JP2012151024A - 可動接点付きシート - Google Patents
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Abstract
【課題】各種電子機器の操作部に用いられる可動接点付きシートに関し、可動接点が1〜2個という少ない可動接点付きシートでも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られるものを提供することを目的とする。
【解決手段】下面に粘着剤12Aが塗布された可撓性を有する絶縁フィルム製のベースシート11の下面に、上方凸形のドーム形状をした可動接点3と、その可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔14が空いていて、下面に粘着剤12Bが塗布されたスペーサシート13とが貼着されている可動接点付きシートにおいて、可動接点収容孔14の側方に拡大孔部15を設け、この拡大孔部15に対応するベースシート11の位置に貫通する通気孔16を設け、この通気孔16を、材質が気体は通過するが液体は通過しない微細貫通孔を有した多孔質構造部材のカバー17で覆った構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】下面に粘着剤12Aが塗布された可撓性を有する絶縁フィルム製のベースシート11の下面に、上方凸形のドーム形状をした可動接点3と、その可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔14が空いていて、下面に粘着剤12Bが塗布されたスペーサシート13とが貼着されている可動接点付きシートにおいて、可動接点収容孔14の側方に拡大孔部15を設け、この拡大孔部15に対応するベースシート11の位置に貫通する通気孔16を設け、この通気孔16を、材質が気体は通過するが液体は通過しない微細貫通孔を有した多孔質構造部材のカバー17で覆った構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種電子機器の操作部に用いられ、固定接点を備えた配線基板上に装着されてパネルスイッチを構成する可動接点付きシートに関するものである。
近年、各種電子機器には、固定接点を備えた配線基板上に装着されてパネルスイッチを構成する可動接点付きシートが多く採用されている。
このような従来の可動接点付きシートについて図9〜図12を用いて説明する。
図9は従来の可動接点付きシートの平面図、図10は同実装状態での断面図である。
1は可撓性を有する絶縁フィルム製のベースシートであり、下面には粘着剤2Aが塗布されている。3は上方凸形のドーム形状に形成された弾性薄板金属製の可動接点であり、上面をベースシート1に塗布された粘着剤2Aにより貼着されて所定の位置に保持されている。4は上面がベースシート1と貼着した絶縁フィルム製のスペーサシートであり、可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔5が、可動接点3の配置位置毎に空いていると共に、複数の可動接点収容孔5同士を繋いだ溝部6が設けられている。さらに、スペーサシート4の下面には粘着剤2Bが塗布され、これらで可動接点付きシートが構成されている。
上述した可動接点付きシートは、図10に示すように、携帯電話を代表とする電子機器のプリント基板7上に貼着されて使用される。プリント基板7には可動接点3の外周部分に対応する外側固定接点8と、可動接点3の中心部分に対応する中央固定接点9がそれぞれ電気的に独立して配置されている。そして、可動接点付きシートは、外側固定接点8上に可動接点3の外周下端を載せて、スペーサシート4の粘着剤2Bによりプリント基板7上に貼り合わせられ、パネルスイッチに構成されている。
この可動接点付きシートの実装状態で、可動接点3は外部から密閉状態となり、外部からの水分や塵埃等の異物の侵入が防がれるようになっている。
次にその動作について説明する。ベースシート1の上面より可動接点3の中心位置を押圧し、その力が所定の押圧力になると、可動接点3のドーム状の中央部分がクリック感を伴って弾性反転し、図11に示すように、その中央部分が、下方の中央固定接点9に接触する。これにより、可動接点3を介して外側固定接点8と中央固定接点9間が電気的に導通して、スイッチオンとなる。このとき、押圧により圧縮された可動接点3内の空気は溝部6を介して隣の可動接点3配置位置の空間に移動する。つまり、その溝部6などが通空路として機能し、圧縮された空気が当該可動接点3の反転動作を阻害することなく良好な感触が得られるようになっている。そして、一般的に操作時の良好なクリック感触を得るためには、可動接点収容孔5を3〜4個程度を溝部6で繋ぐことが望ましいとされている。
一方、図12に示すように、可動接点付きシート内の可動接点3の数量が1個である場合では、可動接点収容孔5を四方へ拡大することで空気溜り部10を設けた構成とし、動作時の圧縮空気をこの空気溜り部10に逃がすことで、圧縮空気による可動接点3の反転動作を阻害することなく良好な感触が得られる方法などがとられている。
このように、可動接点付きシートにおいて、良好な感触を得るためには反転動作時の可動接点3内の空気を効率よく逃がし、反転動作を阻害しない構成が必要であるものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3が知られている。
しかしながら、図9などに示すような、上記従来の可動接点付きシートにおいては、押圧により圧縮された可動接点3内の空気を逃がすための体積を十分に取るために、3〜4個の可動接点収容孔5を溝部6で繋ぐ必要があり、可動接点3が1〜2個といった少ない数量での可動接点付きシートに対応させることは困難であった。また、可動接点3が1個の場合、図12に示すように、空気溜り部10を別途設けなければならず、その空気溜り部10の体積としても大きく設定して感触低下を防止せざるを得ず、その結果シート面積が大きくなり、小型化への対応が難しいという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、可動接点の数量が1〜2個という少ない場合でも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
請求項1に記載の発明は、下面に粘着剤が塗布された絶縁フィルム製のベースシートと、上方凸形のドーム形状で、そのドームの凸側上面が上記ベースシートの粘着剤で保持された弾性薄板金属製の可動接点と、上記ベースシートの下面に重なって、上記可動接点を収容する位置に可動接点収容孔を備えると共に、下面に粘着剤が塗布されたスペーサシートとを備えた可動接点付きシートであって、上記可動接点付きシートを貼り付け装着したとき、上記可動接点内の空気が外部と通気可能となるように、上記ベースシートまたはスペーサシートに、気体は通過するが、液体は通過しない多孔質構成部を設けた可動接点付きシートとしたものであり、可動接点の数量が1〜2個のものであっても可動接点の反転動作に際して圧縮される空気が、多孔質構成部を介して外方に流出入するものにでき、クリック感触の鈍化が抑制できると共に、上述した多孔質構成部は液体が通過しないため、可動接点配置位置に水分や塵埃が侵入することもなく、接触安定性に優れたパネルスイッチが構成できるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、スペーサシートの可動接点収容孔の周囲側方位置に拡大孔部を連設すると共に、その拡大孔部内に応じたベースシート位置に貫通する通気孔を設け、上記通気孔を、気体は通過するが、液体は通過しない多孔質構造部材で覆ったものであり、請求項1の発明による作用に加えて、簡素な構成で、シートの面積を小さい小型構成のものに実現できるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ベースシートとスペーサシートのどちらかの材質が多孔質構造部材である可動接点付きシートであり、請求項1の発明による作用に加えて、生産工程を大きく変えることなく対応することができるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、下面に粘着剤が塗布された絶縁フィルム製のベースシートと、上方凸形のドーム形状で、そのドームの凸側上面が上記ベースシートの粘着剤で保持された弾性薄板金属製の可動接点とを備えた可動接点付きシートであって、上記可動接点付きシートを貼り付け装着したとき、上記可動接点内の空気が外部と通気可能となるように、上記ベースシートに、気体は通過するが、液体は通過しない多孔質構成部を設けた可動接点付きシートとしたものであり、可動接点の数量が1〜2個のものであっても可動接点の反転動作に際して圧縮される空気が、多孔質構成部を介して外方に流出入するものにでき、クリック感触の鈍化が抑制できると共に、上述した多孔質構成部は液体が通過しないため、可動接点配置位置に水分や塵埃が侵入することもなく、接触安定性に優れたパネルスイッチが構成できるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、可動接点の数量が1〜2個という少ない可動接点付きシートでも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを提供することができるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を用いて説明する。なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図2は同可動接点付きシートの平面図である。
図1は本発明の第1の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図2は同可動接点付きシートの平面図である。
同図に示すように、11は略矩形状に形成された可撓性を有する絶縁フィルム製(例えばPETフィルム製)のベースシートで、その下面には粘着剤12Aが塗布されている。可動接点3は1個のみで、その上面をベースシート11に塗布された粘着剤12Aに貼着されることによって、所定の位置に保持されている。スペーサシート13は絶縁フィルム製(例えばPETフィルム製)で、粘着剤12Aを介してベースシート11の下面側に貼着されており、その形状は、ベースシート11と同じ外形であると共に、可動接点3に対応する位置には可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔14が空いている。
さらに、当該構成ではその可動接点収容孔14の周囲側方に拡大孔部15が一体に一つ設けられたものとなっている。なお、可動接点収容孔14とそれに繋がって設けられた拡大孔部15は、スペーサシート13の外周の側端面よりも内側に構成されている。拡大孔部15は可動接点収容孔14から離れる方向となる先端が、円弧状に構成されており、この先端側の内部領域に対応するベースシート11の位置には、円形の通気孔16が上下に貫通して設けられている。
そして、ベースシート11の上面から通気孔16を覆うように、下面に粘着剤12Cが塗布されたフィルム製のカバー17が貼着されている。カバー17は、その材質が気体は通過するが液体は通過しない微細貫通孔を有したPTFE等の多孔質構造部材で形成されていると共に、ベースシート11に貼着したときに、通気孔16に対応する部分には粘着剤12Cが塗布されていない構成になっている。これらの拡大孔部15、通気孔16、カバー17が請求項1の多孔質構成部に相当するものである。
なお、カバー17に塗布されている粘着剤12Cは、例えばアクリル系やシリコン系等のものであり、カバー17の微細貫通孔を塞ぐようにしみこむことはない。カバー17は円形で、その直径は通気孔16よりも大きく、通気孔16に同心となるように貼り合わされている。
そして、スペーサシート13の下面には粘着剤12Bが塗布されており、以上により可動接点付きシートが構成されている。
ここに、当該可動接点付きシートの拡大孔部15においては、可動接点収容孔14からの側方への延出寸法については短く、その延出する幅寸法については広幅に設定すれば、ベースシート11などのシート面積をより小さいものに構成できる。また、通気孔16の数量を増やしたり、形状を大きくする等して、通気孔16の総面積を拡大してもよい。
また、カバー17の形状については、ベースシート11と貼着した隙間から通気孔16内に水分や塵埃が侵入しない構成であれば、特に限定はされないが、貼り付け状態で、カバー17が可動接点3上の位置に被さらない形状にしておくと好ましい。
上述した可動接点付きシートは、図1からも判るように、電子機器のプリント基板18上に貼着されて使用される。プリント基板18には可動接点3の外周部分に対応する外側固定接点8と、可動接点3の中心部分に対応する中央固定接点9がそれぞれ電気的に独立して配置されている。そして、可動接点付きシートは、外側固定接点8上に可動接点3の外周下端を載せて、スペーサシート13の粘着剤12Bにより、プリント基板18上に貼り合わせられ、パネルスイッチに構成されている。
この可動接点付きシートの実装状態で、可動接点3配置位置は外部から密閉状態となり、その可動接点3配置位置に対して、外部からの水分や塵埃等の異物の侵入を防ぐようになっている。
次にその動作などについて説明する。ベースシート11の上面より可動接点3の中心位置を押圧し、その力が所定の押圧力になると、クリック感を伴って可動接点3のドーム状の中央部分が弾性反転し、その中央部分が下方の中央固定接点9に接触する。これにより、可動接点3を介して外側固定接点8と中央固定接点9間が電気的に導通して、スイッチオンとなる。このとき、押圧により圧縮された可動接点3内の空気は拡大孔部15を介して通気孔16に至り、カバー17を介して外方へ流出される。つまり、可動接点3の反転動作によって圧縮された空気が外方へ流出するので、可動接点3の反転動作は、圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる。図1の矢印は、可動接点3内の空気の外方への流れを示したものである。
そして、押圧を解除するとクリック感を伴って可動接点3のドーム状の中央部分が上方に反転復帰して、その中央部分が中央固定接点9と離れる。これにより、外側固定接点8と中央固定接点9間が電気的に絶縁状態に戻り、スイッチオフとなる。このとき、反転復帰動作により可動接点3内の体積が拡大し、内部が負圧状態となり、外方の空気はカバー17を介して、通気孔16および拡大孔部15を通り可動接点3内へ流入される。
以上のように当該第1の実施の形態のものの構成であれば、拡大孔部15と通気孔16とカバー17とからなる多孔質構成部を少なくとも一つのみ設ければよいので、シート面積としては、四方に空気溜り部10を設けた従来の図12のものに比べ小型化できる。そして、可動接点3が1個のみでも、可動接点3内の空気を、気体は通過するが液体は通過しない多孔質構造部材で構成されたカバー17を介して、外方へ流出入させることができ、これによって、可動接点3の反転動作が圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを得ることができる。
なお、上記には、可動接点3が1個のみの可動接点付きシートの場合を例として説明したが、可動接点3が2個の可動接点付きシートとする場合には、これらの拡大孔部15、通気孔16、カバー17からなる多孔質構成部を各々の可動接点収容孔14毎に設ければよい。または、その2つの可動接点収容孔14同士を従来技術のもののように溝部でつないだものとして、その溝部に対応するベースシート位置に通気孔16を設け、さらにカバー17を貼り付けた構成にしてもよい。
(実施の形態2)
図3は本発明の第2の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図4は同可動接点付きシートの平面図である。
図3は本発明の第2の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図4は同可動接点付きシートの平面図である。
同図に示すように、21は可撓性を有する絶縁フィルム製のベースシートで、その材質は、気体は通過するが液体は通過しない微細貫通孔を有したPTFE等の多孔質構造部材で形成されていると共に、下面には粘着剤22Aが塗布されている。可動接点3は1個のみで、その上面をベースシート21に塗布された粘着剤22Aに貼着されることによって、所定の位置に保持されている。スペーサシート23は、例えばPETフィルム製で、粘着剤22Aを介してベースシート21の下面側に貼着されており、その形状はベースシート21と同じ外形であると共に、可動接点3に対応する位置には可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔24が空いている。
ここで、ベースシート21の粘着剤22Aは、可動接点3の外周よりもわずかに内側に対応する箇所から、可動接点収容孔24の端部に対応する箇所にかけては塗布されていない構成になっている。さらに、その粘着剤22Aは、例えばアクリル系やシリコン系等のものであり、ベースシート21の微細貫通孔を塞ぐようにしみこむことはない。
そして、スペーサシート23の下面には粘着剤22Bが塗布されており、以上により可動接点付きシートが構成されている。
上述した可動接点付きシートは、図3からも判るように、実施の形態1によるものと同様に、プリント基板18上に貼り合わせられてパネルスイッチに構成されて使用される。
次にその動作などについて説明するが、スイッチオン・オフの動作は実施の形態1にて説明した内容と同じなので省略し、主に動作中の可動接点3内の空気の流れについて説明する。
可動接点3の弾性反転により圧縮された可動接点3内の空気は、ベースシート21の粘着剤22Aが塗布されていない箇所を介して外方へ流出される。つまり、可動接点3の反転動作によって圧縮された空気が、素材限定して用いたベースシート21そのものを介して外方へ流出するので、可動接点3の反転動作は、圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる。図3の矢印は、可動接点3内の空気の外方への流れを示したものである。
そして、可動接点3の反転復帰では可動接点3内の体積が拡大し、内部が負圧状態となり、外方の空気はベースシート21の粘着剤22Aが塗布されていない箇所を介して、可動接点3内へ流入される。
以上のように当該第2の実施の形態のものの構成であれば、可動接点が1個のみでも、可動接点3内の空気を、気体は通過するが液体は通過しない多孔質構造部材で構成されたベースシート21の粘着剤22Aが塗布されていない箇所を介して、外方へ流出入させることができ、これによって、可動接点3の反転動作が圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを得ることができる。
そして、当該第2の実施の形態のものの構成では、実施の形態1で必要とした拡大孔部15などの構成を必要としない分、シート面積の小型化がさらに図れたものに構成できる。
なお、ベースシート21の粘着剤22Aの形成パターンは、上述したものに限定されることはなく、可動接点3内の空気の流出入がなされるようにパターン形成してあればよい。
(実施の形態3)
図5は本発明の第3の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図6は同可動接点付きシートの平面図である。
図5は本発明の第3の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図6は同可動接点付きシートの平面図である。
同図に示すように、31は可撓性を有する絶縁フィルム製(例えばPETフィルム製)のベースシートで、その下面には粘着剤32Aが塗布されている。可動接点3は1個のみで、その上面をベースシート31に塗布された粘着剤32Aに貼着されることによって、所定の位置に保持されている。スペーサシート33は粘着剤32Aを介してベースシート31の下面側に貼着されており、その材質は、気体は通過するが液体は通過しない微細貫通孔を有したPTFE等の多孔質構造部材で形成されている。そして、その形状はベースシート31と同じ外形であり、可動接点3に対応する位置には可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔34が空いている。
そして、スペーサシート33の下面には粘着剤32Bが塗布されており、以上により可動接点付きシートが構成されている。
なお、当該可動接点付きシートにおいて、スペーサシート33と接している粘着剤32Aと粘着剤32Bは、例えばアクリル系やシリコン系等のものであり、スペーサシート33の微細貫通孔を塞ぐようにしみこむことはなく、さらに、スペーサシート33の外周の側端面及び、可動接点収容孔34の内側面を塞ぐようにしみ出しもしていない。
上述した可動接点付きシートは、図5からも判るように、実施の形態1によるものと同様にプリント基板18上に貼り合わせられてパネルスイッチに構成されて使用される。
次にその動作などについて説明するが、スイッチオン・オフの動作は実施の形態1にて説明した内容と同じなので省略し、主に動作中の可動接点3内の空気の流れについて説明する。
可動接点3の弾性反転により圧縮された可動接点3内の空気は、可動接点収容孔34を構成しているスペーサシート33の内側面を通り、スペーサシート33の外周の側端面より外方へ流出する。
そして、可動接点3の反転復帰では可動接点3内の体積が拡大し、内部が負圧状態となり、外方の空気は上記とは反対の経路で可動接点3内に流入される。
以上のように当該第3の実施の形態のものの構成であれば、可動接点が1個のみでも、スペーサシート33の材質を、気体は通過するが液体は通過しない多孔質構造部材に限定することで、可動接点3内の空気を、スペーサシート33を介して外方へ流出入させることができ、これによって、可動接点3の反転動作が圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを得ることができる。
さらに、実施の形態2と同様に、実施の形態1で必要とした拡大孔部15などの構成を必要としない分、シート面積の小型化がさらに図れたものに構成できるだけでなく、従来の生産工程を大きく変えることなく生産対応をすることも可能となる。
なお、当該第3の実施の形態では、ベースシート31とスペーサシート33の外形を同じ形状のものとしたが、粘着剤32Aが塗布されたベースシート31の形状を、可動接点3の密閉状態を妨げない範囲で、スペーサシート33よりも小さく設定したり、複数の孔を空けた構成としてもよい。これらの構成とすればスペーサシート33の外方への露出面積が増え、可動接点3内の空気は、スペーサシート33の外周の側端面だけでなく、外方へ露出した上面からも流出入させることができる。
(実施の形態4)
図7は本発明の第4の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図8は同可動接点付きシートの平面図である。
図7は本発明の第4の実施の形態による可動接点付きシートを実装した状態での断面図、図8は同可動接点付きシートの平面図である。
同図に示すように、41は可撓性を有する絶縁フィルム製のベースシートで、その材質は、気体は通過するが液体は通過しない微細貫通孔を有したPTFE等の多孔質構造部材で形成されていると共に、下面には粘着剤42が塗布されている。可動接点3は1個のみで、その上面をベースシート41に塗布された粘着剤42に貼着されることによって、所定の位置に保持されている。
ここで、ベースシート41の粘着剤42は、可動接点3の外周よりもわずかに内側に対応する箇所から、わずかに外側に対応する箇所にかけては塗布されていない構成になっている。なお、その粘着剤42は、例えばアクリル系やシリコン系等のものであり、ベースシート41の微細貫通孔を塞ぐようにしみこむことはない。
そして、この粘着剤42が塗布されていない箇所が、請求項4の多孔質構成部に相当するものであり、以上により可動接点付きシートが構成されている。
上述した可動接点付きシートは、図7からも判るように、実施の形態1によるものと同様にプリント基板18上に貼り合わせられてパネルスイッチに構成されて使用される。
ここに、当該構成のものも、上記のいずれの実施形態のものと同様に、搭載状態で可動接点3配置位置に水分や塵埃が侵入することも無く、接触安定性に優れたパネルスイッチが構成できる。
次にその動作などについて説明するが、スイッチオン・オフの動作は実施の形態1にて説明した内容と同様なので省略し、主に可動接点3内の空気の流れについて説明する。
可動接点3の弾性反転により圧縮された可動接点3内の空気は、ベースシート41の粘着剤42が塗布されていない箇所を介して外方へ流出される。つまり、可動接点3の反転動作によって圧縮された空気が外方へ流出するので、可動接点3の反転動作は、圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる。図7の矢印は、可動接点3内の空気の外方への流れを示したものである。
そして、可動接点3の反転復帰では可動接点3内の体積が拡大し、内部が負圧状態となり、外方の空気はベースシート41の粘着剤42が塗布されていない箇所を介して、可動接点3内へ流入される。
以上のように当該第4の実施の形態のものの構成であれば、可動接点が1個のみでも、シート面積が従来の図12のものに比べて小型でありながら、可動接点3内の空気を、気体は通過するが液体は通過しない多孔質構造部材で構成されたベースシート41の粘着剤42が塗布されていない箇所を介して、外方へ流出入させることができ、これによって、可動接点3の反転動作が圧縮空気によって阻害されることなく良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを得ることができる。
なお、ベースシート41に塗布された粘着剤42の形成パターンは、上述したものに限定されることはなく、可動接点3内の空気の流出入がなされるようにパターン形成してあればよい。
そして、当該構成においても、実施の形態1に類似の多孔質構成部を備えたものとすることもできる。つまり、ベースシートに通常の絶縁フィルム(例えばPETフィルム製)を用いて、その下面の粘着剤の形成パターンで拡大孔部に相当する部分を形成すると共に、そこに対応するベースシート位置に通気孔を設けて上方から多孔質構造部材からなるカバーで覆うようにしてもよい。
以上には、いずれの実施形態のものも、可動接点3が1個のものを図示して主に説明したが、可動接点3が2個以上のものとしてもよく、また、以上の実施形態の思想を組み合わせた構成のものとしてもよい。
本発明による可動接点付きシートは、可動接点の数量が1〜2個という少ない可動接点付きシートでも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られるものを提供することができるという有利な効果を有し、各種電子機器の操作部等に有用である。
3 可動接点
8 外側固定接点
9 中央固定接点
11、21、31、41 ベースシート
12A、12B、12C、22A、22B、32A、32B、42 粘着剤
13、23、33 スペーサシート
14、24、34 可動接点収容孔
15 拡大孔部
16 通気孔
17 カバー
18 プリント基板
8 外側固定接点
9 中央固定接点
11、21、31、41 ベースシート
12A、12B、12C、22A、22B、32A、32B、42 粘着剤
13、23、33 スペーサシート
14、24、34 可動接点収容孔
15 拡大孔部
16 通気孔
17 カバー
18 プリント基板
Claims (4)
- 下面に粘着剤が塗布された絶縁フィルム製のベースシートと、上方凸形のドーム形状で、そのドームの凸側上面が上記ベースシートの粘着剤で保持された弾性薄板金属製の可動接点と、上記ベースシートの下面に重なって、上記可動接点を収容する位置に可動接点収容孔を備えると共に、下面に粘着剤が塗布されたスペーサシートとを備えた可動接点付きシートであって、上記可動接点付きシートを貼り付け装着したとき、上記可動接点内の空気が外部と通気可能となるように、上記ベースシートまたはスペーサシートに、気体は通過するが、液体は通過しない多孔質構成部を設けた可動接点付きシート。
- スペーサシートの可動接点収容孔の周囲側方位置に拡大孔部を連設すると共に、その拡大孔部内に応じたベースシート位置に貫通する通気孔を設け、上記通気孔を、気体は通過するが、液体は通過しない多孔質構造部材で覆った請求項1記載の可動接点付きシート。
- ベースシートとスペーサシートのどちらかの材質が多孔質構造部材である請求項1記載の可動接点付きシート。
- 下面に粘着剤が塗布された絶縁フィルム製のベースシートと、上方凸形のドーム形状で、そのドームの凸側上面が上記ベースシートの粘着剤で保持された弾性薄板金属製の可動接点とを備えた可動接点付きシートであって、上記可動接点付きシートを貼り付け装着したとき、上記可動接点内の空気が外部と通気可能となるように、上記ベースシートに、気体は通過するが、液体は通過しない多孔質構成部を設けた可動接点付きシート。
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2011
- 2011-01-20 JP JP2011009635A patent/JP2012151024A/ja active Pending
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JP7361918B2 (ja) | 2020-06-09 | 2023-10-16 | 三菱電機株式会社 | ボタンスイッチ装置及び電子機器 |
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