JP2012153841A - 飛行物体または風車以外の物品のための成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補強材として炭素繊維を使用し、マトリックスとして樹脂組成物を使用した炭素繊維強化複合材料の飛行物体または風車以外の物品のための成形体である。樹脂組成物が、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有し、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が該成形体の少なくとも表面層の該樹脂中に分散している。
【選択図】図1
Description
(項目1) 補強材として炭素繊維を使用し、マトリックスとして樹脂組成物を使用した炭素繊維強化複合材料の飛行物体または風車以外の物品のための成形体において、
該樹脂組成物が、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有し、該チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が該成形体の少なくとも表面層の該樹脂中に分散している成形体。
(項目2) 前記チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が、前記樹脂100重量部に対して50〜300重量部配合されている項目1に記載の成形体。
(項目3) 前記チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体の平均粒子径が、0.001〜100μmである項目1または2に記載の成形体。
(項目4) 前記チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が、二酸化チタン、アルミナおよびアルカリ長石を含む原料から形成された成形体を焼成、粉砕して得られる項目1〜3のいずれか1項に記載の成形体。
(項目5) 前記樹脂が、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合物である項目1〜4のいずれか1項に記載の成形体。
(項目6) 前記炭素繊維が、一方向に引き揃えられた炭素繊維であり、該炭素繊維に前記樹脂組成物が含浸して得られた樹脂含浸繊維層が厚み方向に複数積層されて前記炭素繊維強化複合材料が構成され、
該それぞれの樹脂含浸繊維層において炭素繊維が一方向に配向しており、該複数の樹脂含浸繊維層の全体として炭素繊維が多方向へ配向している、項目1〜5のいずれか1項に記載の成形体。
(項目7) 前記各樹脂含浸繊維層の厚さが20〜80μmである項目6に記載の成形体。
(項目8) 前記樹脂含浸繊維層と樹脂含浸繊維層との間に、前記樹脂組成物からなる樹脂組成物層が設けられている、項目6または7に記載の成形体。
(項目9) 前記炭素繊維が、一方向に引き揃えられた炭素繊維であり、該炭素繊維に樹脂が含浸して得られた樹脂含浸繊維層が厚み方向に複数積層されて炭素繊維強化複合材料が構成され、
該それぞれの樹脂含浸繊維層において炭素繊維が一方向に配向しており、該複数の樹脂含浸繊維層の全体として炭素繊維が多方向へ配向し、
該樹脂含浸繊維層と樹脂含浸繊維層の間に前記樹脂組成物からなる樹脂組成物層が設けられている、項目1〜5のいずれか1項に記載の成形体。
(項目10) さらに芯材を有し、該芯材の少なくとも片面に前記炭素繊維強化複合材料が配置されている、項目1〜9のいずれか1項に記載の成形体。
(項目11) 前記芯材が、補強材として炭素繊維を使用し、マトリックスとして樹脂を使用した炭素繊維強化複合材料である、項目10に記載の成形体。
(項目12) 前記炭素繊維強化複合材料の少なくとも片面に、前記樹脂組成物を塗布して形成された樹脂組成物層が設けられている、項目1〜11のいずれか1項に記載の成形体。
(成形体)
本発明において、成形体とは、樹脂および繊維を含む材料を成形して得られる任意の製品をいう。成形方法としては、樹脂材料の成形方法として公知の任意の方法を使用することができる。
(層構成)
本発明の成形体は、好ましくは芯材および表面層を有し、さらに好ましくは第1表面層、芯材および第2表面層を有する。ここで、第1表面層は、該成形体のうちの外気に接触する部分であって、雷が最初に接触する可能性のある部分であり、第2表面層は、第1表面層と反対の面に存在し、芯材は、該第1表面層と該第2表面層との間に挟まれた部分である。例えば、車体であれば、外側の外気に接触する部分が第1表面層であり、客室側の表面が第2表面層である。
(第1表面層)
第1表面層は、樹脂、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体および炭素繊維を含有する。
(第2表面層)
第2表面層は、樹脂、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体および炭素繊維を含有する。
(芯材)
芯材を構成する材料は特に限定されない。任意の材料で作成することが可能である。無機材料であってもよく、有機材料であっても良い。好ましい実施形態においては、樹脂を含む材料である。より好ましくは、樹脂および繊維を含む材料である。
また、芯材として、木材(バルサ材など)、ハニカム構造体等を使用することもできる。ハニカム構造体としては、例えば、アラミド繊維とフェノール樹脂で作成されるノーメックスハニカム、非鉄金属(AlまたはAl−Lu)で作成されたものがある。このように木材(バルサ材など)などの芯材を利用することにより、CFRP(セラミックスを含有する)を複合強化することができる。航空機構造材料には一定の規格があり、強度、剛性(引張り強度)、弾性、靭性等の規格を満足することができる芯材が必要である。例えば、軍用輸送機や民間輸送機等に使用されている芯材(例えば、民間輸送機の床材)等を使用することもできる。よって、芯材とCFRP(セラミックスを含有する)のサンドイッチ構造または2層構造も使用することができる。
上述した成形体は、必要に応じて、成形工程の後にその表面に塗装を行っても良い。また、塗装を行わずに得られた成形工程の後の表面をそのまま最終製品の表面としても良い。塗装を行う場合には、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を含有する塗料を用いることが、雷耐性などの点で好ましい。
(炭素繊維強化複合材料の形態)
本発明で使用する炭素繊維強化複合材料は、例えば、以下の形態を含む。
(1)炭素繊維に樹脂組成物が含浸されたプリプレグシートを含む炭素繊維強化複合材料。
(2)芯材と、該芯材の少なくとも一方の表面に積層されたプリプレグまたはプリプレグ積層材と、を含む炭素繊維強化複合材料。
(3)上記プリプレグ積層材を複数積層して構成される炭素繊維強化複合材料。
(4)プリプレグシートと、該プリプレグシートの表面(片面または両面)に設けられた、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有する樹脂組成物からなる樹脂層とを有する炭素繊維強化複合材料。
(5)プリプレグ積層材と、該プリプレグ積層材の表面(片面または両面)に設けられた、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有する樹脂組成物からなる樹脂層とを有する炭素繊維強化複合材料。
(6)上記(4)および(5)の炭素繊維強化複合材料において、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有する樹脂組成物からなる樹脂層に代えて、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体からなる層を設けた炭素繊維強化複合材料。
(7)さらに、プリプレグシートを強化する強化繊維として、織物、編物、組物、不織布などの布状にしたものがあり、これらの強化繊維を樹脂によって直接的に複合化するもの、あるいはフィラメントを規則的に配列したシートや織物等に合成樹脂を含浸させプリプレグと呼ばれる半製品を製造し、このプリプレグを必要に応じて適当な枚数を重ね合わせ、オートクレーブなどの装置で目的とする最終製品に完成させるものなどが挙げられる。
(プリプレグシート)
プリプレグシートは、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体(以下、単にセラミックスともいう。)とを含有する樹脂組成物が、炭素繊維に含浸されて形成されている。
(樹脂組成物)
上記樹脂組成物は、樹脂と、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有する。
(チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体)
本発明で使用するチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体は、チタン酸アルミニウムセラミックスの焼結粉体、チタン酸アルミニウムとアルカリ長石などの添加物とのセラミックスの焼結粉体を含むことができる。チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体中の、チタンとアルミニウムの含有割合は、チタンとアルミニウムの酸化物ベースで80重量%以上が好ましく、さらに好ましくは85重量%以上、最も好ましくは87重量%以上であり、必要に応じて90重量%以上とすることができる。
超低膨張:−40℃〜+1,350℃における線膨張は−0.3×10−6K〜−1×10−6K
チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体は、特許第3600933号に記載の方法に従って得られたチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を使用することができる。
(炭素繊維)
炭素繊維の種類は、特に限定されない。ピッチ系炭素繊維またはPAN系炭素繊維が好ましい。また、炭素繊維は、表面処理されているものであってもよく、表面処理されていないものであってもよい。炭素繊維の長さは、特に限定されない。いわゆる長繊維が好ましい。しかし、いわゆる短繊維を使用してもよい。また、本発明では、炭素繊維の織物、編物、組紐等を使用することもできる。
(プリプレグシートの製造方法および製造装置)
プリプレグシートの製造方法は、上記した樹脂中にチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を分散させて樹脂組成物を調製し、炭素繊維に該樹脂組成物を含浸させてシート状の樹脂含浸繊維層を形成する工程を包含する。
(A)使用した炭素繊維
(A)−1 炭素繊維:パイロフィルTR50S−15K(三菱レイヨン(株)社製)
(A)−2 炭素繊維:トレカT800SC−24K(東レ(株)社製)
(B)使用した樹脂および硬化剤など
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(B)−1 jER828(JER(株)社製)
(B)−2 jER1001(JER(株)社製)
(B)−3 硬化剤:ジシアンジアミド jERキュア、DICY15(JER(株)社製)
(B)−4 硬化促進剤:3-(3,4−ジクロロフェニル)-1,1−ジメチルウレア、DCMU99(保土ヶ谷化学工業(株)社製)
(C)使用したチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体の調製
アナターゼ型酸化チタン(堺化学株製、A−110)43.9重量%と易焼結アルミナα型(住友化学工業株、易焼結アルミナAES−11)56.1重量%からなる混合物100重量部に対して、添加剤としての福島産アルカリ長石((Na0.39K0.61)AlSi3O8)4重量部、解膠剤としてのジエタノールアミン1.5重量部、バインダーとしてのポリビニルアルコール0.4重量部、及び水30重量部を添加して原料混合物を得た。この原料混合物を焼成してアルミニウム系セラミックス焼結粉体の焼結クリンカーを得、この焼結クリンカーをボールミルにて48時間粉砕し、篩にて分級した。篩サイズ1〜5μm、平均粒径x=2.5μmのチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を準備した。
(D)落雷の模擬試験
使用した試験装置は、図3および図4に示すように、検体22(成形体)の表面にギャップ(10mm)をおいてコード40に接続された一対の試験端子板41(SUS304)を配置し、両の端子板41間に電流、電圧を印加した。図5にその試験等価回路を示した。
(E)貫通試験
図6に示す貫通試験装置を使用した。
(F)静電気散逸(ESI)試験
図7(a)および(b)に示すように、各実施例および比較例で得られた成形体31の10cm×20cmの部分の表面をナイロン製ストッキングで摩擦(20〜40回程度)させることで静電気を起こし、この成形体31を銅板上に載置し、オシロスコープでインパルス電圧を計測した。
(G)静電電圧測定試験
図8に示すように、各実施例および比較例で得られた成形体31の10cm×20cmの部分の表面をナイロン製ストッキングで摩擦(20〜40回程度)させることで静電気を起こした。この成形体31の表面に静電電圧測定器(STATIRON−M2、シシド静電気社製)24を配設して成形体の静電電圧を測定した。
(H)静電容量測定試験
図9に示すように、各実施例および比較例で得られた成形体31の表裏面に円板状の電極26,26をそれぞれ配設した。電極の表面積は51.5cm2とした。
(実施例1)
チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が分散したプリプレグシートの製造
(A)樹脂組成物の調製
撹拌装置内で、エポキシ樹脂jER828を温度80℃にて10分撹拌後、その中に、エポキシ樹脂jER1001を投入し、さらに10分撹拌した。使用したjER828とjER1001の比率は、重量比で4:6であった。
(B)樹脂の塗布
上記(A)で得られたエポキシ樹脂組成物を、マルチコータM−500((株)ヒラノテクシード)にて、離型紙(WBE90R−DT、リンテック(株)社製)上に薄く塗布して樹脂塗布離型紙を作成した。塗布方法は、コーティングロールにエポキシ樹脂組成物を一旦塗布し、その塗布した樹脂組成物を離型紙上に薄く塗布するコンマリバース方式にて行った。
(C)プリプレグシート1の作成
図1に示した、開繊装置と樹脂含浸部を連続して配置したプリプレグシート製造装置を用いて、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が樹脂中に分散したプリプレグシート1を製造した。
(実施例2)
プリプレグシート2の作成
繊維束として、炭素繊維(東レ(株)社製、トレカT800SC−24K;集束本数24000本)を使用した。繊維束の本数は12本で、繊維束の間隔を27mmに設定した。繊維束に付与される初期張力、搬送速度、空気開繊部における吸引気流の流速、加熱機構から吹き出される熱風温度、縦振動付与機構の振動回数、繊維束を押圧するロールのストローク量、幅方向振動付与機構の振動回数、開繊糸を幅方向に振動させるストローク量などは、実施例1の条件と同等に設定した。
(実施例3)
プリプレグシート3の作成
繊維束として、炭素繊維(三菱レイヨン(株)社製、パイロフィルTR50S−15K;集束本数15000本)を使用した。繊維束の本数は40本で、繊維束の間隔を8mmに設定した。
(比較例1)
プリプレグシート4の作成
プリプレグシート4(厚み125μm)はチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が分散していない、通常のプリプレグシートで、以下の方法で作成した。
(A)材料の調製
炭素繊維束は、パイロフィルTR50S−15K(三菱レイヨン(株)製造)を使用し、エポキシ樹脂は、実施例1と同様に、jER828とjER1001を重量比4:6で配合した樹脂を使用した。
(B)樹脂の塗布
実施例1で記載した樹脂の塗布方法と同様の方法で、離型紙(WBE90R−DT、リンテック(株)社製)上に約31g/m2となるエポキシ樹脂を塗布して樹脂塗布離型紙を作成した。
(C)プリプレグシート4の作成
実施例3と同様の方法にて、厚さ約125μmのプリプレグシート4を作成した。
(実施例4)
薄層セラミックス/厚層/薄層セラミックス積層板(厚み5.3mm)
上記実施例1で作成したプリプレグシート1(厚み48μm)を使用し、そのプリプレグシートを切り出して、切り出したプリプレグシート1を[0/90]12で合計24枚積層して第1のプリプレグ積層材を得た。厚さは約1.15mmであった。
(実施例5)
厚層セラミックス/厚層/厚層セラミックス積層板(厚み5.3mm)
上記実施例3で作成したプリプレグシート3(厚み142μm)を使用し、そのプリプレグシートを切り出して、切り出したプリプレグシート3を[0/90]4で合計8枚積層して第1のプリプレグ積層材を得た。厚さは約1.16mmであった。
(実施例6)
薄層セラミックス/バータム板/薄層セラミックス積層板(厚み約7mm)
上記実施例2で作成したプリプレグシート2(厚み40μm)を使用し、そのプリプレグシートを切り出して、切り出したプリプレグシート2を[0/90]12で合計24枚積層して第1のプリプレグ積層材を得た。厚さは約1mmであった。
(実施例7)
薄層セラミックス/バータム板/薄層セラミックス積層板(厚み約6mm)
上記実施例2で作成したプリプレグシート2(厚み40μm)を使用し、そのプリプレグシートを切り出して、切り出したプリプレグシート2を[0/90]12で合計24枚積層して第1のプリプレグ積層材を得た。厚さは約1mmであった。
(実施例8)
表面に樹脂組成物層を有する成形体
上記実施例7で作成した炭素繊維強化複合材料の表面に、樹脂組成物を手で塗布して厚さ約0.5mmの樹脂組成物層を形成した。その樹脂組成物は、セラミックスとエポキシ樹脂の比率を80重量部:100重量部としたこと以外は、実施例1(A)と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例9)
薄層セラミックス/バータム板/薄層セラミックス積層板(厚み約3mm)
上記実施例2で作成したプリプレグシート2(厚み40μm)を使用し、そのプリプレグシートを切り出して、切り出したプリプレグシート2を[0/90]12で合計24枚積層して第1のプリプレグ積層材を得た。厚さは約1mmであった。
(実施例10)
エポキシ樹脂100重量部に対して、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を140重量部使用したこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、この樹脂組成物からプリプレグシート5を得た。
(実施例11)
エポキシ樹脂100重量部に対して、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を60重量部使用したこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、この樹脂組成物からプリプレグシート6を得た。
(実施例12)
エポキシ樹脂100重量部に対して、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を200重量部使用したこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、この樹脂組成物からプリプレグシート7を得た。
(実施例13)
実施例のチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体の調製(C)と同様にして得られた焼結クリンカーをボールミルにて48時間粉砕し、篩にて分級した。篩サイズ10〜30μm、平均粒径x=15μmのチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体を準備した。
(比較例2)
成形体(厚み約5mm)の作成
上記比較例1の(C)で得られた厚み125μmのプリプレグシート4を使用し、そのプリプレグシートの繊維方向を0度とした30cm×30cmのシートを20枚、繊維方向を90度とした30cm×30cmのシートを20枚切り出し、[0/90]10Sの構成にて積層を行った。
(落雷の模擬試験結果)
実施例4−13および比較例2で得られた成形体を用いて、図3−4に示したインパルス電圧発生装置(仕様:20,000V/25,000A定格)による落雷の模擬試験を行った。
印加波形:10/350μs
設定電流:25KA
測定電流値および充電電圧は次のとおりであった。
(貫通試験結果)
図6に示す貫通試験装置を使用し、次の条件で貫通試験を実施した。
設定電流:25KA
実施例7では、測定電流値は23.8KA、充電電圧は21.2KVであった。
(静電気散逸(ESI)試験結果)
試験結果を図16−20に示す。
(1)CFRPのみの板の場合、最大61.5V、最小26.7Vである。
(2)CFRPセラミックス複合板の場合、最大13.1V、最小0.5Vである。
(静電電圧測定試験結果)
成形体の静電電圧を測定したところ、実施例4の成形体の静電電圧は500V、実施例5の成形体の静電電圧は500Vであった。
(静電容量測定試験結果)
成形体の静電容量を測定したところ、実施例4の成形体の静電容量は0クーロン(測定不能)、実施例5の成形体の静電容量は0クーロン(測定不能)であった。他の実施例の成形体においても、実施例4および5の成形体の結果と同様であった。
3 開繊された炭素繊維
6 巻取部
8 開繊装置
10 樹脂含浸部
12 開繊する開繊部
13 縦振動付与部
14 横振動付与部
16 加熱加圧ロール組
17 離型紙
18 冷却加圧ロール組
19 別の離型紙
20 プリプレグシート
Claims (12)
- 補強材として炭素繊維を使用し、マトリックスとして樹脂組成物を使用した炭素繊維強化複合材料の飛行物体または風車以外の物品のための成形体において、
該樹脂組成物が、樹脂とチタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体とを含有し、該チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が該成形体の少なくとも表面層の該樹脂中に分散している成形体。 - 前記チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が、前記樹脂100重量部に対して50〜300重量部配合されている請求項1に記載の成形体。
- 前記チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体の平均粒子径が、0.001〜100μmである請求項1または2に記載の成形体。
- 前記チタン酸アルミニウム系セラミックス焼結粉体が、二酸化チタン、アルミナおよびアルカリ長石を含む原料から形成された成形体を焼成、粉砕して得られる請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形体。
- 前記樹脂が、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体。
- 前記炭素繊維が、一方向に引き揃えられた炭素繊維であり、該炭素繊維に前記樹脂組成物が含浸して得られた樹脂含浸繊維層が厚み方向に複数積層されて前記炭素繊維強化複合材料が構成され、
該それぞれの樹脂含浸繊維層において炭素繊維が一方向に配向しており、該複数の樹脂含浸繊維層の全体として炭素繊維が多方向へ配向している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形体。 - 前記各樹脂含浸繊維層の厚さが20〜80μmである請求項6に記載の成形体。
- 前記樹脂含浸繊維層と樹脂含浸繊維層との間に、前記樹脂組成物からなる樹脂組成物層が設けられている、請求項6または7に記載の成形体。
- 前記炭素繊維が、一方向に引き揃えられた炭素繊維であり、該炭素繊維に樹脂が含浸して得られた樹脂含浸繊維層が厚み方向に複数積層されて炭素繊維強化複合材料が構成され、
該それぞれの樹脂含浸繊維層において炭素繊維が一方向に配向しており、該複数の樹脂含浸繊維層の全体として炭素繊維が多方向へ配向し、
該樹脂含浸繊維層と樹脂含浸繊維層の間に前記樹脂組成物からなる樹脂組成物層が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形体。 - さらに芯材を有し、該芯材の少なくとも片面に前記炭素繊維強化複合材料が配置されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形体。
- 前記芯材が、補強材として炭素繊維を使用し、マトリックスとして樹脂を使用した炭素繊維強化複合材料である、請求項10に記載の成形体。
- 前記炭素繊維強化複合材料の少なくとも片面に、前記樹脂組成物を塗布して形成された樹脂組成物層が設けられている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の成形体。
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