JP2012149296A - 耐食性に優れた構造部材用鋼材 - Google Patents

耐食性に優れた構造部材用鋼材 Download PDF

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Abstract

【課題】厳しい腐食環境下において、塗装やライニング防食等の他の防食手段を講じなくても優れた長期耐食性を示す構造部材用鋼材を提供する。
【解決手段】本発明の構造部材用鋼材は、所定の化学成分組成を満足し、且つ下記(1)式で規定されるA値が−2.0以上、2.0以下である。
A値={([S]/3)+([P]/8)−([Mn]/890)−([Ti]/630)−([Ca]/130)−([Cu]/710)−([Ni]/712)−([Cr]/330)}×103 …(1)
但し、[S],[P],[Mn],[Ti],[Ca],[Cu],[Ni]および[Cr]は、夫々S,P,Mn,Ti,Ca,Cu,NiおよびCrの含有量(質量%)を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、原油タンカー、貨物船、客船、軍艦等の船舶の他、橋梁等のような海洋構造物の構成部材として有用な構造部材用鋼材に関するものであり、特に厳しい腐食環境下で優れた耐食性を発揮する構造部材用鋼材に関するものである。尚、本発明の構造部材用鋼材は、各種船舶の他、橋梁等のような海洋構造物の構成部材として適用できるものであるが、以下では代表的なものとして船舶用に用いられる場合を中心に説明を進める。
各種船舶において主要な構造部材として用いられている鋼材は、海水による塩分や高温高湿、原油中に含まれる水分の他、腐食性ガス成分等により厳しい腐食環境に晒されることになる。特に、原油タンカーの油槽(原油タンク)では、原油中の揮発成分や混入海水、油田塩水中の塩分、防曝のために油槽内に送られるイナートガス(船のエンジンの排気ガス)の他、昼夜の温度変動による結露等によって独特の腐食環境になるため、鋼材(特に、鋼板)の腐食減肉(腐食に起因する板厚現象)が生じる。
このため、腐食代を考慮した板厚設計が行なわれ、全面腐食や局部腐食への対策とされている。そして、上記のような腐食減肉によって所要の部材強度を維持することが困難になった場合には、腐食した部材を切断して新たな部材と溶接接合したり、いわゆる鋼板の切り替えが必要となって多大なコストがかかることになる。こうしたことから、腐食代の低減が図れ、しかもコスト上昇を防止できるような、耐食性に優れた構造部材用鋼材の開発が望まれている。
鋼材の腐食防止を図る技術としては、塗装による防食法(塗装防食法)や、亜鉛やアルミニウムを鋼材表面に溶射によってライニングして防食する方法(ライニング防食法)が一般的である。しかしながら、こうした技術では、施工コストが大きくなるという経済的な問題があることに加え、防食のための層(防食層)に施工時におけるミクロな欠陥が存在したり、防食層が経年劣化することにより腐食が不可避的に進展することになる。そのため、塗装防食法やライニング防食法によっても、定期的な検査と補修とが不可欠になるという問題がある。
上記技術の他、化学成分の調整等によって鋼材自体の耐食性を向上させた耐食性鋼材もこれまで多数提案されている。例えば特許文献1には、MgやCu等の含有量を適切に制御した造船用耐食鋼が提案されている、特許文献2には、Wの含有量を適切に制御した造船用耐食鋼が提案されている。これらの技術では、無塗装であっても、優れた耐食性を発揮することが開示されている。更に、特許文献3には、Snの含有量を適切に制御すると共に、表面に塗装を施すことで優れた耐食性を有することが開示されている。
しかしながら、上記技術ではいずれも、厳しい腐食環境下での耐食性が十分とはいえない。特に、原油と接触するような厳しい腐食環境下でも、長期間に亘って優れた耐食性を確保するために、構造部材用鋼材の更なる耐食性の向上が望まれているのが実情である。
特開2000−17381号公報 特開2009−97083号公報 特開2009−127076号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、厳しい腐食環境下において、塗装やライニング防食等の他の防食手段を講じなくても優れた長期耐食性を示す構造部材用鋼材を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明の構造部材用鋼材とは、C:0.05〜0.20%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.50〜1.20%、P:0.005〜0.020%、S:0.005%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.08%、Cu:0.15〜0.50%、Ni:0.15〜0.50%、Cr:0.02〜0.20%、Ti:0.005〜0.020%およびCa:0.001〜0.010%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、且つ下記(1)式で規定されるA値が−2.0以上、2.0以下である点に要旨を有するものである。
A値={([S]/3)+([P]/8)−([Mn]/890)−([Ti]/630)−([Ca]/130)−([Cu]/710)−([Ni]/712)−([Cr]/330)}×103 …(1)
但し、[S],[P],[Mn],[Ti],[Ca],[Cu],[Ni]および[Cr]は、夫々S,P,Mn,Ti,Ca,Cu,NiおよびCrの含有量(質量%)を示す。
本発明の構造部材用鋼材においては、必要によって、更に(a)Mg:0.005%以下(0%を含まない)、(b)Co:1%以下(0%を含まない)、(c)Mo:1%以下(0%を含まない)、等を含有させることも有効であり、これらを含有させることによって構造部材用鋼材の特性が更に改善される。
本発明においては、化学成分組成を厳密に規定すると共に、S,P,Ti,Mn,Ca,Cu,NiおよびCrの含有量によって規定されるA値を適正な範囲に制御することによって、厳しい腐食環境下でも優れた耐食性を示し、長時間に亘って良好な耐食性を確保できる構造部材用鋼材が実現でき、こうした構造部材用鋼材は、船舶や海洋構造物の素材として極めて有用である。
(1)式で規定されるA値と腐食速度との関係を示したグラフである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、C,Si,Mn,P,S,Al,Cu,Ni,Cr,Ti,Ca等の元素を厳密に調整すると共に、成分によって求められる下記A値[(1)式]を、−2.0以上、2.0以下の範囲に制御すれば、耐食性に優れた構造部材用鋼材が得られることを見出し、本発明を完成した。
A値={([S]/3)+([P]/8)−([Mn]/890)−([Ti]/630)−([Ca]/130)−([Cu]/710)−([Ni]/712)−([Cr]/330)}×103 …(1)
但し、[S],[P],[Mn],[Ti],[Ca],[Cu],[Ni]および[Cr]は、夫々S,P,Mn,Ti,Ca,Cu,NiおよびCrの含有量(質量%)を示す。
上記A値は、均一で安定した表面錆皮膜を発現するパラメータであり、厳しい腐食環境下でも長時間の耐食性を示す指標となるものである。上記(1)式における各元素に対する係数は、本発明者らが、回帰分析によって決定したものである。この係数の符号が正であれば、耐食性を悪化させる方向で作用する元素であり、負であれば、耐食性を向上させる方向で作用する元素である。また、上記(1)式で規定されるA値が、2.0を超えると耐食性が悪化するため、A値を2.0以下とする必要がある。またA値が−2.0未満となると、鋼材の均一錆生成反応を阻害することになる。A値の好ましい下限は−1.8であり、好ましい上限は1.8である。
本発明の鋼材では、その鋼材としての基本的特性および耐食性を満足させるために、C,Si,Mn,P,S,Al,Cu,Ni,Cr,Ti,Ca等の成分を適切に調整する必要がある。これらの成分の範囲限定理由は、次の通りである。
[C:0.05〜0.20%]
Cは、鋼材の強度確保のために必要な元素である。構造部材用鋼材として要求される強度を(概ね300MPa以上)を得るためには、0.05%以上含有させる必要がある。しかし、0.20%を超えて過剰に含有させると鋼材の靱性が劣化する。こうしたことから、C含有量の範囲は0.05〜0.20%とした。尚、C含有量の好ましい下限は0.06%であり、より好ましくは0.07%以上とするのが良い。また、C含有量の好ましい上限は0.18%であり、より好ましくは0.16%以下とするのが良い。
[Si:0.1〜0.3%]
Siは、脱酸と強度確保のための必要な元素であり、0.1%に満たないと構造部材として要求される強度を確保できない。しかし、0.3%を超えて過剰に含有させると、溶接性が劣化する。
[Mn:0.50〜1.20%]
MnはMnSとしてSをトラップして耐食性向上に有効な元素である。また、Siと同様に脱酸と強度確保のために必要であり、0.50%に満たないと構造部材として要求される強度を確保できない。しかし、1.20%を超えて過剰に含有させると、MnSが粗大化し耐食性が悪化するのみならず、靭性も劣化する。そこで、Mn含有量の範囲は0.50〜1.20%とした。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.55%であり、より好ましくは0.6%以上とするのが良い。またMn含有量の好ましい上限は1.15%であり、より好ましくは1.10%以下とするのが良い。
[P:0.005〜0.020%]
Pは、耐食性に有害であることに加えて、靭性や溶接性をも劣化させる。P含有量が0.020%程度までなら、実害はない。しかしながら、P低減には多大なコストが必要となることから、P含有量は0.005%以上とした。
[S:0.005%以下(0%を含まない)]
Sは、耐食性、靭性および溶接性に有害な元素であり、その量はできるだけ少ないことが好ましい。こうしたことから、S含有量は0.005%以下とした。尚、S含有量の好ましい上限は0.004%である(より好ましくは0.003%以下)。
[Al:0.01〜0.08%]
AlもSiやMnと同様に、脱酸および強度確保のために必要な元素であり、その含有量が0.01%に満たないと、脱酸の効果が発揮されない。しかし、0.08%を超えて過剰に含有されると溶接性を害することになる。こうしたことから、Al含有量は、0.01〜0.08%とした。尚、Al含有量の好ましい下限は0.015%であり、より好ましくは0.02%以上とするのが良い。また、Al含有量の好ましい上限は0.075%であり、より好ましくは0.065%以下とするのが良い。
[Cu:0.15〜0.50%]
Cuは、耐食性向上に有効な元素である。特にCuは、表面錆皮膜の緻密化を高める作用を有しており、環境遮断性を高めて耐食性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Cuは0.15%以上含有させる必要があるが、過剰に含有させると溶接性や熱間加工性が劣化することから、0.50%以下とする必要がある。尚、Cu含有量の好ましい下限は0.2%であり、好ましい上限は0.4%である。
[Ni:0.15〜0.50%]
Niは、耐食性向上に有効な元素である。特にNiは、腐食環境において緻密な表面錆皮膜を形成する作用を有しており、表面錆皮膜による腐食抑制効果を発現する元素である。またNiは、Cuを含有することによる赤熱脆性を防止する効果も発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Niは0.15%以上含有させる必要があるが、過剰に含有させると溶接性や熱間加工性が劣化することから、0.50%以下とする必要がある。尚、Ni含有量の好ましい下限は0.2%であり、好ましい上限は0.4%である。
[Cr:0.02〜0.20%]
Crは、耐食性向上に有効な元素である。特にCrはCuと同様に、表面錆皮膜の緻密化を高める作用を有しており、環境遮断性を高めて耐食性を向上させるのに有効な元素である。また、適量のCrは、靭性を向上させるのに有効であり、構造部材用鋼材として必要な機械的特性を得る上でも必要な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Crは0.02%以上含有させる必要があるが、過剰に含有させると溶接性や熱間加工性が劣化することから、0.20%以下とする必要がある。尚、Cr含有量の好ましい下限は0.05%であり、好ましい上限は0.15%である。
[Ti:0.005〜0.020%]
Tiは、耐食性向上に有効な元素である。特にTiは、腐食環境において形成される表面錆皮膜を安定化させる作用を有しており、表面錆皮膜による腐食抑制効果を長時間に亘って発現させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Tiは0.005%以上含有させる必要があるが、過剰に含有させると溶接性や熱間加工性が劣化することから、0.020%以下とする必要がある。尚、Ti含有量の好ましい下限は0.008%であり、好ましい上限は0.018%である。
[Ca:0.001〜0.010%]
Caは、耐食性向上に有効な元素である。特に、腐食によって溶解したFeの加水分解によるpH低下を抑制する作用を有する。この作用によって、外部への水素イオン拡散が起こり難い構造的すきま部において、pH低下を抑制して腐食を抑制し、殊に耐すきま腐食性を向上させることができる。こうした効果を発揮させるためには、Caは0.001%以上含有させる必要があるが、0.010%を超えて過剰に含有させると溶接性や加工性を劣化させることになる。尚、Ca含有量の好ましい上限は0.005%である。
本発明の構造部材用鋼材における基本成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物からなるものである。不可避的不純物としては、例えばO,H,W等が挙げられ、これらの元素は鋼材の特性を害さない程度で含有しても良い。
また、本発明の構造部材用鋼材には、上記成分の他必要によって、更に、(a)Mg:0.005%以下(0%を含まない)、(b)Co:1%以下(0%を含まない)、(c)Mo:1%以下(0%を含まない)、等を含有させることも有効であり、含有させる成分に応じて構造部材用鋼材の特性が更に改善されることになる。
[Mg:0.005%以下(0%を含まない)]
MgはCaと同様に、耐食性向上に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。こうした効果はその含有量が増すにつれて増大するが、過剰に含有させると溶接性や加工性が劣化することから、0.005%以下とすることが好ましい。尚、Mgを含有させるときの好ましい下限は0.0005%以上である。
[Co:1%以下(0%を含まない)]
Coは、耐食性向上に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。CoはNiと同様に、腐食環境において緻密な表面錆皮膜を形成させる作用を有しており、表面錆皮膜による腐食抑制効果を発揮する。特にMgと共存させることによって、著しい耐食効果が得られる。こうした効果はその含有量が増すにつれて増大するが、過剰に含有させると溶接性や加工性が劣化することから、1%以下とすることが好ましい。尚、Coを含有させるときの好ましい下限は0.01%以上(より好ましくは0.02%以上)である。
[Mo:1%以下(0%を含まない)]
Moは、耐食性向上に有効な元素であり、必要に応じて含有させることができる。Moは、表面錆皮膜による腐食抑制効果を発揮する元素である。こうした効果はその含有量が増すにつれて増大するが、過剰に含有させると溶接性が劣化することから、1%以下とすることが好ましい。尚、Moを含有させるときの好ましい下限は0.01%以上(より好ましくは0.03%以上)である。
本発明の構造部材用鋼材は、基本的には塗装防食やライニング防食を施さなくても鋼材自体が優れた耐食性を発揮するものであるが、必要によって、タールエポキシ樹脂塗料、或はそれ以外の代表される重防食塗装、ジンクリッチペイント、ショッププライマーなどの他の防食方法と併用することも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含されるものである。
下記表1〜3に示す化学成分組成の鋼材(試験No.1〜68)を溶製し、熱間圧延、および必要に応じて熱処理を施して、板厚:20mmの厚鋼板とした。この厚鋼板から、寸法:5×30×30(mm)の腐食試験片を切り出し、腐食試験に供した。
Figure 2012149296
Figure 2012149296
Figure 2012149296
このときの腐食環境(模擬環境)は、0.14mol/Lの塩酸水溶液を用い、72時間浸漬試験を実施した。また水溶液温度は、30℃とした。
上記模擬環境における腐食試験の後、腐食速度(mm/年)を算出し、A値と比較検討した。その結果(腐食試験結果)を、A値と共に、前記表1〜3に示す。試験No.1〜31のものは、本発明で規定する要件(化学成分組成およびA値)を満足する例(実施例)である。一方、試験No.32〜52のものは、化学成分組成が本願発明で規定する範囲を外れるものであり、試験No.53〜67のものは、化学成分組成は満足するが、
A値が本発明で規定する範囲を外れるものである。試験No.68のものは、化学成分組成もA値も本発明で規定する範囲を外れるものである。
表1〜3に示したもののうち、試験No.1〜31のものと、試験No.53〜68のものについて、(1)式で規定されるA値と腐食速度の関係を図1に示すが(図中、◆は試験No.1〜31のもの、■は試験No.53〜68のものを示す)、A値を適切な範囲に制御することによって、耐食性が向上していることが分かる。

Claims (4)

  1. C:0.05〜0.20%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.1〜0.3%、Mn:0.50〜1.20%、P:0.005〜0.020%、S:0.005%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.08%、Cu:0.15〜0.50%、Ni:0.15〜0.50%、Cr:0.02〜0.20%、Ti:0.005〜0.020%、およびCa:0.001〜0.010%を夫々含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、且つ下記(1)式で規定されるA値が−2.0以上、2.0以下であることを特徴とする耐食性に優れた構造部材用鋼材。
    A値={([S]/3)+([P]/8)−([Mn]/890)−([Ti]/630)−([Ca]/130)−([Cu]/710)−([Ni]/712)−([Cr]/330)}×103 …(1)
    但し、[S],[P],[Mn],[Ti],[Ca],[Cu],[Ni]および[Cr]は、夫々S,P,Mn,Ti,Ca,Cu,NiおよびCrの含有量(質量%)を示す。
  2. 更に、Mg:0.005%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1に記載の構造部材用鋼材。
  3. 更に、Co:1%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1または2に記載の構造部材用鋼材。
  4. 更に、Mo:1%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の構造部材用鋼材。
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