JP2012157877A - 塗工用ロッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溝面積のバラツキを小さくすることができる塗工用ロッドの製造方法を提供する。
【解決手段】ロッド素材20を準備する第1の工程と、ロッド素材20を超硬金属の土台140Aと土台140Aの上部に軟質樹脂層140Bを備えた水平な支持台140で支持しながら、複数の凸条を有する第1丸ダイス120と第2丸ダイス130とでロッド素材20を挟圧し、ロッド素材20を軸方向に送り出して、ロッド素材20の外表面に溝を形成する第2の工程とを有し、第2の工程において、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130間の距離Lとロッド素材20の直径Rとの差をX(mm)とし、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130の何れかの軸中心とロッド素材20の中心とを結ぶ線分が水平に対して成す角をy(deg.)としたとき、Xとyとを調整してロッド素材20の位置を規制する。
【選択図】図4

Description

本発明は塗工用ロッドの製造方法に関して、連続走行する薄い金属板、紙、フィルムなどのシート状又は帯状の支持体(以下、ウェブという)に各種の液状物質(塗布液)を塗布したり、塗布後に液状物質を平滑化したりするための塗工用ロッドの製造方法に関する。
薄い金属板、紙、プラスチックフィルム等のウェブに各種の塗布液を塗布する塗布装置としては、ロールコータ、エアーナイフコータ、ダイを用いたコータ、及びロッドコータ等の各種の装置が知られている。
これらの塗布装置の中でロッドコータは、簡易な塗布装置であり、各種の塗布液を各種のウェブに塗布することができるので、広く利用されている。ロッドコータは、ウェブに塗布された塗布液の過剰分を塗工用ロッド(バーともいう)で掻き落とすタイプのものと、ウェブへの塗布と塗布液量の調整の両方を1つの塗工用ロッドで行うタイプのものとがある。いずれのタイプのロッドコータにおいても、塗工用ロッドの表面の周方向には多数の溝が形成されている。この溝の深さ及び幅を調整することにより、ウェブに塗布する塗布液量や掻き落とす塗布液量が調整される。
塗工用ロッドの表面に溝を形成する方法として、転造により溝を形成する方法が知られている。この方法では、複数の凸状を有する2つの丸ダイスでロッド素材を挟み込み、2つの丸ダイスを回転させながら、ロッド素材を軸方向に前進し、ロッド素材の表面に溝を形成する。
特許文献1は、転造ボールねじ軸の製法について、2つのブッシュにより円柱状素材の軸心を規制しながら、2つのロールダイスを円柱状素材に食い込ませて、円柱状素材の表面に溝を形成することを開示する。
特許文献2は、一対の転造丸ダイス間に、軟質材料で構成された円柱形状の支持ローラで円柱状素材を支持しながら、転造丸ダイス間で円柱状素材を挟圧することで、円柱状素材の表面に溝を形成する転造加工方法を開示する。
特許第4002092号公報 特許第3722181号公報
特許文献1の方法では、転造中ブッシュが円柱状素材に接触する際に円柱状素材の表面に微細な傷が付く。この傷により溝面積がばらつくことになり、塗工用ロッドでは塗布液量がばらつき、塗布精度の悪化が問題となる。
特許文献2の方法では、支持ローラを回転可能に支持する。そのため、機械的強度が不足し、転造中わずかながら支持ローラに撓みを生じる。その結果、ワーク位置精度にバラツキが生じ溝面積に悪影響を及ぼす。
また、支持ローラは円柱形状を有している。そのため、転造中にロッドと支持ローラとの接する部分は極端に狭くなる。そのため、ロッドが支持台に対してずれ易く、ロッドを安定して支持台で支持することが難しくなる。ロッドが支持台に対してずれると、ロッドの設置高さが低くなる。そのためロッドとダイスとの位置が変化し、溝の面積がバラツクという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、溝面積のばらつきを抑制することができる塗工用ロッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の塗工用ロッドの製造方法は、ロッド素材を準備する第1の工程と、前記ロッド素材を、超硬金属の土台と前記土台の上部に軟質樹脂層を備えた水平な支持台で支持しながら、複数の凸条を有する一対の丸ダイスで前記ロッド素材を挟圧し、前記ロッド素材を軸方向に送り出して、前記ロッド素材の外表面に溝を形成する第2の工程とを有し、前記第2の工程において、前記一対の丸ダイス間の距離と前記ロッド素材の直径との差をx(mm)とし、一方の前記丸ダイスの中心と前記ロッド素材の中心とを結ぶ線分が水平に対して成す角をy(deg.)としたとき、xとyとを調整して前記ロッド素材の位置を規制することにより、前記溝の面積のバラツキを2%以下とする。
本発明によれば、ロッド素材を支持台で支持し、一対の丸ダイス間の距離とロッド素材の直径との差x(mm)と、一方の丸ダイスの中心と記ロッド素材の中心とを結ぶ線分が水平に対する角y(deg.)と調整することで、ロッド素材の位置を規制する。ブッシュを使用せずにロッド素材の位置を規制するので、ロッド素材の表面に傷が付くのを防止することができる。また、x(mm)とy(deg.)を調整することで、塗工用ロッドの溝の面積のバラツキを2%以下とすることができる。これにより塗布液量のバラツキを抑制することができる。
支持台の上面が平坦であるので、ロッド素材の支持台に対する高さ方向のズレを小さくできる。
本発明の塗工用ロッドの製造方法は、好ましくは、前記xと前記yとを、以下の式で表される直線で囲まれた領域内の値に設定する。(1) y=0.25x+0.375 (2) y=−0.5x+0.85 (3) y=4x (4) y=4x−1.5 (ただし、yの符号は前記丸ダイスの中心よりも前記ロッド素材の中心が低い場合を正とする。)
x(mm)とy(deg.)とを上述の範囲とすることで、より確実に、溝の面積のバラツキを2%以下にすることができる。
本発明の塗工用ロッドの製造方法は、好ましくは、前記xと前記yとを、以下の式で表される直線で囲まれた領域内の値に設定する。(1) y=0.25x+0.375 (2) y=−0.5x+0.85 (5) y=4x−0.45 (6) y=4x−0.95
x(mm)とy(deg.)とを上述の範囲とすることで、溝の面積のバラツキを1%以下にすることができる。
本発明の塗工用ロッドの製造方法は、好ましくは、前記第2の工程の前に、前記ロッド素材の軸方向に対して前記一対の丸ダイスの各々の主軸を所定角度傾けて配置する第3の工程をさらに備える。
一対の丸ダイスの各々の主軸をロッド素材の軸方向に対して所定角度傾けることにより、一対の丸ダイスでロッド素材を挟圧するときに、一対の丸ダイスの各主軸とロッド素材の軸方向とを平行にすることができる。これにより、ロッド素材に溝を精度良く転造することができる。
本発明の塗工用ロッドの製造方法は、好ましくは、前記第2の工程の後に、前記ロッド素材を表面研磨する第4の工程をさらに備える。
本発明の塗工用ロッドの製造方法によれば、溝面積のバラツキを抑制することができる。
塗工用ロッドを備えるロッドコータを示す概略図。 塗工用ロッドの一部を示す斜視図。 ロッド素材を示す斜視図。 塗工用ロッドの製造方法を示す概略図。 塗工用ロッドの部分断面図。 塗工用ロッドの製造方法を示す概略図。 研磨装置の断面図。 xとyの関係と、試験の結果との関係を示すグラフ。 塗工用ロッドの外周面の拡大図。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
図1は塗工用ロッドを備えるロッドコータを示す。ロッドコータ10は、塗工用ロッド12と、塗工用ロッド12を回転自在に支持するロッド支持ブロック13と、ロッド支持ブロック13に近接する堰部材16と、を備える。ロッド支持ブロック13と堰部材16とで形成された塗布液供給路17に塗布液15が供給される。走行するウェブ11に接触した状態で、ウェブ11の幅方向に塗工用ロッド12が配置される。ロッドコータ10において、1つの塗工用ロッド12が、ウェブ11への塗布液の供給と塗布液量の調整の両方を行う。塗工用ロッド12は、ウェブ走行方向と同方向に回転させても、或いは静止状態にしても、逆方向に回転させてもよい。
ロッドコータ10を用いた塗布方法を説明する。連続走行するウェブ11と塗工用ロッド12の接触部に塗布液15の液溜り18が形成される。回転する塗工用ロッド12により液溜り18の塗布液15がウェブ11に計量塗布される。
図2は、塗工用ロッドの概略構成図である。図2に示すように、塗工用ロッド12は円柱状のロッド素材20から構成されている。ロッド素材20はSUS等の材料で構成される。ロッド素材20の周面の周方向に、ロッド素材20の略全長に亘って溝21が形成される。溝21が形成される幅は、塗布幅より大きい。溝21の深さ、幅、ピッチにより塗布液量が調節される。
次に、塗工用ロッドの製造方法について説明する。図3に示すように、塗工用ロッドを構成するロッド素材20が準備される。ロッド素材20は、例えばSUSで構成され、3〜70mmの外径(R)とする円柱状の形状を有する。
図4は、転造加工装置によりロッド素材に溝を形成する状態を示す。転造加工装置100は、ロッド素材を挟圧し転造加工するための第1丸ダイス120と第2丸ダイス130、ロッド素材を支持する支持台140を備える。支持台140は、超硬金属の土台140Aと、土台140A上に設けられた軟質樹脂層140Bを有する。軟質樹脂層140Bは、上部において平坦面を有する。これにより、支持台140の上部は、設置面に対して水平となる。土台140Aは50mm程度の高さを有し、軟質樹脂層140Bは5mm〜10mm程度の高さを有する。軟質樹脂層140Bは、例えば高密度ポリエチレン等により製造される。
第1丸ダイス120と第2丸ダイス130は、略円柱状の形状を有しており、それぞれの主軸122、132を回転中心として回転する。主軸の長さは、一般的に100〜500mmである。第1丸ダイス120と第2丸ダイス130は、ロッド素材20に溝21を形成するため、溝形状を反転した複数の凸条の外周面を有する。第1丸ダイス120と第2丸ダイス130には、ロッド素材の進入側から退出側に向けて、食い付き部、平行部、逃げ部が形成される。食い付き部では、丸ダイスの端部から平行部に向けて、丸ダイスの外径が漸増する。平行部では、丸ダイスの外径は実質的に等しい。逃げ部では、平行部から丸ダイスの端部に向けて、丸ダイスの外径が漸減する。丸ダイスの食い付き部、平行部、及び逃げ部の長さは、必要に応じて適宜設定される。
第1丸ダイス120と第2丸ダイス130との間の距離L(mm)と、ロッド素材20の直径R(mm)との差x(mm)と、第1丸ダイス120又は第2丸ダイス130の一方の主軸122,132(中心軸)とロッド素材20の中心とを結ぶ線分が水平に対して成す角y(deg.)を調整することにより、ロッド素材20の表面に形成される溝21の面積を面積のバラツキを2%以下とすることが可能となる。ここで距離Lとは、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130との最短距離を意味する。主軸122,132間を結ぶ直線と、その直線と第1丸ダイス120の外径との交点と、その直線と第2丸ダイス130の外径との交点との距離となる。
次に、溝21の断面積について説明する。図5は、塗工用ロッドの断面図を示す。溝21の断面積とは、図5の斜線で示すように、塗工用ロッド12を長手方向で切断したときの断面の面積を意味する。
次に、塗工用ロッドの製造方法の流れを、図6を参考に説明する。図6(a)に示されるように、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130は、ロッド素材20の軸方向に対し、丸ダイスのそれぞれの主軸122、132と軸方向と成す角が所定角度となるように配置される。第1丸ダイス120と第2丸ダイス130は、図示しない駆動装置により、5〜100rpmの回転速度で回転し、ロッド素材20はそれに同期して回転しながら進行する。
図6(b)に示されるように、ロッド素材20が第1丸ダイス120と第2丸ダイス130との間に送り込まれる。第1丸ダイス120と第2丸ダイス130により、ロッド素材20が挟圧される。ダイスの回転中、主軸122、132は油圧その他の方法により保持されている。油圧の大きさは0.6〜100トンである。
図6(c)に示されるように、ロッド素材20が第1丸ダイス120と第2丸ダイス130との間を通過する。ロッド素材20の外周面には、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130により溝21が形成される。第1丸ダイス120と第2丸ダイス130とを、ロッド素材20の主軸に対して所定角度α(例えば、0.25°以上0.35°以下(閉じ角という))となるよう傾ける。これにより、ロッド素材20が転造加工される間、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130とが実質的に平行となる。第1丸ダイス120と第2丸ダイス130が実質的に平行となるので、転造ムラを防止することができる。
図6においては、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130とをロッド素材20の軸方向に対し所定角度傾けた場合で説明した。これに限定されず、第1丸ダイス120と第2丸ダイス130とをロッド素材20の軸方向に対し平行に配置することもできる。
転造加工された塗工用ロッドの表面を研磨装置により、研磨することができる。なお、転造した後に表面を研磨するまでの間に、鍍金その他の表面処理工程が入ってもかまわない。鍍金とは、クロム鍍金やニッケル鍍金、その他複合金属鍍金やダイヤモンドライクカーボン処理などを指し、化学気相成長法やスパッタリング法などによって実施される。
図7は研磨装置の断面図を示す。研磨部31、ロッド回転部32、ロッドシフト部(不図示)を備える。研磨部31は、塗工用ロッド12を上下方向から挟むように保持する多数のラッパ35と、これらラッパ35を保持する保持台36と、ラッパ35と塗工用ロッド12との接触面に研磨剤37を供給する研磨剤供給部38とを備える。
ラッパ35は、上下方向で2分割されており、上部ラッパ本体35a及び下部ラッパ本体35bから構成される。ラッパ35は、塗工用ロッド12の軸方向に多数並べて保持台36内に配置される。ラッパ本体35a,35bには、塗工用ロッド12の直径とほぼ同じ直径の内周面からなる研磨面40が形成される。ラッパ35はロッド軸方向長さが、例えば80mmであり、これが例えば25個並べて設けられる。ラッパ35の個数は塗工用ロッド12の塗布幅又は凸部エリアのロッド軸方向長さに応じて決定される。
上部ラッパ本体35aは上部支持台36aに保持される。上部ラッパ本体35aが、その自重によって塗工用ロッド12に向けて付勢される。下部ラッパ本体35bは下部支持台36bに保持される。ラッパ35は例えば鋳鉄、銅合金の他に、樹脂性化合物などの材料で構成される。
ラッパ35の研磨面40に対して研磨剤37を供給するため、研磨剤供給部38は供給パイプ41及びポンプ42を有する。研磨剤供給タンク43からの研磨剤37がラッパ35の研磨面40に供給される。研磨剤37としては、例えば酸化鉄、酸化アルミ、パミスなどが用いられる。
研磨方法について説明する。最初にラッパ35内の研磨面40に塗工用ロッド12をセットした後に、塗工用ロッド12の一端部をチャックにより保持する。次に、研磨剤供給部38を駆動して、各ラッパ35の研磨面40に対して研磨剤(ラップ剤)37を供給する。そして、塗工用ロッド12を回転しながら、塗工用ロッド12の軸方向に往復運動させる。これにより、塗工用ロッド12の凸部がほぼ平坦に研磨される。
[実施例]
以下、本発明の実施例を挙げ、詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものでは無い。13mmの外径、2000mmの長さを有し、SUS304で構成された、円柱形状のロッド素材を準備した。転造加工装置を用いて、一対の丸ダイスでロッド素材を挟圧することにより、ロッド素材の外表面に溝を転造した。このときブッシュを使用しなかった。
一対の丸ダイス間の距離L(mm)と、ロッド素材の直径R(mm)との差x(mm)と、丸ダイスの主軸(中心軸)とロッド素材の中心とを結ぶ線分が水平に対して成す角y(deg.)を変化させて、塗工用ロッドを製造した。各塗工用ロッドについて、長手方向に3箇所、円周方向に4箇所、計12箇所、1箇所ごとに10点の総計120点の溝面積を測定した。測定した溝面積を用いて、溝面積のバラツキを求めた。断面積のバラツキは、((最大溝面積−最小溝面積)×100)/平均溝面積の式で求めた。なお、転造加工中の支持台として、上端部が平坦面である支持台1と支持ロールである支持台2とを使用した。表1は、xとyの条件、溝面積バラツキの結果をまとめたものである。
Figure 2012157877
試験18〜21は、試験1、4、6及び8の支持台1を支持台2に変更したものである。支持台2を使用した場合、溝面積バラツキが大きくなることが理解できる。
図8は、上記結果(試験1〜17)から作製した溝面積バラツキのマップである。溝面積のバラツキが2%以下の領域を囲むように4つの直線を引き、各直線の式を求めた。溝面積のバラツキが1%以下の領域を囲むように2つの直線を引き、さらに各直線の式を求めた。
所定形状の溝をロッド素材に形成するためには、一対のダイス間の距離はロッド素材の直径より一定量小さくければならない。このためx(mm)を一定の値以上にする必要がある。つまり、図8の(3)y=4xより大きい、y>4xの範囲ではロッド素材への型の転造が不十分となる。一方、xを大きくしすぎると丸ダイスとロッド素材との間に無理な力が生じる。つまり、図8の(4)y=4x−1.5より小さい、y<4x−1.5の範囲では逃げ部不足となる。さらにxを大きくすると、ロッド素材の表面が剥離を起こし転造が正しく行われない。
「逃げ部不足」とは、丸ダイスの挟圧により塑性変形されたロッド素材の一部が、丸ダイスの端部と接触し、キズが発生する状況を意味する。また、「表面の剥離」とは、凸部が剥がれた状態で転造が完了する現象を意味する。
転造加工中において、ブッシュを使用しない場合、転造中のロッド素材の動きに起因するロッド素材の飛び出しを防ぐ必要がある。そのためにyをある一定の値以上に設定する必要がある。図8の(1)y=0.25x+3.75より小さい、y<0.25x+3.75の範囲ではロッド素材が飛び出してしまう。しかしあまりyの値を大きくしすぎると、横方向にロッド素材を押さえるダイスの力が下方に大きく分散してしまい、支持台とロッド素材との間で摩擦・磨耗が激しくなる。つまり、図8の(1)y=−0.5x+0.85より大きい、y>−0.5x+0.85の範囲では支持台が磨耗し、精度不良の原因となる。
このグラフから式(1)〜(4)の直線で囲まれた領域内となるようx、yを設定することで溝面積バラツキを2%以下とすることが可能となる。
さらに、式(1)、(2)、(5)、(6)の直線で囲まれた領域内となるようx、yを設定することで溝面積バラツキを1%以下とすることが可能となる。
次に、試験1の条件で、さらに丸ダイスとロッド素材との閉じ角を変化させて、転造ムラと塗布ムラを評価した。
転造ムラについて、その評価を説明する。図9は塗工用ロッドの外周面の拡大図である。まず、外周表面の山部同士の軸方向に直交する高さの最大値Zと最小値Zを求め、最大値Zと最小値Zとの差Z12を求める。同様に、外周表面の谷部同士の軸方向に直交する高さの最大値Zと最小値Zを求め、最大値Zと最小値Zとの差Z34を求める。差Z12と差Z34の何れか大きい値を転造ムラZ(μm)とした。基準線は、例えば定盤の上に置くことで設定される。この場合、Z=0となる。
塗布ムラについて、幅方向3点、長手方向4点(つまり、ロッド円周方向一周期分:塗布時のロッド回転数をv [rev./min.]、ウェブ速度をV [m/min.] とするとき、ウェブ上で長手方向V/v [m/rev.]の範囲をカバーするように)計12点での塗布量を測定し、バラツキを算出した。バラツキは((最大塗布量−最小塗布量)×100)/平均塗布量で求めた。塗布ムラの評価は塗布直後及び乾燥終了後の面状の目視観察により実施した。塗布直後と乾燥終了後ともに良好な面状である場合を◎(最良)、塗布直後はムラが見られるが乾燥終了後は良好な面状である場合を○(良)とした。なお塗布直後と乾燥終了後ともにムラである場合は製品として採用できる範囲外なので×(不良)とした。
表2は、閉じ角、溝面積バラツキ、転造ムラ、及び塗布ムラの評価をまとめたものである。
Figure 2012157877
表2によれば、閉じ角が0.25〜0.35(°)の範囲では、転造ムラが小さいことが理解できる。その結果、溝面積バラツキが小さく、転造ムラが小さい場合、塗布ムラが小さくなることが理解できる。
20・・・ロッド素材、21・・・溝、100・・・転造加工装置、120・・・第1丸ダイス、130・・・第2丸ダイス、122、132・・・主軸、140・・・支持台

Claims (5)

  1. ロッド素材を準備する第1の工程と、
    前記ロッド素材を、超硬金属の土台と前記土台の上部に軟質樹脂層を備えた水平な支持台で支持しながら、複数の凸条を有する一対の丸ダイスで前記ロッド素材を挟圧し、前記ロッド素材を軸方向に送り出して、前記ロッド素材の外表面に溝を形成する第2の工程とを有し、
    前記第2の工程において、前記一対の丸ダイス間の距離と前記ロッド素材の直径との差をx(mm)とし、一方の前記丸ダイスの中心と前記ロッド素材の中心とを結ぶ線分が水平に対して成す角をy(deg.)としたとき、xとyとを調整して前記ロッド素材の位置を規制することにより、前記溝の面積のバラツキを2%以下とする塗工用ロッドの製造方法。
  2. 前記xと前記yとを、以下の式で表される直線で囲まれた領域内の値に設定する請求項1記載の塗工用ロッドの製造方法。
    (1) y=0.25x+0.375
    (2) y=−0.5x+0.85
    (3) y=4x
    (4) y=4x−1.5
    (ただし、yの符号は前記丸ダイスの中心よりも前記ロッド素材の中心が低い場合を正とする。)
  3. 前記xと前記yとを、以下の式で表される直線で囲まれた領域内の値に設定する請求項2記載の塗工用ロッドの製造方法。
    (1) y=0.25x+0.375
    (2) y=−0.5x+0.85
    (5) y=4x−0.45
    (6) y=4x−0.95
  4. 前記第2の工程の前に、前記ロッド素材の軸方向に対して前記一対の丸ダイスの各々の主軸を所定角度傾けて配置する第3の工程をさらに備える請求項1から3の何れか記載の塗工用ロッドの製造方法。
  5. 前記第2の工程の後に、前記ロッド素材を表面研磨する第4の工程をさらに備える請求項1から4の何れか記載の塗工用ロッドの製造方法。
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