JP2012161224A - 仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法 - Google Patents

仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内板と外板の連結を保ちつつ、バーニヤ金具の長さの調節を行うことができる。
【解決手段】一端側には長手方向に一列に空けた複数の調節孔を、他端側には他の金具を取り付ける取付孔を有し、対面するように平行に配設される一対の細長い平板状の外板11と、一対の外板に介在させる一端側には長手方向に設けた連結スライド孔18及び係止孔14,24a,24bを、連結スライド孔の、内板の長手方向の長さが、外板の隣り合う調節孔の、中心点の間隔の正の整数倍に調節孔の径を加えた長さになるように設け、他端側には他の金具を取り付ける取付孔を有する、細長い平板状の内板13,23と、バーニヤ金具の全体の長さを所望の長さとするために選択された、調節孔及び係止孔を連結する連結ボルト及び連結ナットと、調節孔及び連結スライド孔に一時的に取り付けられ、連結ボルトを連結ナットで締結した後に外される仮連結部材19,19Aとを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、架空送電線の弛度を調節するためのバーニヤ金具に係り、特に内板と外板との連結を保ちつつ、バーニヤ金具の長さの調節を行うことができる、仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法に関する。
送電線を支持物間に架空する際には、その中央部に適当な弛みを生じさせる。送電線の自重や風圧による引張荷重が原因となる断線事故、送電線の横揺れによる他の送電線、樹木等との接触が原因となる短絡、地絡事故等を防ぐためである。そして、従来、架空送電線の弛度を調整するために、架空送電線を把持する耐張クランプと、鉄塔の腕金等の支持物によって支持される耐張碍子装置との間に、バーニヤ金具が設けられている。
従来4導体送電線で使用されているバーニヤ金具を、図面を参照しながら説明する。図12は、架空送電線(以下、送電線という)と鉄塔の間に取り付けられた従来のバーニヤ金具を、鉄塔側斜め上方から視認した状態を示す斜視図である。
バーニヤ金具50の送電線側は、直角クレビスリンク61、平行クレビスリンク62、特殊クレビスリンク63、ジャンパ線64を固定するジャンパ装置65を介して、送電線67を把持する耐張クランプ66と連結されている。また、バーニヤ金具50の鉄塔側は、直角クレビスリンク71を介して、上線2条は上線側2連ヨーク72に、下線の2条は下線側2連ヨーク73に接続されている。そして、上線側2連ヨーク及び下線側2連ヨークはそれぞれ直角クレビス74を介して垂直2連ヨーク75に接続され、さらに直角クレビス76を用いて、鉄塔の腕金に取り付けられた耐張がいし装置(図示せず)に接続されている。なお、これらの各金具部材等はボルト等を用いて連結されている。
図13は、従来のバーニヤ金具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
バーニヤ金具50は、図13に示すように、一対の対面する細長い平板状の外板51と、これらの間に配設される内板53と、外板51と内板53を接続する連結ボルト55及びそれを締結する連結ナット56とからなる。外板51は複数の調節孔52を有し、内板53は1つの係止孔54を有する。またバーニヤ金具50の両端には直角クレビスリンク61,71をボルト及びナット61a、71aで取り付ける取付孔57a、57bが設けられている。
そして、送電線67の弛度の調整は、バーニヤ金具50の全長を所望の長さに調節することによって行なわれる。具体的には、外板51が有する複数個の調節孔52の中から適切な位置にある調節孔52を選択し、その調節孔52に内板53の係止孔54を合致させ、連結ボルト55を挿入する。連結ボルト55を挿入する調節孔52を変えると、バーニヤ金具50の全長が変化するので、送電線67の弛みの調節を行なうことができる。
このようにバーニヤ金具50の全長を変えるには、連結ボルト55を一旦バーニヤ金具50から取り外し、適切な位置にある調節孔52に係止孔54を合致させた後に、再び挿着する必要がある。そのため、送電線67の弛度を調節する際には、以下のような作業が行われる。
まず、送電線67を把持する耐張クランプ66等を、万力型のクランプ等で挟持し、緊線工具を使って鉄塔や碍子に掛止めて、送電線67を固定する。そして、バーニヤ金具50の両側にかかっている送電線67の緊線張力を緩めるために、油圧式工具等を使って送電線67を鉄塔側に引っ張る。その後、バーニヤ金具50の外板51と内板53から連結ボルト55及び連結ナット56を外し、適切な長さになるように選択した調節孔52を係止孔54に合わせ、連結ボルト55を挿通し、連結ナット56で締結する。最後に油圧工具、緊線工具等を外して作業は終了する。
このようなバーニヤ金具50の連結位置の調整は、鉄塔上部の高所で行なう作業であるにも関わらず、重量のある油圧式工具等を使用する必要があり、危険で難しい作業である。また、調整時には、バーニヤ金具50から連結ボルト55等を外して、送電線67と耐張碍子装置の連結を解く。そのため、前述のように固定した送電線67が外れ、鉄塔と反対側に持っていかれることがないよう、緊線工具で二重に防護をしておく必要があり、労力を要する。
さらに、外板51や内板53はそれぞれ、取付孔57a、57bにおいて直角クレビスリンク71、61に取り付けられているが、この取付部分で回動自在に動いてしまう。そのうえ、外板51や内板53自体が重いものであるため、鉄塔上部から送電線側に張り出すように設けられた、不安定な足場の上で、調節孔52に係止孔54の位置を合わせるのは容易ではなく、熟練が必要で、時間と労力がかかる作業であった。そして、このような作業を一人で行なうのは困難であり、二人以上の作業者によって、お互いの作業状況や安全を確認しながら進められているため、さらに時間を要することとなり、経済的にも負担が大きかった。
バーニヤ金具については、例えば、特許文献1の特開2007−221998号「バーニヤ金具」などが提案されている。この「バーニヤ金具」は、一対の外側プレートの間に内側プレートを介在させ、長手方向に相互に位置調整可能にしてその長さを調整可能にすると共に、所定の調整位置において外側プレートと内側プレートとを相互に連結可能に構成したものである。そして、さらに、調整工具を係合するための係合部として、外側プレートには係合突起を、内側プレートには係合孔をそれぞれ設け、係合突起を外側プレートの先端部に設けたものである。
この「バーニヤ金具」は、特許文献2の特許4146942号「架空送電線の弛度調整に用いる調整工具」(以下、「調整工具」という)を用いて使用されるものである。「バーニヤ金具」にこの「調整工具」に取り付け、「バーニヤ金具」と「調整工具」とを一体として伸縮させることにより、外側プレートと内側プレートの連結作業を容易にしたものである。
特開2007−221998号公報 特許4146942号公報
上記特許文献1の「バーニヤ金具」においては、新たな調整工具が必要になるという問題があった。また、所望のボルト挿通孔及び位置決め孔がちょうど重なるように、調整工具を操作しないと連結ボルトを挿着することができなかった。さらに、バーニヤ金具の外部プレートと内部プレートの上面には、それぞれボルト挿通孔と位置決め孔の位置を識別するための記号が付されているが、調整工具が上方から装着されると、これらの記号が隠れてしまい、連結ボルトを挿着しにくいという問題があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものである。
すなわち本発明の目的は、新たな調節工具を使わなくても、内板にスライド可能な仮連結孔を設けることによって、内板と外板との連結を保ちつつ、バーニヤ金具の長さ調節を行うことができる、仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具は、架空送電線の弛度を調節するバーニヤ金具であって、一端側には長手方向に一列に空けた複数の調節孔(12)を、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17a)を有し、対面するように平行に配設される一対の細長い平板状の外板(11)と、該一対の外板に介在させる一端側には長手方向に設けた連結スライド孔(18,28)及び係止孔(14,24a,24b)を、該連結スライド孔の、内板の長手方向における長さが、前記外板の隣り合う調節孔の、中心点の間隔の正の整数倍に、調節孔の径を加えた長さになるように設け、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17b)を有する、細長い平板状の内板(13,23)と、バーニヤ金具の全体の長さを所望の長さとするために選択された、前記調節孔及び前記係止孔を連結するための、連結ボルト(15)と、該連結ボルトを締結する連結ナット(16)と、前記調節孔及び前記連結スライド孔に一時的に取り付けられ、前記連結ボルトを前記連結ナットで締結した後に外される仮連結部材(19,19A)と、を備え、一対の前記外板と前記内板とを連結した状態を保ちつつ、該内板をスライドさせて長さ調節を行なうように構成したことを特徴とする。
前記連結スライド孔(28)は、内板(23)の長手方向を長辺とする略矩形状のスライド部分(28w)と、スライド部分の上辺又は下辺に設けられ、前記仮連結部材が係合する複数のボルト受け部分(28)とからなるようにしても良い。
また、前記係止孔(24a,24b)は、前記連結スライド孔(28)の両側に一つずつ設けられてもよい。
本発明の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具の長さ調節方法は、架空送電線の弛度を調節するバーニヤ金具において、長手方向に設けた連結スライド孔(18,28)及び係止孔(14,24a,24b)を一端側に有する、細長い平板状の内板(13,23)の該連結スライド孔と、対面するように平行に配設され、前記内板の前記一端側が介在する一端部に、長手方向に一列に空けられた、複数の対向する調節孔(12)を有する一対の細長い平板状の外板(11)の該調節孔のうち、前記連結スライド孔と重なり合うものの中から選択された、対向する調節孔とに、前記内板及び前記一対の外板を仮連結する仮連結部材(19,19A)を取り付け(S101,S111,S202)、前記係止孔及び対向する前記調節孔に取り付けられ、前記内板及び前記一対の外板の連結している連結部材(15,16)を取り外し(S102,S112,S203)、前記内板を略長手方向にスライド移動させ、バーニヤ金具の全長を伸縮し(S103,S113,S204)、前記係止孔と、該係止孔に合致する調節孔とに前記連結部材を取り付け(S104,S114,S205)、前記仮連結部材を前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S105,S115,S206)ことを特徴とする。
本発明の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法においては、連結スライド孔(18,28)を有する内板(13,23)と仮連結部材(19,19A)を使用することによって、外板(11)と内板(13,23)の連結を切り離さないでスライド式バーニヤ金具(10,20)の長さを変えることができる。連結を切り離さないので、直角クレビスリンク(61,71,74,76)や平行クレビスリンク(62)などを介して、取付孔(17a、17b)において鉄塔等に接続されている二枚の外板(11)や内板(13,23)それぞれが、水平方向や鉛直方向に回動してしまうのを防ぐことができる。よって、内板(13,23)をスライドさせ、外板(11)と内板(13,23)のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように手などで支えれば、係止孔(14,24a,24b)と調節孔(12)を、容易に合致させることができる。
よって、経験の浅い作業者でもスライド式バーニヤ金具(10、20)の長さを調節する作業を行なうことができ、また、一人で行うことも可能となる。危険を伴う高電圧、高所の作業の安全を二人以上の作業者同士で確認し合いながら行なう必要がないので、時間を短縮し、作業者の労力の軽減を図ることもできる。また、外板(11)と内板(13,23)を切り離さないので、前述した緊線工具等による二重防護をする手間を省くことができ、高所作業の労力の削減が可能となる。
そして、連結スライド孔(18,28)の、内板(13,23)の長手方向における長さを長くすれば、一度に伸縮させることができる長さの範囲が増加するので、簡単にスライド式バーニヤ金具(10,20)を所望の長さとすることができ、作業効率がよい。
さらにこのような構造とするには、バーニヤ金具(50)の内板(53)に簡単な加工を行い、適切な大きさの仮連結部材(19,19A)を準備するだけでよいので、経済的である。
連結スライド孔(28)が、スライド部分(28w)と、複数のボルト受け部分(28)とからなるようにすれば、ボルト受け部分(28)に仮連結部材(19,19A)が係合させることができるので、内板(23)を所望の位置で係止し容易にスライド式バーニヤ金具(20)を所望の長さとすることができる。
また、ボルト受け部分(28)が複数設けられているので、仮連結部材(19,19A)を取り付ける位置を選択できる場合には、作業しやすい位置にあるボルト受け部分(28)及び調節孔(12)を選んで作業することができる。よって、仮連結部材(19,19A)の取付作業が容易となる。作業は鉄塔上部から送電線側に張り出して設けられた不安定な足場の上で行なわれ、前述した油圧式工具等によって引っ張られた弛み具合や作業する場所等によって、作業しやすい位置が異なる。よって、ボルト受け部分(28)を複数設けるだけで、作業者の労力の軽減及び安全性の確保を図ることができる。
係止孔(24a,24b)を、前記連結スライド孔(28)の両側に一つずつ設ければ、内板(23)を左右のどちらにスライドさせても、どちらかの係止孔(24a,24b)が調節孔(12)と合致する。よって、調節できる長さの選択可能な範囲が広がり、臨機応変にスライド式バーニヤ金具(20)の全長を調節できる。
実施例1のスライド式バーニヤ金具の使用時の状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。 実施例1のスライド式バーニヤ金具の構成部材を示す図であり、(a)は一対の外板の正面図及び平面図、(b)は内板の正面図及び平面図、(c)は仮連結ボルトと仮連結ナットの平面図、(d)は連結ボルトと連結ナットの平面図である。 実施例1のスライド式バーニヤ金具の長さの調節方法を示すフローチャートである。 実施例1のスライド式バーニヤ金具の長さを縮める場合の調節方法を示す説明平面図であり、(a)は連結スライド孔と重なり合う調節孔に仮連結ボルト等を取り付ける様子を示す図、(b)は連結ボルト等を取り外す様子を示す図、(c)は内板をスライドさせる様子を示す図、(d)は連結ボルト等を取り付ける様子を示す図、(e)は仮連結ボルトを取り外す様子を示す図である。 実施例1のスライド式バーニヤ金具の長さを縮める場合の、内板のスライドについての説明正面図であり、(a)は連結ボルト等を取り外した状態を示す図、(b)は内板の連結スライド孔をスライドさせた状態を示す図である。 実施例1のスライド式バーニヤ金具の長さを伸ばす場合の調節方法を示す説明平面図であり、(a)は連結スライド孔と重なり合う調節孔に仮連結ボルト等を取り付ける様子を示す図、(b)は連結ボルト等を取り外す様子を示す図、(c)は内板をスライドさせる様子を示す図、(d)は連結ボルト等を取り付ける様子を示す図、(e)は仮連結ボルトを取り外す様子を示す図である。 実施例1のスライド式バーニヤ金具の長さを伸ばす場合の、内板のスライドについての説明正面図であり、(a)は連結ボルト等を取り外した状態を示す図、(b)は内板の連結スライド孔をスライドさせた状態を示す図である。 実施例2のスライド式バーニヤ金具の内板を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。 実施例2のスライド式バーニヤ金具全体の長さの調節方法を示すフローチャートである。 実施例2のスライド式バーニヤ金具の使用例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。 スライド式バーニヤ金具の内板のスライド移動についての説明図であり、(a)は内板等が仮連結ボルト等で連結された状態を示す説明平面図、(b)〜(e)は(a)のA−A部における説明断面図であって、スライドする際の、内板の連結スライド孔と仮連結ボルトの軸部との関係を示す図である。 架空送電線と鉄塔の間に取り付けられた従来のバーニヤ金具を、鉄塔側斜め上方から視認した状態を示す斜視図である。 従来のバーニヤ金具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
以下、本発明の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法の好ましい実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は実施例1のスライド式バーニヤ金具10の使用時の状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図1に示すように、スライド式バーニヤ金具10は、一対の外板11と、外板11の間に略半分(一端部)が挟まれ連結される内板13と、外板11と内板13とを連結する連結ボルト15及び連結ナット16と、図示していないが、連結する際に使用され、連結された後に取り外される仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aとからなる。
外板11は複数の調節孔12を有し、内板13は外板11に挟まれる一端側に、係止孔14と連結スライド孔18を一つずつ有する。スライド式バーニヤ金具10の両端は、外板11、内板13に設けられた取付孔17a,17bによって、ボルト71a、61a、直角クレビスリンク71、61を介して、耐張がいし装置又は送電線にそれぞれ回動可能に接続される。
図2は実施例1のスライド式バーニヤ金具10の構成部材を示す図であり、(a)は一対の外板11の正面図及び平面図、(b)は内板13の正面図及び平面図、(c)は仮連結ボルト19と仮連結ナット19Aの平面図、(d)は連結ボルト15と連結ナット16の平面図である。
図2(a)に示すように、一対の外板11は細長い平板状であり、対面するように平行に配設される。そして、外板11は、内板13を連結する位置に、厚さ方向に略平行に空けられた複数の略円形状の調節孔12を有する。複数の調節孔12は、長手方向に等間隔に設けられている。また、調節孔12が設けられている側の反対側端部には、前述した取付孔17aが設けられている。
図2(b)に示すように、内板13は細長い平板状であり、一端側には連結スライド孔18が空けられている。図1に示すように、連結スライド孔18がある一端側を二枚の外板11の間に差し込んで使用する。
連結スライド孔18は、正面視で横長の楕円をつぶしたような形状の長孔であり、I字状のガイド部分18aとその両端の半円状のボルト受け部分18b、18cとからなり、厚さ方向に略平行に切り欠くように形成される。後述する仮連結ボルト19に掛着される際には連結スライド孔18に仮連結ボルト19の軸部19bが挿通され、ボルト受け部分18b、18cによってこの軸部19bが受け止められる。
内板13の連結スライド孔18のある側には、厚さ方向に略平行に空けられた略円形状の係止孔14が一つ設けられている。係止孔14は、その中心点がボルト受け部分18b、18cの中心点と、内板13の長手方向の同一直線上に位置するように設けられている。内板13の他端部には前述した取付孔17bが設けられている。
図2(c)に示すように、仮連結ボルト19は、略六角柱状の頭部19aと略円柱状の軸部19bとからなり、仮連結ナット19Aは六角ナットであり、仮連結ボルト19に締結する。
詳細は後述するが、仮連結ボルト19は、連結スライド孔18と、これと重なり合う一対の外板11の対向する調節孔12とに挿通され、仮連結ナット19Aによって締結される。そして、連結ボルト15及び連結ナット16が取り付けられた後に、取り外される。
図2(d)に示すように、連結ボルト15は、略六角柱状の頭部15aと略円柱状のネジ部15bとからなり、連結ナット16は六角ナットであり、連結ボルト15に締結する。
図1に示すように、連結ボルト15は、一対の外板11の調節孔12と、外板11の間に挿入された内板13の、調節孔12に合致している係止孔14とに挿通される。そして、外板11から突出する連結ボルト15のネジ部15bの先端部分は、適合する連結ナット16によって締結される。なお、連結ナット16はダブルナットとすることが望ましい。
次に、上述した各構成部材の大きさ等について、図2を参照して説明する。
図2(a)、(b)に示すように、外板11の幅aと内板13の幅bは略同じ長さになっている。また、外板11の調節孔12の鉛直方向下側の長さiは、内板13の係止孔14の鉛直方向下側の長さjと略同じである。
そして、外板11の隣り合う調節孔12の中心点の間隔m(以下、1ピッチという)と、連結スライド孔18のボルト受け部分18bの中心点とボルト受け部分18cの中心点との距離nは略同じ距離になっている。
図2(a)〜(d)に示すように、調節孔12の径rと係止孔14の径sと連結スライド孔18の半円状のボルト受け部分18b、18cの径tとは略同じ大きさであり、これらは、仮連結ボルト19の径u及び連結ボルト15の径vと略同じか若干大きくなっている。
仮連結ボルト19の軸部分の長さx及び連結ボルト15の軸部分の長さyは、外板11二枚分の厚さ2dと内板13一枚分の厚さeを足したものよりも長い。
実施例1のスライド式バーニヤ金具10全体の長さの調節方法について図面を参照して説明する。
図3は実施例1のスライド式バーニヤ金具10の長さの調節方法を示すフローチャートである。緊線工具や油圧式工具等の取り付けや取り外しについては、前述した従来のバーニヤ金具50の場合と同様なので省略している。
また、図4は実施例1のスライド式バーニヤ金具10の長さを縮める場合の調節方法を示す説明平面図であり、(a)は連結スライド孔18と重なり合う調節孔12に仮連結ボルト19等を取り付ける様子を示す図、(b)は連結ボルト15等を取り外す様子を示す図、(c)は内板13をスライドさせる様子を示す図、(d)は連結ボルト15等を取り付ける様子を示す図、(e)は仮連結ボルト19を取り外す様子を示す図である。
そして、図5は実施例1のスライド式バーニヤ金具10の長さを縮める場合の、内板13のスライドについての説明正面図であり、(a)は連結ボルト等を取り外した状態を示す図(図4(c)の正面図)、(b)は内板の連結スライド孔をスライドさせた状態を示す図(図4(d)の正面図)である。
最初に、内板13の連結スライド孔18と重なり合う、外板11の調節孔12に、仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aを取り付ける(S101)。
ここではスライド式バーニヤ金具10の長さを縮めるので、二つの調節孔12のうち、取付孔17a側にある方に、仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aを取り付ける。
図4(a)に示すスライド式バーニヤ金具10において、内板13の連結スライド孔18は外板11の二つの調節孔12a,12bと重なり合っている。そこで、スライド式バーニヤ金具10の長さを縮めるために、取付孔17a側にある調節孔12aの方に仮連結ボルト19を挿通し、仮連結ナット19Aで締結する。これにより、外板11と内板23は、仮連結ボルト19等及び連結ボルト15等により、2箇所で連結されていることとなる。
次に、外板11の調節孔12及び内板13の係止孔14から、外板11と内板13とを連結している、連結ボルト15及び連結ナット16を取り外す(S102)。
図4(a)、(b)に示すように、連結ボルト15及び連結ナット16は調節孔12c及び係止孔14に挿通されている。連結ボルト15等を取り外しても、仮連結ボルト19等が取り付けてある(S101)ので、外板11と内板13との連結は切り離されない。
連結ボルト15等を取り外した(S102)後に、連結スライド孔18を利用して内板13をスライドさせる(S103)。
前述したように、連結スライド孔18は、I字状のガイド部分18aとその両端の半円状のボルト受け部分18b、18cとからなる(図2(b)参照)。図4(c)、図5(a)に示すように、仮連結ボルト19の軸部19bは、内板13に空けられた連結スライド孔18のボルト受け部18cに内接している。内板13に矢印方向の力を加えると、仮連結ボルト19の軸部19bはガイド部分18aを通り、図4(d)、図5(b)に示すように、ボルト受け部18bに内接する。これにより、スライド式バーニヤ金具10の長さを1ピッチ縮めることができる。
内板13をスライドさせたら(S103)、連結ボルト15及び連結ナット16を一対の外板11及び内板13に取り付ける(S104)。
内板13をスライドさせたことによって、内板13の係止孔14は、外板11の調節孔12cではなく、調節孔12bと合致する。内板13等を手などで支えてスライドさせた状態を保持し、図4(d)に示すように、調節孔12b及び係止孔14に連結ボルト15を挿通する。そして、外板11の外側に突出した連結ボルト15の先端部分を連結ナット16によって締結する。これにより、支えている手などを離しても、スライド式バーニヤ金具10が所望の長さを保持するように、一対の外板11と内板13が連結される。
連結ボルト15等を取り付けた(S104)後に、仮連結ボルト19と仮連結ナット19Aを一対の外板11及び内板13から取り外す(S105)。
図4(e)に示すように、一対の外板11の調節孔12a及び内板13の連結スライド孔18に取り付けられている仮連結ボルト19と仮連結ナット19Aを取り外す。
以上述べたような方法で、連結ボルト15及び連結ナット16による連結位置を調節孔12cから隣接する調節孔12bに動かし、スライド式バーニヤ金具10の全体の長さを縮めることができる。バーニヤ金具10の全長をさらに縮めたい場合には、所望の長さとなるまで、仮連結ボルト等の取り付け(S101)から仮連結ボルト等の取り外し(S105)を繰り返せばよい。これにより、1ピッチずつスライド式バーニヤ金具10の全長を縮めることができる。
実施例1のスライド式バーニヤ金具10の長さを伸ばす場合の調節方法も基本的には、縮める場合と変わらない。ただ、仮連結ボルト19等を取り付ける位置や内板13を動かす方向、連結ボルト15等を取り付ける位置が異なる。以下、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
また、図6は実施例1のスライド式バーニヤ金具10の長さを伸ばす場合の調節方法を示す説明平面図であり、(a)は連結スライド孔18と重なり合う調節孔12に仮連結ボルト19等を取り付ける様子を示す図、(b)は連結ボルト15等を取り外す様子を示す図、(c)は内板13をスライドさせる様子を示す図、(d)は連結ボルト15等を取り付ける様子を示す図、(e)は仮連結ボルト19を取り外す様子を示す図である。
そして、図7は、実施例1のスライド式バーニヤ金具10の長さを伸ばす場合の、内板13のスライドについての説明正面図であり、(a)は連結ボルト等を取り外した状態を示す図(図5(c)の正面図)、(b)は内板の連結スライド孔をスライドさせた状態を示す図(図5(d)の正面図)である。
最初に、内板13の連結スライド孔18と重なり合う、外板11の調節孔12に、仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aを取り付ける(S111)。
ここではスライド式バーニヤ金具10の長さを伸ばすので、二つの調節孔12のうち、取付孔17aから遠い方に、仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aを取り付ける。
図6(a)に示すスライド式バーニヤ金具10において、内板13の連結スライド孔18は外板11の二つの調節孔12a,12bと重なり合っている。そこで、バーニヤ金具10の長さを伸ばすために、取付孔17aから遠い方にある調節孔12bの方に仮連結ボルト19を挿通し、仮連結ナット19Aで締結する。これにより、外板11と内板23は、仮連結ボルト19等及び連結ボルト15等により、2箇所で連結されていることとなる。
そして、外板11の調節孔12及び内板13の係止孔14から、外板11と内板13とを連結している、連結ボルト15及び連結ナット16を取り外す(S112)。
図6(a)、(b)に示すように、連結ボルト15及び連結ナット16は調節孔12c及び係止孔14に挿通されている。連結ボルト15等を取り外しても、仮連結ボルト19等が取り付けてある(S111)ので、外板11と内板13との連結は切り離されない。
次に、連結スライド孔18を利用して内板13をスライドさせる(S113)。
前述したように、連結スライド孔18は、I字状のガイド部分18aとその両端の半円状のボルト受け部分18b、18cとからなる(図2(b)参照)。図6(c)、図7(a)に示すように、仮連結ボルト19の軸部19bは、内板13に空けられた連結スライド孔18のボルト受け部18bに内接している。内板13に矢印方向の力を加えると、仮連結ボルト19の軸部19bはガイド部分18aを通り、図6(d)、図7(b)に示すように、ボルト受け部18cに内接する。これにより、スライド式バーニヤ金具10の長さを1ピッチ伸ばすことができる。
内板13をスライドさせたら(S113)、連結ボルト15及び連結ナット16を一対の外板11及び内板13に取り付ける(S114)。
内板13をスライドさせたことによって、内板13の係止孔14は、外板11の調節孔12cではなく、調節孔12dと合致する。内板13等を手などで支えてスライドさせた状態を保持し、図6(d)に示すように、調節孔12d及び係止孔14に連結ボルト15を挿通する。そして、外板11の外側に突出した連結ボルト15の先端部分を連結ナット16によって締結する。これにより、支えている手などを離しても、スライド式バーニヤ金具が所望の長さを保持するように、一対の外板11と内板13が連結される。
連結ボルト15等を取り付けた(S114)後に、仮連結ボルト19と仮連結ナット19Aを一対の外板11及び内板13から取り外す(S115)。
図6(e)に示すように、一対の外板11の調節孔12b及び内板13の連結スライド孔18に取り付けられている仮連結ボルト19と仮連結ナット19Aを取り外す。
以上述べたような方法で、連結ボルト15及び連結ナット16による連結位置を調節孔12cから隣接する調節孔12dに動かし、バーニヤ金具10の全体の長さを伸ばすことができる。バーニヤ金具10の全長をさらに伸ばしたい場合には、所望の長さとなるまで、仮連結ボルト等の取り付け(S111)から仮連結ボルト等の取り外し(S115)を繰り返せばよい。これにより、1ピッチずつスライド式バーニヤ金具10の全長を伸ばすことができる。
従来例で述べたように、外板11と内板13は、連結ボルト15を外し切り離してしまうと、それら自体が回動自在に動いてしまう。また、取付孔17a、17bにおいて、直角クレビスリンク61,71,74,76や平行クレビスリンク62などを介して鉄塔等に接続されているので、それらの取付部分でも固定されているわけではなく、水平方向や鉛直方向に動いてしまう。そのため、一度切り離してしまうと、従来例で述べたように、二枚の外板11の調節孔12と内板13の係止孔14を合致させるのは困難である。
しかし、実施例1のスライド式バーニヤ金具10とその長さ調節方法では、連結スライド孔18を有する内板13と仮連結ボルト19を使用することによって、外板11と内板13の連結を切り離さないでスライド式バーニヤ金具10の長さを変えることができる。また、内板13をスライドさせ、外板11と内板13のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように手などで支えれば、係止孔14を、合致していた調節孔12の隣にある二つの調節孔12のうちのどちらか一方と、簡単に合致させることができる。これにより、スライド式バーニヤ金具10の長さを、容易に、1ピッチずつ伸ばしたり、縮めたりすることができる。そして、数ピッチの伸縮が必要な場合であっても、この作業を繰り返すことにより、スライド式バーニヤ金具10の長さを所望の長さとすることができる。
このように、本発明のスライド式バーニヤ金具10を使用すれば、調節孔12を係止孔14と容易に合致させることができるだけでなく、外板11と内板13を切り離さずに長さ調節ができるので、前述した緊線工具等による二重防護をする手間を省き、高所作業の労力を削減することができる。
そのため、経験の浅い作業者でもスライド式バーニヤ金具10の長さを調節する作業を行なうことができ、また、一人で行うことも可能となる。危険を伴う高電圧、高所の作業の安全を二人以上の作業者同士で確認し合いながら行なう必要がないので、時間を短縮し、作業者の労力の軽減を図ることもできる。さらにこのような作業を行うには、従来のバーニヤ金具50の内板53に簡単な加工を行い、適切な大きさの仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aを準備するだけでよいので、経済的である。
連結スライド孔18や係止孔14の位置、形状、数は、本実施例の構成に限られない。例えば、連結スライド孔18と係止孔14の配置が逆でも良い。また、連結スライド孔18のボルト受け部分18bの中心点とボルト受け部分18cの中心点との間隔nが、隣り合う調節孔12の間隔m(1ピッチ)の正の整数倍となるようにしても良い。一度に伸縮できるピッチ数を大きくすることができる。このように連結スライド孔18は、仮連結ボルト19等を取り付けることにより、外板11と内板13の連結を切り離さずスライドさせて、バーニヤ金具10の全長を変えることができれば良い。
連結ボルト15や連結ナット16、仮連結ボルト19や仮連結ナット19Aについても、上述した形状に限られず、外板11と内板13を連結できれば良い。
外板11及び内板13の幅は、重量を軽減するために、強度が保てる範囲で狭い方がよい。なお、内板13の一端側に、内板13の平面に対して垂直であり、長手方向に対して平行となる平面部分を形成し、そこに取付孔17bを設けても良い。これにより、直角クレビスリンク61を介さずに、平行クレビスリンク62に接続することができる。直角クレビスリンクのコストを削減できるとともに、ボルト等で取り付ける手間も省くことができる。
図8は実施例2のスライド式バーニヤ金具20の内板23を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
実施例2のスライド式バーニヤ金具20は、実施例1のスライド式バーニヤ金具10と、内板13のみが異なるものである。以下、実施例2のスライド式バーニヤ金具20について図面を参照して説明する。なお、実施例1と同じ構成部分については、図1,2,4〜7と同じ符号が付してある。
図8に示すように、実施例2のスライド式バーニヤ金具20の内板23は、細長い平板状であり、一端部(外板11に介在する側)には、長手方向に略一列に並ぶように、1つの連結スライド孔28とその両側に一つずつ空けられた係止孔24a,24bとを有する。また、他端部には取付孔17bを有する。
内板23の幅bは外板11の幅aと略同じであり、外板11の調節孔12の鉛直方向下側の長さiは、内板23の係止孔24a,24bの鉛直方向下側の長さjと略同じである(図2(a)参照)。
また、図8(a)に示すように、連結スライド孔28の下方の、内板23の下辺には鉛直方向下側に突出する突縁部30が設けられている。後述するように、この突縁部30の幅cは、連結スライド孔28の一番取付孔17bに近いボルト受け部分28(図11の場合は28が該当)に仮連結ボルト19が取り付けられていても、内板23を鉛直方向上方に動かしたときに、軸部19bから、ボルト受け部分28を外すことができる大きさとなっている(図11(c)参照)。
係止孔24a,24bは、厚さ方向に略垂直に空けられた略円形状の孔であり、その径sは、実施例1と同様で調節孔12の径rと略同じ大きさであり、仮連結ボルト19の径u及び連結ボルト15の径vと略同じか若干大きくなっている(図2(b)、(c)参照)。
連結スライド孔28の形状は、実施例1と異なり、内板23の長手方向を長辺とする略矩形状のスライド部分28wと、外板11に空けられた調節孔12の数よりも一つ少ない、六つの略半円状のボルト受け部分28〜28とからなる。ボルト受け部分28〜28は、スライド部分28wの上辺の一端から他端にかけて上側に突出するように等間隔に設けられている。
連結スライド孔28の半円状のボルト受け部分28〜28の径tは、係止孔24a,24bの径sと略同じである。そして、連結スライド孔28の両端にあるボルト受け部分28,28の中心点と、それと近い位置にある係止孔24b,24aの中心点との距離p、連結スライド孔28の隣合うボルト受け部分28〜28の中心点の間隔nは、外板11の隣り合う調節孔12の中心点の間隔m(1ピッチ)と略同じ距離になっている。
図9は実施例2のスライド式バーニヤ金具20全体の長さの調節方法を示すフローチャートである。以下、実施例2のスライド式バーニヤ金具20の全長の調節方法について図面を参照して説明する。
最初に、スライド式バーニヤ金具20を所望の長さとすることができるボルト受け部分28及びそれに合致している調節孔12を、一組選択する(S201)。
図10は実施例2のスライド式バーニヤ金具20の使用例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。図10に示すスライド式バーニヤ金具20の連結ボルト15は、係止孔24bとそれに合致している調節孔12aとに挿通され、連結ナット16によって締結されている。このスライド式バーニヤ金具20の場合、連結スライド孔28は、六つのボルト受け部分28〜28を有し、それぞれが調節孔12b〜12gに合致している。
このバーニヤ金具20の全長をxピッチ(1≦x≦5、xは整数)伸ばす場合には、内板23の外板11に介在している部分をxピッチ分引き出せばよい(矢印a方向に内板23をxピッチ分移動させればよい)。よって、ボルト受け部分28(1≦k≦6−x、、kは整数)の中から、取り付けやすい位置にあるものとそれに合致している調節孔12(調節孔12b〜12gの中の28に対応する一つ)を一組選択することができる。
また、このスライド式バーニヤ金具20の全長をyピッチ(1≦y≦5、yは整数)縮める場合には、外板11に介在する内板23の部分をyピッチ分増やすように、内板23を移動させればよい(矢印b方向に内板23をyピッチ分移動させればよい)。よって、ボルト受け部分28(y+1≦k≦6、kは整数)の中から、取り付けやすい位置にあるものとそれに合致している調節孔12(調節孔12b〜12gの中の28に対応する一つ)を一組選択することができる。
次に、選択した一組の、内板23のボルト受け部分28とそれに合致している調節孔12とに(S201)、仮連結ボルト19及び仮連結ナット19Aを取り付ける(S202)。
図10に示すスライド式バーニヤ金具20においては、内板23のボルト受け部分28〜28は、外板11の二つの調節孔12b〜12gとそれぞれ重なり合っている。その中から選択した一組(S201)に仮連結ボルト19を挿通し、仮連結ナット19Aで締結すれば、外板11と内板23とは、二箇所で連結されていることとなる。
仮連結ボルト19等を取り付けた(S202)後、外板11の調節孔12及び内板23の係止孔24a,24bから、外板11と内板23とを連結している、連結ボルト15及び連結ナット16を取り外す(S203)。
前述したように、外板11と内板23とは、二箇所で連結されているので、連結ボルト15等を取り外しても、外板11と内板23との連結が切り離されることはない。
連結ボルト15等を取り外した(S203)後に、連結スライド孔28を利用して所望のピッチ数又は移動できる最大のピッチ数、内板23を移動し、スライド式バーニヤ金具20の全長を変える(S204)。
図11はスライド式バーニヤ金具20の内板23のスライド移動(S204)についての説明図であり、(a)は内板23等が仮連結ボルト19等で連結された状態を示す説明平面図、(b)〜(e)は(a)のA−A部における説明断面図であって、スライドする際の、内板23の連結スライド孔28と仮連結ボルト19の軸部19bとの関係を示す図である。
図11(a)に示すスライド式バーニヤ金具20は、仮連結ボルト19が、内板23の連結スライド孔28のボルト受け部28とそれに合致している調節孔12bに、仮連結ナット19Aによって締結されている。例えば、このスライド式バーニヤ金具20の全長を2ピッチ伸ばす方法を図11(b)〜(e)を参照して説明する。
まず、図11(b)に示すように、内板23を鉛直方向上方に動かす(矢印α)。前述したように内板23は、その下辺に突縁部30が設けられている。よって、内板23の突縁部30を手などで上方に押すことで、容易に内板23を鉛直方向上方に動かすことができる。
そして、図11(c)に示すように、調節孔12bによって軸止されている仮連結ボルト19の軸部19b(図11(a)参照)から、ボルト受け部分28を外す。突縁部30を上方に押したまま、軸部19bがスライド部分28wを通過しボルト受け部分28の下方にくるように、内板23を一対の外板11から引き出す(矢印β)。
軸部19bがボルト受け部分28の下方にきたら、内板23の突縁部30以外の部分で、外板11及び内板23を支えるようにすれば(例えば、図10(a)の矢印Xで示す部分)、図11(d)に示すように、内板23は自重で鉛直方向下方に回動する(矢印γ)。そして、図11(e)に示すように、内板23のボルト受け部分28が、仮連結ボルト19の軸部19bによって係止される。
このように内板23をスライドさせたら(S204)、連結ボルト15及び連結ナット16を外板11及び内板23に取り付ける(S205)。
図10に示すように、外板11の調節孔12の数よりも、内板23の係止孔24a,24b及びボルト受け部分28〜28の総数の方が一つ多いので、内板23をどのようにスライド移動させても、必ず内板23の二つの係止孔24a,24bのいずれかが、外板11の調節孔12a〜12gのいずれかと合致する。例えば、図示していないが、図11(e)のように内板23を移動させた場合には、係止孔24aが調節孔12fと合致する。よって合致している一組の係止孔24a(又は24b)と調節孔12とに連結ボルト15を挿通し、連結ナット16で締結することができる。連結ボルト15等を取り付けることで、再び外板11及び内板23は二箇所で連結されることとなる。
連結ボルト15等を取り付けた(S205)後に、仮連結ボルト19と仮連結ナット19Aを、外板11及び内板23から取り外す(S206)。
前述したように、外板11と内板23とは、二箇所で連結されているので、仮連結ボルト19等を取り外しても、外板11と内板23との連結が切り離されることはない。
そして、一度に所望の長さとすることができない場合でも、この作業を繰り返すことにより、実施例2のスライド式バーニヤ金具20の全長を所望の長さにすることができる。
実施例2のスライド式バーニヤ金具20とその長さ調節方法においては、内板23のスライド式連結孔28が、6つのボルト受け部分28〜28とこれらを連ねたスライド部分28wとを有する。ボルト受け部分28〜28によって、内板23を1ピッチ間隔で仮連結ボルト19に係止させることができる。また、スライド式連結孔28をボルト受け部分28〜28とスライド部分28wとから構成するにより、実施例1の場合のように1ピッチずつ伸縮させるだけでなく、一度に最大で5ピッチ伸縮させることが可能であり、作業効率が良い。また、ボルト受け部分28が複数設けられているので、前述したように仮連結ボルト19等を取り付ける位置を選択できる場合には、作業しやすい位置にあるボルト受け部28及び調節孔12を選んで作業することができる。よって、仮連結ボルト19等の取付作業がさらに容易となる。よって、作業者の労力の軽減及び安全性の確保を図ることができる。また、従来のバーニヤ金具50の内板53にスライド式連結孔28や係止孔24a,24bを形成するのも簡単であり、経済的である。
内板23は、外板11の調節孔12の間隔(1ピッチ)と、係止孔24a,24b及び各ボルト受け部分28〜28の間隔とを同じとし、係止孔24a,24bをスライド式連結孔28の両側に二つ設けている。このような構造とすることにより、内板23を左右のどちらにスライドさせても、必ず二つの係止孔24a,24bのどちらかが外板11の調節孔12と合致する。これにより、スライド式バーニヤ金具20の長さは、係止孔24aと調節孔12bとを連結する場合(最長)から係止孔24bと調節孔12gとを連結する場合(最短)までの12段階の調節ができ、臨機応変に長さを変化させることが可能である。
そして、内板23の下辺一端側には突縁部30を設けてあるので、内板23をスライド移動させるときには、突縁部30を鉛直方向上方に押すことで仮連結ボルト19の軸部19bからボルト受け部分28を外し、スムーズに移動させることができる。
また、内板23の係止孔24aの鉛直方向下側の長さjは、外板11の調節孔12の鉛直方向下側の長さiと略同じであるので、突縁部30から手を離し、係止孔24aの下側の部分(図10(a)のX部分)を支えればよい。内板23は自重により鉛直方向下方に押されるので、仮連結ボルト19の軸部19bに新たなボルト受け部分28を係止させることができる。さらに、連結ボルト15を挿通するときには、外板11と内板23が直線状となるように支えるだけでよい。このような形状にすることにより、作業し易くなり、作業者の負担も少なくなる。さらに、この突縁部30は、内板23の連結スライド孔28部分の強度を保つ役目も果たす。
なお、図示していないが、外板11及び内板23の鉛直方向上側の面には、調節孔12、係止孔24a,24bやボルト受け部分28〜28の位置がわかるように目盛りなどをつけることが望ましい。内板23は一対の外板11に介在させるため、その孔の位置がわかりにくいからである。
また、内板23をスライド移動させた後に、仮連結ボルト19等が取り付けてある位置以外の調節孔12とそれに合致しているボルト受け部分28がある場合には、そこに外板11と内板23とを一時的に直線状に保つための保持ボルトを挿通するようにしても良い。外板11等を支える必要がないので、作業者は両手を使って連結ボルト15等の取付作業を行うことが出来る。
本実施例では連結スライド孔28を二つの係止孔24a,24bの間に形成したが、連結スライド孔28や係止孔24a,24bの位置、形状、数はこの構成に限られない。例えば、ボルト受け部分28〜28は、スライド部分28wの下辺に、下側に突出するように設けてもよい。突縁部30の位置、形状、大きさ等もこれに限られない。例えば、内板23自体の幅bを大きくして、一部分を切り欠いてもよい。幅の大きい部分に突縁部30の役割を持たせ、新たなボルト受け部分28を係止させる際には、切り欠いた部分を支えるようにしても良い。また、内板23の取付孔17bのある一端側の形状も、実施例1で述べたようにこの構造に限られない。
本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、連結スライド孔18,28や仮連結ボルト19等を利用して外板11と内板13,23の連結を切り離さずに、バーニヤ金具の長さを調節できれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。外板11と内板13,23の形状等を逆にしてもよい。特に実施例2においては、内板23の強度が弱い場合には、二枚の外板として構成し、スライド式バーニヤ金具に掛かる力を二箇所で支えるようにしても良い。
本発明の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具とその長さ調節方法は、長さ調節が必要な様々な接続箇所において利用する事ができる。
10,20 スライド式バーニヤ金具
11 外板
12 調節孔
13,23 内板
14,24a,24b 係止孔
15 連結ボルト
16 連結ナット
17a,17b 取付孔
18,28 連結スライド孔
19 仮連結ボルト
19A 仮連結ナット

Claims (4)

  1. 架空送電線の弛度を調節するバーニヤ金具であって、
    一端側には長手方向に一列に空けた複数の調節孔(12)を、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17a)を有し、対面するように平行に配設される一対の細長い平板状の外板(11)と、
    該一対の外板に介在させる一端側には長手方向に設けた連結スライド孔(18,28)及び係止孔(14,24a,24b)を、該連結スライド孔の、内板の長手方向における長さが、前記外板の隣り合う調節孔の、中心点の間隔の正の整数倍に、調節孔の径を加えた長さになるように設け、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17b)を有する、細長い平板状の内板(13,23)と、
    バーニヤ金具の全体の長さを所望の長さとするために選択された、前記調節孔及び前記係止孔を連結するための、連結ボルト(15)と、
    該連結ボルトを締結する連結ナット(16)と、
    前記調節孔及び前記連結スライド孔に一時的に取り付けられ、前記連結ボルトを前記連結ナットで締結した後に外される仮連結部材(19,19A)と、を備え、
    一対の前記外板と前記内板とを連結した状態を保ちつつ、該内板をスライドさせて長さ調節を行なうように構成した、ことを特徴とする仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具。
  2. 前記連結スライド孔(28)は、内板(23)の長手方向を長辺とする略矩形状のスライド部分(28w)と、スライド部分の上辺又は下辺に設けられ、前記仮連結部材が係合する複数のボルト受け部分(28)とからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具。
  3. 前記係止孔(24a,24b)は、
    前記連結スライド孔(28)の両側に一つずつ設けられた、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具。
  4. 架空送電線の弛度を調節するバーニヤ金具において、
    長手方向に設けた連結スライド孔(18,28)及び係止孔(14,24a,24b)を一端側に有する、細長い平板状の内板(13,23)の該連結スライド孔と、
    対面するように平行に配設され、前記内板の前記一端側が介在する一端部に、長手方向に一列に空けられた、複数の対向する調節孔(12)を有する一対の細長い平板状の外板(11)の該調節孔のうち、前記連結スライド孔と重なり合うものの中から選択された、対向する調節孔とに、前記内板及び前記一対の外板を仮連結する仮連結部材(19,19A)を取り付け(S101,S111,S202)、
    前記係止孔及び対向する前記調節孔に取り付けられ、前記内板及び前記一対の外板の連結している連結部材(15,16)を取り外し(S102,S112,S203)、
    前記内板を略長手方向にスライド移動させ、バーニヤ金具の全長を伸縮し(S103,S113,S204)、
    前記係止孔と、該係止孔に合致する調節孔とに前記連結部材を取り付け(S104,S114,S205)、
    前記仮連結部材を前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S105,S115,S206)、ことを特徴とする仮連結機能を有するスライド式バーニヤ金具の長さ調節方法。
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