JP2012153746A - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
複合材料を製造する時の作業上の欠点を克服した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。詳しくは、硬化物が優れたポットライフを有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
硬化剤として4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
複合材料を製造する時の作業上の欠点を克服した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。詳しくは、硬化物が優れたポットライフを有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
硬化剤として4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポットライフに優れたエポキシ樹脂組成物、これを硬化することで得られるエポキシ樹脂硬化物、これらを用いた繊維強化複合材料に関する。さらに詳しくは、航空機、自動車などの構造部材に用いられる繊維強化複合材料として有用なエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂と硬化剤を主な構成成分とするエポキシ樹脂組成物は、加熱硬化後の機械的特性、電気的特性に優れるため広い分野に用いられている。例えば、電子材料用封止剤、塗料・舗装材料、あるいは接着剤と多岐の用途に亘っているが、近年では、繊維強化複合材料に多く用いられるようになってきている。
ガラス繊維、炭素繊維などの強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量で機械特性や耐熱性に優れる為、航空機部材、自動車部材、工業部材、医療関係から、ゴルフクラブシャフト、釣竿、テニスラケット等の汎用用途まで幅広く用いられている。
繊維強化複合材料の製造方法としては、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた中間体であるプリプレグを作製し、これを積層して加熱硬化する方法。さらには、強化繊維を配置した型内にマトリックス樹脂を注入し加熱硬化するRTM(レジントランスファーモールディング)法などが知られている。
マトリックス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と硬化剤、場合により他の添加剤を含む「熱硬化性樹脂組成物」として用いられることが多く、特に高性能が要求される用途、例えば航空機部材では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用した「エポキシ樹脂組成物」が幅広く用いられている。
ガラス繊維、炭素繊維などの強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量で機械特性や耐熱性に優れる為、航空機部材、自動車部材、工業部材、医療関係から、ゴルフクラブシャフト、釣竿、テニスラケット等の汎用用途まで幅広く用いられている。
繊維強化複合材料の製造方法としては、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた中間体であるプリプレグを作製し、これを積層して加熱硬化する方法。さらには、強化繊維を配置した型内にマトリックス樹脂を注入し加熱硬化するRTM(レジントランスファーモールディング)法などが知られている。
マトリックス樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と硬化剤、場合により他の添加剤を含む「熱硬化性樹脂組成物」として用いられることが多く、特に高性能が要求される用途、例えば航空機部材では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用した「エポキシ樹脂組成物」が幅広く用いられている。
一般的に、エポキシ樹脂組成物の構成成分として用いられる「硬化剤」としては、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ルイス酸錯体などが知られているが、繊維強化複合材料用途で用いられるエポキシ樹脂組成物の硬化剤としては、芳香族ポリアミンが最も一般的である。
硬化剤としての芳香族ポリアミンの多くは、エポキシ樹脂と混合することで硬化反応を開始し凝固段階へ進むことができることから広く実用化されている。なお、エポキシ樹脂と芳香族ポリアミン(硬化剤)を混合してエポキシ樹脂組成物を作製すると、粘度が増すとともに、直ちに硬化反応が始まり、急速もしくは段階的な凝固をもたらすことになり「硬化物」と進行する。なお、極限粘度には達しないが、あるレベルの粘度が、所望の作業手順を実施できる状態を保つように維持される時間をエポキシ樹脂組成物の「ポットライフ」と言う。
硬化剤としての芳香族ポリアミンの多くは、エポキシ樹脂と混合することで硬化反応を開始し凝固段階へ進むことができることから広く実用化されている。なお、エポキシ樹脂と芳香族ポリアミン(硬化剤)を混合してエポキシ樹脂組成物を作製すると、粘度が増すとともに、直ちに硬化反応が始まり、急速もしくは段階的な凝固をもたらすことになり「硬化物」と進行する。なお、極限粘度には達しないが、あるレベルの粘度が、所望の作業手順を実施できる状態を保つように維持される時間をエポキシ樹脂組成物の「ポットライフ」と言う。
しかしながら、一般的に液状の芳香族ポリアミンを硬化剤として使用した場合、硬化の反応性が極めて高く、硬化物はポットライフが比較的短いため、作業性に問題が生じていた。
この問題点を克服するため、様々な検討が行われてきた。硬化剤として固体の芳香族ポリアミンを使用する試みもその一つである。例えば、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを硬化剤として使用する方法が提案されており、得られた硬化物は耐湿熱性が高く、線膨張係数が小さいことなど優れた特性を有することが知られている(特許文献1)。しかしながら、未だポットライフが短いという欠点がある。
さらには、硬化反応に効果的な触媒を加えることでポットライフを長くする方法も提案されている。しかしながら係る技術では、触媒が不均一系で潜在する場合は、繊維強化複合材料の製造において、繊維中に完全に浸透せず、硬化が不十分になる欠点を持つ事になるが、均一系で触媒が潜在する場合として、例えば、スルホニウム塩を触媒として使用する方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、硬化反応には効果的であるが、室温付近でのポットライフが不足し作業性に劣るという欠点を有している。
この問題点を克服するため、様々な検討が行われてきた。硬化剤として固体の芳香族ポリアミンを使用する試みもその一つである。例えば、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを硬化剤として使用する方法が提案されており、得られた硬化物は耐湿熱性が高く、線膨張係数が小さいことなど優れた特性を有することが知られている(特許文献1)。しかしながら、未だポットライフが短いという欠点がある。
さらには、硬化反応に効果的な触媒を加えることでポットライフを長くする方法も提案されている。しかしながら係る技術では、触媒が不均一系で潜在する場合は、繊維強化複合材料の製造において、繊維中に完全に浸透せず、硬化が不十分になる欠点を持つ事になるが、均一系で触媒が潜在する場合として、例えば、スルホニウム塩を触媒として使用する方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、硬化反応には効果的であるが、室温付近でのポットライフが不足し作業性に劣るという欠点を有している。
本発明の課題は、作業性に優れたポットライフを有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、前記した課題に関し鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(i)エポキシ樹脂と硬化剤を必須成分として有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物において、硬化剤として4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含有することを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
(ii)エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの含有量が、エポキシ基に対して0.5〜2.0当量である(i)の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
さらに、
(iii)(i)又は(ii)の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
(iv)強化繊維と(i)又は(ii)の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を構成要素とする繊維強化複合材料に関するものである。
すなわち、本発明は、
(i)エポキシ樹脂と硬化剤を必須成分として有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物において、硬化剤として4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含有することを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
(ii)エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの含有量が、エポキシ基に対して0.5〜2.0当量である(i)の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
さらに、
(iii)(i)又は(ii)の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
(iv)強化繊維と(i)又は(ii)の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を構成要素とする繊維強化複合材料に関するものである。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、従来の硬化剤を使用した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と比較して、ポットライフに優れる為、繊維強化複合材料を製造する際の作業性に優れ、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物として好適に用いられる。
本発明者等は、前記した課題を鋭意検討した結果、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物において、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の硬化剤として使用することにより解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤としての4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを必須成分として有する。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤としての4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを必須成分として有する。
尚、本明細書において、「エポキシ樹脂」とは1分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を表す。「エポキシ樹脂組成物」とはエポキシ樹脂、硬化剤、および必要に応じて適宜添加される可塑剤、染料や顔料、充填材、反応性希釈剤、難燃剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、高分子化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤などの添加剤を含んだ未硬化状態の混合物を表す。
また、「硬化物」とはエポキシ樹脂組成物を加熱して架橋反応させ、ガラス転移温度が少なくとも50℃以上を有するまで高分子量化した高分子量体を表す。
また、「硬化物」とはエポキシ樹脂組成物を加熱して架橋反応させ、ガラス転移温度が少なくとも50℃以上を有するまで高分子量化した高分子量体を表す。
<エポキシ樹脂>
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂としては、アミンに対して反応性を示す任意のエポキシ樹脂を使用することができる。
本発明で使用できるエポキシ樹脂としては、特に限定されることはなく、公知のものが使用できる。具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラヒドロビスフェノールF、ヘキサヒドロビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、又は水素化ビスフェノールFなどのビスフェノール系化合物と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテル。
例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、プロピルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、ペンチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、又はノニルフェノールノボラックなどのノボラックと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテル。
例えば、カテコール、レゾルシン、トリヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ヒドロキノン、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン、又はビキシレノールなどの多価フェノールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテル。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂としては、アミンに対して反応性を示す任意のエポキシ樹脂を使用することができる。
本発明で使用できるエポキシ樹脂としては、特に限定されることはなく、公知のものが使用できる。具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラヒドロビスフェノールF、ヘキサヒドロビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、又は水素化ビスフェノールFなどのビスフェノール系化合物と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテル。
例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、プロピルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、ペンチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、又はノニルフェノールノボラックなどのノボラックと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテル。
例えば、カテコール、レゾルシン、トリヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ヒドロキノン、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン、又はビキシレノールなどの多価フェノールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテル。
例えば、グリセロール、ネオペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールなどの脂肪族多価アルコールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるポリグリシジルエーテル。
例えば、p−オキシ安息香酸、又はβ−オキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテルエステル。
例えば、フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、二量体酸、又は重合脂肪酸などのポリカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるポリグリシジルエステル。
例えば、アミノフェノール又はアミノアルキルフェノールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルアミノグリシジルエーテル。
例えば、アミノ安息香酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるジグリシジルアミノエステル。
例えば、アニリン、トルイジン、2,4,6−トリブロモアニリン、m−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、ヒダントイン、アルキルヒダントイン、又はシアヌル酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるポリグリシジルアミンなどが挙げられるが、これらのエポキシ樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、p−オキシ安息香酸、又はβ−オキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルエーテルエステル。
例えば、フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、二量体酸、又は重合脂肪酸などのポリカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるポリグリシジルエステル。
例えば、アミノフェノール又はアミノアルキルフェノールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるグリシジルアミノグリシジルエーテル。
例えば、アミノ安息香酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるジグリシジルアミノエステル。
例えば、アニリン、トルイジン、2,4,6−トリブロモアニリン、m−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、ヒダントイン、アルキルヒダントイン、又はシアヌル酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるポリグリシジルアミンなどが挙げられるが、これらのエポキシ樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用できるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール系化合物とエピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるビスフェノール型エポキシ樹脂、もしくは、ポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂であることが好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールF型エポキシ樹脂。ポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。
さらに、含有割合としては特に限定されないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂を併用することにより硬化物の接着性、生産性、耐熱性および剛性を向上させることができる。
さらに、含有割合としては特に限定されないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂を併用することにより硬化物の接着性、生産性、耐熱性および剛性を向上させることができる。
<硬化剤>
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の成分である硬化剤としては、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを使用する。
本発明において、硬化剤の配合量は、エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、上記エポキシ樹脂成分が有するエポキシ基に対して0.5〜2.0当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。硬化剤の配合量が、0.5当量未満であると硬化物の十分な耐熱性を得ることができない傾向があり、2.0当量を超えるとエポキシ樹脂の架橋点数は増加するが、架橋密度が低下して、硬化物の剛性および耐熱性が低下する傾向があり好ましくない。
本発明において、硬化剤の分散方法は、エポキシ樹脂中に分散させても良いし、硬化剤をエポキシ樹脂中に分散させた後にロールミルやコボールミルを用いて粉砕しても良い。エポキシ樹脂中に分散させる方法としてはあらゆる方法を使用することができる。例としては、硬化剤粗粒をジェットミルや、凍結粉砕などの方法で粉砕する方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の成分である硬化剤としては、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを使用する。
本発明において、硬化剤の配合量は、エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、上記エポキシ樹脂成分が有するエポキシ基に対して0.5〜2.0当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。硬化剤の配合量が、0.5当量未満であると硬化物の十分な耐熱性を得ることができない傾向があり、2.0当量を超えるとエポキシ樹脂の架橋点数は増加するが、架橋密度が低下して、硬化物の剛性および耐熱性が低下する傾向があり好ましくない。
本発明において、硬化剤の分散方法は、エポキシ樹脂中に分散させても良いし、硬化剤をエポキシ樹脂中に分散させた後にロールミルやコボールミルを用いて粉砕しても良い。エポキシ樹脂中に分散させる方法としてはあらゆる方法を使用することができる。例としては、硬化剤粗粒をジェットミルや、凍結粉砕などの方法で粉砕する方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンは、それ自体公知の方法を参考にして製造することができる。例えば、4、4’−ジメチルジフェニルスルホンをニトロ化することで得られた4,4’−ジメチル−3,3’−ジ二トロジフェニルスルホンをさらに還元することにより製造することができる〔例えば、特開平4−368364号、Zhurnal Vsesoyuznogo Khimicheskogo Obshchestva Im.D.IMendeleeva.,583(1970)、Jouranl of Organic Chemistry.,338(1962)に記載の方法に従って製造することができる〕。
<添加剤>
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物には、本発明の目的をそこなわない範囲で、必要に応じ、通常エポキシ樹脂組成物に用いられる他の添加成分、例えば、充填材、反応性希釈剤、難燃剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、高分子化合物、酸化防止剤、カップリング剤、界面活性剤等の従来公知の添加剤を適宜に配合することができる。
充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化金属類;酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の酸化金属類、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム等の炭酸金属類、その他ガラスバルーン、シリカ、マイカ、タルク、ウォラストナイト、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、金、アルミニウム粉、鉄粉等が挙げられる。
反応性希釈剤としては、末端にグリシジルエーテル基を持つ低粘度の液状樹脂が挙げられる。これらの具体例としては、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリシジルアニリン、グリシジルオルトトルイジン、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルが挙げられる。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物には、本発明の目的をそこなわない範囲で、必要に応じ、通常エポキシ樹脂組成物に用いられる他の添加成分、例えば、充填材、反応性希釈剤、難燃剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤、高分子化合物、酸化防止剤、カップリング剤、界面活性剤等の従来公知の添加剤を適宜に配合することができる。
充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化金属類;酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の酸化金属類、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム等の炭酸金属類、その他ガラスバルーン、シリカ、マイカ、タルク、ウォラストナイト、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、金、アルミニウム粉、鉄粉等が挙げられる。
反応性希釈剤としては、末端にグリシジルエーテル基を持つ低粘度の液状樹脂が挙げられる。これらの具体例としては、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリシジルアニリン、グリシジルオルトトルイジン、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルが挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系及びチタネート系の化合物を用いることができる。これらの具体例としては、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン系、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム系、並びにテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなどのチタネート系が挙げられる。
界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤などを用いることができる。これらの具体例としては、
Byk−300、Byk−306、Byk−335、Byk−310、Byk−341、Byk−344、及びByk−370(商品名;ビック・ケミー(株)製)などのシリコン系、Byk−354、ByK−358、及びByk−361(商品名;ビック・ケミー(株)製)などのアクリル系、DFX−18、フタージェント250、並びにフタージェント251(商品名;ネオス(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系などを用いることができる。これらの具体例としては、IRGAFOS XP40、IRGAFOS XP60、IRGANOX 1010、
IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L(商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤などを用いることができる。これらの具体例としては、
Byk−300、Byk−306、Byk−335、Byk−310、Byk−341、Byk−344、及びByk−370(商品名;ビック・ケミー(株)製)などのシリコン系、Byk−354、ByK−358、及びByk−361(商品名;ビック・ケミー(株)製)などのアクリル系、DFX−18、フタージェント250、並びにフタージェント251(商品名;ネオス(株)製)が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系などを用いることができる。これらの具体例としては、IRGAFOS XP40、IRGAFOS XP60、IRGANOX 1010、
IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L(商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
また、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの硬化剤の他、必要に応じて他の硬化剤および/または硬化促進剤を配合することができる。これらの硬化剤としてはジアミノジエチルトルエン、トリアミノジエチルトルエン、ジシアンジアミド、フェノールノボラック樹脂等のフェノール化合物、アミンアダクト型硬化剤、マイクロカプセル型硬化剤等を挙げることができる。
硬化促進剤としては三フッ化ホウ素のモノメチルアミン錯体等のBF3錯体、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア等を挙げることができる。
硬化促進剤としては三フッ化ホウ素のモノメチルアミン錯体等のBF3錯体、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア等を挙げることができる。
<繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の製造方法>
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に制限はないが、通常、エポキシ樹脂と4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを10〜80℃で混合し、好ましくは20〜30℃で混合することが望ましい。80℃より高い温度で4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを混合するとエポキシ樹脂と硬化剤が反応し易くなり、硬化物のポットライフが短くなり易いので好ましくない。硬化物の使用温度は通常10〜80℃、好ましくは50〜70℃であり、該温度でのポットライフは5時間以上、好ましくは8時間以上である。ポットライフが5時間より短いと、作業中に硬化反応が進行して作業性を低下させる場合がある。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、これを強化繊維に含浸させることによって繊維強化複合材料の前駆体である「プリプレグ」を得ることができる。強化繊維には特別な制約はなく、複合材料の強化繊維として用いられる全ての繊維を用いることができる。例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維及び表面処理した有機繊維が任意に使用可能である。2種類以上の強化繊維を使用することもできる。特に軽量で高剛性の成形物が得られることから、強化繊維としては炭素繊維が好まれる。プリプレグの形態は特に限定されず、一方向材、織物、組紐状織物、不織布等の任意の形態が、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させるに際しても、その含浸方法に特別の限定はない。しかし、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を通常60〜90℃に加温して強化繊維に含浸させる、いわゆるホットメルト法が好ましく採用される。このようにして製造されたプリプレグは最終的には繊維強化複合材料に成形される。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に制限はないが、通常、エポキシ樹脂と4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを10〜80℃で混合し、好ましくは20〜30℃で混合することが望ましい。80℃より高い温度で4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを混合するとエポキシ樹脂と硬化剤が反応し易くなり、硬化物のポットライフが短くなり易いので好ましくない。硬化物の使用温度は通常10〜80℃、好ましくは50〜70℃であり、該温度でのポットライフは5時間以上、好ましくは8時間以上である。ポットライフが5時間より短いと、作業中に硬化反応が進行して作業性を低下させる場合がある。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、これを強化繊維に含浸させることによって繊維強化複合材料の前駆体である「プリプレグ」を得ることができる。強化繊維には特別な制約はなく、複合材料の強化繊維として用いられる全ての繊維を用いることができる。例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維及び表面処理した有機繊維が任意に使用可能である。2種類以上の強化繊維を使用することもできる。特に軽量で高剛性の成形物が得られることから、強化繊維としては炭素繊維が好まれる。プリプレグの形態は特に限定されず、一方向材、織物、組紐状織物、不織布等の任意の形態が、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させるに際しても、その含浸方法に特別の限定はない。しかし、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を通常60〜90℃に加温して強化繊維に含浸させる、いわゆるホットメルト法が好ましく採用される。このようにして製造されたプリプレグは最終的には繊維強化複合材料に成形される。
<繊維強化複合材料の製造方法>
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料の製造方法として、例えばハンドレイアップ法、ホットメルト含浸プリプレグ法、ウェット含浸プリプレグ法、FW(フィラメントワインディング)法などを挙げることができる。例えば、プリプレグ法とは、プリプレグを積層して、オートクレーブ中または加圧プレス等により通常150〜200℃で、0.5〜3時間、加熱硬化させることにより繊維強化複合材料を得る方法である。
また、FW(フィラメントワインディング)法とは、例えば、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含浸した強化繊維をマンドレル(芯金)に巻き付け、通常150〜200℃で、0.5〜2時間、加熱硬化させることにより繊維強化複合材料とすることができる。
さらに、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、RTM(レジントランスファーモールディング)法を利用した繊維強化複合材料の製造にも好適に用いることができる。RTM(レジントランスファーモールディング)法とは、強化繊維からなる繊維基材あるいはプリフォームを成形型内に設置し、その成形型内に液状の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を注入して強化繊維に含浸させ、その後に加熱して繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させて、成形品である繊維強化複合材料を得る方法である。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料の製造方法として、例えばハンドレイアップ法、ホットメルト含浸プリプレグ法、ウェット含浸プリプレグ法、FW(フィラメントワインディング)法などを挙げることができる。例えば、プリプレグ法とは、プリプレグを積層して、オートクレーブ中または加圧プレス等により通常150〜200℃で、0.5〜3時間、加熱硬化させることにより繊維強化複合材料を得る方法である。
また、FW(フィラメントワインディング)法とは、例えば、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を含浸した強化繊維をマンドレル(芯金)に巻き付け、通常150〜200℃で、0.5〜2時間、加熱硬化させることにより繊維強化複合材料とすることができる。
さらに、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、RTM(レジントランスファーモールディング)法を利用した繊維強化複合材料の製造にも好適に用いることができる。RTM(レジントランスファーモールディング)法とは、強化繊維からなる繊維基材あるいはプリフォームを成形型内に設置し、その成形型内に液状の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を注入して強化繊維に含浸させ、その後に加熱して繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させて、成形品である繊維強化複合材料を得る方法である。
硬化剤として、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを必須成分とした本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と、強化繊維からなる繊維強化複合材料は、強化繊維の体積含有率が高いため軽く、機械物性に優れており、特に強化繊維と繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の接着性が優れていることから、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席および内装材などの航空機部材、外板、シャシー、空力部材および座席などの自動車部材、構体および座席などの鉄道車両部材、船体および座席などの船舶部材、モーターケースおよび主翼などの宇宙機部材、構体およびアンテナなどの人工衛星部材など多くの構造材料に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、および比較例中、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の特性(ポットライフ)、硬化物のデュロメータD硬さ、荷重撓み温度、シャルピー衝撃強さの測定は次の方法で行った。
(A)繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の特性
(A−1)DSC測定
繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物5mgをアルミニウム製パンに入れ密封し、DSC法により測定を開始した。ここでは、DSC−6100システム(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、昇温速度を5℃/分として測定した。
得られたDSC曲線より、発熱のピークトップ温度を求めた。発熱のピークトップ温度は硬化性の指標とすることができる。即ち、ピークトップ温度が低すぎるとポットライフが短いことになり、実用上好ましくない。
(A)繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の特性
(A−1)DSC測定
繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物5mgをアルミニウム製パンに入れ密封し、DSC法により測定を開始した。ここでは、DSC−6100システム(エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、昇温速度を5℃/分として測定した。
得られたDSC曲線より、発熱のピークトップ温度を求めた。発熱のピークトップ温度は硬化性の指標とすることができる。即ち、ピークトップ温度が低すぎるとポットライフが短いことになり、実用上好ましくない。
(A−2)ゲルタイムの測定方法
繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物200mgを、予め所定の温度(150℃、180℃)に加熱したホットプレート上に塗布する。棒などで軽くエポキシ樹脂組成物を掻き混ぜながら硬化して完全に動かなくなるまでの時間を測定した。
硬化までの時間は硬化性の指標とすることができる。即ち、硬化までの時間が短すぎるとポットライフが短いことになり、実用上好ましくない。
(B)硬化物のデュロメータD硬さの測定方法
予め130℃で混合撹拌した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、予め80℃に加温した直径40φ、深さ8mmの金型に注入し、熱風乾燥機中80℃で4時間、150℃で4時間、180℃で4時間、200℃で4時間と段階的に昇温を行う工程(ステップキュア)で加熱硬化した。次いで、60℃まで降温して金型を脱型し、厚さ8mm、直径40φの試験片を作製した。
作製した試験片を25℃/50%の恒温恒湿室に1時間放置した後に、デュロメータD硬さを求めた。
(C)硬化物の荷重撓み温度の測定方法
予め130℃で混合撹拌した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、予め80℃に加温した幅12.7mm、深さ12.7mm、長さ110mmの金型に注型し、(B)と同様に熱風乾燥機中でステップキュアを行うことにより加熱硬化した。次いで、60℃まで降温して金型を脱型し、厚さ12.7mm、幅12.7mm、長さ110mmの試験片を作製した。
作製した試験片を23℃/50%の恒温恒湿室に1時間放置した後に、荷重撓み温度を求めた。
(D)硬化物のシャルピー衝撃の測定方法
予め130℃で混合撹拌した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、予め80℃に加温した幅15mm、深さ15mm、長さ90mmの金型に注型し、(B)と同様に熱風乾燥機中でステップキュアを行うことにより加熱硬化した。次いで、60℃まで降温して金型を脱型し、厚さ15mm、幅15mm、長さ90mmの試験片を作製した。
作製した試験片の側面に深さ2mmのノッチを刻み、23℃/50%の恒温恒湿室に1時間放置した後に、シャルピー衝撃強さを求めた。
実施例1〜2、および比較例1〜4には、下記のエポキシ樹脂および硬化剤を用いた。なお、実施例1〜2、および比較例1〜4で用いた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の組成について表1に纏めた。
繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物200mgを、予め所定の温度(150℃、180℃)に加熱したホットプレート上に塗布する。棒などで軽くエポキシ樹脂組成物を掻き混ぜながら硬化して完全に動かなくなるまでの時間を測定した。
硬化までの時間は硬化性の指標とすることができる。即ち、硬化までの時間が短すぎるとポットライフが短いことになり、実用上好ましくない。
(B)硬化物のデュロメータD硬さの測定方法
予め130℃で混合撹拌した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、予め80℃に加温した直径40φ、深さ8mmの金型に注入し、熱風乾燥機中80℃で4時間、150℃で4時間、180℃で4時間、200℃で4時間と段階的に昇温を行う工程(ステップキュア)で加熱硬化した。次いで、60℃まで降温して金型を脱型し、厚さ8mm、直径40φの試験片を作製した。
作製した試験片を25℃/50%の恒温恒湿室に1時間放置した後に、デュロメータD硬さを求めた。
(C)硬化物の荷重撓み温度の測定方法
予め130℃で混合撹拌した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、予め80℃に加温した幅12.7mm、深さ12.7mm、長さ110mmの金型に注型し、(B)と同様に熱風乾燥機中でステップキュアを行うことにより加熱硬化した。次いで、60℃まで降温して金型を脱型し、厚さ12.7mm、幅12.7mm、長さ110mmの試験片を作製した。
作製した試験片を23℃/50%の恒温恒湿室に1時間放置した後に、荷重撓み温度を求めた。
(D)硬化物のシャルピー衝撃の測定方法
予め130℃で混合撹拌した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を、予め80℃に加温した幅15mm、深さ15mm、長さ90mmの金型に注型し、(B)と同様に熱風乾燥機中でステップキュアを行うことにより加熱硬化した。次いで、60℃まで降温して金型を脱型し、厚さ15mm、幅15mm、長さ90mmの試験片を作製した。
作製した試験片の側面に深さ2mmのノッチを刻み、23℃/50%の恒温恒湿室に1時間放置した後に、シャルピー衝撃強さを求めた。
実施例1〜2、および比較例1〜4には、下記のエポキシ樹脂および硬化剤を用いた。なお、実施例1〜2、および比較例1〜4で用いた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の組成について表1に纏めた。
(エポキシ樹脂)
1)jER828(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、三菱化学(株)製、
エポキシ当量185〜195)。
2)YH−434(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、新日鐵化学(株)製、エポキシ当量110〜130)。
1)jER828(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、三菱化学(株)製、
エポキシ当量185〜195)。
2)YH−434(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、新日鐵化学(株)製、エポキシ当量110〜130)。
実施例1〜2、および比較例1〜4で用いた繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の特性(ポットライフ)、硬化物のデュロメータD硬さ、荷重撓み温度、シャルピー衝撃強さの測定結果を表2に示す。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、作業性に優れたポットライフを有するため、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物として好適に用いられる。
Claims (4)
- エポキシ樹脂と硬化剤を必須成分として有する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物において、硬化剤として4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンを含有することを特徴とする繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの含有量が、エポキシ樹脂成分が有するエポキシ基に対して0.5〜2.0当量である請求項1記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- 強化繊維と請求項1又は2記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を構成要素とする繊維強化複合材料。
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---|---|---|---|---|
JP2018016666A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | 東レ株式会社 | エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 |
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-
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- 2011-01-21 JP JP2011011394A patent/JP2012153746A/ja active Pending
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US10676611B2 (en) | 2016-07-25 | 2020-06-09 | Toray Industries, Inc. | Prepreg and fiber-reinforced composite material |
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