JP2012153676A - 新規タンニン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規なタンニン誘導体を提供する。
【解決手段】単糖残基2〜10個、好ましくは2〜6個からなるオリゴ糖の糖水酸基の少なくとも1個、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上が、環上に置換基を有していてもよい芳香族アシル基(ここに、置換基はヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される)で置換されていることを特徴とする、タンニン誘導体。
【選択図】なし

Description

本発明は新規なタンニン誘導体に関する。
タンニンは植物界に広く存在するポリフェノールの一種であり、加水分解型タンニンと縮合型タンニンに大別される。加水分解型タンニンは酸等によって多価フェノール酸と多価アルコール(糖など)に加水分解されるが、多価フェノールとして没食子酸およびその二量体の二つのタイプがあり、それぞれ、ガロタンニン、エラジタンニンと総称されている。タンニンは、古来、革なめし剤として、また収斂作用を有することから、消化器系疾患の内服薬として広く用いられてきた。上記の様な作用に加え、タンニンは各種の酵素の活性を阻害する性質を有し、種々の生理、代謝調節剤としても有用であることが知られている(非特許文献1、特許文献1、特許文献2)。既知のタンニンの作用は広範囲に及んでおり、整腸作用、口中清涼作用、血圧降下作用、止血作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、整肌作用、抗炎症作用、サンスクリーン作用、老化防止作用などが知られている。具体例として、血糖降下作用(特許文献3)、肝保護作用(特許文献4)、血液循環改善作用(特許文献5)、糖質分解消化酵素阻害作用(特許文献6)、抗アレルギー作用(特許文献7)、抗腫瘍作用(特許文献8 非特許文献2)、などが報告されている。
しかし、一般にタンニン類は複雑な構造を有することから単離精製が困難であり、かつ合成が困難なことから、研究及び利用を推し進めるには、天然物からの調製では不十分である。また、コスト、品質の安定性等の面からも、植物起源のタンニンの利用には限界がある。
特許第2628832号 特開平8-259557号公報 特表2008−525497 特開2008−239619 特開2006−335736 特開平09−176019 特開平09−124498 特公昭63−8088号公報
化学の領域、35、28(1982) Orabi et al., J. Nat. Prod. 2010, vol73, 870-879
タンニン類は構造が複雑であり天然からの単離が困難なため、一般に収量が低く、研究及び応用に十分な量を確保することが困難である。また、目的の活性が不十分な場合や、刺激性、渋みが強く、その優れた機能を医薬のみならず食品等に活用できない場合もある。従って、より優れた効果を示す新規なタンニンを安定的に得る手段が求められている。しかしながら、複雑な構造を有するエラジタンニン類似体を有機合成で得ることは極めて困難であった。一方、癌患者は年々増加しており化学療法剤は外科治療や放射線療法と並ぶ、重要な治療手段である。しかし、癌の化学療法は、抗がん剤による副作用により、患者への負担が大きく充分な治療を施し得ない例が多い。従って、抗腫瘍活性を有し、かつ、癌細胞に対する細胞障害作用と正常細胞に対する同作用の比(腫瘍選択性)が大きい抗がん剤の開発が急務である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、オリゴ糖骨格に、芳香族アシル基(例えばフェノール性水酸基を有するベンゾイル基)が置換された新規なタンニン誘導体の合成に成功した。そして、それら化合物がタンニン類似体として優れた作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は次の通りである。
(1)単糖残基2〜10個からなるオリゴ糖の糖水酸基の少なくとも1個が、環上に置換基を有していてもよい芳香族アシル基(ここに、置換基はヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される基である。)で置換されていることを特徴とする、タンニン誘導体。
(2)オリゴ糖を構成する単糖残基が2〜6個である(1)記載のタンニン誘導体。
(3)オリゴ糖を構成する単糖残基が、グルコース、ガラクトース、フコース、キシロース、マンノース、ラムノース、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボース、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デオキシリボー ス、2−デオキシリボース、キノボース、アベクオース、エリトロース、スレオース、ソルボース、プシコース、セドヘプツロース、コリオース、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルシトール、マンニトール、キシリトール、イノシトール、グルコサミン、ガラクトサミン等の糖残基、糖酸残基、糖アルコール残基、アミノ糖から選択される、(1)又は(2)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
(4)オリゴ糖が、マルトース、ラクトース、ラクツロース、ゲンチオビオース、セロビオース、ラフィノース、キシロビオース、スクロース、トレハロース、メレジトース、メリビオース、ラフィノース、スタキオース、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンから選択される、(1)〜(3)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
(5)芳香族アシル基が、置換されていても良いベンゾイル、ガロイル、パラヒドロキシベンゾイル、3,4-ジヒドロキシベンゾイル、シンナモイル、パラクマロイル、カフェオイル、フェルロイル、イソフェルロイル、シナポイル、ヘキサヒドロキシジフェノイル、デヒドロジガロイルから選択される、(1)〜(4)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
(6)オリゴ糖の糖水酸基の50%以上が置換されている、(1)〜(5)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
(7)芳香族アシル基が、式(I):
Figure 2012153676
(式中、R1、R2、R3は、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される基、Xは直接結合又はアルキレンまたはアルケニレンを表す。ここで、隣接するR1、R2、R3で示される基は、相互に結合していてもよい。)
で示される基である、(1)〜(6)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
(8)式(II)又は(III):
Figure 2012153676
[式中、RはH又は式(IV):
Figure 2012153676
(ここに、R'は独立してH、OH、アルキル基(CH3、25、38等)及びアルコキシ基(OCH3、OC25、OC38等)から選択される基)を表す]
で示される、(1)〜(7)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する医薬組成物。
(10)抗がん剤である、(9)に記載の医薬組成物。
(11)(1)〜(8)のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する飲食品。
(12)(1)〜(8)のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する化粧品。
(13)(1)〜(8)のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する医薬部外品。
本発明によれば、有機合成によりタンニン誘導体を生産できることから、容易にかつ多量の供給が可能であり、研究のみならず、飲食品、医薬品等の原料としてのタンニン誘導体の供給が可能になる。
本発明のタンニン誘導体は、抗腫瘍活性を有し、しかも、腫瘍細胞に対する細胞障害性と正常細胞に対する細胞障害性の比である腫瘍選択係数が高いことから、副作用の軽減された抗がん剤の開発に有用である。
タンニン類を含有する医薬、飲食、化粧品等の用途の開発研究のために、安定的に原料を供給することができる。
本明細書において用いる各語句の定義は、以下の通りである。
「アルキル基」とは、C1〜C20の直鎖状または分枝(鎖)状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n−ぺンチル、イソぺンチル、ネオぺンチル、tert-ぺンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等が挙げられる。C1〜C6の直鎖状または分枝状の低級アルキルが好ましい。
「アルケニル基」とは、上記アルキルに1個またはそれ以上の二重結合を有する直鎖または分枝状のC2〜C20アルケニル基を意味し、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,2−ブタジエニル、1−ペンテニル、1,2−ペンタジエニル、2−ヘキセニル、1,2−ヘキサジエニル、3−ヘプテニル、1,5−ヘプタジエニル等が挙げられる。C2〜C6の直鎖状または分枝状の低級アルケニルが好ましい。
「アルコキシ基」とは、C1〜C18の直鎖状または分枝(鎖)状のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクタデカノキシ基、アリルオキシ基などが挙げられる。C1〜C6の直鎖状または分枝状の低級アルコキシが好ましい。
アルキレン基とは炭素原子数1〜10個を有する直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を意味し、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、1,1−ジメチルメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基などを挙げることができる。炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
アルケニレン基とは炭素原子数2〜6個を有する直鎖又は分岐鎖状のアルケニレン基を意味し、例えばビニレン基、1−メチルビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基などを挙げることができる。炭素数2〜4のアルケニレン基が好ましい。
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択される基を意味する。
本発明において、「オリゴ糖」とは、2〜10個、好ましくは2〜6個の同一又は異なる単糖残基で構成される糖を意味し、例えばマルトース、ラクトース、ラクツロース、ゲンチオビオース、セロビオース、ラフィノース、キシロビオース、スクロース、トレハロース、メリビオース、ラフィノース、スタキオース、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどの糖残基が挙げられる。
「単糖残基」としては、グルコース、ガラクトース、フコース、 キシロース、マンノース、ラムノース、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボース、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デオキシリボー ス、2−デオキシリボース、キノボース、アベクオース、エリトロース、スレオース、ソルボース、プシコース、セドヘプツロース、コリオース、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルシトール、マンニトール、キシリトール、イノシトール、グルコサミン、ガラクトサミン等の糖残基や糖酸残基、糖アルコール残基、アミノ糖が挙げられる。
本発明のタンニン誘導体において、オリゴ糖の糖水酸基の少なくとも1個がアシル化されている。好ましくは、オリゴ糖水酸基の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは90%以上がアシル化されている。
本発明において、オリゴ糖に導入されている「アシル基」は、環上に置換基を有していてもよい芳香族アシル基であり、アシル基の具体例として、ベンゾイル、ガロイル、パラヒドロキシベンゾイル、3,4-ジヒドロキシベンゾイル、シンナモイル、パラクマロイル、カフェオイル、フェルロイル、イソフェルロイル、シナポイルが挙げられ、ガロイル、パラヒドロキシベンゾイル、3,4-ジヒドロキシベンゾイルが好ましい。置換基としてはヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲンが挙げられ、ヒドロキシ基が好ましい。
本発明の新規タンニン誘導体の例を以下に示す。
(1)オリゴ糖骨格の例
Figure 2012153676
(2)アシル基の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012153676
式(I)において、R1、R2、R3は、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される基、Xは直接結合又はアルキレンまたはアルケニレンを表す。
1、R2、R3の、環上の位置は、3、4、5位であることが好ましい。
1、R2、R3が置換可能な基である場合、さらに置換基を有していてもよく、その場合の置換基としては、上記のヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される。
さらに、隣接するR1、R2、R3で示される基は、相互に結合していてもよい。
具体例を以下に示す。
Figure 2012153676
好ましい実施態様において、本発明化合物は、式(II)又は(III):
Figure 2012153676
[式中、RはH又は式(IV):
Figure 2012153676
(ここに、R'は独立してH、OH、アルキル基(CH3、25、38等)及びアルコキシ基(OCH3、COC25、OC38等)から選択される基である。)を表す]
で示される。
(3)合成方法
本発明のタンニン誘導体は、オリゴ糖の糖水酸基を芳香族アシルクロリドでアシル化することにより、製造することができる。
本発明におけるタンニン誘導体は、実施例に示すように、必要に応じてヒドロキシ基をベンジルオキシ基とし保護したベンゾイルクロリド誘導体、もしくはシンナモイルクロリド誘導体のような芳香族カルボン酸クロリドおよびピリジンを用いてオリゴ糖をアシル化し、保護基を用いた場合はこれを還元的に脱保護し、保護基を用いない場合はオリゴ糖を直接、対応するアシルクロリドによりアシル化して製する。
発明の化合物のうち、オリゴ糖が2糖類であり、アシル基がガロイル基である化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム1)。
Figure 2012153676
Bn:ベンジル
上記の反応式において、出発物質であるオリゴ糖とアシル基(例:置換ガロイル基)を形成する化合物とのモル比は約1:1〜8の範囲であり、反応出発物質の比を変えることで、アシル化率を調整することができる。また、オリゴ糖の特定の水酸基のアシル化は、他の水酸基を適当な保護基で保護して上記反応を行った後脱保護することにより、行うことができる。そのような方法は当該技術分野で既知である。具体的には、実施例に記載の方法を参照することができる。これらの製造方法において用いられた出発原料及び試薬、並びに反応条件などを適宜修飾ないし改変することにより、本発明の範囲に包含される化合物はいずれも製造可能である。また、本発明の新規タンニン誘導体及び合成方法は、具体的に説明された方法に限定されるものではない。
本発明のタンニン誘導体は、タンニン類に関して既知の用途(医薬品、食品、動物用飼料、化粧品、医薬部外品(指定医薬部外品、防除用医薬部外品を含む)等)の原料として有用と考えられ、それぞれの用途に適した添加物を配合し、固体、液体、ペースト状等の任意の形態に調製される。その他、革なめし剤、媒染剤等にも利用可能である。
以下に例を挙げて説明するが、本発明の新規タンニン誘導体の用途はこれらに限定されるものではない。
(4)医薬組成物
本発明の医薬組成物は、がん、糖尿病、高脂血症、高コレステロール症、高血圧症、肥満症、動脈硬化症などの治療に有用である。
特に、後述の実験例に記載の通り、腫瘍選択係数が大きく、副作用の低減された抗がん剤又は制がん剤として有用である。例えば、口腔・舌・咽頭・食道・喉頭・子宮頚部、皮膚などの扁平上皮癌、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管等の非上皮性のがん、その他、腺がん、細胞がんなどの治療剤又は予防剤として使用することができる。
本発明の医薬の有効成分としては、本発明のタンニン誘導体のほか、生理学的に許容されるその塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を用いてもよい。
本発明の医薬は、有効成分であるタンニン誘導体自体を投与してもよいが、一般的には、1又は2以上の製剤用添加物をも含む医薬組成物の形態で投与することが望ましい。その形態としては、経口剤、例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ、内用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等を挙げることができ、これらを症状等に応じてそれぞれ単独で、または組み合わせて使用することができる。 これらの製剤は、常法に従って目的に応じて主薬に賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化安定剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
利用される担体としては、剤形に応じた通常用いられるものを特に制限なく使用することができるが、好ましいものの例としては、デンプン、乳糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等の固形担体や蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体や各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ等の油性担体等が挙げられる。
また、本発明のタンニン誘導体を経口剤として用いる場合の投与量は、患者の年齢、症状等により大きく変動するが、一般には、成人に対して、タンニン誘導体の量として、0.5〜10000mg/日の範囲である。本発明の医薬の投与量及び投与回数は特に限定されず、治療対象疾患の悪化・進展の防止及び/又は治療の目的、疾患の種類、患者の体重や年齢、疾患の重篤度などの条件に応じて、医師の判断により適宜選択することが可能である。
(5)飲食品等
また、本発明は、タンニン誘導体の飲食品としての組成物をも包含する。本発明のタンニン誘導体含有飲食品は、単独で、あるいは従来食品に用いられている各種成分と共に配合することにより調製される。これら飲食品の製造には、その種類に応じて種々の成分を利用することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等、通常の食品原料として使用されているものを適宜配合することにより製造することができる。
製造される食品の形態としては、固形食品、クリーム状あるいはジャム状の半流動食品、ゲル状食品、飲料等あらゆる食品形態にすることが可能であり、例えば、カプセル、顆粒、タブレット、ドリンク剤等の形態や、常用されている任意の基材を用いて清涼飲料、ジュース、コーヒー、紅茶、リキュール、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料、飴(キャンデー)、チューインガム、チョコレート、グミ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング、水ようかんなどとすることができる。
本発明のタンニン誘導体を飲食品に配合する場合は、0.0001〜5.0%の濃度範囲とすることが望ましい。
また、本発明の組成物は、動物飼料であってもよく、その目的に応じて通常用いられる各種成分と共に適宜配合することにより製造することができ、例えば、家畜飼料やペットフード等とすることができる。
本発明のタンニン誘導体は、食品または動物飼料への添加用剤として使用することができる。この食品添加用剤は、本発明のタンニン誘導体をそのまま、あるいは通常の製造に用いられる担体と組み合わせて、粉末、顆粒、ペースト、カプセル、シロップ、固形状、ゲル状、液状、懸濁液、乳液等の形態として利用することができる。 該食品添加用剤は、いずれの食品に対しても、食品の製造時、または製造された製品に添加することができる。
本発明のタンニン誘導体を投与する対象は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物である。哺乳動物としては、ヒトの他、イヌ、ネコ、ウサギなどのペット動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなどの家畜動物を挙げることがき、特に好ましい「哺乳動物」は、ヒトである。
(6)医薬部外品、化粧品等
本発明のタンニン誘導体を医薬部外品(消毒剤、歯磨き等)、化粧品(クリーム、乳液など)等に配合する場合、その形態、配合量、調製は当該技術分野で既知の方法で行うことができる。配合量は、上記の医薬品、飲食品に準じて、適宜決定することができる。例えば、本発明の化粧品は、その目的に応じて通常用いられる適宜な成分と本発明のタンニン誘導体を配合することにより製造することができる。化粧品添加用剤としての本発明のタンニン誘導体の他に、例えば植物油等の油脂類、ラノリンやミツロウ等のロウ類、炭化水素類、脂肪酸、高級アルコール類、エステル類、種々の界面活性剤、色素、香料、ビタミン類、植物・動物抽出成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、防腐・殺菌剤等、通常の化粧品原料として使用されているものや、目的に応じて他の活性成分を適宜配合して製造することができる。
以下に実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1.オクタ−O−ガロイル−β−ラクトースの合成
Figure 2012153676
(1)ラクトース(102mg,0.298mmol)を乾燥したピリジン(13mL) に溶解し、次いで3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイルクロリド(1.75g,3.81mmol)を加え、100℃,アルゴン雰囲気下で24時間攪拌した。pH7のリン酸緩衝液で反応を停止し、クロロホルム(各100mL)で3回抽出し,有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層をあわせ、硫酸マグネシウムで乾燥後,減圧下溶媒留去し、黄色アモルファスの物質を得た。得られたアモルファスをトルエンに溶かし、トルエンを最初の展開溶媒としたアルミナカラムクロマトグラフィー(半径=3.0cm,長さ=4.0cm) に付し、トルエン−ヘキサン−酢酸エチル混合溶媒(溶媒比トルエン:ヘキサン:酢酸エチル=2:3:1)溶出部より黄色アモルファスを得た。得られたアモルファスをトルエンに溶かし,ヘキサンを最初の展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck Kieselgel 60 230−400mesh)(半径=3.0cm,長さ=12.0cm) に付し,トルエン−酢酸エチル混合溶媒(溶媒比トルエン:酢酸エチル=30:1)溶出部より,オクタ−O−[3,4,5−トリス(フェニルメトキシ)ベンゾイル]−β−ラクトース化合物を得た。収率61%。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ3.49(1H,t,J=10.0),3.91(1H,t,J=8.0),4.19〜4.24(1H,dd,J=5.6,5.2),4.44(1H,t,J=9.2),4.47(3H,m),4.58(2H,s),4.70(4H,s),4.86〜5.16(46H,m),5.40(1H,d,J=10.4),5.82(1H,t,J=9.6),5.94〜6.01(2H,m),6.06(1H,t,J=9.2),6.16(1H,d,J=8.0),7.12〜7.55(136H,m)。
(2)オクタ−O−[3,4,5−トリス(フェニルメトキシ)ベンゾイル]−β−ラクトース(1.0g, 0.269mmol),10%パラジウムカーボン (540mg) を乾燥したTHF(55mL) 中、40℃、H2条件下で24時間攪拌し、反応液についてアセトンを用いてセライト濾過し、溶媒留去し、灰色結晶を得た。得られた結晶を酢酸エチルに加熱溶解し、メンブランフィルター(TYPE HVHP 0.45μm)を用いて濾過し、濾液を溶媒留去して無色結晶を得た。得られた結晶を2−プロパノールとクロロホルムを用いて再結晶し、無色結晶を得た。得られた結晶に蒸留水を加えて溶媒留去し、無色結晶としてオクタ−O−ガロイル−β−ラクトースを得た。収率74%。融点、221.5−222.6℃(分解)。1H−NMR(400MHz,CD3COCD3)、δ3.53(1H,t,J=10.0Hz),4.10(1H,dd,J=6.0,4.8Hz),4.16(1H,dd,J=5.6,5.2Hz),4.44(1H,t,J=9.2Hz),4.47(1H,dd,J=5.6,4.8Hz),4.63(1H,d,J=10.0Hz),5.27(1H,d,J=8.0Hz),5.43(1H,t,J=3.6Hz),5.52〜5.61(2H,m),5.66(1H,d,J=3.2Hz),5.91(1H,t,J=9.6Hz),6.22(1H,d,J=8.4Hz),6.86(2H,s),6.99(2H,s),7.02(2H,s),7.06(2H,s),7.10(2H,s),7.11(2H,s),7.13(2H,s),7.27(2H,s)。
実施例2.オクタ−O−ガロイル−スクロースの合成
Figure 2012153676
実施例1と同様にしてスクロースから合成したオクタ−O−[3,4,5−トリス(フェニルメトキシ)ベンゾイル]−スクロース(900mg, 0.242mmol)および10%パラジウムカーボン (486mg) を乾燥THF(50mL)中、40℃、H2条件下で24時間攪拌した。反応液についてアセトンを用いてセライト濾過し、溶媒留去し、灰色結晶を得た。得られた結晶を酢酸エチルに加熱溶解し、メンブランフィルター(TYPE HVHP 0.45μm)を用いて濾過し、濾液を溶媒留去して無色結晶を得た。得られた結晶を2−プロパノールとクロロホルムを用いて再結晶し、無色結晶を得た。得られた結晶に蒸留水を加えて溶媒留去し、無色結晶としてオクタ−O−ガロイル−スクロースを得た。収率63%。融点、218.4−221.0℃(分解)。1H−NMR(400MHz,CD3COCD3)、δ4.44(2H,dd,J=11.6,12.0Hz),4.57〜4.80(5H,m),5.43(1H,t,J=3.6Hz),5.80(1H,t,J=10.0Hz),5.97(1H,t,J=7.6Hz),6.04(1H,d,J=8.0Hz),6.12〜6.20(2H,m),6.96(2H,s),7.03(2H,s),7.08(2H,s),7.11(2H,s),7.16(2H,s),7.17(2H,s),7.25(2H,s),7.39(2H,s)。
実施例3.オクタ−O−ガロイル−トレハロースの合成
Figure 2012153676
実施例1と同様にしてトレハロースから合成したオクタ−O−[3,4,5−トリス(フェニルメトキシ)ベンゾイル]−トレハロース(800mg, 0.215mmol)および10%パラジウムカーボン (430mg)を乾燥THF(50mL) 中、40℃、H2条件下で24時間攪拌した。反応液についてアセトンを用いてセライト濾過し、溶媒留去し、灰色結晶を得た。得られた結晶を酢酸エチルに加熱溶解し、メンブランフィルター(TYPE HVHP 0.45μm)を用いて濾過し、濾液を溶媒留去して無色結晶を得た。得られた結晶を2−プロパノールとクロロホルムを用いて再結晶し、無色結晶を得た。得られた結晶に蒸留水を加えて溶媒留去し、無色結晶としてオクタ−O−ガロイル−トレハロースを得た。収率68%。融点、223.0−225.5℃(分解)。1H−NMR(400MHz,CD3COCD3)、δ3.58(2H,q,J=6.8Hz),3.77(2H,d,J=10.0Hz),4.27(2H,d,J=10.0Hz),5.30(2H,t,J=4.0Hz),5.66(2H,t,J=10.0Hz),5.69(2H,d,J=4.0Hz),6.05(2H,t,J=10.4Hz),6.99(4H,s),7.04(4H,s),7.14(4H,s)7.29(4H,s)。
実施例4.オクタ−O−ガロイル−β−セロビオースの合成
Figure 2012153676
実施例1と同様にしてセロビオースから合成したオクタ−O−[3,4,5−トリス(フェニルメトキシ)ベンゾイル]−β−セロビオース(1.8g, 0.484mmol)および10%パラジウムカーボン (970mg) を乾燥THF(100mL) 中、40℃、H2条件下で24時間攪拌した。反応液についてアセトンを用いセライト濾過し、溶媒留去し、灰色結晶を得た。得られた結晶を酢酸エチルに加熱溶解し、メンブランフィルター(TYPE HVHP 0.45μm)を用いて濾過し、濾液を溶媒留去して無色結晶を得た。得られた結晶を2−プロパノールとクロロホルムを用いて再結晶し、無色結晶を得た。得られた結晶に蒸留水を加えて溶媒留去し、無色結晶としてオクタ−O−ガロイル−β−セロビオースを得た。収率71%。融点、214.1−216.0℃(分解)。1H−NMR(400MHz,CD3COCD3)、δ3.86〜3.98(2H,m),4.13(1H,t,J=3.2Hz),4.21〜4.24(1H,m),4.37(1H,dd,J=4.8,5.2Hz),4.44(1H,t,J=9.6Hz),4.63(1H,d,J=10.4Hz),5.26〜5.33(2H,m),5.40(1H,t,J=10.0Hz),5.46(1H,t,J=8.4Hz),5.68(1H,t,J=9.6Hz),5.87(1H,t,J=9.6Hz),6.19(1H,d,J=8.4Hz),6.85(2H,s),6.876(2H,s),6.98(2H,s),7.04(2H,s),7.08(2H,s),7.11(2H,s),7.13(2H,s),7.21(2H,s)。
実施例5.ウンデカ−O−ガロイル−メレジトースの合成
Figure 2012153676
実施例1と同様にしてメレジトースから合成したウンデカ−O−[3,4,5−トリス(フェニルメトキシ)ベンゾイル]−メレジトース(1.5g, 0.290mmol)および10%パラジウムカーボン (1.17g) を乾燥THF(80mL) 中、40℃、H2条件下で24時間攪拌した。反応液についてアセトンを用いてセライト濾過し、溶媒留去し、灰色結晶を得た。得られた結晶を酢酸エチルに加熱溶解し、メンブランフィルター(TYPE HVHP 0.45UM)を用いて濾過し、濾液を溶媒留去して無色結晶を得た。得られた結晶を2−プロパノールとクロロホルムを用いて再結晶し、無色結晶を得た。得られた結晶に蒸留水を加えて溶媒留去し、無色結晶としてウンデカ−O−ガロイル−メレジトースを得た。収率83%。融点、243.4−246.1℃(分解)。1H−NMR(400MHz,CD3COCD3)、δ4.25(1H,d,J=12.0Hz),4.25(1H,d,J=12.0Hz),4.44(1H,t,J=8.0Hz),4.60〜4.91(8H,m),4.96(1H,d,J=10.4Hz),5.04(1H,t,J=8.8Hz),5.13(1H,d,J=10.4Hz),5.32(1H,t,J=4.0Hz),5.58(1H,dd,J=4.4,4.0Hz),5.70(1H,d,J=4.0Hz),5.84〜5.93(2H,m),5.98(1H,t,J=10.0Hz),6.13(1H,t,J=9.6Hz),6.21(1H,t,J=9.6Hz),6.31(1H,d,J=4.0Hz),6.82(2H,s),6.87(2H,s),6.90(2H,s),6.99(2H,s),7.06(2H,s),7.11(2H,s),7.13(2H,s),7.17(2H,s),7.18(2H,s),7.26(2H,s),7.32(2H,s)。
実験例1.抗腫瘍作用の評価
評価は、文献(Orabi et al., J. Nat. Prod. 2010, vol73, 870-879)記載の方法と同様の方法で行った。
HL−60細胞以外の各細胞について、96穴プレートに1ウェルあたり5×103セルとなるように細胞懸濁液を入れ、48時間培養した。培養液を除去し、異なる濃度の各被験化合物を含む培養液0.1mlを加え、48時間培養し、生細胞数を以下に示す方法で求めた。各試料濃度について3組の実験を行った。HL−60細胞については、96穴プレート中に1ウェルあたり7.5×104セルとなるように細胞懸濁液を入れ、以後は同様に処理した。
生細胞数は、細胞をリン酸緩衝液含有生理食塩水(カルシウム及びマグネシウム非含有)で洗い、その後、0.2 mg/ml の濃度の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を含む新鮮な培養液に置き換え、細胞をさらに4時間培養した。その後、細胞をジメチルスルホキシド 0.1 mlを加えて溶解し、マイクロプレートリーダーを使用して540nmでの吸光度を測定した。吸光度は対照実験では0.40から0.90の範囲にあるようにし、この条件下での生細胞数を求めた。
生細胞数を50%とするに要する試料量を、用量−作用曲線から求め、CC50として表1に示した。本発明の新規タンニン誘導体の場合、癌細胞(ヒト扁平上皮癌細胞HSC−2〜4及びヒト骨髄球性白血病細胞HL−60)に対する細胞障害活性を有するが、ヒト正常細胞に対する該活性が低い。表1の結果は、抗がん剤の正常細胞に対する細胞障害作用の程度を示す腫瘍選択係数は、緑茶カテキンよりも高く、副作用が低いことを示唆している。
Figure 2012153676
本発明のタンニン誘導体は新規な構造を有し優れた抗腫瘍効果を有する。本発明のタンニン誘導体は、従来の抽出法ではなく、有機合成により大量生産が可能であることから、既存のタンニンの代替品として、あるいは、新たなタンニン含有組成物の開発研究の発展に大いに貢献するものである。特に、腫瘍選択性が高いことから、副作用の低減された抗がん剤の開発に寄与するものと考えられる。

Claims (13)

  1. 単糖残基2〜10個からなるオリゴ糖の糖水酸基の少なくとも1個が、環上に置換基を有していてもよい芳香族アシル基(ここに、置換基はヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される)で置換されていることを特徴とする、タンニン誘導体。
  2. オリゴ糖を構成する単糖残基が2〜6個である請求項1記載のタンニン誘導体。
  3. オリゴ糖を構成する単糖残基が、グルコース、ガラクトース、フコース、 キシロース、マンノース、ラムノース、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボース、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デオキシリボー ス、2−デオキシリボース、キノボース、アベクオース、エリトロース、スレオース、ソルボース、プシコース、セドヘプツロース、コリオース、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルシトール、マンニトール、キシリトール、イノシトール、グルコサミン、ガラクトサミン等の糖残基、糖酸残基、糖アルコール残基、アミノ糖から選択される、請求項1又は2に記載のタンニン誘導体。
  4. オリゴ糖が、マルトース、ラクトース、ラクツロース、ゲンチオビオース、セロビオース、ラフィノース、キシロビオース、スクロース、トレハロース、メレジトース、メリビオース、ラフィノース、スタキオース、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンから選択される、請求項1〜3のいずれかに記載のタンニン誘導体。
  5. 芳香族アシル基が、置換されていても良いベンゾイル、ガロイル、パラヒドロキシベンゾイル、3,4-ジヒドロキシベンゾイル、シンナモイル、パラクマロイル、カフェオイル、フェルロイル、イソフェルロイル、シナポイルから選択される、(1)〜(4)のいずれかに記載のタンニン誘導体。
  6. オリゴ糖の糖水酸基の50%以上が置換されている、請求項1〜5のいずれかに記載のタンニン誘導体。
  7. 芳香族アシル基が、式(I):
    Figure 2012153676
    (式中、R1、R2、R3は、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びハロゲンから選択される基、Xは直接結合又はアルキレンまたはアルケニレンを表す。ここで、隣接するR1、R2、R3で示される基は、相互に結合していてもよい。)で示される基である、請求項1〜6のいずれかに記載のタンニン誘導体。
  8. 式(II)又は(III):
    Figure 2012153676
    [式中、RはH又は式(IV):
    Figure 2012153676
    (ここに、R'は独立してH、OH、アルキル基及びアルコキシ基から選択される基である。)を表す]
    で示される、請求項1〜7のいずれかに記載のタンニン誘導体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する医薬組成物。
  10. 抗がん剤である、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する飲食品。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する化粧品。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載のタンニン誘導体を含有する医薬部外品。
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