JP2012141379A - 画像検索システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ばらつきによる相関信号の変化を補正することによって、より正確に画像情報を検索する画像検索システムを提供する。
【解決手段】光相関演算装置2は、複数の画像情報に基づいて形成された複数の第1ホログラム、及び所定の情報に基づいて形成された複数の第2ホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体20と、検索光及びリファレンス検索光を生成する光生成手段43と、検索光及びリファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20に対して照射する光学系40と、再生されたリファレンス再生光及び再生光を検出する光検出手段53と、を有し、リファレンス再生光に基づいて、再生光の値を補正し、補正された再生光に基づいて、検索画像情報に類似する画像情報を検索する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラフィック記録媒体に格納された複数の画像情報から検索したい画像情報に類似する画像情報を検索する技術に関し、特に、ホログラムから再生された信号に基づいて特定の画像情報を検索する画像検索システムに関する。
光軸の同軸上で情報光と参照光とを干渉させて体積型(厚い)ホログラムを記録するコリニア方式のホログラフィックメモリが提案されている。また、ホログラムの干渉縞の間隔に比べて記録層の膜厚が大きい体積型ホログラムを利用し、光相関演算によって顔画像情報を検索することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された技術では、ホログラムの書き込み時(記録時)には、空間光変調器の1画素をオン状態として参照光とし、その付近に画像情報を表示して情報光とし、それらの光を対物レンズによってフーリエ変換し、記録媒体中で重ね合わせて干渉させることによって、ホログラフィックメモリにホログラムを記録する。また、光相関演算時には、記録時と同じ位置に検索したい画像情報を表示して検索光とし、検索光をホログラムに照射する。ホログラムとして記録された画像情報と検索したい画像情報とが同一又は類似していると、ホログラムからは記録時の参照光に相当する再生光が再生される。再生光の光強度は、記録された画像情報と検索したい画像情報との類似度が高いほど強い。このため、ホログラムから再生された再生光の光強度に基づいて、画像情報と検索したい画像情報との類似度を示す相関値を取得することができる。
「全光型超高速光相関による画像検索エンジン」 Optics Japan 2005 講演予稿集 pp260−261、2005年 渡邉恵理子他
前述した非特許文献1に記載された光相関演算を用いた技術では、ホログラフィック媒体、光学系、サーボ系等のハードウェアが内包するばらつきや、記録時や再生時における条件のばらつきによって、ホログラムの再生効率及びホログラムから再生される相関信号の基準(ベースライン)が上下していた。具体的なばらつきとしては、ホログラフィック記録媒体の感度、M/#(ダイナミックレンジ)に起因するばらつき、ホログラフィック記録媒体(ディスク)の反り、厚み、面ぶれ、偏心、反射率、経年劣化及び汚れ等に起因するばらつき、光学系の光量、感度、収差等に起因するばらつき、サーボ系の特性、位置ずれ、振動等に起因するばらつき、記録時と再生時との温度、湿度等の条件に起因するばらつきなどが存在する。
かかるばらつきによって、従来のホログラフィックを利用した光相関演算では、相関信号の強度がばらつき、正確に相関値を測定することが難しかった。例えば、同じ画像情報についての光相関演算(自己相関)であっても、ホログラフィック記録媒体における記録位置や記録、再生時の条件等によって再生される相関信号の強度が異なってしまうことがある。また、他の画像情報についての光相関演算(相互相関)でも、ホログラフィック記録媒体における記録位置や記録、再生時の条件等によって、相関信号が強く現れたり、弱く現れたりすることがある。また、ばらつきによって、ホログラムから再生された相関信号の基準(ベースライン)が変動するため、単純に相関信号の強度を比較するだけでは不十分であった。
図17は、従来の光相関演算において、ホログラムから再生された相関信号及び相関信号の基準(ベースライン)を示す説明図である。図17において、相関信号1503は、検索したい画像情報に基づいて生成された検索光を、複数の画像情報に基づいて形成されたホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体に照射した場合、ホログラフィック記録媒体から再生された再生光に基づいて取得された信号の波形であり、ホログラムの記録位置においてピークが現れる。縦軸は、相関信号の値を示す軸であり、横軸は、ホログラフィック記録媒体20に記録されたホログラムの記録位置を示す軸である(ホログラフィック記録媒体20の記録領域の一部を抜粋して示している)。例えば、ホログラム1501が検索したい画像情報と同じ画像情報に基づいて形成されていると、相関信号1503は、自己相関となるホログラム1501において強いピーク1504が検出され、相互相関となる他のホログラムからは弱いピークが検出される。しかし、前述した各種のばらつきによって、相関信号1503の基準となるベースライン1506が、記録位置によって上下に変動することがある。このため、例えば、相互相関となるホログラム1502の記録位置において現れたピーク値1505が、自己相関となるホログラム1501の記録位置において現れたピーク値1504を超える可能性もある。この場合、相互相関であるホログラム1502のほうが、自己相関であるホログラム1501よりも高い相関値を持つホログラムである、つまりホログラム1502に検索画像により類似する画像情報が記録されているという検索結果となってしまう。
本発明は、前述した問題に鑑みてなされたものであって、ばらつきによる相関信号の変化を補正することによって、より正確に画像情報を検索することができる画像検索システムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明の画像検索システムは、複数の画像情報から検索画像情報に類似する画像情報を検索する画像検索システムであって、情報処理装置と、前記情報処理装置と直接又はネットワークを介して接続された光相関演算装置と、を備え、
前記光相関演算装置は、前記複数の画像情報に基づいて形成された複数の第1ホログラム、及び所定の情報に基づいて形成された複数の第2ホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体と、前記検索画像情報に基づいて検索光を生成する第1の光生成手段と、前記所定の情報に基づいてリファレンス検索光を生成する第2の光生成手段と、前記検索光及び前記リファレンス検索光を前記ホログラフィック記録媒体に対して照射する光学系と、前記光学系によって前記検索光を前記ホログラフィック記録媒体に照射することにより、前記ホログラフィック記録媒体から再生された再生光を検出する第1の光検出手段と、前記光学系によって前記リファレンス検索光を前記ホログラフィック記録媒体に照射することにより、前記ホログラフィック記録媒体から再生されたリファレンス再生光を検出する第2の光検出手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記第2の光検出手段によって検出したリファレンス再生光の値に基づいて、前記再生光の値を補正し、前記補正された再生光の値に基づいて、前記検索画像情報に類似する画像情報を検索することを特徴とする。
また、前記画像検索システムにおいて、前記情報処理装置は、前記検出されたリファレンス再生光に基づいて、前記第1ホログラムの記録位置を特定し、前記特定された記録位置に基づいて、前記再生光を検出するタイミングを計算することが好ましく、さらに、前記情報処理装置が、前記特定された第1ホログラムの記録位置を示す位置情報と前記第1ホログラムを識別する情報とを対応付けた情報を備えることが好ましい。
また、前記画像検索システムにおいて、前記第2ホログラムは、前記ホログラフィック記録媒体において、複数の第1ホログラム毎に非連続的に記録されていることが好ましい。
また、前記画像検索システムにおいて、前記情報処理装置は、前記第2ホログラムから再生されたリファレンス再生光のピーク値に基づいて、各記録位置における自己相関時の理論値を算出し、前記第1ホログラムの記録位置における自己相関時の理論値に基づいて、前記第1ホログラムから再生された再生光の値を補正することが好ましい。さらに、前記情報処理装置は、前記検出されたリファレンス再生光に基づいて、各記録位置における再生光のベースラインを算出し、前記再生光のベースラインに基づいて、前記第1ホログラムから再生された再生光の値を補正することが好ましい。
また、前記画像検索システムにおいて、前記再生光を検出する第1の光検出手段と前記リファレンス再生光を検出する第2の光検出手段とが同じ光検出手段からなることが好ましい。また、前記ホログラフィック記録媒体において、前記第2ホログラムの少なくとも一つは、前記第1ホログラムが記録されている記録位置と同じ位置に、当該位置に記録された第1ホログラムとは独立して記録されていてもよい。
本発明の画像検索システムによれば、所定の情報に基づいて生成されたリファレンス検索光をホログラフィック記録媒体に照射することにより、ホログラフィック記録媒体から再生されたリファレンス再生光を検出している。ホログラフィック記録媒体には、所定の情報に基づいて形成された複数の第2ホログラムが記録されているため、リファレンス検索光によって自己相関となるリファレンス再生光が発生するので、リファレンス再生光の値から各第2ホログラムの記録位置におけるばらつきを把握することができる。さらに第2ホログラム間のばらつきの程度についても予測可能となるため、検出したリファレンス再生光の値に基づいて、再生光の値を補正し、補正された再生光の値に基づいて、前記検索画像情報に類似する画像情報を検索することで、ホログラフィック媒体、光学系及びサーボ系のばらつきの影響があったとしても、検索の精度を向上させることができる。その他の効果については、発明を実施するための形態において述べる。
本発明の第1の実施形態の画像検索システムの構成の例を示す概略構成図 本発明の第1の実施形態の光相関演算装置の構成の例を示す概略構成図 本発明の第1の実施形態のホログラムの記録処理を示すフローチャート (A)及び(B)は、第1ホログラム記録時の光生成手段における表示面及び動作、(C)及び(D)は、第2ホログラム記録時の光生成手段における表示面及び動作を説明する図 本発明の第1の実施形態の画像情報の検索処理及び相関信号の補正処理を示すフローチャート (A)及び(B)は、ホログラム検索時の光生成手段における表示面及び動作 リファレンス信号及び相関信号の波形を示す説明図 対応表の例を示す説明図 本発明の第2の実施形態の光相関演算装置の構成の例を示す概略構成図 本発明の第2の実施形態のホログラムの記録処理を示すフローチャート (A)及び(B)は、第1ホログラム記録時の光生成手段における表示面及び動作、(C)及び(D)は、第2ホログラム記録時の光生成手段における表示面及び動作を説明する図 本発明の第2の実施形態の画像情報の検索処理及び相関信号の補正処理を示すフローチャート (A)及び(B)は、ホログラム検索時の光生成手段における表示面及び動作を説明する図 リファレンス信号及び相関信号の波形を示す説明図 本発明の第2の実施形態の光相関演算装置の別の構成の例を示す概略構成図 第1の偏光と第2の偏光とを与える波長板の例を示す説明図 従来の光相関演算による相関信号を示す説明図
本発明の画像検索システムでは、特定のリファレンス情報に基づいて生成されたリファレンス情報光とリファレンス参照光とを干渉させて形成された第2ホログラムをホログラフィック記録媒体にあらかじめ記録しておき、検索時に、リファレンス情報に基づいて生成されたリファレンス検索光によって第2ホログラムを再生することにより得られるリファレンス再生光(リファレンス信号)によってばらつきを評価・判断し、かかるリファレンス信号に基づいて通常の画像情報が記録された第1ホログラムの再生光の値(相関信号)のばらつきを補正するものである。すなわち、リファレンス検索光による第2ホログラムの相関演算は、何れも自己相関であるから、リファレンス信号は、理論的には何れも相関値が最大値となり同一となるはずであるが、実際には、種々のばらつきに応じてリファレンス信号にもばらつきが生じる。このリファレンス信号のばらつきは、装置及び条件のばらつきを反映したものであり、第1ホログラムの再生光においても同様のばらつきが反映されるため、リファレンス信号のばらつきを用いて第1ホログラムの再生光を補正することができるのである。
なお、リファレンス信号は、相関演算装置を起動して最初にホログラフィック記録媒体の全面に対しリファレンス検索光を走査することで、記録媒体の全面におけるばらつきの面内分布(ばらつきマップ)を取得してもよいし、検索時に順次リファレンス光を照射してリファレンス信号を取得してもよい。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、第1ホログラムと第2ホログラムとがそれぞれ同じ方法によってホログラフィック記憶媒体の各記憶位置に独立して記録された態様である。第2ホログラムの少なくとも一部は、複数の第1ホログラム毎に非連続的(すなわち、第2ホログラムと次の第2ホログラムとの間に複数の第1ホログラムが記録されている状態)に記録される。第2ホログラムの記録位置は、周期的であってもよいし、非周期的であってもよい。以下、本発明の第1の実施形態の画像検索システムについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の画像検索システムの構成の例を示す概略構成図である。画像検索システムは、ホログラフィック記録媒体に複数の画像情報を記録し、ホログラムから再生された再生光の値(相関信号)によって、記録された画像情報から検索したい画像情報に類似する画像情報をより正確に検索するシステムである。
なお、本明細書において、「画像情報」とは、例えば、顔画像、人物画像、指紋、虹彩、手のひら静脈等のデジタルデータが含まれるが、写真や絵だけではなく、二次元に展開されたデジタル情報、例えば二次元バーコード等も含む。以下、検索したい画像情報を「検索画像情報」という。また、「相関信号」とは、検索光をホログラフィック記録媒体に照射した場合に、ホログラムから再生された再生光(記録時の参照光に相当する)の光強度に基づいて取得した信号であり、ホログラムとして記録された画像情報と検索画像情報との類似度を示す信号である。また、「リファレンス信号」とは、リファレンス検索光をホログラフィック記録媒体に照射した場合に、ホログラムから再生されたリファレンス再生光(記録時のリファレンス参照光に相当する)の光強度に基づいて取得した信号であり、相関信号を補正するために用いられる信号である。
画像検索システムは、例えば、情報処理装置1及び光相関演算装置2を備え、各装置は、直接又は通信ネットワーク5(例えば、LAN、WAN、IPネットワーク等)を介して接続される。画像検索システムは、通信ネットワーク5を介して、他の情報処理装置(コンピュータ、サーバ)、ストレージシステム、監視カメラシステム、携帯情報端末等に接続してもよい。これによって、画像検索システムは、他の情報処理装置等から検索画像情報や記録用の画像情報を取得してもよいし、検索結果を他の情報処理装置等に出力してもよい。
情報処理装置1は、少なくともホログラムから再生された再生光の値(相関信号)を補正する処理及び画像情報を検索する処理を実行する装置であり、さらに好ましくは、光相関演算装置2におけるホログラムの記録処理等を実行してもよい。情報処理装置1は、例えば、記憶装置3、CPU4、メモリ10及び図示しないインターフェースを備え、図示しないインターフェースを介して光相関演算装置2に接続される。また、情報処理装置1の各部は図示しない内部バスで接続される。情報処理装置1は、図示しない入出力装置(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を備えてもよい。記憶装置3は、例えば、ディスク装置であり、図示しない各種プログラム及び各種データを格納する。
CPU4は、各種処理を実行するプロセッサである。CPU4は、記憶装置3に格納された各種プログラムをメモリ10に格納し、メモリ10に格納された各種プログラムを実行することによって、例えば、ホログラム記録処理部11、検索・補正処理部12の処理を実現する。なお、記憶装置3又はメモリ10は、ホログラムから検出された相関信号を補正するためのマップ情報(例えば、後述する図8に示す対応表800)を格納してもよい。
ホログラム記録処理部11は、光相関演算装置2を制御し、画像情報に基づいて生成された情報光、及び参照光をホログラフィック記録媒体20に照射し、第1ホログラムを記録する。また、リファレンス情報に基づいて生成されたリファレンス情報光、及びリファレンス参照光をホログラフィック記録媒体20に照射し、第2ホログラムを記録する。なお、「第1ホログラム」とは、通常の画像情報(例えば、顔画像、人物画像、指紋、虹彩、手のひら静脈等)に基づいて形成されるホログラムである。「第2ホログラム」とは、リファレンス情報に基づいて形成されるホログラムであって、再生時における再生光の強度を補正するために利用される。また、第1ホログラム及び第2ホログラムのいずれにも共通する説明をする場合、その説明において、第1ホログラム及び第2ホログラムを総称して単に「ホログラム」と記載する。
「リファレンス情報」は、リファレンスとなる第2ホログラムを形成するための情報であり、あらかじめ設定した特定のパターンで構成される。リファレンス情報は、例えば、すべての画素値が白を示す値(例えば、RGB(255,255,255))を持つ画像情報であってもよいし、白と黒とが交互の画素値である千鳥模様であってもよい。さらには、第1の実施形態においては通常の画像情報と同じものであってもよく、要は再生時に自己相関となるようにパターンが特定されていれば足りる。ホログラム記録処理部11の処理の詳細については、図3を用いて後述する。
検索・補正処理部12は、光相関演算装置2を制御し、リファレンス情報に基づいて生成されたリファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20に照射し、ホログラフィック記録媒体20から再生されたリファレンス再生光を検出する。また、検索・補正処理部12は、検出されたリファレンス再生光の光強度に基づいて、リファレンス信号を取得する。リファレンス信号は、リファレンス再生光の光強度それ自体の波形であってもよいし、リファレンス再生光の光強度に対し所定の演算(例えば規格化、ノイズ除去処理等)をして計算したものであってもよい。リファレンス信号については、図7を用いて後述する。
また、検索・補正処理部12は、光相関演算装置2を制御し、検索画像情報に基づいて生成された検索光をホログラフィック記録媒体20に照射し、ホログラフィック記録媒体20から再生された再生光を検出する。また、検索・補正処理部12は、検出された再生光の光強度に基づいて、相関信号を取得する。相関信号は、再生光の光強度それ自体の波形であってもよいし、再生光の光強度に対し所定の演算(例えば規格化、ノイズ除去処理等)をして計算したものであってもよい。相関信号については、図7を用いて後述する。
また、検索・補正処理部12は、例えば、リファレンス信号(図7参照)に基づいて、相関信号を補正する式を取得し、取得した式によって相関信号を補正する。また、リファレンス信号に基づいて、例えば、対応表800(図8参照)を作成し、作成された対応表800に基づいて、相関信号を補正してもよい。なお、作成される対応表800については、図8を用いて後述する。そして、検索・補正処理部12は、相関信号が、あらかじめ実験等によって定められた閾値を超えた場合に、第1ホログラムとして記録された画像情報が検索画像情報と類似していると判定し、検索結果を出力する。なお、検索・補正処理部12の処理の詳細については、図5を用いて後述する。
光相関演算装置2は、光生成手段43及び光検出手段53を含む光学系40並びにホログラフィック記録媒体20を備える。そして、光相関演算装置2は、情報処理装置1の制御に基づいて、検索光をホログラフィック記録媒体20に照射し、ホログラフィック記録媒体20から再生された再生光を検出し、リファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20に照射し、ホログラフィック記録媒体20から再生されたリファレンス再生光を検出する。さらに、光相関演算装置2は、情報処理装置1の制御に基づいて、画像情報を第1ホログラムとして記録し、リファレンス情報を第2ホログラムとして記録できることが好ましい。以下、情報の記録も可能な装置について説明する。
光生成手段43は、情報処理装置1の制御に基づいて、画像情報に基づいて情報光を生成し、リファレンス情報に基づいてリファレンス情報光を生成する。また、光生成手段43は、参照光及びリファレンス参照光を生成する。一つの光生成手段43によって、情報光、リファレンス情報光、参照光及びリファレンス参照光を生成してもよいし、複数の光生成手段によって各光を別々に生成してもよい。また、情報光及びリファレンス情報光を生成する光生成手段と、参照光及びリファレンス参照光を生成する光生成手段とを設けてもよいし、情報光及び参照光を生成する光生成手段と、リファレンス情報光及びリファレンス参照光を生成する光生成手段とを設けてもよい。
さらに、光生成手段43は、検索画像情報に基づいて検索光を生成し、リファレンス情報に基づいてリファレンス検索光を生成する。一つの光生成手段によって、検索光及びリファレンス検索光を生成してもよいし、別々の光生成手段によって各光を生成してもよい。本明細書において、検索光を生成する光生成手段43を第1の光生成手段と呼び、リファレンス検索光を生成する光生成手段43を第2の光生成手段と呼ぶこともあるが、一つの光生成手段43によって検索光及びリファレンス検索光を生成する場合を含む。この場合、光生成手段43が検索画像情報に基づいて検索光を生成している時又は領域は、第1の光生成手段として機能し、リファレンス情報に基づいてリファレンス検索光を生成している時又は領域は、第2の光生成手段として機能している。当然、第1の光生成手段と第2の光生成手段を別々に設けてもよい。
光学系40は、情報光及び参照光をホログラフィック記録媒体20に照射し、ホログラフィック記録媒体20に第1ホログラムとなる干渉縞を形成する。また、リファレンス情報光及びリファレンス参照光をホログラフィック記録媒体20に照射し、ホログラフィック記録媒体20に第2ホログラムとなる干渉縞を形成する。また、検索光又はリファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20に照射し、照射することにより、ホログラフィック記録媒体20から再生した再生光又はリファレンス再生光を光検出手段53に伝達する。
光検出手段53は、ホログラフィック記録媒体20から再生された再生光及びリファレンス再生光を検出する。一つの光検出手段によって、再生光及びリファレンス再生光を検出してもよいし、別々の光検出手段によって各光を検出してもよい。本明細書において、再生光を検出する光検出手段を第1の光検出手段と呼び、リファレンス再生光を検出する光検出手段を第2の光検出手段と呼ぶこともあるが、一つの光検出手段によって再生光及びリファレンス再生光を検出する場合を含む。この場合、光検出手段53が再生光を検出している時又は領域は、第1の光検出手段として機能し、リファレンス再生光を検出している時又は領域は、第2の光検出手段として機能している。当然、第1の光検出手段と第2の光検出手段を別々に設けてもよい。
ホログラフィック記録媒体20は、ホログラムを記録する媒体であり、例えば、光ディスクを使用することができる。なお、ホログラフィック記録媒体20及び光学系40の詳細な構成については、図2を用いて後述する。図1では、情報処理装置1と光相関演算装置2とが通信ネットワーク5を介して接続されるシステムとして説明したが、情報処理装置1と光相関演算装置2とが直接接続された単体の装置として構成してもよい。また、図1では、1台の情報処理装置が図示されているが、2台以上の情報処理装置が備えられてもよい。また、光相関演算装置2は、複数の光学系40及び複数のホログラフィック記録媒体20を備え、複数のホログラフィック記録媒体20を並列的に検索することができる構成としてもよい。
図2は、光相関演算装置2の構成の例を示す説明図である。まず、ホログラフィック記録媒体20の構成について説明する。ホログラフィック記録媒体20は、表面保護層22と反射層23との間に感光材料を含有するホログラム記録層21を挟み込んだ反射型の記録媒体である。ホログラム記録層21には、情報光と参照光とを干渉させて形成されたホログラム24が記録される。ホログラム記録層21の厚さをホログラムの干渉縞の間隔に比べて大きく設計し、ホログラムをホログラム記録層21の厚み方向に立体的に記録することによって、画像情報を体積型のホログラム(厚いホログラムともいう)として記録することができる。
また、ホログラフィック記録媒体20は、アドレス層を備えてもよい。アドレス層は、ホログラム24の記録位置を特定するアドレス情報及び/又は位置合わせ(サーボ)をするサーボ情報を記録する。以下、アドレス情報とサーボ情報とを合わせて、単に「アドレス情報」という。例えば、アドレス層として反射層23を利用した場合、反射層23の表面に設けられた凹凸形状のピットを形成し、このピットをアドレス情報としてもよい。表面保護層22には、例えば、ガラス基板、樹脂基板又は樹脂のコーティング膜を利用することができる。これによって、温度変化等による収縮等を抑えることができる。反射層23には、アルミニウム等の金属材料を利用することができる。
なお、ホログラフィック記録媒体20は、図示しない記録媒体保持機構によって保持されている。記録媒体保持機構は、回転駆動装置を備え、ホログラフィック記録媒体20を回転可能に構成するのが好ましい。さらに、位置合わせ(サーボ)のため、ホログラフィック記録媒体20及び光学系40は、相対的に移動可能に構成されるのが好ましい。具体的には、記録媒体保持機構は、駆動装置を備え、駆動装置によって、ホログラフィック記録媒体20をX軸、Y軸又はZ軸方向に移動させる。ここで、X軸方向は、光軸に対して垂直な任意の方向である。Y軸方向は、光軸及びX軸方向に対して垂直な方向である。Z軸方向は、光軸と平行な方向である。なお、ホログラフィック記録媒体20を移動させるのではなく、光学系40を移動させることによって、位置合わせ(サーボ)してもよい。
記録速度及び検索速度を高めるためには、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら記録及び検索することが好ましい。特に、迅速性が求められる検索時においては、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら検索することが好ましい。ホログラムの記録処理は、逐次追加される可能性はあるが、ホログラフィック記録媒体の記録容量を上限とする有限な処理である。これに対し、画像情報の検索処理では、検索画像情報が入力された後、できるだけ早くホログラフィック記録媒体内に検索画像情報に対応するホログラムが存在するか否かを判定しなければならない。しかも、例えば、顔認証、指紋認証等のバイオメトリクス認証を利用した管理システムでは、本人確認のために、同じ検索画像情報を何度も検索する必要があり、検索が無限に実行されることがある。
このため、検索処理においてはより迅速性が求められる。この場合、ホログラフィック記録媒体20の形状としては、円盤状とすることが好ましい。なお、ホログラフィック記録媒体20は、円盤に限定されず、その他の形状、例えば矩形のカード状として回転させる構成であってもよい。さらに、ホログラフィック記録媒体20を回転させつつ、光学系40又はホログラフィック記録媒体20を半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うことができる。
次に、光学系40について説明する。光学系40は、例えば、ホログラム用光源41、ミラー42、光生成手段43、偏光ビームスプリッタ44、第1リレーレンズ45、ミラー46、第2リレーレンズ47、ビームスプリッタ48、四分の一波長板49、対物レンズ50、アパーチャー51、集光レンズ52及び、光検出手段53を備える。光学系40は、さらに、アドレス用レーザー60、ビームスプリッタ61、ミラー62及びアドレス光検出器63を備えてもよい。なお、図2において、ホログラムを記録するため、又は検索するためにホログラフィック記録媒体に照射される光(情報光、参照光、リファレンス情報光、リファレンス参照光、検索光及びリファレンス検索光)の光路は点線で示される。また、検索時において、ホログラムから再生した再生光の光路は、一点鎖線で示される。アドレス光の光路は、二点鎖線で示される。
ホログラム用光源41は、第1ホログラムを記録するための情報光及び参照光、第2ホログラムを記録するためのリファレンス情報光及びリファレンス参照光、画像情報を検索するための検索光、及びリファレンス検索光を生成する光源である。以下、図2の説明において、情報光、参照光、検索光と記載された場合は、それぞれ、リファレンス情報光、リファレンス参照光、リファレンス検索光を含む。
ホログラム用光源41には、例えば、断続的にレーザー光を出す高出力のパルスレーザーが使用される。パルスレーザーは、複数の波長で位相をそろえて同時に発振させるモード同期法及びQスイッチ法によって、瞬間的に非常に強いレーザーを出力することができる。ホログラム用光源41のパルスレーザーとしては、例えば、YAGレーザー等の固体レーザー、及びHe−Neレーザー等の気体レーザーが好ましい。ホログラム用光源41では、ホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21内の感光材料が感度を示す波長の光が選択される。
ここで、ホログラム用光源41として高出力のパルスレーザーを使用すると、瞬間的に照射される高出力の情報光及び参照光によってホログラムが記録される。このため、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら複数のホログラムを記録することができる。すなわち、回転するホログラフィック記録媒体20に対し、パルス状の情報光及び参照光を照射すると、最初のパルスの情報光及び参照光は、回転するホログラフィック記録媒体20の所定の位置に瞬間的に照射され、最初のホログラムが記録される。次のパルスの情報光及び参照光は、回転によって、最初のホログラムから移動したホログラフィック記録媒体20の別の位置に瞬間的に照射され、次のホログラムが記録される。そして、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら光学系40を回転の中心から半径方向に連続的に移動させることにより、複数のホログラムを螺旋状に配列させて記録することができ、ホログラフィック記録媒体20の全面にホログラムを比較的高速で記録することができる。なお、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら光学系40を回転の中心から半径方向に段階的に移動させれば、複数のホログラムを同心円状に配列させて記録することができる。
また、ホログラムを記録するための光源と画像情報を検索するための光源とをそれぞれ別に設けてもよい。ホログラムを記録するための光源は、高出力のパルスレーザーである必要があるが、画像情報を検索するための光源は、検索光の光強度が記録時の情報光及び参照光に比べて弱くてもよいので、例えば、CWレーザー(Continuous Wave LASER)であってもよい。
CWレーザーは、パルスレーザーと比べると瞬間的なパワーは低いが、一定の強度の光を照射し続けることができ、また、小型、軽量かつ安価である。記録用の光源とは別に検索用の光源を設ける場合、検索用の光源には、ホログラム記録層21内に記録されたホログラムと干渉する波長の光を持つものを使用し、好ましくは記録用光源からの光の波長と同じ波長の光を持つものを選択するのがよい。なお、画像情報を記録せず、検索するだけの画像検索システムにおいては、画像情報を検索するための光源としてCWレーザーだけを設ければよい。
なお、検索用の光源としてCWレーザーを使用すると、検索光を照射しながらホログラフィック記録媒体20を回転させることによって、円周方向に配列して記録された複数のホログラムに対し、連続的に検索光を照射することができる。このため、各ホログラムからの再生光の光強度も連続的に検出できるので、ホログラフィック記録媒体20の回転速度を速くすることができ、さらに検索速度(画像情報の転送速度)も速くすることができる。そして、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら光学系40を回転の中心から半径方向に連続的又は段階的に移動させることにより、ホログラフィック記録媒体20の全面に記録された複数のホログラムを高速で検索することができる。一方、検索用の光源としてパルスレーザーを使用した場合には、各ホログラムが検索光の照射位置を通過するタイミングとパルスレーザーの周波数とを同期させる必要があり、回転速度の制限となり、また照射位置ずれが誤差となり、信頼性が低下する。
光生成手段43は、例えば、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)であって、複数の画素を有し、各画素毎に光の属性を変化させることによって、光を空間的に変調する。光生成手段43には、例えば、液晶表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用することができる。ここでは、光生成手段43にDMDを用いている。このため、ミラー42は、ホログラム用光源41から照射された光を光生成手段43に向けて反射させる。
光生成手段43は、第1ホログラム記録時において、表示面の一部の領域に、画像情報に基づいて生成された記録用の二次元パターン情報を表示し、記録用の二次元パターン情報が表示された領域に照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによって情報光を生成し、他の一部の領域によって参照光を生成する。また、光生成手段43は、検索時において、表示面のその一部の表示領域に、検索画像情報に基づいて生成された検索用の二次元パターン情報を表示し、検索用の二次元パターン情報が表示された領域に照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによって検索光を生成する。
さらに、光生成手段43は、第2ホログラム記録時において、表示面の一部の領域に、リファレンス情報に基づいて生成されたリファレンス用の二次元パターンを表示し、リファレンス用の二次元パターン情報が表示された領域に照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによってリファレンス情報光を生成し、他の一部の領域によってリファレンス参照光を生成する。また、光生成手段43は、検索時において、表示面の一部の領域に、リファレンス情報に基づいて生成された検索用の二次元パターンを表示し、リファレンス検索光を生成する。なお、各光を生成する光生成手段を別々に設けてもよい。
第1の実施形態において、第2ホログラム記録時にリファレンス情報に基づいて生成されるリファレンス用の二次元パターン情報は、第1ホログラム記録時において画像情報に基づいて生成される記録用の二次元パターン情報と同じサイズ及び形状であることが好ましい。また、第2ホログラム記録時に用いられるリファレンス参照光は、第1ホログラム記録時に用いられる参照光と同じ形状及び配置であることが好ましい。ただし、両者は、第1ホログラム記録時の情報光及び参照光の形状及び配置とそれぞれ異なっていてもよい。リファレンス用の二次元パターン情報と記録用の二次元パターン情報とが同じサイズ及び形状であれば、この点において記録時の条件が同じになるので、より正確にばらつきを把握することができる。
さらに、リファレンス検索光の照射時に第2ホログラムからだけではなく、第1ホログラムからもリファレンス再生光を再生させることができ、より多くのばらつきの情報を取得することができる。また、リファレンス参照光と参照光とが同じ形状及び配置であった場合は、検索光照射時に再生される再生光とリファレンス検索光照射時に再生されるリファレンス再生光とを同じ光検出手段によって検出することができる。なお、後述する第2の実施形態においては、第1ホログラムを記録するための情報光及び参照光と、第2ホログラムを記録するためのリファレンス情報光及びリファレンス参照光とは、対物レンズの入射瞳面において、異なる位置に配置される必要がある。
偏光ビームスプリッタ44は、直交する偏光方向の一方を透過し、他方を反射するものであり、図2においては、光生成手段43から照射された情報光、参照光、リファレンス情報光、リファレンス参照光、検索光及びリファレンス検索光を透過し、ホログラフィック記録媒体20から再生された再生光及びリファレンス再生光を光検出手段53に向けて反射させる。なお、光学系の構成に応じて、情報光、参照光及び検索光をホログラフィック記録媒体20に向けて反射させ、再生光を光検出手段53に向けて透過させる構成であってもよい。
第1リレーレンズ45及び第2リレーレンズ47は、光生成手段43に表示された画像情報を対物レンズ50の焦点面に結像させる。ミラー46は、第1リレーレンズ45と第2リレーレンズ47との間の焦点位置に配置されており、光を90度反射する。ミラー46は、光学系40の大きさを小型化するために設けられている。
ビームスプリッタ48は、アドレス用レーザー60からの光をホログラフィック記録媒体20に向けて反射させる。四分の一波長板49は、直線偏光を円偏光に変換するものであり、直線偏光を2回透過させることで偏光方向を90度回転させることができる。この四分の一波長板49によって、照射時に偏光ビームスプリッタ44を透過した参照光は、ホログラフィック記録媒体20で反射されて戻ってきた時には、偏光ビームスプリッタ44で反射されることになる。再生光は、ホログラフィック記録媒体20で反射されて戻ってきた参照光と同じものであるから、再生光も偏光ビームスプリッタ44によって反射される。
対物レンズ50は、情報光及び参照光をフーリエ変換してホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21に照射し、情報光と参照光との干渉によって形成された第1ホログラム24をホログラム記録層21に記録する。また、対物レンズ50は、検索光をフーリエ変換してホログラム記録層21に記録されたホログラム24に照射する。さらに、対物レンズ50は、リファレンス情報光及びリファレンス参照光をフーリエ変換してホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21に照射し、第2ホログラム24をホログラム記録層21に記録する。また、対物レンズ50は、リファレンス検索光をフーリエ変換してホログラム記録層21に記録されたホログラム24に照射する。検索光と第1ホログラムとの干渉によって再生された再生光やリファレンス検索光とホログラムとの干渉によって再生されたリファレンス再生光は、ホログラフィック記録媒体20から対物レンズ50に向かって進行し、対物レンズ50を通過する。
対物レンズ50によってフーリエ変換された情報光と参照光とを記録媒体において干渉させてホログラムを記録する場合、情報光及び参照光の空間変調パターンは、対物レンズ50の入射瞳面において結像されている必要がある。また、ホログラムに対しフーリエ変換された検索光を照射する場合、検索光の空間変調パターンは、対物レンズ50の入射瞳面において結像されている必要がある。
アパーチャー51は、ホログラフィック記録媒体20で反射された検索光及びリファレンス検索光を遮光し、再生された再生光及びリファレンス再生光のみを光検出手段53に通過させる開口を有する。アパーチャー51を第1リレーレンズ45の焦点面に配置すると、検索光等の回折光によるノイズを低減することができるので好ましい。ここでは、アパーチャー51には、中心に開口が設けられているが、開口の位置は中心に限られない。再生光等が通過する位置に、再生光等が通過できる形状の開口が設けられてよい。例えば、再生光が複数の場合には、アパーチャー51に複数の開口を設ければよいし、再生光が空間的に変調されている場合(つまり、記録時における参照光が二次元パターン情報で空間的に変調されている場合)には、参照光のパターンと相似の形状の開口を設ければよい。
光検出手段53は、ホログラフィック記録媒体から再生された再生光の光強度及びリファレンス再生光の光強度を検出する光検出器である。再生光及びリファレンス再生光の領域が光検出手段53の受光領域よりも小さい場合(つまり、記録時における参照光の領域が光検出手段53の受光領域よりも小さい場合)には、光検出手段53として、非常に感度の高い光検出素子(例えば、光電子倍増管(PMT:Photomultiplier Tube))を利用することができる。また、安価で小型な半導体検出器として、例えば、ピンフォトダイオード、CMOSセンサ、CCDセンサ等を利用することができる。
再生光のパターンが空間的に変調されており強度分布を有している場合(つまり、記録時における参照光が複数の場合や二次元パターン情報で空間的に変調されている場合)には、集光レンズ52が再生光を集光してもよい。また、再生光の領域が光検出手段53の受光領域よりも大きい場合には、集光レンズ52が再生光を集光してもよい。また、再生光の領域が光検出手段53の受光領域よりも小さい場合であっても、集光レンズ52を利用すれば信頼性を高めることができる。なお、光検出素子が二次元的に配置された光強度分布を検出できる光検出器でも、すべての光検出素子の強度を総和することで再生光の光強度を検出することができ、光検出手段53として利用できる。
アドレス用レーザー60、ビームスプリッタ61、ミラー62及びアドレス光検出器63は、ホログラフィック記録媒体20にアドレス層が設けられた場合、このアドレス層からアドレス情報を取得し、照射位置を特定し、また、位置合わせするために使用される。アドレス用レーザー60としては、ホログラム記録層21の感光材料が感光しない波長が好ましく、赤色光等の比較的長波長の半導体レーザーを利用することが好ましい。アドレス光検出器63としては、安価で小型な半導体検出器を使用することができる。
続いて、アドレス用レーザー60によるアドレス情報を取得する動作を簡単に説明する。アドレス用レーザー60は、アドレス光を照射する。照射されたアドレス光は、ビームスプリッタ61を透過してミラー62によって反射され、さらにビームスプリッタ48によって反射され、四分の一波長板49を透過し、対物レンズ50によってホログラフィック記録媒体20のアドレス層に照射される。ホログラフィック記録媒体20のアドレス層によって反射された反射光は、対物レンズ50、49、48、62を逆方向に通過し、ビームスプリッタ61によって反射され、アドレス光検出器63に入射する。アドレス光検出器63は、入射した反射光から、ホログラフィック記録媒体20のアドレス情報を取得する。
図3は、ホログラムの記録処理を示すフローチャートである。まず、ステップS301において、情報処理装置1のホログラム記録処理部11は、ホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21に、所定のピッチ情報又はタイミング情報に基づいて、ホログラムの記録位置を設定し、図示しない記録媒体保持機構を制御して、記録位置の位置合わせ(サーボ)をする。アドレス情報を取得できる場合はアドレス情報に基づいて記録開始位置に移動する。アドレス情報を取得できない場合は、任意の位置において第2ホログラムを特定の配置で記録することによって記録開始位置を設定できるので、任意の位置において次のステップS302に進み第2ホログラムを特定の配置で記録する。なお、記録位置を設定する場合、ホログラム記録処理部11は、使用されるホログラフィック記録媒体20の規格等に準拠して、記録位置、ピッチ又は記録タイミングを設定してもよいし、記録される画像情報の容量に基づいて、記録位置、ピッチ又は記録タイミングを設定してもよい。また、情報処理装置1の図示しない入出力装置を介して、使用者から入力された指示に基づいて、記録位置を設定してもよい。
次に、ステップS302において、ホログラム記録処理部11は、記録位置が第2ホログラムを記録する記録位置であるか否かを判定する。なお、ステップS302の判定は、例えば、記録位置が所定のホログラム間隔Nの整数倍に相当する位置であるか否かに基づいてもよい。
ステップS302において、第2ホログラムを記録する記録位置ではないと判定された場合、すなわち、第1ホログラムを記録する記録位置である場合、ホログラム記録処理部11は、ステップS303として、画像情報を取得し、取得した画像情報から記録用の二次元パターン情報を生成する。記録用の二次元パターン情報は、画像情報をそのまま使用してもよいし、一つ又は複数の前処理を施したものであってもよい。前処理としては、例えば、グレースケール化処理、2値画像化処理、解像度を変更する画像処理、原画像情報の一部を切り取るトリミング処理、エッジ強調処理等である。特に、エッジ強調処理は、画像情報の特徴である構図の要素を明らかにするので、有効な前処理である。さらに、画像を分割して並び変えるランダム変換処理を施してもよい。なお、前処理やランダム変換処理については、本出願人が出願した特開2010−60605号公報に記載されているので、詳細な説明を省略する。
そして、ステップS304において、ホログラム記録処理部11は、光生成手段43によって、情報光と参照光とを生成し、生成された情報光と参照光とをホログラフィック記録媒体20に照射して、その記録位置に第1ホログラムを記録する。以下、ステップS303及びS304までの処理(第1ホログラムの記録処理)の詳細について、図4(A)(B)を参照して説明する。
図4(A)及び(B)は、第1ホログラム記録時の光生成手段43における表示面及び動作を示す概略図である。光生成手段43の表示面は、対物レンズ50の入射瞳面34又は入射瞳面と共役な位置に配置される。第1ホログラムを記録する場合には、光生成手段43は、生成された記録用の二次元パターン情報31aを表示面の一部の領域43aに表示し、記録用の二次元パターン情報31aが表示された領域43aに照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによって情報光32aを生成する。
具体的には、図2を参照すると、まず、ホログラム用光源41から照射された光は、図示しないビーム成形光学系によって、光生成手段43の表示面よりも大きな断面を有する略平行光に成形される。ビーム成形光学系としては、例えば、発散光を平行光に加工するコリメータレンズ、ビームの口径を大きくするビームエキスパンダー等が含まれる。略平行光は、ミラー42によって光生成手段43に向かって反射され、光生成手段43に表示された記録用の二次元パターン情報31aによって空間的に変調される。
また、光生成手段43は、表示面の他の一部の領域43bによって参照光33aを生成する。光生成手段43の領域43bは、領域43aの周囲に少なくとも一つ配置される。例えば、領域43bは、領域43aの上方に配置されてもよい。領域43bは、領域43aに比べて極めて小さい領域(例えば、2×2画素)である。このため、参照光33aは点光源のように発散する。参照光33aは、領域43bの一塊の数画素〜数百画素の領域をオン画素とし、強度分布のない一様な光としてもよいし、かかる一塊の数画素〜数百画素の領域を複数設けて、全体として空間的に変調された強度分布を有する光としてもよい。さらに、広い領域において、オン画素とオフ画素とからなるパターンによって空間的に変調された強度分布を有する光としてもよい。
なお、領域43aを複数の離間した領域に分割し、その離間した各領域43aの間に参照光の少なくとも一部を表示する領域43bを配置してもよい。再生光は記録時における参照光に相当するものであるから、参照光の領域43bの大きさを光検出手段53の受光領域よりも小さくすれば、アパーチャー51や集光レンズ52を設けなくても、再生光が結像する位置に光検出手段53を配置するだけで再生光の光強度を検出できる。よって、参照光の領域43bを小さく形成することが好ましい。ただし、参照光の領域(パターン)は、これに限定されるものではない。例えば、本願の出願人が出願した特開2010−60605号公報の図9(A)に記載されたとおり、参照光の領域(パターン)を複数箇所に表示して、複数の参照光によって干渉縞を形成してもよい。領域43bの大きさと数は適宜変更することができる。
生成された情報光32a及び参照光33aは、対物レンズ50によってフーリエ変換され、ホログラフィック記録媒体20の厚いホログラム記録層21において干渉し、干渉縞を立体的に形成する。すなわち、第1ホログラム24aが体積ホログラムとしてホログラム記録層21に記録される。具体的には、図2を参照すると、生成された情報光32a及び参照光33aは、偏光ビームスプリッタ44を透過し、第1リレーレンズ45及び第2リレーレンズ47によって伝達され、その途中、ミラー46によって反射され、ビームスプリッタ48を透過し、四分の一波長板49によって円偏光に変換され、対物レンズ50の入射瞳面34に入射し、ホログラム記録層21において交差する。
図3の説明に戻る。一方、図3のステップS302において、第2ホログラムを記録する記録位置であると判定された場合、ホログラム記録処理部11は、ステップS305として、リファレンス情報を取得し、取得したリファレンス情報からリファレンス用の二次元パターン情報を生成する。なお、第2ホログラムは同じリファレンス情報に基づいて記録されるので、ステップS305は最初の1回だけ実行すればよく、2回以降は省いてもよい。リファレンス用の二次元パターン情報は、リファレンス情報をそのまま使用してもよいし、一つ又は複数の前処理を施したものであってもよい。次に、ステップS306において、ホログラム記録処理部11は、光生成手段43によって、リファレンス情報光とリファレンス参照光とを生成し、生成されたリファレンス情報光とリファレンス参照光とをホログラフィック記録媒体20に照射して、その記録位置に第2ホログラムを記録する。以下、ステップS305からS306までの処理(第2ホログラムの記録処理)の詳細について、図4(C)(D)を参照して説明する。
図4(C)及び(D)は、第2ホログラム記録時の光生成手段43における表示面及び動作を示す概略図である。第2ホログラムを記録する場合、光生成手段43は、生成されたリファレンス用の二次元パターン情報31bを表示面の一部の領域43aに表示し、領域43aに照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによって、リファレンス情報光32bを生成する。また、光生成手段43は、表示面の他の一部の領域43bによってリファレンス参照光33bを生成する。
生成されたリファレンス情報光32b及びリファレンス参照光33bは、対物レンズ50によってフーリエ変換され、ホログラム記録層21で干渉し、干渉縞を立体的に形成する。すなわち、第2ホログラム24bがホログラム記録層21に記録される。
そして、図3のステップS307において、ホログラム記録処理部11は、記録位置が最後であるか否か判定する。ステップS307において、記録位置が最後ではないと判定された場合、ホログラム記録処理部11は、図示しない記録媒体保持機構を制御して、次の記録位置に移動する(S301)。一方、ステップS307において、記録位置が最後であると判定された場合、ホログラムを記録する処理を終了する(S308)。
なお、図4(A)〜(D)に示したとおり、第1の実施形態においては、第1ホログラムも第2ホログラムも、表示する二次元パターン情報が異なるだけで、同じ方法、すなわち情報光32aとリファレンス情報光32bとが同じ領域43aで生成され、参照光33aとリファレンス参照光33bも同じ領域43bで生成され、それらが同じ光学系によって照射されて記録されるものである。したがって、光生成手段43に表示する二次元パターン情報を変更するだけで、第1ホログラム24aと第2ホログラム24bとを作り分けることができ、第1ホログラム24aを順次記録していく途中に、所定の数の第1ホログラム毎に第2ホログラム24bを記録しておくことで、周期的又は非周期的にリファレンス信号を検出し、ばらつきの程度を把握できるホログラフィック記録媒体を製造することができる。また、同じ方法で記録されているため、検索光36a(図6参照)によって第1ホログラム24aだけではなく、第2ホログラム24bについても検索光36aとの相関に応じた再生光(相関信号)が生成され、また、リファレンス検索光36b(図6参照)によって第2ホログラム24bだけではなく、第1ホログラム24aについてもリファレンス検索光36bとの相関に応じたリファレンス再生光(リファレンス信号)が生成される。第1ホログラム24aによるリファレンス信号はベースラインの補正や記録位置を特定するための位置情報として利用することが可能である。
図5は、画像情報の検索処理及び相関信号の補正処理を示すフローチャートである。まず、ステップS501において、情報処理装置1の検索・補正処理部12は、第2ホログラムの記録時に用いたリファレンス情報を取得し、取得したリファレンス情報からリファレンス用の二次元パターン情報を生成する。なお、第2ホログラムの記録時に用いたリファレンス情報に前処理が施されている場合、検索・補正処理部12は、取得したリファレンス情報にも同じ前処理を施し、前処理されたリファレンス情報からリファレンス用の二次元パターン情報を生成する。
次に、ステップS502において、検索・補正処理部12は、光生成手段43によって、リファレンス検索光を生成し、リファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20に照射する。リファレンス検索光が照射されると、第1ホログラム及び第2ホログラムからリファレンス再生光が再生されるので、ステップ503において、検索・補正処理部12は、光検出手段53によって、再生されたリファレンス再生光を検出する。検索・補正処理部12は、光検出手段53によって、リファレンス再生光を検出すると、リファレンス再生光の光強度に対し所定の演算(例えば規格化、ノイズ除去処理等)をしてリファレンス信号を取得する。なお、リファレンス信号は、リファレンス再生光の光強度それ自体をそのまま用いてもよい。
以下、ステップS501からS503までの処理(リファレンス再生光検出の処理)の詳細について、図6(A)(B)を参照して説明する。また、ステップS503において取得したリファレンス信号について図7を用いて説明する。
図6(A)及び(B)は、リファレンス検索光照射時及び検索光照射時の光生成手段43における表示面及びホログラムの再生動作を示す概略図である。リファレンス検索光を照射する場合、まず、光生成手段43は、リファレンス情報から生成されたリファレンス用の二次元パターン情報35bを表示面の一部の領域43aに表示し、リファレンス用の二次元パターン情報35bが表示された領域43aに照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによってリファレンス検索光36bを生成する。生成されたリファレンス検索光36bは、光学系40によって、ホログラフィック記録媒体20に照射される。
リファレンス検索光36bは、対物レンズ50によってフーリエ変換され、ホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21に記録された第1ホログラム24a及び第2ホログラム24bと干渉する。この結果、第1ホログラム及び第2ホログラムからは、リファレンス再生光37bが再生される。光検出手段53は、リファレンス再生光37bを検出する。
具体的には、図2を参照すると、ホログラム用光源41から照射された光は、図示しないビーム成形光学系によって略平行光とされ、略平行光は、ミラー42によって光生成手段43に向かって反射され、光生成手段43に表示されたリファレンス用の二次元パターン情報35bによって空間的に変調され、リファレンス検索光36bが生成される。そして、リファレンス検索光36bは、偏光ビームスプリッタ44を透過し、第1リレーレンズ45及び第2リレーレンズ47によって伝達され、その途中、ミラー46によって反射され、ビームスプリッタ48を透過し、四分の一波長板49によって円偏光に変換され、対物レンズ50の入射瞳面34に入射する。
また、反射層23で反射されたリファレンス再生光37bは、ホログラフィック記録媒体20から射出され、照射時とは反対方向に、対物レンズ50、四分の一波長板49、ビームスプリッタ48、第2リレーレンズ47、ミラー46及び第1リレーレンズ45を経て、偏光ビームスプリッタ44に入射する。リファレンス再生光37bは、ホログラム記録時の参照光33a又はリファレンス参照光33bに相当する。参照光33a及びリファレンス参照光33bは、ホログラフィック記録媒体20に照射される際に四分の一波長板49を通過して円偏光に変換されていた。このため、再度、リファレンス再生光37bとして四分の一波長板49を通過すると、四分の一波長板49を透過したリファレンス再生光37bは、参照光33及びリファレンス参照光33bとは直交する偏光方向の直線偏光となる。
よって、リファレンス再生光37bは、偏光ビームスプリッタ44によって反射され、アパーチャー51を通過し、集光レンズ52によって光検出手段53に集光される。なお、反射層23で反射されたリファレンス検索光36bは、ホログラフィック記録媒体20から射出され、リファレンス再生光37bと同様の光学系を経て偏光ビームスプリッタ44によって反射されるが、アパーチャー51によって遮光される。
図5のステップS503において検出されたリファレンス再生光37bは、所定の演算によって又は光強度それ自体の波形をそのまま利用してリファレンス信号として用いられる。
図7は、リファレンス信号及び相関信号の波形を示す説明図である。リファレンス信号701は、リファレンス検索光を照射した場合、ホログラフィック記録媒体20から再生されたリファレンス再生光に基づいて取得された信号の波形であり、実線で示される(点線で示される相関信号703については図5のステップS705を説明した後に述べる。)。縦軸は、リファレンス信号又は相関信号の値を示す軸である。横軸は、ホログラフィック記録媒体20に対するリファレンス検索光又は検索光の照射位置を示す軸であり、ホログラフィック記録媒体20の記録領域の一部を抜粋して示している。なお、横軸は、信号が出現するタイミングを示す時間軸であってもよい。リファレンス信号の各ピークは、第1又は第2ホログラムが記録された記録位置において現れる。
ホログラム720は、ホログラフィック記録媒体20において、a番目の記録位置に記録された第2ホログラムである。ホログラム721は、b番目の記録位置に記録された第2ホログラムである。また、ホログラム722は、第2ホログラム720の記録位置から数えてk番目の記録位置に記録された第1ホログラムである。第2ホログラム720と第2ホログラム721とは、所定の間隔をもって記録されている。例えば、各第2ホログラムは、ホログラムN個(例えば、1000個)分の間隔をもって周期的に記録されている。ただし、第2ホログラムが記録される間隔は、N個に限定されず、異なる複数の値を設定されてもよく、この場合、第2ホログラムは非周期的に記録される。
リファレンス信号701は、自己相関となる第2ホログラム720及び721において強いピーク704及び705が検出されており、その間の第1ホログラムでは低いピークが検出されている。なお、説明のため、第1ホログラムから再生されたリファレンス再生光に基づいて取得したリファレンス信号701は、一定の振幅で図示されているが、実際は、第1ホログラム毎に異なった値を持つ。
a番目の第2ホログラム720のピーク値(Max(a))704、及びb番目の第2ホログラム721のピーク値(Max(b))705は、何れも、リファレンス情報に基づいて形成された第2ホログラムから再生されたリファレンス再生光に基づいて取得した信号であり、自己相関値を示す信号である。自己相関値である各第2ホログラムのリファレンス信号は、本来であれば同じ値になる。しかし、実際のリファレンス信号では、種々のばらつきに応じて各値は変動する。このリファレンス信号の変動は、種々のばらつきを反映したものであり、第1ホログラムの再生光においても同様のばらつきが反映されるため、第2ホログラムのリファレンス信号に基づいて第1ホログラムの再生光の値を補正することができるのである。
まず、第2ホログラムのリファレンス信号から、各ホログラムの記録位置における自己相関値を求めることができる。各ホログラムの記録位置における自己相関値を「上限ライン」と呼ぶ。相関信号は、自己相関時に最大となることから、上限ラインは、各ホログラムの記録位置における理論上の最大値を意味している。上限ラインは、隣接する第2ホログラムのピーク値Max(a)704及びMax(b)705を結ぶことによって得ることもできるし、より多くの第2ホログラムのピーク値から曲線近似して得ることもできる。隣接する第2ホログラムのピーク値から上限ライン715を得た場合は、k番目のホログラムの記録位置における理論上の最大値(Max(k))706は、下記の式によって計算される。
Max(k)=Max(a)+{Max(b)−Max(a)}/N×k・・(式1)
また、リファレンス信号701は、各ピークの間において、リファレンス検索光が各ホログラムと実質的に干渉しない領域があり、バックグラウンド(最小値)が検出される。バックグラウンドとは、再生光が実質的に発生していない状態でも光検出手段53によって検出される光強度に基づく信号であり、バックグラウンドを基準としてリファレンス信号の値を比較することが好ましい。全部又は一部のバックグラウンドに基づいて各ホログラムの記録位置におけるバックグラウンドを求めることができる。各ホログラムの記録位置におけるバックグラウンドを「ベースライン」と呼ぶ。ベースラインは、各ホログラムの記録位置における理論上の最小値を意味している。ベースライン716は全部のバックグラウンドを結んで得ることもできるし、曲線近似して得ることもできるし、一部のバックグラウンド(例えば第2ホログラム)だけを結んで得てもよい。
さらに、ベースライン716に基づいて、各ホログラムの中心位置におけるバックグラウンド(例えば、「Min(a)」、「Min(b)」)を求めることができる。各ホログラムの中心位置におけるバックグラウンドは、その前後のバックグラウンドの平均であってもよいし、バックグラウンドを基準として近似曲線としてベースライン716を得た場合には、各ホログラムの中心位置における近似曲線の値を採用してもよいし、第2ホログラムのバックグラウンドMin(a)710、Min(b)713(第2ホログラムのバックグラウンド自体は下記式2で求める)を結んで得た場合には、下記式3に示すように、各ホログラムの中心位置における当該ベースラインの値を採用してもよい。
例えば、a番目の第2ホログラム720の中心位置におけるバックグラウンド(Min(a))710は、第2ホログラム720の中心位置と1個前のホログラムの中心位置との間のリファレンス信号が最小となる値をMin(a−0.5)708とし、第2ホログラム720の中心位置と1個後のホログラムの中心位置との間のリファレンス信号が最小となる値をMin(a+0.5)709とすると、下記の式2によって計算することができる。
Min(a)={Min(a−0.5)+Min(a+0.5)}/2・・・(式2)
また、第2ホログラムのバックグラウンドMin(a)710、Min(b)713を結んで得たベースライン716に基づいて、k番目の第1ホログラムが記録された記憶位置におけるリファレンス信号の計算上のバックグラウンド(Min(k))714を計算する場合は、下記式3によって求まる。
Min(k)=Min(a)+{Min(b)−Min(a)}/N×k・・(式3)
また、リファレンス信号701における第1ホログラム及び第2ホログラムの各ピークの位置からホログラムの記録位置を特定することができる。例えば、検索・補正処理部12は、リファレンス信号701を参照し、強いピーク値が現れる位置、すなわち、自己相関となる各第2ホログラムの記録位置を特定する。第1ホログラムは、原則的に等間隔で記録されているので、各第2ホログラムの記録位置の間の距離(又は時間)をホログラム数N又はあらかじめ設定されたピッチで割ることによって、第1ホログラムの記録位置を特定することができる。
しかし、厳密にいうと、第1ホログラム及び第2ホログラムは、記録時の位置ずれ等によって、ピッチ情報等によって設定された位置からずれた位置に記録される場合がある。このため、実際のリファレンス信号701の各ピークの位置に基づいて、ホログラムの記録位置を特定するのが好ましい。リファレンス信号701の各ピークの位置は、各ホログラムの中心位置に該当するため、リファレンス信号701から各ホログラムの記録位置をより正確に特定することができる。
検索画像情報を検索する場合は、各ホログラムのピーク値における再生光の光強度を検出すれば足りるため、リファレンス信号701によって特定した記録位置を用いて、検索光照射時には、光検出装置53による再生光の検出タイミングを制御して、ピークの中心付近の再生光のみを検出することが可能である。ピークの中心付近の再生光のみを検出することによって、検索・補正処理部の負担を軽くすることができる。なお、あらかじめ記録位置やタイミングを設定したり、アドレス情報に基づいて記録位置やタイミングを推定したりすることは可能であるが、ばらつきによって、実際の記録位置が、あらかじめ設定された記録位置やアドレス信号から推定される記録位置とずれている場合もあるので、実際に検出したリファレンス信号701に基づく記録位置を利用する方がより精度を高めることができる。
さらに、第2ホログラムの配置に規則性を持たせることにより、一部の第2ホログラムによって情報を担持させることも可能である。例えば、通常は非連続的に配置されている第2ホログラムについて、一か所だけ連続した第2ホログラムを設ければ、リファレンス信号から、連続した第2ホログラムの位置を識別することができる。円盤状のホログラフィック記録媒体を使用した場合、円周方向の動作については端となる基準がないため、動作を開始したり、位置を特定したりするための基準が必要となる。この基準として、第2ホログラムを使用することができる。例えば、連続して配置された第2ホログラムを基準として、リファレンス信号によるマップを作成したり、ホログラムの位置を特定したりすることができる。なお、アドレス情報によって位置を特定するための基準を設けることも可能である。
図5のステップS504において、検索・補正処理部12は、取得したリファレンス信号に基づいて、例えば、図8に示す相関信号を補正する対応表を作成することが好ましい。図8は、相関信号の補正に用いられる対応表の例を示す説明図である。対応表800は、少なくとも、ホログラム番号801、位置情報802、各ホログラムの記録位置における自己相関値803及びバックグラウンド804の項目を含む。ホログラム番号801は、ホログラフィック記録媒体20に記録されたホログラム及びそのホログラムの記録位置を一意に識別する情報である。位置情報802は、ホログラム番号801によって識別されるホログラムの記録位置を特定する情報である。自己相関値803としては、少なくとも第2ホログラムのリファレンス信号が入力され、より好ましくは上限ラインにより各記録位置における理論上の最大値も入力される。また、バックグラウンド804については、ベースラインに基づいて入力される。
また、対応表800は、必要に応じて、相関信号805及び補正後の相関信号806の項目を含んでもよい。相関信号805は、ホログラム番号801によって識別されるホログラムから再生された再生光に基づいて取得した相関信号である。補正後の相関信号806は、相関信号805を所定の補正式に基づいて補正した値である。また、その他の項目として、ホログラム記録時に設定されたピッチ情報又はタイミング情報が格納されてもよい。また、このピッチ情報又はタイミング情報は、ホログラフィック記録媒体20のアドレス層に設けられたアドレス情報に対応付けられてもよい。
以下、図5のステップS504の処理(対応表の作成処理)の詳細について、図7及び図8を参照して説明する。まず、検索・補正処理部12は、リファレンス信号701を参照して、前述したようにホログラムの記録位置を特定する。検索・補正処理部12は、特定された第1及び第2ホログラムの記録位置を対応表800の位置情報802の項目に格納する。この場合、位置情報802は、例えば、ホログラム番号「0」の位置を起点とする距離(例えば、μm)によって示されてもよいし、また、タイミング(例えば、ms)によって示されてもよい。なお、位置情報802は、再生光(相関信号)を検出するタイミングとして使用することができる。
次に、検索・補正処理部12は、少なくとも第2ホログラムの記録位置における自己相関値及びバックグラウンドを、それぞれ、対応表800の項目に格納する。例えば、図7を参照すると、ホログラム番号aの記録位置における自己相関値Max(a)704をエントリ810に格納する。バックグラウンドについては、前述した式2に基づいて計算し、Min(a)710をエントリ810に格納する。同様にして、エントリ812の自己相関値及びバックグラウンドに「Max(b)705」及び「Min(b)713」を格納する。
さらに、検索・補正処理部12は、前述した式1及び式3(又は式2)に基づいて、第1ホログラムの記録位置における自己相関値及びバックグラウンドを計算し、これらを対応表800の各項目に格納することが好ましい。例えば、ホログラム番号kの記録位置における自己相関値及びバックグラウンドは、式1及び式3に基づいて、それぞれ「Max(k)706」及び「Min(k)714」と計算されるので、これらを対応表800のエントリ811に格納する。ただし、第1ホログラムの記録位置における自己相関値及びバックグラウンドは、式1及び式3(又は式2)から求まるので、対応表800にあらかじめ格納せずに、相関信号を補正する処理の度に計算してもよい。
ところで、前述した式1及び式3は、各ホログラムが等間隔で記録されていると仮定して計算される。すなわち、ホログラムN個分の間隔に対するホログラムk個分の間隔の割合に基づいて、自己相関値及びバックグラウンドの変化の量を比例配分して、ホログラム番号kにおける自己相関値及びバックグラウンドを計算している。しかしながら、前述したとおり、厳密にいうと、各ホログラムは、記録時の位置ずれ等によって、等間隔で記録されないことがある。よって、より正確には、リファレンス信号の各ピークに基づいて特定された各ホログラムの中心位置を利用するのが好ましい。具体的には、式1及び式3において、ホログラム番号aの記録位置からホログラム番号bの記録位置までの距離(又は時間)をNとし、さらに、ホログラム番号aの記録位置からホログラム番号kの記録位置までの距離(又は時間)をkとすることによって、ホログラム番号kの記録位置における自己相関値及びバックグラウンドを計算するのが好ましい。
図5の説明に戻る。ステップS505において、検索・補正処理部12は、検索画像情報を取得し、取得した検索画像情報から検索用の二次元パターン情報を生成する。なお、第1ホログラムの記録時に用いた画像情報に前処理が施されている場合、検索・補正処理部12は、取得した検索画像情報にも同じ前処理を施し、前処理された検索画像情報から検索用の二次元パターン情報を生成する。
次に、ステップS506において、検索・補正処理部12は、光生成手段43によって検索光を生成し、検索光をホログラフィック記録媒体20に照射する。検索光が照射されると、第1ホログラム及び第2ホログラムから再生光が再生されるので、検索・補正処理部12は、ステップS507において、光検出手段53によって、再生された再生光を検出する。
なお、ステップS507において、検索・補正処理部12は、対応表800の位置情報802を参照し、再生光を検出するタイミングを設定してもよい。具体的には、各ホログラムの記録位置を特定し、特定された記録位置を中心としてその前後に、各ホログラム間隔の例えば10%に相当する範囲(処理能力、精度等に応じて適宜設定される。)を加え、この範囲を再生光を検出するタイミングに設定してもよい。これによって、検出される再生光の信号量が低減されるので、信号処理の負荷を軽減することができる。
検索・補正処理部12は、光検出手段53によって、再生光を検出すると、再生光の光強度に対し所定の演算(例えば規格化、ノイズ除去処理等)をして相関信号を計算してもよい。なお、相関信号は、再生光の光強度それ自体をそのまま用いてもよい。なお、検索・補正処理部12は、各ホログラムの相関信号を図8に示した対応表800の相関信号805の項目に格納してもよい。ステップS505からS507までの処理(再生光検出の処理)の詳細については、図6(A)及び(B)を参照して説明したリファレンス検索光照射時の動作と同様である。
図6(A)、(B)において、検索光を照射する場合、光生成手段43は、検索画像情報から生成された検索用の二次元パターン情報35aを表示面の一部の領域43aに表示し、検索用の二次元パターン情報35aが表示された領域43aによってホログラム用光源41からの光を空間的に変調して検索光36aを生成する。生成された検索光36aは、光学系40によって、ホログラフィック記録媒体20に照射される。
検索光36aは、対物レンズ50によってフーリエ変換され、ホログラム記録層21に記録されたホログラム24と干渉する。この結果、ホログラム24からは、記録時の参照光33に相当する再生光37aが再生される。光検出手段53は、再生光37aを検出する。再生光37aの光強度は、ホログラム24を記録したときの記録用の二次元パターン情報31aと検索用の二次元パターン情報35aとの類似度に応じて変化する。すなわち、光強度の値が大きいほど二つの二次元パターン情報が類似していることになる。検出された再生光37aは、検索画像情報と記録された画像情報との類似度を示す相関信号に用いられる。相関信号は、再生光37aに所定の演算をして計算されてもよいし、再生光37aの光強度それ自体の波形を利用してもよい。
図7において、相関信号703は、検索光を照射した場合、ホログラフィック記録媒体20から再生された再生光に基づいて取得された信号の波形であり、その一部が点線で示される。相関信号703は、自己相関となるk番目の記録位置に記録された第1ホログラム722において強いピーク(C(k))707が検出されており、他の第1ホログラムでは低いピークが検出されている。以下、C(k)707をホログラム番号kの記録位置における相関信号の値という。
図5のステップS508において、検索・補正処理部12は、ステップS504で取得した対応表800に基づいて、各ホログラムの相関信号の値を補正する。具体的には、例えば、図8の対応表のエントリ811に示されたホログラム番号kが付与されたホログラム(図7の第1ホログラム722に対応する)の場合、検索・補正処理部12は、まず、エントリ811の自己相関値「Max(k)」706、バックグラウンド「Min(k)」714及び相関信号の値「C(k)」707を用いて、相関信号の値「C(k)」を補正(規格化)する。補正後の相関信号の値「C’(k)」は、下記の式に基づいて計算される。
C’(k)
={C(k)−Min(k)}/{Max(k)−Min(k)}・・・(式4)
検索・補正処理部12は、補正後の相関信号「C’(k)」をエントリ811の補正後の相関信号806に格納してもよい。なお、ここでは、リファレンス信号から得た自己相関値「Max(k)」及びバックグラウンド「Min(k)」の双方を用いて相関信号「C(k)」を補正したが、自己相関値「Max(k)」のみを用いて相関信号の値「C(k)」を補正してもよい。この場合、補正後の相関信号の値「C’(k)」は、例えば、ある「Max(a)」を基準として、下記の式に基づいて計算される。
C’(k)=C(k)/Max(k)・・・(式5)
さらに、バックグラウンド「Min(k)」のみを用いて相関信号の値を補正してもよい。この場合、補正後の相関信号の値「C’(k)」は、例えば、下記の式に基づいて計算される。
C’(k)=C(k)−Min(k)・・・(式6)
次に、ステップS509において、検索・補正処理部12は、補正後の相関信号の値「C’(k)」と所定の閾値とを比較することによって、第1ホログラムとして記録された画像情報が検索画像情報に類似しているか否か判定する。所定の閾値はあらかじめ実験等によって求められてもよい。ステップS509において、補正後の相関信号の値が所定の閾値より大きく、第1ホログラムとして記録された画像情報が検索画像情報に類似していると判定された場合、検索・補正処理部12は、ステップS510として、例えば、そのホログラム番号を検索結果として出力する。一方、ステップS509において、補正後の相関信号の値が所定の閾値より小さく、ホログラムと記録された画像情報が検索画像情報に類似していないと判定された場合、検索・補正処理部12は、ステップS511の処理に進む。
ステップS511において、検索・補正処理部12は、対象となる検索画像情報があるか否か判定する。ステップS511において、対象となる検索画像情報があると判定された場合、検索・補正処理部12は、次の検索画像情報を取得し、ステップS505実行する。一方、ステップS511において、対象となる検索画像情報がないと判定された場合、検索・補正処理部12は、検索の処理を終了する(S512)。
なお、検索・補正処理部12は、ステップS505の処理において、図示しない入出力装置によって使用者が選択した検索画像情報を取得してもよいし、通信ネットワーク5を介して接続された図示しない情報処理装置等から検索画像情報を取得してもよい。また、検索・補正処理部12は、ステップS510の処理において、検索結果を図示しない入出力装置に出力し、使用者に検索結果を表示してもよい。
なお、対応表800を作成するタイミングは、検索の開始時に、ステップS501からS504の処理を行いホログラフィック記録媒体全部のホログラムについてリファレンス信号を取得し、対応表800を作成し、その後の検索については対応表800を参照して相関信号を補正してもよいし、検索処理を実行する度に、ステップS501からS504の処理を実行して、検索時の環境条件(温度、湿度)を反映したより正確な対応表800を作成してもよい。さらに、ホログラフィック記録媒体が光ディスクである場合、光ディスクに設けられたトラック毎にステップS501からS504の処理及び検索処理を行うことも可能である。なお、図3に示したホログラムの記録処理において、対応表800の位置情報802を入力してもよい。
以上説明したとおり、第1の実施形態では、画像検索システムは、ホログラフィック記録媒体に所定の情報に基づいて生成された第2ホログラムが記録されているため、リファレンス検索光によってホログラムから発生したリファレンス再生光を検出して取得したリファレンス信号に基づいて、第1ホログラムの相関信号を補正するので、ホログラフィック記録媒体、光学系及びサーボ系のばらつきの影響があったとしても、正確に画像情報を検索することができる。また、第1の実施形態では、第1ホログラムと第2ホログラムが同じ方法で記録されているため、検索光とリファレンス検索光も同じ方法で生成すればよく、再生光とリファレンス再生光とを同じ光検出手段によって検出することができる。このため、光学系としては従来と同じ構成のものを使用することができ、小型化、コストダウン等の効果がある。加えて、リファレンス検索光によって第1ホログラムから発生するリファレンス再生光もリファレンス信号として利用することで、各ホログラムの位置を特定することができ、より精度を高めることができる。また、一部の第2ホログラムの配置に規則性を持たせることにより、動作や位置の基準とすることができ、ホログラフィック記録媒体のアドレス層を省略することも可能となる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態は、各記憶位置に独立して記録された態様であったが、第2の実施形態は、第1ホログラムと第2ホログラムとを異なる方法でホログラフィック記憶媒体の同じ記録位置に時分割して重ねて記録する。さらに、検索時においては、検索光とリファレンス検索光とを同時に照射し、再生光とリファレンス再生光とが同時に再生される。第2の実施形態の画像検索システムの構成は、図1に示した第1の実施形態の画像検索システムの構成とほぼ同じであるが、第1ホログラムから再生された再生光(図13(A)の37a)と、第2ホログラムから再生されたリファレンス再生光(図13(A)の37b)とをそれぞれ検出する手段が必要となり、ホログラム記録処理部11及び検索・補正処理部12の処理が第1の実施形態とは一部異なる。また、光生成手段43の表示面における表示方法が第1の実施形態とは一部異なる。
図9は、本発明の第2の実施形態の光相関演算装置の構成の例を示す概略構成図である。図9の光相関演算装置2は、図2に示した第1の実施形態の光相関演算装置2とは、第1光検出手段53a、第2光検出手段53b、リファレンス再生光用ミラー56を備える点で異なる。その他の構成については同じであるので、同一の構成には、同一の番号を付し、説明を省略する。また、図10は、第2の実施形態のホログラムの記録処理を示すフローチャートであり、図11は、第2の実施形態の光生成手段43における表示面及び動作を説明する図である。
第1光検出手段53aは再生光37aの光強度を検出するものであり、第2光検出手段53bはリファレンス再生光37bの光強度を検出するものである。また、リファレンス再生光用ミラー56は、第2ホログラムから再生されたリファレンス再生光(図13(A)の37b)のみを第2光検出手段53bに向けて反射させるものである。リファレンス再生光用ミラー56は、第1ホログラムから再生された再生光(図13(A)の37a)の光路上には配置されないように、リファレンス再生光の光路上にミラーを配置すればよい。リファレンス再生光用ミラー56は、集光レンズ52によって集光された再生光及びリファレンス再生光の位置関係が近接しており、第1光検出手段53aと第2光検出手段53bとを同一平面上に配置することが困難な場合に、再生光とリファレンス再生光とを分離して、第1光検出手段53aと第2光検出手段53bとを離して設けるためのものである。なお、集光レンズ52によって集光された再生光とリファレンス再生光とが、十分に離れており、第1光検出手段53aと第2光検出手段53bとを同一平面上に配置できれば、リファレンス再生光用ミラー56は不要である。
第2の実施形態におけるホログラムの記録処理は、まず、ステップS1001(図10参照)において、ステップS301と同様に、情報処理装置1のホログラム記録処理部11が、ホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21に、所定のピッチ情報又はタイミング情報に基づいて、ホログラムの記録位置を設定し、図示しない記録媒体保持機構を制御して、記録位置の位置合わせ(サーボ)をする。
次に、ステップ1002において、ホログラム記録処理部11は、画像情報を取得し、取得した画像情報から記録用の二次元パターン情報を生成する。そして、ステップS1003において、ホログラム記録処理部11は、光生成手段43によって、情報光と参照光とを生成し、生成された情報光と参照光とをホログラフィック記録媒体20に照射して、記録位置に第1ホログラムを記録する。
図11(A)及び(B)は、第1ホログラム記録時の光生成手段における表示面及び動作である。第1ホログラムの記録方法は、第1の実施形態と同じであり、光生成手段43が、生成された記録用の二次元パターン情報31aを表示面の一部の領域43aに表示し、領域43aに照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによって情報光32aを生成し、表示面の他の一部の領域43bによって参照光33aを生成する。生成された情報光32a及び参照光33aは、対物レンズ50によってフーリエ変換され、ホログラム記録層21で交差し、干渉縞を立体的に形成する。すなわち、第1ホログラム24aがホログラム記録層21に記録される。なお、図11(A)において、領域43c及び43d(点線で示す)は、第2ホログラムを記録するために利用されるので、ステップS1003では使用されない。
その後、ステップS1004において、ホログラム記録処理部11は、リファレンス情報を取得し、取得したリファレンス情報からリファレンス用の二次元パターン情報を生成する。第2ホログラムは同じリファレンス情報に基づいて記録されるので、ステップS1004の処理は初回だけ実行すればよく、2回目以降は省いてもよい。ステップS1005において、ホログラム記録処理部11は、光生成手段43によって、リファレンス情報光とリファレンス参照光とを生成し、生成されたリファレンス情報光とリファレンス参照光とをホログラフィック記録媒体20に照射して、すでに第1ホログラムが記録されたその記録位置に第2ホログラムを第1ホログラムとは独立して記録する。なお、ステップS1005の第2ホログラムを記録するステップは、すべての第1ホログラムの記録位置において行って連続的に第2ホログラムを配置してもよいが、第1ホログラムの記録位置の中から選択された位置に行って非連続的に第2ホログラムを配置してもよい。また第2ホログラムの配置を規則的なものとして、前述したように情報を持たせることもできる。
図11(C)及び(D)は、第2ホログラム記録時の光生成手段における表示面及び動作である。第2ホログラムを記録する場合、光生成手段43は、生成されたリファレンス用の二次元パターン情報31bを表示面の一部の領域43cに表示し、領域43cに照射されたホログラム用光源41からの光を空間的に変調することによってリファレンス情報光32bを生成する。また、光生成手段43は、表示面の他の一部の領域43dによってリファレンス参照光33bを生成する。光生成手段43における第2ホログラムを生成するための各領域43c、43dは、第1ホログラムを生成するための領域43a、43bとは重ならないように配置される。このため、第1ホログラムと第2ホログラムとは独立して形成されるのである。なお、図11(C)において、領域43a及び43b(点線で示す)には何も表示されない。
生成されたリファレンス情報光32b及びリファレンス参照光33bは、対物レンズ50によってフーリエ変換され、ホログラム記録層21で交差し、干渉縞を立体的に形成する。これによって、第2ホログラム24bは、ホログラム記録層21において、第1ホログラム24aの記録位置と同じ記録位置に、第1ホログラム24aとは独立して記録される。
ステップS1006において、ホログラム記録処理部11は、記録位置が最後であるか否か判定する。ステップS1006において、記録位置が最後ではないと判定された場合、次の記録位置に移動し(S1001)、記録位置が最後であると判定された場合、ホログラムを記録する処理を終了する(S1007)。
なお、図10のステップS1001の処理において、ホログラムの記録位置が設定されると、ホログラム記録処理部11は、設定された各ホログラムの記録位置とホログラム番号とを対応づけ、ホログラム番号と記録位置(ピッチ情報又はタイミング情報)との対応関係をメモリ10に格納してもよい。また、図8に示した対応表800にピッチ情報又はタイミング情報を格納する項目が設けられた場合、その項目にホログラムの記録位置(ピッチ情報又はタイミング情報)を格納してもよい。ピッチ情報又はタイミング情報は、図12で説明する検索処理において、再生光を検出するタイミングを計算するために用いられてもよい。
さらに、ステップS1001において、ホログラム記録処理部11は、ホログラフィック記録媒体20の記録領域を複数のトラックに分割し、分割された各トラックの開始位置を設定してもよい。各トラックの開始位置には、各トラックの開始を示すトリガとなるホログラムが記録される。具体的には、ホログラム記録処理部11は、ステップS1002からS1005において、例えば、トラックの開始位置に、第2ホログラムを記録せずに、第1ホログラムだけを記録することによって、トリガを形成してもよいし、第1ホログラムを記録せずに、第2ホログラムだけを記録することによって、トリガを形成してもよい。また、例えば、第1ホログラム又は第2ホログラムを記録しない記録位置を所定のパターンで配置することによって、トリガを形成してもよい。
このように、例えば、あらかじめ、第2ホログラムを記録しない記録位置を設けることによってトリガを形成しておくと、リファレンス検索光照射時に、トラックの開始位置では、リファレンス再生光が再生されない位置を検出するので、この位置をトラックの開始位置に特定することができる。トラックの開始位置を特定することによって、トラックに固有の線速度とトラックに記録されたホログラムの数に基づいて、トラックにおけるホログラムの記録位置を特定することもできる。
このように、第2の実施形態では、第1ホログラムと第2ホログラムとを独立して記録する。図10のステップS1002〜S1005に示したとおり、まず、情報光及び参照光を照射して第1ホログラムを記録した後、次に、リファレンス情報光及びリファレンス参照光を照射して、すでに第1ホログラムが記録されたその記録位置に第2ホログラムを第1ホログラム記録した。このため、情報光及び参照光とリファレンス情報光及びリファレンス参照光とが、時間的に重なっておらず、また対物レンズの入射瞳面において空間的にも重なっていないため、第1ホログラムと第2ホログラムとを独立して記録することができる。なお、時分割する代わりに、情報光及び参照光の偏光方向とリファレンス情報光及びリファレンス参照光の偏光方向とを直交させることによって、第1ホログラムと第2ホログラムとを独立して記録することもできる。かかる実施形態について、図15及び図16を用いて後述する。
図12は、画像情報の検索処理及び相関信号の補正処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1201において、情報処理装置1の検索・補正処理部12は、検索画像情報を取得し、取得した検索画像情報から検索用の二次元パターン情報を生成する。また、第2ホログラムの記録時に用いたリファレンス情報を取得し、取得したリファレンス情報からリファレンス用の二次元パターン情報を生成する。なお、第1ホログラムの記録時に用いた画像情報に前処理が施されている場合、検索・補正処理部12は、取得した検索画像情報にも同じ前処理を施し、前処理された検索画像情報から検索用の二次元パターン情報を生成する。また、第2ホログラムは同じリファレンス情報によって記録されたので、リファレンス情報を取得し、リファレンス用の二次元パターン情報を生成する処理は初回だけでよく、2回目以降は省いてもよい。
次に、ステップS1202において、検索・補正処理部12は、光生成手段43によって、検索光を生成し、検索光をホログラフィック記録媒体20に照射する。検索光が照射されると、第1ホログラムから再生光が再生されるので、ステップ1203において、検索・補正処理部12は、第1光検出手段53aによって、再生された再生光を検出する。さらに、検索・補正処理部12は、第1光検出手段53aによって、再生光を検出すると、再生光の光強度に基づいて相関信号を取得する。
他方、ステップS1204において、検索・補正処理部12は、光生成手段43によって、リファレンス検索光を生成し、リファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20に照射する。リファレンス検索光が照射されると、第2ホログラムからリファレンス再生光が再生されるので、ステップS1205において、検索・補正処理部12は、第2光検出手段53bによって、再生されたリファレンス再生光を検出する。検索・補正処理部12は、第2光検出手段53bによって、リファレンス再生光を検出すると、リファレンス再生光の光強度に基づいてリファレンス信号を取得する。
なお、ここでは、説明のため、検索光を照射し、再生光を検出する処理(S1202、S1203)とリファレンス検索光を照射し、リファレンス再生光を検出する処理(S1204、S1205)とを分けて記載したが、第2の実施形態では、第1ホログラムと第2ホログラムとは同じ記録位置に重ねて記録されており、さらに、リファレンス検索光を生成する領域と検索光を生成する領域とが異なる位置に配置されているので、検索・補正処理部12は、光生成手段43の各領域に検索用の二次元パターン情報及びリファレンス用の二次元パターン情報をそれぞれ表示し、検索光とリファレンス検索光とを同時に生成し、検索光及びリファレンス検索光を同時に照射し、再生光及びリファレンス再生光をいっぺんに検出するように構成してもよい。
図13は、検索光とリファレンス検索光とを同時に照射する場合の光生成手段43における表示面及び動作を説明する図であり、図14は、取得した相関信号及びリファレンス信号の波形を示す説明図である。
光生成手段43は、図13(A)に示すように、表示面の一部の領域43aに検索画像情報から生成された検索用の二次元パターン情報35aを表示し、表示面の他の一部の領域43cにリファレンス情報から生成されたリファレンス用の二次元パターン情報35bを表示する。ホログラム用光源41からの光が光生成手段43に照射されると、領域43aによって空間的に変調された検索光36aが生成されるとともに、領域43cによって空間的に変調されたリファレンス検索光36bが生成される。なお、図13(A)には、参考として、記録時において参照光を生成するための領域43b及びリファレンス参照光を生成するための領域43dを点線で示している。
生成された検索光36aが対物レンズ50によってフーリエ変換されてホログラフィック記録媒体20に照射されると、ホログラム記録層21に記録された第1ホログラム24aと干渉し、第1ホログラム24aから記録時の参照光33aに相当する再生光37aが再生される。再生された再生光37aは、第1光検出手段53aによって検出される。
また、生成されたリファレンス検索光36bが対物レンズ50によってフーリエ変換されてホログラフィック記録媒体20に照射されると、ホログラム記録層21に記録された第2ホログラム24bと干渉し、第2ホログラム24bから記録時のリファレンス参照光33bに相当するリファレンス再生光37bが再生される。再生されたリファレンス再生光37bは、第2光検出手段53bによって検出される。
第2の実施形態において、第1ホログラム24a及び第2ホログラム24bは、同じ記録位置に記録されているが、ホログラムはそれぞれ独立して記録されている。このため、第1ホログラム24aにリファレンス検索光36bが照射されても殆ど干渉せず、第1ホログラム24aと検索光との相関を示す相関信号を得ることができ、また第2ホログラム24bに検索光36aが照射されても殆ど干渉せず、第2ホログラム24bとリファレンス検索光36bとの相関を示すリファレンス信号を得ることができる。なお、リファレンス検索光36bは、所定のリファレンス用の二次元パターン情報35bによって空間変調されたものであり、リファレンス情報光と同じものであるから、第2ホログラムから得られるリファレンス信号は、基本的には自己相関値である。
図14において、縦軸は、リファレンス信号及び相関信号の値を示す軸であり、横軸は、ホログラフィック記録媒体20に記録されたホログラムの記録位置を示す軸であり、リファレンス信号1401は実線で示され、相関信号1403は点線で示されている。横軸のホログラム1405は、ホログラフィック記録媒体20において、例えば、k番目の記録位置に記録された第1ホログラム及び第2ホログラムである。
第2の実施形態では、第2ホログラムは、第1ホログラムと同じ記録位置に光学的に重ねられて記録されている。k番目のホログラム1405において、リファレンス信号1401(実線)のピーク値(Max(k))1402は、リファレンス情報に基づいて形成された第2ホログラムから再生されたリファレンス再生光に基づいて取得した値であり、自己相関値である。前述した通り、第2ホログラムから得られるリファレンス信号は、基本的にはすべて自己相関値であるから、リファレンス信号1401は、本来であれば、すべての第2ホログラムにおいて同じピーク値となるはずである。しかし、実際のリファレンス信号においては、種々のばらつきに応じて各ピーク値は変動する。このリファレンス信号のピーク値の変動は、種々のばらつきを反映したものであり、第1ホログラムの再生光においても同様のばらつきが反映されるため、リファレンス信号1401の変動を用いて第1ホログラムの再生光の値を補正することができる。
また、リファレンス信号1401は、各ピークの間において、リファレンス検索光が各ホログラムと実質的に干渉しない領域があり、バックグラウンドが検出される。これらのバックグラウンドを結ぶことによって、ベースライン1416が形成される。ベースライン1416に基づいて、k番目の第2ホログラム1405のバックグラウンド(Min(k))1414を計算することができる。
相関信号1403(点線)は、自己相関となるk番目の記録位置に記録された第1ホログラム1405において強いピーク(C(k)という)1404が検出されており、相互相関となる他の第1ホログラムでは低いピークが検出されている。
ここで、再び、図12の説明に戻る。ステップS1206において、検索・補正処理部12は、対応表800を作成する。対応表作成の処理は、第1の実施形態における処理(S504)とほぼ同様であるが、第2の実施形態では、リファレンス信号に基づいてすべての記録位置で自己相関値を直接取得することも可能であり、その場合は、検索・補正処理部12は、取得したリファレンス信号のピーク値を自己相関値として対応表800に格納する。また、相関信号805の項目に相関信号の値「C(k)」を格納する。
次に、ステップS1207において、検索・補正処理部12は、相関信号を補正(規格化)する。補正後の相関信号の値「C’(k)」は、自己相関値「Max(k)」1402及びバックグランド「Min(k)」1414を用いて、下記の式に基づいて計算される。
C’(k)
={C(k)−Min(k)}/{Max(k)−Min(k)}・・・(式7)
なお、検索・補正処理部12は、補正後の相関信号の値「C’(k)」を対応表800の補正後の相関信号806の項目に格納してもよい。また、ここでは、自己相関値「Max(k)」及びバックグラウンド「Min(k)」を用いて相関信号C(k)を補正したが自己相関値「Max(k)」のみを用いて相関信号を補正してもよい。この場合、補正後の相関信号の値「C’(k)」は、下記の式8に基づいて計算される。
C’(k)=C(k)/Max(k)・・・(式8)
また、バックグラウンド「Min(k)」のみを用いて相関信号の値「C(k)」を補正してもよい。この場合、補正後の相関信号の値「C’(k)」は、例えば、下記の式9に基づいて計算される。
C’(k)=C(k)−Min(k)・・・(式9)
次に、ステップS1208において、検索・補正処理部12は、補正後の相関信号の値と所定の閾値とを比較することによって、第1ホログラムとして記録された画像情報が検索画像情報に類似しているか否か判定する。ステップS1208において、補正後の相関信号が所定の閾値より大きく、第1ホログラムとして記録された画像情報が検索画像情報に類似していると判定された場合、検索・補正処理部12は、ステップS1209として、例えば、そのホログラム番号を検索結果として出力する。一方、ステップS1208において、補正後の相関信号が所定の閾値より小さく、第1ホログラムとして記録された画像情報が検索画像情報に類似していないと判定された場合、検索・補正処理部12は、ステップS1210に進む。
最後に、ステップS1210において、検索・補正処理部12は、対象となる検索画像情報があるか否か判定する。ステップS1210において、対象となる検索画像情報があると判定された場合、検索・補正処理部12は、次の検索画像情報を取得する(S1201)。一方、ステップS1210において、対象となる検索画像情報がないと判定された場合、検索・補正処理部12は、検索の処理を終了する(S1211)。
なお、ステップS1203において、記録時に設定されたホログラムの記録位置(ピッチ情報又はタイミング情報)がメモリ10に保持されている場合、又は対応表800にホログラムの記録位置(ピッチ情報又はタイミング情報)が格納されている場合、検索・補正処理部12は、これらの情報に基づいて、再生光を検出するタイミングを計算し、所定のタイミングで再生光のピーク部分付近のみを検出してもよい。なお、リファレンス再生光については、バックグラウンドを検出するため、常時検出するようにしておくことが好ましい。ただし、補正にバックグラウンドを必要としない場合は、ピーク部分付近のみを検出してもよい。
また、本実施形態では、検索・補正処理部12は、リファレンス検索光と検索光とを同じタイミングで同じ記録位置に照射すると説明したが、再生光を検出するタイミングを計算するため、先にステップS1204及びS1205を実行し、取得したリファレンス信号のピークから第2ホログラムの中心位置(すなわち、第1ホログラムの中心位置)を特定し、特定された位置に基づいて第1ホログラムから再生された再生光を検出するタイミングを計算し、その後、ステップS1202及びS1203を実行し、計算されたタイミングに基づいて再生光を検出してもよい。
さらに、第2ホログラム記録時にトラックの開始位置を示す規則的に第2ホログラムを配置すれば、検索・補正処理部12は、先に、リファレンス検索光をホログラフィック記録媒体20の全周に照射することによって、トラックの開始位置を特定し、さらにトラックの線速度及びトラックに記録されたホログラムの数を特定し、これらの情報に基づいて、検索光を照射し、再生光を取得してもよい。
図9ないし図11の実施形態においては、情報光及び参照光とリファレンス情報光及びリファレンス参照光とを時分割して記録したが、情報光及び参照光の偏光方向とリファレンス情報光及びリファレンス参照光の偏光方向とを直交させることによって、第1ホログラムと第2ホログラムとを独立して記録することもできる。かかる実施形態について、図15及び図16を用いて説明する。
図15は、第2の実施形態の光相関演算装置の変形例を示す概略構成図である。図16は、第1の偏光と第2の偏光とを与える部分波長板57の例を示す説明図である。図15の光相関演算装置は、図9に示した光相関演算装置2とは、対物レンズ50の前に部分波長板57を設けた点で異なる。その他の構成については同じであるので、同一の構成には、同一の番号を付し、説明を省略する。
部分波長板57は、情報光及び参照光の偏光方向とリファレンス情報光及びリファレンス参照光の偏光方向とを直交させる手段であり、対物レンズ50の前に配置され、特に好ましくは対物レンズ50の入射瞳面に配置されることが好ましい。図16においては、部分波長板57は、リファレンス情報光及びリファレンス参照光が通過する領域に偏光方向を直交させるための二分の一波長板の領域58、59が設けられ、情報光及び参照光が通過する領域ではそのままの偏光状態で透過するように構成されている。二分の一波長板の領域58、59は、図11に示した光生成手段43の表示面におけるリファレンス情報光を生成するための領域43c及びリファレンス参照光を生成するための領域43dの形状、大きさ、位置に対応して設けられるのが好ましい。なお、部分波長板57の形状及び大きさはこれに限定されず、リファレンス情報光及びリファレンス参照光ではなく、情報光及び参照光を生成するための領域に二分の一波長板の領域を対応させて、情報光及び参照光の偏光方向を直交させてもよい。
偏光の違いを利用して第1ホログラムと第2ホログラムとを同時に記録する処理では、図10に示したステップS1003とS1005とが同時に実行される。すなわち、ホログラム記録処理部11は、光生成手段43によって、情報光及び参照光と、リファレンス情報光及びリファレンス参照光と、を同時に生成し、生成された各光をホログラフィック記録媒体20の所定の記録位置に照射して、その記録位置に第1ホログラムと第2ホログラムとを独立して同時に記録する。
図15を参照すると、ホログラム用光源41及び光生成手段43によって生成された情報光及び参照光とリファレンス情報光及びリファレンス参照光とは、最初は何れも同じ直線偏光であり、偏光ビームスプリッタ44を透過して、四分の一波長板49に入射する。各光は、四分の一波長板49によって、例えば、S偏光から右回転の円偏光に変換される。そして、各光が部分波長板57に入射すると、情報光及び参照光については二分の一波長板が設けられていない領域を透過するので偏光が変換されずにそのままである。一方、リファレンス情報光及びリファレンス参照光については、対応する位置に設けられた二分の一波長板の領域58、59を通過するので、右回転の円偏光が左回転の円偏光に変換される。したがって、情報光及び参照光と、リファレンス情報光及びリファレンス参照光とでは、円偏光の回転方向が直交するので、対物レンズ50によって集束されてホログラフィック記録媒体20の所定の記録位置に照射されても相互に干渉することなく、同じ記録位置に第1ホログラムと第2ホログラムとを独立して形成することができる。
この方法で記録した記録媒体においても、画像情報の検索処理及び相関信号の補正処理については、図12ないし図14で説明した処理を利用することができる。なぜなら、再生光は、ホログラフィック記録媒体20で反射されて戻ってきた参照光と同じものであるから、反射によって回転方向が逆となり、左回転の円偏光である。この再生光は、部分波長板57に入射すると、二分の一波長板が設けられていない領域を透過するので偏光は変わらないが、四分の一波長板49に入射することによって、左回転の円偏光がP偏光に変換される。これは、当初の参照光(S偏光)とは偏光方向が直交するので、偏光ビームスプリッタ44で第1光検出手段53aに向けて反射される。一方、リファレンス再生光は、ホログラフィック記録媒体20で反射されて戻ってきたリファレンス参照光と同じものであるから、反射によって回転方向が逆となり、右回転の円偏光である。このリファレンス再生光は、部分波長板57に入射すると、二分の一波長板の領域59を通過するので、右回転の円偏光が左回転の円偏光に変換され、さらに、四分の一波長板49に入射することによって、再生光と同じく、左回転の円偏光がP偏光に変換される。このため、リファレンス再生光も、当初のリファレンス参照光(S偏光)とは偏光方向が直交するので、偏光ビームスプリッタ44で第2光検出手段53bに向けて反射される。このように、部分波長板57の影響は、2回通過することで相殺されるので、図12ないし図14で説明した処理をそのまま利用できる。
以上説明したように、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、画像検索システムは、ホログラフィック記録媒体に所定の情報に基づいて生成された第2ホログラムが記録されているため、リファレンス検索光によってホログラムから発生したリファレンス再生光を検出して取得したリファレンス信号に基づいて、第1ホログラムの相関信号を補正するので、ホログラフィック記録媒体、光学系及びサーボ系のばらつきの影響があったとしても、正確に画像情報を検索することができる。また、第2の実施形態では、第1ホログラムと第2ホログラムが異なる方法で記録されており、同じ位置に記録させることができ、すべての記録位置においてリファレンス信号を直接検出することができる。加えて、リファレンス検索光によって第2ホログラムから発生するリファレンス再生光により、各ホログラムの位置を特定することができ、より精度を高めることができる。また、一部の第2ホログラムの配置に規則性を持たせることにより、動作や位置の基準とすることができ、ホログラフィック記録媒体のアドレス層を省略することも可能となる。本実施形態のホログラム記録方法では、時分割して第1ホログラムと第2ホログラムとを同じ記録位置に記録することができるほか、異なる偏光を利用して第1ホログラムと第2ホログラムとを同じ記録位置に同時に記録することもできる。偏光を利用すると、第1ホログラムと第2ホログラムを同時に記録することができるので、記録処理に要する時間を短縮することができる。
1 情報処理装置
2 光相関演算装置
3 記憶装置
4 CPU
5 通信ネットワーク
10 メモリ
11 ホログラム記録処理部
12 検索・補正処理部
20 ホログラフィック記録媒体
24 ホログラム
24a 第1ホログラム
24b 第2ホログラム
32a 情報光
32b リファレンス情報光
33a 参照光
33b リファレンス参照光
36a 検索光
36b リファレンス検索光
37a 再生光
37b リファレンス再生光
40 光学系
43 光生成手段
53 光検出手段
53a 第1光検出手段
53b 第2光検出手段
701 リファレンス信号
703 相関信号
800 対応表
1401 リファレンス信号
1403 相関信号

Claims (8)

  1. 複数の画像情報から検索画像情報に類似する画像情報を検索する画像検索システムであって、
    情報処理装置と、前記情報処理装置と直接又はネットワークを介して接続された光相関演算装置と、を備え、
    前記光相関演算装置は、
    前記複数の画像情報に基づいて形成された複数の第1ホログラム、及び所定の情報に基づいて形成された複数の第2ホログラムが記録されたホログラフィック記録媒体と、
    前記検索画像情報に基づいて検索光を生成する第1の光生成手段と、
    前記所定の情報に基づいてリファレンス検索光を生成する第2の光生成手段と、
    前記検索光及び前記リファレンス検索光を前記ホログラフィック記録媒体に対して照射する光学系と、
    前記光学系によって前記検索光を前記ホログラフィック記録媒体に照射することにより、前記ホログラフィック記録媒体から再生された再生光を検出する第1の光検出手段と、
    前記光学系によって前記リファレンス検索光を前記ホログラフィック記録媒体に照射することにより、前記ホログラフィック記録媒体から再生されたリファレンス再生光を検出する第2の光検出手段と、を有し、
    前記情報処理装置は、前記第2の光検出手段によって検出したリファレンス再生光の値に基づいて、前記再生光の値を補正し、前記補正された再生光の値に基づいて、前記検索画像情報に類似する画像情報を検索することを特徴とする画像検索システム。
  2. 前記情報処理装置は、前記検出されたリファレンス再生光に基づいて、前記第1ホログラムの記録位置を特定し、前記特定された記録位置に基づいて、前記再生光を検出するタイミングを計算することを特徴とする請求項1に記載の画像検索システム。
  3. 前記情報処理装置は、前記特定された第1ホログラムの記録位置を示す位置情報と前記第1ホログラムを識別する情報とを対応付けた情報を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像検索システム。
  4. 前記第2ホログラムは、前記ホログラフィック記録媒体において、複数の第1ホログラム毎に非連続的に記録されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像検索システム。
  5. 前記情報処理装置は、
    前記第2ホログラムから再生されたリファレンス再生光のピーク値に基づいて、各記録位置における自己相関時の理論値を算出し、
    前記第1ホログラムの記録位置における自己相関時の理論値に基づいて、前記第1ホログラムから再生された再生光の値を補正することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像検索システム。
  6. 前記情報処理装置は、
    前記検出されたリファレンス再生光に基づいて、各記録位置における再生光のベースラインを算出し、
    前記再生光のベースラインに基づいて、前記第1ホログラムから再生された再生光の値を補正することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像検索システム。
  7. 前記再生光を検出する第1の光検出手段と前記リファレンス再生光を検出する第2の光検出手段とが同じ光検出手段からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像検索システム。
  8. 前記ホログラフィック記録媒体において、前記第2ホログラムの少なくとも一つは、前記第1ホログラムが記録されている記録位置と同じ位置に、当該位置に記録された第1ホログラムとは独立して記録されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像検索システム。
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