JP2012160539A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】金属部材と封止樹脂との密着性に優れた信頼性の高い半導体装置を得る。
【解決手段】銅合金製の金属部材1に半導体素子4を搭載した実装体を封止樹脂6によって封止して形成した半導体装置7であって、酸性かつ還元性を有するガス雰囲気中にて180℃以上の温度で前記実装体を5分間以上加熱することによって、金属部材1と封止樹脂6との界面に、膜厚が100nm以下で、かつ、酸素および銅の成分濃度が50at%以上の酸化膜が介在し、金属部材1を防錆するための防錆皮膜が介在しない。
【選択図】図2

Description

この発明は、半導体素子を樹脂で封止して形成される半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体装置(以降、パワー半導体装置と称す)は、電源(電力)の制御や供給を行う半導体素子(以降、パワー半導体素子と称す)を樹脂で封止して電気的な絶縁を確保する。従来から、この種のパワー半導体装置としては、金属体およびこの金属体にパワー半導体素子などの電子素子を電気的に接続した実装体を、モールド樹脂で封止したものが利用されている(例えば、特許文献1参照)。このパワー半導体装置では、金属体として加工性および導電性に優れた銅合金が使用され、金属部材である銅合金にパワー半導体素子がはんだ付け(ダイボンド)された後に、パワー半導体素子と銅合金の一部とがワイヤボンディングで接続される。しかしながら、部材の製造・保管工程やパワー半導体装置の製造工程の熱履歴によって銅合金が酸化されやすい。このため、銅合金の表面に形成される酸化膜によって、接合性、ワイヤボンディング性、封止樹脂との密着性が著しく低下する。そこで、銅合金の表面には、防錆剤としてBTA(ベンゾトリアゾール)系防錆皮膜が形成されることが一般的である。
一方、一般的な銅合金の防錆剤として用いられるBTA系防錆皮膜は、酸化により銅合金表面に銅との反応層を形成するが、この銅合金表面の反応層も接合性、ワイヤボンディング性、封止樹脂との密着性を低下させてしまう。そこで、銅合金表面の酸化の対策として、銅よりも酸化されにくい金属を金属体にめっきする方法が考えられる。しかしながら、ニッケル、パラジウム、銀、金といった銅より酸化されにくい金属は非常に高価であり、製造コストが高くなるばかりか、封止樹脂との密着性が低く、必要箇所に限定した部分めっき処理を行う必要があるため製造工程が煩雑となってしまう。そこで、BTA系防錆剤よりも熱分解温度の低く、プロセス温度で分解除去可能な非BTA系防錆剤を銅合金表面に塗布し、非BTA系防錆剤の熱分解温度以下でパワー半導体素子をダイボンドし、非BTA系防錆剤が分解する温度でワイヤボンディングする方法がある(例えば、特許文献2参照)。また、BTA系防錆皮膜を用いる場合、銅合金を実装する前に銅合金表面の酸化膜と防錆皮膜とを管理することによって、封止樹脂との密着性の低下を抑える方法がある(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開平9−129822号公報(第6−7頁、第1図) 特開2003−197827号公報(第4頁、第2図) 特開2001−160610号公報(第3−4頁、第1図) 特開2000-307051号公報(第5頁、表1) 特開平7−48641号公報(第4−5頁、表1)
従来のパワー半導体装置では、BTA系防錆皮膜を用いる場合、封止樹脂との密着性の低下を抑えるため、特許文献3〜5のように実装工程前の銅合金表面の酸化膜と防錆剤皮膜とを管理する方法が提案されているが、管理するために特殊な設備が必要であること、実際の銅合金の表面状態のばらつきが大きく、かつ、評価エリアがパワー半導体装置の表面積に比べて極めて小さく、その評価値がパワー半導体装置を代表する値とは言いがたいので、銅合金表面の酸化膜および防錆皮膜を管理する方法として実際の工程に適用することは困難であるという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、銅合金表面の酸化膜および防錆剤皮膜を管理するための特殊な設備や工程がなくても、金属部材である銅合金と封止樹脂との界面にこれらの密着性を阻害する防錆皮膜が介在することを防ぎ、金属部材と封止樹脂との密着性に優れた信頼性の高い半導体装置を得るものである。
この発明に係る半導体装置は、銅合金製の金属部材に半導体素子を搭載した実装体を封止樹脂によって封止して形成した半導体装置であって、金属部材と封止樹脂との界面に、膜厚が100nm以下で、かつ、酸素および銅の成分濃度が50at%以上の酸化膜が介在し、金属部材を防錆するための防錆皮膜が介在しないものである。
この発明は、金属部材と封止樹脂との界面に、膜厚が100nm以下で、かつ、酸素および銅の成分濃度が50at%以上の酸化膜が介在し、金属部材を防錆するための防錆皮膜が介在しないので、金属部材と封止樹脂との密着性にすぐれた信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるパワー半導体装置の横断面概略図である。 本発明の実施の形態1におけるパワー半導体装置の製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施の形態1におけるパワー半導体装置の製造工程を示す別のフロー図である。 本発明の実施の形態1における銅合金フレーム表面の防錆皮膜の膜厚および酸化膜の膜厚の測定結果である。 本発明の実施の形態1における封止樹脂の界面剥離率の測定結果である。 本発明の実施の形態2におけるパワー半導体装置の製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2における銅合金フレーム表面の酸化膜の膜厚および封止樹脂の界面剥離率の測定結果である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるパワー半導体装置の断面概略図である。図1に示すように、パワー半導体装置7は、ヒートスプレッダ1、リードフレーム2a,2b、接合材3a,3b、パワー半導体素子4、ボンディングワイヤ5、封止樹脂6などによって構成されている。ヒートスプレッダ1、リードフレーム2a,2bは、金属部材である銅合金で形成されている。
ヒートスプレッダ1は、パワー半導体素子4から発生する熱を放熱するものであり、その一方の面にパワー半導体素子4が設けられる。ヒートスプレッダ1とパワー半導体素子4は、接合材3aによって接合されている。リードフレーム2aの一端は、ボンディングワイヤ5を介してパワー半導体素子4と電気的に接続されている。また、リードフレーム2bの一端は、接合材3bによってパワー半導体素子4と接合され、パワー半導体素子4と電気的に接続されている。リードフレーム2a,2bの他端は、パワー半導体装置7の外部に突出しており、外部配線と接続することができる。ヒートスプレッダ1、リードフレーム2a,2b、およびパワー半導体素子4によって実装体が構成される。そして、実装体を封止樹脂6で封止してパワー半導体装置7が形成される。
このように、パワー半導体装置7は、封止樹脂6で封止されているため、ヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bと封止樹脂6との密着性がパワー半導体装置7の信頼性を大きく左右する。ヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bは、電気・熱伝導性に優れる銅合金を使用しており、通常、その表面には変色防止を目的とした防錆剤が塗布されている。しかしながら、その防錆剤がヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bと封止樹脂6との密着性を阻害する可能性がある。
我々は、銅合金と封止樹脂6との密着性に影響する因子が、パワー半導体素子4やリードフレーム2a,2bの接合時の加熱であると考えて、銅合金に対する熱履歴と封止樹脂の密着性との関係について調査を行った。この結果、封止樹脂の密着性に対して銅合金表面の防錆剤有無の影響が大きく、銅合金表面に対する防錆処理の有無で酸化膜の成長過程が異なること、BTA系防錆剤が塗布されている場合には加熱温度の上昇に伴って封止樹脂の密着性が著しく低下することがわかった。さらに、防錆剤の熱特性を調査した結果、銅合金表面の防錆皮膜が一般的な接合時の温度範囲(180〜400度)において、多段の熱分解を生じ、その反応によって酸化膜の形態が変化して封止樹脂の密着強度が低下することが判明した。そこで、次のような手法によって封止樹脂の密着強度が低下を防ぐことにした。
図2は、本発明の実施の形態1におけるパワー半導体装置の製造工程を示すフロー図である。金属部材成形工程にて、ヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bの金属部材は、銅合金をプレスあるいは銅合金をエッチングすることによって成形される。洗浄工程の後、防錆剤塗布工程にて、銅合金の表面にBTAを主成分とする防錆皮膜が形成され、防錆皮膜が形成された状態で保管される。BTA防錆皮膜は、BTAおよびBTAと銅合金との反応層で構成されている。例えばBTAの希釈液に銅合金を浸した後、銅合金を乾燥することによって、膜厚が1nm以上300nm以下のBTA防錆皮膜を得ることができる。
次に、素子搭載工程にて、表面に防錆皮膜が形成されたヒートスプレッダ1の所定の位置に接合材3aを介してパワー半導体素子4を搭載する。そして、ヒートスプレッダ1とパワー半導体素子4とを、酸性・還元性ガス(例えば、3重量%のギ酸を含む窒素ガス)雰囲気中に曝し、加熱1工程にて、ヒートスプレッダ1とパワー半導体素子4とを加熱して接合させ、パワー半導体素子4がヒートスプレッダ1にダイボンドされる。雰囲気温度180℃以上、加熱時間5分以上の加熱条件であれば、用いる接合材によって加熱条件を選択できる。なお、はんだ等、溶融を伴う接合材を用いる場合には、ガス雰囲気が負圧状態であることが望ましい。接合材3a,3bは、主にスズを主成分とするはんだを用いるが、亜鉛系、ビスマス系など各種はんだや、導電性無機フィラを低温焼結させる金属焼結型、無機フィラをバインダ樹脂で固着させる導電性接着剤などであってもよい。また、接合材3a,3bの供給形態もペレットのほか、ペースト状、パウダーであってもよい。酸性・還元性ガスは、ギ酸、酢酸など分子中にカルボキシル基を持つもの(カルボン酸)が好ましく、シュウ酸やリンゴ酸などの多価カルボン酸を単一あるいはこれらを含む混合ガスを酸性・還元性ガスとして用いることができる。
次に、フレーム搭載工程にて、表面に防錆皮膜が形成されたリードフレーム2bを、ヒートスプレッダ1およびヒートスプレッダ1が接合された面とは逆側のパワー半導体素子4の主面に接合材3bを介して設置する。ヒートスプレッダ1およびパワー半導体素子4とリードフレーム2bとを前述と同じ酸性・還元性ガス雰囲気中に曝し、加熱2工程にて、ヒートスプレッダ1およびパワー半導体素子4の主面とリードフレーム2bとを加熱して接合する。本実施の形態では、ヒートスプレッダ1とパワー半導体素子4とを加熱する工程と、ヒートスプレッダ1およびパワー半導体素子4とリードフレーム2bとを加熱する工程とを分けているが、図3に示すように同時に加熱してもよい。酸性・還元性ガス雰囲気中での加熱工程によって、銅合金であるヒートスプレッダ1およびリードフレーム2bの表面では、BTA系防錆皮膜および/または防錆剤と銅の反応層が分解・除去されるとともに、酸化膜が還元されて5nm以下の膜厚となっている。
次に、ワイヤボンディング工程(配線工程)に進み、パワー半導体素子4とリードフレーム2aとをボンディングワイヤ5で接続する。ボンディングワイヤ5の接続方法として、アルミのスティッチボンドのほか、金や銅のボールボンディングなど公知のワイヤボンディング工程が利用できる。このようにして、ヒートスプレッダ1、リードフレーム2a,2b、およびパワー半導体素子4が接合され、実装体が得られる。
その後、封止工程に進み、トランスファモールドや液状注型などのモールド工法によって、リードフレーム2a,2bの一部を残して、実装体を封止樹脂6で覆い、キュア工程で封止樹脂6を硬化してパワー半導体装置7を得る。封止樹脂6には、エポキシ樹脂、硬化剤および無機質充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物のほか、一般的な樹脂封止材が使用される。ここで、ワイヤボンディング工程および封止工程により、ヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bの銅合金の表面には、膜厚が100nmより薄く(より好ましくは60nm以下)、酸素の成分と銅の成分との合計が50at%以上の酸化膜が形成されており、銅合金と封止樹脂6との界面に防錆皮膜が介在しない。この酸化膜を介して銅合金と封止樹脂6とが強固に結合し、剥離しにくくなる。なお、酸化膜の成分に酸素および銅以外の窒素、炭素、その他の合金が多く含まれると酸化膜の膜質が劣化するが、酸素の成分と銅の成分との合計が50at%以上であれば、酸化膜本来の特性が得られ、銅合金と封止樹脂6との密着性も良好となる。また、酸化膜は主にCuOとCuOで構成されるが、酸化膜の膜厚が100nmより厚くなると、膜質が脆いCuOの膜厚が厚くなるため、封止樹脂6が銅合金から剥離しやすくなるが、酸化膜の膜厚が100nm以下であれば、銅合金と封止樹脂6との密着性も良好となる。
以下、酸性・還元性ガス雰囲気中で加熱を行った場合の銅合金フレーム(ヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bに相当)の表面状態の測定結果、および銅合金フレームと封止樹脂との界面剥離率の測定結果を説明し、銅合金フレームと封止樹脂との密着性向上の効果を明らかにする。図4に、加熱処理条件別に測定した銅合金フレーム表面の防錆皮膜および酸化膜の膜厚の測定結果を示す。図4において、横軸は、加熱処理条件で、縦軸は、防錆皮膜厚(単位nm)または酸化膜厚(単位nm)である。実験に用いた銅合金フレームは、事前にBTAを主成分とする防錆皮膜が形成されたものである。
加熱処理条件は、BTA系防錆剤が塗布された銅合金フレームを酸性・還元性ガス(3重量%のギ酸を含む窒素ガス)雰囲気中で、3分、5分、15分、30分間加熱処理した場合と、比較のために、窒素ガス雰囲気中で3分加熱処理した場合の5条件である。また、参考として加熱処理前に相当する未処理の場合についても示した。図4(a)、図4(b)、図4(c)は、それぞれ加熱温度が150℃、180℃、250℃の場合の結果である。膜厚の測定は、製造ロットの異なる銅合金フレーム20枚に対して、X線光電子分光分析法(XPS)によるデプスプロファイルモードにて行った。防錆皮膜の膜厚は、窒素と銅との光電子強度比を用いて算出し、酸化膜の膜厚は、酸素と銅との光電子強度比を用いて算出した。図4と後述の図5において、各条件毎に示したエラーバーは20枚の銅合金フレームでの測定結果の最大・最小を示し、「△」、「◇」等の記号は各条件毎の平均値を示す。
図5に、加熱処理条件別の封止樹脂の界面剥離率を示す。図5(a)、図5(b)、図5(c)は、それぞれ加熱温度が150℃、180℃、250℃の場合の結果である。界面剥離率は、単位面積当たりの封止樹脂が剥離している面積の割合を示す値である。この界面剥離率によって、銅合金フレームと封止樹脂との密着性がわかる。封止樹脂は、日立化成工業(株)製CEL−4650を用いた。銅合金フレーム表面に直径3mmのプリンカップ形状に、トランスファモールド装置で成形したものを、プッシュプルテスタ(アイコーエンジニアリング(株)製RX−20)を用いて1mm/secの定速で横荷重をかけ、せん断破壊したときの破壊面における界面剥離の面積率で比較した。界面剥離率30%以下であれば、実用上問題がないレベルであり、界面剥離率30%が密着性基準となる。界面剥離率30%を満足するためには、防錆皮膜の膜厚がほぼ0nmであり、酸化膜の膜厚が100nm以下である必要がある。
図4(a)、図5(a)より、酸性・還元性ガス雰囲気中での加熱条件150℃以上の場合、加熱時間に関係なく、銅部材表面の防錆皮膜は平均150nmで、界面剥離率がほぼ100%であり、銅合金フレームと封止樹脂とが密着しにくい条件であることがわかる。これに対して、図4(b)、図5(b)より、酸性・還元性ガス雰囲気中での加熱条件180℃、5分以上の場合、銅部材表面の防錆皮膜は0nmであり、銅部材表面の酸化膜は100nm以下であり、界面剥離率が30%以下であり密着性基準を満足している。また、図4(c)、図5(c)より、酸性・還元性ガス雰囲気中での加熱条件250℃以上、3分以上の場合、銅部材表面の防錆皮膜は0nmであり、銅部材表面の酸化膜は100nm以下であり、界面剥離率が30%以下であり密着性基準を満足している。つまり、酸性・還元性ガス雰囲気中での加熱条件180℃以上かつ5分以上の場合、または250℃以上かつ3分以上の場合、銅部材表面の防錆皮膜は0nmであり、銅部材表面の酸化膜は100nm以下であり、界面剥離率が30%以下であり銅合金フレームと封止樹脂との密着性基準を満足している。一方、窒素ガス雰囲気中で加熱した場合では、加熱温度(150℃、180℃、250℃)に関係なく、防錆皮膜が残存しており、界面剥離率がほぼ100%であり、銅合金フレームと封止樹脂とが密着しにくい条件であることがわかる。
以上のように、酸性かつ還元性ガス雰囲気中にて180℃以上の温度で実装体を5分間以上加熱し、実装体と封止樹脂とを封止することによって、実装体を構成する銅合金と封止樹脂との界面に膜厚が100nm以下で、かつ、酸素および銅の成分が50at%以上の酸化銅のみを介在させ、銅合金を防錆するための防錆皮膜を介在させないことができる。また、酸性・還元性ガス雰囲気中での加熱工程によって、実装体における銅合金であるヒートスプレッダ1およびリードフレーム2a,2bの表面では、BTA系防錆皮膜および/または防錆剤と銅の反応層が分解・除去されるとともに、酸化膜が還元されて5nm以下にすることもできる。このような製造方法によって、銅合金と封止樹脂との界面に密着性を阻害する防錆剤、防錆剤と銅合金との反応層、脆弱な構造に成長した酸化膜がなくなるので、銅合金と封止樹脂との密着性にすぐれた信頼性の高い半導体装置を得ることができる。また、銅合金表面の酸化膜および防錆剤皮膜を管理するための特殊な設備や工程を必要とせず、封止樹脂との密着性にすぐれた表面状態にある実装体を得ることができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態1におけるパワー半導体装置の製造工程を示すフロー図である。銅合金であるリードフレームを加熱した直後に、酸素を含有するドライガスに実装体を暴露する工程を含む点が実施の形態1と異なる。図6に示すように、酸性・還元性ガス雰囲気中でヒートスプレッダ1およびパワー半導体素子4とリードフレーム2bとを加熱し、接合材3bを介して接合する工程の直後に、酸素を含み水分量500ppm以下の酸素ガス(ドライガス)に暴露する工程が追加されている。
図7に、加熱処理条件および酸素ガス暴露工程の有無に対する、金属部材である銅合金フレーム表面に形成される酸化膜の膜厚、酸化膜の膜中成分(酸素および銅の成分濃度)、および銅合金フレームと封止樹脂との密着性を表す界面剥離率を測定した結果を示す。なお、酸素および銅の成分濃度は、酸化膜中に含まれる酸素と銅とを合わせた成分濃度を示すものであり、単位はat%である。銅合金フレームとして、BTA系防錆剤が塗布された無酸素銅とCu−0.5wt%Sn合金とを準備し、それぞれ3重量%のギ酸を含む窒素ガス中で、150℃または180℃で15分加熱した後、直ちに水分量500ppm以下の50at%酸素・50at%窒素の乾燥ガスに置換してから大気中で保管した。
膜厚の測定は、実施の形態1と同様に、製造ロットの異なる銅合金フレーム20枚に対して、X線光電子分光分析法(XPS)によるデプスプロファイルモードにて行った。併せて、ワイドスキャンモードにおいて各検出成分(C,Nおよび合金成分)の成分比を測定した。図7より、180℃で加熱後に酸素を含む乾燥ガスに暴露したものが、加熱後直ちに大気暴露したものに比べて銅合金フレームと封止樹脂との密着性に優れ、このときの酸化膜には酸素および銅の成分濃度が50at%以上(酸素および銅以外の他成分の濃度が50at%以下)である条件を満たしている。一方、Snを含有するCu−0.5wt%Sn合金については、180℃で15分加熱しても、界面剥離率(平均値)が30%程度と高めであり、無酸素銅に比べて封止樹脂との密着性が良くないことがわかる。
以上のように、金属部材を酸性・還元ガス中で180℃以上かつ5分以上加熱した直後に、酸素を含み水分量500ppm以下のドライガスに暴露する工程を加えて、金属部材である銅合金と封止樹脂とを封止することによって、大気に暴露する前に酸素と接触させて銅合金表面に酸化膜を形成することができるので、さらに、金属部材と封止樹脂との密着性にすぐれた信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
なお、実施の形態1、2では、接合材3としてはんだを用いる場合について説明したが、接合材3として銀ナノペーストを用いてもよい。銀ナノペーストを用い、3重量%のギ酸を含む窒素ガス中で、180℃で15分加熱した後に水分量500ppm以下の50at%酸素50at%窒素混合ガスに置換して300℃で15分焼成した場合、銀ナノペーストと封止樹脂との密着強度は大気中で焼成したときの1.5倍となり、封止樹脂との密着性基準を満足することがわかっている。
1 ヒートスプレッダ、2a,2b リードフレーム、3a,3b 接合材、4 パワー半導体素子、5 ボンディングワイヤ、6 封止樹脂、7 パワー半導体装置。

Claims (4)

  1. 銅合金製の金属部材に半導体素子を搭載した実装体を封止樹脂によって封止して形成した半導体装置であって、
    前記金属部材と前記封止樹脂との界面に、膜厚が100nm以下で、かつ、酸素および銅の成分濃度が50at%以上の酸化膜が介在し、前記金属部材を防錆するための防錆皮膜が介在しないことを特徴とする半導体装置。
  2. 銅合金製の金属部材に半導体素子を搭載した実装体を封止樹脂によって封止して形成した半導体装置の製造方法であって、
    前記実装体を前記封止樹脂によって封止する封止工程と、
    前記封止工程の前に、酸性かつ還元性を有するガス雰囲気中にて180℃以上の温度で前記実装体を5分間以上加熱する加熱工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記封止工程の前に、前記加熱工程に続いて水分濃度が500ppm以下の酸素含有ガス雰囲気中に前記実装体を暴露する工程を備えることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記加熱工程によって、前記金属部材の表面に形成される防錆皮膜の膜厚がほぼゼロになることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
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