JP2011096498A - 燃料電池積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、燃料電池内を流れる流体の配流効率の高い燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、セパレータを備える燃料電池積層体であって、前記セパレータには、一辺に沿って、中央部に配置され、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス入口と、前記酸化剤ガス入口の両側に配置され、前記冷却水流路に冷却水を導入する第1,2冷却水入口と、前記第1,第2冷却水入口の両外側に配置され、前記燃料ガス流路内の燃料ガスを排出する第1,第2燃料ガス出口と、前記一辺に対向する辺に沿って、中央部に配置され、前記冷却水流路内の冷却水を排出する冷却水出口と、前記冷却水出口の両側に配置され、前記燃料ガス流路に燃料ガスを導入する第1,第2燃料ガス入口と、前記第1,第2燃料ガス入口の両外側に配置され、前記酸化剤ガス流路内の酸化剤ガスを排出する第1,第2酸化剤ガス出口と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、セパレータを備える燃料電池積層体であって、前記セパレータには、一辺に沿って、中央部に配置され、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス入口と、前記酸化剤ガス入口の両側に配置され、前記冷却水流路に冷却水を導入する第1,2冷却水入口と、前記第1,第2冷却水入口の両外側に配置され、前記燃料ガス流路内の燃料ガスを排出する第1,第2燃料ガス出口と、前記一辺に対向する辺に沿って、中央部に配置され、前記冷却水流路内の冷却水を排出する冷却水出口と、前記冷却水出口の両側に配置され、前記燃料ガス流路に燃料ガスを導入する第1,第2燃料ガス入口と、前記第1,第2燃料ガス入口の両外側に配置され、前記酸化剤ガス流路内の酸化剤ガスを排出する第1,第2酸化剤ガス出口と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池積層体に関するものである。
従来より、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(空気)との電気化学反応を利用して発電を行う単セル(燃料電池セル)を積層した燃料電池スタック(燃料電池積層体)が知られている。
燃料電池スタック内の各単セルに、燃料ガス、酸化剤ガス、燃料電池を冷却するための冷却水を供給する手段として、従来より燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水をともに燃料電池スタックの側面から直接各単セルへ供給する外部マニホールド方式や、単セルや単セル間に設けられるセパレータの周辺部に積層方向に貫通する燃料ガスマニホールド、酸化剤ガスマニホールド、冷却水マニホールドを設けて、燃料ガスマニホールドに燃料ガスを、酸化剤ガスマニホールドに酸化剤ガスを、冷却水マニホールドに冷却水をそれぞれ供給して各単セルに燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水を供給する内部マニホールド方式がある。
燃料電池において、マニホールドに流入した流体(燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水)が各単セルに均等に分配されず、また、各単セル内で流体が均一に配流していない場合(配流効率が低い場合)等、燃料電池の発電性能が低下してしまう。
例えば、特許文献1では、外部マニホールド式の燃料電池において、外部マニホールドの内部に仕切り板を設け、仕切り板に4つの穴をあけることにより、複数の単セルに流体を均等に分配することを可能にした燃料電池が提案されている。
本発明は、上記点に鑑み、燃料電池内を流れる流体の配流効率の高い燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、膜−電極アッセンブリと、前記膜−電極アッセンブリを挟持する第1,第2セパレータと、を有し、前記第1セパレータのMEA対向面に燃料ガス流路が形成され、前記第2セパレータのMEA対向面に酸化剤ガス流路が形成され、前記燃料ガス流路、前記酸化剤ガス流路が形成された第1,第2セパレータの面と反対側の面に冷却水流路が形成された燃料電池セルを複数有する燃料電池積層体であって、前記燃料電池セルには、一辺に沿って、中央部に配置され、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス入口と、前記酸化剤ガス入口の両側に配置され、前記冷却水流路に冷却水を導入する第1,2冷却水入口と、前記第1,第2冷却水入口の両外側に配置され、前記燃料ガス流路内の燃料ガスを排出する第1,第2燃料ガス出口と、前記一辺に対向する辺に沿って、中央部に配置され、前記冷却水流路内の冷却水を排出する冷却水出口と、前記冷却水出口の両側に配置され、前記燃料ガス流路に燃料ガスを導入する第1,第2燃料ガス入口と、前記第1,第2燃料ガス入口の両外側に配置され、前記酸化剤ガス流路内の酸化剤ガスを排出する第1,第2酸化剤ガス出口と、を備える。
本発明によれば、燃料電池内を流れる流体の配流効率の高い燃料電池を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池セルの構成の一例を示す模式側面図である。図1に示すように、燃料電池セル1は、膜−電極アッセンブリ10(以下、MEA10と呼ぶ場合がある)と、膜−電極アッセンブリ10を挟持する第1,2セパレータ12,14と、を備える。膜−電極アッセンブリ10は、電解質膜16と、電解質膜16を挟持するアノード極18及びカソード極20とを備えている。図1に示す燃料電池セル1を複数積層することにより、燃料電池積層体が構成される。
電解質膜16は、電子伝導性を有さずプロトン伝導性を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、パーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜等が挙げられる。
アノード極18及びカソード極20は、それぞれ触媒層と拡散層とを備える。
拡散層は反応ガスの拡散性が高い材料であれば特に制限されるものではない。例えば、カーボンクロス、カーボンペーパ等の多孔質カーボン材料等が挙げられる。
触媒層は、例えば、白金、ルテニウム等の金属触媒を担持したカーボンとパーフルオロスルホン酸系の電解質等とを混合して拡散層、又は電解質膜16上に成膜したものである。上記カーボンとしては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック等が用いられる。
図2及び図3は、本実施形態に用いられるセパレータの構成の一例を示す模式図である。図1及び図2(a)に示すように、第1セパレータ12には、MEA10と対向する面に、酸化剤ガスの流路となる酸化剤ガス流路22が形成され、図1及び図2(b)に示すように、酸化剤ガス流路22が形成された面と反対側の面には、冷却水の流路となる冷却水流路24が形成されている。また、図1及び図3(a)に示すように、第2セパレータ14には、MEA10と対向する面に、燃料ガスの流路となる燃料ガス流路26が形成され、図1及び図3(b)に示すように、燃料ガス流路26が形成された面と反対側の面には、冷却水の流路となる冷却水流路24が形成されている。各流体流路の形態は、凹凸部からなるストレート流路、蛇行流路等特に制限されるものではない。
第1,第2セパレータ12,14には、燃料ガス流路26に燃料ガスを導入するための第1,第2燃料ガス入口30a,30bと、燃料ガス流路26内の燃料ガスを排出するための第1,第2燃料ガス出口28a,28bと、酸化剤ガス流路22に酸化剤ガスを導入するための酸化剤ガス入口32と、酸化剤ガス流路22内の酸化剤ガスを排出するための第1,第2酸化剤ガス出口34a,34bと、冷却水流路24に冷却水を導入するための第1,第2冷却水入口36a,36bと、冷却水流路24内の冷却水を排出するための冷却水出口38と、を備える。また、各入口・出口と、ガス流路との間には連通路40が形成されており、流体は入口から連通路40を介して、流路内を通り、連通路40を介して出口から排出される。なお、不図示であるが、各流路の入口側端部及び出口側端部には、流路内を流れる流体の配流効率を向上させるために、複数の凸部からなる分配部が設けられている。
酸化剤ガス入口32と、第1,第2冷却水入口36a,36bと、第1,第2燃料ガス出口28a,28bとは、セパレータ12,14の一辺に沿って(一列に)設けられており、酸化剤ガス入口32は中央部に配置され、第1,第2冷却水入口36a,36bは酸化剤ガス入口32の両外側に配置され、第1,第2燃料ガス出口28a,28bは第1,第2冷却水入口36a,36bの両外側に配置されている。
冷却水出口38と、第1,第2燃料ガス入口30a,30bと、第1,第2酸化剤ガス出口34a,34bとは、セパレータ12,14の上記一辺に対向する辺に沿って(一列に)設けられており、そして、冷却水出口38は中央部に配置され、第1,第2燃料ガス入口30a,30bは冷却水出口38の両側に配置され、第1,第2酸化剤ガス出口34a,34bは第1,第2燃料ガス入口30a,30bの両外側に配置されている。
ここで、燃料電池積層体において、各セパレータ12,14の第1,第2燃料ガス入口30a,30bは積層方向に連通しており、第1,第2燃料ガス入口側マニホールドが形成される。同様に、各セパレータ12,14の第1,第2燃料ガス出口28a,28bも積層方向に連通しており第1,第2燃料ガス出口側マニホールドが形成される。また、各セパレータ12,14の酸化剤ガス入口32も積層方向に連通しており、酸化剤ガス入口側マニホールドが形成される。また、各セパレータ12,14の第1,第2酸化剤ガス出口34a,34bも積層方向に連通しており、酸化剤ガス出口側マニホールドが形成される。また、各セパレータ12,14の第1,第2冷却水入口36a,36bも積層方向に連通しており、第1,第2冷却水入口側マニホールドが形成される。また、各セパレータ12,14の冷却水出口38も積層方向に連通しており、冷却水出口側マニホールドが形成される。ここでは、燃料電池セル1内にマニホールドが形成される内部マニホールド式を例としているが、本実施形態の燃料電池積層体はこれに制限されず、各流体の入口・出口が上記説明した配置を満たしていれば、燃料電池セル1外にマニホールドが形成される外部マニホールド式であってもよい。
図4を用いて、本実施形態のセパレータの流路内を流れる流体の配流について説明する。説明を容易とするため、図4では、酸化剤ガス入口・出口のみを表示し、その他の流体入口・出口については省略している。酸化剤ガスの流入側では、酸化剤ガス入口32の幅分の所定の流路領域Aにおいて、酸化剤ガスは流れ易い(ガスが流入し易い)。また、酸化剤ガスの排出側では、酸化剤ガス出口34a,34bの幅分の所定の流路領域Bにおいて、酸化剤ガスは流れやすい(ガスが排出され易い)。その一方で、上記流路領域以外の領域では、酸化剤ガスの流速は小さくなり淀み易くなる。
そこで、流体の配流効率を高めるためには、流入側の流体が流れ易い流路領域(図4に示す斜線領域A)と排出側の流体が流れ易い流路領域(図4に示す斜線領域B)を多く作ること、そして、流体が流入し易い流路領域と流体が流出し易い流路領域の間の距離(又は面積)を小さくし、流速が小さくなる淀み領域(図4に示す空白領域C)を極力少なくする必要がある。但し、流入側の流体が流れ易い流路領域と排出側の流体が流れ易い領域とが重複してしまうと、流速が上昇するため、配流効率が低下する。なお、配流効率は、流路内を流れる流体の最低流速/流路内を流れる流体の平均流速で表される。
そこで、本実施形態のように、第1,第2セパレータ12,14の一辺に沿って、その中央部に酸化剤ガス入口32を配置し、酸化剤ガス入口32の両側に第1,第2冷却水入口36a,36bを配置し、さらに第1,第2冷却水入口36a,36bの両外側に第1,第2燃料ガス出口28a,28bを配置し、また、セパレータ12,14の上記一辺に対向する辺に沿って、その中央部に冷却水出口38を設置し、冷却水出口38の両側に第1,第2燃料ガス入口30a,30bを配置し、さらに第1,第2燃料ガス入口28a,28bの両外側に第1,第2酸化剤ガス出口34a,34bを配置する。これにより、限られた流体入口・出口の寸法内で、流入側及び排出側の流体が流れ易い流路領域を多く作ること、流体が流入し易い流路領域と流体が流出し易い領域の間の距離を小さくすること、流入側の流体が流れ易い流路領域と排出側の流体が流れ易い領域とが重なる領域を作らないことができるため、燃料ガス、酸化剤ガス、冷却水の全ての流体の配流効率を高めることができる(全ての流体の配流効率を90%以上にすることができる)。
本実施形態では、各流体の配流効率が高いため、燃料電池積層体の発電特性を大きく向上させることができる。また、燃料ガス、酸化剤ガス共に均一な配流であるため、燃料電池内で水が溜まり難く、フラッディング等による発電性能の低下も抑制することができる。また、冷却水も均一な配流であるため、燃料電池は均一に冷却され、異常な温度上昇等が起こることもない。その結果、本実施形態の燃料電池積層体は、高性能なI−V特性が得られる。
また、本実施形態では各流体の配流効率が高くなり、流速が均一になるため、流路内の流体圧損も大きく低減させることができる。その結果、燃料電池積層体を運転するシステムを簡素化することができるため、限られた搭載スペースに燃料電池積層体を搭載することを考慮すると、省スペース化の点で、大きなメリットとなる。
図5は参考例のセパレータの構成を示す模式図である。なお、図5のセパレータ42は、説明を容易とするため、流体入口・出口について、酸化剤ガス入口・出口のみを表示し、その他の流体入口・出口については省略している。図5に示すセパレータ42のように、第1,第2酸化剤ガス入口44a,44bがセパレータ42の一辺に沿って設けられており、該一辺に対向する辺に酸化剤ガス出口46が設けられ、第2酸化剤ガス入口44bと酸化剤ガス出口46とが対向する位置に配置されていると、流体の淀み領域(図5に示す空白領域C)が拡がってしまい、流体の流速が低下する。さらに、図5のセパレータ42のように、第2酸化剤ガス入口44bの幅分の所定の流路領域Aと、酸化剤ガス出口46の幅分の所定の流路領域Bとが重なる領域(図に示す枠内斜線領域D)が存在すると、流体の流速が上昇する。したがって、流体が流体流路48内を均一に流れ難くなり、配流効率が低下してしまう。
上記本実施形態に係る燃料電池セル及び燃料電池積層体は、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として使用することができる。
1 燃料電池セル、10 膜−電極アッセンブリ、12 第1セパレータ、14 第2セパレータ、16 電解質膜、18 アノード極、20 カソード極、22 酸化剤ガス流路、24 冷却水流路、26 燃料ガス流路、28a,28b 第1,第2燃料ガス出口、30a,30b 第1,第2燃料ガス入口、32 酸化剤ガス入口、34a,34b第1,第2酸化剤ガス出口、36a,36b 第1,第2冷却水入口、38 冷却水出口、40 連通路、42 セパレータ、44a,44b 第1,第2酸化剤ガス入口、46酸化剤ガス出口、48 流体流路。
Claims (1)
- 膜−電極アッセンブリと、前記膜−電極アッセンブリを挟持する第1,第2セパレータと、を有し、前記第1セパレータのMEA対向面に燃料ガス流路が形成され、前記第2セパレータのMEA対向面に酸化剤ガス流路が形成され、前記燃料ガス流路、前記酸化剤ガス流路が形成された第1,第2セパレータの面と反対側の面に冷却水流路が形成された燃料電池セルを複数有する燃料電池積層体であって、
前記燃料電池セルには、
一辺に沿って、その中央部に配置され、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス入口と、前記酸化剤ガス入口の両側に配置され、前記冷却水流路に冷却水を導入する第1,第2冷却水入口と、前記第1,第2冷却水入口の両外側に配置され、前記燃料ガス流路内の燃料ガスを排出する第1,第2燃料ガス出口と、
前記一辺に対向する辺に沿って、その中央部に配置され、前記冷却水流路内の冷却水を排出する冷却水出口と、前記冷却水出口の両側に配置され、前記燃料ガス流路に燃料ガスを導入する第1,第2燃料ガス入口と、前記第1,第2燃料ガス入口の両外側に配置され、前記酸化剤ガス流路内の酸化剤ガスを排出する第1,第2酸化剤ガス出口と、を備えることを特徴とする燃料電池積層体。
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