JP5806629B2 - 鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材 - Google Patents

鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材 Download PDF

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Description

本発明は、塑性変形等の損傷を受けることにより構造部材としての機能を十分に発揮し得なくなった不全構成部材を新規構造部材に交換する際に用いる鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材に関する。
通常、鉄塔においては、腹材等の構造部材が腐食等により自然に劣化することがあるが、その場合には、その劣化した構造部材を新規構造部材に交換することが行われる。その交換の際には、専用の部材交換治具を用いることで、劣化した構造部材に作用する荷重を肩代わりした上で、当該劣化した構造部材を新規構造部材に交換することになる(例えば特許文献1)。その場合の新規構造部材は、交換前の構造部材と同一寸法のものが用いられる。
一方、大地震等により、設計上の最大荷重を超えるような大きな外力が鉄塔に作用することがあるが、その際には鉄塔を構成する構造部材に塑性変形等の損傷が生じることがある。この場合は、その損傷を受けた不全構造部材を新規構造部材に交換することで、鉄塔を修復することができる場合がある。
そのようにして鉄塔を修復する場合には、上述した部材交換治具を用いることにより、不全構造部材を取り外して新規構造部材に取り替えることになる。また、部材交換治具から鉄塔に作用する力を利用して、鉄塔の形状を修復することも可能である。
但し、大地震等が発生した場合には、鉄塔が全体的に変形している場合が多いことから、上述した部材交換治具のみでは鉄塔を元の形状に十分に復元することが困難な場合がある。従って、そのような場合には新規構造部材の長さを鉄塔の形状に合うように調整することになる。
ところが、新規構造部材の長さ調整は、鉄塔における足場の悪い高い場所において行われることになることから、危険を伴う作業となることが多い。しかも、その長さ調整は、新たな地震や突風等の発生を考慮して、短時間で終了させなければならないと共に、その長さを調整した部分について十分な強度が要求されるという問題があった。
特開2001−268758号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、足場の悪い高所においても新規構造部材の長さを簡単にかつ安全に短時間で調整することができ、かつその調整した部分について十分な強度を得ることができる鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、塑性変形等の損傷を受けた不全構造部材を新規構造部材に交換することによって鉄塔を修復する際に前記新規構造部材の長さを調整するために用いる鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材であって、前記新規構造部材における軸方向の所定の位置に当該軸方向に互いに対向するように設けた一対のフランジの間に挿入されると共に、前記一対のフランジを連結する複数のボルトの締め付け力によって当該フランジの間に保持されるように平板状に形成されており、かつ前記一対のフランジの間に挿入される際に、当該一対のフランジに掛け渡された状態にある前記ボルトの挿入を許容するスリットが形成されていると共に、前記一対のフランジの間に挿入された状態において当該各フランジの外周縁から外側に突出する突部が形成されていることを特徴としている。
なお、前記スリットは、一又は二以上のボルトに対応するように一つ設けたものであっても、二以上の所定のボルトのそれぞれに対応するように複数設けたものであってもよい。また、一対のフランジについては、新規構造部材の軸方向の所定の一の箇所又は複数の箇所に設けられているものであってもよい。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記一対のフランジに掛け渡される複数のボルトのうち所定のボルトに対応する位置に当該所定のボルトを差し通す落下防止孔が形成されていることを特徴としている。
なお、前記落下防止孔は、一つであることが好ましいが、二以上(但し、全てのボルトの数より少ない数)のボルトに対応するように複数形成してもよい。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スリットは、直線状に延在するように形成されていることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スリットは、前記ボルトのうち所定の一のボルトに対応する位置を中心にして、円弧状に形成されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、一対のフランジの間に挿入する数量を調整することにより、その数量に応じた長さに新規構造部材の長さを調整することができる。また、一対のフランジに掛け渡された状態にあるボルトの挿入を許容するスリットが形成されているので、ボルトをフランジから外すことなく当該フランジの間に簡単に挿入することができると共に、当該ボルトを例えばナットを介して締め付けることにより、一対のフランジの間に強固に固定することができる。
従って、足場の悪い高所においても、新規構造部材の長さを簡単にかつ安全にしかも短時間で調整することができると共に、長さを調整した部分について十分な強度を得ることができる。しかも、厚さの異なるものを複数用意しておくことにより、新規構造部材を種々の長さに効率よく調整することができる。
しかも、一対のフランジの間に挿入された状態において当該各フランジの外周縁から外側に突出する突部が形成されているので、その突部に例えばロープ等のフレキシブル連結手段を連結することにより、長さ調整作業中に、本発明の長さ調整部材が落下するのを防止することができる。なお、突部とフレキシブル連結手段との連結は、当該突部に例えば貫通孔を形成しておくだけで簡単に行うことができる。即ち、その貫通孔にフレキシブル連結手段を挿入して結びつける等することにより、突部とフレキシブル連結手段との連結を簡単に行うことができる。なお、フレキシブル連結手段は、それ自体が落下するのを防止するため、鉄塔における他の構造部材や、新規構造部材等に巻き付けるなどして固定しておく必要があることはいうまでもない。また、上述した貫通孔に代えて、突部をフック等の形状に形成することにより、当該突部とフレキシブル連結手段との連結が容易になるように構成してもよい。
請求項に記載の発明によれば、所定のボルトを差し通す落下防止孔が形成されているので、スリットの部分がボルトに対して滑るようなことがあっても、本発明の長さ調整部材が一対のフランジの間から抜け出でようとするのを防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、スリットが直線状に延在するように形成されているので、各フランジの間に長さ調整部材を直線的に挿入するだけで、当該長さ調整部材を各フランジの間に簡単に挿入することができる。従って、新規構造部材の長さを簡単に調整することができる。
請求項に記載の発明によれば、長さ調整部材のスリットが所定の一のボルトに対応する位置を中心にして、円弧状に形成されているので、当該一のボルトを支点にして長さ調整部材を回転するだけで、当該長さ調整部材を各フランジの間に簡単に挿入することができる。
本発明の実施例1として示した鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を用いて長さ調整した新規構造部材により修復した後の鉄塔の要部正面図である。 同鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材であって一対のフランジの間に挟持された状態を示す正面図である。 同鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を示す図であって、(a)は図2のA−A線に沿う断面図であり、(b)はフランジの正面図であり、(c)は長さ調整部材の正面図である。 同鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材の作用を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図であり、(a)は長さ調整部材の一部を一対のフランジの間に挿入した直後の状態を示す断面図であり、(b)は長さ調整部材を直線状に挿入する過程を示す断面図であり、(c)は長さ調整部材をフランジの間に完全に挿入した後の状態を示す断面図である。 本発明の実施例2として示した鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図である。 同鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材の作用を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図であり、(a)は長さ調整部材の一部を一対のフランジの間に挿入した直後の状態を示す断面図であり、(b)は長さ調整部材を直線状に挿入する過程を示す断面図であり、(c)は長さ調整部材をフランジの間に完全に挿入した後の状態を示す断面図である。 本発明の実施例3として示した鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図である。 同鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材の作用を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図であり、(a)は長さ調整部材の一部を一対のフランジの間に挿入することによって回転中心用の一のスリット内に所定の一のボルトを挿入した後の状態を示す断面図であり、(b)は長さ調整部材について一のボルトを中心にして回転しながらフランジの間に挿入する過程を示す断面図であり、(c)は長さ調整部材をフランジの間に完全に挿入した後の状態を示す断面図である。 本発明の実施例4として示した鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図である。 同鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材の作用を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図であり、(a)は長さ調整部材の一部を一対のフランジの間に挿入し落下防止孔内に所定の一のボルトを挿入した後の状態を示す断面図であり、(b)は長さ調整部材を落下防止孔に挿入したボルトを中心にして回転しながらフランジの間に挿入する過程を示す断面図であり、(c)は長さ調整部材をフランジの間に完全に挿入した後の状態を示す断面図である。 上記実施例1〜4とは異なる複数の鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材を示す図であって、図2のA−A線に対応する線に沿う断面図であり、(a)は周方向に等配された6本のボルトに対して4本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(b)は周方向に等配された4本のボルトに対して3本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(c)は周方向に等配された4本のボルトに対して2本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(d)は周方向に等配された8本のボルトに対して5本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(e)は周方向に等配された8本のボルトに対して4本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(f)は周方向に等配された10本のボルトに対して5本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(g)は周方向に等配された10本のボルトに対して4本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(h)は周方向に等配された7本のボルトに対して5本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図であり、(i)は周方向に等配された5本のボルトに対して5本の直線状のスリットを有する長さ調整部材を示す断面図である。
本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳細に説明する。
この実施例1で示す鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材(以下「発明を実施するための形態」の欄において「長さ調整部材」という)1は、図1に示すように、鉄塔Tにおける図示しない不全構造部材に代えて損傷のない新規構造部材としての第1の斜材S1及び第2の斜材S2に交換する際に、当該第1の斜材S1及び第2の斜材S2の長さを調整するために用いられるようになっている。
ここで鉄塔Tは、地上において所定の間隔をおいて設置された4基の主柱材P(図1は鉄塔Tの正面における2基の主柱材P1、P2を示す。)を有し、これらの主柱材Pを連結する第1の斜材S1及び第2の斜材S2等の腹材(新規構造部材)を有する構成になっている。
また、図1において、Wは部材交換治具であり、この部材交換治具Wは、例えば左右の主柱材P1、P2に荷重を作用させると共に、その荷重を調整することで、塑性変形等の損傷を生じた不全構造部材としての図示しない第1の斜材(第1の斜材S1に対応する位置に存在していたもの)に作用する荷重を肩代わりし、これによりその第1の斜材を取り外すことを可能とし、当該第1の斜材を取り外した後は主柱材P1、P2間の荷重を調整することで、鉄塔Tの形状を修正することを可能にするものである。損傷した第1の斜材に代わる新規の第1の斜材S1は、その鉄塔Tの形状を修正した後に、取り付けられることになる。
但し、部材交換治具Wを用いても、鉄塔Tを元の形状に完全に復元できない場合があるので、その場合には長さ調整部材1を用いて、第1の斜材S1や第2の斜材S2の長さを調整することになる。
図1は、長さが調整された第1の斜材S1や第2の斜材S2によって鉄塔Tが修復された後の状態を示している。なお、第1の斜材S1及び第2の斜材S2は、その一端部が主柱材P1、P2のガセットプレートGにボルト及びナットBNによって連結され、その他端部が中間プレートMにボルト及びナットBNによって連結されている。
また、鉄塔Tは、いわゆる鋼管鉄塔を示すものであり、主柱材P1、P2や、斜材S1、S2の主軸部が鋼管によって構成されたものとなっている。そして、この例においては、電線などの架空線等から鉄塔Tに作用する外力により、第1の斜材S1には引張荷重が作用し、第2の斜材S2には圧縮荷重が作用するものを想定している。
なお、第1の斜材S1と第2の斜材S2は、同様の構成になっていることから、その一方の第1の斜材S1について説明することにより、当該第1の斜材S1の長さを調整する長さ調整部材1について説明する。
第1の斜材S1は、図2及び図3に示すように、その主軸部としての鋼管の軸方向の中間部(この例では軸方向の中央部)に1つの分断部Saが形成されている。その分断部Saには、互いに対向するように一対のフランジとして一方のフランジSb及び他方のフランジScが平行に対向するように設けられている。
一方のフランジSbは、中空の円板状に形成されたものであり(図3(b)参照)、分断部Saで分断された一方の鋼管Sdの端部に同軸状に溶接されており(図2参照)、鋼管Sdの外周面より半径方向の外側に突出する鍔部には周方向に一定の間隔をおいて複数(この例では6つ)のボルト挿通孔Sb1が形成されている(図3(b)参照)。他方のフランジScも、一方のフランジSbと同一の外観形状を有し、他方の鋼管Seの端部に同軸状に溶接されており(図2参照)、一方のフランジSbにおける各ボルト挿通孔Sb1に対応する位置に当該各ボルト挿通孔Sb1と同径のボルト挿通孔Sc1を有している(図3(b)参照)。
長さ調整部材1は、各フランジSb、Scの外径と同径の円形の平板状に形成されたものであり、各フランジSb、Scの間に同軸状に挿入された上で、これらのフランジSb、Scを互いに密接させる方向に締め付ける複数(この例では6つ)のボルトB1とこれに螺合するナットN1によって当該フランジSb、Scの間に挟持されるようになっている。
ボルトB1は、長さ調整部材1を挟んだ状態における各フランジSb、Scの各ボルト挿通孔Sb1、Sc1に挿入されることになる通しボルトであり、複数の長さ調整部材1を挟持した状態においてもその先端部にナットN1が十分螺合するように、雄ねじ部の長さが設定されている。
また、長さ調整部材1は、図3に示すように、フランジSb、Scの間に挿入する際に、当該フランジSb、Scを連結するすべてのボルトB1のそれぞれについての挿入を可能にする複数(この例では3つ)のスリット1a、1b、1cが形成されている。一のスリット1aは、円板状の長さ調整部材1の中心を通るように直線状に形成され、他の2つのスリット1b、1cは、一のスリット1aの両側にあって、当該スリット1aに対して線対称となるように直線状に平行に形成されている。
即ち、図3(c)に示すように、長さ調整部材1の円板の中心を通り図面において水平方向に延在する直線L1を想定した場合に、スリット1a、1b、1cは、直線L1の一方の側(図面において下側)の長さ調整部材1の外周縁から当該直線L1に直交するように直線状に形成されている。そして、一のスリット1aは、図3(a)〜(c)に示すように、フランジSb、Scの周方向に6等分された各位置のボルト挿通孔Sb1、Sc1を通るボルトB1のうち、当該フランジSb、Scの中心を通り直線L1に直交する直線L2上に位置する2位置のボルト挿通孔Sb1、Sc1を通るボルトB1が共に挿入可能になっている。他の2つのスリット1b、1cは、直線L2に平行な直線L3、L4上に配置されたボルト挿通孔Sb1、Sc1のそれぞれに通された上下のボルトB1が共に挿入可能になっている。
また、各スリット1b、1cの長さは、当該各スリット1b、1cの最奥部がそれぞれ各ボルトB1に当たって、長さ調整部材1の移動が阻止された状態において、当該長さ調整部材1の外周面がフランジSb、Scの外周面と一致した状態となる(即ち、長さ調整部材1がフランジSb、Scと同軸状となる)ような長さに設定されている。また、スリット1aの長さは、上記のように長さ調整部材1の移動が阻止された状態において、最奥部がボルトB1に対して若干の隙間が生じるような長さに設定されている。一方、各スリット1a、1b、1cの幅は、ボルト挿通孔Sb1、Sc1の径とほぼ同一に設定されている。
また、長さ調整部材1は、フランジSb、Scの間に挿入され、その外周面がフランジSb、Scの外周面とほぼ一致した状態において、当該フランジSb、Scの外周縁から外側に突出する突部1dを有している。この突部1dは、長さ調整部材1における円板状の本体部と同一の厚さに形成されており、そのほぼ中央部には円形状の貫通孔1eが形成されている。また、突部1dは、スリット1aの最奥部に対応する位置であって当該スリット1aと同軸状の位置に形成されている。
上記のように構成された長さ調整部材1においては、フランジSb、Scの間に挿入する数量によって、第1の斜材S1の長さを調整することができる。また、ボルト挿通孔Sb1、Sc1に挿入することによってフランジSb、Scに掛け渡された状態となる各ボルトB1の挿入を許容するスリット1a、1b、1cが形成されているので、各ボルトB1をフランジSb、Scから外すことなく当該フランジSb、Scの間に簡単に挿入することができる。しかも、各ボルトB1に対してナットN1を締め付けることにより、一対のフランジSb、Scを強固に連結することができると共に、当該フランジSb、Scの間に長さ調整部材1を確実に固定することができる。
従って、鉄塔Tにおける足場の悪い高所においても、第1の斜材S1の長さを簡単にかつ安全にしかも短時間で調整することができると共に、長さを調整した部分について十分な強度を得ることができる。しかも、長さ調整部材1として厚さの異なるものを複数用意しておくことにより、第1の斜材S1の長さを種々の長さに効率よく調整することができる。
また、長さ調整部材1の外周部に突部1dが形成されているので、その突部1dの貫通孔1eに例えばロープ(フレキシブル連結手段)(図示せず)を連結することにより、長さ調整作業中に、長さ調整部材1が落下するのを防止することができる。なお、ロープについては、それ自体が落下するのを防止するため、第1の斜材S1や、鉄塔における他の構造部材等に巻き付けるなどして連結しておく必要がある。
更に、各スリット1a、1b、1cが互いに平行に直線状に延在するように形成されているので、図4(a)〜(c)に示すように、長さ調整部材1を直線的に挿入するだけで、当該長さ調整部材1を各フランジSb、Scの間に簡単に挿入することができる。即ち、第1の斜材S1の長さを簡単に調整することができる。また、長さ調整部材1をフランジSb、Scの間に完全に挿入した状態において、スリット1b、1cの2点が各ボルトB1によって支持された状態になるので、当該長さ調整部材1がフランジSb、Scの間において安定した状態になるという利点がある。
次に、本発明の実施例2を図5及び図6を参照して説明する。但し、図1〜図4に示した実施例1の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この実施例2で示す長さ調整部材2が実施例1の長さ調整部材1と異なる点は、その実施例1で示したスリット1aに代えて、スリット1f及び落下防止孔1gを設けている点である。
即ち、スリット1fは、直線L2上の2位置のボルトB1のうち、長さ調整部材2における直線L1の一方の側(図5において下側)のボルトB1のみが挿入可能なように形成されている。また、このスリット1fの長さは、長さ調整部材2がフランジSb、Scの間に完全に挿入された状態において、その最奥部がボルトB1に対して隙間があくような長さに設定されている。
落下防止孔1gは、直線L2上の2位置のボルトB1のうち、直線L1の他方の側(図5において上側)のボルトB1のみが挿入可能なように、長さ調整部材2に貫通孔として形成されている。即ち、落下防止孔1gは、長さ調整部材2がフランジSb、Scの間に完全に挿入された状態において、所定のボルト挿通孔Sb1、Sc1とほぼ同軸となる位置に形成されている。落下防止孔1gの径は、ボルト挿通孔Sb1、Sc1とほぼ同径である。
上記のように構成された長さ調整部材2においては、図6(a)〜(c)に示すように、落下防止孔1gに挿入するボルトB1とを除いた全てのボルトB1を各ボルト挿通孔Sb1、Sc1に挿入した状態において、当該長さ調整部材2を直線状に移動することにより、各スリット1b、1c、1fのそれぞれに各ボルトB1が入ることになる。この際、スリット1b、1cの2点がそれぞれ各ボルトB1に当たることで、長さ調整部材2がフランジSb、Scの間の正規の位置に完全に挿入された状態になる。
そこで、残る一本のボルトB1をボルト挿通孔Sb1、Sc1及び落下防止孔1gに挿入し、他のボルトB1と同様にナットN1で締め付けることにより、所定の長さに設定され、強固に一体的に連結された第1の斜材S1を得ることができる。
そして、長さ調整部材2に落下防止孔1gが形成されているので、各ボルトB1についてナットN1を締め付ける前の仮止めの状態においても、例えばスリットの部分がボルトに対して滑ることにより、当該長さ調整部材2がフランジSb、Scの間から抜け出ようとするのを確実に防止することができる。
次に、本発明の実施例3を図7及び図8を参照して説明する。但し、図1〜図4に示した実施例1の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この実施例3で示す長さ調整部材3が実施例1の長さ調整部材1と異なる点は、その実施例1で示したスリット1a、1b、1cに代えて、スリット1h、1i、1j、1kを設けている点である。
即ち、スリット1hは、一のボルトB1が挿入可能になっていると共に、その最奥部に当該一のボルトB1を当接させた状態で長さ調整部材3を回転させることにより、当該長さ調整部材3をフランジSb、Scの間における当該フランジSb、Scと同軸状の位置に挿入可能とするようになっている。
一方、他のスリット1i、1j、1kは、上記のようにスリット1hの最奥部を一のボルトB1に当てた状態で長さ調整部材3を所定の方向に回転させた場合において、他の5つの各ボルトB1がそれぞれ挿入可能なように、長さ調整部材3における所定の外周縁から円弧を描くように形成されている。
スリット1hから最も離れた位置にあるスリット1kの長さは、その最奥部がボルトB1に当接した際に、長さ調整部材3がフランジSb、Scと同軸状になるように設定されている。一方、スリット1i、1jの長さは、長さ調整部材3がフランジSb、Scと同軸状になった状態においても、その最奥部とボルトB1との間に僅かな隙間が生じるように設定されている。
即ち、スリット1h、1kにおける各最奥部がそれぞれボルトB1に当接することで、長さ調整部材3が2点の位置で安定的に支持されるようになっている。なお、スリット1h、1i又はスリット1h、1jのそれぞれの最奥部で長さ調整部材3を支持するようにしてもよい。
上記のように構成された長さ調整部材3においては、図8(a)〜(c)に示すように、スリット1h内に所定の一のボルトB1を挿入してから、そのボルトB1を中心にして長さ調整部材3を所定の方向に回転すると、他のボルトB1が各スリット1i、1j、1kに入り、当該長さ調整部材3がフランジSb、Scとほぼ同軸状になった時点でスリット1kの最奥部がボルトB1に当接し、当該長さ調整部材3がフランジSb、Sc間の正規の位置に完全に挿入された状態になる。
従って、各フランジSb、Scに全てのボルトB1を掛け渡した状態において、長さ調整部材3をフランジSb、Sc間の正規の位置に簡単かつ確実に挿入することができる。
次に、本発明の実施例4を図9及び図10を参照して説明する。但し、図7及び図8に示した実施例3の構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。この実施例4で示す長さ調整部材4が実施例3の長さ調整部材3と異なる点は、その実施例3で示したスリット1hに代えて、落下防止孔1mを設けている点である。
落下防止孔1mは、長さ調整部材4におけるスリット1i、1j、1kの各円弧のほぼ中心となる位置に、所定のボルトB1が貫通する孔として形成されている。即ち、落下防止孔1mは、長さ調整部材4がフランジSb、Scの間に完全に挿入された状態において、所定のボルト挿通孔Sb1、Sc1とほぼ同軸状の位置にあって、当該ボルト挿通孔Sb1、Sc1に挿入された一のボルトB1が貫通するように形成されている。また、落下防止孔1mの径は、ボルト挿通孔Sb1、Sc1とほぼ同径に形成されている。
上記のように構成された長さ調整部材4においては、図10(a)〜(c)に示すように、フランジSb、Scの間における所定の一のボルトB1を取り外した部位に、長さ調整部材4における落下防止孔1mの部分を挿入した上で、その落下防止孔1m及びこれに対応するボルト挿通孔Sb1、Sc1にその一のボルトB1を挿入する。そして、長さ調整部材4を所定の方向に回転することにより、各スリット1i、1j、1k内に他のボルトB1が入ることで、当該長さ調整部材4がフランジSb、Scの間に挿入可能となり、スリット1kの最奥部がボルトB1に当たることで、長さ調整部材4がフランジSb、Scの間における正規の位置に完全に挿入された状態になる。
そこで、全てのボルトB1についてナットN1を介して締め付けることにより、所定の長さに設定され、強固に連結された第1の斜材S1を得ることができる。
また、長さ調整部材4に落下防止孔1mが形成されているので、各ボルトB1をナットN1で締め付ける前の仮止め状態において、スリット1i、1j、1kの部分がボルトB1に対して滑ることにより、当該長さ調整部材4がフランジSb、Scの間から完全に抜け出してしまうのを防止することができる。但し、実施例3のスリット1hをそのまま維持し、当該実施例3のスリット1kに代えて落下防止孔を形成することにより、実施例4の長さ調整部材を構成した場合には、スリット1h、1i、1jの部分がボルトB1に対して滑ることにより、当該長さ調整部材4がフランジSb、Scの間から抜け出ようとするのを確実に防止することができる。
なお、上述した実施例1においては、各フランジSb、Scの周方向に6等分した各位置に配置した6本のボルトB1に対して挿入を可能にする3本のスリットを備えた長さ調整部材1について示したが、この長さ調整部材としては、例えば図11(a)に示すように、同じく6本のボルトB1に対して4本のスリット1nを有する長さ調整部材5であってもよく、また図(b)〜(i)等に示すように、周方向に等配された種々の本数のボルトB1に対して、これらのボルトB1の挿入を可能にする種々の本数のスリット1nを有する長さ調整部材5であってもよい。また、スリット1nの幅は一定のものに限らない。しかも、スリット1nは、図示はしないが、所定の一のボルトB1又はボルト挿通孔Sb1、Sc1に対応する位置を中心にして回転した際に、種々の本数のボルトB1が挿通するように円弧状に形成したものであってもよい。
1、2、3、4、5 鉄塔の鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材
1a、1b、1c、1h、1i、1j、1k、1n スリット
1d 突部
1e 貫通孔
1g、1m 落下防止孔
B1 ボルト
N1 ナット
S1 第1の斜材(新規構造部材)
S2 第2の斜材(新規構造部材)
Sb フランジ(一対のフランジにおける一方のフランジ)
Sc フランジ(一対のフランジにおける他方のフランジ)
T 鉄塔

Claims (4)

  1. 塑性変形等の損傷を受けた不全構造部材を新規構造部材に交換することによって鉄塔を修復する際に前記新規構造部材の長さを調整するために用いる鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材であって、
    前記新規構造部材における軸方向の所定の位置に当該軸方向に互いに対向するように設けた一対のフランジの間に挿入されると共に、前記一対のフランジを連結する複数のボルトの締め付け力によって当該フランジの間に保持されるように平板状に形成されており、
    かつ前記一対のフランジの間に挿入される際に、当該一対のフランジに掛け渡された状態にある前記ボルトの挿入を許容するスリットが形成されていると共に、前記一対のフランジの間に挿入された状態において当該各フランジの外周縁から外側に突出する突部が形成されていることを特徴とする鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材。
  2. 前記一対のフランジに掛け渡される複数のボルトのうち所定のボルトに対応する位置に当該所定のボルトを差し通す落下防止孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材。
  3. 前記スリットは、直線状に延在するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材。
  4. 前記スリットは、前記ボルトのうち所定の一のボルトに対応する位置を中心にして、円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄塔修復用新規構造部材の長さ調整部材。
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