JP5808884B2 - 冷凍サイクルの運転制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動弁の開度を調整することによって冷凍サイクルの運転を制御する装置に関し、特に、温度センサに異常が発生した場合に冷凍サイクルを適切に継続できるようにしたものである
従来、冷凍・冷蔵ショーケース等に使用される冷凍サイクルでは、循環冷媒の流量を精度よく調整するため、流量制御用の膨張弁として、パルスモータにより弁体を移動させる電動弁が広く活用されている。こうした冷凍サイクルにおいては、一般に、蒸発器の入口及び出口温度を温度センサで検出して過熱度を算出するとともに、算出した過熱度と予め設定された過熱度とを対比して電動弁の弁開度を制御している。
上記のとおり、電動弁の開度制御は、温度センサの検出温度に基づいて行われるが、冷凍サイクルの運転に際しては、運転途中で温度センサに断線、短絡等の故障が生じて適切に温度を検出できなくなることがあり、この場合、電動弁の開度制御も継続することが不可能になる。そこで、従来の弁制御装置では、装置の製造段階において、全閉値又は全開値を非常時用の開度値として設定しておき、温度センサに異常が生じた場合には、全閉又は全開状態で電動弁を停止させるように制御していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−230624号公報
しかし、電動弁を全閉状態で停止させると、その間、冷凍サイクル内を冷媒が流れなくなるため、低圧異常により冷凍サイクルの運転が停止されてしまい、冷凍・冷蔵ショーケースの場合には、庫内を低温状態に保つことが不可能になる。その結果、補修用の作業員が到着するまでの間、長期に亘って庫内温度の高い状態が続くことになり、食料品の傷みを招くという問題があった。
一方、電動弁を全開状態で停止させた場合には、冷媒の循環が遮断されることはないが、蒸発器への冷媒供給が過多となり、蒸発器からの冷媒が液状態で圧縮機に戻るようになる(液バック)。この場合も、上記と同様、庫内を冷却することができなくなるため、食料品の傷みを招く虞があり、また、液圧縮により圧縮機を破損させる危険性もある。
こうした問題は、温度センサに異常が発生した場合に限らず、冷凍サイクル内を循環する冷媒の圧力を検出する圧力センサに異常が発生した場合にも概ね同様に生じ得るため、冷凍サイクルの温度や圧力を検出するセンサに異常が発生した場合の対処が重要な課題となっている。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、温度センサに異常が発生した場合に、電動弁の弁開度を適切に制御し、庫内収容物の損傷を防止することが可能な冷凍サイクルの運転制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、冷凍サイクル中の蒸発器の冷媒入口温度と冷媒出口温度をそれぞれ検出する複数の温度センサが設けてあり、各温度センサの検出値に基づいて電動弁の弁開度を調整して冷媒流量を調整することによって、前記冷凍サイクルの運転を制御する冷凍サイクルの運転制御装置であって、前記電動弁の非常時開度として全閉と全開の間の中間の開度に設定・変更するための弁開度設定手段と、前記センサに異常が発生したときに、前記弁開度設定手段を介して設定・変更された非常時開度で前記電動弁を停止させる弁開度制御手段とを備え、前記センサに異常が発生したときに、前記非常時開度で前記電動弁を停止させて、前記冷凍サイクルの運転を継続するようにしたことを特徴とする。
そして本発明によれば、センサに異常が発生したときに、設定又は変更された非常時開度で電動弁が停止するため、非常時開度として、全閉と全開の間の中間の開度を設定することで冷凍サイクルの運転を継続し、冷凍サイクルが不意に停止するのを回避することができる。これにより、迅速な補修が不可能な場合であっても、庫内収容物が損傷するのを防止することが可能になる。加えて、非常時開度を自由に設定変更することができるため、冷凍サイクルの使用状況やユーザの要望に合わせて適宜に値を設定することができ、汎用性や利便性を向上させることが可能になる。
以上のように本発明によれば、温度センサに異常が発生した場合に、電動弁の弁開度を適切に制御し、庫内収容物の損傷を防止することが可能になる。
本発明にかかる弁制御装置を用いた冷凍サイクルシステムの一例を示す構成図である。 図1の過熱度制御部及びその周辺回路の詳細を示すブロック図である。 温度制御部の割込処理を説明するためのフローチャートである。 過熱度制御部の割込処理を説明するためのフローチャートである。 過熱度制御部の本体表面を示す外観図である。 設定値の入力、変更操作を説明するためのフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下においては、冷凍サイクルシステムとして、食料品の保冷や陳列等に用いる冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度を制御するシステムを例示し、また、本発明にかかる弁制御装置を、上記冷凍サイクルシステムに配置された膨張弁(電動弁)を制御するための装置として使用した場合を例にとって説明する。
図1は、本発明にかかる弁制御装置を備えた冷凍サイクルシステムを示し、このシステム1は、圧縮機2と、凝縮器3と、凝縮器用ファン3aと、電磁弁4と、電動弁5と、蒸発器6と、蒸発器用ファン6aと、入口温度センサ7と、出口温度センサ8と、庫内温度センサ9と、温度制御部10と、過熱度制御部11とを備える。
圧縮機2、凝縮器3、電磁弁4、電動弁5及び蒸発器6は、配管12で接続され、これらの間を冷媒が循環する。ここで、配管12を流れる冷媒の流量は、電動弁5の弁開度を調整することにより制御する。
圧縮機2は、蒸発器6より供給された低圧の気体の状態にある冷媒を圧縮し、高圧の気体に変換して配管12を介して凝縮器3に供給する。
凝縮器3は、圧縮機2から供給された高圧気体状態の冷媒を凝縮し、高圧液体状態の冷媒に変換して凝縮熱を奪い、奪った熱を凝縮器用ファン3aの送風によって外部に放出する。
電磁弁4は、凝縮器3と蒸発器6の間の冷媒流路12aを開閉するための弁であり、蒸発器6への冷媒の流入の有無を切り換えるために設けられる。この電磁弁4は、温度制御部10から出力される電磁弁駆動信号SVに従って動作し、電磁弁駆動信号SVの電圧レベルに応じて開閉する。
電動弁5は、凝縮器3から供給された高圧液体状態の冷媒を低圧状態に変化させる。この電動弁5は、過熱度制御部11からの電動弁駆動信号EVに従って駆動されるパルスモータ5a(図2参照)を内蔵し、電動弁駆動信号EVのパルス数に応じた回転角度でパルスモータ5aが回転することにより弁開度が調整される。
蒸発器6は、低圧の液体状態にある冷媒を蒸発(気化)させるために備えられ、冷媒は、蒸発することにより周囲より気化熱を奪い、加熱される。この際、奪われた熱によって蒸発器6周辺の空気が冷却され、その冷却された空気が蒸発器用ファン6aの送風によって放出されることにより、冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度の調節が行われる。
入口温度センサ7、出口温度センサ8及び庫内温度センサ9は、各々、蒸発器6の入口の冷媒(液体状態での冷媒)の温度Tin、蒸発器6の出口での冷媒(気体状態の冷媒)の温度Tout、冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度Tisを検出する。これら入口温度センサ7〜庫内温度センサ9は、例えば、負の温度−抵抗特性を有するサーミスタによって構成される。
温度制御部10は、圧縮機2の運転の有無を制御して冷凍・冷蔵ショーケースの庫内温度を調整するための制御回路であり、例えば、マイクロコンピュータ及び周辺回路(いずれも不図示)から構成される。この温度制御部10は、庫内温度センサ9によって検出された庫内温度Tisと、予め設定されたオン設定温度Ton及びオフ設定温度Toffとを対比し、その結果に基づいて圧縮機2の運転の有無を制御する。尚、オン設定温度Ton及びオフ設定温度Toffの間には、圧縮機2の頻繁なオン/オフ動作(ハンチング)を避けるためのディファレンシャル(温度差)が設定される。
また、温度制御部10は、圧縮機2の運転状態に合わせて電磁弁4の開閉を制御する機能も有し、電磁弁4の開閉制御は、電磁弁駆動信号SVを通じて行われる。この電磁弁駆動信号SVは、圧縮機2の運転期間中は電磁弁4を開弁させる電圧レベル(例えば、AC200V)に設定され、一方、圧縮機2の停止期間中は電磁弁4を閉弁させる電圧レベル(例えば、0V)に設定される。
過熱度制御部11は、電動弁5の弁開度を制御するための制御回路であり、温度制御部10と同様、例えば、マイクロコンピュータ及び周辺回路から構成される。この過熱度制御部11は、蒸発器6での冷媒の過熱度Tsh(出口温度センサ8の検出温度Tout−入口温度センサ7の検出温度Tin)に基づき、PID制御によって電動弁5の弁開度を求め、求めた弁開度に対応する電動弁駆動信号EVを電動弁5のパルスモータ5aに出力する。
また、過熱度制御部11は、入口温度センサ7及び出口温度センサ8の異常を監視する機能も有し、それら温度センサ7、8の出力が異常な場合には、電動弁5の開度を予め設定される非常時開度SPに遷移させる。尚、非常時開度SPは、詳細は後述するが、ユーザにより1パルス単位で任意の値に設定することができる。
過熱度制御部11は、図2に示すように、マイクロプロセッサ13と、入口温度検出回路14と、出口温度検出回路15と、電動弁駆動回路16と、入力回路17と、表示回路18と、表示ドライバ回路19と、記憶回路(EEPROM)20と、制御信号入力回路21と、通信信号変換回路22とを備える。
入口温度検出回路14は、入口温度センサ7の抵抗値を直流電圧信号に変換し、マイクロプロセッサ13に出力する抵抗−電圧変換回路である。この入口温度検出回路14は、蒸発器6の入口の冷媒の温度Tinに対応する電気信号(入力温度信号)をマイクロプロセッサ13に供給する。
出口温度検出回路15は、出口温度センサ8の抵抗値を直流電圧信号に変換し、マイクロプロセッサ13に出力する抵抗−電圧変換回路である。この出口温度検出回路15は、蒸発器6の出口の冷媒の温度Toutに対応する電気信号(出口温度信号)をマイクロプロセッサ13に供給する。
入力回路17は、設定過熱度(目標温度)Ts、電動弁5の上限開度、下限開度(例えば、電動弁を100パルス〜400パルスで使う場合、上限開度を400パルス、下限開度を100パルスに設定する)、PID制御を行う際のP(比例)、I(積分)、D(微分)の各定数、及び、非常時開度SP等の各種の設定値を入力するためのものである。これら各種の入力値は、設定値として設定でき、また、設定した設定値は、入力回路17を用いて変更することもできる。尚、入力値の設定方法及び設定値の変更方法については、後に詳述する。
この入力回路17は、4つのタクトスイッチ17a〜17d(アップスイッチ17a、ダウンスイッチ17b、セットスイッチ17c、エンタースイッチ17d)を備え、タクトスイッチ17a〜17dのON/OFF状態をマイクロプロセッサ13に出力する。
表示回路18は、温度表示素子18aと、弁開度表示素子18bと、複数のLED18cとを備える。温度表示素子18aは、蒸発器6の入口の冷媒温度Tin 、出口の冷媒温度Tout、過熱度Tsh(=Tout−Tin)を切り換えて表示するとともに、設定モードのときには、設定過熱度Ts、上限開度、下限開度、非常時開度SP等の設定値を表示する。また、弁開度表示素子18bは、電動弁5の現在の開度を全閉からのパルス数で表示する。
複数のLED18cは、温度表示素子18a及び弁開度表示素子18bの表示項目に合わせて点灯するものであり、「過熱度」から「警報」までの6つのLEDから構成される。「過熱度」、「入口」及び「出口」の各LEDは、温度表示素子18aの表示項目を示すためのものであり、温度表示素子18aに表示される温度と対応して点灯する。また、「設定」のLEDは、過熱度制御部11が設定モードにあるときに点灯し、「運転」のLEDは、過熱度制御部11が運転中であるときに点灯する。「警報」のLEDは、入口温度センサ7、出口温度センサ8の出力データが異常のときに点灯する。
表示ドライバ回路19は、マイクロプロセッサ13からの信号を増幅して表示回路18に出力する。記憶回路20は、上記設定値等をバックアップ用に記憶する。
電動弁駆動回路16は、マイクロプロセッサ13からの駆動制御信号を増幅して、電動弁5に内蔵されたパルスモータ(ステッピングモータ)5aに駆動パルスを出力するために設けられ、ドライバIC(Integrated Circuit)(駆動信号増幅回路)16a等を備える。
マイクロプロセッサ13は、A/D変換器13aと、CPU(中央処理装置)13bと、ROM13cと、RAM13dと、タイマ13eと、I/O(13f)等を備える。
A/D変換器13aは、入口温度検出回路14及び出口温度検出回路15から出力されるアナログの温度信号をディジタル信号に変換し、CPU13bは、ROM13cに格納されているプログラムを解釈して実行する。ROM13cは、後述するPID制御動作による弁開度の制御を実行するための動作プログラムと、温度センサ7、8に異常が生じた場合の電動弁5の開度を制御するためのプログラムと、表示制御プログラムなどを記憶する不揮発性メモリである。RAM13dは、CPU13bのワークメモリとして機能する。タイマ13eは、割込処理等を行うために備えられ、I/O(13f)は、CPU13bと他のデバイスとのデータの授受を行うために備えられる。
制御信号入力回路21は、温度制御部10から出力される電磁弁駆動信号SV(交流電圧信号:AC200V−0V)を直流電圧の二値信号(DC5V−0V)に変換し、電磁弁4の開閉状態を示す信号としてマイクロプロセッサ13に出力する。
通信信号変換回路22は、パーソナルコンピュータ(PC)23等の外部機器を接続ケーブル23a等を介してマイクロプロセッサ13に接続するためのインターフェイス回路であり、設定過熱度Tsや非常時開度SP等の各種の設定値をPC23側からの操作により入力するために備えられる。この通信信号変換回路22は、マイクロプロセッサ13側の信号フォーマットとPC23側の信号フォーマットとの違いに合わせて、信号の電圧レベルや入出力端子数を相互に変換するものであり、例えば、RS−232CトランシーバIC等から構成される。
次に、上記構成を有する冷凍サイクルシステム1の動作について説明する。ここでは、先ず、温度制御部10が行う割込処理について、図1、図3を参照しながら説明する。尚、制御動作中、温度制御部10は、タイマ(不図示)等を用いつつ、所定期間(例えば、10秒)毎に図3に示すルーチンを実行する。
割込処理を開始すると、温度制御部10は、図3に示すように、庫内温度センサ9によって検出された庫内温度Tisを取り込み(ステップS1)、庫内温度Tisがオン設定温度Ton以上であるか否かを判定する(ステップS2)。このとき、例えば、庫内温度Tisが上昇傾向にあり、庫内温度Tisがオン設定温度Ton以上となっている場合には(ステップS2:Yes)、圧縮機2を起動する(ステップS3)。これと併行して、電磁弁4を開弁し、凝縮器3と蒸発器6の間の冷媒流路12aを開放する(ステップS4)。これにより、蒸発器用ファン6aから冷風を放出させ、庫内を冷却して庫内温度Tisを低下させる。
その後、庫内温度Tisが徐々に低下し、庫内温度センサ9の検出温度Tisがオン設定温度Tonより低くなった場合には(ステップS2:No)、その温度Tisがオフ設定温度Toff以下にまで達しているか否かを判定する(ステップS5)。その結果、庫内温度Tisがオフ設定温度Toffよりも高い場合には(ステップS5:No)、その時点での圧縮機2の運転状態(稼働させている状態)を維持し、庫内温度Tisを引き続き低下させる。このとき、電磁弁4についても、その時点での開閉状態(開弁している状態)を維持し、冷媒流路12aを開放し続ける。
そして、庫内温度Tisが十分に低下し、庫内温度センサ9の検出温度Tisがオフ設定温度Toff以下となった場合には(ステップS5:Yes)、圧縮機2の運転を停止するとともに、電磁弁4を閉じて冷媒流路12aを閉鎖する(ステップS8、S9)。これにより、庫内の冷却を停止し、庫内温度Tisを緩やかに上昇させる。
以後、上記のステップS1〜S9の動作を10秒間隔で繰り返し、庫内温度Tisが再びオン設定温度Ton以上となれば、圧縮機2の運転及び電磁弁4の開弁を再開して庫内温度Tisを低下させる。
次に、過熱度制御部11が行う制御動作について、図1、図2及び図4を参照しながら、過熱度制御部11の主要部を構成するマイクロプロセッサ13の動作を中心に説明する。尚、本処理においても、図3に示す温度制御部10の制御動作と同様、例えば、10秒間隔で実行される。
割込処理を開始すると、図4に示すように、過熱度制御部11のマイクロプロセッサ13は、蒸発器6の入口の冷媒温度Tinを取り込み(ステップS11)、入口温度センサ7の検出値が異常な高温(例えば、60℃を超える温度)を示すか否かを判定する(ステップS12)。この判定処理は、入口温度センサ7の短絡故障を検出するためのものであり、サーミスタにおいては、温度値と抵抗値が逆特性になることから、検出温度Tinが異常な高温を示すか否かを判別することで、入口温度センサ7の抵抗値が極度に低くなっているか否かを判別する。
判定の結果、入口温度Tinが60℃を超えている場合には(ステップS12:Yes)、入口温度センサ7に短絡故障が発生している虞があるため、電動弁5に電動弁駆動信号EVを出力して開度を非常時開度SPに遷移させ、その後、非常時開度SPで電動弁5を停止させる(ステップS13)。
ここで、非常時開度SPは、前述のように、入力回路17やPC23等を用いてユーザが任意に設定できるものであるが、庫内に保存する食料品の保護を優先すべく、電動弁5の全閉や全開に起因する冷房運転の停止を避ける場合には、非常時開度SPとして、全開値と全閉値との間の中間値(例えば、100〜200パルス)を設定することが好ましい。この場合、冷媒の循環が遮断されたり、蒸発器6への冷媒供給が過多となって液バックが発生するのを防止することができ、ある程度の冷房能力を発揮した状態で、冷凍サイクルシステム1を運転し続けることが可能になる。
これに対し、例えば、予備の温度センサを準備するなどし、迅速に温度センサを修理、交換し得る状況下で、冷凍サイクルシステム1を運転している場合には、非常時開度SPとして、全閉値又は全開値を設定することが好ましい。これにより、温度センサに異常が生じた段階で冷凍サイクルシステム1の運転を速やかに停止し、異常をいち早く報知することが可能になる。
一方、入口温度Tinが60℃以下の場合には(ステップS12:No)、入口温度Toutが異常な低温(例えば、−60℃より低い温度)を示すか否かを判定する(ステップS14)。この判定処理は、入口温度センサ7の断線故障を検出するためのものであり、検出温度Tinが異常な低温を示すか否かを判別することで、入口温度センサ7の抵抗値が極度に高くなっているか否かを判別する。
判定の結果、入口温度Tinが−60℃より低い場合には(ステップS14:Yes)、上記の場合と同様に、非常時開度SPで電動弁5を停止させ、冷凍サイクルシステム1の使用状況に応じて、庫内の食料品の保護を図ったり、入口温度センサ7の修理、交換を促す(ステップS13)。
一方、入口温度Tinが−60℃以上の場合には(ステップS14:No)、入口温度センサ7の異常は認められないため、蒸発器6の出口の冷媒温度Toutを取り込む(ステップS15)。そして、入口温度センサ7の場合と同様、出口温度センサ8の検出値が異常な高温を示すか否かを判別するとともに、異常な低温を示すか否かを判別する(ステップS16、S17)。これらの判定の結果、出口温度センサ8の異常が認められれば、電動弁5の開度を非常時開度SPに遷移させ、非常時開度SPで電動弁5を停止させる(ステップS13)。
これに対し、出口温度センサ8の異常が認められない場合には、通常の弁開度の制御処理を開始し、現在の過熱度Tsh=Tout−Tinを算出するとともに、設定過熱度(過熱度Tshの目標値)Tsと、現在の過熱度Tshとの偏差e(t)=Ts−Tshを算出する(ステップS18、S19)。次いで、過去の一連の偏差e、比例帯PB、積分時間Ti、微分時間Tdに基づき、次式に従って、PID(比例・積分・微分)演算で今回の弁開度の操作量m(t)を算出する(ステップS20)。ここで、Kpは、比例ゲインである。
Figure 0005808884
そして、演算した操作量m(t)に基づいて電動弁5の目標開度を算出し(ステップS21)、過熱度制御部11は、電動弁5の開度が目標開度となるように駆動パルス数を設定するとともに、電動弁5に電動弁駆動信号EVを出力して電動弁5の開度を増減する(ステップS22)。
次に、図2の入力回路17及び表示回路18を用いた各設定値の入力(変更)操作の全体的な流れについて、図5及び表1を参照しながら説明する。尚、図5は、過熱度制御部11の本体表面を示す外観図である。
例えば、温度表示素子18a及び弁開度表示素子18bの各々に、温度、現在の弁開度が表示されている状態において、セットスイッチ17cを押下すると、設定モードに入り、温度表示素子18aは、温度を表示するモードから設定値を表示するモードに移行し、弁開度表示素子18bは、現在の弁開度の表示から設定項目の表示に切り替わる。
温度表示素子18aに表示された設定値(数値)は、アップスイッチ17a又はダウンスイッチ17bを押下することによって増減することができ、また、エンタースイッチ17dを押下することにより、表示されている設定値が新たな設定値として更新され、記憶される。
一方、設定項目は、例えば、表1に示すように、9つあり、弁開度表示素子18bには、例えば、「1.HV」のように、設定値番号及び記号が表示される。この設定項目は、設定モードのときに、セットスイッチ17cを押下することで、順次、次の項目に切り替わり、設定項目9(「8.SP」)を表示しているときに、セットスイッチ17cを押下すると、設定モードを抜け、温度表示及び弁開度表示の状態に戻る。
Figure 0005808884
尚、表1に示す各種の設定値は、前述のとおり、通信を利用したPC23からの操作によっても設定、変更することができる。
次に、入力回路17及び表示回路18を用いた各設定値の入力操作や変更操作について、図5及び図6を参照しながら説明する。
温度表示素子18aに温度を表示しているとき(ステップS31)に、ステップS32において、セットスイッチ17cが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS33において、温度表示素子18aに設定値を表示し、かつ、弁開度表示素子18bには、設定値に応じた番号と記号を表示して設定モードに入り、押下されていない場合には、ステップS31の状態に戻る。
次に、ステップS34において、アップスイッチ17aが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS35において、温度表示素子18aの表示値が設定値の最大値であるか否かを判定する。判定の結果、表示値が設定値の最大値でない場合には、ステップS36において、表示値を増加させてステップS34に戻る。一方、表示値が設定値の最大値の場合には、そのままステップS34に戻る。
ステップS34において、アップスイッチ17aが押下されていないと判定された場合には、ステップS37において、ダウンスイッチ17bが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS38において、表示値が設定値の最小値であるか否かを判定し、表示値が設定値の最小値でない場合には、ステップS39において、表示値を減少させてステップS34に戻る。一方、表示値が設定値の最小値の場合には、そのままステップS34に戻る。
ステップS37において、ダウンスイッチ17bが押下されていないと判定された場合には、ステップS40において、エンタースイッチ17dが押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS41において、現在の表示値を設定値として更新するとともに、更新された設定値を図2の記憶回路20に記憶して、ステップS34に戻る。
ステップS40において、エンタースイッチ17dが押下されていない場合には、ステップS42において、セットスイッチ17cが押下されたか否かを判定し、押下されていないと判定された場合には、ステップS34に戻る。
ステップS42において、セットスイッチ17cが押下されたと判定された場合には、ステップS43において、設定を終了するか否かを判定する。具体的には、ステップS42において、設定項目9の「非常時開度」を表示しているときに、セットスイッチ17cが押下された場合には、ステップS43において、設定モード終了と判断し、ステップS31に戻る。
一方、ステップS42において、設定項目9の「非常時開度」以外の項目を選択しているときに、セットスイッチ17cが押下された場合には、ステップS44において、次の設定値を温度表示素子18aに表示し、次の設定に応じた番号と記号を弁開度表示素子18bに表示してステップS34に戻り、上記動作を繰り返す。
上記の操作により、各種の設定値を入力、変更することができ、非常時開度SPも自由に設定することができる。尚、非常時開度SPは、一旦設定した後も自由に変更することができ、また、設定した非常時開度SPは、冷凍サイクルシステム1の停止期間中に限らず、運転期間中に変更することもできる。
以上のように、本実施の形態によれば、電動弁5の非常時開度SPとして、全開及び全閉以外の中間の開度を設定可能に構成し、その上で、入口及び温度センサ7、8に異常が発生した場合には、設定された非常時開度SPで電動弁5を停止させるようにしたため、温度センサ7、8に異常が発生しても、低圧異常や液バックにより冷凍サイクルシステム1が停止するのを回避することができる。これにより、補修用の作業員が到着するまでの間、庫内の冷房運転を継続することが可能になり、迅速な補修が不可能な場合であっても、食料品の傷みを防止することができる。
また、非常時開度SPを自由に変更し得るようにしたため、冷凍サイクルシステム1の使用状況やユーザの要望に合わせて適宜に値を設定することができ、例えば、上記のような中間の開度への制御を解除し、意図的に冷凍サイクルシステム1を停止させるような制御を選択することもできる。このため、動作選択の自由度を高めることができ、汎用性や利便性を向上させることが可能になる。
さらに、上記実施の形態においては、過熱度制御部11のマイクロプロセッサ13とPC23との通信形式として有線通信を例示したが、無線通信を利用してマイクロプロセッサ13及びPC23を接続してもよい。
また、上記実施の形態においては、電動弁5の開度をPID制御する場合を例にとって説明したが、制御方法は、P(比例)制御でも、PI(比例積分)制御、PD(比例微分)制御であってもよい。
1 冷凍サイクルシステム
2 圧縮機
3 凝縮器
3a 凝縮器用ファン
4 電磁弁
5 電動弁
5a パルスモータ
6 蒸発器
6a 蒸発器用ファン
7 入口温度センサ
8 出口温度センサ
9 庫内温度センサ
10 温度制御部
11 過熱度制御部
12 配管
12a 冷媒流路
13 マイクロプロセッサ
13a A/D変換器
13b CPU
13c ROM
13d RAM
13e タイマ
13f I/O
14 入口温度検出回路
15 出口温度検出回路
16 電動弁駆動回路
16a ドライバIC
17 入力回路
17a アップスイッチ
17b ダウンスイッチ
17c セットスイッチ
17d エンタースイッチ
18 表示回路
18a 温度表示素子
18b 弁開度表示素子
18c LED
19 表示ドライバ回路
20 記憶回路
21 制御信号入力回路
22 通信信号変換回路
23 PC
23a 接続ケーブル

Claims (1)

  1. 冷凍サイクル中の蒸発器の冷媒入口温度と冷媒出口温度をそれぞれ検出する複数の温度センサが設けてあり、各温度センサの検出値に基づいて電動弁の弁開度を調整して冷媒流量を調整することによって、前記冷凍サイクルの運転を制御する冷凍サイクルの運転制御装置であって、
    前記電動弁の非常時開度として全閉と全開の間の中間の開度に設定・変更するための弁開度設定手段と、
    前記センサに異常が発生したときに、前記弁開度設定手段を介して設定・変更された非常時開度で前記電動弁を停止させる弁開度制御手段とを備え、
    前記センサに異常が発生したときに、前記非常時開度で前記電動弁を停止させて、前記冷凍サイクルの運転を継続するようにしたことを特徴とする冷凍サイクルの運転制御装置。
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