JP2012161225A - 仮連結機能を有するバーニヤ金具とその連結工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな調整工具を使わなくても、仮止めボルトを一時的に取り付けることによって、連結ボルトを容易に挿着できる。
【解決手段】一端側には長手方向に一列に空けた複数の調節孔を、他端側には他の金具を取り付ける取付孔を有し、対面するように平行に配設される一対の細長い平板状の外板11と、一対の外板に介在させる一端側には長手方向に一列に設けたフック部及び係止孔を、外板の隣り合う調節孔の間隔の正の整数倍になるように配設し、他端側には他の金具を取り付ける取付孔を有する、細長い平板状の内板13,23と、バーニヤ金具の全体の長さを所望の長さとするために選択された調節孔及び係止孔とを連結するための、連結ボルト等と、一対の外板を連結し内板のフック部を掛着するために、調節孔に一時的に挿通され、連結ボルトを連結ナットで締結した後に外される仮止め部材19とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、架空送電線の弛度を調節するためのバーニヤ金具に係り、特に仮連結することにより容易に長さ調節ができる仮連結機能を有するバーニヤ金具とその連結工法に関する。
送電線を支持物間に架空する際には、その中央部に適当な弛みを生じさせる。送電線の自重や風圧による引張荷重が原因となる断線事故、送電線の横揺れによる他の送電線、樹木等との接触が原因となる短絡、地絡事故等を防ぐためである。そして、従来、架空送電線の弛度を調整するために、架空送電線を把持する耐張クランプと、鉄塔の腕金等の支持物によって支持される耐張碍子装置との間に、バーニヤ金具が設けられている。
従来4導体送電線で使用されているバーニヤ金具を、図面を参照しながら説明する。図10は、架空送電線(以下、送電線という)と鉄塔の間に取り付けられた従来のバーニヤ金具を、鉄塔側斜め上方から視認した状態を示す斜視図である。
バーニヤ金具50の送電線側は、直角クレビスリンク61、平行クレビスリンク62、特殊クレビスリンク63、ジャンパ線64を固定するジャンパ装置65を介して、送電線67を把持する耐張クランプ66と連結されている。また、バーニヤ金具50の鉄塔側は、直角クレビスリンク71を介して、上線2条は上線側2連ヨーク72に、下線の2条は下線側2連ヨーク73に接続されている。そして、上線側2連ヨーク及び下線側2連ヨークはそれぞれ直角クレビス74を介して垂直2連ヨーク75に接続され、さらに直角クレビス76を用いて、鉄塔の腕金に取り付けられた耐張がいし装置(図示せず)に接続されている。なお、これらの各金具部材等はボルト等を用いて連結されている。
図11は、従来のバーニヤ金具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
バーニヤ金具50は、図11に示すように、一対の対面する細長い平板状の外板51と、これらの間に配設される内板53と、外板51と内板53を接続する連結ボルト55及びそれを締結する連結ナット56とからなる。外板51は複数の調節孔52を有し、内板53は1つの係止孔54を有する。またバーニヤ金具50の両端には直角クレビスリンク61,71をボルト及びナット61a、71aで取り付ける取付孔57a、57bが設けられている。
そして、送電線67の弛度の調整は、バーニヤ金具50の全長を所望の長さに調節することによって行なわれる。具体的には、外板51が有する複数個の調節孔52の中から適切な位置にある調節孔52を選択し、その調節孔52に内板53の係止孔54を合致させ、連結ボルト55を挿入する。連結ボルト55を挿入する調節孔52を変えると、バーニヤ金具50の全長が変化するので、送電線67の弛みの調節を行なうことができる。
このようにバーニヤ金具50の全長を変えるには、連結ボルト55を一旦バーニヤ金具50から取り外し、適切な位置にある調節孔52に係止孔54を合致させた後に、再び挿着する必要がある。そのため、送電線67の弛度を調節する際には、以下のような作業が行われる。
まず、送電線67を把持する耐張クランプ66等を、万力型のクランプ等で挟持し、緊線工具を使って鉄塔や碍子に掛止めて、送電線67を固定する。そして、バーニヤ金具50の両側にかかっている送電線67の緊線張力を緩めるために、油圧式工具等を使って送電線67を鉄塔側に引っ張る。その後、バーニヤ金具50の外板51と内板53から連結ボルト55及び連結ナット56を外し、適切な長さになるように選択した調節孔52を係止孔54に合わせ、連結ボルト55を挿通し、連結ナット56で締結する。最後に油圧工具、緊線工具等を外して作業は終了する。
このようなバーニヤ金具50の連結位置の調整は、鉄塔上部の高所で行なう作業であるにも関わらず、重量のある油圧式工具等を使用する必要があり、危険で難しい作業である。また、外板51や内板53はそれぞれ、取付孔57a、57bにおいて直角クレビスリンク71、61に取り付けられているが、この取付部分で回動自在に動いてしまう。そのうえ、外板51や内板53自体が重いものであるため、鉄塔上部から送電線側に張り出すように設けられた、不安定な足場の上で、調節孔52に係止孔54の位置を合わせるのは容易ではなく、熟練が必要で、時間と労力がかかる作業であった。そして、このような作業を一人で行なうのは困難であり、二人以上の作業者によって、お互いの作業状況や安全を確認しながら進められているため、さらに時間を要することとなり、経済的にも負担が大きかった。
バーニヤ金具については、例えば、特許文献1の特開2007−221998号「バーニヤ金具」などが提案されている。この「バーニヤ金具」は、一対の外側プレートの間に内側プレートを介在させ、長手方向に相互に位置調整可能にしてその長さを調整可能にすると共に、所定の調整位置において外側プレートと内側プレートとを相互に連結可能に構成したものである。そして、さらに、調整工具を係合するための係合部として、外側プレートには係合突起を、内側プレートには係合孔をそれぞれ設け、係合突起を外側プレートの先端部に設けたものである。
この「バーニヤ金具」は、特許文献2の特許4146942号「架空送電線の弛度調整に用いる調整工具」(以下、「調整工具」という)を用いて使用されるものである。「バーニヤ金具」にこの「調整工具」を取り付け、「バーニヤ金具」と「調整工具」とを一体として伸縮させることにより、外側プレートと内側プレートの連結作業を容易にしたものである。
特開2007−221998号公報 特許4146942号公報
上記特許文献1の「バーニヤ金具」においては、新たな調整工具が必要になるという問題があった。また、所望のボルト挿通孔及び位置決め孔がちょうど重なるように、調整工具を操作しないと連結ボルトを挿着することができなかった。さらに、バーニヤ金具の外部プレートと内部プレートの上面には、それぞれボルト挿通孔と位置決め孔の位置を識別するための記号が付されているが、調整工具が上方から装着されると、これらの記号が隠れてしまい、連結ボルトを挿着しにくいという問題があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものである。
すなわち本発明の目的は、バーニヤ金具の長さ調節を行なう際に、新たな調整工具を使わなくても、仮止めボルトを一時的に取り付けることによって、連結ボルトを容易に挿着できる仮連結機能を有するバーニヤ金具とその連結工法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様の仮連結機能を有するバーニヤ金具は、架空送電線の弛度を調節するバーニヤ金具であって、一端側には長手方向に一列に空けた複数の調節孔(12)を、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17a)を有し、対面するように平行に配設される一対の細長い平板状の外板(11)と、該一対の外板に介在させる一端側には長手方向に一列に設けたフック部(18,18A,28)及び係止孔(14,24)を、該フック部と該係止孔との間隔が前記外板の隣り合う調節孔の間隔の正の整数倍になるように配設し、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17b)を有する、細長い平板状の内板(13,13A,23)と、バーニヤ金具の全体の長さを所望の長さとするために選択された前記調節孔及び前記係止孔とを連結するための、連結ボルト(15)と、該連結ボルトを締結する連結ナット(16)と、一対の前記外板を連結し前記内板のフック部を掛着するために、前記調節孔に一時的に挿通され、前記連結ボルトを前記連結ナットで締結した後に外される仮止め部材(19)と、を備えたことを特徴とする。また、前記フック部(18,18A,28)は、前記仮止め部材(19)を挿通するガイド部分(18a,18c,28a)と、該仮止め部材を係止するボルト受け部分(18b,18d,28b)とからなり、該ガイド部分は、前記ボルト受け部分から前記内板(13,13A,23)の縁に向かって、前記取付孔(17b)側に近づくように、斜めに形成してもよい。
本発明の第2の態様の仮連結機能を有するバーニヤ金具は、第1の態様において、前記内板は係止孔を複数有し、前記フック部と該フック部に隣り合う前記係止孔との間隔、及び、隣り合う前記係止孔の間隔は、前記外板の隣り合う調節孔の間隔と同じであることを特徴とする。
本発明の第3の態様の仮連結機能を有するバーニヤ金具は、第2の態様において、前記外板(11)と前記内板(23)のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように保持するために、前記連結ボルト(15)を挿通する前記調節孔(12)及び前記係止孔以外に、合致している前記調節孔及び前記係止孔がある場合に、該調節孔及び該係止孔に挿通され、前記連結ボルトを前記連結ナット(16)で締結した後に外される保持ボルト(39)をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の第1の態様の仮連結機能を有するバーニヤ金具の連結工法は、一対の細長い平板状の外板(11)を対面するように平行に配設し、該外板の一端側に長手方向に一列に空けられた、対向する調節孔(12)に、一対の前記外板を仮連結する仮止め部材(19)を挿通し(S13)、一端側に長手方向に一列に設けたフック部(18,18A,28)及び係止孔(14,24)を有する細長い平板状の内板(13,13A,23)の該フック部を、前記仮止め部材に掛着し(S14)、前記フック部又は前記仮止め部材を中心に、前記内板又は前記外板を回動し、該外板と該内板のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えて前記調節孔と前記係止孔を合致させ、合致させた該調節孔及び該係止孔に、連結ボルト(15)を挿通し連結ナット(16)で締結し(S15)、前記仮止め部材を前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S16)ことを特徴とする。
本発明の第2の態様の仮連結機能を有するバーニヤ金具の連結工法は、一対の細長い平板状の外板(11)を対面するように平行に配設し、該外板の一端側に長手方向に一列に空けられた、対向する調節孔(12)に、仮止め部材(19)を挿通し(S24)、一端側に長手方向に一列に設けたフック部(28)及び複数の係止孔(24)を有する細長い平板状の内板(23)の該フック部を、前記仮止め部材に掛着し(S25)、前記フック部又は前記仮止め部材を中心に、前記内板又は前記外板を回動し、該外板と該内板のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えて前記調節孔と前記係止孔を合致させ、合致する該調節孔及び該係止孔が複数ある場合には、その中から連結ボルト(15)及び連結ナット(16)を取り付ける位置を選択し(S26)、該選択された位置に、前記連結ボルト及び前記連結ナットを取り付け(S27)、前記仮止め部材を前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S28)ことを特徴とする。
本発明の第3の態様の仮連結機能を有するバーニヤ金具の連結工法は、一対の細長い平板状の外板(11)を対面するように平行に配設し、該外板の一端側に長手方向に一列に空けられた、対向する調節孔(12)に、仮止め部材(19)を挿通し(S34)、一端側に長手方向に一列に設けたフック部(28)及び複数の係止孔(24)を有する細長い平板状の内板(23)の該フック部を、前記仮止め部材に掛着し(S35)、前記フック部又は前記仮止め部材を中心に、前記内板又は前記外板を回動し、該外板と該内板のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えて前記調節孔と前記係止孔を合致させ、合致する該調節孔及び該係止孔が複数ある場合には、その中から連結ボルト(15)及び連結ナット(16)を取り付ける位置を選択し(S36)、該選択された位置以外に、合致している前記調節孔と前記係止孔がある場合に、該調節孔と該係止孔に、前記外板11及び前記内板23を保持する保持部材(39)を挿通し(S37)、前記選択された位置に、前記連結ボルト及び前記連結ナットを取り付け(S38)、前記仮止め部材と前記保持部材を、前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S39)ことを特徴とする。
本発明のバーニヤ金具およびその連結工法は、以下のような効果を有する。
第1の態様及びその連結工法の発明においては、一対の外板(11)の対向する調節孔(12)に仮止めボルト(19)を挿通することによって、二枚の外板が取付孔(17a,17b)を中心として、ばらばらに回動するのを防ぎ、係合して回動させることができる。さらに、この仮止めボルト(19)の軸部に、内板(13,23)のフック部(18,18A,28)を掛着することにより、内板(13,23)の、ボルト受け部分(18b,18d,28b)を中心とした回動以外の動作も制限することができる。このような状態で、外板(11)と内板(13,23)のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えるのは容易であるので、所望の位置の調節孔(12)と係止孔(14,24)とを合致させることができ、連結ボルト(15)を簡単に取り付けられる。
この仮止めボルト(19)は、二枚の外板(11)が係合して動くようにするだけでなく、内板(13,23)の動きも制限するという、二つの仮連結役を担っている。この仮止めボルト(19)を使用することによって、連結ボルト(15)を容易に取り付けられるので、経験の浅い作業者でも連結作業を行なうことができ、また、一人で行うことも可能となる。容易に作業できるので、危険を伴う高所作業時間を短縮し、作業者の労力の軽減を図ることもできる。短時間で作業が済むので、天候や風速の変化などに左右される虞も少なくなる。さらにこのような作業を行うには、従来のバーニヤ金具(50)の内板(53)に簡単な加工を行い、適切な形状の仮止めボルト(19)を準備するだけでよいので、経済的である。
また、フック部(18,28)の仮止め部材(19)を挿通するガイド部分(18a,28a)を、内板(13,23)の縁に向かって、取付孔(17b)側に近づくように、斜めに形成し、仮止め部材(19)にフック部(18,28)掛着する前にバーニヤ金具(10,20)の両端に掛かる張力を調節すれば、連結作業をより容易に行うことができる。掛着時に何らかの力が加えられたり、作業者がバーニヤ金具(10,20)から手を離したりしても外れにくく、仮止めボルト(19)にフック部(18,28)が掛着された状態を保つことができるので、作業効率が良い。
第2の態様及びその連結工法の発明においては、内板(23)に係止孔(24)が複数設けられているので、バーニヤ金具の全長が所望の長さとなるようにした場合に、複数箇所において、調節孔(12)と係止孔(24)とが一致することとなる。よって、作業者は作業しやすい任意の箇所を選んで、連結ボルト(15)を取り付けることができる。作業は鉄塔上部から送電線側に乗り出して設けられた不安定な足場の上で行なわれ、前述した油圧式工具等によって引っ張られた弛み具合や作業する場所等によって、作業しやすい位置が異なる。よって、係止孔(14,24)を複数設けるだけで、作業者の労力の軽減及び安全性の確保を図ることができる。また、従来のバーニヤ金具(50)の内板(53)に係止孔(14,24)を複数形成するのも簡単である。
第3の態様及びその連結工法の発明においては、保持ボルト(39)を使用するので、連結ボルト(15)及び連結ナット(16)を取り付ける際に、実施例1、2の場合と異なり、外板(11)等を支える必要が全くない。よって、作業者は両手を使って連結ボルト(15)等の取付作業を行うことが出来る。これによりさらに簡単に連結ボルト(15)等を取り付けることができ、より作業労力を軽減し、作業時間を短縮させることができる。また、適切な形状の保持ボルト(39)を準備するだけでよいので、経済的である。
実施例1のバーニヤ金具の使用時の状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。 実施例1のバーニヤ金具の構成部材を示す図であり、(a)は一対の外板の正面図及び平面図、(b)は内板の正面図及び平面図、(c)は仮止めボルトの平面図、(d)は連結ボルトと連結ナットの平面図である。 実施例1のバーニヤ金具の連結工法を示すフローチャートである。 実施例1のバーニヤ金具の連結工法を示す説明図であり、(a)は一対の外板に仮止めボルトを挿通する状態を示す平面図、(b)は仮止めボルトに内板を掛着する前の状態を示す正面図、(c)は仮止めボルトに内板を掛着した後の状態を示す正面図、(d)は連結ボルト及び連結ナットを取り付ける状態を示す平面図、(e)は仮止めボルトを取り外す状態を示す平面図である。 実施例1のバーニヤ金具の内板の変形例を示す正面図である。 実施例2のバーニヤ金具を示す図であり、(a)は内板の正面図及び平面図、(b)は仮止めボルトに内板を掛着した状態を示す平面図である。 実施例2のバーニヤ金具の連結工法を示すフローチャートである。 実施例3のバーニヤ金具の連結工法を示すフローチャートである。 実施例3のバーニヤ金具の連結工法における保持ボルトの挿通についての説明図であり、(a)は保持ボルトを挿通する様子を示す平面図、(b)は保持ボルトを挿通した状態を示す平面図、(c)は保持ボルトの挿通位置についての説明平面図である。 架空送電線と鉄塔の間に取り付けられた従来のバーニヤ金具を、鉄塔側斜め上方から視認した状態を示す斜視図である。 従来のバーニヤ金具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
以下、本発明の仮連結機能を有するバーニヤ金具とその連結工法の好ましい実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は実施例1のバーニヤ金具10の使用時の状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図1に示すように、バーニヤ金具10は、一対の外板11と、外板11の間に略半分(一端部)が挟まれ連結される内板13と、外板11と内板13とを連結する連結ボルト15及び連結ナット16と、図示していないが、連結する際に使用され、連結された後に取り外される仮止めボルト19とからなる。
外板11は複数の調節孔12を有し、内板13はその一端に係止孔14とフック部18を一つずつ有する。バーニヤ金具10の両端は、外板11、内板13に設けられた取付孔17a,17bによって、ボルト71a、61a、直角クレビスリンク71、61を介して、耐張がいし装置又は送電線にそれぞれ回動可能に接続される。
図2は実施例1のバーニヤ金具10の構成部材を示す図であり、(a)は一対の外板11の正面図及び平面図、(b)は内板13の正面図及び平面図、(c)は仮止めボルト19の平面図、(d)は連結ボルト15と連結ナット16の平面図である。
図2(a)に示すように、一対の外板11は細長い平板状であり、対面するように平行に配設される。そして、外板11は、内板13を連結する位置に、厚さ方向に略平行に空けられた複数の略円形状の調節孔12を有する。複数の調節孔12は、長手方向に等間隔に設けられている。また、調節孔12が設けられている側の反対側端部には、前述した取付孔17aが設けられている。
図2(b)に示すように、内板13は細長い平板状であり、一端にはフック部18が形成されている。図1に示すように、フック部18がある一端側を二枚の外板11の間に差し込んで使用する。
フック部18は、正面視、円の中心を略Γ字状の線に沿って移動させたような形状をしており、その屈曲部は鈍角である。そして、I字を斜めに傾けたような形状のガイド部分18aと半円状のボルト受け部分18bとからなり、厚さ方向に略平行に切り欠くように形成される。後述する仮止めボルト19に掛着される際には、ガイド部分18aに仮止めボルト19の軸部19bが挿通され、ボルト受け部分18bによってこの軸部19bが受け止められる。
内板13のフック部18のある側には、厚さ方向に略平行に空けられた略円形状の係止孔14が一つ設けられている。係止孔14は、その中心点がボルト受け部分18bの中心点と、内板13の長手方向の同一直線上に位置するように設けられている。内板13の他端部には前述した取付孔17bが設けられている。
図2(c)に示すように、仮止めボルト19は、略六角柱状の頭部19aと略円柱状の軸部19bとからなる。
詳細は後述するが、一対の外板11の対向する調節孔12に挿通されたのちに、軸部19bの、一対の外板11の内壁の間の部分に、内板13のフック部18が掛着される。
図2(d)に示すように、連結ボルト15は、略六角柱状の頭部15aと略円柱状のネジ部15bとからなる。連結ナット16は六角ナットであり、連結ボルト15を締結する。
図1に示すように、連結ボルト15は、一対の外板11の調節孔12と、その調節孔12に合致する内板13の係止孔14とに挿通される。そして、外板11から突出する連結ボルト15のネジ部15bの先端部分は、適合する連結ナット16によって締結される。なお、連結ナット16はダブルナットとすることが望ましい。
次に、上述した部材についての大きさ等について、図2を参照して説明する。
図2(a)、(b)に示すように、外板11の幅aと内板13の幅bは略同じ長さになっている。そして、外板11の隣り合う調節孔12の中心点の間隔mと、フック部18のボルト受け部分18bの中心点と係止孔14の中心点との距離nは略同じ距離になっている。
図2(a)〜(c)に示すように、調節孔12の径rと係止孔14の径sとフック部18の半円状のボルト受け部分18bの径tとは略同じ大きさである。これらは、仮止めボルト19の径u及び連結ボルト15の径vと略同じか若干大きくなっている。
仮止めボルト19の軸部分の長さx及び連結ボルト15の軸部分の長さyは、外板11二枚分の厚さ2dと内板13一枚分の厚さeを足したものよりも長い。
以下、実施例1のバーニヤ金具10の連結位置を調節する工法について図面を参照して説明する。
図3は実施例1のバーニヤ金具10の連結工法を示すフローチャートである。緊線工具や油圧式工具等の取り付けや取り外しについては、前述した従来のバーニヤ金具50の場合と同様なので省略している。
また、図4は実施例1のバーニヤ金具10の連結工法を示す説明図であり、(a)は一対の外板11に仮止めボルト19を挿通する状態を示す平面図、(b)は仮止めボルト19に内板13を掛着する前の状態を示す正面図、(c)は仮止めボルト19に内板13を掛着した後の状態を示す正面図、(d)は連結ボルト15及び連結ナット16を取り付ける状態を示す平面図、(e)は仮止めボルト19を取り外す状態を示す平面図である。
[緊線張力の緩和(S11)]
前述したように、バーニヤ金具10の両側にかかっている送電線67の緊線張力を、油圧式工具等を用いて緩める。
これにより、バーニヤ金具10に締結されている連結ボルト15及び連結ナット16を取り外すことができる。
[連結ボルト等取り外し(S12)]
最初に、外板11の調節孔12及び内板13の係止孔14から、連結ボルト15及び連結ナット16を取り外す。
連結ボルト15が取り外されるので、外板11と内板13との連結が切り離される。そのため、2枚の外板11それぞれと、外板11の間に一端側が差し込まれていた内板13は、取付孔17a,17bを中心として、回動自在に動くようになる。
[仮止めボルト挿通(S13)]
次に、一対の外板11の対向する調節孔12に、仮止めボルト19を挿通する。
バーニヤ金具10を所望の全長にするために、内板13のフック部18のボルト受け部分18bと合致させる外板11の調節孔12を選択する。そして、その選択した調節孔12に仮止めボルト19を挿通する。
例えば、図4(a)に示す調節孔12aに係止孔14を合致させて、連結ボルト15等により外板11と内板13を連結したときに、バーニヤ金具10が所望の長さとなる場合について考える。この場合、図4(a)に示すように、内板13のフック部18のボルト受け部分18bと合致する位置にある調節孔12bに仮止めボルト19を挿通する。
仮止めボルト19は、二枚ある外板11のうちの一枚を持って通し、その後もう一枚を動かして通しても良いし、対面するように二枚の外板11を持ってから通しても良い。これにより、それぞれが回動自在に動いていた二枚の外板11は、係合して動くようになる。
[仮止めボルト掛着(S14)]
仮止めボルトを挿通したら(S13)、仮止めボルト19に内板13のフック部18を掛着する。
図4(b)に示すように、仮止ボルト19の軸部19bの、一対の外板11の間に位置する部分に、軸部19bの鉛直方向略上方からフック部18のガイド部分18aを合わせる。そして、内板13の自重と、内板13を手等で外側(直角クレビス61の方向)に引っ張るなどして力を加えることにより、図4(c)に示すように、フック部18のボルト受け部分18bは仮止ボルト19の軸部19bに掛着される。
[連結ボルト等取付(S15)]
仮止めボルトに掛着した(S14)後に、連結ボルト15及び連結ナット16を一対の外板11及び内板13に取り付ける。
まず、フック部18を利用して、外板11と内板13の下側を、それぞれの長手方向の中心線が平行になるように支える。そして、図4(d)に示すように、内板13の係止孔14と合致する調節孔12aに連結ボルト15を挿通する。外板11の外側に突出した連結ボルト15の先端部分を連結ナット16によって締結する。
これにより、一対の外板11と内板13が連結され、バーニヤ金具10の全長が所望の長さとなる。
[仮止めボルト取り外し(S16)]
最後に、仮止めボルト19を一対の外板11及び内板13から取り外す。
図4(e)に示すように、一対の外板11の調節孔12bに挿通され、内板13のフック部18が掛着されている仮止めボルト19を取り外す。
図5は、実施例1のバーニヤ金具10の内板13の変形例である、内板13Aを示す正面図である。内板13Aは、前述の内板13と、フック部18の形状のみが異なるものである。なお、内板13と同じ構成部分については図1,2,4と同じ符号を使用している。
この内板13Aのフック部18Aの形状は、正面視、略I字状のガイド部分18cと半円状のボルト受け部分18dとからなる。ガイド部分18Aの正面視で略直線となっている部分は、取付孔17bの中心点を中心として、ボルト受け部分18dの半円に接する2つの円弧の一部となっている。
また、フック部18Aの半円状のボルト受け部分18dの径tは、係止孔14の径s(図2(b)参照)と略同じである。そして、フック部18Aのボルト受け部分18dの中心点と係止孔14の中心点との距離nは、外板11の隣り合う調節孔12の中心点の間隔m(図2(a)参照)と略同じ距離になっている。
外板11と内板13は、連結ボルト15を取り外すと、従来例で述べたようにそれら自体が回動自在に動くだけではない。取付孔17a、17bにおいて、直角クレビスリンク61,71,74,76や平行クレビスリンク62などを介して接続されているので、その取付部分においても、水平方向や鉛直方向に動いてしまう。
しかし、本実施例1の仮連結機能を有するバーニヤ金具10とその連結工法では、仮止ボルト19を使用することによって、それぞれが回動自在に動く二枚の外板11を係合して動くようにすることができる。さらに、隣り合う調節孔12の間隔mと、フック部18と係止孔14との間隔nとが、略同じ距離になるようにフック部18を設けている。よって、内板13を一対の外板11の間に挟み込み、仮止めボルト19にフック部18を掛着すれば、外板11と内板13のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように動かすだけで、所望の調節孔12と係止孔14とを簡単に合致させることができる。これにより、連結ボルト15及び連結ナット16の取付作業が容易となる。
また、内板13の変形例である内板13Aを使用する場合には、仮止めボルト19に内板13Aのフック部18Aを掛着すれば、フック部18Aを中心として内板13Aを、仮止めボルト19を中心として外板11を回動させることができる。よって、外板11と内板13Aのそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えれば、所望の調節孔12と係止孔14とを簡単に合致させることができる。
バーニヤ金具10をこのような構成にすれば、経験の浅い作業者でも連結作業を容易に行なうことができ、また、一人で行うことも可能となる。容易に作業できるので、危険を伴う高所作業時間を短縮し、作業者の労力の軽減を図ることもできる。短時間で作業が済むので、天候や風速の変化などに左右される虞も少なくなる。さらにこのような作業を行うには、従来のバーニヤ金具の内板に簡単な加工を行い、適切な大きさの仮止めボルト19を準備するだけでよいので、経済的である。
フック部18は、上述した形状に限られず、仮止めボルト19に掛着でき、所望の調節孔12と係止孔14とを容易に合致させることができる形状であればよい。また、フック部18と係止孔14の配置が逆でも良い。フック部18のボルト受け部分18bと係止孔14の間隔nが、隣り合う調節孔12の間隔mの整数倍となるようにしても良い。
仮止ボルト19についても、上述した形状、材質に限られない。例えば、調節孔12に挿通したときに突出する、仮止めボルト19の軸部19bの先端部分に割りピン等を差し込む孔を設け、割りピン等によって、仮止めボルト19が抜けてしまうのを一時的に防ぐことができる構造としても良い。
外板11の幅a及び内板13の幅bは、重量を軽減するために、強度が保てる範囲で狭い方がよい。そして、内板13の係止孔14の鉛直方向下側の長さは、外板11の調節孔12の鉛直方向下側の長さと略同じであることが望ましい。連結ボルト15等を挿通する際に、外板11と内板13が直線状に重なるように支持する必要があり、このような形状にすることにより、作業し易くなり、作業者の負担も少なくなるからである。
なお、内板13の一端側に、内板13の平面に対して垂直であり、長手方向に対して平行となる平面部分を形成し、そこに取付孔17bを設けても良い。これにより、直角クレビスリンク61を介さずに、平行クレビスリンク62に接続することができる。直角クレビスリンクのコストを削減できるとともに、ボルト等で取り付ける手間も省くことができる。
図6は実施例2のバーニヤ金具20を示す図であり、(a)は内板23の正面図及び平面図、(b)は仮止めボルト19に内板23を掛着した状態を示す平面図である。
実施例2のバーニヤ金具20は、実施例1のバーニヤ金具10と、内板13のみが異なり、具体的には、内板13に設けられたフック部18の位置、係止孔14の数等が違う構成となっている。以下、実施例2のバーニヤ金具20について図面を参照して説明する。なお、実施例1と同じ構成部分については、図1,2,4,5と同じ符号が付してある。
図6(a)に示すように、実施例2のバーニヤ金具20の内板23は、細長い平板状であり、一端部(外板11が介在する側)には、長手方向に一列に並ぶように、1つのフック部28とその両側に配設された複数の係止孔24を有する。また、他端部には取付孔17bを有する。フック部28の上方の、内板23の上辺には鉛直方向上側に突出する突縁部23aが設けられている。この突縁部23aは、内板23の強度を保つ役目を果たす。
係止孔24は、厚さ方向に略垂直に空けられた略円形状の孔であり、その径sは実施例1と同様で、仮止めボルト19の径u及び連結ボルト15の径vと略同じか若干大きくなっている。
フック部28は、正面視、I字を斜めに傾けたような形状のガイド部分28aと半円を伏せて少し傾けたような形状をしたボルト受け部分28bとからなり、厚さ方向に略平行に切り欠くように形成される。ボルト受け部分28bは、半円形状であり、直径部分が円弧部分よりも下側となっており、その直径部分は、取付孔17b側の一端が他端よりも上にくるように、斜めになっている。また、ガイド部分28aは、ボルト受け部分28bの直径部分の両端点から、内板23の縁に向かって延ばした、2本の平行な接線に囲まれた部分である。
ボルト受け部分28bの径tは、係止孔24の径sと略同じである。そして、ボルト受け部分28bの中心点とフック部28に最も近い位置にある係止孔24の中心点との距離n、内板23の隣合う係止孔24の中心点の間隔pは、外板11の隣り合う調節孔12の中心点の間隔m(図2(a)参照)と略同じ距離になっている。
図7は実施例2のバーニヤ金具20の連結工法を示すフローチャートである。以下、バーニヤ金具20の連結工法の弛度の調節作業(S23)、仮止めボルト掛着(S25)、取付位置選択(S26)を、図6を参照して説明する。なお、緊線張力の緩和(S21)、連結ボルト等取り外し(S22)、仮止めボルト挿通(S24)、連結ボルト等取付(S27)、仮止めボルト取り外し(S28)の各作業は、実施例1に示した緊線張力の緩和(S11)、連結ボルト等取り外し(S12)、仮止めボルト挿通(S13)、連結ボルト等取付(S15)、仮止めボルト取り外し(S16)の各作業同様であるので省略する。
[弛度の調節作業(S23)]
連結ボルト等を取り外した後(S22)に、クランプで狭持し、緊線工具等によって鉄塔等に固定している部分の長さを油圧工具等により伸縮させて、送電線全体の長さが所定の弛度に近くなるように調節する。
バーニヤ金具20に係る緊線張力は、油圧工具等を使用して緩められている(S21)が、ここで、その緩め具合を調節する。作業者がフック部28を仮止めボルト19に掛着することができるようにしておけば、所定の弛度に近くすることで、掛着した際(S25)に、バーニヤ金具20の両側に張力が掛かり、後述するように、内板23のフック部28が外板11から外れるのを防ぐことができる。
[仮止めボルト掛着(S25)]
仮止めボルトを挿通した(S24)した後に、仮止めボルト19に内板23のフック部28を掛着する。
仮止ボルト19の軸部19bの、一対の外板11の間に位置する部分に、軸部19bの鉛直方向上方からフック部28のガイド部分28aを合わせる。そして、フック部28のボルト受け部分28bを仮止ボルト19に掛着する。前述のように(S23参照)バーニヤ金具20の両側には張力が掛かっており、内板のフック部28は斜めに切り欠いた形状であるので、仮止めボルト19の軸部19bはボルト受け部分28bに押し付けられるような力が働く。そのため、掛着時に作業者がバーニヤ金具20から手を離しても、また、何らかの力が加えられても、フック部28を仮止めボルト19に掛着した状態を保つことができる。
[取付位置選択(S26)]
実施例2のバーニヤ金具20の連結工法においては、仮止めボルトを掛着した(S23)後に、連結ボルト15及び連結ナット16を取り付ける位置を選択する。
実施例2のバーニヤ金具20の内板23は、複数の係止孔24を有するので、複数箇所で調節孔12と係止孔24が合致する。具体的には、図6(b)に示すように、調節孔12c〜hは係止孔24c〜hとそれぞれ合致する。よって、作業者は合致した調節孔12c〜h及び係止孔24c〜hの中から、連結ボルト15等の取付作業がしやすい位置にある孔を選択することが出来る。
実施例2のバーニヤ金具20とその連結工法においては、内板23に複数の係止孔24を設けることで、調節孔12と係止孔24を複数箇所で合致させることができる。これにより、作業者はその中から作業し易い位置にあるものを選択することができ、連結ボルト15及び連結ナット16の取付作業がさらに容易となる。よって、作業者の労力の軽減及び安全性の確保を図ることができる。また、従来のバーニヤ金具50の内板53に係止孔54を複数形成するのも簡単である。
また、実施例2においては、実施例1と異なり、内板23のフック部28を仮止めボルト19に掛着する(S25)前に、油圧工具等でバーニヤ金具20の両側に掛かる張力を調節する。よって、作業者がバーニヤ金具20から手を離したり、送電線67が揺れる等、力が加えられたりしても、仮連結状態を保てるので、作業しやすい。
実施例2ではフック部28を複数の係止孔24の中央に形成したが、フック部28の位置や形状、係止孔24の数はこの構成に限られない。ただ中央部分に形成すると、全体としての選択(S26)できる数を増やすことができる。
なお、内板23の取付孔17bのある一端側の形状も、実施例1で述べたようにこの構造に限られない。
図8は実施例3のバーニヤ金具30の連結工法を示すフローチャートである。また、図9は、実施例3のバーニヤ金具30の連結工法における保持ボルト39の挿通についての説明図であり、(a)は保持ボルト39を挿通する様子を示す平面図、(b)は保持ボルト39を挿通した状態を示す平面図、(c)は保持ボルト39の挿通位置についての説明平面図である。
実施例3のバーニヤ金具30は、実施例2のバーニヤ金具20の構成に加えて、保持ボルト39を備えたものである。保持ボルト39は仮止めボルト19と略同じ形状をしているが、その使用方法は異なるものである。
以下、実施例3のバーニヤ金具30の連結工法の保持ボルト挿通(S37)及び仮止めボルト・保持ボルト取り外し(S39)について、図8,9を参照して説明する。なお、実施例1及び2と同じ構成部分については、図1,2,4〜6と同じ符号が付してある。また、緊線張力の緩和(S31)、連結ボルト等取り外し(S32)、弛度の調節作業(S33)、仮止めボルト挿通(S34)、仮止めボルト掛着(S35)、取付位置選択(S36)、連結ボルト等取付(S38)の各作業は、実施例2の緊線張力の緩和(S21)、連結ボルト等取り外し(S22)、弛度の調節作業(S23)、仮止めボルト挿通(S24)、仮止めボルト掛着(S25)、取付位置選択(S26)、連結ボルト等取付(S27)の各作業と同様であるので省略する。
[保持ボルト挿通(S37)]
保持ボルトの挿通(S37)は、取付位置の選択(S36)と連結ボルト等の取付(S38)の間に行われるものであり、一対の外板11の対向する調節孔12に、保持ボルト39を挿通する。
実施例3のバーニヤ金具30の内板23は、実施例2で述べたように複数の係止孔24を有する。そのため、調節孔12が係止孔24に二箇所以上で合致する場合には、取付位置選択(S36)において選択した調節孔12及び係止孔24以外にも、調節孔12が係止孔24に合致する箇所が一つ以上存在することとなる。よって、その中の任意の一箇所に保持ボルト39を挿通する。
例えば、図9(a)に示すように、調節孔12と係止孔24が五箇所(調節孔12i、12j、12k、12m、12nと係止孔24i、24j、24k、24m、24n)で合致し、取付位置選択(S36)において調節孔12m及び係止孔24mに連結ボルト15を挿通することを決めた場合、調節孔12と係止孔24が合致している位置が他に四箇所(調節孔12i、12j、12k、12nと係止孔24i、24j、24k、24n)ある。よって、作業者はこの中から作業しやすい位置にある一組の孔(この場合調節孔12iと係止孔24i)を選んで、保持ボルト39を挿通することができる。外板11と内板23とを二箇所で止めることにより、外板11と内板23は、後述するように、それぞれの長手方向の中心線が平行になるように保持される。
図9(b)は保持ボルト39を挿通した図であり、調節孔12xに挿通された仮止めボルト19には内板23のフック部28が掛着されており、調節孔12xよりも内板23の取付孔17b側に位置する調節孔12iと係止孔24iに保持ボルト39が挿通されている。バーニヤ金具30は前述したように、油圧式工具等を使って、両端にかかる張力が緩められおり、外板11と内板23は調節孔12i及び係止孔24iを中心として鉛直方向に回動可能である。よって、例えば図9に示すような場合には、図9(c)に示すように、内板23は重力により矢印X方向に動こうとするが、フック部28のボルト受け部分28bが仮止めボルト19によって係止されるので、外板11と内板23は、それぞれの長手方向の中心線が平行になるように保持される。
そして、図示しないが、内板23の取付孔17b側と反対側にある調節孔12kと係止孔24kに保持ボルト39を挿通した場合でも、フック部28のガイド部分28aが右に傾くように設けられているので、フック部28は仮止めボルト19から外れることはなく、外板11と内板23は、それぞれの長手方向の中心線が平行になるように保持される。
[仮止めボルト・保持ボルト取り外し(S39)]
連結ボルト等を取り付けた後(S38)に、仮止めボルト19と保持ボルト39とを、一対の外板11及び内板23から取り外す。
作業者は調節孔12及びフック部28から仮止めボルト19を、調節孔12及び係止孔24から保持ボルト39を抜き取る。
実施例3のバーニヤ金具30とその連結工法においては、実施例1、2の場合と異なり、保持ボルト39を備える。これにより、連結ボルト15等を取り付ける際に、外板11等を支える必要がない。保持ボルト39を挿通することによって、外板11及び内板23が直線状になるように保持できるからである。よって、作業者は両手を使って連結ボルト15等の取付作業を行うことが出来る。このように、さらに簡単に連結ボルト等を取り付けることができるので、より作業労力を軽減し、作業時間を短縮させることができる。また、適切な形状の保持ボルト39を準備するだけでよいので、経済的である。
実施例3では、フック部28を複数の係止孔24の中央に形成したが、フック部28の位置や係止孔24の数はこの構成に限られない。
なお、保持ボルト39についても、上述した構造に限られず、内板23及び外板11を直線状になるように支えられる構造であれば良い。実施例1の仮止めボルト19のように、割りピン等を利用して、保持ボルト39が抜けてしまうのを一時的に防ぐことができる構造としても良い。また、保持ボルト39を二つ備え、調節孔12及び係止孔24が合致している位置、二箇所に保持ボルト39を挿通すれば、フック部28の形状が実施例3等と異なっていても、外板11及び内板23が直線状になるように保持することができる。
本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、仮止めボルト19や保持ボルト39を利用して外板11や内板13、23の動きを制限し、外板11と内板13、23とを容易に連結できれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。また、外板11と内板13,23の形状等は逆にしてもよい。
本発明の仮連結機能を有するバーニヤ金具とその連結工法は、長さ調節が必要な様々な接続箇所において利用する事ができる。
10,20,30 バーニヤ金具
11 外板
12 調節孔
13,13A,23 内板
14,24 係止孔
15 連結ボルト
16 連結ナット
17a,17b 取付孔
18,18A,28 フック部
19 仮止めボルト
39 保持ボルト

Claims (7)

  1. 架空送電線の弛度を調節するバーニヤ金具であって、
    一端側には長手方向に一列に空けた複数の調節孔(12)を、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17a)を有し、対面するように平行に配設される一対の細長い平板状の外板(11)と、
    該一対の外板に介在させる一端側には長手方向に一列に設けたフック部(18,18A,28)及び係止孔(14,24)を、該フック部と該係止孔との間隔が前記外板の隣り合う調節孔の間隔の正の整数倍になるように配設し、他端側には他の金具を取り付けるための取付孔(17b)を有する、細長い平板状の内板(13,13A,23)と、
    バーニヤ金具の全体の長さを所望の長さとするために選択された前記調節孔及び前記係止孔とを連結するための、連結ボルト(15)と、
    該連結ボルトを締結する連結ナット(16)と、
    一対の前記外板を連結し前記内板のフック部を掛着するために、前記調節孔に一時的に挿通され、前記連結ボルトを前記連結ナットで締結した後に外される仮止め部材(19)と、を備えた、ことを特徴とする仮連結機能を有するバーニヤ金具。
  2. 前記フック部(18,18A,28)は、前記仮止め部材(19)を挿通するガイド部分(18a,18c,28a)と、該仮止め部材を係止するボルト受け部分(18b,18d,28b)とからなり、
    該ガイド部分は、前記ボルト受け部分から前記内板(13,13A,23)の縁に向かって、前記取付孔(17b)側に近づくように、斜めに形成された、ことを特徴とする請求項1に記載の仮連結機能を有するバーニヤ金具。
  3. 前記内板は係止孔を複数有し、
    前記フック部と該フック部に隣り合う前記係止孔との間隔、及び、隣り合う前記係止孔の間隔は、前記外板の隣り合う調節孔の間隔と同じである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の仮連結機能を有するバーニヤ金具。
  4. 前記外板(11)と前記内板(23)のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように保持するために、前記連結ボルト(15)を挿通する前記調節孔(12)及び前記係止孔以外に、合致している前記調節孔及び前記係止孔がある場合に、該調節孔及び該係止孔に挿通され、前記連結ボルトを前記連結ナット(16)で締結した後に外される保持ボルト(39)をさらに備えた、ことを特徴とする請求項3に記載の仮連結機能を有するバーニヤ金具。
  5. 一対の細長い平板状の外板(11)を対面するように平行に配設し、該外板の一端側に長手方向に一列に空けられた、対向する調節孔(12)に、一対の前記外板を仮連結する仮止め部材(19)を挿通し(S13)、
    一端側に長手方向に一列に設けたフック部(18,18A,28)及び係止孔(14,24)を有する細長い平板状の内板(13,13A,23)の該フック部を、前記仮止め部材に掛着し(S14)、
    前記フック部又は前記仮止め部材を中心に、前記内板又は前記外板を回動し、該外板と該内板のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えて前記調節孔と前記係止孔を合致させ、合致させた該調節孔及び該係止孔に、連結ボルト(15)を挿通し連結ナット(16)で締結し(S15)、
    前記仮止め部材を前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S16)、ことを特徴とする仮連結機能を有するバーニヤ金具の連結工法。
  6. 一対の細長い平板状の外板(11)を対面するように平行に配設し、該外板の一端側に長手方向に一列に空けられた、対向する調節孔(12)に、仮止め部材(19)を挿通し(S24)、
    一端側に長手方向に一列に設けたフック部(28)及び複数の係止孔(24)を有する細長い平板状の内板(23)の該フック部を、前記仮止め部材に掛着し(S25)、
    前記フック部又は前記仮止め部材を中心に、前記内板又は前記外板を回動し、該外板と該内板のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えて前記調節孔と前記係止孔を合致させ、合致する該調節孔及び該係止孔が複数ある場合には、その中から連結ボルト(15)及び連結ナット(16)を取り付ける位置を選択し(S26)、
    該選択された位置に、前記連結ボルト及び前記連結ナットを取り付け(S27)、
    前記仮止め部材を前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S28)、ことを特徴とする仮連結機能を有するバーニヤ金具の連結工法。
  7. 一対の細長い平板状の外板(11)を対面するように平行に配設し、該外板の一端側に長手方向に一列に空けられた、対向する調節孔(12)に、仮止め部材(19)を挿通し(S34)、
    一端側に長手方向に一列に設けたフック部(28)及び複数の係止孔(24)を有する細長い平板状の内板(23)の該フック部を、前記仮止め部材に掛着し(S35)、
    前記フック部又は前記仮止め部材を中心に、前記内板又は前記外板を回動し、該外板と該内板のそれぞれの長手方向の中心線が平行になるように支えて前記調節孔と前記係止孔を合致させ、合致する該調節孔及び該係止孔が複数ある場合には、その中から連結ボルト(15)及び連結ナット(16)を取り付ける位置を選択し(S36)、
    該選択された位置以外に、合致している前記調節孔と前記係止孔がある場合に、該調節孔と該係止孔に、前記外板11及び前記内板23を保持する保持部材(39)を挿通し(S37)、
    前記選択された位置に、前記連結ボルト及び前記連結ナットを取り付け(S38)、
    前記仮止め部材と前記保持部材を、前記一対の外板及び前記内板から取り外す(S39)、ことを特徴とする仮連結機能を有するバーニヤ金具の連結工法。
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