JP2012148060A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2012148060A
JP2012148060A JP2011258846A JP2011258846A JP2012148060A JP 2012148060 A JP2012148060 A JP 2012148060A JP 2011258846 A JP2011258846 A JP 2011258846A JP 2011258846 A JP2011258846 A JP 2011258846A JP 2012148060 A JP2012148060 A JP 2012148060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
liquid
sheet
pulp
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011258846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5833415B2 (ja
Inventor
Takuya Koda
拓也 幸田
Tadashi Wada
正 和田
Takashi Itoi
隆 糸井
Tetsuya Masuki
哲也 舛木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2011258846A priority Critical patent/JP5833415B2/ja
Priority to PCT/JP2011/077524 priority patent/WO2012086374A1/ja
Priority to RU2013133812/05A priority patent/RU2568218C2/ru
Priority to MYPI2013701034A priority patent/MY184185A/en
Priority to CN201180060711.2A priority patent/CN103261520B/zh
Publication of JP2012148060A publication Critical patent/JP2012148060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5833415B2 publication Critical patent/JP5833415B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Abstract

【課題】軟便等の高粘性液の吸収性に優れ、吸収性コア形成材料の漏れ出しが防止された吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、吸収体4を具備し、吸収体4が、親水性繊維及び吸水性ポリマーを含み且つ一方向に長い形状を有する吸収性コア40と、吸収性コア40を被覆するコアラップシート5とを含んで構成されている。コアラップシート5は、吸収性コア40の肌対向面40aに対向配置される高液透過性紙51を含んでいる。高液透過性紙51は、坪量が8〜20g/m2、密度が0.05〜0.2g/cm3、液透過時間が600秒以下であり、且つ製造時の搬送方向の乾燥引張強度が600cN/25mm以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、使い捨ておむつや吸収パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
この種の吸収性物品として、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に配置された縦長の吸収体を具備し、該吸収体が、木材パルプ等の親水性繊維及び吸水性ポリマーを含む吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の製造時には吸水性ポリマー等の吸収性コア形成材料を受けるためのシートとして働き、製造後には吸収性コアを包んで形状化する役割などを果たす。コアラップシートとしては、従来、薄葉紙、不織布等の透水性シートが用いられている。
また従来、吸収性物品においては、軟便の吸収保持性能が問題となっている。具体的には、軟便が表面シートを通過せずに表面シート上に残る、あるいは表面シートを透過した軟便が吸収体により保持されずに表面シート上に逆戻りするといった事態が発生し、肌のかぶれや、煩雑な肌の拭き取り作業をもたらしている。そこで、軟便を速やかに肌から遠ざけると共に、肌から遠い位置に収容保持する性能(軟便等の吸収性)を向上させることを目的として、種々の技術が提案されている。
例えば特許文献1には、軟便の吸収性に優れる吸収性物品として、表面シートと吸収体との間に液透過性のセカンドシートを具備し、該吸収体を構成するコアラップシートが、該セカンドシートと該吸収体を構成する吸収性コアとの間に位置し密度が0.01〜0.2g/cm3の範囲にある不織布と、該吸収性コアの非肌対向面側を覆うクレープ紙とで構成されているものが記載されている。
また特許文献2には、湿式抄紙法によって得られる吸収性物品用の低拡散性透過紙として、構成繊維どうしが絡み合うことによって作られる細孔の大きさ(細孔直径)やその分布を所定範囲に制御したものが記載されている。特許文献2に記載の低拡散性透過紙は、構成繊維として親水性繊維を含み且つサイズ剤で処理されることで、特定の細孔直径分布を有するようになされており、液体に対して低拡散性及び高透過性を示し、表面シートと吸収体(コアラップシート)との間に配されるサブレイヤーシート(セカンドシート)として有用であるとされている。
また、コアラップシートのような比較的低坪量のシートには、高い液透過性を有することに加えて、製造時に破れが生じない程度のシート強度が要求される。シート強度を向上させる方法として、従来、紙力増強剤を添加する方法が採用されており、例えば特許文献3には、乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤が添加され、引張強度が特定範囲にある家庭用衛生薄葉紙が記載されている。尚、特許文献3に記載の家庭用衛生薄葉紙は、ロールペーパー、ティッシュペーパー、ちり紙等、柔軟性や手触り感等の官能特性が重視される用途に適用されるものであり、特許文献3に開示されている主たる技術は、これらの官能特性とシート強度との両立を図ることを目的としている。
特許4390747号公報 特開2009−148322号公報 特開2005−124884号公報
特許文献1に記載のコアラップシートは、吸収性コアの肌対向面に対向配置される部位が、合成繊維を構成繊維とする不織布で構成されており、構成繊維どうしが熱融着で固定されている。そのため、合成繊維(構成繊維)が親水化処理されたものであっても、固形物を含む軟便がコアラップシートを透過するときに目詰まりが発生する等の不都合が生じるおそれがあり、繊維間距離を比較的長くする等して斯かる不都合を防止しないと、軟便の吸収性が低下するおそれがある。しかし、コアラップシートとしての不織布における繊維間距離を長くすると、吸収性コアから脱落した吸水性ポリマー等の吸収性コア形成材料が、不織布を透過して外部に漏れ出すおそれがあり、不織布製のコアラップシートは、軟便の吸収性の向上と吸収性コア形成材料の漏れ出し防止との両立が困難であった。特許文献1に記載の吸収性物品は、それを解決するために吸収体を多層化し、上層に吸収性ポリマーを含まない層とすることで、吸収性ポリマーの脱落を防止している。
また、コアラップシートの液透過性を高めるためには、シートの構成繊維の坪量を減らし、シートの密度を低下させる方法が有効であるが、斯かる方法は、構成繊維数の減少とそれに起因する構成繊維の繊維間結合点の数の減少を招くため、シート強度が低下するおそれがある。コアラップシートのシート強度が低下すると、製造時にコアラップシートが損傷を受け、使用時にその損傷部分から吸収性コア形成材料が漏れ出すおそれがある。コアラップシートのシート強度と液透過性とは二律背反の関係にあり、両者をバランス良く両立させることは難しいのが現状である。特許文献1〜3には、斯かる課題を解決する有効な手段は開示されていない。
従って本発明の課題は、軟便等の高粘性液の吸収性に優れ、吸収性コア形成材料の漏れ出しが防止された吸収性物品を提供することにある。
本発明は、吸収体を具備し、該吸収体が、親水性繊維及び吸水性ポリマーを含み且つ一方向に長い形状を有する吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを含んで構成されている吸収性物品であって、前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面に対向配置される高液透過性紙を含んでおり、前記高液透過性紙は、坪量が8〜20g/m2、密度が0.05〜0.2g/cm3、下記方法で測定される液透過時間が600秒以下であり、且つ製造時の搬送方向の乾燥引張強度が600cN/25mm以上である吸収性物品を提供することにより、前記課題を解決したものである。
<液透過時間の測定方法>
上下端が開口している内径35mmの2本の円筒を、両円筒の軸を一致させて上下に配し、測定対象のシートを上下の円筒間に挟み込み、その状態で上側の円筒内に、グリセリンとイオン交換水とを、前者:後者=94:6の質量比で混合してなる高粘性液(粘度290mPa・s)を10g±1g供給する。供給された高粘性液は、測定対象のシートを透過するか又は測定対象のシートに吸収されて上側の円筒内からなくなる。高粘性液の供給開始時から、高粘性液の液面が測定対象のシートの表面と同位置になるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。
本発明によれば、軟便等の高粘性液の吸収性に優れ、吸収性コア形成材料の漏れ出しが防止された吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつを示す図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態を模式的に示す肌対向面側(表面シート側)の平面図である。 図2は、図1のI−I線断面(幅方向の断面)を模式的に示す断面図である。 図3は、液透過時間の測定方法の説明図である。 図4は、本発明の吸収性物品の他の実施形態における吸収体の幅方向の断面を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の吸収性物品について、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態のおむつ1は、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート3、及び両シート2,3間に配置された吸収体4を有し、実質的に縦長に形成されている。表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、何れも、一方向Xに長い縦長の形状を有している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出している。表面シート2は、図2に示すように、その幅方向Yの寸法が、裏面シート3の幅方向Yの寸法よりも小さくなっている。
おむつ1は、図1に示すように、長手方向Xに、着用時に着用者の背側に配される背側部Aと、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Bと、着用時に着用者の股下の配される股下部Cとを有している。股下部Cは、おむつ1の長手方向Xの中央部に位置している。おむつ1は、股下部Cの両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、図1に示す如き平面視において、長手方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。
本明細書において、長手方向は、吸収性物品(使い捨ておむつ)又はその構成部材(例えば吸収性コア)の長辺に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。図中、符号Xで示す方向は、おむつ1(吸収性コア40)の長手方向であり、符号Yで示す方向は、おむつ1(吸収性コア40)の幅方向である。また、肌対向面は、吸収性物品(使い捨ておむつ)又はその構成部材における、吸収性物品(使い捨ておむつ)の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品(使い捨ておむつ)又はその構成部材における、吸収性物品(使い捨ておむつ)の着用時に肌側とは反対側(衣類側)に向けられる面である。
図1及び図2に示すように、おむつ1の長手方向Xに沿う両側部それぞれには、一側縁部に弾性部材61が伸長状態で固定されているサイドシート62が配されており、着用時における股下部Cには、一対の立体ギャザーが形成される。また、着用者の脚周りに配される左右のレッグ部には、弾性部材63が長手方向Xに沿って配されており、着用時におけるレッグ部には、弾性部材63の収縮により、一対のレッグギャザーが形成される。図2に示すように、一対のサイドシート62,62、表面シート2、吸収体4、弾性部材63及び裏面シート3は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。
また、図1に示すように、背側部A及び腹側部Bそれぞれのウエスト開口端部には、ウエスト弾性部材64が配設されてウエストギャザーが形成されている。ウエスト弾性部材64は、帯状の形態を有し、おむつ1の幅方向Yに沿っておむつ1の略全幅に亘って、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されている。また、背側部Aにおける胴回り部の左右両側部には、それぞれ複数本の胴回りギャザー形成用弾性部材65が配設されて左右一対の胴回りギャザーが形成されている。胴回りギャザー形成用弾性部材65は、幅方向Yに沿って略直線状に配され、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されている。
図1に示すように、おむつ1の背側部Aの長手方向Xに沿う両側縁部には、一対のファスニングテープ8,8が設けられている。より具体的には、背側部A及び腹側部Bそれぞれの長手方向Xに沿う両側部には、吸収体4の長手方向Xに沿う両側縁部から幅方向Yの外方に延出するサイドフラップ7,7が形成されており、各サイドフラップ7に、ファスニングテープ8が幅方向Yの外方に延出して取り付けられている。ファスニングテープ8には、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部81が取り付けられている。
また、おむつ1の腹側部Bの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域9が形成されている。被止着領域9は、裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段(例えば、接着剤やヒートシール等)で接合固定して形成されており、ファスニングテープ8の止着部81を着脱自在に止着可能である。
以下、吸収体4について詳細に説明する。吸収体4は、図1及び図2に示すように、吸収性コア40と該吸収性コア40を被覆するコアラップシート5とを含んで構成されている。吸収性コア40は、図1に示すように、一方向(おむつ1の長手方向X)に長い形状を有し、長手方向中央部が括れている。
吸収性コア40は、親水性繊維及び吸水性ポリマーを含んで構成されている。親水性繊維としては、親水性表面を有する繊維であって、その湿潤状態において、繊維どうしが互いに高い自由度を有するシートを形成できるものであれば、特に制限なく用いることができる。そのような親水性繊維の例には、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維;ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したもの等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、吸水性ポリマーとしては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限無く用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。吸水性ポリマーとしては、通常は粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の吸水性ポリマーには、その形状の違いから、不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球粒凝集タイプ、球状タイプ等があるが、何れのタイプも用いることができる。
吸収性コア40における親水性繊維及び吸水性ポリマーの合計含有量は、吸収性コア40の質量に対して、例えば70〜100質量%であり、好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。親水性繊維と吸水性ポリマーとの含有質量比は、尿や軟便等を十分に保持固定し得るようにする観点から、親水性繊維:吸水性ポリマー=1/9〜9/1が好ましく、3/7〜7/3が更に好ましい。吸収性コア40には、必要に応じ、親水性繊維及び吸水性ポリマー以外の他の成分、例えば、pH緩衝材、親水性の微粉、消臭剤等の各種添加剤、及び非親水性繊維等を含有させても良い。
吸収性コア40の坪量は、200〜600g/m2、特に300〜600g/m2であることが、尿や軟便等を十分保持固定できる点から好ましい。同様の観点から、吸収性コア40の密度は、好ましくは0.10〜0.30g/cm3、更に好ましくは0.15〜0.30g/cm3である。また、吸収性コア40の無荷重下での厚みは、好ましくは1.5〜3.5mm、更に好ましくは1.7〜3.0mmである。
コアラップシート5は、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面40aに対向配置される(吸収性コア40の肌対向面40a側に配置される)、高液透過性紙51と、吸収性コア40の非肌対向面40bに対向配置され且つ吸収性コア40の長手方向Xに沿う両側縁部40s、40sを被覆する(吸収性コア40の非肌対向面40b側に配置される)、低液透過性シート52とを含んでいる。より具体的には、コアラップシート5は、幅方向Yの寸法が異なる2枚のシート51,52を含んで構成されており、そのうちの1枚が、吸収性コア40の長手方向X及び幅方向Yの長さ(ここでいう吸収性コアの長手方向及び幅方向の長さは、それぞれの方向の最大長さを意味する)と略同寸法の高液透過性紙51であり、他の1枚が、高液透過性紙51よりも幅広の低液透過性シート52である。高液透過性紙51と低液透過性シート52とは、長手方向Xの長さは同じである。高液透過性紙51は、吸収性コア40の肌対向面40aの略全域を被覆している。低液透過性シート52は、吸収性コア40の非肌対向面40bの略全域を被覆し、且つ吸収性コア40の両側縁部40s,40sから幅方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の肌対向面40aに対向配置された高液透過性紙51上に巻き上げられ、高液透過性紙51の長手方向Xに沿う両側縁部を被覆している。高液透過性紙51と吸収性コア40との間、及び低液透過性シート52と吸収性コア40との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されていても良い。
本実施形態のおむつ1の主たる特長の1つとして、吸収性コア40の肌対向面40a上に他の部材を介在させずに直接配置される、高液透過性紙51が、強度特性が良好で液透過性に優れている点が挙げられる。
即ち、高液透過性紙51は、液透過性の向上の観点から、坪量及び密度が比較的低く設定されており、具体的には、高液透過性紙51の坪量は8〜20g/m2、好ましくは10〜14.5g/m2、更に好ましくは11〜14g/m2であり、高液透過性紙51の密度は、密度は0.05〜0.2g/cm3、好ましくは0.07〜0.20g/cm3、更に好ましくは0.10〜0.20g/cm3である。高液透過性紙51の坪量が8g/m2未満又は密度が0.05g/cm3未満では、紙力が著しく低下するおそれがあり、また、高液透過性紙51の坪量が20g/m2超又は密度が0.2g/cm3超では、液透過性の向上効果に乏しいおそれがある。高液透過性紙51(コアラップシート5)の坪量及び密度は、それぞれ、次のように測定される。
<コアラップシートの坪量の測定方法>
JIS P8111の条件にてサンプル(コアラップシート)の調湿を行った後、サンプルから10cm四方(面積100cm2)の測定片を切り出し、該測定片の重量を少数点以下2桁の天秤にて測定し、その測定値を面積で除して該測定片の坪量を算出する。サンプルから切り出した10枚の測定片について、前記手順に従って坪量を算出し、それらの平均値をサンプルの坪量とする。
<コアラップシートの密度の測定方法>
20cm四方のサンプル(コアラップシート)を10枚重ねて積層体とし、該積層体を液体窒素で冷却固化させた後、カッターで該積層体の真ん中付近を切断する。そして、10枚のサンプルのうち、カッターによる切断で生じた断面にせん断がかかっていないものを選択し、選択したサンプルの厚みを光学顕微鏡により測定する。尚、サンプルの厚みは、当該サンプルに後述するクレープ等の凹凸がある場合は、その凹凸部における最底部から最上部までの長さ(見掛け厚み)ではなく、構成繊維が堆積している部分の長さ(実質厚み)である。こうして厚みを測定した20cm四方のサンプルの重量Wを、小数点以下2桁の天秤を用い測定する。目的とする密度は、サンプルの重量Wを次式により算出したサンプルの体積Vで除して(即ちW/Vにより)算出する。次式中、Tはサンプルの厚み(cm)、Aはサンプルのクレープ率(%)、Bはサンプルの1辺の長さ(20cm)である。クレープ率は後述する測定方法によって測定される。測定対象のコアラップシートがクレープを有していない場合(クレープ率が0%の場合)、次式においてA=0とする。 V={T×B×B×(100+A)/100}
そして、このような低坪量、低密度の高液透過性紙51は、下記方法で測定される液透過時間が600秒以下であり、好ましくは400秒以下、更に好ましくは300秒以下である。液透過時間が短いほど、液透過性が高く高評価となる。液透過時間が前記範囲にある高液透過性紙51は、液透過性に優れており、尿等の比較的低粘性の排泄液の他、軟便や経血等の比較的高粘性の排泄液を、素早く透過させて吸収性コア40に速やかに吸収させることができ、表面液残りを生じ難い。
<液透過時間の測定方法>
図3に示すように、上下端が開口している内径35mmの2本の円筒91,92を、両円筒91,92の軸を一致させて上下に配し、測定対象のシートS(高液透過性紙)を上下の円筒91,92間に挟み込む。このとき、上側の円筒91の下端及び下側の円筒92の上端に設けられた環状のフランジ部にクリップ93を嵌合させ、上下の円筒91,92を連結させることが好ましい。符号94は、円筒91,92の内径と同径同形状の貫通孔を有するゴム製等のパッキンである。このように、上下の円筒91,92で測定対象のシートSを挟持固定した状態で、上側の円筒91内に、図3中符合Wで示す粘度290mPa・s(株式会社エー・アンド・デイの振動式粘度計CJV5000で測定する。高粘性液を試料容器に約10g入れ、粘度計にセットし感応板を所定レベルに挿入し、計測レンジを50mVに選択し、計測スイッチを押して測定開始する。測定開始してから60秒後の値、25℃で測定。)の高粘性液を10g±1g供給する。供給された高粘性液は、測定対象のシートSを透過するか又は測定対象のシートSに吸収されて上側の円筒91内からなくなる。高粘性液の供給開始時から、高粘性液の液面が測定対象のシートSの表面(上側の円筒91側の面)と同位置になるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。高粘性液は、グリセリンとイオン交換水とを、前者:後者=94:6の質量比で混合して調製される。
このように、高液透過性紙51は、液透過時間が600秒以下であって液透過性に優れているのに対し、高液透過性紙51と共にコアラップシート5を構成する低液透過性シート52は、液透過時間が600秒を超えており、液透過性に劣る。つまり、本実施形態における吸収性コア40は、軟便等の排泄液を直接受ける肌対向面40aが、液透過性に優れる高液透過性紙51で被覆されており、その反対側に位置する非肌対向面40b及び両側縁部40s,40sが、液透過性に劣る低液透過性シート52で被覆されている。
コアラップシート5の斯かる被覆形態により、吸収体4においては、おむつ1の着用時に排泄され表面シート2を透過した液は、高液透過性紙51の作用によって速やかに吸収体4内に引き込まれ、吸収性コア40によって吸収保持される。また、吸収性コア40の非肌対向面40b及び両側縁部40s,40sが低液透過性シート52で被覆されているので、吸収性コア40に一旦は吸収保持された液が吸収性コア40の外部に漏れ出したとしても、低液透過性シート52によって吸収体4の外部へ漏れ出すことは防止され、いわゆる横漏れが効果的に防止される。このような、低液透過性シート52による漏れ防止効果をより確実に奏させるようにする観点から、低液透過性シート52の液透過時間は、好ましくは600〜3000秒、更に好ましくは600〜2000秒である。
低液透過性シート52としては、紙、不織布等を用いることができ、特に、クレープ(ちりめん状のシワ)を有するクレープ紙が好ましく用いられる。液透過時間が600秒を超えるようにする観点から、低液透過性シート52の坪量は、好ましくは13〜20g/m2、更に好ましくは15〜18g/m2であり、低液透過性シート52の密度は、好ましくは0.10〜0.30g/cm3、更に好ましくは0.20〜0.25g/cm3であり、低液透過性シート52のクレープ率は、好ましくは5〜20%、更に好ましくは7〜15%である。クレープは従来公知の方法によって付与することができ、クレープ率は、次のようにして測定される。
<クレープ率の測定方法>
測定対象のシートから長さ方向(シートの製造時の搬送方向、MD)に200mm、幅方向(MDに直交する方向、CD)に100mmの矩形形状を切り出してサンプルとする。この矩形形状のサンプルを10分間水中に浸漬した直後のMDの長さCを測定し、次式によりクレープ率を算出する。 クレープ率(%)={(C−200)/200}×100
例えば、10分間浸漬後のMDの長さCが220mmであった場合、前記式により算出される当該シートのクレープ率は10%である。
高液透過性紙51について更に説明すると、高液透過性紙51は、前述したように、液透過性の向上の観点から坪量及び密度が比較的低く設定されているにもかかわらず、強度特性が良好であり、具体的には、製造時の搬送方向(Machine Direction、略してMD)の乾燥引張強度が600cN/25mm以上、好ましくは600〜1500cN/25mm、更に好ましくは700〜1200cN/25mmである。MDの乾燥引張強度が前記範囲にある高液透過性紙51は、実用上十分な強度を有しており、おむつ1の製造時に破れる等の不都合を起こし難く、吸収性コア形成材料の漏れ出しを起こし難い。
また、同様の観点から、高液透過性紙51のMDに直交する方向(Cross machine Direction、略してCD)の乾燥引張強度は、好ましくは150cN/25mm以上、更に好ましくは150〜350cN/25mm、特に好ましくは170〜300cN/25mmである。乾燥引張強度は次のようにして測定される。
<乾燥引張強度の測定方法>
測定対象のシート(高液透過性紙)を室温23℃±2℃、相対湿度50%RH±2%の環境下で12時間放置して一定状態になるよう調湿する。調湿後のシートから、MDに150mm、CDに25mmの寸法の長方形形状を切り出し、この切り出された長方形形状をサンプルとする。このサンプルを、そのMDが引張方向となるように引張試験機(島津製作所製オートグラフAG−1kN)のチャックに無張力で取り付ける。チャック間距離は100mmとする。サンプルを300mm/分の引張速度で引っ張り、サンプルが破断するまでの最大強度を測定する。測定は5回行い、これらの平均値をMDの乾燥引張強度とする。また、CDの乾燥引張強度は、調湿後のシートから、CDに150mm、MDに25mmの寸法の長方形形状を切り出してこれをサンプルとし、このサンプルを、そのCDが引張方向となるように引張試験機のチャックに無張力で取り付け、前記と同様の手順により、CDの乾燥引張強度を求める。
高液透過性紙51は、クレープ(ちりめん状のシワ)を有していても良い。高液透過性紙51がクレープを有している場合、そのクレープは、ドライヤパートにおけるヤンキードライヤ等から乾燥状態の繊維ウエブ(高液透過性紙51)をドクターナイフ等で剥離する際に生じる、ドライクレープであることが好ましい。クレープを有する紙は、クレープを有しない紙に比して液透過性が高く、また、クレープ率が高くなるほど液透過性が高まる。但し、クレープ率が高くなると、強度特性(引張強度)は低下する傾向がある。本発明においては、斯かる知見に基づき、液透過性と強度特性とのバランスの観点から、高液透過性紙51のクレープ率は、5〜30%、特に5〜20%、とりわけ7〜15%とすることが好ましい。クレープ率は前記方法により測定される。
このような、強度特性が良好で液透過性に優れている高液透過性紙51としては、下記高液透過性紙Aが好ましく用いられる。高液透過性紙Aは、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体とし、紙力増強剤が添加されている薄葉紙であって、前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/mの第1パルプと繊維粗度が0.17〜0.20mg/mの第2パルプとが含有されており、含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が0.01〜0.07mg/mであり、前記集合体のフリーネスが400〜550mlである。以下、高液透過性紙Aについて詳細に説明する。
高液透過性紙A(薄葉紙)は、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を必須成分として含有している。繊維粗度は、木材パルプのように、繊維の太さが不均一な繊維において、繊維の太さを表す尺度として用いられるものであり、後述するように市販の繊維粗度計を用いて測定される。即ち、高液透過性紙Aは、太さの異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を含んでおり、これにより強度特性と液透過性との両立を図っている。
高液透過性紙Aには、前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/m、好ましくは0.135〜0.155mg/m、更に好ましくは0.14〜0.15mg/mである第1パルプと、繊維粗度が0.17〜0.20mg/m、好ましくは0.175〜0.195mg/m、更に好ましくは0.18〜0.19mg/mである第2パルプとが含有されており、第2パルプの方が第1パルプよりも太い。このように、紙の構成繊維の一部として相対的に太いパルプを用いることで、紙の地合が粗くなり、液透過性が向上する。尚、パルプは、木材、じん皮、葉等の植物繊維を化学的あるいは機械的方法によって単繊維化したものである。
そして、高液透過性紙Aに含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が、0.01〜0.07mg/m、好ましくは0.02〜0.06mg/m、更に好ましくは0.03〜0.05mg/mである。両パルプの繊維粗度の差が0.01mg/m未満では、液透過性の向上効果に乏しく、繊維粗度の差が0.07mg/m超では、紙の強度が著しく低下するおそれがある。
第1パルプ及び第2パルプそれぞれの平均繊維長は、好ましくは2〜3mm、更に好ましくは2.2〜2.8mmである。両パルプの平均繊維長がそれぞれ前記範囲にあることで、繊維どうしの交絡のバランスが良く、紙の地合も良いという効果が奏される。両パルプの平均繊維長は同じであっても良く、異なっていても良い。繊維粗度及び平均繊維長は、それぞれ、次のようにして測定される。
<繊維粗度及び平均繊維長の測定>
繊維粗度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用いて測定する。測定対象の繊維(パルプ)は未叩解のものとする。先ず、測定対象の繊維の真の重量を求めるために、該繊維を真空乾燥機内にて100℃で1時間乾燥させ、繊維中に存在している水分を除去する。こうして乾燥させた繊維から1gを正確に量りとる(誤差±0.1mg)。次に、量り取った繊維を、該繊維に極力損傷を与えないように注意しつつ、前記繊維粗度計に付属のミキサーで150mlの水中に完全に離解させ、これを全量が5000mlになるまで水で薄めて希釈液を得た。得られた希釈液から50mlを正確に量りとってこれを繊維粗度測定溶液とし、前記繊維粗度計の操作手順に従って目的とする繊維粗度及び平均繊維長をそれぞれ算出する。尚、平均繊維長の算出には、前記操作手順に基づき下記式により計算された値を用いる。
Figure 2012148060
第1パルプと第2パルプとの含有質量比(第1パルプ/第2パルプ)は、強度特性と液透過性とのバランスの観点から、好ましくは3/7〜7/3、更に好ましくは4/6〜6/4である。相対的に繊維径の太い第2パルプが少なすぎると、十分な液透過性が得られないおそれがあり、逆に第2パルプが多すぎると、高液透過性紙Aの強度の急激な低下が生じるおそれがある。
第1パルプ及び第2パルプ(親水性セルロース繊維)としては、繊維粗度が前記範囲にあり且つ親水性表面を有する繊維であって、その湿潤状態において、繊維どうしが互いに高い自由度を有するシートを形成できるものであれば、特に制限無く用いることができる。そのような親水性セルロース繊維の例には、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維;ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維を界面活性剤により親水化処理したもの等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの親水性セルロース繊維の中でも、特にNBKPが好ましく、第1パルプ及び第2パルプは、それぞれ、NBKPが好ましい。また、本発明で用いるNBKPとしては、この種の紙において通常用いられるNBKPを特に制限無く用いることができる。NBKPとして、パルプの漂白に塩素化合物を使用しないECF(エレメンタリー・クロリンフリー)漂白パルプやTCF(トータル・クロリンフリー)漂白パルプを使用しても良い。
高液透過性紙Aは、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維(第1パルプ及び第2パルプ)の集合体を主体としている。ここで、「主体としている」とは、第1パルプ及び第2パルプの含有率が50質量%以上であることを意味する。該含有率は、強度特性と液透過性との両立を図る観点から、好ましくは70〜80質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。
高液透過性紙Aにおいては、前記2種の親水性セルロース繊維(第1パルプ及び第2パルプ)の集合体のフリーネスを400〜550mlに設定している。即ち、第1パルプ及び第2パルプそれぞれのフリーネスは400〜550mlの範囲にある。フリーネスは、JIS P8121に規定するカナダ標準ろ水度(C.S.F.)で示される値であり、パルプの叩解(水の存在下でパルプを機械的に叩き、磨砕する処理)の度合いを示す値である。通常、フリーネスの値が小さいほど、叩解の度合いが強く、叩解による繊維の損傷が大きくてフィブリル化が進行している。フリーネスが前記範囲にある繊維は、フィブリル化が進行しているため繊維どうしが絡み合い易く、そのため、例えば液透過性の向上の観点から紙の低坪量化(低密度化)を図ることによって構成繊維の繊維間結合点の数が減少しても、各繊維間結合の強度は、フリーネスが550mlを超え相対的にフィブリル化が進行していない繊維に比して、高い。従って、フリーネスが400〜550mlである繊維の集合体を主体とする高液透過性紙Aは、良好な強度特性を有し得る。
高液透過性紙Aで用いる2種の親水性セルロース繊維の集合体のフリーネスは、好ましくは450〜525ml、更に好ましくは475〜510mlである。フリーネスが400ml未満の場合は、繊維の絡み合いによる強度改善効果は飽和しており、また、繊維の切断が促進され、透過時間が遅くなるおそれがある。繊維の集合体の叩解は、繊維の集合体を構成する各親水性セルロース繊維(第1パルプ及び第2パルプ)を混合分散させた紙料(スラリー)に対して、ビーダー、ディスクリファイナー等の公知の叩解機を用いて常法に従って実施することができる。
高液透過性紙Aは、第1パルプ及び第2パルプ以外の他の繊維を含んでいても良く、他の繊維は、両パルプの如き親水性セルロース繊維でなくても良い。他の繊維としては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;楮、三椏、雁皮等の靱皮繊維;藁、竹、ケナフ、麻等の非木材パルプ;ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維等の合成繊維等が挙げられる。これら他の繊維の含有率は、好ましくは20質量%以下である。
高液透過性紙Aには、良好な強度特性(引張強度)を得る観点から、紙力増強剤が添加されている。紙力増強剤には、乾燥紙力を向上させる乾燥紙力増強剤と、湿潤紙力を向上させる湿潤紙力増強剤とがあり、何れを用いても良い。
乾燥紙力増強剤としては、従来公知の乾燥紙力増強剤を用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩、ポリアクリルアミド系樹脂及びその塩、カチオン化デンプン、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。CMCあるいはポリアクリルアミド系樹脂の塩としては、それぞれ、ナトリウム塩が主に用いられる。ポリアクリルアミド系樹脂としては、例えば、カチオン性又はアニオン性ポリアクリルアミド(PAM)が挙げられる。これらの乾燥紙力増強剤の中でも、特にCMC及びその塩、アニオン性PAM及びその塩が、汎用性が高く、繊維どうしの凝集効果も低いため、好ましい。
湿潤紙力増強剤としては、従来公知の湿潤紙力増強剤を用いることができ、例えば、エポキシ化ポリアミドポリアミン樹脂(PAE)、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリエチレンアミン、メチロール化ポリアミド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの湿潤紙力増強剤の中でも、特にPAEが好ましい。
高液透過性紙Aにおいて2種以上の紙力増強剤を用いる場合、それらの好ましい組み合わせとして、1)1種の乾燥紙力増強剤及び1種の湿潤紙力増強剤の組み合わせ、並びに2)2種の乾燥紙力増強剤及び1種の湿潤紙力増強剤の組み合わせが挙げられる。前記1)の組み合わせにおいて、1種の乾燥紙力増強剤としてはアニオン性PAMの塩が好ましく、1種の湿潤紙力増強剤としてはPAEが好ましい。また、前記2)の組み合わせにおいて、2種の乾燥紙力増強剤としてはCMCの塩及びアニオン性PAMの塩が好ましく、1種の湿潤紙力増強剤としてはPAEが好ましい。
また、前記2)のように、2種の乾燥紙力増強剤としてCMCの塩及びアニオン性PAMの塩を用い、1種の湿潤紙力増強剤としてPAEを用いた場合、アニオン性PAMの塩の重量平均分子量は、800万以上、特に1000万以上、とりわけ1500万以上が好ましく、また、アニオン性PAMの塩の重量平均分子量の上限は、2500万が好ましい。このように特定の3種類の紙力増強剤を用いる場合において、それらのうちの1種であるアニオン性PAMの塩の重量平均分子量が前記範囲(800万以上2500万以下)であれば、アニオン性PAMの塩自体の接着性の発現による高液透過性紙Aの強度向上効果に加えて、CMCの塩の歩留まりの向上による高液透過性紙Aの強度向上効果が得られるため、両強度向上効果によって高液透過性紙Aのより良好な強度特性が得られる。また、アニオン性PAMの塩の重量平均分子量が2500万以下であると、高液透過性紙Aの製造時においてアニオン性PAMの塩の水中での分散性や粘度が比較的低く抑えられるため、ハンドリング性や抄紙機の汚れ防止の点で良い結果が得られる。
高液透過性紙Aにおける紙力増強剤の添加量は、高液透過性紙Aの全構成繊維の乾燥質量に対して、好ましくは0.01〜1.5質量%、更に好ましくは0.03〜1.2質量%である。紙力増強剤の添加量が少なすぎると、引張強度等の強度特性が十分に得られず、紙力増強剤の添加量が多すぎると、高液透過性紙Aの硬化(風合いの低下)の他、高液透過性紙Aの製造時におけるヤンキードライヤへの紙の張り付きやメッシュドラムへの紙力増強剤の付着等による、高液透過性紙Aの地合の低下を招くおそれがある。
また、紙力増強剤として、乾燥紙力増強剤の1種以上と湿潤紙力増強剤の1種以上との組み合わせを用いる場合、乾燥紙力増強剤の総添加質量と湿潤紙力増強剤の総添加質量との比(前者/後者)は、好ましくは0.01〜0.5、更に好ましくは0.03〜0.35である。
また、前述したように、乾燥紙力増強剤としてCMCの塩及びアニオン性PAMの塩の2種を用い、湿潤紙力増強剤としてPAEの1種を用いる場合、高液透過性紙Aの全構成繊維の乾燥質量に対する各紙力増強剤の添加量は、CMCの塩が好ましくは0.05〜0.5質量%、更に好ましくは0.1〜0.3質量%であり、アニオン性PAMの塩が好ましくは0.001〜0.1質量%、更に好ましくは0.02〜0.05質量%であり、PAEが好ましくは0.5〜1.5質量%、更に好ましくは0.6〜1.2質量%である。
高液透過性紙Aは、前述した、第1パルプ及び第2パルプ(親水性セルロース繊維)等の繊維及び紙力増強剤以外の他の成分を含んでいても良い。他の成分としては、例えば、タルク等の填料、染料、色顔料、抗菌剤、pH調整剤、歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤等の一般的に抄紙用原材料や添加物として使用されているものが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
高液透過性紙Aは、公知の湿式抄紙法によって製造することができる。湿式抄紙法は、NBKP等の繊維の水分散液からなる紙料(スラリー)を調製する紙料調製工程と、紙料から繊維を抄いて繊維ウエブとしたものを搬送しながら乾燥する抄紙工程とを有するものである。抄紙工程は、通常、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等に分けられ、順次実施される。前述した乾燥紙力増強剤及び湿潤紙力増強剤は、通常、紙料調整工程において紙料に添加される。通常、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤の順で紙料に添加するが、本発明における紙力増強剤の添加順序はこれに制限されず、添加順序をこれとは逆にしても良く、両者を同時に添加しても良い。湿式抄紙法は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機又は丸網抄紙機等の抄紙機を用いて常法に従って実施することができる。
高液透過性紙Aは、強度特性及び液透過性に加えて、通気性にも優れている。その理由は、主として、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体としているためである。本発明者らは、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維を用いることと薄葉紙の通気性との関係を調べるべく、パルプ配合の異なる2種類の薄葉紙(サンプルA、B)を用意し、これらの透気度を測定した。サンプルAは、第1パルプ及び第2パルプを繊維材料として含むもので後述する高液透過性紙IIであり、サンプルBは、第1パルプのみを繊維材料として含むもので後述する高液透過性紙Iである。サンプルA及びB共に坪量は13g/m2であった。透気度は次のようにして測定される。
<透気度の測定方法>
透気度の測定はJIS P8117に準じて実施する。15cm四方の測定対象シート(薄葉紙)を32枚用意し、これらを熱風乾燥機により105℃の熱風で30分間乾燥させた後、32枚全てを重ねて1つの積層体とし、該積層体をB形透気度計にセットする。そして、B形透気度計において、標線の0ccをスタ−トとし300ccに達するまでに要する時間を測定する。以上の操作を5回実施し、得られた5つの測定時間の平均値を、当該測定対象シート(薄葉紙)の透気度とする。透気度の単位は、「s/32P・300cc」であり、32枚のシートを300ccの空気が抜けるのに要する時間(秒)を表す。透気度の値が小さいほど空気が抜け易く、通気性に優れると評価できる。
繊維材料として第1パルプのみを用いたサンプルB(後述する高液透過性紙I)は、透気度が2.1〜2.7s/32P・300ccの範囲であったのに対し、繊維材料として繊維粗度が互いに異なる2種のパルプ(第1及び第2パルプ)を用いたサンプルA(後述する高液透過性紙II)は、透気度が1.6〜2.2s/32P・300ccの範囲にあり、サンプルAの方がサンプルBよりも透気度の値が小さかった。このことから、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体として薄葉紙を構成することは、薄葉紙の通気性を向上させる上で有効であることがわかり、斯かる構成を具備する高液透過性紙Aが通気性に優れることが明らかである。
高液透過性紙51は、前述した高液透過性紙Aに制限されず、坪量、密度、液透過時間及びMDの乾燥引張強度それぞれが前記範囲内にある紙であれば良い。例えば、高液透過性紙51は、フリーネスが400〜550ml、好ましくは475〜525ml、更に好ましくは490〜510mlであるNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)を主体とし、2種以上の紙力増強剤が添加されており、クレープ率が5〜30%、好ましくは5〜20%、更に好ましくは7〜15%である薄葉紙(クレープ紙)であっても良い。ここで、「主体としている」とは、フリーネスが斯かる範囲にあるNBKPの含有率が50質量%以上であることを意味する。該含有率は、良好な強度特性を得る観点から、好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。斯かるクレープ紙において、紙力増強剤の具体例など、特に説明しない点は、高液透過性紙Aについての説明が適宜適用される。
おむつ1における各部の形成材料について説明すると、表面シート2及び裏面シート3としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを用いることができる。表面シート2としては、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等の各種液不透過性ないし撥水性のものを用いることができる。また、サイドシート62としては、裏面シート3と同様のものを用いることができる。
本実施形態のおむつ1は、公知の展開型の使い捨ておむつと同様に使用される。本実施形態のおむつ1は、コアラップシート5における、吸収性コア40の肌対向面40a側に配置される部位が高液透過性紙51であるため、斯かる部位が合成繊維を構成繊維とする不織布で形成されている、特許文献1に記載の吸収性物品に比して、特に軟便等の排泄液の吸収性(繰り返し吸収性)に優れ、吸水性ポリマー等の吸収性コア形成材料の漏れ出しを起こし難く、且つ製造コストが抑えられている。また、本実施形態のおむつ1は、コアラップシート5における、吸収性コア40の非肌対向面40b側に配置される部位が低液透過性シート52であるため、横漏れを起こし難い。
本発明は、前記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態におけるコアラップシート5は、高液透過性紙51と低液透過性シート52とから構成されていたが、高液透過性紙51のみから構成されていても良い。その場合、コアラップシート5を2枚の高液透過性紙51から構成しても良く、例えば図2に示す実施形態において、低液透過性シート52を高液透過性紙51に代えても良い。
あるいは、図4に示すように、コアラップシート5を1枚の高液透過性紙51から構成しても良い。図4に示す実施形態においては、コアラップシート5として、吸収性コア40の幅方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の高液透過性紙51を用いている。図4に示す吸収体4は、1枚の高液透過性紙51の幅方向Yの中央部に吸収性コア40を載置し、該高液透過性紙51の幅方向Yの両側部を吸収性コア40の上面側に折り返し、該高液透過性紙51の幅方向Yの両側縁部どうしをホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合して該高液透過性紙51を筒状に形成し、上下反転させて得られる。
また、本発明の吸収性物品は、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつの他、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつ、吸収パッド、生理用ナプキン等であっても良い。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔高液透過性紙Iの製造方法〕
NBKP(Cariboo Pulp and Paper Company製、商品名「Cariboo」、北米産)を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリーを調製し、このスラリーを叩解機にかけて、NBKPのフリーネスを500mlに調整した。更に、このスラリーに、第1紙力増強剤としてアニオン性PAMのナトリウム塩(乾燥紙力増強剤、MTアクアポリマー製、商品名「アコフロックA95」)を、スラリー中の全繊維の乾燥質量に対して0.2質量%投入し、次いで、第2紙力増強剤としてPAE(湿潤紙力増強剤、星光PMC株式会社製、商品名「WS4030」)を、スラリー中の全繊維の乾燥質量に対して0.2質量%投入し、各成分が均一になるように十分に撹拌した。こうして得られたスラリーを、ワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させ、サクションボックスを用いて6ml/(cm2・sec)の速度で該紙層を脱水した後、該紙層をドライヤで乾燥させ、乾燥面からドクターブレードで紙層をはがしながら、ドライヤと巻き取りの速比をつけてクレープを付与した。こうして得られた薄葉紙(クレープ紙)を高液透過性紙Iとした。
〔高液透過性紙II及びIIIの製造方法〕
パルプの種類(繊維粗度)やフリーネス等を適宜変更した以外は高液透過性紙Iと同様にして薄葉紙(クレープ紙)を製造し、それぞれ高液透過性紙II、IIIとした。高液透過性紙II及びIIIは、それぞれ、前述した高液透過性紙Aである。
高液透過性紙I〜IIIで使用したパルプ(NBKP)の詳細は次の通り(繊維粗度の小さい順に記載)。これらのパルプは、日本紙パルプ商事又は伊藤忠商事を通じて入手した。
・繊維粗度0.13mg/m(商品名「Northwood」、ConFor製)
・繊維粗度0.15mg/m(商品名「Cariboo」、Cariboo Pulp and Paper Company製)
・繊維粗度0.18mg/m(商品名「ARAUCO」、ARAUCO製)
・繊維粗度0.2mg/m(商品名「Crofton CK」、Unifibra製)
前記高液透過性紙I〜IIIの各種評価結果は下記表1の通りである。乾燥引張強度及び液透過時間は、それぞれ前述した方法によって測定した。
Figure 2012148060
〔実施例1〕
図1及び図2に示す如き展開型の使い捨ておむつを作製し、これを実施例1のサンプルとした。実施例1では、コアラップシートを2枚の前記高液透過性紙Iから構成し、低液透過性シートは使用していない。表面シートとしては、合成繊維を構成繊維とする坪量25g/m2のエアスルー不織布を用いた。エアスルー不織布は、芯がポリプロピレン、鞘が直鎖状ポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維(太さ2.1dtex、界面活性剤で表面処理、液透過性を有する)から構成されていた。裏面シートとしては、坪量20g/m2の多孔質フィルムと坪量20g/m2のポリプロピレン製スパンポンドとを1.5g/m2ホットメルト型接着剤で接着して複合化したものを用いた。裏面シートを構成する多孔質フィルムは、密度0.925g/m3の直鎖状ポリエチレン樹脂100質量部に、炭酸カルシウム150質量部及び第3成分としてエステル化合物4質量部を均一混合した物を、インフレーション成形した後、縦方向に一軸延伸したフィルムであった。吸収性コアとしては、親水性繊維としてウエハウザー社製のNB416を用い、吸水性ポリマーとしてサンダイヤ社製のサンウェットIM997を用い、親水性繊維と吸水性ポリマーとの含有質量比が前者/後者=10/6〜10/7であり、坪量が470g/m2の混合積繊型の吸収性コアを用いた。吸収性コアの長手方向の全長は360mm、幅方向の全長(最大長さ)は110mm、坪量は470g/m2、密度は0.17g/cm3、無荷重下での厚みは2.7mmであった。
〔実施例2〜4及び比較例1〕
実施例1において、コアラップシート(吸収性コアの肌対向面側に配置される1枚及び吸収性コアの非肌対向面側に配置される他の1枚)を下記表2に示す通りに構成した以外は実施例1と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、これらを実施例2〜4及び比較例1のサンプルとした。実施例及び比較例で用いた低液透過性シートIは、坪量16g/m2、密度0.23g/cm3、クレープ率10%のクレープ紙であった。
実施例及び比較例の各サンプル(使い捨ておむつ)の各種評価結果は下記表2の通りである。軟便吸収性及び横漏れ防止性は、下記方法により評価した。
<軟便吸収性>
使い捨ておむつを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した状態で、高粘性液のモデルである擬似軟便10gを、吸収体の中心部に表面シート側からシリンジを用いて定速(6秒)で一括注入し、3.5kPaの加重下で5分間放置した。このとき、加重をかけるための錘と使い捨ておむつとの間にOHPフィルムを挟んでおいた。その後、OHPフィルムに付着した擬似軟便の量を測定し、その測定値を肌付着量とした。また、吸収性コアに吸収された量を軟便吸収量とした。肌付着量が少ないほど、また軟便吸収量が多いほど、軟便吸収性に優れ高評価となる。擬似軟便の成分は、ベントナイト28.0g、グリセリン14.0g、イオン交換水114.1g、エマルゲン130K0.03重量%水溶液(花王)14.2gであり、粘度は300mPa・s(株式会社エー・アンド・デイの振動式粘度計CJV5000で測定する。300mlビーカーに入った擬似軟便約170gをスターラーで300rpmにて60秒間攪拌し、直ぐに粘度計にセットし感応板を所定レベルに挿入し、計測レンジを50mVに選択し、計測スイッチを押して測定開始する。測定開始してから60秒後の値、25℃で測定。)であった。
<横漏れ防止性>
使い捨ておむつを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した状態で、該おむつの吸収体の中心部に対して表面シートを介してら2kPaで加圧しながら、40gの生理食塩水を注入して吸収させ、生理食塩水の注入から10分放置後、更に40gの生理食塩水を注入して吸収させた。この操作を、生理食塩水の合計注入量が160gになるまで繰り返し、生理食塩水注入後におむつの長手方向に沿う側部から幅方向外方に生理食塩水が流れ出るか否か(即ち横漏れがあるか否か)を目視で観察した。生理食塩水の合計注入量が160gとなった後も横漏れが見られない場合を○、合計注入量が120gとなった後は横漏れが見られないが、合計注入量が160gとなった後に横漏れが見られた場合を△、合計注入量が120gとなった後に横漏れが見られた場合を×と判定した。
Figure 2012148060
表2に示す結果から明らかなように、吸収性コアの肌対向面に対向配置されるコアラップシートが特定の高液透過性紙である、各実施例の使い捨ておむつは、該コアラップシートが低液透過性シートである、比較例の使い捨ておむつに比して、軟便の肌への付着量が少なく且つ軟便吸収量が多く軟便吸収性に優れ、更には横漏れ防止性にも優れるものであった。特に、吸収性コアの非肌対向面に対向配置されるコアラップシートが低液透過性シートである、実施例2〜4の使い捨ておむつは、コアラップシート全体が特定の高液透過性紙である、実施例1の使い捨ておむつに比して横漏れ防止性に優れており、斯かる高液透過性紙及び低液透過性シートの組み合わせの有効性が明らかである。
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
40a 吸収性コアの肌対向面
40b 吸収性コアの非肌対向面
40s 吸収性コアの側縁部
5 コアラップシート
51 高液透過性紙
52 低液透過性シート

Claims (5)

  1. 吸収体を具備し、該吸収体が、親水性繊維及び吸水性ポリマーを含み且つ一方向に長い形状を有する吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとを含んで構成されている吸収性物品であって、
    前記コアラップシートは、前記吸収性コアの肌対向面に対向配置される高液透過性紙を含んでおり、
    前記高液透過性紙は、坪量が8〜20g/m2、密度が0.05〜0.2g/cm3、下記方法で測定される液透過時間が600秒以下であり、且つ製造時の搬送方向の乾燥引張強度が600cN/25mm以上である吸収性物品。
    <液透過時間の測定方法>
    上下端が開口している内径35mmの2本の円筒を、両円筒の軸を一致させて上下に配し、測定対象のシートを上下の円筒間に挟み込み、その状態で上側の円筒内に、グリセリンとイオン交換水とを、前者:後者=94:6の質量比で混合してなる高粘性液(粘度290mPa・s)を10g±1g供給する。供給された高粘性液は、測定対象のシートを透過するか又は測定対象のシートに吸収されて上側の円筒内からなくなる。高粘性液の供給開始時から、高粘性液の液面が測定対象のシートの表面と同位置になるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。
  2. 前記高液透過性紙は、繊維粗度の異なる2種の親水性セルロース繊維の集合体を主体とし、紙力増強剤が添加されており、
    前記2種の親水性セルロース繊維として、繊維粗度が0.13〜0.16mg/mの第1パルプと繊維粗度が0.17〜0.20mg/mの第2パルプとが含有されており、含有されている第1パルプと第2パルプとの繊維粗度の差が0.01〜0.07mg/mであり、前記集合体のフリーネスが400〜550mlである請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記高液透過性紙は、フリーネスが400〜550mlである針葉樹晒クラフトパルプを主体とし、2種以上の紙力増強剤が添加されており、クレープ率が5〜30%である請求項1記載の吸収性物品。
  4. 前記コアラップシートは、前記吸収性コアの非肌対向面に対向配置され且つ該吸収性コアの長手方向に沿う両側縁部を被覆する、低液透過性シートを含んでいる請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記低液透過性シートは、前記方法で測定される液透過時間が600秒を超えるクレープ紙である請求項4記載の吸収性物品。
JP2011258846A 2010-12-21 2011-11-28 吸収性物品 Active JP5833415B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011258846A JP5833415B2 (ja) 2010-12-27 2011-11-28 吸収性物品
PCT/JP2011/077524 WO2012086374A1 (ja) 2010-12-21 2011-11-29 薄葉紙及び薄葉紙の製造方法
RU2013133812/05A RU2568218C2 (ru) 2010-12-21 2011-11-29 Салфеточная бумага и способ получения салфеточной бумаги
MYPI2013701034A MY184185A (en) 2010-12-21 2011-11-29 Tissue paper and method for producing tissue paper
CN201180060711.2A CN103261520B (zh) 2010-12-21 2011-11-29 薄页纸以及薄页纸的制造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010289542 2010-12-27
JP2010289542 2010-12-27
JP2011258846A JP5833415B2 (ja) 2010-12-27 2011-11-28 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012148060A true JP2012148060A (ja) 2012-08-09
JP5833415B2 JP5833415B2 (ja) 2015-12-16

Family

ID=46790933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011258846A Active JP5833415B2 (ja) 2010-12-21 2011-11-28 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5833415B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108131A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Nippon Paper Crecia Co Ltd 吸収性物品
WO2014112590A1 (ja) * 2013-01-18 2014-07-24 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP2014158527A (ja) * 2013-02-19 2014-09-04 Nippon Paper Crecia Co Ltd 吸収性物品
JP2015066027A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大王製紙株式会社 吸収性物品
JP2016146986A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 カミ商事株式会社 吸収性物品
JP2019042397A (ja) * 2017-09-06 2019-03-22 花王株式会社 吸収性物品
JP2019042398A (ja) * 2017-09-06 2019-03-22 花王株式会社 吸収性物品

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02279154A (ja) * 1989-04-20 1990-11-15 Kuraray Co Ltd 衛生材料用表面材
JP2512579B2 (ja) * 1990-02-16 1996-07-03 株式会社クラレ 嵩高紙の製造方法
JPH08291495A (ja) * 1995-04-17 1996-11-05 Kao Corp 吸収紙、その製造方法及びそれを用いた吸収性物品
JP3097980B2 (ja) * 1993-02-23 2000-10-10 株式会社クラレ 生分解性不織布用材料
JP2000513960A (ja) * 1996-06-21 2000-10-24 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 複合通気性バックシートを有する吸収性物品
JP2001314444A (ja) * 2000-05-10 2001-11-13 Kao Corp 吸収性物品
JP2008018048A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Kao Corp 吸収性物品
JP2010148751A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Kao Corp 吸収体
JP4521118B2 (ja) * 1998-08-06 2010-08-11 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 一体的に形成し弾性を持たせた閉じ込めフラップ及びカフスを備えた使い捨て吸収性物品

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02279154A (ja) * 1989-04-20 1990-11-15 Kuraray Co Ltd 衛生材料用表面材
JP2512579B2 (ja) * 1990-02-16 1996-07-03 株式会社クラレ 嵩高紙の製造方法
JP3097980B2 (ja) * 1993-02-23 2000-10-10 株式会社クラレ 生分解性不織布用材料
JPH08291495A (ja) * 1995-04-17 1996-11-05 Kao Corp 吸収紙、その製造方法及びそれを用いた吸収性物品
JP2000513960A (ja) * 1996-06-21 2000-10-24 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 複合通気性バックシートを有する吸収性物品
JP4521118B2 (ja) * 1998-08-06 2010-08-11 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 一体的に形成し弾性を持たせた閉じ込めフラップ及びカフスを備えた使い捨て吸収性物品
JP2001314444A (ja) * 2000-05-10 2001-11-13 Kao Corp 吸収性物品
JP2008018048A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Kao Corp 吸収性物品
JP2010148751A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Kao Corp 吸収体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014108131A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Nippon Paper Crecia Co Ltd 吸収性物品
WO2014112590A1 (ja) * 2013-01-18 2014-07-24 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
US9675502B2 (en) 2013-01-18 2017-06-13 Unicharm Corporation Absorbent article
JP2014158527A (ja) * 2013-02-19 2014-09-04 Nippon Paper Crecia Co Ltd 吸収性物品
JP2015066027A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大王製紙株式会社 吸収性物品
JP2016146986A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 カミ商事株式会社 吸収性物品
JP2019042397A (ja) * 2017-09-06 2019-03-22 花王株式会社 吸収性物品
JP2019042398A (ja) * 2017-09-06 2019-03-22 花王株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5833415B2 (ja) 2015-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6080246B2 (ja) 吸収性物品
TWI566752B (zh) Absorbent items
JP5833415B2 (ja) 吸収性物品
WO2014073376A1 (ja) 吸収性物品
JP5973156B2 (ja) 吸収性物品
JP3319603B2 (ja) 高吸引及び高容量を示す吸収性製品用液体分配部材
RU2568218C2 (ru) Салфеточная бумага и способ получения салфеточной бумаги
JP5851823B2 (ja) 吸収体
JP2014113191A (ja) 吸収体及び吸収性物品
WO2012086374A1 (ja) 薄葉紙及び薄葉紙の製造方法
JP5352227B2 (ja) 吸収体
JP5074621B2 (ja) 薄葉紙
JP6229932B2 (ja) 吸収性物品
JP3201136U (ja) 吸収性物品
JPH09156014A (ja) 吸収性シート及びその製造方法並びに吸収性物品
JP7058112B2 (ja) 吸収体及び吸収性物品
JP2019043103A (ja) 積層シート及びその製造方法並びに吸収性物品
JP5934497B2 (ja) 薄葉紙
JPH08232189A (ja) 吸収紙及びその製造方法
JP5855912B2 (ja) 薄葉紙
JP7014577B2 (ja) 吸収体及び吸収性物品
JPH08229071A (ja) 吸収性物品
JP2010136969A (ja) 吸収体及び吸収体の製造方法並びに吸収性物品
JP2020188919A (ja) 吸収性物品
JP6824948B2 (ja) 吸収体及び吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151029

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5833415

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250