JP2012142602A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の固体撮像装置には、過剰電荷の逃がし易さという面で向上の余地がある。
【解決手段】固体撮像装置1は、半導体基板10(第1の半導体層)、半導体層20(第2の半導体層)、および受光部30を備える裏面入射型の固体撮像装置である。固体撮像装置1は、半導体基板10の裏面S2に入射した光を光電変換することにより、被撮像体を撮像する。この半導体基板10は、比抵抗ρ1(第1の比抵抗)をもっている。半導体基板10の表面S1上には、半導体層20が設けられている。この半導体層20は、比抵抗ρ2(第2の比抵抗)をもっている。ここで、ρ2>ρ1である。半導体層20中には、受光部30が形成されている。この受光部30は、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける。
【選択図】図1
【解決手段】固体撮像装置1は、半導体基板10(第1の半導体層)、半導体層20(第2の半導体層)、および受光部30を備える裏面入射型の固体撮像装置である。固体撮像装置1は、半導体基板10の裏面S2に入射した光を光電変換することにより、被撮像体を撮像する。この半導体基板10は、比抵抗ρ1(第1の比抵抗)をもっている。半導体基板10の表面S1上には、半導体層20が設けられている。この半導体層20は、比抵抗ρ2(第2の比抵抗)をもっている。ここで、ρ2>ρ1である。半導体層20中には、受光部30が形成されている。この受光部30は、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体撮像装置に関する。
特許文献1には、裏面入射型の固体撮像装置が記載されている。その固体撮像装置においては、半導体基板の裏面に入射した被撮像体からの光が、半導体基板の内部で光電変換される。そして、それにより生じた電荷を受光部が受けることにより、被撮像体が撮像される。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、特許文献1の他に、特許文献2が挙げられる。
しかしながら、特許文献1の固体撮像装置には、過剰電荷の逃がし易さという面で向上の余地がある。この点、過剰電荷を逃がし易くするために、基板全体の比抵抗を小さくすることが考えられる。ところが、そうすると、基板に受光部等を形成する際に、既存のデバイス・プロセスのプラットフォームをそのまま用いることが困難になってしまう。
本発明による固体撮像装置は、半導体基板の裏面に入射した光を光電変換することにより被撮像体を撮像する固体撮像装置であって、上記半導体基板の一部または全体を構成し、第1の比抵抗をもつ第1の半導体層と、上記半導体基板の表面上に設けられ、上記第1の比抵抗よりも大きな第2の比抵抗をもつ第2の半導体層と、上記第2の半導体層中に設けられ、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける受光部と、を備えることを特徴とする。
この固体撮像装置においては、比較的小さな比抵抗(第1の比抵抗)をもつ第1の半導体層が設けられている。これにより、過剰電荷を半導体基板の表面側から逃がし易くすることができる。その一方で、受光部が設けられた第2の半導体層は、第1の半導体層よりも大きな比抵抗(第2の比抵抗)をもっている。このため、第1および第2の半導体層が共に第1の比抵抗をもつ場合とは異なり、第2の半導体層に受光部等を形成する際に、既存のデバイス・プロセスのプラットフォームをそのまま用いることが可能である。
本発明によれば、製造が容易で且つ過剰電荷を逃がし易い構造の固体撮像装置が実現される。
以下、図面を参照しつつ、本発明による固体撮像装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明による固体撮像装置の第1実施形態を示す断面図である。固体撮像装置1は、半導体基板10(第1の半導体層)、半導体層20(第2の半導体層)、および受光部30を備える裏面入射型の固体撮像装置である。固体撮像装置1は、半導体基板10の裏面S2に入射した光を半導体基板10の内部または半導体層20の内部で光電変換することにより、被撮像体を撮像する。
本実施形態において半導体基板10は、P+型シリコン基板である。この半導体基板10は、比抵抗ρ1(第1の比抵抗)をもっている。ρ1は、例えば0.01Ωcmである。好ましくはρ1≦0.1Ωcmである。また、半導体基板10の厚みは、上記光すなわち撮像に用いられる光の吸収長以下であることが好ましい。例えば、当該光の波長が1μmの場合、吸収長は約100μmである。
半導体基板10の表面S1上には、半導体層20が設けられている。本実施形態において半導体層20は、P型シリコン層である。この半導体層20は、比抵抗ρ2(第2の比抵抗)をもっている。ここで、ρ2>ρ1である。ρ2は、例えば10Ωcmである。好ましくは、5Ωcm≦ρ2≦100Ωcmである。半導体層20は、例えば、エピタキシャル成長法により形成される。
半導体層20中には、受光部30が形成されている。具体的には、受光部30は、半導体層20の表面(半導体基板10と反対側の面)側の表層中に設けられている。この受光部30は、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける。本実施形態において受光部30は、N型不純物拡散層である。この受光部30は、隣接する半導体層20と共にフォトダイオードを構成している。
半導体層20中には、MOSFET50も形成されている。すなわち、固体撮像装置1には、受光部30等により構成されるMOSイメージセンサ部と、MOSFET50等により構成されるロジック回路部とが混載されている。MOSFET50は、ソース・ドレイン領域として機能するN型不純物拡散層52、およびゲート電極54を含んでいる。
半導体層20の表面上には、配線層60が設けられている。この配線層60中には、図示しない配線が形成されている。
図2(a)を参照しつつ、固体撮像装置1の動作の一例を説明する。同図においては、半導体基板10の裏面S2に、被撮像体である指90を接触させている。蛍光灯やLED等の光源からの光L1を指90に入射させると、その透過光L2が裏面S2に入射する。このとき、透過光L2は、指90の指紋92の形状についての情報を含んだものとなる。透過光L2は、半導体基板10の内部または半導体層20の内部で光電変換される。その光電変換により発生した信号電荷を受光部30が受けることにより、指紋92の像が撮像される。なお、光L1は、可視光、近赤外光または赤外光の何れであってもよい。また、固体撮像装置1の動作時、半導体基板10に固定電位(例えばグランド電位)が与えられていることが好ましい。図1(a)および図2(a)において半導体基板10がグランドに接続されている場合の例を、それぞれ図1(b)および図2(b)に示す。
本実施形態の効果を説明する。固体撮像装置1においては、小さな比抵抗ρ1をもつ半導体基板10が設けられている。これにより、指を裏面S2に接触する際に導入されるESDによる過剰電荷を固定電位(例えばグランド電位)に接続された半導体基板10から逃がし易くなり、固体撮像装置1中の回路素子(MOSFET50等)の静電破壊を起こりにくくすることができる。ρ1≦0.1Ωcmであれば、かかる効果を顕著に得ることができる。
受光部30が設けられた半導体層20は、半導体基板10よりも大きな比抵抗ρ2をもっている。このため、半導体基板10および半導体層20が共に比抵抗ρ1をもつ場合とは異なり、半導体層20に受光部30およびMOSFET50等を形成する際に、既存のデバイス・プロセスのプラットフォームをそのまま用いることが可能である。比抵抗ρ2の値を比抵抗ρ1に追随させて小さくする必要がないため、既存のデバイス・プロセスを利用可能な範囲の値に比抵抗ρ2を設定できるからである。5Ωcm≦ρ2≦100Ωcmであれば、既存のデバイス・プロセスを用いる上で特に好適である。既存のデバイス・プロセスを使用できないと、標準ロジックプロセスの使用や標準マクロ等の回路部品の採用が妨げられてしまうという問題があるが、本実施形態によればこの問題を回避することができる。
ところで、光電変換で生じた信号電荷の一部は、受光部30に達する前に再結合により消滅する。この点、半導体基板10の厚みが撮像に用いられる光の吸収長以下であれば、再結合する信号電荷の割合を充分に低く抑えることができるため、感度が特に高い固体撮像装置1が得られる。
半導体基板10に固定電位が与えられる場合、過剰電荷を更に逃がし易くすることができる。そのため、静電破壊の発生が一層抑制される。
半導体層20がエピタキシャル成長法により形成される場合、すなわち半導体層20がエピタキシャル層である場合には、半導体基板10よりも大きな比抵抗をもつ半導体層20を容易に形成することができる。また、半導体基板10の比抵抗ρ1から半導体層20の比抵抗ρ2へと急峻に比抵抗を変化させることができる。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
図3(a)は、本発明による固体撮像装置の第2実施形態を示す断面図である。固体撮像装置2も、半導体基板10、半導体層20、および受光部30を備える裏面入射型の固体撮像装置である。固体撮像装置2においては、半導体基板10の構成が固体撮像装置1と相違する。固体撮像装置2において半導体基板10はP型またはP−型のシリコン基板であり、その裏面S2側の表層にP+型不純物拡散層12(第1の半導体層)が形成されている。このP+型不純物拡散層12が上記比抵抗ρ1をもっている。すなわち、固体撮像装置1では半導体基板10の全体が第1の半導体層によって構成されていたのに対し、固体撮像装置2では半導体基板10の一部のみが第1の半導体層によって構成されている。固体撮像装置2のその他の構成、および動作は、固体撮像装置1と同様である。図3(a)においても半導体基板10に固定電位が与えられることが好ましく、第1の半導体層であるP+型不純物拡散層12に固定電位が与えられることが特に好ましい。P+型不純物拡散層12がグランドに接続されている場合の例を、図3(b)に示す。
ところで、固体撮像装置1におけるように半導体基板10の全体が第1の半導体層に相当する場合、上述のとおり、再結合する信号電荷の割合を低く抑えるという観点からは、半導体基板10全体の厚みを小さくすることが求められる。一方、半導体基板10の強度ひいては固体撮像装置の強度を充分に確保するという観点からは、半導体基板10の厚みを大きくすることが求められる。
本実施形態によれば、これらの相反する要求を共に満たすことができる。すなわち、第1の半導体層を半導体基板10の一部にのみ設けた構造であれば、その第1の半導体層が半導体基板10の裏面S2の近傍に位置する限り、半導体基板10全体の厚みを大きくしても、再結合する信号電荷の割合を低く抑えることが可能である。具体的には、第1の半導体層の半導体層20側の面と半導体基板10の裏面S2との間の距離d1(図3(a)および図3(b)参照)が、撮像に用いられる光の吸収長以下であることが好ましい。本実施形態において上記距離d1は、P+型不純物拡散層12の厚みに等しい。固体撮像装置2のその他の効果は、固体撮像装置1と同様である。
本発明による固体撮像装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。半導体基板10の少なくとも一部が比抵抗ρ1をもつ第1の半導体層によって構成されている限り、半導体基板10の構造としては上記実施形態で例示したもの以外にも様々なものが考えられる。例えば、図4(a)に示すように、半導体基板10は、第1の半導体層に相当するP+型シリコン基板14と、その上に設けられたエピタキシャル層15と、を含んでいてもよい。エピタキシャル層15は、P型またはP−型のシリコン層である。
あるいは、図5(a)に示すように、半導体基板10は、シリコン基板16と、その上に順に積層されたエピタキシャル層17,18とを含んでいてもよい。シリコン基板16は、P型またはP−型である。エピタキシャル層17は、P+型シリコン層であり、第1の半導体層に相当する。エピタキシャル層18は、P型またはP−型のシリコン層である。この場合、図中の距離d2が、「第1の半導体層の半導体層20側の面と半導体基板10の裏面S2との間の距離」である。なお、図5(a)において、エピタキシャル層18が設けられていなくてもよい。その場合、第1の半導体層であるエピタキシャル層17は、半導体基板10の表面S1側の表層に位置することとなる。図4(a)および図5(a)においても半導体基板10に固定電位が与えられることが好ましく、第1の半導体層(図4(a)ではP+型シリコン基板14、図5(a)ではエピタキシャル層17)に固定電位が与えられることが特に好ましい。図4(a)においてP+型シリコン基板14がグランドに接続されている場合の例を図4(b)に、図5(a)においてエピタキシャル層17がグランドに接続されている場合の例を図5(b)に示す。
上記実施形態においてはNチャネル型のMOSFET50が設けられた例を示したが、MOSFET50の代わりに、あるいはMOSFET50に加えて、Pチャネル型のMOSFETを設けてもよい。
上記実施形態においてはP型の半導体基板、P型の半導体層およびN型の受光部を例示したが、N型の半導体基板、N型の半導体層およびP型の受光部であってもよい。
また、半導体基板における第1の半導体層以外の部分は、1000Ωcm以上の比抵抗をもつ高抵抗半導体層であってもよい。当該部分には、図3(a)および図3(b)では半導体基板10(P+型不純物拡散層12が形成された部分を除く)が、図4(a)および図4(b)ではエピタキシャル層15が、図5(a)および図5(b)ではシリコン基板16およびエピタキシャル層18が該当する。
本発明は、CCD(Charge Coupled Device)型の固体撮像装置にも好適に適用することができる。
1 固体撮像装置
2 固体撮像装置
10 半導体基板
12 P+型不純物拡散層
14 P+型シリコン基板
15 エピタキシャル層
16 シリコン基板
17 エピタキシャル層
18 エピタキシャル層
20 半導体層
30 受光部
50 MOSFET
52 N型不純物拡散層
54 ゲート電極
60 配線層
90 指
92 指紋
L1 光源からの光
L2 透過光
S1 表面
S2 裏面
2 固体撮像装置
10 半導体基板
12 P+型不純物拡散層
14 P+型シリコン基板
15 エピタキシャル層
16 シリコン基板
17 エピタキシャル層
18 エピタキシャル層
20 半導体層
30 受光部
50 MOSFET
52 N型不純物拡散層
54 ゲート電極
60 配線層
90 指
92 指紋
L1 光源からの光
L2 透過光
S1 表面
S2 裏面
本発明による固体撮像装置は、半導体基板の裏面に入射した光を光電変換することにより被撮像体を撮像する固体撮像装置であって、上記半導体基板の全体を構成し、第1の比抵抗をもつ第1の半導体層と、上記半導体基板の表面上に設けられ、上記第1の比抵抗よりも大きな第2の比抵抗をもつ第2の半導体層と、上記第2の半導体層中に設けられ、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける受光部と、を備え、上記第1の比抵抗は、0.1Ωcm以下であり、上記第2の比抵抗は、5Ωcm以上100Ωcm以下であることを特徴とする。
また、本発明による固体撮像装置は、半導体基板の裏面に入射した光を光電変換することにより被撮像体を撮像する固体撮像装置であって、上記半導体基板の一部を構成し、第1の比抵抗をもつ第1の半導体層と、上記半導体基板の表面上に設けられ、上記第1の比抵抗よりも大きな第2の比抵抗をもつ第2の半導体層と、上記第2の半導体層中に設けられ、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける受光部と、を備え、上記第1の比抵抗は、0.1Ωcm以下であり、上記第2の比抵抗は、5Ωcm以上100Ωcm以下であり、上記第1の半導体層は、上記半導体基板の他の部分よりも不純物濃度が高いことを特徴とする。
また、本発明による固体撮像装置は、半導体基板の裏面に入射した光を光電変換することにより被撮像体を撮像する固体撮像装置であって、上記半導体基板の一部を構成し、第1の比抵抗をもつ第1の半導体層と、上記半導体基板の表面上に設けられ、上記第1の比抵抗よりも大きな第2の比抵抗をもつ第2の半導体層と、上記第2の半導体層中に設けられ、上記光電変換により生じた信号電荷を受ける受光部と、を備え、上記第1の比抵抗は、0.1Ωcm以下であり、上記第2の比抵抗は、5Ωcm以上100Ωcm以下であり、上記第1の半導体層は、上記半導体基板の他の部分よりも不純物濃度が高いことを特徴とする。
Claims (12)
- 半導体基板の裏面に入射した光を光電変換することにより被撮像体を撮像する固体撮像装置であって、
前記半導体基板の一部または全体を構成し、第1の比抵抗をもつ第1の半導体層と、
前記半導体基板の表面上に設けられ、前記第1の比抵抗よりも大きな第2の比抵抗をもつ第2の半導体層と、
前記第2の半導体層中に設けられ、前記光電変換により生じた信号電荷を受ける受光部と、
を備えることを特徴とする固体撮像装置。 - 請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記第1の半導体層の前記第2の半導体層側の面と前記半導体基板の前記裏面との間の距離は、前記光の吸収長以下である固体撮像装置。 - 請求項1または2に記載の固体撮像装置において、
前記第1の半導体層は、前記半導体基板の全体を構成している固体撮像装置。 - 請求項1または2に記載の固体撮像装置において、
前記第1の半導体層は、前記半導体基板の一部を構成している固体撮像装置。 - 請求項4に記載の固体撮像装置において、
前記第1の半導体層は、前記半導体基板の前記裏面側の表層に形成された不純物拡散層である固体撮像装置。 - 請求項4に記載の固体撮像装置において、
前記半導体基板は、前記第1の半導体層に相当するシリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられたエピタキシャル層と、を含んでいる固体撮像装置。 - 請求項4に記載の固体撮像装置において、
前記半導体基板は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられ、前記第1の半導体層に相当するエピタキシャル層とを含んでいる固体撮像装置。 - 請求項1乃至7いずれかに記載の固体撮像装置において、
前記半導体基板には、所定の固定電位が与えられる固体撮像装置。 - 請求項8に記載の固体撮像装置において、
前記固定電位は、グランド電位である固体撮像装置。 - 請求項1乃至9いずれかに記載の固体撮像装置において、
前記第2の半導体層は、エピタキシャル層である固体撮像装置。 - 請求項1乃至10いずれかに記載の固体撮像装置において、
前記第1の比抵抗は、0.1Ωcm以下である固体撮像装置。 - 請求項1乃至11いずれかに記載の固体撮像装置において、
前記第2の比抵抗は、5Ωcm以上100Ωcm以下である固体撮像装置。
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