧部材28を配置した例を示しているが、本開示はこれに限定されるものではなく、図6に示すように幅方向及び高さ方向に延びる複数のバーを一体化したプレスバー48を用いることもできる。
図7は横軸に時間をとり、縦軸に電流値をとって、図6に示す構成の単セル構造のバイオ燃料電池とプレスバーを配置していないバイオ燃料電池について、定電位測定を行った結果を示すグラフ図である。図7に示すように、燃料タンク27内にプレスバー48を配置することにより、プレスバーを配置していない従来のバイオ燃料電池に比べて、高い電流値が得られることが確認された。また、図6に示すプレスバー48のように、一体型の押圧部材を使用することにより、製造工程を簡素化することができる。
(仕切り板12,外装板13)
仕切り板12は、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートなどの各種プラスチック材料、天然ゴムや合成ゴムなどの弾性体、アルミナ、シリカ及びセラミックスなどの絶縁性金属酸化物により形成することができる。
一方、外装板13には、外部の空気を電池内に取り入れるための空気導入口が設けられている。この外装板13は、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートなどの各種プラスチック材料、天然ゴムや合成ゴムなどの弾性体、アルミナ、シリカ及びセラミックスなどの絶縁性金属酸化物により形成することができる。
そして、燃料タンク27の燃料注入口が設けられている部分は、仕切り板12の高さが、外装板13の高さよりも低くなっており、その他の部材も仕切り板12と同様の高さとなっている。即ち、本実施形態のバイオ燃料電池1では、1対の外装板13間に、各発電部11の燃料タンク27に連通する凹部が形成されており、これが積層された全ての発電部11に燃料溶液を供給可能な燃料供給部14となる。
[蓋体3]
蓋体3は、燃料供給部14及び各燃料タンク27の燃料注入口に嵌合する形状であり、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートなどの各種プラスチック材料、天然ゴムや合成ゴムなどの弾性体、アルミナ、シリカ及びセラミックスなどの絶縁性金属酸化物により形成することができる。
そして、各発電部11に、燃料溶液4を充填した後、燃料供給部14及び各燃料タンク27の燃料注入口に蓋体3を嵌合させることにより、各発電部11に充填された燃料溶液4を、相互に接触しない状態にすることができる。また、蓋体3に配線などを形成し、蓋体3を嵌合することにより回路が接続されて、バイオ燃料電池1が発電を開始する構成とすることで、蓋体3をスイッチの機能を付与することができる。
[燃料供給方法]
次に、前述したバイオ燃料電池1に燃料溶液4を供給する方法について説明する。図8は本実施形態のバイオ燃料電池1に燃料溶液4を供給する方法を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、本実施形態のバイオ燃料電池1では、蓋体3を開け、例えば燃料電池本体2の上面に設けられた凹状の燃料供給部14に燃料溶液4を注ぐ。
ここで、本実施形態のバイオ燃料電池1に供給される「燃料溶液4」は、糖、アルコール、アルデヒド、脂質及びタンパク質などの燃料成分又はこれら燃料成分のうち少なくとも1種を含有する溶液である。また、本実施形態のバイオ燃料電池1で使用される燃料成分としては、例えば、グルコース、フルクトース、ソルボースなどの糖類、メタノール、エタノール、プロパノール、グリセリン、ポリビニルアルコールなどのアルコール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、酢酸、蟻酸、ピルビン酸などの有機酸などが挙げられる。その他、脂肪類やタンパク質、これらの糖代謝の中間生成物である有機酸などを燃料成分として使用することも可能である。
本実施形態のバイオ燃料電池1では、燃料供給部14が積層された全ての発電部11の燃料注入口に連通しているため、燃料供給部14に燃料溶液4を注入するだけで、全ての燃料タンク27に燃料溶液4を充填することができる。そして、燃料溶液4を注入後、蓋体3を、燃料供給部14及び各燃料タンク27の燃料注入口に蓋体3を嵌合させる。
このバイオ燃料電池1では、燃料溶液4の注入量が多かった場合でも、蓋体3を嵌合させることにより、過剰分の燃料溶液4が電池外に排出されるため、各発電部11の燃料溶液4の独立性を維持することができる。一方、蓋体3の嵌合時に燃料溶液4が溢れることを防ぎたい場合は、燃料溶液4の注入量を仕切り板12の高さよりも低い位置までとすればよい。
以上詳述したように、本実施形態のバイオ燃料電池1では、各発電部11の燃料注入口に連通する燃料供給部14が設けられており、一度の操作で全ての燃料タンク27に燃料溶液4を充填することができる。また、蓋体3により、全ての燃料注入口を塞ぐことが可能であるため、燃料供給部3が共通であっても燃料溶液4の独立性を維持し、発電部11の短絡を防止することができる。
<2.第1の実施の形態の第1変形例>
[全体構成]
図9は本開示の第1の実施形態の第1変形例のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。なお、図9においては、図1に示すバイオ燃料電池1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図9に示すように、本変形例のバイオ燃料電池では、蓋体33に、各発電部3における燃料溶液4の充填量を調整するための充填量調節部33aが設けられている。
[充填量調節部33a]
充填量調節部33aの構成は、特に限定されるものではないが、例えば、貫通孔とすることができる。その場合、貫通孔からの燃料漏れを防止する観点から、孔内面に撥水処理が施されていることが望ましい。
本変形例のバイオ燃料電池では、蓋体33に充填量調節部33aが設けられているため、仕切り板12の高さよりも高い位置まで燃料溶液が注入された場合でも、蓋体33内の充填量調節部33aに燃料を貯留することで、液漏れを防止することができる。なお、本変形例における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
<3.第1の実施の形態の第2変形例>
[全体構成]
図10は本開示の第1の実施形態の第2変形例のバイオ燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。なお、図10においては、図4に示すバイオ燃料電池1の構成要素と同じものには、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図10に示すように、本変形例のバイオ燃料電池では、燃料電池本体42の外装板43に、各発電部3における燃料溶液4の充填量を調整するための充填量調節部43aが設けられている。
この充填量調節部43aの構成は、特に限定されるものではないが、例えば、外装板43の上部、燃料供給部14の仕切り板12の高さと同等の位置に、貫通孔を設けた構成とすることができる。これにより、燃料供給部14から燃料溶液4が過剰に注入された場合でも、充填量調節部43aから排出される。
本変形例のバイオ燃料電池では、外装板43に充填量調節部43aが設けられているため、燃料溶液4を仕切り板12の高さよりも低い位置までに抑えることができ蓋体3の嵌合時に燃料溶液4が溢れることを防止することができる。なお、本変形例における上記以外の構成及び効果は、前述した第1の実施形態と同様である。
なお、本開示は、以下のような構成もとることができる。
(1)
表面に酸化還元酵素が存在する電極を備え、直列に接続された2以上の発電部と、
各発電部の燃料注入口と連通する燃料供給部と、
前記燃料供給部及び各燃料注入口を閉塞する蓋体と、
を有するバイオ燃料電池。
(2)
各発電部は、仕切り板によって相互に分離されており、前記仕切り板の一部に高さの低い部分を設けることにより、凹状の燃料供給部が構成されている(1)に記載のバイオ燃料電池。
(3)
前記蓋体に、各発電部に充填される燃料の量を調節する充填量調節部が設けられている(1)又は(2)に記載のバイオ燃料電池。
(4)
前記発電部の燃料タンク内に、内部から各電極を押圧する1又は2以上の押圧部材が配置されている(1)〜(3)のいずれかに記載のバイオ燃料電池。
(5)
前記押圧部材は、幅方向及び高さ方向に延びる複数の棒状部材を一体化した構造である(4)に記載のバイオ燃料電池。
1 バイオ燃料電池
2、42 燃料電池本体
3、33 蓋体
4 燃料溶液
11 発電部
12 仕切り板
13、43 外装板
14 燃料供給部
21 アノード
22 カソード
23、25 集電体
24 セパレータ
26 気液分離膜
27 燃料タンク
28 押圧部材
33a、43a 充填量調節部
48 プレスバー

Claims (5)

  1. 表面に酸化還元酵素が存在する電極を備え、直列に接続された2以上の発電部と、
    各発電部の燃料注入口と連通する燃料供給部と、
    前記燃料供給部及び各燃料注入口を閉塞する蓋体と、
    を有するバイオ燃料電池。
  2. 各発電部は、仕切り板によって相互に分離されており、前記仕切り板の一部に高さの低い部分を設けることにより、凹状の燃料供給部が構成されている請求項1に記載のバイオ燃料電池。
  3. 前記蓋体に、各発電部に充填される燃料の量を調節する充填量調節部が設けられている請求項1に記載のバイオ燃料電池。
  4. 前記発電部の燃料タンク内に、内部から各電極を押圧する1又は2以上の押圧部材が配置されている請求項1に記載のバイオ燃料電池。
  5. 前記押圧部材は、幅方向及び高さ方向に延びる複数の棒状部材を一体化した構造である請求項4に記載のバイオ燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019069851A1 (ja) * 2017-10-03 2019-04-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極複合体並びにそれを用いた微生物燃料電池及び水処理装置

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