JP2012149857A - 電動弁制御装置 - Google Patents

電動弁制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012149857A
JP2012149857A JP2011010340A JP2011010340A JP2012149857A JP 2012149857 A JP2012149857 A JP 2012149857A JP 2011010340 A JP2011010340 A JP 2011010340A JP 2011010340 A JP2011010340 A JP 2011010340A JP 2012149857 A JP2012149857 A JP 2012149857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
valve opening
motor
opening point
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011010340A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Ogawa
善朗 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikoki Corp
Original Assignee
Fujikoki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikoki Corp filed Critical Fujikoki Corp
Priority to JP2011010340A priority Critical patent/JP2012149857A/ja
Publication of JP2012149857A publication Critical patent/JP2012149857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

Abstract

【課題】空調機器等の始動の遅れを防止しながら、初回運転時又は試運転時以外でも開弁点の検出が可能で、小型の冷凍・冷蔵ショーケースなどでも、効率のよい安定した運転を行うことのできる電動弁制御装置を提供する。
【解決手段】電動弁5の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、電動弁の出口温度Voutが所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段13、14、16と、開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段20と、記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として電動弁による流量制御を行う流量制御手段13、14、15、16と、開弁点検出手段による開弁点の検出を実行するための操作手段17とを備える電動弁制御装置。外部の操作手段から開弁点検出指令信号を受信した際に開弁点を検出してもよく、タイマ手段によって設定された時間を外部の操作手段から変更してもよい。
【選択図】図8

Description

本発明は、冷凍・冷蔵機器、空調機器等に用いられる電動弁の制御装置に関する。
近年、冷凍・冷蔵ショーケース、自動販売機等では、効率のよい安定した運転を行うため、冷凍サイクルの膨張弁にパルスモータなどを使用した電動弁を用い、その弁開度を細かく制御して冷媒流量を調節し、庫内温度や冷凍サイクルの過熱度を一定に制御している。
上記技術を小型の冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機等に応用しようとした場合、この種の機器に使用される冷凍サイクルは、ユニット自体の冷凍能力が小さく、冷媒流量も小さいため、小型の電動弁を可能な限り閉弁状態に近い低開度まで制御する必要がある。
しかし、弁体をばねを介して弁座に押し付けるタイプ等の電源弁においては、一般的に該電動弁の弁が開き始める位置(開弁点)は、閉弁状態、つまりから0パルスから数十パルス動作した位置であり、この開弁点は、電動弁を構成する部品の寸法のばらつきや、ロータマグネットとステータの位置ずれなど、製造上の理由から一定ではなく、ばらつきが生じる。例えば、制御可能なフルストロークが0〜500パルスの電動弁等では、開弁点が12〜52パルス程度の間でばらつくものがある。
このため、52パルス程度以下の開度で制御すると、使用する電動弁によっては閉弁する危険性があり、温度制御中は電動弁を52パルス程度以上でしか使用することができず、小型の冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機等で低流量が必要なときであっても、実際の開弁点に極めて近い低開度まで電動弁を制御することができないという問題があった。
このような問題を解決するため、特許文献1には、冷凍サイクルに用いられる電動弁の開弁点を、当該電動弁を用いた空気調和機の電源投入後の初回運転時、又は試運転時に検出し、検出した開弁点に基づいて当該電動弁を制御することが提案されている。
特許第2816136号公報
しかし、空調機器等は、冷暖房を必要としない場合に電源を切断することも多く、この場合には、再電源投入時毎に上記の開弁点の検出を行うことになり、空調機器等の始動が毎回遅くなるという問題がある。
一方、冷凍・冷蔵ショーケースなどにおいては、一旦電源を投入すると、その後は電源を切断する場合は少ないが、当該ショーケースなどの設置時においては、その冷凍システムを動作させながら全体の冷却状態や霜取状態を確認しつつ最適な設定をするため、何度も電源のオン/オフを繰り返すことがあり、その場合には、上記と同様に、その都度開弁点の検出がなされて動作確認が遅くなるという問題がある。
さらに、電動弁の駆動源としてステッピングモータを用いた場合、そのステータを、弁体を進退動させるためのロータが収容されたキャンの外周に装着し、キャンや該キャンが固着された弁本体、あるいは該弁本体に固着された流体の流入管や流出管等に係合させて固定するような場合には、特に自動車等の車両や、電車、航空機、船舶等の移動体に搭載された空調機器や冷凍、冷蔵機器では常時振動環境下にさらされるため、運転中の振動等により弁本体やキャンに対するステータの取付位置が変化し、これに起因して開弁点が変化することもあり、その場合、当該冷凍サイクルの初回運転時、あるいは試運転時の開弁点検出では対応できないという問題もある。
そこで、本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであって、空調機器等の始動が遅くなることを防止しながら、初回運転時又は試運転時以外でも開弁点の検出を行うことができ、小型の冷凍・冷蔵ショーケースなどにおいても、効率のよい安定した運転を行うことを可能にする電動弁制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電動弁の弁開度を制御する電動弁制御装置において、前記電動弁の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、前記電動弁の出口温度が所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段と、該開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として前記電動弁による流量制御を行う流量制御手段と、前記開弁点検出手段による開弁点の検出を実行するための操作手段とを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、製造上のばらつきなどで発生する電動弁固有の開弁点を検出することができるため、これを下限開度に設定することにより、制御中は閉弁点に極めて近い開度まで電動弁を制御することができる。これにより、小型の冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機等で従来使えなかった開弁点までの低開度制御が可能になり、低流量制御を実現することができる。また、開弁点検出の動作をスイッチなどの操作手段によって開始できるため、冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機を製造する工場や、設置した現場等で、いつでも開弁点の検出を行うことができる。
また、本発明は、電動弁の弁開度を制御する電動弁制御装置において、前記電動弁の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、前記電動弁の出口温度が所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段と、該開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として前記電動弁による流量制御を行う流量制御手段とを備え、前記開弁点検出手段は、該電動弁制御装置の外部の操作手段から開弁点検出指令信号を受信した際に開弁点検出を実行することを特徴とする。本発明においても、上記発明と同様に、制御中は閉弁点に極めて近い開度まで電動弁を制御することができ、低流量制御を実現することができるとともに、いつでも開弁点の検出を行うことができる。尚、外部の操作手段とは、該電動弁制御装置を用いた複数の冷凍・冷蔵ショーケース等を集中管理する装置や、パーソナルコンピュータ、携帯端末等であって、これらの装置等から開弁点検出指令信号を受信して開弁点検出を実行することができる。
さらに、本発明は、電動弁の弁開度を制御する電動弁制御装置において、前記電動弁の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、前記電動弁の出口温度が所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段と、該開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として前記電動弁による流量制御を行う流量制御手段と、タイマ手段とを備え、前記開弁点検出手段は、前記タイマ手段に設定された時間の経過後に開弁点検出を実行することを特徴とする。
本発明によれば、製造上のばらつきで発生する電動弁固有の開弁点を検出することができるため、これを下限開度に設定することにより、制御中は閉弁点に極めて近い開度まで電動弁を制御することができる。これにより、小型の冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機等で従来使えなかった開弁点までの低開度制御が可能になり、低流量制御を実現することができる。また、ステータであるコイル部とロータが内蔵されている弁本体部が着脱可能な構造となっている電動弁を使用する場合、輸送や設置、運転による振動等の要因や、特に自動車や電車、航空機、船舶等の移動体に使用される場合には、常時振動環境下にさらされるため、コイル部と弁本体部、すなわちステータとロータマグネットとの位置関係にずれが生じる場合があり、開弁点もずれる可能性があるが、設定時間毎に開弁点の検出を行い、検出した開弁点を下限開度として設定することにより、開弁点にずれが生じた場合でも、これを自動的に修正することができる。
上記電動弁制御装置において、前記電動弁を、圧縮機、凝縮器及び蒸発器を有する冷凍サイクルの膨張弁とし、前記電動弁の出口温度を、前記電動弁と前記蒸発器との間の冷媒温度とすることができる。
上記電動弁制御装置において、前記開弁点検出手段は、前記所定時間経過前後の前記出口温度を比較し、該出口温度が前記所定温度以上変化しないときは、該所定時間経過後の出口温度を、次回の比較の際の基準温度とすることができる。これにより、電動弁の出口の冷媒温度が変化する場合でも精度よく開弁点を検出することができる。
以上のように、本発明にかかる電動弁制御装置によれば、冷凍・冷蔵機器等の始動の遅延を防止しながら、初回運転時又は試運転時以外でも開弁点の検出を行うことができ、小型の冷凍・冷蔵装置等においても効率のよい安定した運転を行うことができる。
本発明にかかる電動弁制御装置を用いた冷凍サイクルシステムの一例を示す構成図である。 図1の過熱度制御部及びその周辺回路の詳細を示すブロック図である。 温度制御部の割込処理を説明するためのフローチャートである。 過熱度制御部の割込処理を説明するためのフローチャートである。 過熱度制御部の本体表面を示す外観図である。 設定値の入力、変更操作を説明するためのフローチャートである。 スイッチ操作による開弁点検出処理の流れを示すフローチャート(イニシャル部分)である。 スイッチ操作による開弁点検出処理の流れを示すフローチャート(ループ部分)である。 開弁点検出処理の一例を示すタイムチャートである。 タイマによる開弁点検出処理の流れを示すフローチャート(イニシャル部分)である。 開弁点検出処理動作を説明するためのグラフである。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下においては、冷凍サイクルシステムとして、食料品の保冷や陳列等に用いる冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度を制御するシステムを例示し、また、本発明にかかる電動弁制御装置を、上記冷凍サイクルシステムに配置された膨張弁(電動弁)を制御するための装置として使用した場合を例にとって説明する。
図1は、本発明にかかる電動弁制御装置を備えた冷凍サイクルシステムを示し、このシステム1は、圧縮機2と、凝縮器3と、凝縮器用ファン3aと、電動弁5と、蒸発器6と、蒸発器用ファン6aと、入口温度センサ7と、出口温度センサ8と、庫内温度センサ9と、温度制御部10と、過熱度制御部11とを備える。
圧縮機2、凝縮器3、電動弁5及び蒸発器6は、配管12で接続され、これらの間を冷媒が循環する。ここで、配管12を流れる冷媒の流量は、電動弁5の弁開度を調整することにより制御する。
圧縮機2は、蒸発器6より供給された低圧の気体の状態にある冷媒を圧縮し、高圧の気体に変換して配管12を介して凝縮器3に供給する。
凝縮器3は、圧縮機2から供給された高圧気体状態の冷媒を凝縮し、高圧液体状態の冷媒に変換して凝縮熱を奪い、奪った熱を凝縮器用ファン3aの送風によって外部に放出する。
電動弁5は、凝縮器3から供給された高圧液体状態の冷媒を低圧状態に変化させる。この電動弁5は、過熱度制御部11からの電動弁駆動信号EVに従って駆動されるパルスモータ5a(図2参照)を内蔵し、電動弁駆動信号EVのパルス数に応じた回転角度でパルスモータ5aが回転することにより弁開度が調整される。
蒸発器6は、低圧の液体状態にある冷媒を蒸発(気化)させるために備えられ、冷媒は、蒸発することにより周囲より気化熱を奪い、加熱される。この際、奪われた熱によって蒸発器6周辺の空気が冷却され、その冷却された空気が蒸発器用ファン6aの送風によって放出されることにより、冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度の調節が行われる。
入口温度センサ7、出口温度センサ8及び庫内温度センサ9は、各々、蒸発器6の入口の冷媒(液体状態での冷媒)の温度Tin、蒸発器6の出口での冷媒(気体状態の冷媒)の温度Tout、冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度Tisを検出する。これら入口温度センサ7〜庫内温度センサ9は、例えば、負の温度−抵抗特性を有するサーミスタによって構成される。また、蒸発器6の入口における冷媒温度Tinは、電動弁出口温度Voutと同じなので、入口温度センサ7は、開弁点検出のための温度検出手段も兼ねる。
温度制御部10は、圧縮機2の運転の有無を制御して冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度を調整するための制御回路であり、例えば、マイクロコンピュータ及び周辺回路(いずれも不図示)から構成される。この温度制御部10は、庫内温度センサ9によって検出された庫内温度Tisと、予め設定されたオン設定温度Ton及びオフ設定温度Toffとを対比し、その結果に基づいて圧縮機2の運転の有無を制御する。尚、オン設定温度Ton及びオフ設定温度Toffの間には、圧縮機2の頻繁なオン/オフ動作(ハンチング)を避けるためのディファレンシャル(温度差)が設定される。
また、温度制御部10は、図示しない出力接点を有し、圧縮機2の運転期間中は接点を閉じ、圧縮機2の停止期間中は接点を開ける動作を行い、これを制御信号として過熱度制御部11に送り、過熱度制御のON/OFFを行う。
過熱度制御部11は、電動弁5の弁開度を制御するための制御回路であり、温度制御部10と同様、例えば、マイクロコンピュータ及び周辺回路から構成される。この過熱度制御部11は、蒸発器6での冷媒の過熱度Tsh(出口温度センサ8の検出温度Tout−入口温度センサ7の検出温度Tin)に基づき、PID制御によって電動弁5の弁開度を求め、求めた弁開度に対応する電動弁駆動信号EVを電動弁5のパルスモータ5aに出力する。
また、温度制御部10からの制御信号に基づいて、接点が閉のときは過熱度制御を行い、接点が開のときには過熱度制御を停止する。
過熱度制御部11は、図2に示すように、マイクロプロセッサ13と、入口温度検出回路14と、出口温度検出回路15と、電動弁駆動回路16と、入力回路17と、表示回路18と、表示ドライバ回路19と、記憶回路(EEPROM)20と、制御信号入力回路21と、通信信号変換回路22とを備える。
入口温度検出回路14は、入口温度センサ7の抵抗値を直流電圧信号に変換し、マイクロプロセッサ13に出力する抵抗−電圧変換回路である。この入口温度検出回路14は、蒸発器6の入口の冷媒の温度Tinに対応する電気信号(入力温度信号)をマイクロプロセッサ13に供給する。
出口温度検出回路15は、出口温度センサ8の抵抗値を直流電圧信号に変換し、マイクロプロセッサ13に出力する抵抗−電圧変換回路である。この出口温度検出回路15は、蒸発器6の出口の冷媒の温度Toutに対応する電気信号(出口温度信号)をマイクロプロセッサ13に供給する。
入力回路17は、設定過熱度(目標温度)Ts、電動弁5の上限開度、下限開度(例えば、電動弁5を52パルス〜500パルスで使う場合、上限開度を500パルス、下限開度を52パルスに設定する)、PID制御を行う際のP(比例)、I(積分)、D(微分)の各定数、及び開弁点検出周期Ptなどの各種の設定値を入力するためのものである。これら各種の入力値は、設定値として設定でき、また、設定した設定値は、入力回路17を用いて変更することもできる。また、この入力回路17を操作することによって開弁点検出の一連の動作が行われる。尚、入力値の設定方法、設定値の変更方法及び開弁点検出方法については、後に詳述する。
この入力回路17は、4つのタクトスイッチ17a〜17d(アップスイッチ17a、ダウンスイッチ17b、セットスイッチ17c、エンタースイッチ17d)を備え、タクトスイッチ17a〜17dのON/OFF状態をマイクロプロセッサ13に出力する。
表示回路18は、温度表示素子18aと、弁開度表示素子18bと、複数のLED18cとを備える。温度表示素子18aは、蒸発器6の入口の冷媒温度Tin 、出口の冷媒温度Tout、過熱度Tsh(=Tout−Tin)を切り換えて表示するとともに、設定モードのときには、設定過熱度Ts、上限開度、下限開度、開弁点検出周期Ptなどの設定値を表示する。また、弁開度表示素子18bは、電動弁5の現在の開度を全閉からのパルス数で表示する。
複数のLED18cは、温度表示素子18a及び弁開度表示素子18bの表示項目に合わせて点灯するものであり、「過熱度」から「開弁点」までの6つのLEDから構成される。「過熱度」、「入口」及び「出口」の各LEDは、温度表示素子18aの表示項目を示すためのものであり、温度表示素子18aに表示される温度と対応して点灯する。また、「設定」のLEDは、過熱度制御部11が設定モードにあるときに点灯し、「運転」のLEDは、過熱度制御部11が運転中であるときに点灯する。「開弁点」のLEDは、開弁点検出動作中に点灯する。
表示ドライバ回路19は、マイクロプロセッサ13からの信号を増幅して表示回路18に出力する。記憶回路(EEPROM)20は、上記開弁点等の設定値等をバックアップ用に記憶する。
電動弁駆動回路16は、マイクロプロセッサ13からの駆動制御信号を増幅して、電動弁5に内蔵されたパルスモータ(ステッピングモータ)5aに駆動パルスを出力するために設けられ、ドライバIC(Integrated Circuit)(駆動信号増幅回路)16a等を備える。
マイクロプロセッサ13は、A/D変換器13aと、CPU(中央処理装置)13bと、ROM13cと、RAM13dと、タイマ13eと、I/O(13f)等を備える。
A/D変換器13aは、入口温度検出回路14及び出口温度検出回路15から出力されるアナログの温度信号をディジタル信号に変換し、CPU13bは、ROM13cに格納されているプログラムを解釈して実行する。ROM13cは、後述するPID制御動作による弁開度の制御を実行するための動作プログラムと、開弁点を検出する一連の動作を実行するためのプログラムと、表示制御プログラムなどを記憶する不揮発性メモリである。RAM13dは、CPU13bのワークメモリとして機能する。タイマ13eは、割込処理等を行うために備えられ、I/O(13f)は、CPU13bと他のデバイスとのデータの授受を行うために備えられる。
制御信号入力回路21は、温度制御部10から出力される制御信号(接点信号)を直流電圧の二値信号(DC5V−0V)に変換し、圧縮機2の運転状態(過熱度制御のON/OFF)を示す信号としてマイクロプロセッサ13に出力する。
通信信号変換回路22は、パーソナルコンピュータ(PC)23等の外部機器を接続ケーブル23a等を介してマイクロプロセッサ13に接続するためのインターフェイス回路であり、設定過熱度Tsや開弁点検出周期Pt等の各種の設定値をPC23側からの操作により入力するために備えられる。この通信信号変換回路22は、マイクロプロセッサ13側の信号とPC23側の信号の電圧レベルを合わせるものであり、例えば、RS−232CトランシーバIC等から構成される。
この図2において、マイクロプロセッサ13の機能の一部、入口温度検出回路14及び電動弁駆動回路16は、電動弁5の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、電動弁5の出口温度Voutが所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段を構成し、記憶回路20(及びRAM13d)は、開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段を構成し、マイクロプロセッサ13の機能の一部、入口温度検出回路14、出口温度検出手段15及び電動弁駆動回路16は、前記記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として電動弁5による流量制御を行う流量制御手段を構成し、入力回路17は前記開弁点検出手段による開弁点の検出を実行するための操作手段を構成する。
次に、上記構成を有する冷凍サイクルシステム1の動作について説明する。ここでは、まず、温度制御部10が行う割込処理について、図1、図3を参照しながら説明する。尚、制御動作中、温度制御部10は、タイマ(不図示)等を用いつつ、所定期間(例えば、10秒)毎に図3に示すルーチンを実行する。
割込処理を開始すると、温度制御部10は、図3に示すように、庫内温度センサ9によって検出された庫内温度Tisを取り込み(ステップS1)、庫内温度Tisがオン設定温度Ton以上であるか否かを判定する(ステップS2)。このとき、例えば、庫内温度Tisが上昇傾向にあり、庫内温度Tisがオン設定温度Ton以上となっている場合には(ステップS2:Yes)、圧縮機2を起動する(ステップS3)。これと併行して、図示しない出力接点を閉じ、過熱度制御部11に圧縮機2の運転、すなわち過熱度制御の実行を伝える制御信号を送る(ステップS4)。これにより、蒸発器用ファン6aから冷風を放出させ、庫内を冷却して庫内温度Tisを低下させる。
その後、庫内温度Tisが徐々に低下し、庫内温度センサ9の検出温度Tisがオン設定温度Tonより低くなった場合には(ステップS2:No)、その温度Tisがオフ設定温度Toff以下にまで達しているか否かを判定する(ステップS5)。その結果、庫内温度Tisがオフ設定温度Toffよりも高い場合には(ステップS5:No)、その時点での圧縮機2の運転状態(稼働させている状態)を維持し、庫内温度Tisを引き続き低下させる。このとき、制御信号についても、その時点での出力接点の開閉状態(閉じている状態)を維持し、制御信号の出力状態を維持する。
そして、庫内温度Tisが十分に低下し、庫内温度センサ9の検出温度Tisがオフ設定温度Toff以下となった場合には(ステップS5:Yes)、圧縮機2の運転を停止するとともに、出力接点を開とし、過熱度制御部11に圧縮機2の停止、すなわち過熱度制御の停止を表す制御信号を送る(ステップS8、S9)。これにより、庫内の冷却を停止し、庫内温度Tisを緩やかに上昇させる。
以後、上記のステップS1〜S9の動作を10秒間隔で繰り返し、庫内温度Tisが再びオン設定温度Ton以上となれば、圧縮機2の運転及び出力接点を閉じて制御信号をONにし、庫内温度Tisを低下させる。
次に、過熱度制御部11が行う制御動作について、図1、図2及び図4を参照しながら、過熱度制御部11の主要部を構成するマイクロプロセッサ13の動作を中心に説明する。尚、本処理においても、図3に示す温度制御部10の制御動作と同様、例えば、10秒間隔で実行される。
割込処理を開始すると、図4に示すように、マイクロプロセッサ13は、まず入口温度Tinを検出し(ステップS11)、次に出口温度Toutを検出し(ステップS12)、過熱度Tsh=Tout−Tinを算出し(ステップS13)、設定過熱度Tsとの偏差e(t)=Ts−Tshを算出する(ステップS14)。
次に、温度制御部10が出力している制御信号がONであるか、OFFであるかを判断する(ステップS15)。ここで、制御信号がOFFの場合には(ステップS15:No)、出力接点が開で圧縮機2が停止状態であり過熱度制御を停止するため、目標開度を全閉位置に設定し(ステップS17)、処理を終了する。一方、制御信号がONの場合には(ステップS15:Yes)、出力接点が閉で圧縮機2が運転状態であり過熱度制御を実行するため、次の処理に進む。
次に、電動弁5の操作量m(t)を数1式に示すPID制御の演算式で求める(ステップS16)。この式には、予め設定されている比例帯PB、積分時間Ti、微分時間Td、及び求めた偏差e(t)を代入する。
Figure 2012149857
次に、現在開度Pnに求めた操作量m(t)を加えて目標開度Psを算出し(Ps=Pn+m(t))(ステップS18)、この目標開度Psが予め設定してある下限開度より小さいかを判断し(ステップS19)、小さい場合には(ステップS19:Yes)、目標開度を下限開度に設定し(ステップS20)、処理を終了する。一方、目標開度が下限開度以上の場合には(ステップS19:No)、目標開度が予め設定してある上限開度より大きいかを判断し(ステップS21)、大きい場合には(ステップS21:Yes)、目標開度を上限開度に設定し(ステップS22)、処理を終了する。目標開度が上限開度以下の場合には(ステップS21:No)、算出した目標開度をそのままに設定して処理を終了する。
このように、圧縮機2が運転を停止しているときには電動弁5を全閉位置で停止させ、また、圧縮機2が運転しているときには、例えば10msec毎に実行されるPID制御を用いて過熱度が設定値一定になるように、電動弁5の開度を設定された下限開度から上限開度までの間で調整する。
次に、図2の入力回路17及び表示回路18を用いた各設定値の入力(変更)操作の全体的な流れについて、図5及び表1を参照しながら説明する。尚、図5は、過熱度制御部11の本体表面を示す外観図である。
例えば、温度表示素子18a及び弁開度表示素子18bの各々に、温度、現在の弁開度が表示されている状態において、セットスイッチ17cを押下すると、設定モードに入り、温度表示素子18aは、温度を表示するモードから設定値を表示するモードに移行し、弁開度表示素子18bは、現在の弁開度の表示から設定項目の表示に切り替わる。
温度表示素子18aに表示された設定値(数値)は、アップスイッチ17a又はダウンスイッチ17bを押下することによって増減することができ、また、エンタースイッチ17dを押下することにより、表示されている設定値が新たな設定値として更新され、記憶される。
一方、設定項目は、例えば、表1に示すように、9つあり、弁開度表示素子18bには、例えば、「1.HV」のように、設定値番号及び記号が表示される。この設定項目は、設定モードのときに、セットスイッチ17cを押下することで、順次、次の項目に切り替わり、設定項目9(「8.Pt」)を表示しているときに、セットスイッチ17cを押下すると、設定モードを抜け、温度表示及び弁開度表示の状態に戻る。
Figure 2012149857
尚、表1に示す各種の設定値は、前述のとおり、通信を利用したPC23からの操作によっても設定、変更することができる。
次に、入力回路17及び表示回路18を用いた各設定値の入力操作や変更操作について、図5及び図6を参照しながら説明する。
温度表示素子18aに温度を表示しているとき(ステップS31)に、ステップS32において、セットスイッチ17cが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS33において、温度表示素子18aに設定値を表示し、かつ、弁開度表示素子18bには、設定値に応じた番号と記号を表示して設定モードに入り、押下されていない場合には、ステップS31の状態に戻る。
次に、ステップS34において、アップスイッチ17aが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS35において、温度表示素子18aの表示値が設定値の最大値であるか否かを判定する。判定の結果、表示値が設定値の最大値でない場合には、ステップS36において、表示値を増加させてステップS34に戻る。一方、表示値が設定値の最大値の場合には、そのままステップS34に戻る。
ステップS34において、アップスイッチ17aが押下されていないと判定された場合には、ステップS37において、ダウンスイッチ17bが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS38において、表示値が設定値の最小値であるか否かを判定し、表示値が設定値の最小値でない場合には、ステップS39において、表示値を減少させてステップS34に戻る。一方、表示値が設定値の最小値の場合には、そのままステップS34に戻る。
ステップS37において、ダウンスイッチ17bが押下されていないと判定された場合には、ステップS40において、エンタースイッチ17dが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS41において、現在の表示値を設定値として更新するとともに、更新された設定値を図2の記憶回路(EEPROM)20に記憶して、ステップS34に戻る。
ステップS40において、エンタースイッチ17dが押下されていない場合には、ステップS42において、セットスイッチ17cが押下されたか否かを判定し、押下されていないと判定された場合には、ステップS34に戻る。
ステップS42において、セットスイッチ17cが押下されたと判定された場合には、ステップS43において、設定を終了するか否かを判定する。具体的には、ステップS42において、設定項目9の「開弁点検出周期」を表示しているときに、セットスイッチ17cが押下された場合には、ステップS43において、設定モード終了と判断し、ステップS31に戻る。
一方、ステップS42において、設定項目9の「開弁点検出周期」以外の項目を選択しているときに、セットスイッチ17cが押下された場合には、ステップS44において、次の設定値を温度表示素子18aに表示し、次の設定に応じた番号と記号を弁開度表示素子18bに表示してステップS34に戻り、上記動作を繰り返す。
尚、上記実施の形態においては、冷凍サイクルシステム1として、冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度を制御するシステムを例示したが、本発明は、空調機器等の他の温度調整システムにも広く適用することが可能である。
また、上記実施の形態においては、冷凍サイクルにおける膨張弁の開度を制御する場合を例示したが、本発明は、冷凍サイクルのホットガスバイパス回路における流量制御弁(電動弁5)を制御する場合にも適用することが可能である。
さらに、上記実施の形態においては、過熱度制御部11のマイクロプロセッサ13とPC23との通信形式として有線通信を例示したが、無線通信を利用してマイクロプロセッサ13及びPC23を接続してもよい。
さらにまた、上記実施の形態においては、温度制御部と過熱度制御部とを分けているが、これらを1つの制御部として構成してもよく、その場合には、マイクロコンピュータは1つとして制御信号の受け渡しはマイクロコンピュータの内部で行われる。
次に、スイッチ操作による開弁点検出処理(イニシャル部分)について、図7のフローチャートを中心に参照しながら説明する。
例えば、図5に示した表示回路18の温度表示素子18a及び弁開度表示素子18bの各々に温度、弁開度を表示している状態で(ステップS51:Yes)、アップスイッチ17aとダウンスイッチ17bの2つのスイッチを同時に5秒以上長押しすると(ステップS52:Yes)、開弁点検出処理に入る。温度、弁開度表示ではない状態の場合(ステップS51:No)や、アップスイッチ17aとダウンスイッチ17bが同時に5秒以上長押しされていない場合には(ステップS52:No)、何もしないで処理を終了する。
開弁点検出のイニシャル処理を行う場合は、ステップS53において、開弁点検出フラグ(fps)をセット(1)して開弁点検出中の状態とし、現在の電動弁出口温度Vout(蒸発器6の入口の冷媒の温度Tinと同じ温度)を検出し(ステップS54)、これをメモリVout1に格納する(ステップS55)。
次に、出口温度を検出する時間を計測するタイマT30をスタートさせ(ステップS56)、例えば30秒間の計測を開始する。これは冷媒が流れ始めてから、その温度を温度センサが検出するまでに必要な時間であり、入口温度センサ7の応答性が早ければ10秒でもよく、また応答性が悪い場合は1分でもよい。
次に、目標開度を例えば22パルスにセットし(ステップS57)、処理を終える。これは、電動弁5の開弁点が例えば12〜52パルスの間でばらつくとすると、その下限パルスから10パルス開いた位置の開度であり、もし開弁点が下限に極めて近い位置でばらついていたとしても、冷媒が流れ始めるパルス数である。この10パルスも電動弁5の弁口径や流量特性により任意であり、5パルスでもよく、20パルスでもよい。
次に、スイッチ操作による開弁点検出処理(ループ部分)について、図8のフローチャートを中心に参照しながら説明する。
図7の開弁点検出に関わるイニシャル処理が実行されると、開弁点検出フラグ(fps)がセット(1)されるため、図8に示す開弁点検出に関わるループ処理が実行される。
まず、開弁点検出フラグfpsがセット(1)されていると(ステップS61:Yes)、出口温度検出時間を計測するタイマT30がタイムアップしているか否か、すなわち30秒が経過しているか否かを判断する。
開弁点検出フラグfpsクリア(0)の場合には(ステップS61:No)、又はfpsがセット(1)であってもT30が計測中で30秒経過していない場合には(ステップS62:No)、何もしないで処理を終了する。
T30がタイムアップしている場合には(ステップS62:Yes)、現在の出口温度Voutを検出し(ステップS63)、開弁点検出のイニシャル処理においてメモリに格納してあるVout1との温度差ΔVout(ΔVout=Vout1−Vout)を算出し、この温度差ΔVoutが5℃以上、すなわち30秒間で出口温度が5℃以上低下したか否かを判断する(ステップS64)。この5℃も任意であり、冷凍・冷蔵ショーケースの冷凍能力や、入口温度センサ7の応答性により適切な値が異なり、3℃でもよく、10℃でもよい。
ここで、ΔVoutが5℃以上である場合には(ステップS64:Yes)、弁が開き冷媒が流れて出口温度が低下したと判断し、目標開度、すなわち22パルスを開弁点として検出し(ステップS65)、記憶回路(EEPROM)20に記憶する(ステップS66)とともに、この開弁点を下限開度に設定する(ステップS67)。これにより、開弁点に極めて近い位置まで電動弁5の開度を制御することができ、小型の冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機等でも、必要な流体量での運転が可能になる。最後に開弁点検出処理が終了したため、開弁点検出フラグfpsをクリア(0)し(ステップS68)、処理を終了する。
また、ΔVoutが5℃未満の場合には(ステップS64:No)、まだ弁が閉じており冷媒が流れていないと判断し、開弁点検出処理を続ける。
まず、ステップS69において、現在の出口温度VoutをメモリVout1に格納する。次に、現在の目標開度が例えば52パルスであるか否かを判断する(ステップS70)。もし、現在の開度が52パルスであれば(ステップS70:Yes)、電動弁5の開弁点が例えば12〜52パルスの間でばらつくとすると、その上限であり、この52パルスを開弁点として設定する。具体的には、上述の目標開度を開弁点とした以降の処理(ステップS65〜68)を実行して終了する。
また、目標開度が52パルスではない場合には(ステップS70:No)、さらに弁を開くため、目標開度を+10パルス、すなわち32パルスとし(ステップS71)、出口温度検出時間を計測するタイマT30を再びスタートさせ(ステップS72)、処理を終える。以降、弁が開き、冷媒が流れてΔVoutが5℃以上になるか、又は目標開度が52パルスに達するまで、図8の処理が繰り返される。
このようにして電動弁5の開弁点を検出し、記憶回路(EEPROM)20に記憶し、下限開度にセットすることで、小型の冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機等の比較的小容量の冷凍サイクルを搭載したユニットでも、必要とされる開弁点に極めて近い位置までの低流量の制御が可能となる。
次に、開弁点検出処理のタイムチャートについて、図9を中心に参照しながら説明する。
例えば、図5に示した表示回路18の温度表示素子18a及び弁開度表示素子18bの各々に温度、弁開度を表示している状態で、アップスイッチ17aとダウンスイッチ17bとが同時に5秒以上長押しされると、電動弁5の目標開度を例えば22パルスにし、このときの出口温度Vout、例えば10℃をメモリVout1に格納して、出口温度検出時間を計測するタイマT30をスタートさせ、例えば30秒の計測を開始する。
次に、30秒後の出口温度のVoutを検出すると10℃のままであり、弁が開いていないため冷媒が流れず、出口温度の温度差ΔVout=Vout1−Voutが5℃以上低下していないため、開弁点ではないと判断し、このときの出口温度Vout=10℃をメモリVout1に格納して、目標開度を22+10=32パルスとして、出口温度検出時間を計測する30秒のタイマーT30をスタートさせる。
次に、その30秒後、タイマT30がタイムアップすると、出口温度Voutを検出する。このとき、Vout=0℃であるため、弁が開いて冷媒が流れたと判断し、現在の目標開度32パルスを開弁点として記憶回路(EEPROM)20に記憶するとともに、下限開度に設定する。
上記スイッチ操作による開弁点の検出処理は、主に冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機の出荷時や設置時に初期化処理として行われる。しかし、特にロータマグネットを内蔵する弁本体部分と、ステータコイル部分が着脱可能な構造の電動弁等では、出荷後の輸送や設置作業、設置後の運転等で発生する振動等や、特に自動車等の車両や、電車、航空機、船舶等の移動体に使用される場合には、常時振動環境下にさらされるため、ロータマグネットとステータコイルの位置ずれが発生する場合がある。このような場合は、最初にスイッチ操作で正確に開弁点を検出し、記憶回路(EEPROM)20に記憶したとしても、その後、開弁点は記憶している開弁点と異なる位置にずれてしまう場合がある。
このため、入力回路や表示回路による設定機能で、開弁点検出周期Ptを設定し、設定時間毎に上記開弁点の検出処理を自動的に行うことで、輸送や設置、設置後の運転による振動、移動体が常時さらされる振動等でロータマグネットとステータコイルの位置がずれた場合でも、開弁点を周期的に自動で検出し、記憶して修正することができる。
表1にあるように、開弁点検出周期Ptは、例えば1時間単位で最大744時間まで設定でき、必要に応じて入力回路と表示回路により、図6に示すフローチャートで示した要領で設定を変更できる。例えば、開弁点検出周期の設定値が744時間であった場合には、約1ヶ月に1回開弁点検出処理を自動的に行い、記憶している開弁点の修正を行う。
次に、開弁点検出周期Pt毎に繰り返される開弁点検出処理(イニシャル部分)について、図10のフローチャートを中心に参照しながら説明する。
まず、電源投入時等に実行されるイニシャル処理の中で、開弁点検出周期Ptの計測に使用するタイマTptをスタートさせる。例えば、電源投入時から約1ヶ月後に744時間経過したところでTptがタイムアップすると(ステップS81:Yes)、以下の開弁点検出処理を実行する。
温度制御部10からの制御信号がOFFか否かを判断し(ステップS82)、制御信号がONの場合には(ステップS82:No)、何もしないで処理を終了する。これは、制御信号がONのときには圧縮機2が運転状態であり、この時に開弁点検出処理の一連の動作を実行すると、電動弁5の開度を開弁点近くまで閉じてしまい、冷媒が流れず冷凍・冷蔵ショーケースや自動販売機が冷えなくなってしまうため、制御信号がONの時には開弁点の検出を行わない。一方、制御信号がOFF、すなわち圧縮機2の運転が停止している場合には(ステップS82:Yes)、開弁点検出処理を実行する。尚、開弁点検出処理を実施するにあたり圧縮機2を運転する。
まず、開弁点検出フラグfpsをセット(1)し(ステップS83)、開弁点検出中の状態とし、現在の出口温度Voutを検出し(ステップS84)、これをメモリVout1に格納する(ステップS85)。
次に、出口温度を検出する時間を計測するタイマT30をスタートさせ(ステップS86)、例えば30秒間の計測を開始する。これは、冷媒が流れ始めてから、その温度を入口温度センサ7が検出するまでに必要な時間であり、入口温度センサ7の応答性が早ければ10秒でもよく、またその逆に応答性が悪い場合は1分でもよい。そして、目標開度を例えば22パルスにセットする(ステップS87)。これは、電動弁5の開弁点が例えば12〜52パルスの間でばらつくとすると、その下限パルスから10パルス開いた位置の開度であり、もし電動弁5の開弁点が下限に極めて近い位置でばらついていたとしても、冷媒が流れ始めるパルス数である。この10パルスも電動弁5の弁口径や流量特性により任意で、5パルスでもよく20パルスでもよい。最後にタイマTptをスタートさせ(ステップS88)、744時間の計測を開始して処理を終える。
図10の開弁点検出周期Ptによる開弁点検出に関わるイニシャル処理が実行されると、開弁点検出フラグfptがセット(1)されるため、図8に示す開弁点検出に関わるループ処理が実行される。ループ処理については、図8で説明したとおりであるため、説明を割愛する。
次に、上記開弁点検出処理動作について、図11の冷凍・冷蔵ショーケースの運転状況を示すグラフを参照しながら説明する。
冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度Tisの変化に応じて圧縮機2(図1参照)を運転停止し、圧縮機2の運転中(図11の圧縮機2ON)は、庫内温度Tisが徐々に低下し、冷媒温度(電動弁の出口温度Vout)も徐々に低下する。庫内温度Tisが所定の温度まで低下すると、圧縮機2の運転が停止し(図11の圧縮機2OFF)、庫内温度Tisが徐々に上昇する(図11の圧縮機停止期間R1〜R3)。
上述のように、圧縮機2が運転状態のときに開弁点検出処理の一連の動作を実行すると、電動弁5の開度を開弁点近くまで閉じてしまい、冷媒が流れず冷凍・冷蔵ショーケースが冷えなくなるため、開弁点検出処理は、圧縮機2の運転が停止している圧縮機停止期間R1〜R3に行う。
ここで、例えば、圧縮機停止期間R3の時間t1において、上記図8に示した開弁点検出に関わるループ処理が実行された場合、開弁点検出処理の開始に伴い圧縮機2が運転されるが(圧縮機2ON)、電動弁5は開弁点近くで閉じているため、依然として庫内温度Tis及び電動弁5の出口温度Voutが徐々に上昇する。従って、開弁点検出処理を開始した直後に測定したVout1を引き続き用いると、電動弁5が開弁しているにも拘わらず、ΔVout(ΔVout=Vout1−Vout)が5℃以上低下したと判断されず、精度よく電動弁5の開弁点を検出することができない。
そこで、本実施の形態では、上述のように、所定時間(本実施の形態では30秒、図11におけるΔt)経過前後の電動弁5のΔVoutを比較することで、精度よく電動弁5の開弁点を検出している。
さて、上記実施の形態においては、電動弁5の開度をPID制御する場合を例にとって説明したが、制御方法は、P(比例)制御でも、PI(比例積分)制御、PD(比例微分)制御であってもよい。また、開弁点検出処理は、アップスイッチ17aとダウンスイッチ17bの2つのスイッチの長押し、又はタイマTptのタイムアップにより実行されるものとしたが、パーソナルコンピュータ23(図2参照)や、それに類似する携帯端末等、もしくは温度制御部(図1参照)、又は当該電動弁制御装置が用いられた冷凍サイクルシステムの管理装置等からの指示により行われるようにしてもよい。
1 冷凍サイクルシステム
2 圧縮機
3 凝縮器
3a 凝縮器用ファン
5 電動弁
5a パルスモータ
6 蒸発器
6a 蒸発器用ファン
7 入口温度センサ
8 出口温度センサ
9 庫内温度センサ
10 温度制御部
11 過熱度制御部
12 配管
13 マイクロプロセッサ
13a A/D変換器
13b CPU
13c ROM
13d RAM
13e タイマ
13f I/O
14 入口温度検出回路
15 出口温度検出回路
16 電動弁駆動回路
16a ドライバIC
17 入力回路
17a アップスイッチ
17b ダウンスイッチ
17c セットスイッチ
17d エンタースイッチ
18 表示回路
18a 温度表示素子
18b 弁開度表示素子
18c LED
19 表示ドライバ回路
20 記憶回路(EEPROM)
21 制御信号入力回路
22 通信信号変換回路
23 PC
23a 接続ケーブル

Claims (5)

  1. 電動弁の弁開度を制御する電動弁制御装置において、
    前記電動弁の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、前記電動弁の出口温度が所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段と、
    該開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として前記電動弁による流量制御を行う流量制御手段と、
    前記開弁点検出手段による開弁点の検出を実行するための操作手段とを備えることを特徴とする電動弁制御装置。
  2. 電動弁の弁開度を制御する電動弁制御装置において、
    前記電動弁の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、前記電動弁の出口温度が所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段と、
    該開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として前記電動弁による流量制御を行う流量制御手段とを備え、
    前記開弁点検出手段は、該電動弁制御装置の外部の操作手段から開弁点検出指令信号を受信した際に開弁点検出を実行することを特徴とする電動弁制御装置。
  3. 電動弁の弁開度を制御する電動弁制御装置において、
    前記電動弁の弁開度を閉弁位置から所定時間毎に所定開度だけ開弁していくとともに、前記電動弁の出口温度が所定温度以上変化したときの弁開度を開弁点として検出する開弁点検出手段と、
    該開弁点検出手段により検出された開弁点を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された開弁点を下限開度として前記電動弁による流量制御を行う流量制御手段と、
    タイマ手段とを備え、
    前記開弁点検出手段は、前記タイマ手段に設定された時間の経過後に開弁点検出を実行することを特徴とする電動弁制御装置。
  4. 前記電動弁は、圧縮機、凝縮器及び蒸発器を有する冷凍サイクルの膨張弁であり、前記電動弁の出口温度は、前記電動弁と前記蒸発器との間の冷媒温度であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電動弁制御装置。
  5. 前記開弁点検出手段は、前記所定時間経過前後の前記出口温度を比較し、該出口温度が前記所定温度以上変化しないときは、該所定時間経過後の出口温度を、次回の比較の際の基準温度とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電動弁制御装置。
JP2011010340A 2011-01-21 2011-01-21 電動弁制御装置 Pending JP2012149857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011010340A JP2012149857A (ja) 2011-01-21 2011-01-21 電動弁制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011010340A JP2012149857A (ja) 2011-01-21 2011-01-21 電動弁制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012149857A true JP2012149857A (ja) 2012-08-09

Family

ID=46792269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011010340A Pending JP2012149857A (ja) 2011-01-21 2011-01-21 電動弁制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012149857A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10132540B2 (en) 2015-04-27 2018-11-20 Tgk Co., Ltd Motor operated valve apparatus and motor operated valve controller
WO2018221875A1 (en) 2017-05-31 2018-12-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Air conditioner and method for controlling the same
CN116838635A (zh) * 2023-08-31 2023-10-03 山东豪迈机械制造有限公司 一种压缩机阀门自检方法、装置和设备

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0942784A (ja) * 1995-07-28 1997-02-14 Hitachi Ltd 空気調和機および空気調和機の運転方法
JPH10122673A (ja) * 1996-10-23 1998-05-15 Toshiba Corp 空気調和装置
JPH11159893A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Mitsubishi Electric Corp 電動膨張弁の全閉開度検知装置を備えた冷凍サイクル
JP2001091131A (ja) * 1999-09-27 2001-04-06 Toshiba Corp 冷蔵庫および冷凍サイクル用電動弁
JP2001194029A (ja) * 2000-01-05 2001-07-17 Kubota Corp 冷凍回路における電子膨張弁の調整方法
JP2002195666A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Fujitsu General Ltd 空気調和機の制御方法
JP2009068744A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電動膨張弁の開弁パルス設定方法およびマルチ形空気調和機
JP2010169329A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Fuji Koki Corp 弁制御装置及び弁制御方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0942784A (ja) * 1995-07-28 1997-02-14 Hitachi Ltd 空気調和機および空気調和機の運転方法
JPH10122673A (ja) * 1996-10-23 1998-05-15 Toshiba Corp 空気調和装置
JPH11159893A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Mitsubishi Electric Corp 電動膨張弁の全閉開度検知装置を備えた冷凍サイクル
JP2001091131A (ja) * 1999-09-27 2001-04-06 Toshiba Corp 冷蔵庫および冷凍サイクル用電動弁
JP2001194029A (ja) * 2000-01-05 2001-07-17 Kubota Corp 冷凍回路における電子膨張弁の調整方法
JP2002195666A (ja) * 2000-12-21 2002-07-10 Fujitsu General Ltd 空気調和機の制御方法
JP2009068744A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電動膨張弁の開弁パルス設定方法およびマルチ形空気調和機
JP2010169329A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Fuji Koki Corp 弁制御装置及び弁制御方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10132540B2 (en) 2015-04-27 2018-11-20 Tgk Co., Ltd Motor operated valve apparatus and motor operated valve controller
WO2018221875A1 (en) 2017-05-31 2018-12-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Air conditioner and method for controlling the same
EP3631325A4 (en) * 2017-05-31 2020-05-27 Samsung Electronics Co., Ltd. AIR CONDITIONER AND CONTROL METHOD THEREOF
US10976086B2 (en) 2017-05-31 2021-04-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Air conditioner and method for controlling the same
CN116838635A (zh) * 2023-08-31 2023-10-03 山东豪迈机械制造有限公司 一种压缩机阀门自检方法、装置和设备
CN116838635B (zh) * 2023-08-31 2023-11-14 山东豪迈机械制造有限公司 一种压缩机阀门自检方法、装置和设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5063346B2 (ja) 冷媒漏洩検知機能を有した冷凍空調システム、冷凍空調装置および冷媒漏洩検知方法
US8151583B2 (en) Expansion valve control system and method for air conditioning apparatus
EP2940392B1 (en) Method for controlling air conditioner
EP3764033A1 (en) Refrigerator and controlling method thereof
JP5175063B2 (ja) 弁制御装置
JP5405076B2 (ja) 空調冷凍システム
EP3779334A1 (en) Refrigerator and method for controlling same
US7992398B2 (en) Refrigeration control system
JP2007225158A (ja) 除霜運転制御装置および除霜運転制御方法
US10571174B2 (en) Systems and methods for defrost control
JP2010078198A (ja) 冷却システム
CN108800417B (zh) 一种空调室外机化霜控制方法及系统
US10982887B2 (en) Expansion valve with selectable operation modes
JP2012149857A (ja) 電動弁制御装置
JP5463192B2 (ja) エコノマイザ回路付き冷凍装置
KR20060124960A (ko) 공기조화기의 냉방 운전 방법
JP2020051722A (ja) 異常判定装置、この異常判定装置を備える冷凍装置、及び圧縮機の異常判定方法
JP2006112696A (ja) 空気調和機
KR20100079405A (ko) 공기조화기 및 그 동작방법
JP5808884B2 (ja) 冷凍サイクルの運転制御装置
JP5384124B2 (ja) 冷凍冷蔵システム、その制御装置及び制御方法
JP5001728B2 (ja) 弁制御方法及び弁制御装置
JP5374034B2 (ja) 弁制御方法及び弁制御装置
JP2010169329A (ja) 弁制御装置及び弁制御方法
JP2019194504A (ja) 制御装置及び冷凍システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150622