JP2012142340A - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高出力特性を有すると共に、優れた充放電サイクル特性を有するリチウムイオンキャパシタを提供すること。
【解決手段】リチウムイオンキャパシタは、負極電極と、正極電極と、電解液とを備え、当該負極電極および正極電極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極電極および正極電極の少なくとも一方にドーピングされるリチウムイオンキャパシタにおいて、前記電解液が、イオン液体、リチウム塩よりなる支持電解質および有機溶媒を含有し、当該支持電解質を構成するリチウム塩中のリチウムイオンに対する当該イオン液体のカチオンのモル比が2〜120%であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオンキャパシタに関し、更に詳しくはイオン液体を含有する電解液を用いたリチウムイオンキャパシタに関する。
近年、リチウム二次電池などのリチウムを用いた蓄電デバイスにおいては、電解液として、イオン液体(常温溶融塩)を用いることが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特許文献1には、リチウム二次電池において、例えば電池容器の破損や内部短絡による引火・爆発などを回避し、高い安全性を得ることを目的として、揮発性がなく、難燃性のイオン液体を電解液として用いることが提案されている。
また、特許文献2には、リチウムイオン電池において、電解液として、ピペリジウム塩類およびピロリジウム塩類などのイオン液体を用いると共に、負極電極を構成する負極活物質として、イオン液体の含浸性を向上させることを目的としてシランカップリング剤などによって表面処理した炭素材料よりなるものを組み合わせて用いることが提案されている。このようなリチウムイオン電池によれば、電解液としてイオン液体を用いることによって高い安全性が得られると共に、高い充放電サイクル特性が得られるとされている。
しかしながら、リチウムイオンキャパシタのような高出力特性が要求されている蓄電デバイスにおいては、単に電解液としてイオン液体を用いるのみでは、高出力特性を得るために必要とされる十分なイオン伝導性を確保することが困難である。
一方、電解液として有機溶媒にリチウム塩よりなる支持電解質を溶解した有機電解液を用いたリチウムイオンキャパシタにおいては、放電時の正極電位が低くなった場合に、正極電極上において、リチウムイオンと溶媒和している有機溶媒の溶媒分子が還元されることに起因して当該正極電極に還元皮膜が形成されることから、充放電サイクルを繰り返すことによって還元被膜によって正極電極の細孔が塞がれ、充放電サイクル特性が劣化してしまう、という問題がある。
特開2007−109591号公報 特開2010−170878号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、高出力特性を有すると共に、優れた充放電サイクル特性を有するリチウムイオンキャパシタを提供することにある。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、負極電極と、正極電極と、電解液とを備え、当該負極電極および正極電極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極電極および正極電極の少なくとも一方にドーピングされるリチウムイオンキャパシタにおいて、
前記電解液が、イオン液体、リチウム塩よりなる支持電解質および有機溶媒を含有し、
当該支持電解質を構成するリチウム塩中のリチウムイオンに対する当該イオン液体のカチオンのモル比が2〜120%であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、前記イオン液体におけるカチオンが、窒素原子、リン原子または硫黄原子を含有するオニウムカチオンであることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、前記イオン液体におけるカチオンが、第4級アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンおよびスルホニウム系カチオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のオニウムカチオンであることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、前記イオン液体のカチオンが1−ブチル−1−メチルピロリジウムであることが好ましい。
本発明のリチウムイオンキャパシタにおいては、電解液として、リチウム塩よりなる支持電解質および有機溶媒と共に、特定の割合でイオン液体が含有されてなる組成のものが用いられていることから、高いイオン伝導性が得られ、しかもイオン液体は、リチウムイオンに比して有機溶媒と溶媒和しにくいものであるため、溶媒和したイオンよりも先に正極電極の表面に物理吸着しやすい。従って、正極電極にイオン液体が物理吸着した状態となることによって、放電時の正極電位が低下した場合において、正極電極上にてリチウムイオンと溶媒和している有機溶媒の溶媒分子が還元されることが阻害されることとなる。
従って、本発明のリチウムイオンキャパシタによれば、必要とされる十分なイオン伝導性を得ることができ、また、充放電サイクルを繰り返すことによっても、正極電極に還元被膜が形成されることに起因して正極電極の静電容量が低下することが抑制されてリチウムイオンキャパシタに高い静電容量維持率が得られることとなるため、高出力特性と共に、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、負極電極と、正極電極と、電解液とを備えており、当該負極電極および正極電極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極電極および正極電極の少なくとも一方にドーピングされる、すなわち吸蔵、担持されるものであり、電解液が、リチウムイオン塩よりなる支持電解質、イオン液体および有機溶媒を含有することを特徴とするものである。
ここに、本明細書中において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
<イオン液体>
本発明のリチウムイオンキャパシタの電解液を構成するイオン液体は、カチオンと、アニオンとが組み合わされてなり、常温(25℃)で液体状態にある塩(常温溶融塩)である。
ここに、イオン液体が揮発性がなくて難燃性を有するものであることから、このイオン液体が電解液に含有されてなる本発明のリチウムイオンキャパシタは安全性が高められたものとなる。
本発明のリチウムイオンキャパシタに係るイオン液体は、25℃における粘度が200mPa・sec以下であることが好ましい。
イオン液体の粘度が上記の範囲内にあることにより、イオン液体に大きなイオン伝導性が得られることから、リチウムイオンキャパシタの内部抵抗が小さくなる傾向にある。
(カチオン)
本発明において電解液を構成するイオン液体におけるカチオンは、窒素原子、リン原子または硫黄原子を含有するオニウムカチオンであることが好ましい。
オニウムカチオンとしては、第4級アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンおよびスルホニウム系カチオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のオニウムカチオンが好ましい。これらのうちでは、低粘度性の観点から、第4級アンモニウム系カチオンが特に好ましい。
第4級アンモニウム系カチオンとしては、脂肪族アンモニウム系カチオン;ピロリジウム系カチオンおよびイミダゾリウムカチオン等の5員環化合物のアンモニウム系カチオン;ピロリジウム系カチオンおよびピリジニウム系カチオン等の6員環化合物のアンモニウム系カチオンなどが挙げられる。
脂肪族アンモニウム系カチオンとしては、例えばテトラエチルアンモニム、トリエチルメチルアンモニウム、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムなどが挙げられる。
ピロリジウム系カチオンとしては、例えば1−メチル−1−プロピルピロリジニウム、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムなどが挙げられる。
イミダゾリウム系カチオンとしては、例えば1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなどが挙げられる。
ピペリジウム系カチオンとしては、例えばN−メチル−N−プロピルピペリジウム、N−メチル−N−ブチルピペリジウムなどが挙げられる。
ピリジニウム系カチオンとしては、例えば1−エチルピリジニウム、1−ブチルピリジニウム、1−ヘキシルピリジニウムなどが挙げられる。
ホスホニウム系カチオンとしては、例えばトリブチル−n−オクチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラ−n−オクチルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウム、イソプロピルトリフェニルホスホニウム、メトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、ブチルトリフェニルホスホニウム、(1−ナフチルメチル)トリフェニルホスホニウムなどが挙げられる。
スルホニウム系カチオンとしては、例えばトリメチルスルホニウム、(2−カルボキシエチル)ジメチルスルホニウム、ジフェニル(メチル)スルホニウム、トリ−n−ブチルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、シクロプロピルジフェニルスルホニウムなどが挙げられる。
(アニオン)
本発明において電解液を構成するイオン液体におけるアニオンとしては、例えばハロゲン原子を含有するアニオンが挙げられ、特にフッ素原子を含有するアニオンが好ましい。
ハロゲン原子を含有するアニオンとしては、例えばPF6 - 、PF3 (C2 5 3 - 、PF3 (CF3 3 - 、BF4 - 、BF2 (CF)2 - 、BF3 (CF3 2 - 、AlCl4 - 、N(FSO2 2 - 、N(CF3 SO2 2 - 、N(C2 5 SO2 2 -およびCF3 SO3 - などが挙げられる。これらのうちでは、N(FSO2 2 - 、N(CF3 SO2 2 - 、N(C2 5 SO2 2 - 、CF3 SO3 - が好ましい。
ここに、ハロゲン原子を含有するアニオンにおいては、耐酸化性が得られる。
本発明に係るイオン液体としては、カチオンが第4級アンモニウム系カチオンであり、アニオンがN(FSO2 2 - 、N(CF3 SO2 2 - 、N(C2 5 SO2 2 - またはCF3 SO3 - である塩が好ましく、特に好ましくは1−ブチル−1−メチルピロリジニウムと、N(CF3 SO2 2 -(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン)との塩である。
イオン液体の電解液における含有割合は、支持電解質との関係において、支持電解質を構成するリチウム塩のリチウムイオンに対するイオン液体のカチオン成分のモル比(以下、「イオン液体カチオンモル比」ともいう。)が2〜120%の範囲とされることが必要とされ、好ましくは50〜120%である。
ここに、「支持電解質に対するイオン液体のカチオン成分のモル比(イオン液体カチオンモル比)」は、下記の数式(1)によって算出される値である。
数式(1):
イオン液体カチオンモル比(%)=[(イオン液体のカチオン成分のモル数)/(支持電解質を構成するリチウム塩のリチウムイオンのモル数)]×100
イオン液体カチオンモル比が過小である場合には、高い充放電サイクル特性が得難い。一方、イオン液体カチオンモル比が過大である場合には、負極電極に対して十分な量のリチウムイオンをドーピング(プレドーピング)することができなくなるため、高エネルギー密度で、高出力特性を有するリチウムイオンキャパシタを得難い。
また、イオン液体は、有機溶媒との関係において、有機溶媒に対する割合が0.01〜2mol/Lであることが好ましい。
有機溶媒に対するイオン液体の割合が上記の範囲内にあることにより、イオン液体によって正極電極上における還元被膜の形成を抑制することができることから、リチウムイオンキャパシタが電荷移動抵抗が小さく、充電サイクル特性が良好で、高エネルギー密度、高出力特性を有するものとなる。
なお、イオン液体として、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムと、N(CF3 SO2 2 -(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン)との塩を用いる場合においては、有機溶媒に対するイオン液体の割合が1〜60質量%であることが好ましい。
更に、イオン液体は、リチウムイオンキャパシタの静電容量との関係において、リチウムイオンキャパシタの静電容量1Fあたりのイオン液体量が0.001〜0.2mmolであることが好ましい。
ここに、「リチウムイオンキャパシタの静電容量」とは、リチウムイオンキャパシタの放電カーブの傾きを示し、単位はF(ファラッド)である。
<有機溶媒>
本発明のリチウムイオンキャパシタの電解液を構成する有機溶媒としては、ニトリル化合物、エーテル化合物、カーボネート化合物、フラン化合物およびラクトン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることが好ましく、特にカーボネート化合物が好ましい。
有機溶媒としてカーボネート化合物が特に好ましいとされる理由は、比較的広い電気窓が得られ、またリチウムイオンキャパシタの電解液用の溶媒として化学的および電気的に比較的安定であるためである。
ニトリル化合物としては、例えばアセトニトリル、アミノアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリルなどが挙げられる。
エーテル化合物としては、例えばジメトキシエタン、ジエチルエーテル、トリメトキシメタンなどが挙げられる。
カーボネート化合物としては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
フラン化合物としては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
<支持電解質>
本発明のリチウムイオンキャパシタの電解液を構成する支持電解質としては、リチウム塩が用いられ、当該リチウム塩としては、電解液を構成する有機溶媒に溶解するものであれば限定されることがなく種々のものを用いることができる。
また、支持電解質としては、1種類のリチウム塩を単独で用いることもできるが、2種類以上のリチウム塩を組み合わせて用いることが好ましい。その理由は、2種類以上のリチウム塩を組み合わせて用いることによって電気伝導度(イオン伝導性)が高くなる傾向にあるからである。
支持電解質として用いられるリチウム塩の具体例としては、例えばLiN(SO2 CF3 2 、LiN(SO2 F)2 、LiPF6 、LiBF4 、LiB(C2 4 2 、LiClO4 、LiSO3 CF3 などが挙げられる。
ここに、イオン液体として1−ブチル−1−メチルピロリジウムと、N(CF3 SO2 2 -(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン)との塩を用いる場合においては、支持電解質として、LiPF6 とLiN(SO2 CF3 2 とを組み合わせて用いることが好ましい。
支持電解質の含有割合は、有機溶媒に対して、0.1〜5mol/Lであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜2mol/Lである。
支持電解質の含有割合が上記の範囲にあることにより、電解液が静電容量と導電性とのバランスが取れたものとなる。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、前述した電解液と共に、正極電極、負極電極およびセパレータを備えてなるリチウムイオンキャパシタ要素が外装容器に収容されてなる構成を有するものである。
このような構成のリチウムイオンキャパシタは、外装容器内に、正極電極および負極電極がセパレータを介して重畳されてなり、負極電極にリチウムイオン供給源が電気的に接続されてなるリチウムイオンキャパシタ要素を挿入すると共に、電解液を充填することによって得られる。
そして、このようにして得られたリチウムイオンキャパシタにおいては、適宜の期間放置されることにより、負極電極および/または正極電極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオン供給源から放出されたリチウムイオンが負極電極および/または正極電極にドーピングされる。
リチウムイオンキャパシタにおいては、リチウムイオンが負極電極にドーピングされる。具体的には、負極電極を構成する負極活物質中にプレドープされることによって、負極電極の電位が下げられ、これにより、リチウムイオンキャパシタに高いエネルギー密度が得られることとなる。
ここに、本発明のリチウムイオンキャパシタを構成するリチウムイオンキャパシタ要素は、正極電極および負極電極がセパレータを介して重畳されてなる構成のものであるが、具体的には、正極電極および負極電極がセパレータを介して交互に積層されてなる積層型構造、または正極電極および負極電極がセパレータを介して積層された状態で捲回されてなる捲回型構造のいずれかの構造を有するものである。
<正極電極および負極電極>
本発明のリチウムイオンキャパシタに係る正極電極は、集電体上に、必要に応じて導電層を介して正極活物質を含有する正極層が形成されてなる構成のものである。
このような構成の正極電極は、例えば、正極活物質、バインダおよび必要に応じて用いられる導電剤を、水系媒体中に分散させてスラリーとし、当該スラリーを集電体上、あるいは必要に応じて集電体に形成された導電層上に塗布して正極層を形成する方法や、上記のスラリーを予めシート状に成形し、これを好ましくは導電性接着剤を使用して集電体に貼り付けることによって正極層を形成する方法などにより製造することができる。
また、本発明のリチウムイオンキャパシタに係る負極電極は、集電体上に、必要に応じて導電層を介して負極活物質を含有する負極層が形成されてなる構成のものである。
このような構成の負極電極は、前述の正極電極と同様の手法によって製造することができる。すなわち、例えば、負極活物質、バインダ、および必要に応じて導電剤を、水系媒体中に分散させてスラリーとし、当該スラリーを集電体上、あるいは必要に応じて集電体に形成された導電層上に塗布して負極を形成する方法や、上記のスラリーを予めシート状に成形し、これを好ましくは導電性接着剤を使用して集電体に貼り付けることによって負極層を形成する方法などにより製造することができる。
(正極活物質)
本発明のリチウムイオンキャパシタに係る正極活物質は、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持することのできる物質である。
このような正極活物質としては、種々のものが挙げられるが、活性炭、および芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(PAS)などが好ましく、特に活性炭が好ましい。
ここに、PASは、アモルファス構造を有することから、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨潤・収縮といった構造変化を伴わず、このために得られるリチウムイオンキャパシタが優れた充放電サイクル特性を有するものとなる。また、リチウムイオンの挿入・脱離に対して等方的な分子構造(高次構造)であるために、得られるリチウムイオンキャパシタが急速充電および急速放電の実現されたものとなる。
PASの前駆体である芳香族系縮合ポリマーは、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物であり、芳香族炭化水素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール類;下記一般式(1)で表されるメチレン・ビスフェノール類;ヒドロキシ・ビフェニル類;ヒドロキシナフタレン類などが挙げられる。

〔上記一般式(1)中、xおよびyは、それぞれ独立に0〜2の整数である。〕
また、正極活物質としては、広い粒度分布を有するものが好ましく使用され、例えば、50%体積累積径(D50)が2μm以上であるものが好ましく、より好ましくは2〜50μm、特に好ましくは2〜20μmである。
また、正極活物質としては、平均細孔径が10nm以下であるものが好ましく、比表面積が600〜3000m2 /gであるものが好ましく、より好ましくは1300〜2500m2 /gである。
(負極活物質)
本発明のリチウムイオンキャパシタに係る負極活物質は、リチウムイオンを可逆的に担持することのできる物質である。
このような負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化炭素、ハードカーボン、コークスなどの炭素材料や、上記に正極活物質として記載したポリアセン系有機半導体(PAS)などが挙げられる。
負極活物質の具体例としては、例えばフェノール樹脂などを炭化し、必要に応じて賦活し、次いで粉砕したものが挙げられる。
また、負極活物質としては、50%体積累積径(D50)が例えば0.5〜10μmであるものが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmであり、更に好ましくは0.5〜6μmである。
また、負極活物質としては、比表面積が0.1〜2000m2 /gであるものが好ましく、より好ましくは0.1〜1000m2 /g、より好ましくは0.1〜600m2 /gである。
(導電剤)
導電剤としては、正極電極および負極電極に用いる上で特に限定はなく、例えば、天然黒鉛および人工黒鉛等の黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維および金属繊維等の導電性繊維類;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉等の金属粉末類;酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類;酸化チタン等の導電性金属酸化物;あるいはポリフェニレン誘導体等の導電性材料が挙げられる。これらは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ここに、天然黒鉛としては、例えば鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛および土状黒鉛などが挙げられる。
導電剤の配合量は、スラリー中において、1〜80質量%であることが好ましく、更に好ましくは2〜30質量%である。
(バインダ)
バインダとしては、正極電極および負極電極に用いる上で特に限定はなく、例えばデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン・ブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ素系アクリルなどが挙げられる。これらは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
バインダの配合量は、スラリー中において、1〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜15質量%である。
(集電体)
集電体は、正極電極および負極電極に用いる上で特に限定はなく、その形態としては、例えばフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングメタル、ラス体(例えばエキスパンドメタルなど)、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布の成形体などが挙げられる。
集電体の厚さは特に制限されず、例えば1〜500μmであることが好ましい。
集電体の材質としては、例えばステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、焼成炭素などが挙げられる。
また、集電体は、アルミニウムおよびステンレス鋼よりなる基体の表面を、例えばカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものであってもよく、更に表面を酸化処理したもの、粗面化処理によって表面に凹凸を形成したものであってもよい。
集電体としてパンチングメタルまたはエキスパンドメタルを用いる場合においては、その集電体の孔径は100〜1000μmであることが好ましく、気孔率は30〜70%とされ、好ましくは40〜60%である。
ここで、気孔率は、下記数式(2)によって算出されるものである。
数式(2):
気孔率=[1−(集電体の質量/集電体の真比重)/(集電体の見かけ体積)]×100
このような形状の集電体を用いることにより、リチウムイオン供給源から放出されるリチウムイオンが集電体の孔を通って自由に各電極間を移動することができるため、リチウムイオン供給源によるリチウムイオンのプレドープ性を好適に向上させることが可能となる。
(セパレータ)
セパレータとしては、大きなイオン透過度と共に所期の機械的強度を有する絶縁性の多孔質シート(薄膜)が用いられる。また、耐有機溶剤性および疎水性の観点からは、セルロース、セルロース/レーヨン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー、ガラス繊維およびポリエチレンよりなるシートあるいは不織布などが好適に用いられる。
セパレータを構成する多孔質シートにおいては、その孔径は、一般的に電池用として有用な範囲であればよく、例えば0.01〜10μmである。
また、セパレータの厚みは一般的な電池用の範囲であればよく、例えば15〜50μmである。
(リチウムイオン供給源)
リチウムイオン供給源は、例えばリチウム金属箔よりなるものであり、このリチウムイオン供給源を構成するリチウム金属の量は、正極電極と負極電極とが短絡した場合における正極電極の電位が2.0V以下となるように、リチウムイオンがドーピングされる量に設定することが好ましい。
また、リチウムイオン供給源は、例えばステンレス、銅などの金属製の集電体(以下、「リチウム極集電体」ともいう。)に圧着または積重されていることが好ましい。
このリチウム極集電体としては、リチウムイオン供給源を構成するリチウム金属が蒸着または圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するように多孔構造のものを用いることが好ましい。
リチウム極集電体の厚みは、10〜200μmであることが好ましく、また、リチウム極集電体に圧着されるリチウム金属の厚みは、負極電極および/または正極電極に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、100〜300μmであることが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(バインダの合成)
電磁式撹拌機を備えた内容積約6Lのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5Lおよび乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム15gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。
次いで、フッ化ビニリデン(VDF)44.2%および六フッ化プロピレン(HFP)55.8%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cm2 Gに達するまで仕込んだ。その後、重合開始剤としてのジイソプロピルパーオキシジカーボネート20質量%を含有するフロン113溶液25gを窒素ガスを使用して圧入することによって重合を開始させた。重合中は内圧が20kg/cm2 Gに維持されるようにVDF60.2%およびHFP39.8%からなる混合ガスを逐次圧入した。また、重合が進行するに従って重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同量の重合開始剤を窒素ガスを使用して圧入し、更に3時間反応を継続させた。その後、得られた反応液を冷却すると共に撹拌を停止し、未反応の単量体を放出して反応を停止させることにより、含フッ素重合体よりなる微粒子(A)を含有するラテックス(A)を得た。
得られた含フッ素重合体よりなる微粒子(A)の平均粒子径は200nmであった。また、19F−NMR測定によって求めた各単量体の質量組成比(VDF/HFP)は85/15であった。
容量7Lのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、得られたラテックス(A)11質量部(固形分換算)、重合性乳化剤「アデカリアソープSR1025」(旭電化社製)0.1質量部、メタクリル酸メチル10質量部、アクリル酸0.5質量部および水170質量部を仕込み、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3質量部および亜硫酸ナトリウム0.1質量部を投入し、50℃にて2時間反応させた。
一方、別の容器に水80質量部、「アデカリアソープSR1025」(旭電化社製)0.5質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル60質量部、メタクリル酸メチル19質量部、スチレン10質量部およびアクリル酸0.5質量部を投入して混合し、均一に乳化することによって乳化液を得た。この乳化液を先のセパラブルフラスコに投入し、50℃で3時間、更に80℃で1時間反応させた。その後、冷却して反応を停止させ、水酸化ナトリウム水溶液によってpH7に調節し、消泡剤として「ノプコNXZ」(サンノプコ社製)0.05質量部を投入することにより、フッ素系アクリルよりなるバインダ粒子(1)が含有された水系分散体(1)を得た。
得られた水系分散体(1)中のバインダ粒子(1)の数平均粒子径は350nmであった。
(導電塗料の調製)
炭素粉末(50%体積累積径(D50)4.5μm)95質量部およびカルボキシメチルセルロース5質量部にイオン交換水を加えて混合することにより、固形分濃度30%のスラリー(以下、「導電塗料(1)」ともいう。)を作製した。
(正極塗料の調製)
活性炭(比表面積2030m2 /g、50%体積累積径(D50)4μmのフェノール系活性炭)87質量部、アセチレンブラック粉体4質量部、水系分散体(1)(固形換算分)6質量部およびカルボキシメチルセルロース3質量部にイオン交換水を加えて混合することにより、固形分濃度35%のスラリー(以下、「正極塗料(1)」ともいう。)を作製した。
(正極の作製)
気孔率47%、厚さ38μm、開口面積0.79mm2 の孔を有するアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる正極集電体の両面に導電塗料(1)を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅が130mm、塗工速度が8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を20μmに設定して両面塗工した後、200℃で24時間の条件で減圧乾燥させることにより、正極集電体の表裏面に導電層を形成した。
次いで、正極集電体の表裏面に形成された導電層上に正極塗料(1)を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工速度8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を150μmに設定して両面塗工した後、200℃で24時間の条件で減圧乾燥させることにより、導電層上に電極層(正極電極層)を形成した。
このようにして得られた、正極集電体の一部分に導電層および電極層(正極電極層)が積層されてなる材料を、導電層および電極層が積層されてなる部分(以下、正極電極シートについて「塗工部」ともいう。)が98mm×126mm、いずれの層も形成されてない部分(以下、正極電極シートについて「未塗工部」ともいう。)が98mm×15mmとなるように、98mm×141mmの大きさに切断することにより、正極集電体の両面に電極層(正極電極層)が形成されてなる正極電極シートを作製した。
(負極塗料の調製)
カーボン粉末(比表面積16m2 /g、平均粒径4μm)87質量部、アセチレンブラック粉体4質量部、SBR系バインダー(JSR製「TRD2001」)6質量部およびカルボキシメチルセルロース3質量部にイオン交換水を加えて混合することにより、固形分濃度35%のスラリー(以下、「負極塗料(1)」ともいう。)を作製した。
(負極の作製)
気孔率57%、厚さ32μm、開口面積0.79mm2 の孔を有する銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体の両面に、負極塗料(1)を、縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、塗工幅が130mm、塗工速度が8m/minの塗工条件により、両面合わせた塗布厚みの目標値を80μmに設定して両面塗工した後、200℃で24時間の条件で減圧乾燥させることにより、負極集電体の表裏面に電極層(負極電極層)を形成した。
このようにして得られた、負極集電体の一部分に電極層(負極電極層)が形成されてなる材料を、電極層が形成されてなる部分(以下、負極電極シートについて「塗工部」ともいう。)が100mm×128mm、電極層が形成されてない部分(以下、負極電極シートについて「未塗工部」ともいう。)が100mm×15mmになるように、100×143mmの大きさに切断することにより、負極集電体の両面に電極層(負極電極層)が形成されてなる負極電極シートを作製した。
(セパレータの作製)
厚み50μm、透気度100secのセルロース/レーヨン複合材料からなるフィルムを102mm×130mmに切断してセパレータを作製した。
(リチウムイオンキャパシタ要素の作製)
先ず、正極電極シート10枚、負極電極シート11枚、セパレータ22枚を用意し、正極電極シートと負極電極シートとを、それぞれの塗工部は重なるが、それぞれの未塗工部は反対側になり重ならないよう、セパレータ、負極電極シート、セパレータ、正極電極シートの順で積重し、積重体の4辺をテープにより固定することにより、電極積層ユニットを作製した。
次いで、厚み100μmのリチウム極を箔状に切断し、厚さ40μmの銅網に圧着することにより、リチウムイオン供給源を作製し、このリチウムイオン供給源を電極積層ユニットの上側に負極電極シートと対向するよう配置した。
そして、作製した電極積層ユニットの10枚の正極電極シートの各々の未塗工部に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製の正極電極端子を重ねて溶接した。一方、電極積層ユニットの11枚の負極電極シートの各々の未塗工部およびリチウムイオン供給源の各々に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmの銅製の負極電極端子を重ねて溶接することにより、リチウムイオンキャパシタ要素を作製した。
(電解液の調製)
有機溶媒としてのエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを3:1:4の割合(体積)で配合した有機溶媒と、支持電解質としてのLiPF6 (ヘキサフルオロリン酸リチウム;1.2mol/L)とよりなる混合液(以下、「第1混合液」ともいう。)、およびイオン液体としての25℃における粘度が85mPa・secである1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドと、支持電解質としてのLiN(SO2 CF3 2 (リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド;1.2mol/L)とよりなる混合液(以下、「第2混合液」ともいう。)を用意し、この第1混合液と第2混合液とを、支持電解質(LiPF6 およびLiN(SO2 CF3 2 )におけるリチウムイオンに対するイオン液体(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)におけるカチオン(1−ブチル−1−メチルピロリジニウム)のモル比(イオン液体カチオンモル比)が2%となるように混合し、有機溶剤およびイオン液体の混合体中に支持電解質を溶解することにより、電解液を調製した。
(ラミネート外装リチウムイオンキャパシタの作製)
ポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されてなり、寸法が125mm(縦幅)×160mm(横幅)×0.15mm(厚み)で、中央部分に105mm(縦幅)×145mm(横幅)の絞り加工が施された一方の外装フィルム、並びにポリプロピレン層、アルミニウム層およびナイロン層が積層されてなり、寸法が125mm(縦幅)×160mm(横幅)×0.15mm(厚み)の他方の外装フィルムを作製した。
次いで、他方の外装フィルム上における収容部となる位置に、リチウムイオンキャパシタ要素を、その正極電極端子および負極電極端子の各々が、他方の外装フィルムの端部から外方に突出するよう配置し、このリチウムイオンキャパシタ要素に一方の外装フィルムを重ね合わせ、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における3辺(正極電極端子および負極電極端子が突出する2辺を含む)を熱融着した。
次いで、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの間に、電解液を注入した後、一方の外装フィルムおよび他方の外装フィルムの外周縁部における残りの一辺を熱融着した。
以上のようにして、ラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「リチウムイオンキャパシタ(1)」ともいう。)を合計3個作製した。
作製した3個のリチウムイオンキャパシタ(1)において、東洋システム社製の充放電試験装置(型番:TOSCAT3100)を用い、負極電位を測定しながら放電を行うことによってドーピング(プレドーピング)を行ったところ、設定したプレドープ量において、負極電位が所期の値まで低下した。このことから、所期の量のリチウムイオンが負極電極にドーピングされたと判断した。
(充放電サイクル試験)
作製した3個のリチウムイオンキャパシタ(1)について、各々、東洋システム社製の充放電試験装置(型番:TOSCAT3100)を用い、電圧範囲2.2V〜3.8Vの範囲において定電流充放電を1,000サイクル行なった後、静電容量を測定し、下記の数式(3)によって静電容量維持率を算出することによって充放電サイクル特性を確認した。結果を表1に示す。
数式(3):
静電容量維持率(%)=[(1000サイクル後の静電容量〔F〕)/100〔F〕]×100
<実施例2>
実施例1において、電解液の調製の過程にて、第1混合液と第2混合液とを、第1混合液95質量%、第2混合液5質量%の配合率で混合し、第1混合液に係る支持電解質(LiPF6 )のリチウムイオン対する第2混合液のモル比を10%とすることにより、支持電解質(LiPF6 およびLiN(SO2 CF3 2 )におけるリチウムイオンに対するイオン液体(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)におけるカチオン(1−ブチル−1−メチルピロリジニウム)のモル比(イオン液体カチオンモル比)を10%したこと以外は当該実施例1と同様にしてラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「リチウムイオンキャパシタ(2)」ともいう。)を合計3個作製し、得られた3個のリチウムイオンキャパシタ(2)の各々について実施例1と同様の手法によってプレドーピング操作を行った後、充放電サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、電解液の調製の過程にて、第1混合液と第2混合液とを、第1混合液85質量%、第2混合液15質量%の配合率で混合することにより、支持電解質(LiPF6 およびLiN(SO2 CF3 2 )におけるリチウムイオンに対するイオン液体(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)におけるカチオン(1−ブチル−1−メチルピロリジニウム)のモル比(イオン液体カチオンモル比)を29%としたこと以外は当該実施例1と同様にしてラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「リチウムイオンキャパシタ(3)」ともいう。)を合計3個作製し、得られた3個のリチウムイオンキャパシタ(3)の各々について実施例1と同様の手法によってプレドーピング操作を行った後、充放電サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、電解液の調製の過程にて、第1混合液と第2混合液とを、第1混合液70質量%、第2混合液30質量%の配合率で混合することにより、支持電解質(LiPF6 およびLiN(SO2 CF3 2 )におけるリチウムイオンに対するイオン液体(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)におけるカチオン(1−ブチル−1−メチルピロリジニウム)のモル比(イオン液体カチオンモル比)を57%としたこと以外は当該実施例1と同様にしてラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「リチウムイオンキャパシタ(4)」ともいう。)を合計3個作製し、得られた3個のリチウムイオンキャパシタ(4)の各々について実施例1と同様の手法によってプレドーピング操作を行った後、充放電サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、電解液の調製の過程にて、第1混合液と第2混合液とを、第1混合液40質量%、第2混合液60質量%の配合率で混合することにより、支持電解質(LiPF6 およびLiN(SO2 CF3 2 )におけるリチウムイオンに対するイオン液体(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)におけるカチオン(1−ブチル−1−メチルピロリジニウム)のモル比(イオン液体カチオンモル比)を115%としたこと以外は当該実施例1と同様にしてラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「リチウムイオンキャパシタ(5)」ともいう。)を合計3個作製し、得られた3個のリチウムイオンキャパシタ(5)の各々について実施例1と同様の手法によってプレドーピング操作を行った後、充放電サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、電解液の調製の過程にて、イオン液体を用いなかったこと、すなわち第1混合液のみを電解液として用いたこと以外は当該実施例1と同様にしてラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「比較用リチウムイオンキャパシタ(1)」ともいう。)を合計3個作製し、得られた3個の比較用リチウムイオンキャパシタ(1)の各々について実施例1と同様の手法によってプレドーピング操作を行った後、充放電サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、電解液の調製の過程にて、有機溶媒を用いなかったこと、すなわち第2混合液のみを電解質として用いることにより、支持電解質(LiPF6)におけるリチウムイオンに対するイオン液体(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド)におけるカチオン成分(1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン)のモル比(イオン液体カチオンモル比)を225%としたこと以外は当該実施例1と同様にして比較用のラミネート外装リチウムイオンキャパシタ(以下、「比較用リチウムイオンキャパシタ(2)」ともいう。)を合計3個作製し、得られた3個の比較用リチウムイオンキャパシタ(2)の各々について実施例1と同様の手法によってプレドーピング操作を行った後、充放電サイクル試験を行った。結果を表1に示す。
以上の表1の結果から、実施例1〜実施例5に係るリチウムイオンキャパシタにおいては、静電容量維持率が大きいことから、高出力特性および優れた充放電サイクル特性が得られることが確認された。
一方、比較例1に係るリチウムイオンキャパシタは、電解液にイオン液体が含有されていないことから、静電容量維持率が小さいものであることが明らかである。比較例2に係るリチウムイオンキャパシタは、電解液に有機溶媒が含有されておらず、支持電解質とイオン液体とのみよりなり、しかも支持電解質のリチウムイオンに対するイオン液体のカチオンのモル比が225%と過大であることから、負極電極に対してリチウムイオンのドーピング(プレドープ)をすることができず、よってリチウムイオンキャパシタとして機能することのできないものであるため、リチウムイオンキャパシタの特性の測定(充放電サイクル試験)を行うことができなかった。
ここに、比較例2においては、作製した3個の比較用リチウムイオンキャパシタ(2)が、設定したプレドープ量を超えたにも拘わらず、負極電位が所期の値まで低下しなかったことから、プレドーピングをすることができない、と判断した。

Claims (4)

  1. 負極電極と、正極電極と、電解液とを備え、当該負極電極および正極電極の少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極電極および正極電極の少なくとも一方にドーピングされるリチウムイオンキャパシタにおいて、
    前記電解液が、イオン液体、リチウム塩よりなる支持電解質および有機溶媒を含有し、
    当該支持電解質を構成するリチウム塩中のリチウムイオンに対する当該イオン液体のカチオンのモル比が2〜120%であることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  2. 前記イオン液体におけるカチオンが、窒素原子、リン原子または硫黄原子を含有するオニウムカチオンであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. 前記イオン液体におけるカチオンが、第4級アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンおよびスルホニウム系カチオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のオニウムカチオンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  4. 前記イオン液体のカチオンが1−ブチル−1−メチルピロリジウムであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリチウムイオンキャパシタ。
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