JP2012164505A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプの数を低減でき、小型化に貢献できる燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1は、MEA2とセパレータ3とを積層した構造をもつ。セパレータ3は、セパレータ3の厚み方向に貫通する入口側マニホルド71と、セパレータ3の厚み方向に貫通する出口側マニホルド72と、セパレータ3においてMEA2と反対側に形成され入口側マニホルド71に連通すると共にMEA2に沿った第1方向に冷媒を流す第1冷媒通路81と、セパレータ3においてMEA2と反対側に形成され出口側マニホルド72に連通すると共にMEA2に沿うと共に第2方向に冷媒を流す第2冷媒通路82と、第1冷媒通路81と第2冷媒通路82とを連通させ、第1冷媒通路81を流した冷媒を第2冷媒通路82に方向転換させる連通路83とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明はセパレータを有する燃料電池スタックに関する。
特許文献1,2には、膜電極接合体をセパレータで挟持した燃料電池スタックが開示されている。このものによれば、セパレータは、冷媒を互いに逆方向に流す第1冷媒通路および第2冷媒通路を併有する。第1冷媒通路および第2冷媒通路は互いに独立しており、互いに連通していない。このため第1冷媒通路に冷媒を流す第1ポンプと、第2冷媒通路に冷媒を流す第2ポンプとが必要とされる。
特許文献3には、MEAを挟むカソードセパレータおよびアノードセパレータを設け、MEAに沿って延設された第1冷媒通路をアノードセパレータに形成し、MEAに沿って延設された第2冷媒通路をカソードセパレータに形成した燃料電池スタックが開示されている。このものによれば、第1冷媒通路を冷媒が流れる向きと、第2冷媒通路を冷媒が流れる向きとは、MEAに沿っているものの、互いに逆方向とされている。
特開2009−117138号公報 特開平7−142078号公報 特開2007−18759号公報
上記したように特許文献1,2によれば、第1冷媒通路および第2冷媒通路は互いに独立しており、互いに連通していない。従って、第1冷媒通路を流れた冷媒が引き続いて第2冷媒通路に流入するものではない。特に、特許文献1,2によれば、第1冷媒通路および第2冷媒通路は互いに独立分離されているため、第1冷媒通路に冷媒を流す第1ポンプの他に、第2冷媒通路に冷媒を流す第2ポンプが必須とされる。すなわち特許文献1,2によれば、冷媒を流すポンプが2系統分必要であり、装置が大型化する。更に、特許文献3によれば、第1冷媒通路および第2冷媒通路においては、冷媒が流れる向きが互いに逆とされているものの、第1冷媒通路を流れた冷媒が引き続いて第2冷媒通路に流入するものではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、MEAに沿った向きに配置された第1冷媒通路を流した冷媒を、MEAに沿った向きに配置された第2冷媒通路に引き続いて流すことにより、ポンプの数を低減でき、小型化に貢献できる燃料電池スタックを提供することを課題とする。
(1)様相1に係る燃料電池スタックは、イオン伝導性をもつ電解質膜をアノードおよびカソードで挟んだ膜電極接合体(以下、MEAともいう)と、セパレータとを積層した構造をもつ燃料電池スタックにおいて、
セパレータは、(i)セパレータの厚み方向に貫通すると共に冷媒を通過させる入口側マニホルドと、(ii)セパレータの厚み方向に貫通すると共に冷媒を通過させる出口側マニホルドと、(iii)セパレータにおいて形成され入口側マニホルドに連通すると共に膜電極接合体に沿った第1方向に冷媒を流す第1冷媒通路と、(iv)セパレータにおいて形成され出口側マニホルドに連通すると共に膜電極接合体に沿うと共に第1冷媒通路を流れた冷媒を第1方向とは異なる第2方向に流す第2冷媒通路と、(v)セパレータの厚みに沿って切断した断面において第1冷媒通路と第2冷媒通路とを連通させるように互いに隣接するセパレータを厚み方向に貫通し、且つ、第1冷媒通路を流した冷媒を第2冷媒通路に方向転換させる連通路とを具備する。
様相1に係る本発明によれば、第1冷媒通路は、セパレータに形成されており、入口側マニホルドに連通すると共にMEAに沿った第1方向に冷媒を流す。第2冷媒通路は、セパレータに形成されており、第1冷媒通路を流れた冷媒を第1方向とは異なる第2方向に流す。セパレータの厚み方向に沿って切断した断面において、連通路は、第1冷媒通路と第2冷媒通路とを連通させるように互いに隣接するセパレータを厚み方向に貫通し、且つ、第1冷媒通路を流れた冷媒を第2冷媒通路に向けて方向転換させる。このためスタックを冷却させるための冷媒は、スタックの内部において、第1冷媒通路、連通路、第2冷媒通路を直列的に流れる。このように第1冷媒通路および第2冷媒通路を連通路により直列的関係としているため、ポンプの数を低減でき、小型化に貢献できる。
(2)様相2に係る燃料電池スタックによれば、上記様相において、連通路は、セパレータの厚みに沿って切断した断面において、第1冷媒通路の終端部から第2冷媒通路の始端部に向けて冷媒をUターンさせて方向転換させる。即ち、スタックを冷却させるための冷媒は、スタックの内部において、第1冷媒通路、連通路、第2冷媒通路を直列的に流れる。ここで、第1方向に流れて第1冷媒通路で加熱された冷媒を第2冷媒通路にUターンさせて第2方向に流すことができる。ここで、冷媒の流れが進行するにつれて、冷媒はスタックから受熱して昇温される。従って冷媒の温度は、第1冷媒通路の始端部、第1冷媒通路の終端部、第2冷媒通路の始端部、第3冷媒通路の終端部の順に高温となる。T1<T2<T3の関係とすると、冷媒の概略的な昇温温度としては、基本的には、第1冷媒通路の始端部ではT1、第1冷媒通路の終端部ではT2、第2冷媒通路の始端部ではT2、第3冷媒通路の終端部ではT3と仮定できる。
上記した構成が採用されている様相2に係る本発明によれば、当該断面において、第1冷媒通路の終端部と第2冷媒通路の始端部とは、基本的には互いに対向している。また、第1冷媒通路の始端部と第2冷媒通路の終端部とは、基本的には互いに対向している。このためMEAにおける面内温度分布のばらつきを低減させ易い。これにより発電の安定性の向上、耐久性の向上が図られる。
仮に、MEAにおける面内温度分布のばらつきが大きく、低温部分と高温部分との温度差が大きく、セルの低温部分と高温部分との温度差が増加するときには、低温部分では、電極やガス通路内でのフラッディング、CO耐性の低下、触媒活性の低下等が発生するおそれがある。これに対してセルの高温部分では、カソードやアノードや電解質膜の過剰乾燥等が発生するおそれがある。
(3)様相3に係る燃料電池スタックによれば、上記様相において、セパレータの厚みに沿って切断した断面において、第1冷媒通路と第2冷媒通路とは膜電極接合体を挟んで互いに対向しており、第1冷媒通路における基本流れ方向と第2冷媒通路における基本流れ方向とは互いに逆方向である。即ち、第1冷媒通路で加熱された冷媒を第2冷媒通路に向けてUターンさせる。この場合、第1冷媒通路における基本流れ方向と第2冷媒通路における基本流れ方向とは、互いに逆方向である。このためMEAにおける面内温度分布のばらつきを低減させ易い。これにより前述したように発電の安定性の向上、耐久性の向上が図られる。
(4)様相4に係る燃料電池スタックによれば、上記様相において、セパレータの厚みに沿って切断した断面において、セパレータは、連通路をもつ仕切板と、仕切板を厚み方向に挟持する第1セパレータおよび第2セパレータとを有しており、第1冷媒通路と第2冷媒通路とは、連通孔を有する仕切板を挟んで互いに対向しており、第1冷媒通路における基本流れ方向と第2冷媒通路における基本流れ方向とは互いに逆方向である。即ち、第1冷媒通路で加熱された冷媒を仕切板の連通路から第2冷媒通路に向けてUターンさせる。この場合、第1冷媒通路における基本流れ方向と第2冷媒通路における基本流れ方向とは、互いに逆方向である。このためMEAにおける面内温度分布のばらつきを低減させ易い。これにより前述したように発電の安定性の向上、耐久性の向上が図られる。
本発明によれば、MEAに沿うと共に互いに異なる方向に冷媒を流す第1冷媒通路および第2冷媒通路が併有されているものの、第1冷媒通路および第2冷媒通路を連通路により直列的関係としている。このため、MEAに沿って第1冷媒通路を流した冷媒を連通路により方向変換させ、MEAに沿った第2冷媒通路に流すことができる。このように第1冷媒通路および第2冷媒通路を連通路により直列的関係としているため、ポンプの数を低減でき、小型化に貢献できる燃料電池スタックを提供することができる。
実施形態1に係り、セパレータの正面形態を示すと共にスタックの断面を示す構成図である。 実施形態1に係り、スタックの要部を拡大して示す断面図である。 実施形態2に係り、スタックの要部を示す断面図である。 実施形態3に係り、スタックの要部を示す断面図である。 実施形態3に係り、セパレータおよびMEAを示す正面図である。
膜電極接合体は、プロトン伝導性等のイオン伝導性をもつ電解質膜と、電解質膜を厚み方向に挟むアノードおよびカソードとを有する。電解質膜は、炭化フッ素系でも、炭化水素系でも、炭化フッ素と炭化水素系とを混合したものでも良い。官能基としてはスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基が挙げられる。セパレータは、セパレータの厚み方向に貫通すると共に冷媒を通過させる入口側マニホルドと、セパレータの厚み方向に貫通すると共に冷媒を通過させる出口側マニホルドと、セパレータにおいて形成され入口側マニホルドに連通すると共に膜電極接合体に沿った第1方向に冷媒を流す第1冷媒通路と、セパレータにおいて形成され出口側マニホルドに連通すると共に膜電極接合体に沿うと共に第1冷媒通路を流れた冷媒を第1方向とは異なる第2方向に流す第2冷媒通路と、セパレータの厚みに沿って切断した断面において第1冷媒通路と第2冷媒通路とを連通させるように互いに隣接するセパレータを厚み方向に貫通し、且つ、第1冷媒通路を流した冷媒を第2冷媒通路に方向転換させる連通路を有する。第1方向および第2方向は、冷媒が流れる基本方向を意味する。冷媒が蛇行するものの、冷媒が基本的には上向きに流れるときには、第1方向は上向きとなる。冷媒が蛇行するものの、冷媒が基本的には下向きに流れるときには、第1方向は下向きとなる。第2方向も同様である。
第1連通路は、セパレータの厚みに沿って切断した断面において、第1冷媒通路と第2冷媒通路とを連通させるように互いに隣接するセパレータを厚み方向に貫通し、且つ、第1冷媒通路を流した冷媒を第2冷媒通路に方向転換させる。冷媒はスタックを冷却させる媒体であり、水、オイル、ミスト、ガスが例示される。スタックの作動温度が100℃未満であれば、水を採用できる。スタックの作動温度が100℃以上であればオイルを採用できる。なお、セパレータは、実質的に冷媒をセパレータの厚み方向に透過させない緻密体で形成されていることが好ましい。
(実施形態1)
図1および図2は実施形態1の概念を示す。複雑化を避けるため、断面を示すハッチングは一部省略している。図1に示すように、燃料電池スタック(以下、スタックともいう)1は、複数のMEA2と、複数のセパレータ3とを積層した構造をもつ。セパレータ3の厚み方向(矢印t方向)は、スタック1の積層方向(矢印A方向)に相当する。MEA2は、プロトン(イオン)伝導性をもつ炭化フッ素系または炭化水素系の高分子材料で形成された固体電解質膜20と、電解質膜20を厚み方向に挟むカソード(酸化剤極)21およびアノード(燃料極)22と有する。炭化フッ素系としては、パーフルオロスルホン酸樹脂ポリマーが例示される。燃料ガスであるアノードガス(一般的には水素ガス)が改質器またはガスタンクから、MEA2のアノード22に供給される。酸化剤ガスであるカソードガス(一般的には酸素含有ガスである空気)がMEA2のカソード21に供給される。
MEA2において、カソード21は、図示しないものの、カソードガス(酸素ガスまたは酸素含有ガス)を拡散させつつ透過させるガス拡散層と、ガス拡散層または電解質膜20に積層された、ガス拡散層と電解質膜20との間に位置する触媒層とを有する。触媒層は、貴金属系の触媒と、プロトン(イオン)伝導性をもつ電解質成分と、カーボンブラック等の微小導電物質とを主要成分とすることが好ましい。アノード22は、アノードガス(水素ガスまたは水素含有ガス)を拡散させつつ透過させるガス拡散層と、ガス拡散層または電解質膜20に積層された、ガス拡散層と電解質膜20との間に位置する触媒層とを有する。触媒層は、貴金属系の触媒と、プロトン(イオン)伝導性をもつ電解質成分と、カーボンブラック等の微小導電物質とを主要成分とすることが好ましい。
図1および図2に示すように、セパレータ3は、カソード21に対面するカソードセパレータとして機能する第1セパレータ31と、アノード22に対面するアノードセパレータとして機能する第2セパレータ32とで形成されている。第1セパレータ31は、MEA2のカソード21に対面してカソード21にカソードガスを供給させるカソードガス通路41をもつ。第2セパレータ32は、MEA2のアノード22に対面してアノード22にアノードガスを供給させるアノードガス通路42をもつ。なお、図1に示すように、第1セパレータ31は上辺31u,下辺31dを有する。第2セパレータ32は上辺32u,下辺32dを有する。
図1の(A)は、第1セパレータ31および第2セパレータ32の冷媒通路側から見た正面形態を示す。図1の(B)は、第1セパレータ31および第2セパレータ32をMEA2と共に組み付けた断面形態を示す。第1セパレータ31および第2セパレータ32は、カソードガス通路41に連通するようにセパレータ3の厚み方向に貫通する第1カソードマニホルド61と第2カソードマニホルド62と、アノードガス通路42に連通するようにセパレータ3の厚み方向に貫通する第1アノードマニホルド51と第2アノードマニホルド52とをもつ。
ここで、第1カソードマニホルド61および第2カソードマニホルド62は、セパレータ31,32の厚み方向(矢印t方向)に沿って貫通するように形成されており、カソードガスをカソードガス通路41に供給させるようにカソードガス通路41に連通するものの、図略のシール部によりアノードガス通路42には非連通とされている。第1アノードマニホルド51および第2アノードマニホルド52は、セパレータ31,32の厚み方向(矢印t方向,積層方向)に沿って貫通するように形成されており、アノードガス通路42にアノードガスを供給させるためアノードガス通路に連通するものの、図略のシール部によりカソードガス通路41には非連通とされている。これによりアノードガスとカソードガスとの混合が抑制される。なお、第1セパレータ31および第2セパレータ32は、黒鉛粉末等の炭素材料をバインダなどで固結させた緻密体、または、金属を母材とする緻密体で構成されている。金属を母材とする場合は、耐食性の良い金属を使用するか、金属に耐食性の被膜を形成することが好ましい。
本実施形態によれば、アノードガスが流れる第1アノードマニホルド51と第2アノードマニホルド52のうちの一方がアノードガスの入口となり、他方が出口となる。ここで、第1アノードマニホルド51がアノードガスの入口であり、第2アノードマニホルド52が出口であるときには、アノードガスはアノードガス通路42を下向きに流れる。第1アノードマニホルド51が出口であり、第2アノードマニホルド52が入口であるときには、アノードガスはアノードガス通路42を上向きに流れる。また、カソードガスが流れる第1カソードマニホルド61と第2カソードマニホルド62のうちの一方がカソード21ガスの入口となり、他方が出口となる。ここで、第1カソードマニホルド61がカソードガスの入口であり、第2カソードマニホルド62が出口であるときには、カソードガスはカソードガス通路41を下向きに流れる。第1カソードマニホルド61が出口であり、第2カソードマニホルド62が入口であるときには、カソードガスはカソードガス通路41を上向きに流れる。
図1の(A)に示すように、第1セパレータ31の隅部には、傾斜面で形成された目印部3mが形成されている。第2セパレータ32の隅部にも、傾斜状の目印部3mが形成されている。なお、目印部3mは傾斜面に限らず、凹または凸で形成しても良い。スタック1の組付時には、第1セパレータ31の目印部3mと第2セパレータ32の目印部3mとを互いに整合させて同位置となるように、かつ第1セパレータ31と第2セパレータ32の冷媒通路面同士を合わせるように、第1セパレータ31および第2セパレータ32がMEA2と共に組み付けられる。
図1の(A)(B)に示すように、第1セパレータ31および第2セパレータ32は、冷媒用の入口側マニホルド71と、冷媒用の出口側マニホルド72と、第1冷媒通路81と、第2冷媒通路82と、連通路83とを有する。図1に示すように、冷媒用の入口側マニホルド71および出口側マニホルド72(図1の(A)では明確化のため複数の斜線で示す)は、第1セパレータ31および第2セパレータ32の上辺31u,32u側において形成されている。冷媒用の入口側マニホルド71は、セパレータ3の厚み方向(矢印t方向)に貫通すると共に冷媒をスタック積層方向(矢印A方向)に通過させる。冷媒用の出口側マニホルド72は、セパレータ3の厚み方向(矢印t方向)に貫通すると共に冷媒をスタック積層方向(矢印A方向)に通過させる。第1冷媒通路81は、第1セパレータ31および第2セパレータ32の表面においてMEA2と背向するようにMEA2と反対側に形成されており、MEA2の表面に沿って形成されている。
第1冷媒通路81の始端部81sは入口側マニホルド71に連通する。第1冷媒通路81は、冷媒を蛇行させつつ下降案内させる凸部(図示せず)をもつ。よって、第1冷媒通路81は、冷媒をMEA2の表面に沿って蛇行させつつ、セパレータ31,32の表面において、基本的には下方向(第1方向,矢印D方向)に流す。第2冷媒通路82は、MEA2の表面が延設されている方向に沿って形成されており、第1セパレータ31および第2セパレータ32の表面においてMEA2と反対側に形成されている。このように冷媒通路81,82は、第1セパレータ31および第2セパレータ32においてMEA2と背向するようにMEA2と反対側に形成されているため、下向きの冷媒通路81,上向きの冷媒通路82はMEA2を挟んでいる(図1の(B),図2参照)。
第2冷媒通路82の終端部82fは出口側マニホルド72に連通するため、第2冷媒通路82の終端部82fを流れた冷媒は、出口側マニホルド72に流入する。ここで、第2冷媒通路82は、冷媒を蛇行させつつ上昇案内させる凸部(図示せず)をもつ。よって、第2冷媒通路82は、冷媒をMEA2の表面が延設されている方向に沿って蛇行させつつ、基本的には第1方向(下方向)とは異なる第2方向(上方向)に向けて流す。このように第1冷媒通路81では、冷媒は蛇行しつつ下向き(矢印D方向)に流れる。従って第1冷媒通路81における冷媒の基本流れ方向は、下向きである。このように第2冷媒通路82では、冷媒は蛇行しつつ上向き(矢印U方向)に流れる。従って第2冷媒通路82における冷媒の基本流れ方向は、上向きである。このように第1冷媒通路81における冷媒の基本流れ方向(下向き)と、第2冷媒通路82における冷媒の基本流れ方向(上向き)とは、互いに逆方向である。なお、冷媒は液相状の冷媒が好ましく、一般的には冷却水が使用される。
図1の(B)及び図2は、セパレータ3の厚み方向(矢印t方向)つまりスタック積層方向(矢印A方向)に沿って切断した断面を示す。この断面において、連通路83は、第1冷媒通路81から第2冷媒通路82に向けて冷媒をUターンさせて方向転換させる。ここで、図1の(B)に示すように、連通路83は、第1冷媒通路81の終端部81f(f:finish)と第2冷媒通路82の始端部82s(s:start)とを連通させている。この結果、連通路83は、第1冷媒通路81の終端部81fを流れて加熱された冷媒をUターンさせて、第2冷媒通路82の始端部82sに向けて流入させる機能をもつ。具体的には、冷媒は、まず、入口側マニホルド71をスタック1の積層方向(矢印A方向)に流れ、第1冷媒通路81の始端部81sから第1冷媒通路81の始端部81sに流入する。第1冷媒通路81に流入した冷媒は、第1冷媒通路81を蛇行しつつ第1冷媒通路81の終端部81fに向けて基本的には下向き(矢印D方向)に流れる。第1冷媒通路81の終端部81fに流れた冷媒は、連通路83を貫通し、積層方向(矢印A方向)に流れ、第2冷媒通路82の始端部82sに流れる。第2冷媒通路82はMEA2を介して第1冷媒通路81と反対側に位置している。更に、第2冷媒通路82に流入した冷媒は、第2冷媒通路82を蛇行しつつ基本的には上向き(矢印U方向)に流れ、終端部82fを介して、出口側マニホルド72に吐出される。その後、冷媒は出口側マニホルド72に沿って流れ、排出路に排出される。
以上説明したように本実施形態によれば、図1から理解できるように、第1冷媒通路81は、MEA2に沿って下方向(第1方向)に冷媒を流す。第2冷媒通路82は、MEA2に沿うと共に上方向(第2方向)に冷媒を流す。連通路83は、第1冷媒通路81と第2冷媒通路82とを直列に連通させるように、互いに隣接するセパレータ3を厚み方向に貫通しており、且つ、第1冷媒通路81を流れた冷媒を第2冷媒通路82にUターンさせて方向転換させる。
上記した本実施形態によれば、第1冷媒通路81および第2冷媒通路82は互いに直列的関係で連通しており、直列に連続する1系統の冷媒通路とされている。具体的には、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sは、連通路83を介して、互いに直列的関係で連通しており、直列に連続する1系統の冷媒通路とされている。このため、特許文献1,2とは異なり、第1冷媒通路81に冷媒を流す第1ポンプと、第2冷媒通路82に冷媒を流す第2ポンプとが別途必要とされる不具合はない。すなわち、冷媒を流すためのポンプ等の搬送源は共通化され、1系統分で足りる。このため装置の小型化に貢献できる。
また本実施形態によれば、前述したように、冷媒は、入口側マニホルド71→第1冷媒通路81の始端部81s→第1冷媒通路81の終端部81f→連通路83→第2冷媒通路82の始端部82s→第2冷媒通路82の終端部82f→出口側マニホルド72の順に直列的に流れる。ここで、入口側マニホルド71や第1冷媒通路81の始端部81s付近の冷媒の温度を、温度T1として示す。更に冷媒の流れが進行した第1冷媒通路81の終端部81fや第2冷媒通路82の始端部82s付近の温度を、温度T2(T2>T1)として示す。ここで、第1冷媒通路81の終端部81fと、第2冷媒通路82の始端部82sとは互いに対向している。更に、冷媒の流れが進行した第2冷媒通路82の終端部82fや出口側マニホルド72付近の冷媒の温度を、温度T3として示す。このようにスタック1の内部において冷媒の流れが進行するにつれて、冷媒がスタック1から受熱する熱量が次第に増加するため、温度関係はT1<T2<T3として示される。本実施形態によれば、冷媒が液相状の冷却水であり、T1は70℃、T2は75℃、T3は80℃であると考えられる。なお、変動があったとしても、温度としてはプラスマイナス1〜10℃内の変動があり、T1<T2<T3の関係が維持される。
上記したように本実施形態によれば、第1冷媒通路81で加熱された冷媒を、連通路83でUターン状に方向転換させて、第2冷媒通路82の始端部82sに供給させる。ここで、図1から理解できるように、第1冷媒通路81の始端部81s(第1冷媒通路81の始端部81s付近の温度は温度T1に近似)は、基本的には、第2冷媒通路82の終端部82f(第2冷媒通路82の終端部82f付近の温度は温度T3に近似)に対向している。また、第1冷媒通路81の終端部81f(第1冷媒通路81の終端部81f付近の温度は温度T2に近似)は、基本的には、第2冷媒通路82の始端部82s付近(第2冷媒通路82の始端部82s付近の温度は温度T2に近似)に対向している。ここで、前述したように、T1<T2<T3の関係が成立するため、MEA2における面内温度分布のばらつきを低減させるのに有利となる。
即ち、本実施形態によれば、スタック1の重力方向の上部(始端部81s,終端部82f)では、基本的には、温度T1の領域と温度T3の領域とが存在するため、温度T1と温度T3との中間を示す温度T2付近の温度領域となり易い。これに対して、スタック1の重力方向の下部(終端部81f,始端部82s)では、基本的には、温度T2の領域と温度T2の領域とが存在するため、温度T2付近の温度領域となり易い。このため、スタック1のMEA2における面内温度分布のばらつきを低減させるのに有利となる。よって、MEA2における面内温度分布の均一化に貢献できる。これによりセルの発電の安定性の向上、耐久性の向上が図られる。なお、仮に、MEA2における面内温度分布のばらつきが大きく、MEA2において低温部分と高温部分との温度差が大きく、セルの低温部分と高温部分との温度差が増加する場合には、次の不具合が発生する。すなわち、セルの低温部分では電極やガス通路内でのフラッディング、CO耐性の低下、触媒活性の低下等が発生するおそれがある。セルの高温部分ではカソード21,アノード22や電解質膜20の過剰乾燥等が発生するおそれがある。
図1の(B)に示すように、連通路83は、複数の第1セパレータ31および第2セパレータ32のうち、MEA2を挟んで互いに対向する第1セパレータ31および第2セパレータ32を厚み方向に貫通させる。但し、連通路83が形成されていない第1セパレータ31xには、厚み方向に貫通しないように凹状の窪み85が形成されている。同様に、連通路83が形成されていない第2セパレータ32xには、厚み方向に貫通しないように凹状の窪み85が形成されている。窪み85は連通路83に対面する。このように窪み85はセパレータ3の厚み方向に貫通していないが、連通路83はセパレータ3の厚み方向に貫通して冷媒通路81,82を直列に連通させている。このため、第1冷媒通路81の終端部81fに流れた冷媒は、連通路83を貫通してUターンし、第2冷媒通路82の始端部82sに良好に流れることができる。
前記した特許文献1のように、第1セパレータと第2セパレータとで挟持される仕切板が設けられている構造が採用されているときには、仕切板の厚みが増加するため、積層方向(矢印A方向)におけるスタック1の積層長が増加し、スタック1の積層長が大型化する不具合がある。この点について本実施形態によれば、第1セパレータ31と第2セパレータ32とで仕切板を挟持する構造を採用していないため、仕切板を廃止でき、スタック1の積層長を短縮でき、スタック1の積層長の小型化に貢献できる。本実施形態によれば、前述したように仕切板を廃止するため、仕切板35とセパレータ3との間をシールするシール部も不要にできるため、仕切板の厚み、シール部の厚みを短縮でき、スタック1の小型化に貢献できる。更に仕切板35は流体抵抗となり易いため、仕切板35を廃止できることは、カソードガスおよびアノードガス等の流体の抵抗の低減に貢献できる。
上記したように本実施形態によれば、セパレータ3の厚みに沿って切断した断面(図1の(B))において、第1冷媒通路81と第2冷媒通路82とはMEA2を挟んで互いに対向しており、第1冷媒通路81における基本流れ方向と第2冷媒通路82における基本流れ方向とは、互いに逆方向である。このため、第1冷媒通路81で加熱された冷媒を連通路83でUターン状に方向転換させて第2冷媒通路82に供給させる構造を採用している。従って、第1冷媒通路81で加熱された冷媒を連通路83でUターン状に方向転換させて第2冷媒通路82に直列的に供給させる構造を容易に採用できる。
(実施形態2)
図3は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図3はセパレータ3の厚み方向(矢印t方向)に沿って切断した断面を示す。図3に示すように、MEA2、セパレータ3、MEA2、セパレータ3、MEA2の順に積層されている。MEA2は、プロトン(イオン)伝導性をもつ電解質膜20と、電解質膜20を厚み方向に挟むカソード21およびアノード22と有する。
図3に示すように、セパレータ3は第1セパレータ31と第2セパレータ32とを積層状態に接合させて形成されている。第1セパレータ31はMEA2のカソード21に対面しており、カソード21に接触する複数の凸壁31pと、隣接する凸壁31p間に形成されMEA2のカソード21に供給させるカソードガスを流すカソードガス通路41を形成する複数の凹壁31vと有する。図3に示すように、第2セパレータ32はMEA2のアノード22に対面しており、MEA2のアノード22に接触する複数の凸壁32pと、隣接する凸壁32p間に形成されアノード22に供給させるアノードガスを流すアノードガス通路42を形成する複数の凹壁32vと有する。凹壁31v,32v同士は互いに積層されている。なお、凹壁31v,32v同士は接合等で一体化されていることが好ましい。図3に示すように、互い対向する第1セパレータ31の凸壁31pと第2セパレータ32の凸壁32pとによって、断面ハニカム状の第1冷媒通路81(WaterのWとして示す)がセパレータ3の内部に形成されている。第1セパレータ31の凸壁31pと第2セパレータ32の凸壁32pとによって、断面ハニカム状の第2冷媒通路82(Wバーとして示す)がセパレータ3の内部に形成されている。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、図3に示すように、第1冷媒通路81において冷媒は、第1方向(下向きおよび上向きのうちの一方)に流れる。第2冷媒通路82において冷媒は、第2方向(下向きおよび上向きのうちの他方)に流れる。このように第1冷媒通路81および第2冷媒通路82は、互いに冷媒の流れ方向を逆とさせつつ、MEA2を挟んでいる。第1冷媒通路81および第2冷媒通路82互いに連通させる連通路83(図3参照)がセパレータ31,32の下部に形成されている。
上記した本実施形態によれば、実施形態1と同様に、第1冷媒通路81および第2冷媒通路82は、連通路83により、互いに直列的な関係で連通している。具体的には、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sは、連通路83により互いに直列的な関係で連通している。このため本実施形態によれば、特許文献1,2とは異なり、第1冷媒通路81に冷媒を流す第1ポンプと、第2冷媒通路82に冷媒を流す第2ポンプとが別途必要とされる不具合はなく、ポンプが共通化される。すなわち、冷媒を流すためのポンプ等の搬送源は1系統分で足りるため、装置の小型化に貢献できる。
(実施形態3)
図4および図5は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。図4はセパレータ3の厚みに沿って切断した断面を示す。図5は第1セパレータ31、仕切板35、第2セパレータ32、MEA2の正面図を示す。
図4に示すように、MEA2、セパレータ3、MEA2、セパレータ3、MEA2の順に積層されて、スタック1が構成されている。MEA2は、プロトン伝導性をもつ電解質膜20と、電解質膜20を厚み方向に挟むカソード21およびアノード22と有する。図4に示すように、セパレータ3は、MEA2のカソード21に対面する第1セパレータ31と、MEA2のアノード22に対面する第2セパレータ32と、第1セパレータ31と第2セパレータ32とに挟持されて接合された仕切板35とを有する。図4に示すように、第1セパレータ31は、MEA2のカソード21に接触する複数の凸壁31pと、隣接する凸壁31p間に形成されMEA2のカソード21に供給させるカソードガスを流すカソードガス通路41を形成する複数の凹壁31vと有する。
第2セパレータ32は、MEA2のアノード22に接触する複数の凸壁32pと、隣接する凸壁32p間に形成されアノード22に供給させるアノードガスを流すアノードガス通路42を形成する複数の凹壁32vと有する。図4に示すように、凹壁31v,32v同士は仕切板35を介して互いに積層されている。凹壁31v,32v同士は仕切板35を介して接合されていることが好ましい。
図4に示すように、第1セパレータ31の凸壁31pと仕切板35とによって、第1冷媒通路81(Wとして示す)がセパレータ3の内部においてカソード21側に形成されている。第2セパレータ32の凸壁32pと仕切板35とによって、第2冷媒通路82(Wバーとして示す)がセパレータ3の内部においてアノード22側に形成されている。第1冷媒通路81において、冷媒は第1方向(下向きおよび上向きのうちの一方)に流れる。第2冷媒通路82において、冷媒は、第1方向とは異なる第2方向(下向きおよび上向きのうちの他方)に流れる。このように第1冷媒通路81および第2冷媒通路82は、互いに冷媒の流れ方向を逆とさせつつ、仕切板35を挟んでいる(図4参照)。
図5に示すように、第1セパレータ31、仕切板35、第2セパレータ32には目印部3mが形成されている。目印部3mを互いに整合させて同位置となるように、かつ第1セパレータ31と第2セパレータ32の冷媒通路面同士が対面するように、第1セパレータ31、仕切板35、第2セパレータ32がMEA2と共に組み付けられる。図5に示すように、セパレータ3の構成要素のひとつである仕切板35の下辺35d側には、連通路83が仕切板35をこれの厚み方向に貫通するように形成されている。連通路83は、第1冷媒通路81および第2冷媒通路82を連通させる。具体的には、連通路83は、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sを直列的に連通させている。ここで、冷媒は、第1冷媒通路81を図4の紙面垂直方向(第1方向)に沿って蛇行しつつ下向き(矢印D方向)に流れて終端部81fに至る。その後、冷媒は、第1冷媒通路81の終端部81fから連通路83を通過して第2冷媒通路82の始端部82sに流入し、その後、第2冷媒通路82を図4の紙面垂直方向(第2方向)に沿って蛇行しつつ上向き(矢印U方向)流れる。実施形態1と同様に、第2方向は第1方向とは異なる方向であり、一般的には逆方向である。
上記した本実施形態によれば、実施形態1と同様に、第1冷媒通路81および第2冷媒通路82は連通路83により互いに連通している。具体的には、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sは、連通路83により直列的に互いに連通している。このため、特許文献1,2とは異なり、第1冷媒通路81に冷媒を流す第1ポンプと、第2冷媒通路82に冷媒を流す第2ポンプとが別途必要とされる不具合はない。すなわち、冷媒を流すためのポンプ等の搬送源は1系統分で足りるため、装置の小型化に貢献できる。
ここで、本実施形態においても、実施形態1と同様に、温度については、T1<T2<T3の関係であるため、MEA2における面内温度分布のばらつきを低減させるのに有利となる。即ち、スタック1の重力方向の上部では、温度T1の領域と温度T3の領域とが存在するため、基本的には、温度T1と温度T3との中間を示す温度T2付近の温度領域となり易い。スタック1の重力方向の下部では、温度T2の領域と温度T2の領域とが存在するため、温度T2付近の温度領域となり易い。このため、スタック1のMEA2における面内温度分布のばらつきを低減させるのに有利となる。よって、MEA2における面内温度分布の均一化に貢献できる。これによりセルの発電の安定性の向上、耐久性の向上が図られる。
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を有するため、図1〜図5を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。MEA2において、プロトン伝導性をもつ電解質膜20は、イミダゾール環を有する高分子化合物に、フェニル基を有する官能基で無機酸の水素原子を置換した酸をドープしてなる中温型の固体高分子電解質材料で形成されている。この場合、イミダゾール環を有する高分子化合物がポリベンズイミダゾールであり、かつ無機酸がリン酸である。このようなスタック1の作動温度は100〜200℃程度、130〜180℃程度の中温である。従って、冷媒としては、沸点が高い流体(オイル等)を例示できる。または、配管系の内圧を高めると共に配管系のシール性を高めれば、冷媒として水を用いても良い。水としては、液相および気相が共存する形態、気相で形成されている形態が例示される。本実施形態においても、図1に示すように、冷媒は、入口側マニホルド71→第1冷媒通路81の始端部82s→第1冷媒通路81の終端部81f→連通路83→第2冷媒通路82の始端部82s→第2冷媒通路82の終端部82f→出口側マニホルド72の順に直列的に流れる。上記した本実施形態によれば、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sは連通路83を介して互いに直列的に連通している。具体的には、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sは、互いに直列的に連通している。このため、特許文献1,2とは異なり、第1冷媒通路81に冷媒を流す第1ポンプと、第2冷媒通路82に冷媒を流す第2ポンプとが別途必要とされる不具合はない。すなわち、冷媒を流すためのポンプ等の搬送源は1系統分で足りるため、装置の小型化に貢献できる。
本実施形態によれば、第1冷媒通路81の終端部81fおよび第2冷媒通路82の始端部82sは連通路83を介して互いに直列的に連通しているため、冷媒の流れが進行するにつれて、冷媒が受熱する熱量が次第に増加する。ここで、入口側マニホルド71の冷媒の温度は基本的には温度T1であり、第1冷媒通路81の終端部81fや第2冷媒通路82の始端部82sの温度は、冷媒の受熱が進行するため、温度T2(T2>T1)である。更に、出口側マニホルド72の冷媒の温度は、冷媒の受熱が進行するため、基本的には温度T3(T1<T2<T3)である。冷媒はオイル系(例えば、シリコーンオイル)とされており、T1は約150℃、T2は約160℃、T3は約170℃であると考えられる。ここで、前述したように、T1<T2<T3の関係であるため、MEA2における面内温度分布のばらつきを低減させるのに有利となる。これによりセルの発電の安定性の向上、耐久性の向上が図られる。
(その他)実施形態1では、第1冷媒通路81における冷媒の基本流れ方向は下向きであり、第2冷媒通路82における冷媒の基本流れ方向は上向きとされているが、逆としても良い。カソードガスは上向きに流れても良いし、下向きに流れても良い。アノードガスは上向きに流れても良いし、下向きに流れても良い。実施形態1〜3においても、MEA2における電解質膜20は、イミダゾール環を有する高分子化合物に、フェニル基を有する官能基で無機酸の水素原子を置換した酸をドープしてなる中温型の固体高分子電解質材料で形成されていても良い。冷媒はスタック1の作動温度に応じて変更できる。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
1はスタック、2はMEA、20は電解質膜、21はカソード、22はアノード、3はセパレータ、31は第1セパレータ、32は第2セパレータ、35は仕切板、41はカソードガス通路、42はアノードガス通路、51は第1アノードマニホルド、52は第2アノードマニホルド、61は第1カソードマニホルド、62は第2カソードマニホルド、71は入口側マニホルド、72は出口側マニホルド、81は第1冷媒通路、82は第2冷媒通路、83は連通路を示す。

Claims (4)

  1. イオン伝導性をもつ電解質膜をアノードおよびカソードで挟んだ膜電極接合体と、セパレータとを積層した構造をもつ燃料電池スタックにおいて、
    前記セパレータは、
    前記セパレータの厚み方向に貫通すると共に冷媒を通過させる入口側マニホルドと、前記セパレータの厚み方向に貫通すると共に冷媒を通過させる出口側マニホルドと、前記セパレータにおいて形成され前記入口側マニホルドに連通すると共に前記膜電極接合体に沿った第1方向に冷媒を流す第1冷媒通路と、前記セパレータにおいて形成され前記出口側マニホルドに連通すると共に前記膜電極接合体に沿うと共に第1冷媒通路を流れた冷媒を前記第1方向とは異なる第2方向に流す第2冷媒通路と、前記セパレータの厚みに沿って切断した断面において前記第1冷媒通路と前記第2冷媒通路とを連通させるように互いに隣接する前記セパレータを厚み方向に貫通し、且つ、前記第1冷媒通路を流れた冷媒を前記第2冷媒通路に方向転換させる連通路とを具備する燃料電池スタック。
  2. 請求項1において、前記連通路は、前記セパレータの厚みに沿って切断した断面において、前記第1冷媒通路の終端部から前記第2冷媒通路の始端部に向けて冷媒をUターンさせて方向転換させる燃料電池スタック。
  3. 請求項1または2において、前記セパレータの厚みに沿って切断した断面において、前記第1冷媒通路と前記第2冷媒通路とは前記膜電極接合体を挟んで互いに対向しており、前記第1冷媒通路における基本流れ方向と前記第2冷媒通路における基本流れ方向とは互いに逆方向である燃料電池スタック。
  4. 請求項1または2において、前記セパレータの厚みに沿って切断した断面において、前記セパレータは、前記連通路をもつ仕切板と、前記仕切板を厚み方向に挟持する第1セパレータおよび第2セパレータとを有しており、
    前記第1冷媒通路と前記第2冷媒通路とは、前記連通孔を有する仕切板を挟んで互いに対向しており、前記第1冷媒通路における基本流れ方向と前記第2冷媒通路における基本流れ方向とは互いに逆方向である燃料電池スタック。
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