JP2012155844A - 光ピックアップ装置及びその対物レンズ - Google Patents

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耕平 大田
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Abstract

【課題】CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、波面収差の位相ずれを抑制した光ピックアップ装置及び対物レンズを提供する。
【解決手段】対物レンズの中央領域と周辺領域共に、波長λ0に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造を形成したことによって、周辺領域でも輪帯形状に応じた波面収差が生ずるが、周辺領域における波面収差の位相と、中央領域における波面収差の位相とを実質的に一致させることができる。このように波面収差の平均値を一致させれば、位相のズレは、ゼロ或いは0.05λ1未満とすることができ、波面収差の向上を図ることができるのである。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ピックアップ装置及びその対物レンズに関し、例えば透明基板の厚さが異なる2つの光情報記録媒体に情報記録及び/又は情報再生の可能な光ピックアップ装置及びそれに用いる対物レンズに関する。
近年、短波長赤色半導体レーザ実用化に伴い、従来の光ディスクすなわち光情報記録媒体であるCD(コンパクトディスク)と同程度の大きさで大容量化させた高密度の光ディスクであるDVD(デジタルビデオディスク)の開発が進んでいる。このような光ディスクなどを媒体とした光情報記録再生装置の光学系において、記録信号の高密度化を図るため、対物レンズが記録媒体上に集光するスポットを小さくすることが要求されている。このため、光源であるレーザの短波長化と対物レンズの高NA化とが図られているという実情がある。
例えば、DVDに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置においては、波長650nm前後の短波長半導体レーザを光源として使用したとき、かかるレーザ光を集光させる対物レンズの光ディスク側の開口数NAを約0.6としている。なお、CD、DVDの中にも、種々の規格の光ディスク、例えばCD−R(追記型コンパクトディスク)等があり、CD、DVDの他にもMD(ミニディスク)なども商品化されて普及している。
一方、CD−Rに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置においては、波長780nm前後の光源が必要になるが、他の光ディスクにおいては、特定の光源波長以外の波長の光源を使用することができ、かかる場合、使用する光源波長λに応じて必要開口数NAが変わるようになっている。例えば、CDの場合は必要開口数NA=λ(μm)/1.73、DVDの場合は必要開口数NA=λ(μm)/1.06で近似される。本明細書でいう開口数は、光ディスク側から見た集光光学系の開口数のことであり、必要開口数とは光ディスクの記録面上で要求されるスポットサイズdと使用波長λとから算出される開口数であり、一般的にはNA=0.83×λ÷dである。
このように市場には透明基板厚さ、記録密度、使用波長などが異なる様々な光ディスクが存在するが、個々の光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行うことができる専用の情報記録再生装置を購入することはユーザーにとって大きな負担となる。そこで、様々な光ディスクに対応できる互換性のある光ピックアップ装置を備えた情報記録再生装置が提案されている。
このような光ピックアップ装置においては、波長の異なる光束を、厚さの異なる基板に入射させたとき、球面収差を所定量以下に補正する必要があると共に、情報の書き込み読み取りを適切なものとすべく、各光束のスポット径も所定の範囲内に収める必要がある。
これに対し、異なる光ディスクそれぞれに対応した別個の集光光学系を備え、再生する光ディスクにより集光光学系を切り換えるようにした光ピックアップ装置が提案されている。かかる光ピックアップ装置によれば、波長の異なる光束を、厚さの異なる基板に入射させたとき、球面収差を所定量以下に補正でき、各光束のスポット径も所定の範囲内に収めることができる。しかしながら、この光ピックアップ装置では、集光光学系が複数必要となるため構成が複雑となり、高コスト化を招くため好ましくない。
このような問題に対し、所定開口数未満の光束についてはスポット光に収斂させると共に、所定開口数以上の光束についてはフレア光とすることができる回折構造を有する対物レンズが開発されている。かかる対物レンズによれば、例えばCDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対して、情報の記録又は再生に必要な径のスポット光を得ることが出来る。
ここで、上述した回折構造を備えた対物レンズにおいて、所定開口数未満の光束については、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用することになるため、光源波長が異なることによる波面収差が本来的に生じうる。従って、何らかの手法により波面収差の特性を良好なものとすることが必要となっている。又、例えばCDのごとき基板厚の厚い光情報記録媒体に対して、スポット光量を上げたいという要求もある。
本発明は、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、波面の位相ずれを抑制することのできる光ピックアップ装置及び対物レンズを提供することを目的とする。
本発明は、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、波面収差の特性を良好なものとした光ピックアップ装置及び対物レンズを提供することを目的とする。
更に、本発明は、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、例えばCDのごとき基板厚の厚い光情報記録媒体に対して、スポット光量を上げることができる光ピックアップ装置及び対物レンズを提供することを目的とする。
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域と前記周辺領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造が形成され、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする。以下、本発明について説明する。
図1(a)は、比較例として示す対物レンズの光軸方向概略断面図であり、図1(b)は、比較例の対物レンズにおける前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の波面収差を模式的に示す図である。但し、波面収差において2πの整数倍分の位相ずれは、結像に影響しないので波面収差から除いてある。前記第2必要開口数NA2はここでは0.47である。かかる比較例の対物レンズにおいて、前記第2必要開口数NA2は0.47以上の周辺領域は、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う光束が通過する専用領域となるので、ブレーズ化波長を、実際に使用する光の波長と一致させることができ、従って波面収差を原則的に一定に維持することができる。しかしながら、前記第2必要開口数NA2以下の中央領域では、前記第1及び前記第2の光情報記録媒体の双方に対して適切な回折効率を得るために、回折輪帯を形成するためのブレーズ化波長と、実際に使用する光の波長とを異ならせる必要があり、そのため前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面との間に、0.05λ1程度の位相のズレが生じている。
このような位相のズレを解消するために、請求項1に記載の発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズにおいては、前記中央領域と前記周辺領域で、波長λ0(λ1<λ0<λ2)に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造を形成している。ここで、波長λ0に関してブレーズ化するとは、その波長λ0で最も回折効率を高めるように回折輪帯を設計するという意味である。
図2(a)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズの光軸方向概略断面図であり、図2(b)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズにおける前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の波面収差を模式的に示す図である。
図2(b)から明らかなように、前記中央領域と前記周辺領域共に、波長λ0に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造を形成したことによって、周辺領域でも輪帯形状に応じた波面収差が生ずるが、周辺領域における波面収差の平均値と、中央領域における波面収差の平均値とを実質的に一致させることができる。このように波面収差の平均値を一致させれば、位相のズレは、ほぼゼロ或いは0.05λ1未満とすることができ、波面収差の向上を図ることができるのである。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、前記中央領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であるので、例えば前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、波長λ1の整数倍の光路差を生じる段差を設けることで、位相ズレに影響を与えることなく、温度変化に対する収差変化の特性を改善させることができる。
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であると好ましい。
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、前記周辺領域には、光源波長λ0’(λ0’<λ0)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた周辺回折構造が形成されており、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面は、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と不連続であり、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする。以下、本発明について説明する。
図3(a)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズの光軸方向概略断面図であり、図3(b)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズにおける前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の波面収差を模式的に示す図である。
前記第2必要開口数NA2(ここでは0.47)以上の前記周辺領域に関しては、ブレーズ化波長と使用波長とを一致させることで、図3(b)上部に示すように波面収差を一定に維持すると共に、図3(a)に示すように、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面P1を、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面P2に対して不連続とすることによって、前記第2必要開口数NA2(0.47)以下の前記中央領域に関しては、その平均的な波面を、周辺領域における平均的な波面に近づけることで、波面収差の特性を良好なものとすることができる(図3(b)下部参照)。
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であるので、例えば前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、波長λ1の整数倍の光路差を生じる段差を設けることで、位相ズレに影響を与えることなく、温度変化に対する収差変化の特性を改善させることができる。
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であると好ましい。
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ1とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差又は前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ2とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差のうち少なくとも一方を軽減したことを特徴とする。以下、本発明について説明する。
本発明は、ブレーズ化波長と使用波長とが異なることによって、各回折輪帯の中で生じる微小な波面収差を良好なものとすべくなされたものである。一般に、光ピックアップ用の対物レンズでは、開口の低次のべきの波面収差があると、ジッターその他の信号の特性が悪化するとされている。したがって、ブレーズ化波長と使用波長とが異なることによって生じる波面収差を、NAのべき級数で表した時、3次球面収差、5次球面収差など比較的低次の波面収差について、あらかじめ補正した設計をしておくことが望ましい。具体的に3次以上の波面収差を抑制する設計手法としては、輪帯ピッチやマクロ的な非球面を設計する時に、ブレーズ化波長と使用波長とが異なることによって生じる低次の波面収差を見越して、設計に織り込んでおくとよい。とくに光軸を含む前記中央回折構造の回折輪帯は、面積が大きく、上記の低次球面収差の発生が顕著なので重視することが望ましい。
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域及び前記周辺領域には、回折輪帯を備えた回折構造が形成されており、前記中央領域の回折構造と、少なくとも前記周辺領域における前記中央領域に接する位置の回折構造とは、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化されていることを特徴とする。以下、本発明について説明する。
CDなどの第2の光情報記録媒体に対して高速的に記録及び/又は再生を行う場合、対物レンズで多くの光量を集光する必要がある。しかし、収差補正される領域(ここでは中央領域)の開口数NA(ここではNA2)を大きくすると、ビームが絞られすぎたり、トレランスが劣化するなどの悪影響を生じる。したがって収差補正される領域の開口数NAを大きくすることなくスポット光量を増やしたいという要求がある。そこで、本発明をなすにあたり、本発明者らが検討した結果、前記第2の光情報記録媒体に対しては情報の記録及び/又は再生を行うために使用されない、例えば収差補正されていないフレアを生じさせる領域(ここでは周辺領域)も、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うためのスポット光量に寄与する可能性があることが分かった。かかる検討結果に基づいて、本発明においては、前記中央領域の回折構造と、少なくとも前記周辺領域における前記中央領域に接する位置の回折構造とを、波長λ0の光束に関してブレーズ化することで、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うためのスポット光量の増大を図っている。
ここで、前記周辺領域のブレーズ化波長λ0を、前記第1の光情報記録媒体に対して用いる使用波長λ1と等しくすると、前記第1の光情報記録媒体に対しては前記周辺領域における回折構造の回折効率を高くすることはできるが、前記第2の光情報記録媒体の使用波長λ2に対して、その回折効率は低くなる。そこで、前記周辺領域の中で比較的、例えば開口数が0.47〜0.52のごとき開口数NAの小さい領域(前記周辺領域における前記中央領域との境界に近い、即ち前記中央領域に接する領域)の回折構造のブレーズ化波長を、前記中央領域の回折構造のブレーズ化波長と同じにすれば、この領域については、波長λ2の光束に対する回折効率が高まり、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うために用いる光束の光量増大を図ることができる。
請求項9に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域と前記周辺領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造が形成され、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項1に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項10に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記中央領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項2に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項11に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項3に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項12に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、前記周辺領域には、光源波長λ0’(λ0’<λ0)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた周辺回折構造が形成されており、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面は、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と不連続であり、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項4に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項13に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項5に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項14に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項6に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項15に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ1とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差又は前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ2とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差のうち少なくとも一方を軽減したことを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項7に記載の発明の作用効果と同様である。
請求項16に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域及び前記周辺領域には、回折輪帯を備えた回折構造が形成されており、前記中央領域の回折構造と、少なくとも前記周辺領域における前記中央領域に接する位置の回折構造とは、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化されていることを特徴とする。
本明細書中で用いる「回折構造」とは、対物レンズの表面に、レリーフを設けて、回折によって光束を集光あるいは発散させる作用を持たせた部分のことをいう。レリーフの形状としては、例えば、図4(a)に示すように、対物レンズの表面に、光軸を中心とする略同心円状の輪帯として形成され、光軸を含む平面でその断面をみれば各輪帯は鋸歯のような形状が知られているが、そのような形状を含むものであり、そのような形状を特に「回折輪帯」という。
本明細書中において、対物レンズとは、狭義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置される集光作用を有するレンズを指し、広義にはそのレンズと共に、アクチュエータによって少なくともその光軸方向に作動可能なレンズ群を指すものとする。ここで、かかるレンズ群とは、少なくとも1枚以上(例えば2枚)のレンズを指すものである。従って、本明細書中において、対物レンズの光情報記録媒体側(像側)の開口数NAとは、対物レンズの最も光情報記録媒体側に位置するレンズ面を通過する光束の開口数NAを指すものである。また、本明細書中では必要開口数NAは、それぞれの光情報記録媒体の規格で規定されている開口数、あるいはそれぞれの光情報記録媒体に対して、使用する光源の波長に応じ、情報の記録または再生をするために必要なスポット径を得ることができる回折限界性能の対物レンズの開口数を示す。
本明細書中において、第2の光情報記録媒体とは、例えば、CD-R, CD-RW, CD-Video, CD-ROM等の各種CD系の光ディスクをいい、第1の光情報記録媒体とは、DVD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD-RW,DVD-Video等の各種DVD系の光ディスクを意味するものである。更に、本明細書中で透明基板の厚さtといった時は、t=0を含むものである。
本明細書中において、情報の記録及び/又は再生とは、上記のような光情報記録媒体の情報記録面上に情報を記録すること、及び/又は情報記録面上に記録された情報を再生することをいう。本発明の光ピックアップ装置は、記録だけ或いは再生だけを行うために用いられるものであってもよいし、記録および再生の両方を行うために用いられるものであってもよい。また、或る情報記録媒体に対しては記録を行い、別の情報記録媒体に対しては再生を行うために用いられるものであってもよいし、或る情報記録媒体に対しては記録または再生を行い、別の情報記録媒体に対しては記録及び再生を行うために用いられるものであってもよい。なお、ここでいう再生とは、単に情報を読み取ることを含むものである。
本発明によると、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、波面の位相ずれを抑制することのできる光ピックアップ装置及び対物レンズを提供することができる。
又、本発明によると、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、波面収差の特性を良好なものとした光ピックアップ装置及び対物レンズを提供することができる。
更に、本発明によると、CDやDVDといった異なる光情報記録媒体に対する情報の記録又は再生に共用する対物レンズにおいて、例えばCDのごとき基板厚の厚い光情報記録媒体に対して、スポット光量を上げることができる光ピックアップ装置及び対物レンズを提供することができる。
図1(a)は、比較例として示す対物レンズの光軸方向概略断面図であり、図1(b)は、比較例の対物レンズにおける前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の波面収差を模式的に示す図である。 図2(a)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズの光軸方向概略断面図であり、図2(b)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズにおける前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の波面収差を模式的に示す図である。 図3(a)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズの光軸方向概略断面図であり、図3(b)は、本発明にかかる光ピックアップ装置の対物レンズにおける前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の波面収差を模式的に示す図である。 実施例1、2の対物レンズの断面図である。 実施例1の対物レンズに関する球面収差図である。 実施例2の対物レンズに関する球面収差図である。 実施例1,2の対物レンズ3を用いることができる光ピックアップ装置の概略構成図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
回折面は回折レリーフをはずしたマクロ的な形状を示す母非球面と、光路差函数とで表す。光路差関数は、所定の製造波長の所定次数の回折光に対し回折面によって付加される光路差をあらわすものとし、光路差関数の値がmλ(mは回折次数)変わるごとに回折輪帯を設ける。
光路差関数Φ(h)は次式で表す。
Φ(h)=(b0+b2*h2+b4*h4+b6*h6+・・・)×λ (1)ただし、
h:光軸からの距離
b0、b2、b4、b6、・・・:光路差関数の係数
一方、非球面は次式で表す。
x=(h2/r)/(1+√(1−(1+k)h2/r2))+A0+A2*h2+A4*h4+A6*h6+・・・ (2)
ただし、
A0、A2、A4、A6、・・・:非球面係数
k:円錐係数
r:近軸曲率半径
r、d、n、νdはレンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数を表す。
上記の定義を基にした場合、光路差関数の2次係数を零でない値とすることにより、レンズにパワーを持たせることができる。また、光路差関数の2次以外の係数、例えば、4次係数、6次係数、8次係数、10次係数等を零でない値とすることにより、球面収差を制御することができる。尚、ここで、制御するということは、屈折パワーを有する部分が持つ球面収差を、逆の球面収差を発生させて補正したり、全体の球面収差を所望な値にすることを意味する。
(実施例1)
図4に、実施例1、2の対物レンズの断面図を示す。図5は、実施例1の対物レンズに関する球面収差図である。又、実施例1の対物レンズにかかるレンズデータを表1に示す。かかる対物レンズにおいては、第1面は、光軸を含み開口数NA2までに相当する中央領域と、開口数NA2からNA1までに相当する周辺領域とに、それぞれ回折構造を設けている。
Figure 2012155844
実施例1の対物レンズは、DVD、CDに対してそれぞれ波長655nm、波長785nmで情報の記録及び/又は再生をおこなうために用いるものである。光源側である第1面全面に回折輪帯を有し、回折輪帯は光軸を含む断面形状が鋸歯状にブレーズ化されている。
また各回折輪帯は、DVD.CDそれぞれの波長の光束に対して、同一次数の回折光を用いるようにブレーズ化されており、波長の違いによって生じる球面収差の差を利用して、DVD.CDの基板厚差で生じる球面収差を補正している。
この対物レンズでは波長655nmの光束でDVDに対して記録又は再生するのに必要な開口数NA1(第1必要開口数)として0.60を想定しており、波長785nmの光束でCDを記録又は再生するのに必要な開口数NA2(第2必要開口数)として0.47を想定している。また波長785mnの光束に対し、CDの情報記録面では、開口数NA0.47以上の光束は球面収差を発生させてフレアとしている。
各回折輪帯において、所定の次数の回折光に対し、回折効率が最大となる波長をブレーズ化波長と呼ぶ。この実施例の対物レンズでは、ブレーズ化波長の光束に対し、1次回折光の回折効率を最大としている。
この実施例では、光軸を含み開口数NA2(0.47)までに相当する中央領域と、開口数NA2から開口数NA1までに相当する周辺領域の双方において、回折面に異なる特性を持たせているが、このときNA2の内外で波面の位相ずれが生じないように、以下のいずれかの手法を用いることができる。
1番目の手法は、ブレーズ化波長を中心領域と周辺領域とで同じとするものである。このときの断面形状とDVD側の波面収差は、図2(b)に類似のものとなる。ただし、波面収差において2πの整数倍分の位相ずれは結像に影響しないので波面収差から除いてある。
2番目の方法は、ブレーズ化波長が中心領域と周辺領域とで異なるが、光軸を含む断面において、回折輪体の深さが輪帯間の段差のほぼ半分となる位置を通る光線に対し、各輪帯間の波面の位相を一致させるものである。
(実施例2)
図6は、実施例2の対物レンズに関する球面収差図である。又、実施例2の対物レンズにかかるレンズデータを表2に示す。本実施例においても、対物レンズは、光軸を含み開口数NA2までに相当する中央領域と、開口数NA2から開口数NA1までに相当する周辺領域の双方に回折構造を形成している。本実施例によれば、レンズデータを適切に設定することで、第1の光情報記録媒体であるDVD側について3次球面収差、5次球面収差をそれぞれ−0.011λWFErms、0.008λWFErms、第2の光情報記録媒体であるCD側について3次球面収差、5次球面収差をそれぞれ0.0l0λWFErms、−0.008λWFErms故意に残留させている。尚、かかる対物レンズにおいては、第1面は、光軸を含み開口数NA2までに相当する中央領域と、開口数NA2からNA1までに相当する周辺領域とに、それぞれ回折構造を設けている。
Figure 2012155844
図7は、上述した実施例1,2の対物レンズ3を用いることができる光ピックアップ装置の概略構成図である。図7において、光ピックアップ装置は、第1の光情報記録媒体(例えばDVD)に対して記録および/または再生を行うための第1光源11と、第2の光情報記録媒体(例えばCD)に対して記録および/または再生を行うための、第1光源11とは波長の異なる第2光源12とを備え、それぞれの光源から射出される発散光束の発散角を所望の発散角に変換するカップリングレンズ21,22と、上記光束をほぼ一つの方向に進むように合成する光合成手段であるビームスプリッタ62と、ビームスプリッタ62からの光束を光情報記録媒体の情報記録面5に集光する対物レンズ3と、光情報記録媒体からの反射光を受光する光検出器41、42とを備えている。図中、8は絞り、9はシリンドリカルレンズ、71は1/4波長板、15は光源11からの発散光束の発散度を小さくするためのカップリングレンズ、16は凹レンズ、17は反射光束を分離するためのホログラム、61は情報記録面からの反射光を光検出器41に向けるためのビームスプリッタである。
3 対物レンズ
8 絞り
9 シリンドリカルレンズ
11 第1光源
12 第2光源
15 カップリングレンズ
16 凹レンズ
17 ホログラム
21、22 カップリングレンズ
41,42 光検出器
61,62 ビームスプリッタ
71 1/4波長板
ここで、波長λ0に関してブレーズ化するとは、その波長λ0で最も回折効率を高めるように回折輪帯を設計するという意味である。
請求項に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、前記中央領域には、前記光源波長λ1及び前記光源波長λ2とは異なる波長である波長λ0の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、前記周辺領域には、光源波長λの光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた周辺回折構造が形成されており、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面は、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と不連続であり、前記中央領域を通過する光束の平均的な波面と、前記周辺領域を通過する光束の平均的な波面とのズレを抑制したことを特徴とする。以下、本発明について説明する。
請求項に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記波長λ0は、λ1<λ0<λ2であることを特徴とする。
請求項3に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であるので、例えば前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、波長λ1の整数倍の光路差を生じる段差を設けることで、位相ズレに影響を与えることなく、温度変化に対する収差変化の特性を改善させることができる。
請求項に記載の光ピックアップ装置の対物レンズは、前記周辺領域を通過した前記光源波長λ2の光束を、前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上でフレアとすることを特徴とする。
CDなどの第2の光情報記録媒体に対して高速的に記録及び/又は再生を行う場合、対物レンズで多くの光量を集光する必要がある。しかし、収差補正される領域(ここでは中央領域)の開口数NA(ここではNA2)を大きくすると、ビームが絞られすぎたり、トレランスが劣化するなどの悪影響を生じる。したがって収差補正される領域の開口数NAを大きくすることなくスポット光量を増やしたいという要求がある。そこで、本発明をなすにあたり、本発明者らが検討した結果、前記第2の光情報記録媒体に対しては情報の記録及び/又は再生を行うために使用されない、例えば収差補正されていないフレアを生じさせる領域(ここでは周辺領域)も、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うためのスポット光量に寄与する可能性があることが分かった。
請求項に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の対物レンズを有することを特徴とする。

Claims (16)

  1. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域と前記周辺領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造が形成され、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記中央領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、
    前記周辺領域には、光源波長λ0’(λ0’<λ0)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた周辺回折構造が形成されており、
    前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面は、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と不連続であり、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、
    前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ1とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差、又は前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ2とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差のうち少なくとも一方を軽減したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置において、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域及び前記周辺領域には、回折輪帯を備えた回折構造が形成されており、前記中央領域の回折構造と、少なくとも前記周辺領域における前記中央領域に接する位置の回折構造とは、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域と前記周辺領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)に関してブレーズ化された回折輪帯を有する回折構造が形成され、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
  10. 前記中央領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺領域の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
  11. 前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
  12. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、
    前記周辺領域には、光源波長λ0’(λ0’<λ0)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた周辺回折構造が形成されており、
    前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面は、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と不連続であり、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレを抑制したことを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
  13. 前記中央回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面と、前記周辺回折構造の回折輪帯の光軸方向先端を結ぶ仮想的な包絡面との間には光軸方向に段差が生じ、前記段差は1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
  14. 前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際に、前記中央領域を通過する光束の波面と、前記周辺領域を通過する光束の波面とのズレは0.05λ1以下であることを特徴とする請求項12又は13に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ。
  15. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域には、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化された回折輪帯を備えた中央回折構造が形成されており、
    前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ1とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差又は前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録/又は再生を行う際に、光源波長λ2とブレーズ化波長λ0との差によって生じる波面収差のうち少なくとも一方を軽減したことを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
  16. 光源波長λ1の第1光源と、光源波長λ2(λ1<λ2)の第2光源と、前記第1及び第2光源から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt1である第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能であると共に、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、透明基板の厚さがt2(t1<t2)である第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うことが可能な光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
    前記第1光源と前記集光光学系とを用いて、前記第1の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第1必要開口数NA1とし、前記第2光源と前記集光光学系とを用いて、前記第2の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズの第2必要開口数NA2(NA1>NA2)としたときに、
    前記対物レンズの少なくとも一つの光学面は、光軸から前記第2必要開口数NA2に対応する所定の距離までの中央領域と、前記所定の距離を超えた周辺領域とを有しており、
    前記中央領域及び前記周辺領域には、回折輪帯を備えた回折構造が形成されており、前記中央領域の回折構造と、少なくとも前記周辺領域における前記中央領域に接する位置の回折構造とは、波長λ0(λ1<λ0<λ2)の光束に関してブレーズ化されていることを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ。
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