JP2012163116A - ボールねじ用ナット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状のナット素材1に対して、先ず、軸方向でボール循環溝15を形成する位置に、径方向に延びる貫通穴(材料欠損部)13を形成する。この貫通穴13はボール循環溝15のS字状ボール移動方向に沿って形成されている。次に、ナット素材1の内周面の貫通穴13が形成されている位置に、パンチを用いた鍛造加工法により、材料を貫通穴13に逃がしながらボール循環溝15を形成する。
【選択図】図1
Description
このようなボールねじは、一般的な産業用機械の位置決め装置等だけでなく、自動車、二輪車、船舶等の乗り物に搭載される電動アクチュエータにも使用されている。
特許文献3(特開2005−321059号公報)には、螺旋状の負荷ボール転動溝と、その一端と他端を接続するボール循環溝と、からなるボール循環路が、ナットの内周面に形成されている「ねじ装置」が記載されている。ボール循環路の形成方法としては、「内カム」と呼ばれていた内径溝入れ加工の手法で作製が可能であると記載されている。
特許文献4(特開2008−281063号公報)には、ボール循環溝をナット素材の内周面に塑性加工で直接形成する方法が記載されている。この方法では、図5に示すように、ボール循環溝の形状に対応するS字状の凸部37,38を有する円柱状の加工ヘッド30を備えた金型を用いる。
この発明の課題は、パンチを用いた鍛造加工法によりナット素材の内周面にボール循環溝を形成する方法として、ナット素材の材料流動が抑制されるとともに、パンチに作用する曲げ応力が低減できる方法を提供することである。
この発明の方法によれば、前記材料欠損部が形成されたナット素材に、パンチを用いた鍛造加工法で材料を前記材料欠損部に逃がしながら前記ボール循環溝を形成することにより、前記材料欠損部が形成されていないナット素材にパンチを用いた鍛造加工法で前記ボール循環溝を形成する場合と比較して、材料の流動量が少なくなるとともに、パンチに作用する曲げ応力が低減できる。
前記材料欠損部は、前記ボール循環溝の形成後に、前記ボール循環溝と連通しない状態となるように形成することが好ましい。そのためには、前記材料欠損部が前記貫通穴の場合は、前記ボール循環溝の形成時に逃がされた材料で前記貫通穴の径方向内側が塞がれるように、貫通穴の寸法を設定する。前記材料欠損部が前記止まり穴の場合は、前記止まり穴の底位置を前記ボール循環溝の底位置より径方向外側にすることが好ましい。
[第1実施形態]
この実施形態では、図1に示すように、円筒状のナット素材1の内面に、断面が円弧状でボール移動方向がS字状であるボール循環溝15を形成する作業を、2工程で行う。
先ず、ナット素材1の軸方向でボール循環溝15を形成する位置に、径方向に延びる貫通穴(材料欠損部)13を切削加工により形成する。この貫通穴13はボール循環溝15のS字状ボール移動方向に沿って形成されている。次に、ナット素材1の内周面11の貫通穴13が形成されている位置に、図2に示す方法でボール循環溝15を形成する。
図2に示す方法で使用する金型は、円筒状のナット素材1の外周面を拘束する外周拘束型2と、ナット素材1の下端面を拘束する下型3と、ナット素材1の上端面に載せる円筒状の押え部材4を有する。
カムケース5は、貫通孔52が形成されている方を上側に配置してナット素材1に挿入されている。パンチ7には、S字状のボール循環溝15に対応する突起71が形成されている。パンチ7は、カムドライバ6の斜面61と同じ斜面72を有する。これらの斜面61,72がカム機構を構成する。
なお、ナット素材1の内周面11に複数のボール循環溝を一度に形成する場合は、対応する複数の位置に貫通穴13を設けた後、例えば図3に示す方法で、パンチを用いた鍛造加工法を行う。
この金型を用いることで、ナット素材1の下端面(軸方向他端面)とカムケース5Aの下端面が下型3で拘束される。この状態で、カムドライバ6Aを押し込むことにより、パンチ7A,7Bがそれぞれナット素材1の径方向外側に移動し、ナット素材1の内周面11にパンチ7A,7Bの突起71A,71Bが押し込まれる。
そのため、ナット素材1に各貫通穴13を設けずにボール循環溝15,16を形成した場合と比較して、材料の流動量が少なくなるとともに、パンチ7A,7Bに作用する曲げ応力が低減できる。その結果、ボール循環溝15,16の形状精度や軸方向および周方向での位置精度が良好になるとともに、パンチ7A,7Bの寿命が向上する。
この実施形態では、図4に示すように、円筒状のナット素材1の内面に、断面が円弧状でボール移動方向がS字状であるボール循環溝15を形成する作業を、2工程で行う。
先ず、ナット素材1の軸方向でボール循環溝15を形成する位置に、ナット素材1の外周面から径方向に延びて内周面11に達しない止まり穴14を旋削加工により形成する。この止まり穴14はボール循環溝15のS字状ボール移動方向に沿って形成されている。また、止まり穴14の底位置はボール循環溝15の底位置より径方向外側に設定されている。
そのため、ナット素材1に止まり穴14を設けずにボール循環溝15を形成した場合と比較して、材料の流動量が少なくなるとともに、パンチ7に作用する曲げ応力が低減できる。その結果、ボール循環溝15の形状精度や軸方向および周方向での位置精度が良好になるとともに、パンチ7の寿命が向上する。
そのため、ナット素材1に各止まり穴14を設けずにボール循環溝15,16を形成した場合と比較して、材料の流動量が少なくなるとともに、パンチ7A,7Bに作用する曲げ応力が低減できる。その結果、ボール循環溝15,16の形状精度や軸方向および周方向での位置精度が良好になるとともに、パンチ7A,7Bの寿命が向上する。
11 ナット素材の内周面
13 貫通穴(材料欠損部)
14 止まり穴(材料欠損部)
15,16 ボール循環溝
2 外周拘束型
3 下型
4 押え部材
5 カムケース
5A カムケース
51 カムケースの中心穴
52,53 カムケースの貫通穴
6 カムドライバ
6A カムドライバ
61,61A,61B カムドライバの斜面
7A,7B パンチ(カムスライダ)
71A,71B 突起
72,72A,72B パンチの斜面
Claims (4)
- ねじ軸およびボールとともにボールねじを構成し、前記ボールを転動軌道の終点から始点に戻すボール循環溝を内周面に有するボールねじ用ナットを製造する方法であって、
円筒状のナット素材の軸方向で前記ボール循環溝を形成する位置に材料欠損部を形成した後、前記ナット素材の外周面と軸方向一端面を拘束した状態で、前記ナット素材に内挿されたパンチを前記ナット素材の径方向外側に移動することにより、前記ナット素材の材料を前記材料欠損部に逃がしながら前記ボール循環溝を形成することを特徴とするボールねじ用ナットの製造方法。 - 前記材料欠損部は、ナット素材の径方向に貫通する貫通穴である請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 前記材料欠損部は、ナット素材の外周面から径方向に延びて内周面に達しない止まり穴である請求項1記載のボールねじ用ナットの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするボールねじ用ナット。
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