JP2010060605A - 画像情報記録方法及び画像情報照合システム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像情報記録方法および画像情報照合システムにおいて、高精度化、または高密度化及び高速化する。
【解決手段】ホログラフィック記録媒体に画像情報をホログラムとして記録する方法であって、記録する画像情報に対し、少なくとも、複数のブロックに分割する分割処理及び複数のブロックを所定のランダム変換配列に従って並び替えるランダム符号化処理を行って記録用の二次元パターン情報を生成し、記録用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して物体光を生成し、物体光のフーリエ変換像及び記録用参照光をホログラフィック記録媒体に照射して、物体光のフーリエ変換像と記録用参照光とによって形成されるホログラムをホログラフィック記録媒体に記録する。
【選択図】図5

Description

本発明は、光相関を利用して、ある画像と他の画像を照合するための画像情報記録方法及び画像情報照合システムに関し、特に、ホログラフィを利用して2つの画像の光相関演算を行うための画像情報記録方法及び画像情報照合システムに関するものである。
従来の画像や動画の検索技術としては、画像や動画にキーワードを設定しておき、検索者がキーワードを入力して、キーワードに合致する画像や動画を検索する技術が大半であった。しかし、キーワードを用いた検索方法では、設定したキーワードが不適切であった場合には、適切な検索をすることができない点が問題だった。さらに、キーワードの設定には、個人差が存在し、また個人の主観の違いや表現の違いによってキーワードが必ずしも一致しない点でも問題であり、さらにキーワードが一致した場合には、目的の画像や動画以外の動画であっても検索されてしまう点でも問題がある。
このため、画像や動画をより高精度に行うためには、入力情報にも画像を用いた2次元データ同士の相関により検索を行うことが望まれる。従来の光相関を利用する画像検索技術は、大量の記録された画像データから入力された画像を検索するにあたって、厚みのない液晶素子や薄いホログラムなどを表示素子として光相関を用いるものがあった。しかし、液晶素子は、大量の記録された画像データを切り替えながら光相関を行うが、画像の切り替えに電気制御が必要であり、1回の相関にかかる時間が制限される。また、記録媒体から蓄積された画像を液晶表示素子に転送してから光相関を行うため転送速度によっても光相関の速度が制限されていた。また、薄いホログラムでは記録容量や記録密度を上げることが困難であった。
他方で、ホログラムの干渉縞の間隔に比べて記録層の膜厚が大きい体積型(厚い)ホログラムを利用した場合には、記録容量や記録密度を上げることが可能であるが、ホログラムを記録するための光学系が複雑であり、記録時と再生時とで同一の波長及び同一の入射角の参照光が必要であり、厳密な位置合わせ及び照射条件が要求されるため、実用化には大きな課題が残っていた。
しかし、最近、同軸上で参照光と情報光を干渉させて体積型(厚い)ホログラムを記録するコリニア方式のホログラフィックメモリが開発されてきた(特許文献1)。コリニア方式の光情報記録再生装置は、空間光変調器によって空間的に変調された情報光と参照光とが同軸上に配置されて記録媒体に照射される。ホログラフィック記録媒体に照射された情報光と参照光とを干渉させて形成されたホログラムによって、ホログラフィック記録媒体のホログラム記録層内の感光性材料に光反応を生じさせ、ホログラム記録層にホログラムを定着させる。コリニア方式のホログラフィックメモリは、ディスク状のホログラフィック記録媒体を回転させながら記録再生するので、既存のDVDやCDなどの光ディスク技術と親和性が高く、光学系を簡易且つ小型化することが可能であること、また既存のDVDやCDに類似したアドレス方式やサーボ技術なども取り入れられており、厳密な位置合わせが実現可能であることから、次世代の記録方式として期待されている。
コリニア方式のホログラフィックメモリでは、記録媒体にホログラムを記録する際に、既に記録されたホログラムに対し、一部が重なるようにホログラムを多重させて記録することができる。この多重記録を行うことにより、多重記録する際のホログラムの間隔(ホログラムピッチ)に応じて、ホログラフィック記録媒体の記録密度及び記録容量を向上させることができる。
さらに、このようなコリニア式のホログラフィックメモリである体積型(厚い)ホログラムを用いることにより光相関演算を行って顔画像を照合することが提案されている(非特許文献1)。非特許文献1では、ホログラムの書き込み時には、空間光変調器の1画素をオン状態として参照光とし、その付近に顔画像を表示して情報光とし、それらの光を対物レンズによってフーリエ変換して記録媒体中で重ね合わせて干渉させホログラムを記録している。また、光相関演算時には、書き込み時と同じ位置に検索したい顔画像を表示することにより、ホログラムから再生された光を検出して相関演算を行っていた。ホログラムとして記録された顔画像と検索したい顔画像とが同一又は類似していると、ホログラムからは参照光が再生され、かかる参照光の強度は、類似度が高い程強くなるので、ホログラムから再生された光を相関値として利用することができる。
ところで、近年、小説、音楽、映画、写真など情報のデジタル化及びインターネットの普及に伴いインターネット上での著作権侵害が問題視されている。これは、情報をデジタル化することにより、品質を落とさず正確に複製することが可能であり、また情報の編集、翻案などの二次利用や三次利用が容易であること、さらにインターネットを通じて公衆送信できることから、他人の著作物を利用しやすい環境であることに起因する。特に、企業等の団体だけではなく、各個人においてもこれらの環境下にあるため、著作権侵害の予防、管理を困難なものとしている。
最近、インターネット上で動画を共有する動画共有サービスが提供されているが、この動画共有サービスにおいて著作権侵害が大きな問題となっている。動画共有サービスとは、あるユーザーがアップロードした動画データを共有化することで、他のユーザーにもダウンロード可能な状態とさせ、動画を公開、閲覧できるようにしたサービスである。この動画共有サービスには、一日に何万件もの動画データが投稿されており、それらの動画データの中には、著作権を侵害する違法なものも多数含まれているのが現状である。例えば、映画、テレビ番組、ライブ映像、プロモーションビデオなどが著作権者に無断でアップロードされている。
従来、動画共有サービスにおける著作権の管理は、利用規約などに著作権を侵害する動画データの投稿を禁止する旨を記載するだけで、各ユーザーの倫理に委ねており、特別な検閲システムを設けていなかった。仮に違法な動画データがアップロードされた場合であっても、第三者から違法な動画データとして指摘されたものについて削除するだけであった。著作権者などは、動画データを再生して、視認することによって違法な動画データを検索し、通報していたが、日々何万件も増加する動画データの全てを確認することは現実的ではなかった。しかも、違法な動画データは、通報して削除されても、ユーザーによって再び投稿されることが多く、従来の対策は実効的なものではなかった。
特許第3403068号公報 「全光型超高速光相関による画像検索エンジン」 Optics Japan 2005 講演予稿集 pp260-261、2005年 渡邉恵理子他
非特許文献1の顔画像を照合するためのシステムでは、ホログラフィック記録媒体を回転させながら画像を照合しているので、照合速度を向上させるためには、ホログラフィック記録媒体の記録密度を高く、即ち単位面積当たりのホログラムの数を多くすればよい。そして、ホログラフィック記録媒体の記録密度を高くするには、前述したとおり、多重記録におけるホログラムピッチを短くすればよい。
ところで、本発明者らが、非特許文献1の顔画像を照合するためのシステムを用いて、顔画像以外のあらゆる画像(以下「一般画像」という)の照合を試みたところ、一般画像の照合結果は、顔画像の照合結果に比べてエラーレートが高くなってしまった。特に、記録密度を高くするため、多重記録のホログラムピッチを短くしていくと、一般画像のエラーレートが急増し、精度が低下してしまい高密度化及び高速化できないことが判明した。
本発明は、画像情報記録方法および画像情報照合システムにおいて、高精度化、または高密度化及び高速化を目的とする。さらに、本発明は、顔画像以外の一般画像(その動画も含む)を照合できる画像情報照合システムを提供することを目的とする。また、かかるシステムを用いて、ネットワーク上のサイトにおいて閲覧可能な状態とされる一般画像に対して、実効的な検閲を可能とする画像情報照合システムを提供することを目的の一つとする。
本発明の画像情報記録方法は、ホログラフィック記録媒体に画像情報をホログラムとして記録する方法であって、記録する画像情報に対し、少なくとも、複数のブロックに分割する分割処理及び複数のブロックを所定のランダム変換配列に従って並び替えるランダム符号化処理を行って記録用の二次元パターン情報を生成し、記録用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して物体光を生成し、物体光のフーリエ変換像及び記録用参照光をホログラフィック記録媒体に照射して、物体光のフーリエ変換像と記録用参照光とによって形成されるホログラムをホログラフィック記録媒体に記録することを特徴とする。
また、本発明の画像情報照合システムは、ある画像情報とホログラフィック記録媒体に記録された画像情報とを照合する画像情報照合システムであって、ホログラフィック記録媒体には、記録する画像情報に対し、少なくとも、複数のブロックに分割する分割処理及び複数のブロックを所定のランダム変換配列に従って並び替えるランダム符号化処理を行って記録用の二次元パターン情報を生成し、記録用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して物体光を生成し、物体光のフーリエ変換像及び記録用参照光をホログラフィック記録媒体に照射して、物体光のフーリエ変換像と記録用参照光とによって形成されるホログラムが記録されており、照合する画像情報に対し、少なくとも、分割処理及びランダム符号化処理を行って照合用の二次元パターン情報を生成し、照合用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して照合光を生成し、照合光のフーリエ変換像をホログラフィック記録媒体に記録されたホログラムに照射し、ホログラムから再生された再生光の光強度を再生光検出器によって検出し、再生光の光強度の値を用いて記録された画像情報と照合する画像情報とを照合することを特徴とする。
さらに、上記画像情報記録方法又は画像情報照合システムにおいて、分割処理は、記録する画像情報や照合する画像を4画素以上400画素以下の複数の画素から構成される同一形状の複数のブロックに分割してもよい。
さらに、上記画像情報記録方法又は画像情報照合システムにおいて、画像情報は、分割処理の前に、所定の解像度に変更する画像処理及びエッジ強調処理が行われることが好ましい。
さらに、上記画像情報記録方法又は画像情報照合システムにおいて、記録用の二次元パターン情報及び照合用の二次元パターン情報は、ランダム符号化処理によって、記録する画像情報及び照合する画像情報の形状とは異なる形状の領域内に並び替えられて生成されることが好ましい。
さらに、上記画像情報記録方法において、記録用の二次元パターン情報は、複数の離間した領域に分割されており、複数の離間した領域に分割された記録用の二次元パターン情報に基づいて生成された物体光の複数の離間した領域の間に、記録用参照光が配置され、記録用参照光のフーリエ変換像がホログラフィック記録媒体に照射されることが好ましい。この場合、上記画像情報照合システムにおいては、照合用の二次元パターン情報は、複数の離間した領域に分割されており、複数の離間した領域に分割された照合用の二次元パターン情報に基づいて照合光が生成されることが好ましい。
本発明の画像情報記録方法又は画像情報照合システムを利用することにより、偏った構図等に起因して、局所的に、ホログラフィック記録媒体のホログラム記録層における感光材料を大量に消費してしまう結果、当該部分の感光材料が枯渇し、その後、別のホログラムを多重記録する際に、当該部分についてはホログラムを記録することができなくなるという問題を緩和して、信頼性を高めることができ、また多重記録のホログラムピッチを短くして記録密度及び照合速度を向上させることができる。その他の効果については、以下の実施の形態において記載する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。最初に、本発明の原理及び画像処理について説明し、次に、具体的な画像情報記録照合システムの構成及び動作について説明し、その後、実施例及び応用例を説明する。
図1(A)及び(B)は、記録時の空間光変調器43における表示面及び記録動作を示す概略図であり、(C)及び(D)は、照合時の空間光変調器43における表示面及び照合動作を示す概略図である。図1において、対物レンズ50の入射瞳面34または入射瞳面と共役な位置に、空間光変調器43の表示面が配置され、対物レンズ50の焦点位置近傍にホログラフィック記録媒体20が配置されている。ホログラフィック記録媒体20は、表面保護層22と反射層23との間に感光材料を含有するホログラム記録層21を挟み込んだ反射型の記録媒体である。
記録時には、図1(A)及び(B)に示すように、空間光変調器43の一部の領域43aに情報処理装置から入力された記録用の二次元パターン情報31が表示され、光源からの光を空間的に変調することで物体光32が生成される。また、空間光変調器43は、他の一部の領域43bに参照光のパターンを表示して、光源からの光を変調することで参照光33を生成する。空間光変調器43の領域43bは、領域43aの周囲に少なくとも一つ配置される。そして、物体光32及び参照光33は、対物レンズ50によってフーリエ変換され、記録媒体20の厚いホログラム記録層21において干渉し、干渉縞24が厚いホログラム記録層21に立体的に記録される(つまり、体積ホログラムが形成される)。物体光32及び参照光33は、空間光変調器によって回折されることで各画素からの発散光の集合となり、その物体光及び参照光における各画素からの発散光が対物レンズ50によって平行光として記録媒体20に照射されることで、全体としては収束する物体光と参照光とを交差させることができ、干渉縞を形成することができる(図1(B)参照)。その後、他の記録用の二次元パターン情報について、ホログラム記録層21の異なる位置に、一部を重畳させて順次記録していくことにより、多重記録することができる。このように、物体光と参照光とを同一の空間光変調器43によって生成することにより、物体光及び参照光の位相を揃えることができ、強い干渉縞を形成することができる。
参照光33は、照合時においては、照合用画像情報と記録された画像情報との光相関演算の結果を判定するものであり、その検出の容易性が照合速度に影響する。光相関演算の結果としては、参照光の光強度を検出する方式とすることが好ましい。本発明において、参照光33は、記録媒体に照射される再に、対物レンズによってフーリエ変換されることが好ましいが、フーリエ変換せずに実空間像を物体光のフーリエ変換像と干渉させてもよい。図1の画像情報記録照合システムでは、空間光変調器43を用いて参照光を生成したが、空間光変調器43とは別に参照光生成手段を設けてもよい。例えば、光源41からの光をビームスプリッタによって二光束に分離し、そのうちの一方を空間光変調器43に照射して物体光を生成し、他方を記録媒体に照射して参照光とする構成でもよい。この場合、対物レンズに入射する前に、参照光と物体光とを同軸とすることで、コリニア方式の光学系とすることもできるし、ホログラフィック記録媒体において物体光と交差するように参照光をそのまま照射すれば、二光束干渉型の光学系によって、物体光のフーリエ変換像と参照光の実空間像との干渉縞が記録される。なお、二光束干渉型の光学系において、別の対物レンズを用いて参照光を照射して、物体光のフーリエ変換像と参照光のフーリエ変換像との干渉縞を記録することもできる。なお、参照光のパターンについては、図1の形状に限定されるものではない。
照合時には、図1(C)及び(D)に示すように、空間光変調器43の記録用の二次元パターン情報31が表示された領域43aに、情報処理装置から入力された照合用の二次元パターン情報35が表示され、光源からの光を空間的に変調することで照合光36を生成する。照合光36は、対物レンズ50によってフーリエ変換され、記録媒体20の厚いホログラム記録層21に記録された干渉縞24と干渉し、再生光37を再生する。再生光37は、再生光検出器53によってその光強度が検出される。
本発明では、記録用及び照合用の二次元パターン情報31、35は、少なくとも、画像情報に対し、分割処理及びランダム符号化処理を実行して生成される。ここで、分割処理及びランダム符号化処理の作用及び構成について、図2〜図4を用いて、詳しく説明する。
従来技術において、一般画像の照合においてエラーレートが急増した原因は、一般画像が、顔画像とは異なり、画像により特徴が様々であることに起因すると推測される。すなわち、照合システム用の顔画像としては、通常、顔を正面から撮影したものが用いられ、大体の構図が定まっているが、一般画像は、人物を撮影したもの、風景を撮影したもの、アニメやドラマの画像など様々であり、その構図が定まっていない。このため、実際にホログラフィック記録媒体に記録される一般画像のフーリエ変換像も画像により大きく異なる。フーリエ変換像は周波数画像であり、原点を中心部とすると、中心部が低周波成分であり、画像の端に近い程、高周波成分となる。
図2は、上段に3種類の前処理が施された一般画像を示し、下段にそれらのフーリエ変換像を示すものである。図2左の一般画像は画面全体に均等に被写体が配置されており、そのフーリエ変換像は中心部の光が強いもののほぼ全体に広がっている。これに対し、図2中央の一般画像は画面の下側に被写体が偏った構図であり、そのフーリエ変換像は、中心部とその縦方向に光が集中している。図2右の一般画像は画面の左側に被写体が偏った構図であり、そのフーリエ変換像は、中心部とその横方向に光が集中している。
図2中央および右のように、フーリエ変換像の光強度が偏っていると、光強度が強い部分において、局所的に、ホログラフィック記録媒体のホログラム記録層における感光材料を大量に消費してしまう。この結果、当該部分の感光材料が枯渇し、その後、別のホログラムを多重記録する際に、当該部分についてはホログラムを記録することができなくなる。このように推測すると、ホログラムピッチを短くした時にエラーレートが急増したことの説明が付く。
本発明では、記録する画像に対し、少なくとも、複数のブロックに分割する分割処理及び複数のブロックを所定のランダム変換配列に従って並び替えるランダム符号化処理が行われる。このため、記録用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して物体光を生成すると、物体光のフーリエ変換像は、比較的高周波成分が多く、中心を少しずれたところから、画像の端まで全体的に光が広がる。図3上段は、それぞれ図2上段の3種類の前処理が施された一般画像に対し、2×2=4画素のブロックに分割する分割処理を行い、複数のブロックをランダムに並び替えるランダム符号化処理を行った記録用の二次元パターン情報を示し、下段は、それらのフーリエ変換像を示す。図3下段から明らかなように、ランダム符号化処理を行うことで、フーリエ変換像は、弱い光が広範囲に広がるので、ホログラム全体が一様に記録され、照合の信頼性を高めることができる。また、ホログラム記録層における感光材料が平均化に消費されるため、多重記録のホログラムピッチを短くしても、エラーレートを低くできるので、記録密度及び照合速度を向上させることができる。
ブロックの形状としては、並び替えの容易性から、長方形または正方形とすることが好ましい。長方形の場合は、各辺の画素数は、画像情報の対応する辺の画素数の約数とし、正方形の場合は、一辺の画素数は、画像情報の縦及び横の公約数とする。
ここで、分割処理は、画像情報を全ての画素に分割してもよいが、画像情報を4画素以上400画素以下の複数の画素から構成されるブロックに分割することが好ましい。複数の画素からなるブロックに分割することで、全ての画素に分割してランダム符号化した場合に比べて、照合した際の精度を向上させることができる。その理由の一つは、ランダム符号化のブロック単位によって、各画像の位置ずれに対する許容範囲が広がるためであると推測している。全ての画素に分割してランダム化をすると、記録時と照合時とで照射位置に位置ずれが生じていた場合、例えば1画素分の位置ずれが発生した場合、隣接する画素に相関がないため、まったく異なる画像となってしまう。しかし複数の画素からなるブロック単位で区切っておく事で、ある程度の位置ずれに対する許容が可能になる。ただし、一つのブロックが大きいと、構図の偏りによるフーリエ変換像の偏りを均一化することができず、多重記録した際の信頼性が低下してしまう。ブロックの大きさは、画像情報の大きさに依存せず、4画素以上400画素以下であることが好ましい。
ブロックの形状としては、並び替えの容易性から、長方形または正方形とすることが好ましい。長方形の場合は、各辺の画素数は、画像情報の対応する辺の画素数の約数とし、正方形の場合は、一辺の画素数は、画像情報の縦及び横の公約数とする。全てのブロックを同じ大きさ、同一形状とすると分割処理及びランダム符号化処理が容易であるが、異なる大きさ及び/又は異なる形状とすることも可能である。例えば、2×2=4画素の正方形のブロックと2×4=8画素の長方形のブロックとを2:1の割合で分割したり、2×2=4画素の正方形のブロックと、1×4=4画素の長方形のブロックとに分割したり、2×2=4画素の正方形のブロックと、4×4=16画素の正方形のブロックとに分割させたりすることも可能である。
図4は、二次元パターン情報を生成するためのフローチャートを示す。分割及びランダム符号化処理を開始する前に、予め、分割処理によって分割されるブロックの大きさまたは数を設定し、分割数nを求め、1〜nまでのランダム変換配列を作成しておく。図5(A)は分割数24のランダム変換配列の一例である。図5(A)の左側は、変換前の配列であり、1〜24までのブロックが規則的に配置されている。図5(A)の右側は、ランダム変換配列によって変換された配列であり、1〜24までのブロックがランダムに配置されている。
まず、情報処理装置30が画像情報38を取得すると(S1)、記録する画像情報に対し、必要な前処理を行う(S2)。前処理としては、例えば、グレースケール化処理、2値画像化処理、解像度を変更する画像処理、画像の一部を切り取るトリミング処理、エッジ強調処理等の一つ若しくは複数を行うことができる。特に、エッジ強調処理は、画像情報の特徴である構図の要素を明らかにするものであるから、分割及びランダム符号化処理の前に実行することが好ましい。また、所定の解像度に変更する画像処理は、種々の解像度の画像情報を記録する場合に、記録する画像情報を規格化するのに役立つ。なお、これらの各前処理については後述する。
次に、予め設定された分割数nに画像情報を分割する分割処理を行う(S3)。分割数nは、(画像情報の解像度)/(1ブロックの画素数)で求まる。分割数nは、少なくとも同一のデータベースに登録する画像情報については同じ分割数とする。なお、登録される画像情報の種類に応じて、分割数nの異なるデータベースを設けてもよい。例えば、風景画のデータベースについては構図の偏りが予想されるので分割数を多くし、アニメ動画のデータベースについては構図の偏りが予想されるので分割数を少なくし、顔画像のデータベースについては分割しない等、それぞれのデータベースに登録される画像情報の特徴を分割数に反映させることが好ましい。
そして、分割した各ブロックに対し、図5(A)左に示す順番に1〜24の番号を振り(S4)、図5(A)右に示すような配列に並び替え、二次元パターン情報31を生成し、空間光変調器43に出力する(S5)。図5(B)は、図5(A)のランダム変換配列によってランダム符号化処理を施した例を示す。図5(B)の左側の画像情報38に対し24分割し、それを図5(A)右に示すような配列に並び替えたものが図5(B)の右側の画像である。
また、ランダム符号化処理において、画像情報の形状とは異なる形状の領域内に並び替えることにより、二次元パターン情報の形状を自由に、例えば長方形、正方形、その他の多角形、円形、円環状、四角環状などに設定することができる。図5においては、図5(B)左側の画像情報も、図5(B)右側の生成された二次元パターン情報も、同じ長方形であるが、例えば、図6(A)に示すような略円形の領域に配列させて、図6(B)に示すように、略円形の二次元パターン情報を生成してもよい。
その他の前処理としては、グレースケール化処理、2値画像化処理、解像度を変更する画像処理、画像の一部を切り取るトリミング処理、エッジ強調処理等である。記録する画像情報の情報量が多い場合、そのまま記録用の二次元パターン情報として利用すると、演算時間が長くなり、膨大な記録容量が必要となる。このため、記録する画像情報に対し、情報量を減らす前処理を行うことが好ましい。また、記録する画像情報を所定の解像度、画質に規格化するためにも前処理を行うことが好ましい。照合用の二次元パターン情報は、記録されたホログラムの形成に使用された記録用の二次元パターン情報と同じ方法で生成されることが好ましい。
前処理として、記録用又は照合用の二次元パターン情報を生成する際に、2値画像化処理を行うことが好ましい。2値画像化処理とは、各画素を白と黒(0と1)の2色によって表示される画像に変換する処理であり、一般的な写真などの画像情報は、各画素が少なくともグレースケールの階調情報(8ビット)、多くの場合はカラーの色情報(24ビット)を有しているので、2値画像化処理を行うことで、記録用又は照合用の二次元パターン情報の容量を著しく減少させることができる。2値画像化処理された2値の記録用の二次元パターン情報と、同じく2値画像化処理された2値の照合用の二次元パターン情報とを相関演算して照合すると、フルカラーの画像同士やグレースケールの画像同士を相関演算した時よりも、演算速度が速くなることは勿論であるが、照合精度も向上することがあり、2値画像化処理は極めて有用な処理である。しかも、2値画像化処理された画像の演算量は軽量であるから、LSIなどの集積回路によってハードウェアとして専用の演算装置を作製することも可能である。
2値画像化処理の手法としては、固定しきい値法と領域指定法の2種類に大別することができる。前者はグレースケール階調のある値で2値化のしきい値を決定する方法であり、後者はまず、画像全体の2値の割合を先に決めておき、濃度値のヒストグラムから、2値化のしきい値を定める方法である。2値化のしきい値をT、原画像の各画素の要素をf(i,j)、2値画像の各画素の要素をg(i,j)とすると、下記数式(1)のように定義できる。なお、画像情報がカラーの場合は、まずカラーの色情報を取り除き階調情報だけのグレースケールに変更して、2値化すればよい。
また、2値画像化処理ではなく、若しくは2値画像化処理の前後に加えて、記録する画像情報や照合する画像情報に対し、解像度を変更する画像処理、画像の一部を切り取るトリミング処理、エッジ強調処理などを行ってもよい。
特に、エッジ強調処理は、画像情報の特徴である構図の要素を明らかにするものであるから、ランダム符号化処理の前に実行することが好ましい。さらに好ましくは、2値画像化処理によって画像情報の一部が失われてしまうので、エッジ強調処理は、2値画像化処理の前に実行する。また、所定の解像度に変更する処理は、ランダム符号化処理において、ブロックの大きさを画素数で特定する場合には、ランダム符号化処理の前に実行する必要がある。
2値画像化処理は、データ形式の変換処理、圧縮処理及び暗号化処理とは異なり、基本的に情報を削除するだけの不可逆な変換である。すなわち、データ形式の変換処理、圧縮処理及び暗号化処理は、元のフレーム画像に復元するため、逆変換できるような情報を自ら又は別ファイルに有している。しかし、2値画像化処理は、元のフレーム画像が持っていた色情報及び階調情報を捨て去るだけであり、2値画像それ自体では元のフレーム画像に復元することができない。また、解像度を低くする画像処理、画像の一部を切り取るトリミング処理、エッジ強調処理も基本的に情報を削除するだけの不可逆な変換である。
元の記録する画像情報に復元できないことは、情報記録再生装置では致命的な問題点であるが、情報の照合を目的とする画像情報記録照合システムにおいては大きな問題とはならない。照合する画像情報がデータベースに登録されているか否かだけを照合する場合であれば、記録されているホログラムから記録する画像情報に復元させる必要はない。また、照合する画像情報を特定したい場合には、記録用の二次元パターン情報を記録する際に、ホログラムのアドレス情報を取得して、記録した画像情報の識別情報と対応するホログラムのアドレス情報との対応関係を別の記録媒体(半導体メモリー、ハードディスクドライブ、光メディア等)に記録しておけば、照合時に、相関値の高いホログラムのアドレス情報を取得することによって、別の記録媒体に記録した上記対応関係から、照合した画像情報と一致又は類似する画像情報の識別情報を特定することができる。なお、識別情報とは、画像情報を特定するための情報であり、例えば画像情報のタイトル、識別番号、著作者、容量、作成年月日又はデータ形式等である。
本発明の画像情報記録照合システムは、照合する画像情報から生成された照合用の二次元パターン情報との相関値(類似度)を直接検出できるので、様々な用途に応用することが可能である。例えば、照合画像と一致する画像を照合するだけではなく、類似する画像を照合する曖昧照合を行うことができる。また、記録する画像情報として、顔、指紋、静脈、虹彩などのバイオメトリクス情報を記録すれば、バイオメトリクス認証を利用した管理・認証システムに利用することができる。
さらに、動画データから抽出された静止画像をデータベースとして記録するにより、動画データの照合も可能であり、動画フィルタリングシステムを構築することも可能である。本発明の画像情報記録照合システムは、予め著作権により保護されている動画データをデータベースとして記録しておき、ネットワーク上のサイトにおいて閲覧可能な状態とされる動画データの静止画像をデータベースと照合することにより、違法な動画データを特定することができ、検閲することができる。
次に、より具体的な画像情報記録照合システムの構成及び動作について説明する。図7は、本発明の画像情報記録照合システムの一実施形態を示す概略構成図である。画像情報記録照合システム1は、ホログラフィック記録媒体に画像情報を記録するシステムと記録された画像情報の照合とを行うシステムとを具備しており、ホログラフィック記録媒体20、情報処理装置30及び光学系40とを有している。
図7において、ホログラフィック記録媒体20は、表面保護層22と反射層23との間に感光材料を含有するホログラム記録層21を挟み込んだ反射型の記録媒体である。ホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21には、物体光と参照光とを干渉させて形成されたホログラム24が記録される。ホログラム記録層21の厚さをホログラムの干渉縞の間隔に比べて大きく設計し、ホログラムをホログラム記録層21の厚み方向に立体的に記録することにより、画像情報を体積型のホログラム(厚いホログラムともいう)として記録することができる。また、ホログラフィック記録媒体20は、ホログラム24の位置を特定するためのアドレス情報及び/又は位置合わせ(サーボ)を行うためのサーボ情報(以下、アドレス情報とサーボ情報を合わせて「アドレス等情報」と呼ぶ)が記録されたアドレス層を備えていることが好ましい。例えば、アドレス等情報として、反射層23の表面に設けられた凹凸形状によってピットを形成し、反射層23をアドレス層としてもよい。ホログラフィック記録媒体20の表面保護層22として、ガラス基板を利用すると、温度変化等による収縮等を抑えることができる。反射層23としてはアルミニウム等の金属材料を利用することができる。
ホログラフィック記録媒体20は、記録媒体保持機構(図示せず)によって保持されており、好ましくは、記録媒体保持機構に回転駆動装置を取付け、記録媒体20を回転可能な構成とする。さらに、ホログラフィック記録媒体20及び光学系40は、位置合わせ(サーボ)を行うために、相対的に移動可能に構成されており、ホログラフィック記録媒体20を移動させる場合は、X軸、Y軸又はZ軸方向に移動する駆動装置を取付ける。X軸方向は光軸に対して垂直な任意の方向、Y軸方向は光軸及びX軸方向に対して垂直な方向、Z軸方向は、光軸と平行な方向を指す。なお、光学系40を移動させてサーボを行ってもよい。
記録速度及び照合速度を高めるためには、ホログラフィック記録媒体20を回転させながら記録及び照合することが好ましい。画像情報記録照合システムにおいて、画像情報照合システムの方が処理速度に迅速性が求められるので、特に、迅速性が求められる照合時において回転させながら照合することが好ましい。画像情報の記録は、画像情報が逐次追加される可能性はあるが、データベースに登録される情報量を上限とする有限な処理である。これに対し、画像情報の検索や照合時には、検索や照合対象が入力された後、できるだけ早くデータベース内に検索や照合対象の画像情報が存在するか否かを判別することが求められる。しかも、顔認証や指紋認証などのバイオメトリクス認証を利用した管理システムにおける本人確認のように、同じ検索対象を何度も検索する必要があり、無限に検索処理は実行されることがある。このため、照合処理においてより迅速性が求められるのである。この場合、ホログラフィック記録媒体20の形状としては、円盤状とすることが好ましいが、その他の形状、例えば矩形のカード状として回転させる構成であってもよい。さらに、記録媒体を回転させつつ、光学系又は記録媒体を半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うことができる。
情報処理装置30は、情報記録照合システムで実行される各種の情報処理を行う。例えば、情報処理装置30は、記録する画像情報から記録用の二次元パターン情報の生成、照合する画像情報から照合用の二次元パターン情報の生成、記録した画像情報の識別情報(画像情報を特定するための情報)と対応するホログラムのアドレス情報との対応関係の記録及び再生、サーボ情報に基づくサーボ制御、照合時における相関値の演算等を行う。また、情報処理装置30は、複数の画像情報記録照合システムにおいて共通させることができ、例えば複数の記録媒体を並列的に照合するために、複数の光学系40を備えた複数の画像情報照合システムを構築する場合に、光学系40及び記録媒体は個々の画像情報照合システムに独立して設け、情報処理装置30は共通して設けてもよい。
また、動画情報を記録する場合、情報処理装置30は、動画情報を再生し、再生動画像から記録するフレームの静止画像を抽出する。そして、抽出された静止画像に対し、必要な前処理及びランダム符号化処理を行い記録用の二次元パターン情報を生成し、記録用の二次元パターン情報を空間光変調器43に出力する。記録するフレーム数を増やすと、照合の精度を高めることができるが、その分、記録する干渉縞の数が増えるので必要とされる記録容量が増加し、また記録及び照合に要する時間も長くなる。このため、動画データから記録するフレームを抽出する場合に、変化の激しい場面では記録するフレーム数を増やし、変化の少ない場面では記録するフレーム数を減らして、記録する単位時間あたりのフレーム数(fps:フレーム数/秒)を可変とすることが好ましい。例えば、一般的なデジタル化された動画データは、VBR(Variable Bit Rate:可変ビットレート)を利用して圧縮されており、変化の激しい場面ではビットレートが高く、変化の少ない場面ではビットレートが低いので、映像のビットレートに基づいてfpsを変更してもよい。
光学系40は、ホログラフィック記録媒体20に画像情報を記録するために物体光を照射したり、照合用の画像情報とホログラフィック記録媒体20に記録されている画像情報とを光相関演算を用いて照合するために照合光を照射し、再生光を検出することができる。光学系40は、ホログラム用光源41、ミラー42、空間光変調器43、偏光ビームスプリッタ44、第1のリレーレンズ45、ミラー46、第2のリレーレンズ47、ビームスプリッタ48、四分の一波長板49、対物レンズ50、アパーチャー51、集光レンズ52、再生光検出器53を有している。さらに、アドレス用レーザー60、ビームスプリッタ61、ミラー62及びアドレス光検出器63を有していることが好ましい。図7において、記録時及び照合時の光路(再生光の光路を含む)を点線で、アドレス光の光路を一点鎖線で示している。
ホログラム用光源41は、ホログラムを記録するための物体光及び参照光の光源及び画像情報を照合するための照合光の光源となるものであり、断続的にレーザー光を出す高出力のパルスレーザーが使用される。パルスレーザーは、複数の波長で位相をそろえて同時に発振させるモード同期法やQスイッチ法によって瞬間的に非常に強いパワーを出すことができる。ホログラム用光源41としては、例えば、YAGレーザーなどの固体レーザやHe−Neレーザーなどの気体レーザーを使用することができる。ホログラム用光源41は、ホログラフィック記録媒体20のホログラム記録層21内の感光材料が感度を示す波長の光を選択する。なお、ホログラムを記録するための光源と画像情報を照合するための光源とを別途設けてもよい。ホログラムを記録するための光源としては、高出力のパルスレーザーが必要であるが、画像情報を照合するための光源としては、記録時の物体光及び参照光に比べて照合光の光強度が弱くてもよいので、CWレーザー(Continuous wave laser)を利用することができる。CWレーザーは、パルスレーザーと比べると瞬間的なパワーは低いが、一定の強度の光を照射し続けることができ、小型、軽量及び安価である。照合用光源を別途設ける場合は、ホログラム記録層21内に記録されたホログラムと干渉する波長の光を使用し、好ましくは記録用光源からの光の波長と同じ波長の光を選択する。なお、画像情報を記録せず、検索するだけの画像情報照合システムにおいては、画像情報を照合するための光源としてCWレーザーだけを設ければよい。
空間光変調器43は、複数の画素を有し、各画素毎に光の属性を変化させることで、光を空間的に変調することができるものであり、例えば液晶表示装置やDMD(Digital Micromirror Device)を利用することができる。図7においては空間光変調器43としてDMDを用いているため、ミラー42によって、ホログラム用光源41からの光を空間光変調器43に向けて反射させている。空間光変調器43の一部の表示領域に記録用の二次元パターン情報を表示し、他の一部の表示領域に参照光のパターンを表示させることにより、物体光及び参照光を生成することができる。また、空間光変調器43の記録用の二次元パターン情報を表示した表示領域に照合用の二次元パターン情報を表示させることにより、照合光を生成することができる。
参照光のパターンは、空間光変調器43の記録用の二次元パターン情報を表示した表示領域(図1の領域43a)の周囲に少なくとも一つ配置される。参照光のパターンとしては、一塊の数画素〜数百画素の領域をオン画素とし、参照光を強度分布のない一様な光としてもよいし、かかる一塊の数画素〜数百画素の領域を複数設けて、全体として空間的に変調された強度分布を有する光としてもよいし、更に広い領域において、オン画素とオフ画素からなるパターンによって空間的に変調された強度分布を有する光としてもよい。また、記録用の二次元パターン情報を複数の離間した領域に分割し、その離間した領域に参照光の少なくとも一部を配置してもよい。再生光のパターンの大きさを再生光検出器の受光領域よりも小さくすれば、アパーチャー51や集光レンズ52を設けなくても、再生光の結像する位置に再生光検出器を配置するだけで再生光の光強度を検出できる。
図1(A)において、領域43bは、記録用の二次元パターン情報31が表示される領域43aの上方に配置され、領域43aに比べて極めて小さい4画素(2×2画素)の領域である。このため、参照光33は点光源のように発散し、物体光32と干渉して干渉縞を形成する。図8は領域43bの配置位置とホログラムに書き込まれる干渉縞との関係を表す図である。図8(A)は、領域43bを領域43aの左側に配置して記録した場合の干渉縞である。図8(B)は、領域43bを領域43aの下側に配置して記録した場合の干渉縞である。図8(C)は、領域43bを領域43aの左側および下側に配置して記録した場合の干渉縞である。干渉縞は、領域43bによる点光源状の参照光33と領域43aによって生成される物体光32との干渉であることから、参照光33と物体光32の光路差が波長λの整数倍となる方向に縞が現れる。従って、領域43bが領域43aに対してどの位置に来るかによって干渉縞の方向が異なる。また、図8(C)のように、それぞれ異なる方向に干渉縞が現れるように領域43bを配置すると、2次元の干渉縞が形成される。このように2次元の干渉縞とすることにより、照合時における照合用の二次元パターン情報35のシフト許容値を大きくすることができる。つまり、照合用の二次元パターン情報35が記録用の二次元パターン情報31に対して上下左右に位置がずれていたとしても、参照光を再生できる範囲が広がるのである。
図9(A)に示すように、参照光のパターンを複数箇所に表示して、複数の参照光によって干渉縞を形成してもよい。図9(A)は、空間光変調器43における表示面を示す他の概略図であり、記録用の二次元パターン情報31が表示される領域43a(点線で示す)の周囲に、400画素(20×20画素)の参照光が表示される領域43bが12個配置されている。図9(A)では、領域43bの大きさを400画素、領域43bの数を12個としたが、領域43bの大きさと数は適宜変更することができる。
さらに好ましくは、図9(B)に示すように、記録用の二次元パターン情報31が表示される空間光変調器の領域43aは、複数の離間した領域に分割されており、記録用の二次元パターン情報31が複数の離間した領域に分割されて表示され、複数の離間した領域の間に、参照光のパターンが表示される領域43bの少なくとも一部が配置されているとよい。図9(B)は、空間光変調器43の領域43aを分割し、その間に領域43bを配置した状態を示す図であり、図9(C)は、分割前のランダム符号化処理されている記録用の二次元パターン情報31を示す図であり、図9(D)は、ランダム符号化処理する前の画像情報38を示す図である。画像情報38は、図9(D)の点線で24等分に分割され、ランダム符号化処理されて図9(C)の記録用の二次元パターン情報31が生成される。
図9(B)においては、記録用の二次元パターン情報31が表示される領域43aは、4つに分割されており、記録用の二次元パターン情報31は4分割して表示される。領域43aの間の十字部分とその上下に、400画素(20×20画素)の参照光のパターンが表示される領域43bが13個配置されている。なお、図9においては、参照光のパターンが表示される領域43bは、複数の四角形状の領域が配置されているが、領域43aの間の十字部分とその周囲の「田」状の領域を領域43bとしてもよいし、その「田」状の領域全体を参照光としてもよいし、領域43b内の画素をランダムにオン状態としてもよい。このように、複数の離間した領域に分割して記録用の二次元パターン情報31を表示し、その間の領域に、参照光のパターンが表示される領域43bの少なくとも一部を配置することにより、閾値範囲を広くすることができる。
図10は、記録用の二次元パターン情報31及び参照光33のパターンを示すさらに他の概略図である。図10(A)は、円形の記録用の二次元パターン情報31を中心に配置して、その周囲に、100画素(10×10画素)の参照光33のパターンを40個配置している。図10(B)は、円形の記録用の二次元パターン情報31を4つに分割して配置し、その間の十字部分に、100画素(10×10画素)の参照光33のパターンを十字状に40個配置している。なお、図10(A)及び(B)では、参照光33として、100画素の大きさのパターンを40個としたが、大きさと数は適宜変更することができる。図10(C)は、円形の記録用の二次元パターン情報31を中心に配置して、その周囲に、円環状にランダムパターンの参照光33を配置している。また、図10(D)は、円環状の二次元パターン情報31を配置し、その内側に円形のランダムパターンの参照光33を配置している。図10(C)及び(D)に示すように、参照光33はランダムパターンであってもよい。図10(D)のように、中心に参照光を配置すると、照合時において二次元パターン情報を遮光し、参照光を通過させるマスクとして、参照光の形状の開口を光軸に配置すればよいだけなので、設計が容易になる。さらに、中心部分の方が対物レンズなどの収差が少なく、再生される参照光について収差の影響を減らすことができる。
偏光ビームスプリッタ44は直交する偏光方向の一方を透過し、他方を反射するものであり、記録媒体20に向かう物体光、参照光及び照合光を透過し、記録媒体によって再生された再生光を再生光検出器53向けて反射する。光学系の構成によっては、物体光、参照光及び照合光を記録媒体20に向けて反射し、再生光検出器53に向かう再生光を透過する構成であってもよい。
第1及び第2のリレーレンズ45、47は、空間光変調器43に表示された画像を対物レンズ50の焦点面に結像させる。対物レンズ50によってフーリエ変換された物体光及びフーリエ変換された参照光とを記録媒体において干渉させてホログラムを記録する場合やホログラムに対しフーリエ変換された照合光を照射する場合には、対物レンズ50の入射瞳面において物体光、参照光及び照合光の空間変調パターンが結像されている必要がある。ミラー46は、第1及び第2のリレーレンズ45、47間の焦点位置に配置されており、物体光、参照光及び照合光を反射して、光学系40の大きさを小型化するために設けられている。
ビームスプリッタ48は、アドレス用レーザー60からの光を記録媒体20に向けるためのものである。四分の一波長板49は、直線偏光を円偏光に変換するものであり、2回透過させることで直線偏光を90度回転させることができる。この四分の一波長板49によって参照光は、照射時には偏光ビームスプリッタ44を透過し、再生光として再生された時には偏光ビームスプリッタ44によって反射される。
対物レンズ50は、物体光及び参照光をフーリエ変換して記録媒体20のホログラム記録層21に照射して、ホログラム記録層に物体光と参照光とを干渉させて形成されたホログラムを記録する。また、対物レンズ50は、照合光をフーリエ変換して記録媒体20のホログラム記録層21に記録されたホログラム24に照射する。照合光とホログラム24との干渉により再生された再生光は、記録媒体20から対物レンズ50に向かって進行し、対物レンズ50を通過する。
アパーチャー51は、記録媒体20で反射された照合光を遮光し、再生された再生光のみを再生光検出器53に通過させる開口を有している。アパーチャー51を第1のリレーレンズ45の焦点面に配置すると、照合光の回折光によるノイズを低減することができ好ましい。図7においては、アパーチャー51の中心に開口が設けられているが、中心に限られるものではなく、再生光が通過する位置に、再生光が通過できる形状の開口をアパーチャー51に設ければよい。例えば、再生光が複数の場合は、アパーチャー51に複数の開口を設ければよいし、再生光が空間的に変調されている場合(つまり、記録時における参照光が二次元パターン情報で空間的に変調されている場合)は、参照光のパターンと相似の形状の開口を設ければよい。
再生光検出器53は、再生された再生光の光強度を検出するものである。再生光のパターンが再生光検出器の受光領域よりも小さい場合(つまり、記録時における参照光のパターンが再生光検出器の受光領域よりも小さい場合)は、再生光検出器53として、光電子倍増管(photomultiplier tube:PMT)のような非常に感度の高い光検出素子や、安価で小型な半導体検出器、例えばピンフォトダイオード、CMOSセンサ、CCDセンサ等を利用することができる。従来のホログラムを用いた光情報記録再生装置の再生光検出手段は、二次元パターン情報を再生するため、光検出素子が二次元的に配置されたCMOSセンサやCCDセンサが必要であったが、本発明の再生光検出器53は、再生された再生光の光強度を検出するだけでよいので光検出素子が一つの光検出器を利用することができる。また、再生光のパターンが空間的に変調されており強度分布を有している場合(つまり、記録時における参照光が複数の場合や二次元パターン情報で空間的に変調されている場合)や再生光検出器の受光領域よりも大きい場合は、図7に示すように、集光レンズ52によって集光することで、光検出素子が一つの光電子倍増管や半導体検出器を採用することができる。また、再生光のパターンが再生光検出器の受光領域よりも小さい場合であっても、集光レンズ52を利用すれば信頼性を高めることができる。なお、光検出素子が二次元的に配置された光強度分布を検出できる光検出器でも、全ての光検出素子の強度を総和することで再生光の光強度を検出することができ、再生光検出器53として利用できる。
このように、本発明の再生光検出器53では、再生された再生光の光強度を検出するだけでよいので、数Mbpsから数Gbpsの転送速度のピンフォトダイオードやPMTを利用でき、超高速で照合を実行することができる。従来の光検出素子が二次元的に配置されたCMOSセンサやCCDセンサは、フレームレートが30fpsから1000fps程度であったため、1秒間に30〜1000個のホログラムしか再生することができず、光検出素子の性能が再生速度を制限していた。
アドレス用レーザー60、ビームスプリッタ61、ミラー62及びアドレス光検出器63は、記録媒体20にアドレス層を設けた時に、アドレス層からアドレス等情報を取得して照射位置を特定したり位置合わせするために使用される。アドレス用レーザー60としては、ホログラム記録層21の感光材料が感光しない波長が好ましく、赤色光等の比較的長波長の半導体レーザを利用することが好ましい。アドレス光検出器63としては、安価で小型な半導体検出器を使用することができる。
続いて、アドレス用レーザー60によるアドレス等情報を取得する動作を簡単に説明する。アドレス用レーザー60から照射されたアドレス光は、ビームスプリッタ61を透過してミラー62によって反射され、さらにビームスプリッタ48によって反射され、四分の一波長板49を透過し、対物レンズ50によって記録媒体20のアドレス層に照射される。記録媒体20のアドレス層によってアドレス等情報を取得した反射光は、光学系50、49、48、62を逆方向に通過し、ビームスプリッタ61によって反射され、アドレス光検出器63で検出される。
次に、図7の画像情報記録照合システムにおける画像情報記録システムとしての動作を簡単に説明する。ホログラム用光源41から照射された光は、図示しないビーム成形光学系によって、空間光変調器43の表示面よりも大きな断面を有する略平行光に成形される。ビーム成形光学系としては、たとえば発散光を平行光に加工するコリメータレンズや、ビームの口径を大きくするビームエキスパンダーなどが含まれる。略平行光は、ミラー42によって空間光変調器43に向かって反射され、空間光変調器43に表示された記録用の二次元パターン情報及び参照光のパターンによって空間的に変調され、物体光及び参照光が生成される。そして、物体光及び参照光は、偏光ビームスプリッタ44を透過し、第1及び第2のリレーレンズ45、47によって伝達され、その途中ミラー46によって反射され、ビームスプリッタ48を透過し、四分の一波長板49によって円偏光に変換され、対物レンズ50によってフーリエ変換されて記録媒体20のホログラム記録層21に照射される。この結果、ホログラム記録層21には、物体光と参照光との干渉によって形成されたホログラムが記録される。
ここで、本発明の画像情報記録システムでは、ホログラム用光源41として高出力のパルスレーザーを使用しているため、瞬間的に照射される高出力の物体光及び参照光によってホログラムが記録されるので、記録媒体20を回転させながら複数のホログラムを記録できる。すなわち、回転する記録媒体20に対し、パルス状の物体光及び参照光を照射すると、最初のパルスの物体光及び参照光は、回転する記録媒体20の所定の位置に瞬間的に照射され、最初のホログラムが記録され、次のパルスの物体光及び参照光は、回転により最初のホログラムから移動した記録媒体20の別の位置に瞬間的に照射され、次のホログラムが記録される。そして、記録媒体20を回転させながら光学系40を回転の中心から半径方向に連続的に移動させることにより、複数のホログラムを螺旋状に配列させて記録することができ、記録媒体20の全面にホログラムを比較的高速で記録することができる。なお、記録媒体20を回転させながら光学系40を回転の中心から半径方向に段階的に移動させれば、複数のホログラムを同心円状に配列させて記録することができる。
さらに、図7の画像情報記録照合システムにおける画像情報照合システムとしての動作を簡単に説明する。ホログラム用光源41から照射された光は、図示しないビーム成形光学系によって略平行光とされ、略平行光は、ミラー42によって空間光変調器43に向かって反射され、空間光変調器43に表示された照合用の二次元パターン情報によって空間的に変調され、照合光が生成される。そして、照合光は、偏光ビームスプリッタ44を透過し、第1及び第2のリレーレンズ45、47によって伝達され、その途中ミラー46によって反射され、ビームスプリッタ48を透過し、四分の一波長板49によって円偏光に変換され、対物レンズ50によってフーリエ変換されて記録媒体20のホログラム記録層21に記録されたホログラム24に照射される。この結果、ホログラム24と照合光とが干渉して、記録時の参照光に相当する再生光が再生される。
反射層23で反射された再生光は、記録媒体20から射出され、照射時とは反対方向に、対物レンズ50、四分の一波長板49、ビームスプリッタ48、第2のリレーレンズ47、ミラー46及び第1のリレーレンズ45を経て、偏光ビームスプリッタ44に入射する。再生光は、記録時の参照光に相当するものであり、参照光は記録媒体20に照射される際に四分の一波長板49を通過して円偏光に変換されていたので、再度、再生光として四分の一波長板49を通過することにより、四分の一波長板49以降の再生光は、参照光とは直交する偏光方向の直線偏光となっている。このため、再生光は、参照光を透過した偏光ビームスプリッタ44によって反射され、アパーチャー51を通過し、集光レンズ52によって再生光検出器53に集光される。なお、反射層23で反射された照合光は、記録媒体20から射出され、再生光と同様の光学系を経て偏光ビームスプリッタ44によって反射されるが、アパーチャー51によって遮光される。
再生光の光強度は、ホログラム24を記録したときの記録用の二次元パターン情報と照合光の照合用の二次元パターン情報との相関値(類似度)に応じて変化し、光強度の値が大きいほど二つの二次元パターン情報が類似していることになる。したがって、再生光の光強度が、予め実験等によって定めたしきい値を超えた場合に、照合した画像情報と一致又は類似した画像情報がデータベースに記録されていると識別することができる。そして、しきい値を超えた再生光を再生したホログラムのアドレス情報を特定し、アドレス情報から、記録した画像情報の識別情報を特定すれば、照合した画像情報に一致又は類似した画像情報の識別情報を出力することもできる。なお、複数の再生光の光強度がしきい値を超えた場合には、光強度の大きなものから類似する照合結果として出力することが好ましい。
照合用の光源としてCWレーザーを使用すると、照合光を照射しながら記録媒体20を回転させることにより、円周方向に配列して記録された複数のホログラムに対し、連続的に照合光を照射することができ、各ホログラムからの再生光の光強度も連続的に検出できるので、記録媒体20の回転速度を速くすることができ、さらに照合速度(画像情報の転送速度)も速くすることができる。そして、記録媒体20を回転させながら光学系40を回転の中心から半径方向に連続的又は段階的に移動させることにより、記録媒体20の全面に記録された複数のホログラムを高速で照合することができる。照合用光源としてパルスレーザーを使用した場合には、各ホログラムが照合光の照射位置を通過するタイミングとパルスレーザーの周波数とを同期させる必要があり、回転速度の制限となり、また照射位置ずれが誤差となり、信頼性が低下してしまう。
[実施例1]図11及び図12には、分割数を変えて生成された二次元パターン情報及びその右側にフーリエ変換像を示す。図11(A)は、カラー画像情報に対し、色情報を取り除くグレースケール化処理を施した後、エッジ強調処理を施し、さらに2値化処理を行った2値画像である。図11(A)では、ランダム符号化処理を行っておらず、2値画像の解像度は240×180画素であった。図11(B)は、図11(A)の2値画像に対し、60×60画素のブロックで12等分に分割し、ランダム変換配列に従って並び替えた二次元パターン情報である。同様に、図11(A)の2値画像に対し、図11(C)は20×20画素のブロックで108等分に分割し、図11(D)は10×10画素のブロックで432等分に分割し、図12(E)は5×5画素のブロックで1728等分に分割し、図12(F)は3×3画素のブロックで4800等分に分割し、図12(G)は2×2画素のブロックで10800等分に分割し、図12(H)は1画素単位で分割し、それぞれランダム変換配列に従って並び替えた二次元パターン情報である。
[実施例2]図11及び図12から、ブロックの画素サイズを小さくすると、フーリエ変換像の均一性が向上することが判る。これらの二次元パターン情報の違いによる照合結果への影響について実験した。
実験は、30枚の記録用の画像情報を用意し、それぞれ図11及び図12の8通りのランダム符号化処理を施した二次元パターン情報を生成し、図13(A)に示す参照光のパターンを使用して、ホログラフィック記録媒体に10μmのホログラムピッチで多重記録した。図13(A)では、中心の240×180画素の領域43aに記録用の二次元パターン情報が表示され、領域43aの周囲において、20×20画素の領域42bに参照光のパターンが表示される。参照光は、領域43aから12画素分の間を空け、上下に6個ずつ、左右に5個ずつ、計22個配置した。そして、30枚の記録用の画像情報について、それぞれ解像度を微妙に変えたり、字幕のありなしなどを変更した30枚の類似画像を用いて自己相関のエラーレートを求めた。再現性を確認するため、これらの記録及び照合処理を各二次元パターン情報毎に4回繰り返した。なお、本実験に先だって、ホログラムピッチを20μmとした以外は同じ条件でエラーレートを調べたが、ランダム符号化処理を行っていないものを含む全ての二次元パターン情報について、エラーレートが0という結果が得られている。
図14(A)は、実施例2の実験結果であり、各ランダム符号化処理で記録したデータベースにおけるエラーレートを示す図である。図14において、縦軸はエラーレートで、横軸は分割したブロックのサイズである。エラーレートは、登録された画像を未登録と誤認した時の登録画像拒否率(FRR:False Rejection Rate)及び異なる画像を記録された画像と誤認した時の他画像受入率(FAR:False Acceptance Rate)から求められ、登録画像拒否率FRRと他画像受入率FARとが交差する時のエラーレート、すなわちEER(Equal Error Rate)である。EERが一定の範囲を有する時にその範囲を閾値範囲と呼ぶ。図14(A)の各実験のエラーレート及び閾値範囲を表1に示す。
図14(A)及び表1において、分割なし及び60×60=3600画素のブロックに分割した場合は、エラーレートが極めて高くなっている。また、1画素単位で分割した場合は、分割なしに比べるとエラーレートが低くなっているが、エラーレートが0%にはなっていない。それら以外の4〜400画素で分割した場合は、少なくとも一回はEERが0%となっている。
[実施例3]図13(B)に示す参照光のパターンを使用した点を除いて、実施例2と同様の条件で実験した。図13(B)では、中心の240×180画素の領域43aに記録用の二次元パターン情報が表示され、領域43aの周囲において、10×10画素の領域42bに参照光のパターンが表示される。参照光は、領域43aから12画素分の間を空け、上下に12個ずつ、左右に8個ずつ、計40個配置した。
図14(B)は、実施例3の実験結果であり、各ランダム符号化処理で記録したデータベースにおけるエラーレートを示す図である。図14(B)において、縦軸はエラーレートで、横軸は分割したブロックのサイズである。図14(B)の各実験のエラーレート及び閾値範囲を表2に示す。
図14(B)及び表2においても、分割なし及び60×60=3600画素のブロックに分割した場合は、エラーレートが極めて高くなる。また、1画素単位で分割した場合も、分割なしに比べるとエラーレートが低くなっているが、エラーレートが高いときがある。20×20=400画素のブロックに分割した場合は、エラーレートが0%にはならなかったものの分割なしの結果に比べてエラーレートが低くなっており、信頼性が向上したいる。また、それら以外の4〜100画素で分割した場合は、少なくとも一回はEERが0%となっている。
これらの結果から、分割するブロックのサイズとして、4画素以上400画素以下とすることが好ましい。なお、EERは小さいほど好ましく、EERが0%であれば、登録画像拒否率FRRも他画像受入率FARも0%であり、理論上はエラーが発生しない。また閾値範囲の広さは照合の信頼性を示し、広いほど照合の信頼性が高いことを意味する。しかし、類似した画像の照合も可能とするために、敢えて閾値を閾値領域よりも小さい値として、他画像受入率FARを高くしてもよい。
[実施例4]本実施例では、図10(A)に示すように、円形の記録用の二次元パターン情報31を用いて実験した。240×180画素の2値画像に対し、2×2=4画素のブロックに分割し、それを直径234画素の円形の領域にランダムに配置することによって、記録用の二次元パターン情報31を生成した。そして、記録用の二次元パターン情報31の周囲に、100画素(10×10画素)の参照光33のパターンを40個配置した。30枚の記録用の画像情報をそれぞれ前処理によって240×180画素の2値画像に変換したものを2×2=4画素のブロックに分割し、それを直径234画素の円形の領域にランダムに配置することによって、記録用の二次元パターン情報31を生成した。そして、記録用の二次元パターン情報31の周囲に、100画素(10×10画素)の参照光33のパターンを円形に40個配置して、なお、二次元パターン情報31と参照光33との間は、12画素分の間を空けた。そして、30枚の記録用の画像情報に類似する類似画像を用いて自己相関のエラーレートを求めた。
図15は、実施例4の実験結果であり、各ランダム符号化処理で記録したデータベースにおけるエラーレートを示す図である。図15において、縦軸はエラーレートで、横軸は規格化された相関値(参照光の光強度)に関する閾値である。図15における右上がりのデータは登録画像拒否率FRRであり、閾値が0の場合、すなわち、どの検出結果も記録されている画像と認識する場合は0%(ただし、他画像受入率FARは最大となる)であり、閾値が高くなるとエラーレートも高くなる。図15における右下がりのデータは、他画像受入率FARであり、閾値が0の場合、すなわち、どの検出結果も記録されている画像と認識する場合に最大となり、閾値が高くなるとエラーレートが低くなる。図15においてEERは0%であり、閾値範囲は0.01であった。
(A)及び(B)は、記録時の空間光変調器における表示面及び記録動作を示す概略図、(C)及び(D)は、照合時の空間光変調器における表示面及び照合動作を示す概略図 一般画像とそのフーリエ変換像を示す図 ランダム符号化処理を施した二次元パターン情報とそのフーリエ変換像を示す図 二次元パターン情報を生成するためのフローチャート (A)及び(B)は分割数24のランダム変換配列の一例を示す図 (A)及び(B)は分割数24のランダム変換配列の他の一例を示す図 本発明の画像情報記録照合システムを示す概略構成図データベースの照合結果を示す図 (A)〜(C)は参照光の配置位置とホログラムに書き込まれる干渉縞との関係を表す図 (A)及び(B)は空間光変調器における表示面を示す他の概略図、(C)はランダム符号化処理されている記録用の二次元パターン情報を示す図、(D)はランダム符号化処理する前の画像情報を示す図 記録用の二次元パターン情報及び参照光のパターンを示す概略図 分割数を変えて生成された二次元パターン情報及びそのフーリエ変換像を示す図 分割数を変えて生成された二次元パターン情報及びそのフーリエ変換像を示す図 (A)及び(B)は空間光変調器における表示面を示す他の概略図 (A)は実施例2の実験結果、(B)は実施例3の実験結果を示す図 実施例4の実験結果を示す図
符号の説明
1 画像情報記録照合システム
20 ホログラフィック記録媒体
21 ホログラム記録層
22 表面保護層
23 反射層
24 ホログラム
30 情報処理装置
31 記録用二次元パターン情報
32 物体光
33 参照光
35 照合用二次元パターン情報
36 照合光
37 再生光
38 画像情報
40 光学系
41 ホログラム用光源
43 空間光変調器
50 対物レンズ
53 再生光検出器

Claims (10)

  1. ホログラフィック記録媒体に画像情報をホログラムとして記録する方法であって、
    記録する画像情報に対し、少なくとも、複数のブロックに分割する分割処理及び前記複数のブロックを所定のランダム変換配列に従って並び替えるランダム符号化処理を行って記録用の二次元パターン情報を生成し、
    前記記録用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して物体光を生成し、
    前記物体光のフーリエ変換像及び記録用参照光を前記ホログラフィック記録媒体に照射して、前記物体光のフーリエ変換像と前記記録用参照光とによって形成されるホログラムをホログラフィック記録媒体に記録することを特徴とする画像情報記録方法。
  2. 前記分割処理は、前記記録する画像情報を4画素以上400画素以下の複数の画素から構成される同一形状の複数のブロックに分割することを特徴とする請求項1に記載の画像情報記録方法。
  3. 前記記録する画像情報は、前記分割処理の前に、所定の解像度に変更する画像処理及びエッジ強調処理が行われることを特徴とする請求項1または2に記載の画像情報記録方法。
  4. 前記二次元パターン情報は、前記ランダム符号化処理によって、前記記録する画像情報の形状とは異なる形状の領域内に並び替えられて生成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像情報記録方法。
  5. 前記記録用の二次元パターン情報は、複数の離間した領域に分割されており、複数の離間した領域に分割された記録用の二次元パターン情報に基づいて生成された物体光の前記複数の離間した領域の間に、前記記録用参照光が配置され、前記記録用参照光のフーリエ変換像がホログラフィック記録媒体に照射されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像情報記録方法。
  6. 照合する画像情報とホログラフィック記録媒体に記録された画像情報とを照合する画像情報照合システムであって、
    前記ホログラフィック記録媒体には、記録する画像情報に対し、少なくとも、複数のブロックに分割する分割処理及び前記複数のブロックを所定のランダム変換配列に従って並び替えるランダム符号化処理を行って記録用の二次元パターン情報を生成し、前記記録用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して物体光を生成し、前記物体光のフーリエ変換像及び記録用参照光を前記ホログラフィック記録媒体に照射して、前記物体光のフーリエ変換像と前記記録用参照光とによって形成されるホログラムが記録されており、
    照合する画像情報に対し、少なくとも、前記分割処理及び前記ランダム符号化処理を行って照合用の二次元パターン情報を生成し、
    前記照合用の二次元パターン情報に基づいて光を空間的に変調して照合光を生成し、
    前記照合光のフーリエ変換像を前記ホログラフィック記録媒体に記録されたホログラムに照射し、
    前記ホログラムから再生された再生光の光強度を再生光検出器によって検出し、
    前記再生光の光強度の値を用いて前記記録された画像情報と前記照合する画像情報とを照合することを特徴とする画像情報照合システム。
  7. 前記分割処理は、前記記録する画像情報を4画素以上400画素以下の複数の画素から構成される同一形状の複数のブロックに分割することを特徴とする請求項6に記載の画像情報照合システム。
  8. 前記照合する画像は、前記分割処理の前に、所定の解像度に変更する画像処理及びエッジ強調処理が行われることを特徴とする請求項6または7に記載の画像情報照合システム。
  9. 前記記録用の二次元パターン情報及び前記照合用の二次元パターン情報は、前記ランダム符号化処理によって、前記記録する画像情報及び前記照合する画像情報の形状とは異なる形状の領域内に並び替えられて生成されることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像情報照合システム。
  10. 前記記録用の二次元パターン情報は、複数の離間した領域に分割されており、複数の離間した領域に分割された記録用の二次元パターン情報に基づいて生成された物体光の前記複数の離間した領域の間に、前記記録用参照光が配置され、前記記録用参照光のフーリエ変換像がホログラフィック記録媒体に照射され、
    前記照合用の二次元パターン情報は、複数の離間した領域に分割されており、複数の離間した領域に分割された照合用の二次元パターン情報に基づいて照合光が生成されることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の画像情報照合システム。
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