JP2012145016A - エンジンオイル潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク室のエンジンオイルをリード弁を介して隣接する室に効率よく移送して、エンジンの出力損失量を少なくすることを目的とする。
【解決手段】クランク室30内のエンジンオイルを、リードバルブ50を通過させて前記クランク室30に隣接する室に移送するエンジンオイル潤滑構造であって、前記リードバルブ50は、エンジンオイルが通過する開口52が設けられた基板51と、前記基板51に一端が固定され前記開口52を閉塞するように配置された弁体53とを有し、前記クランク室30側から見て、前記開口52の開口面積と前記基板51の露出面積との比が1:1.87以下であることを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、エンジンオイル潤滑構造に関するものである。特に、クランク室内の圧力変動によりエンジンオイルがクランク室からリードバルブを介してクランク室に隣接する室に移送されるエンジンオイル潤滑構造に関する。
例えば、特許文献1に開示されたエンジンでは、エンジン各部の潤滑に使用されたエンジンオイルがクランクケースの底部に形成されるオイル溜から、このオイル溜の下方に設けられた入口側弁室へ流入する。ピストンの往復運動によって生じるクランク室の圧力変動によりリード弁が開閉し、エンジンオイルが出口側弁室へ押し出され、更にミッション室へ排出される。
特開2000−282826号公報
一般的に、リード弁は、中央に開口が形成された基板と、開口を覆うようにして一端が基板に固定された弁体とを備えている。このようなリード弁を用いる場合、リード弁の開口がエンジンオイル通路の径よりも小さく形成される。すなわち、リード弁の基板がエンジンオイル通路に突出して配置される。そのため、エンジンオイルが基板の表面に衝突してしまい、エンジンオイルを出口側弁室に効率よく移送することができないという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであって、クランク室のエンジンオイルをリード弁を介して隣接する室に効率よく移送して、エンジンの出力損失量を少なくすることができるエンジンオイル潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンオイル潤滑構造は、クランク室内のエンジンオイルを、一方向弁を通過させて前記クランク室に隣接する室に移送するエンジンオイル潤滑構造であって、前記一方向弁は、エンジンオイルが通過する開口が設けられた基板と、前記基板に一端が固定され前記開口を閉塞するように配置された弁体とを有し、前記クランク室側から見て、前記開口の開口面積と前記基板の露出面積との比が1:1.87以下であることを特徴とする。
また、前記クランク室側から見て、前記開口を除く前記基板の基板面は、少なくとも一部がエンジンオイル通路を形成する通路部材によって覆われていることを特徴とする。
また、前記クランク室側から見て、前記開口を除く前記基板の基板面は、少なくとも一部がエンジンオイル通路を形成するクランクケースによって覆われていることを特徴とする。
また、前記エンジンオイル通路は、前記一方向弁に近接するにしたがって、通路面積が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、クランク室のエンジンオイルをリード弁を介して隣接する室に効率よく移送することができるので、エンジンの出力損失量を少なくすることができる。
自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。 エンジンの左側面図である。 クランクケースの分解斜視図である。 クランクケースを前方から見た図である。 左側クランクケースの左側面図である。 右側クランクケースの左側面図である。 左側クランクケースの右側面図である。 クランクケースのII−II線の断面図である。 本実施形態に係るリードバルブおよび通路部材の斜視図である。 本実施形態に係るクランクケースのII−II線の断面図である。 本実施形態に係るクランクケースのIII−III線の断面図である。 本実施形態に係るリードバルブの開口面積および露出面積を説明するための図である。 本実施形態に係る検証結果の表を示す図である。 本実施形態に係る検証結果のグラフを示す図である。 他の通路部材の示す断面図である。
以下、図面に基づき、本発明に係るエンジンオイル潤滑構造の好適な実施形態について説明する。なお、ここでは、自動二輪車のエンジンオイル潤滑構造を例にして説明する。
図1は、自動二輪車の左側面図である。先ず、図1を用いて自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、以下の説明において図1を含めた各図で、必要に応じて車体の前方を矢印Frにより、車体の後方を矢印Rrによりそれぞれ示し、また、車体の右側を矢印Rにより、車体の左側を矢印Lによりそれぞれ示す。
図1の自動二輪車100は、典型的には所謂オフロード用である。車体前方上部にはステアリングヘッドパイプ101が配置されている。ステアリングヘッドパイプ101内には図示しないステアリング軸が回動可能に挿通している。ステアリング軸の上端にはハンドル102が結着されており、ステアリング軸の下端にはフロントフォーク103が取り付けられている。フロントフォーク103の下端には操向輪である前輪104が回転可能に軸支されている。
また、ステアリングヘッドパイプ101からは左右一対のメインフレーム105が、車体後方に向かって斜め下方に傾斜して延出すると共に、ダウンチューブ106が略垂直下方に延びている。ダウンチューブ106は下部付近でロアフレーム106Aとして左右に分岐している。一対のロアフレーム106Aは下方に延びた後に、車体後方に向かって略直角に曲げられている。一対のロアフレーム106Aの後端部は、左右一対のボディフレーム107を介してメインフレーム105の各後端部に連結されている。
メインフレーム105、ダウンチューブ106、ロアフレーム106Aおよびボディフレーム107によって囲まれる空間には、駆動源である水冷式のエンジン10が搭載されている。エンジン10の上方には燃料タンク108が配設されている。燃料タンク108の燃料供給口はキャップ109によって栓止されている。燃料タンク108の後方にはシート110が配設されている。また、エンジン10の前方にはラジエータ111が配設されている。
車体の前後方向略中央の下部に設けられた左右一対のボディフレーム107には、リヤスイングアーム112の前端部がピボット軸113によって上下に揺動可能に支持されている。リヤスイングアーム112の後端部には駆動輪である後輪114が回転可能に軸支されている。リヤスイングアーム112は、リンク機構115とこれに連結されたショックアブソーバ116を介して車体に懸架されている。
なお、燃料タンク108内には燃料ポンプユニットが配置されている。燃料ポンプユニットはエンジン10に燃料を供給する。一方、ショックアブソーバ116の後側にはエアクリーナボックス117が配置されている。エアクリーナボックス117とエンジン10の間は吸気通路を介して連結される。
次に、エンジン10の構成について説明する。エンジン10は、4サイクル単気筒エンジンを用いている。図2は、エンジン10の左側面図である。エンジン10は、クランクシャフト12を回転可能に軸支して収容するクランクケース11と、ピストンを上下動可能に収容するシリンダブロック13と、動弁装置を収容するシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14に蓋着するシリンダヘッドカバー15とが略上下方向に連接されている。エンジン10は、シリンダブロック13のシリンダ軸Cyがクランクシャフト12のクランク軸Crに対して実質的に鉛直方向に設定されている。
更に、図2〜図4を参照して説明する。図3は、クランクケース11の分解斜視図である。図4は、クランクケース11を前方から見た図である。図3および図4に示すように、クランクケース11は、割り面Pに沿って右側クランクケース11aと左側クランクケース11bとの2つ割りで構成されている。クランクケース11内のクランク室30には、図3に示すクランクシャフト12およびクランクシャフト12と同期して回転する左右一対のクランクウェブ33(33a、33b)が回転自在に軸支されている。クランクウェブ33a、33bの間には、クランクピンを介してコネクティングロッド35が接続されている(図4を参照)。コネクティングロッド35の先端にはピストンピンを介して、図示しないピストンが取り付けられ、シリンダブロック13のシリンダ室内を上下に往復運動する。
また、図2および図3に示すように、クランクケース11内のクランク室30のケース隔壁を隔てた後側には、ミッション室16が隣接して配置されている。ミッション室16にはクランクシャフト12の回転出力を減速して後輪114へと伝達するための図示しない複数のミッションギヤが列設されている。
また、右側クランクケース11aの右側には、クラッチカバー31で覆うことでクラッチ室17が隣接して配置されている。クラッチ室17には図示しないクラッチ装置が配置され、ハンドル102のクラッチレバー操作によりクランクシャフト12およびミッションギヤ間の動力伝達を接続/遮断制御するようになっている。
また、左側クランクケース11bの左側には、マグネトカバー32で覆うことでマグネト室18が隣接して配置されている。マグネト室18には図示しないジェネレータが配置されている。
次に、エンジン10の吸排気系について説明する。まず、吸気側では、上述したようにエアクリーナボックス117とエンジン10のシリンダヘッド14の間に吸気通路が配置される。吸気通路はエンジン10のシリンダヘッド14に設けられたインテークポート21(図2を参照)に接続される。吸気通路の途中には図示しないスロットルボディが配置される。スロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料タンク108から所定圧力の燃料が供給されるようになっている。
また、吸排気系の排気側では、シリンダヘッド14に配設されたエキゾーストポート22(図2を参照)には図示しないエキゾーストパイプが接続されている。エンジン10で発生した燃焼後の排気ガスは、エキゾーストパイプを通って図1に示すマフラ118から排出される。
次に、エンジン10の冷却系について説明する。エンジン10の前方には、ラジエータ111が搭載されている。ラジエータ111によって冷却された冷却水は、ホースを通って図示しないウォータポンプへと導かれる。ウォータポンプは、その冷却水をホースを介して、エンジン10のシリンダブロック13等に形成されたウォータジャケットへと給送し、エンジン10を冷却する。
次に、エンジン10の動弁系について説明する。本実施形態のエンジン10はいわゆるDOHC型である。シリンダヘッド14には、吸気側および排気側それぞれにカムシャフト27、28を有する(図2に示す破線を参照)。エンジン10の左側部位にてカムチェーン29が鉛直方向に装架されている(図2に示す破線を参照)。カムチェーン29を介してクランクシャフト12とカムシャフト27、28とが連結される。
次に、エンジン10の潤滑系について説明する。図5は、マグネトカバー32を取り外した状態の左側クランクケース11bの左側面図である。図3および図5に示されるようにマグネト室18の下部付近にスカベンジポンプ23が配置されている。スカベンジポンプ23は、マグネト室18内に溜まったエンジンオイルを吸引口24から吸引する。スカベンジポンプ23は、マグネト室18から吸い上げたエンジンオイルを連通路25を経由してミッション室16に供給する。ミッション室16にはスカベンジポンプ23と同心で、かつ同期回転する回転軸を有する図示しないフィードポンプが配置されている。フィードポンプは、その一部(右側部位)がクラッチ室17の下部付近に露呈するように配置されている。フィードポンプは、図示しない通路を介して動弁室、シリンダ室、クランク室30等、エンジン10の各部にエンジンオイルを供給する。
動弁室に供給されたエンジンオイルは、カムシャフト27、28を潤滑した後、主にマグネト室18の底部に落下して回収される。また、シリンダ室およびクランク室30に供給されたエンジンオイルは、ピストンやクランクシャフト12等を潤滑した後、主にクランク室30の底部に流れ込む。クランク室30の底部に流れ込んだエンジンオイルは、後述するオイル貯留室、リードバルブおよび通路を経由して、オイル貯留室に隣接するマグネト室18に移送される。マグネト室18に移送されたエンジンオイルは、再び上述したようにスカベンジポンプ23によって吸い上げられ、ミッション室16に供給される循環を繰り返す。
次に、クランク室30の底部に流れ込んだエンジンオイルが、オイル貯留室、リードバルブおよび通路を経由して、隣接するマグネト室18に移送されるまでのエンジンオイル潤滑構造について説明する。
まず、クランク室30およびオイル貯留室の構造について説明する。図6は、図4に示すI−I線(割り面P)を左側から見た右側クランクケース11aの左側面図である。図7は、図4に示すI−I線(割り面P)を右側から見た左側クランクケース11bの右側面図である。図8は、図6および図7に示すII−II線を矢印方向から見た断面図であり、右側クランクケース11aと左側クランクケース11bを結合した状態を示している。
図6および図8に示すように、クランク室30の底部には、矩形状の開口41を介してクランク室30と連通するオイル貯留室40が形成されている(図3も参照)。オイル貯留室40および開口41は、右側クランクケース11aと左側クランクケース11bとが結合されることで形成される。すなわち、左側クランクケース11bにも、オイル貯留室40の一部および開口41の一部が形成されている。
図8に示すように、オイル貯留室40とマグネト室18との間には通路42が形成されている。通路42は、エンジン10の左右方向に形成されると共に、オイル貯留室40よりも断面積が小さく形成されている。そのため、オイル貯留室40と通路42との境界には、段部43が形成されている。この段部43は、割り面Pから左側に離間して形成されている。段部43には、一方向弁としてのリードバルブ50が嵌め込まれている。
リードバルブ50は、図9に示すように、平板の中央に矩形状の開口52が形成された矩形状の基板51と、基板51の一端に固定され開口52を閉塞した状態で配置された平板状の弁体53とを備えている。なお、図9に示す弁体53は、開口52を開いた状態を示している。弁体53は、基板51の両側の基板面54、55のうち一方側の基板面54に固定されている。弁体53は、エンジンオイルが圧送されると基板51に対して一方方向にのみ開き、開口52を開放する。図8に示すように、リードバルブ50は、基板51の基板面54、55が割り面Pと平行になるように配置される。また、リードバルブ50は、リードバルブ50の弁体53がマグネト室18側、すなわちエンジンオイルの下流側に配置された状態で段部43に固定される。
このように構成されるエンジンオイル潤滑構造では、ピストンの下降によってクランク室30内の圧力が上昇することで、弁体53が開き、オイル貯留室40内のエンジンオイルを通路42に移送する。一方、ピストンの上昇によってクランク室30内の圧力が低下することで、弁体53が開口52を閉塞し、通路42からオイル貯留室40への逆流を阻止することができる。したがって、オイル貯留室40に貯留するエンジンオイルを確実にマグネト室18に移送することができるため、クランク室30にエンジンオイルが貯留しない。クランク室30にエンジンオイルが貯留しないことで、クランクシャフト12は抵抗なく回転することができ、エンジン10の出力の低下を防止することができる。
さて、上述したリードバルブ50は、オイル貯留室40から見て基板51の基板面55が露出するように配置されている。したがって、エンジンオイルがオイル貯留室40からリードバルブ50の開口52を通過しようとするときに、一部のエンジンオイルは基板面55によって跳ね返されてしまうことがある。基板面55によって跳ね返されたエンジンオイルは、オイル貯留室40に貯留されたままになってしまい、エンジンオイルの移送効率を低下させてしまう。
そこで、本実施形態では、オイル貯留室40から見て基板51の基板面55が露出する露出面積を小さくし、エンジンオイルの跳ね返りを削減させる。以下、本実施形態に係るエンジンオイル潤滑構造について説明する。本実施形態では、リードバルブ50の基板51に通路部材を隣接して配置することでエンジンオイルの跳ね返りを削減させる。
図9は、リードバルブ50に隣接して配置される通路部材60の構成を示す斜視図である。図9に示す通路部材60は、一部を切断して示している。通路部材60は、リードバルブ50の基板51の幅Wおよび高さHと等しく、リードバルブ50の厚みTよりも大きい、略直方体状に形成されている。また、通路部材60は、リードバルブ50の開口52の開口方向と同じ方向に、矩形状の開口61が形成されている。開口61は、エンジンオイルが通るエンジンオイル通路となる。開口61は、リードバルブ50側に向かうにしたがって徐々に通路面積が小さくなるように、通路部材60の各内面(4面)には緩やかなテーパ62が形成されている。
このように構成された通路部材60をリードバルブ50の基板面55と重ね合わせて、左側クランクケース11bに固定することで、オイル貯留室40から見た基板51の基板面55の露出面積を減少させることができる。例えば、図9に示す通路部材60のリードバルブ50側の開口61の大きさは、基板51の基板面55に示した二点鎖線の大きさである。したがって、図9に示す通路部材60をリードバルブ50に重ね合わせると、通路部材60は基板面55のうち二点鎖線の外側を覆う。すなわち、オイル貯留室40から見て基板面55のうち二点鎖線の内側のみが露出する。したがって、通路部材60によって基板面55を覆うことで、基板面55の露出面積を減少させることができるので、エンジンオイルの跳ね返りを削減させることできる。
次に、通路部材60のリードバルブ50側の開口61の大きさおよび位置を、リードバルブ50の開口52の大きさおよび位置と一致させたものを、左側クランクケース11bに固定した場合について説明する。図10は、図8と同方向に見た断面図であって、通路部材60を取り付けた状態を示している。図11は、図10に示すIII−III線断面図である。図10および図11では、エンジンオイルの移送方向を矢印で示している。
通路部材60は、リードバルブ50に重ね合った状態で左側クランクケース11bのオイル貯留室40に取り付けられている。通路部材60は、リードバルブ50の基板51と右側クランクケース11aの割り面Pとの間で挟み込まれることで、左側クランクケース11bに固定される。通路部材60が左側クランクケース11bに固定された状態では、通路部材60の開口61とリードバルブ50の開口52とが連通する。通路部材60の開口61は、エンジンオイル通路としてエンジンオイルをリードバルブ50に導くことができる。また、通路部材60のリードバルブ50側の開口61の大きさと、リードバルブ50の開口52の大きさとが同じなので、基板面55は通路部材60によって完全に覆われる。したがって、オイル貯留室40から見て基板面55が露出しない、すなわち通路部材60と基板51との間には、段差がなく連続している。
このような通路部材60が取り付けられているエンジンでは、図10および図11の矢印に示すように、オイル貯留室40内のエンジンオイルが通路部材60に到達すると、開口61内に形成されたテーパ62によってリードバルブ50の開口52に集まるようにガイドされる。また、基板面55が露出していないために、エンジンオイルが通路部材60からリードバルブ50に流入するときに、基板面55によって跳ね返されることがない。したがって、オイル貯留室40に貯留するエンジンオイルを効率的にリードバルブ50に導き、マグネト室18に移送することができる。
なお、本実施形態では、別体の通路部材60を用いて、基板面55の露出面積を減少させているが、この場合に限られず、クランクケース11に一体で通路部材60を形成してもよい。通路部材60を一体でクランクケース11に形成することで、エンジンオイルを効率的にリードバルブ50に導くことができる上、製造工程を簡略化することができ低コストなエンジンオイル潤滑構造を提供することができる。
ただし、上述した本実施形態のように、リードバルブ50がクランクケース11の割り面Pから離間して配置されるエンジン10の場合、通路部材60を一体にしてクランクケース11を鋳造成形することは製造上困難である。したがって、別体の通路部材60を用いることで、容易にリードバルブ50の基板面55の露出面積を減少させることができる。
次に、オイル貯留室40から見た基板面55の露出面積を変化させて、エンジンの出力がどのように変化するかを検証する。特に、リードバルブ50の開口52の開口面積と、オイル貯留室40から見た基板面55の露出面積との面積比に注目する。ここでは、オイル貯留室40から見た基板面55の露出面積を変化させるために、それぞれリードバルブ50側の開口61の大きさが異なる通路部材の試験片を5つ作製する。そして、作製した試験片をそれぞれクランクケース11に取り付けたときのエンジンの出力損失量を測定し、どのような面積比になったときに、エンジンの出力損失量が少なくなるかを検証する。
図12Aは、オイル貯留室40から見たリードバルブ50の基板51の寸法を示す図である。図12Aに示す基板51は、外形の幅Wが41mm、外形の高さHが23mmであり、開口52の幅αが23mmであり、開口の高さβが11.5mmである。また、図12Aに示す二点鎖線は、通路部材(以下、試験片ともいう)のリードバルブ50側の開口61の幅γ、高さδを、基板51の基板面55に透過させた線である。
図12Bに示す表において、No.1が試験片を用いない場合の結果であり、No.2からNO.6に向かうにしたがい、基板面55の露出面積を小さくできる試験片となる。なお、No.6に示す試験片5は、図10および図11に示したように、リードバルブ50側の開口61の大きさおよび位置が、基板51の開口52の大きさおよび位置と一致させたものである。
図12Bに示す表において、開口面積So[mm2]は、基板51の開口面積であり、No.1からNO.6まで同一である。また、露出面積Se[mm2]は、各試験片によって覆われたときの基板面55の露出面積であり、図12Aでは斜線で示す範囲である。露出面積Seは、試験片のリードバルブ50側の開口面積(γ×δ)から基板51の開口面積Soを減算した値である。また、面積比は、露出面積Se/開口面積Soである。また、出力損失量P[ps]は、クランクシャフト12の回転数が10000[rpm]のときに、エンジン出力測定装置によって計測した出力損失量である。
図12Cは、図12Bに示す検証結果を、横軸に面積比、縦軸に出力損失量Pとして示したグラフである。図12Cに示すように、面積比が1.87以下になると、エンジン10の出力損失量が少なくなる。特に、面積比を0.91以下にすることが好ましい。このように本検証によって、リードバルブ50の基板面55の露出面積を減少させることでエンジンの出力損失量が少なくなることが検証できた。
このように本実施形態によれば、リードバルブ50の基板面55の露出面積を減少させることで、エンジンオイルを効率よく移送できるので、エンジン10の出力損失量を少なくすることができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、図13は、他の通路部材70を示す断面図である。上述した実施形態では、通路部材60の開口61内の4つの内面にテーパ62を形成したが、この場合に限らない。図13に示す通路部材70は、4つの内面のうち3つの内面にテーパ62を形成し、残りの一つの内面に平坦部71に形成する。また、クランク室30からオイル貯留室40に移送されるエンジンオイルをリードバルブ50に導くために、右側クランクケース11aのオイル貯留室40には、案内部80が一体で形成されている。案内部80には、クランク室30から流れてきたエンジンオイルの流れの向きを直角方向に円滑に転換するために、クランク室30から流れたエンジンオイルが当たる部分に湾曲部81を形成している。そして、案内部80の湾曲部81と、通路部材70の平坦部71とは連続的に配置されているので、エンジンオイルを円滑にリードバルブ50に案内することから、更にエンジンの出力損失量を少なくすることができる。
また、上述した実施形態では、オイル貯留室40からオイル貯留室40に隣接するマグネト室18にエンジンオイルを移送する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、エンジンオイルをオイル貯留室40からマグネト室18とは異なる他の室に移送してもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、自動二輪車100を用いたエンジン10を取り上げて説明したが、この場合に限られず、他のエンジンに適用してもよい。
10:エンジン 11:クランクケース 11a:右側クランクケース 11b:左側クランクケース 30:クランク室 40:オイル貯留室 41:開口 42:通路 43:段部 50:リードバルブ 51:基板 52:開口 53:弁体 54:基板面 55:基板面 60:通路部材 61:開口 62:テーパ 70:通路部材 71:平坦部 80:案内部 81:湾曲部 100:自動二輪車

Claims (4)

  1. クランク室内のエンジンオイルを、一方向弁を通過させて前記クランク室に隣接する室に移送するエンジンオイル潤滑構造であって、
    前記一方向弁は、エンジンオイルが通過する開口が設けられた基板と、
    前記基板に一端が固定され前記開口を閉塞するように配置された弁体とを有し、
    前記クランク室側から見て、前記開口の開口面積と前記基板の露出面積との比が1:1.87以下であることを特徴とするエンジンオイル潤滑構造。
  2. 前記クランク室側から見て、前記開口を除く前記基板の基板面は、少なくとも一部がエンジンオイル通路を形成する通路部材によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンオイル潤滑構造。
  3. 前記クランク室側から見て、前記開口を除く前記基板の基板面は、少なくとも一部がエンジンオイル通路を形成するクランクケースによって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンオイル潤滑構造。
  4. 前記エンジンオイル通路は、前記一方向弁に近接するにしたがって、通路面積が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のエンジンオイル潤滑構造。
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