JP2012161893A - 減速ギヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型、安価で耐久性に優れた減速機構を提供すること。
【解決手段】例えば鉄製の母材30の外周30aの軸方向X1の中央部に、周方向に沿って延びる例えば亜鉛製の環状の薄板からなる当て板32を巻く〔図2(a)〕。母材30と当て板32とを一体鍛造することにより、歯溝33内に歯面34が形成された製造用中間体35を得る〔図2(b)〕。製造用中間体35では、当て板32が母材30に食い込んでいる。製造用中間体35を酸性溶液に浸漬することにより、当て板32のみを溶解する。歯面34の歯幅方向W1の中央部に凹部36が形成された減速ギヤ31を得る〔図2(c)〕。
【選択図】図2
【解決手段】例えば鉄製の母材30の外周30aの軸方向X1の中央部に、周方向に沿って延びる例えば亜鉛製の環状の薄板からなる当て板32を巻く〔図2(a)〕。母材30と当て板32とを一体鍛造することにより、歯溝33内に歯面34が形成された製造用中間体35を得る〔図2(b)〕。製造用中間体35では、当て板32が母材30に食い込んでいる。製造用中間体35を酸性溶液に浸漬することにより、当て板32のみを溶解する。歯面34の歯幅方向W1の中央部に凹部36が形成された減速ギヤ31を得る〔図2(c)〕。
【選択図】図2
Description
本発明は、減速ギヤの製造方法に関するものである。
ウォームホイールを、冷間鍛造工程により形成された芯金と、芯金の外周に固定される合成樹脂製のギヤ部とで構成する電動パワーステアリング装置の減速機構が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
近年の電動パワーステアリング装置の高出力化に伴い、減速機構が大型化しており、車両へのレイアウトが非常に厳しくなってきている。特許文献1のように、ウォームホイールのギヤ部として樹脂を用いた場合、強度を満足するためにウォームホイールが大型になる傾向にある。また、高強度に耐え得る樹脂は高価であり、製造コストが高くなる。
そこで、金属ギヤを用いることが考えられる。しかしながら、円筒形のウォーム(例えば横断面歯形が台形であるJIS3形)と減速ギヤとしての鼓形のウォームホイール(横断面歯形がインボリュートである)とを噛み合わせた場合、両ギヤの接触線とウォームの滑り方向とのなす角度(交差角)が小さい領域において、潤滑油膜が切れ易いという問題がある。したがって、減速ギヤの前記領域において、摩耗や発熱を生じ、耐久性が悪くなるという問題がある。
そこで、金属ギヤを用いることが考えられる。しかしながら、円筒形のウォーム(例えば横断面歯形が台形であるJIS3形)と減速ギヤとしての鼓形のウォームホイール(横断面歯形がインボリュートである)とを噛み合わせた場合、両ギヤの接触線とウォームの滑り方向とのなす角度(交差角)が小さい領域において、潤滑油膜が切れ易いという問題がある。したがって、減速ギヤの前記領域において、摩耗や発熱を生じ、耐久性が悪くなるという問題がある。
そこで、本願発明者は、減速ギヤの歯面において、両ギヤの接触線とウォームの滑り方向との交差角が所定値以下の領域に、凹部を設け、当該凹部とウォームとの接触を避けることが好ましいと考えた。しかしながら、アンダーカットを回避しなければならないという制約があるため、減速ギヤを一方向から鍛造する方法では、凹部として所要の深さを確保できない。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、アンダーカットを含む凹部を容易に形成することができる金属製の減速ギヤの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ウォーム(20)と噛み合わせるための歯面(34)を有し、その歯面の歯幅方向(W1)の少なくとも中央部にウォームホイール歯形を有する金属製の減速ギヤ(31)を製造する、減速ギヤの製造方法であって、母材(30)と、前記母材の外周(30a)の軸方向(X1)中央部に沿わせて配置された当て板(32)とを一体鍛造して、歯面(34)を形成する工程と、前記当て板を溶解して、上記歯面の一部に凹部(36)を形成する工程と、を備える減速ギヤの製造方法を提供する。
また、請求項2のように、前記当て板のイオン化傾向は、前記母材のイオン化傾向よりも高く、前記当て板の溶解には、酸性溶液が用いられる場合がある。
また、請求項3のように、前記当て板の延性は、前記母材の延性よりも低くされている場合がある。
また、前記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
また、請求項3のように、前記当て板の延性は、前記母材の延性よりも低くされている場合がある。
また、前記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1の発明によれば、一体鍛造によって歯面を鍛造するときに、当て板が母材に食い込む。その食い込んだ当て板を溶解することにより、歯面に凹部を容易に形成することができる。すなわち、歯面の鍛造後に、通常の鍛造のみではアンダーカットとなる部位を含む凹部を、溶解により容易に形成することができる。減速ギヤは、ウォームホイールであってもよいし、例えば、歯幅方向の中央部に、ウォームホイール歯形を有し、残りの部分に、はすば歯形を有するギヤであってもよい。
また、請求項2の発明によれば、酸性溶液によって当て板のみを溶解することができるので、歯面に凹部を容易に形成することができる。母材として例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板として、鉄よりもイオン化傾向の高い、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属を用いることが可能である。
また、請求項3の発明によれば、鍛造時に、当て板が母材に食い込み易くなるので、形状精度の優れた凹部を得ることができる。母材として、例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板として、鉄よりも延性の低い、ニッケル、銅、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛等の金属を用いてもよい。母材として、例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板として、鉄よりもイオン傾向が高く且つ鉄よりも延性の低い、アルミニウム、亜鉛等の金属を用いてもよい。
また、請求項3の発明によれば、鍛造時に、当て板が母材に食い込み易くなるので、形状精度の優れた凹部を得ることができる。母材として、例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板として、鉄よりも延性の低い、ニッケル、銅、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛等の金属を用いてもよい。母材として、例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板として、鉄よりもイオン傾向が高く且つ鉄よりも延性の低い、アルミニウム、亜鉛等の金属を用いてもよい。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は本発明の一実施の形態の製造方法により製造された減速ギヤ31が適用された電動パワーステアリング装置1の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を操舵する操舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と操舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
図1は本発明の一実施の形態の製造方法により製造された減速ギヤ31が適用された電動パワーステアリング装置1の模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を操舵する操舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と操舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
本実施の形態では、操舵補助機構5がステアリングシャフト6にアシスト力(操舵補助力)を与える例に則して説明する。しかしながら、本発明を、操舵補助機構5が後述するピニオン軸にアシスト力を与える構造に適用することも可能である。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ステアリングシャフト6の周囲に配置されたトルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に入力された操舵トルクを検出する。トルクセンサ11のトルク検出結果は、操舵補助のためのモータ制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)12に入力される。また、車速センサ90からの車速検出結果がECU12に入力される。中間軸7は、ステアリングシャフト6と操舵機構4とを連結している。
操舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪3が連結されている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が設けられている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が設けられている。
ラック軸14は、自動車の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の途中部には、前記ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることで、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを操舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構19とを含む。減速機構19は、駆動ギヤとしてのウォーム20と、このウォーム20と噛み合う減速ギヤ31とを含む。減速機構19は、ギヤハウジング21内に収容されている。ギヤハウジング21内において、ウォーム20と減速ギヤ31との少なくとも噛み合い領域には、グリース等の潤滑剤が充填されており、ウォーム20および減速ギヤ31の歯面間には、潤滑剤が介在している。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを操舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構19とを含む。減速機構19は、駆動ギヤとしてのウォーム20と、このウォーム20と噛み合う減速ギヤ31とを含む。減速機構19は、ギヤハウジング21内に収容されている。ギヤハウジング21内において、ウォーム20と減速ギヤ31との少なくとも噛み合い領域には、グリース等の潤滑剤が充填されており、ウォーム20および減速ギヤ31の歯面間には、潤滑剤が介在している。
ウォーム20は、図示しない継手を介して電動モータ18の回転軸(図示せず)に連結されている。ウォーム20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、減速ギヤ31は、ステアリングシャフト6とは一体回転可能に連結されている。
電動モータ18がウォーム20を回転駆動すると、ウォーム20によって減速ギヤ31が回転駆動され、減速ギヤ31およびステアリングシャフト6が一体回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム20を回転駆動することで、転舵輪3が転舵されるようになっている。
電動モータ18がウォーム20を回転駆動すると、ウォーム20によって減速ギヤ31が回転駆動され、減速ギヤ31およびステアリングシャフト6が一体回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム20を回転駆動することで、転舵輪3が転舵されるようになっている。
電動モータ18は、三相ブラシレスモータからなり、モータ制御装置としてのECU12によって制御される。ECU12は、トルクセンサ11からのトルク検出結果、車速センサ90からの車速検出結果等に基づいて電動モータ18を制御する。具体的には、ECU12では、トルクと目標アシスト量との関係を車速毎に記憶したマップを用いて目標アシスト量を決定し、電動モータ18の発生するアシスト力を目標アシスト量に近づけるように制御する。
次いで、図2(a)〜(c)は、減速ギヤの製造工程を順次に示す概略図であり、図3は減速ギヤの製造用中間体の要部の概略斜視図であり、図4は、製造された減速ギヤの要図の概略斜視図である。本発明の製造方法が適用される減速ギヤ31は、ウォーム20と噛み合わせるためのウォームホイール歯形を歯面の歯幅方向W1の少なくとも中央部に有する金属製の減速ギヤである。
本実施の形態では、減速ギヤ31がウォームホイールである場合に則して説明するが、これに限らず、例えば、歯面の歯幅方向の中央部に、ウォームホイール歯形が形成され、残りの部分に、はすば歯形が形成された減速ギヤを製造する場合に、本発明の減速ギヤの製造方法を適用することもできる。
まず、図2(a)に示すように、円柱形状(中心孔を有していてもよい)をなす母材30の外周30aに、周方向に沿って延びる環状の薄板からなる当て板32を巻く。当て板32は、母材30の軸方向X1の中央部に巻かれる。
まず、図2(a)に示すように、円柱形状(中心孔を有していてもよい)をなす母材30の外周30aに、周方向に沿って延びる環状の薄板からなる当て板32を巻く。当て板32は、母材30の軸方向X1の中央部に巻かれる。
次いで、当て板32が巻かれた母材30を当て板32とともに一体鍛造し、図2(b)および図3に示すように、歯溝33内に歯面34が形成された製造用中間体35を得る。その製造用中間体35では、図3に示すように、一体鍛造によって、当て板32が母材30に食い込んだ状態となる。
次いで、製造用中間体35を酸性溶液に浸漬することにより、図2(c)に示すように、母材30をそのままにして、母材30に食い込んだ当て板32のみを溶解する。これにより、図4に示すように、歯面34の歯幅方向W1の中央部に凹部36が形成された減速ギヤ31を得る。凹部36は、減速ギヤ31の歯先面37、歯面34および歯底面38に跨がるように連続して延びる溝Gの一部をなしている。
次いで、製造用中間体35を酸性溶液に浸漬することにより、図2(c)に示すように、母材30をそのままにして、母材30に食い込んだ当て板32のみを溶解する。これにより、図4に示すように、歯面34の歯幅方向W1の中央部に凹部36が形成された減速ギヤ31を得る。凹部36は、減速ギヤ31の歯先面37、歯面34および歯底面38に跨がるように連続して延びる溝Gの一部をなしている。
歯面34からの凹部36の深さとしては、例えば20〜30μm程度が好ましいので、当て板32としては、薄板が用いられる。薄板であれば溶解もし易い。
当て板32のみを酸性溶液によって溶解するために、当て板32のイオン化傾向は、母材30のイオン化傾向よりも高くされている。例えば、母材30として例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板32として、鉄よりもイオン化傾向の高い、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属を用いることが可能である。
当て板32のみを酸性溶液によって溶解するために、当て板32のイオン化傾向は、母材30のイオン化傾向よりも高くされている。例えば、母材30として例えば鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板32として、鉄よりもイオン化傾向の高い、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属を用いることが可能である。
一体に鍛造するときに、当て板32が母材30に食い込み易くするためには、母材30として、鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板32として、鉄よりも延性の低い、ニッケル、銅、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛等の金属を用いることが好ましい。
また、母材30として、鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板32として、鉄よりもイオン傾向が高く且つ鉄よりも延性の低い、アルミニウム、亜鉛等の金属を用いることが好ましい。
また、母材30として、鉄(例えばS25C等の鉄鋼材料)を用いる場合に、当て板32として、鉄よりもイオン傾向が高く且つ鉄よりも延性の低い、アルミニウム、亜鉛等の金属を用いることが好ましい。
本実施の形態によれば、一体鍛造によって歯面34を鍛造するときに、当て板32が母材30に食い込む。その食い込んだ当て板32を溶解することにより、歯面34に凹部36を容易に形成することができる。すなわち、歯面34の鍛造後に、通常の鍛造のみではアンダーカットとなる部位を含む凹部36を、溶解により容易に形成することができる。したがって、一方向からの鍛造であっても、最終形状として、十分な深さを有する凹部36を形成することが可能となる。
また、当て板32として、母材30のイオン化傾向よりも高いイオン化傾向を有する材料を用いることにより、、酸性溶液を用いて、当て板32のみを溶解して、凹部36を容易に形成することができる。
また、当て板32として、母材30の延性よりも低い延性を有する材料を用いることにより、一体鍛造のときに、当て板32が母材30に食い込み易くなる。したがって、形状精度の優れた凹部36を得ることができる。
また、当て板32として、母材30の延性よりも低い延性を有する材料を用いることにより、一体鍛造のときに、当て板32が母材30に食い込み易くなる。したがって、形状精度の優れた凹部36を得ることができる。
図5は、凹部36を設けない場合のウォームホイール歯形を有する歯面34を有する減速ギヤ31’とウォーム20との噛み合い状態を示す参考図としての模式的断面図である。図5では、歯面34の歯形形状であるウォームホイール歯形とこれに噛み合うウォームとの接触線CLが実線で示されている。また、ウォーム20の滑り方向S1が、ウォーム20の中心軸線を中心とする同心円として一点鎖線で示されている。
図5において、接触線CLと滑り方向S1とのなす角度Bが、閾値B1以下(B≦B1。閾値B1は、5〜10°の範囲内の値、例えば10°に設定される。)となる領域E1では、潤滑剤による油膜の形成が困難である。
したがって、凹部36は、領域E1を含むように形成されることが好ましい。これにより、凹部36とウォーム20との噛み合いが回避される。また、凹部36を除く噛み合い領域では、接触線CLとウォーム20の滑り方向S1とのなす角度Bが閾値B1を超えた値(B≧B1)となるので、歯面34全体として油膜切れを生じ難く、円滑な潤滑を確保することができる。したがって、長期にわたって摩耗を抑制して耐久性を格段に向上することができる。
したがって、凹部36は、領域E1を含むように形成されることが好ましい。これにより、凹部36とウォーム20との噛み合いが回避される。また、凹部36を除く噛み合い領域では、接触線CLとウォーム20の滑り方向S1とのなす角度Bが閾値B1を超えた値(B≧B1)となるので、歯面34全体として油膜切れを生じ難く、円滑な潤滑を確保することができる。したがって、長期にわたって摩耗を抑制して耐久性を格段に向上することができる。
また、図4を参照して、歯面34のうち凹部36を除く領域では、歯幅方向W1に関して凹部36に近づくほど、図5に示す、接触線CLと滑り方向S1とのなす角度Bが小さくなって油膜切れを生じ易くなる傾向にある。逆に言うと、最も油膜切れを生じ易い領域(図4において、歯幅方向W1に関する凹部36の縁部36a,36bおよびその近傍の領域に相当)の最も近くに、潤滑剤が溜まる凹部36が存在する。したがって、最も油膜切れを生じ易い領域に対して効果的な潤滑が行えるので、全体としての潤滑効果が高い。しかも、歯面34において凹部36へは、いわゆる、くさび効果(回転に伴って狭い隙間へ潤滑剤が吸い込まれる現象)によって、潤滑剤が送られ来る傾向にあるので、凹部36に潤滑剤を潤沢に保持しておくことができる。この点からも、潤滑効果を高くすることができる。
閾値B1は、図示していないが、ウォームホイール歯形形状にウォームに相当する円筒を線接触させ、その円筒を閾値B1に相当する角度だけ傾斜させて滑らせたときに、ウォームホイール歯形形状における油膜の形成状況を実験的に求めることにより、好ましい値に決定される。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、母材30に巻くときの当て板32は、周方向に対して交互の逆向きに傾斜するジグザグ状を呈していてもよい。その場合、凹部36の位置を領域E1により整合させることができる点で好ましい。その他、請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、母材30に巻くときの当て板32は、周方向に対して交互の逆向きに傾斜するジグザグ状を呈していてもよい。その場合、凹部36の位置を領域E1により整合させることができる点で好ましい。その他、請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…電動パワーステアリング装置、4…操舵機構、5…操舵補助機構、6…ステアリングシャフト、18…電動モータ、19…減速機構、20…ウォーム、30…母材、30a…外周、31…減速ギヤ、32…当て板、33…歯溝、34…歯面、35…製造用中間体、36…凹部、36a,36b…縁部、37…歯先面、38…歯底面、B…角度、B1…閾値、CL…接触線、S1…滑り方向、X1…軸方向、W1…歯幅方向
Claims (3)
- ウォームと噛み合わせるための歯面を有し、その歯面の歯幅方向の少なくとも中央部にウォームホイール歯形を有する金属製の減速ギヤを製造する、減速ギヤの製造方法であって、
母材と、前記母材の外周の軸方向中央部に沿わせて配置された当て板とを一体鍛造して、歯面を形成する工程と、
前記当て板を溶解して、上記歯面の一部に凹部を形成する工程と、を備える減速ギヤの製造方法。 - 請求項1において、前記当て板のイオン化傾向は、前記母材のイオン化傾向よりも高く、前記当て板の溶解には、酸性溶液が用いられる減速ギヤの製造方法。
- 請求項1または2において、前記当て板の延性は、前記母材の延性よりも低くされている減速ギヤの製造方法。
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