JP2012140867A - 過給機付き内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変ノズルベーン式ターボチャージャを備えた内燃機関において、エンジン始動後の暖機過程で不快な気流音が発生することを抑制する。
【解決手段】エンジン始動後の暖機過程においてエンジンに失火が発生したときのみ、可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度(VN開度)を閉じ側にする制御(VN閉制御)を実行し、失火が発生していないときにはVN閉制御を行わないようにする。このような制御により、エンジン始動後の暖機過程でエンジンに失火が発生しないときには、ノズルベーンを開くことが可能になるので、不快な気流音の発生を抑制することができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、過給機付き内燃機関の制御装置に関し、さらに詳しくは、可変ノズルベーン式過給機を備えた内燃機関の制御装置に関する。
車両に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)には、排気エネルギを利用した過給機(以下、ターボチャージャともいう)が装備されている。ターボチャージャは、一般に、エンジンの排気通路を流れる排気ガスによって回転するタービンホイールと、吸気通路内の空気を強制的にエンジンの燃焼室へと送り込むコンプレッサインペラと、これらタービンホイールとコンプレッサインペラとを連結する連結シャフトとを備えている。このような構造のターボチャージャにおいては、排気通路に配置のタービンホイールが排気のエネルギによって回転し、これに伴って吸気通路に配置のコンプレッサインペラが回転することによって吸入空気が過給され、エンジンの各気筒の燃焼室に過給空気が強制的に送り込まれる。
車両に搭載されるターボチャージャとしては、排気エネルギに対する過給圧調整を可能とした可変ノズルベーン式ターボチャージャが知られている。
可変ノズルベーン式ターボチャージャは、例えば、タービンハウジングの排気ガス流路に配置され、その排気ガス流路の流路面積を可変とする複数のノズルベーン(可動ベーンとも呼ばれる)を有する可変ノズルベーン機構と、それらノズルベーンに変位(回転)を与えるアクチュエータ(例えば、モータ式アクチュエータ)などを備えており、ノズルベーンの開度(以下、VN開度ともいう)を変更して、互いに隣り合うノズルベーン間の流路面積(スロート面積)を変化させることにより、タービンホイールに向けて導入される排気ガスの流速を調整する(例えば、特許文献1及び2参照)。このようにして排気ガスの流速調整を行うことにより、タービンホイール及びコンプレッサインペラの回転速度を調整することができ、エンジンの燃焼室に導入される空気の圧力を調整することが可能となるので、例えば、加速性に繋がるトルク応答性や、出力・燃費(燃料消費率)・エミッションに対する適合の自由度などの向上を図ることが可能になる。
また、車両に搭載されるディーゼルエンジンにおいては、排気規制の強化対応や燃費の向上を目的として低圧縮化が実施されている。しかしながら、ディーゼルエンジンにおいて低圧縮化を実施した場合、圧縮端温度が低くなり、低温始動後に失火(ラフアイドル)が発生しやすくなってしまう。その対策の1つとして、ターボチャージャに装備の可変ノズルベーン機構のVN開度を閉じ側に設定(適合)するという方法がある。そして、このようにして、低温始動後の暖機過程においてVN開度を閉じ側に設定することによって、負荷増・過給圧増によりアイドル運転状態での噴射量が増加し、圧縮端温度が高くなるので失火(ラフアイドル)を抑制することができる。
なお、可変ノズルベーン式のディーゼルエンジンにおいて、失火発生を防止する技術として、下記の特許文献3に記載のものがある。この特許文献3に記載の技術では、可変ノズルベーン機構の閉位置を規制する第1のストッパと、その第1のストッパにて規制される閉位置よりも閉側の位置を規制する第2のストッパとを設け、失火が起こりやすい低水温時に上記第2のストッパにて可変ノズルベーン機構の閉位置を規制して、ターボチャージャによる背圧を上昇させることで失火を防止している。
特開2009−299505号公報 特開2003−129853号公報 特開2009−127540号公報 特開2009−197706号公報
ところで、ディーゼルエンジン等において失火が発生する領域は、エンジンのハードばらつきや燃料・組成によってばらつきがある。そのため、従来制御つまりエンジン始動後の暖機過程において常にVN開度の閉じ側に設定するという制御では、失火が発生しない領域であってもVN開度が閉じ側に設定される場合がある。こうした状況になると、ノズルベーン間(スロート)を通過する排気ガスの流速が大きくなってしまい、不快な気流音が発生する場合がある。
なお、エンジン始動後の暖機過程において、VN開度を閉じ側に設定する制御を行う場合、ターボチャージャの入口圧力(ターボチャージャ前後の膨張比)が上昇しすぎてターボチャージャが破損する等のハード制約の関係から、VN開度を適合値にまで閉じることができない場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、可変ノズルベーン式の過給機付き内燃機関の制御装置において、機関始動後の機関暖機過程で不快な気流音が発生することを抑制することが可能な制御の実現を目的とする。
本発明は、吸気通路に設けられたコンプレッサインペラと、排気通路に設けられたタービンホイールと、前記タービンホイールの外周側に設けられた複数のノズルベーンを有し、前記ノズルベーンの開度を変更することによって排気ガスの流れを調整する可変ノズルベーン機構とを備えた過給機が搭載された内燃機関の制御装置を前提としており、このような過給機付き内燃機関の制御装置において、機関始動後の機関暖機過程で内燃機関に失火が発生した場合に、前記可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度を閉じ側に制御するノズルベーン開度制御手段を備えていることを技術的特徴としている。
本発明によれば、機関始動後の機関暖機過程において内燃機関に失火が発生したときのみ、可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度(VN開度)を閉じ側にする制御(VN閉制御)を実行しているので、失火が発生していないときには、VN閉制御を行わなくて済み、ノズルベーンを開くこと(通常制御時の要求開度に設定すること)が可能になる。これによって、機関始動後の機関暖機過程において不快な気流音が発生することを抑制することができる。
本発明の具体的な構成として、機関始動後の機関暖機過程で内燃機関に失火が発生した場合に、可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度を失火対策要求値まで閉じるという構成を挙げることができる。この場合、失火対策要求値については、通常のVN制御(通常のノズルベーン制御)時よりも閉じ側の値であって、低温始動後の暖機過程において失火(ラフアイドル)を抑制することが可能なVN開度(閉じ側の値)を、実験・シミュレーション等によって適合した値を設定する。
本発明において、機関始動後の機関暖機過程で内燃機関に失火が発生した場合に、可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度を閉じ側に制御し、そのノズルベーンの開度を閉じ側に制御した時点から、所定時間が経過した後に、ノズルベーンの開度を開き側に徐々に開いていくことが好ましい。このように、ノズルベーンを閉じ側(失火対策要求開度)から開く際に、ノズルベーンを一気に開くのではなく、徐変処理にてノズルベーンを徐々に開いていくことで、エミッション・ドライバビリティの低下、及び、ターボ音の急激な変化などを抑制することができる。
本発明によれば、可変ノズルベーン式の過給機付き内燃機関において、機関始動後の機関暖機過程で内燃機関に失火が発生したときのみ、可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度を閉じ側にするので、制御機関始動後の機関暖機過程において不快な気流音が発生することを抑制することができる。
本発明を適用するディーゼルエンジンの一例を示す概略構成図である。 図1のエンジンの1気筒のみを示す概略構成図である。 エンジンに装備されるターボチャージャの一例を示す縦断面図である。 可変ノズルベーン機構をターボチャージャの外側から見た図である。なお、図4ではノズルベーンが開き側にある状態を示している。 可変ノズルベーン機構をターボチャージャの内側から見た図である。なお、図5ではノズルベーンが開き側にある状態を示している。 可変ノズルベーン機構をターボチャージャの外側から見た図である。なお、図6ではノズルベーンが閉じ側にある状態を示している。 可変ノズルベーン機構をターボチャージャの内側から見た図である。なお、図7ではノズルベーンが閉じ側にある状態を示している。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 エンジン始動後の暖機過程において実行するVN通過流速制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
−エンジン−
本発明を適用するエンジン(内燃機関)の概略構成について図1及び図2を参照して説明する。なお、図2にはエンジンの1気筒の構成のみを示している。
図1及び図2に示すエンジン1は、車両に搭載される筒内直噴4気筒ディーゼルエンジンであって、その各気筒を構成するシリンダブロック1a内には上下方向に往復動するピストン1cが設けられている。ピストン1cはコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されており、ピストン1cの往復運動がコネクティングロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換される。エンジン1のクランクシャフト15は、変速機(図示せず)に連結されており、エンジン1からの動力を変速機を介して車両の駆動輪(図示せず)に伝達することができる。
クランクシャフト15にはシグナルロータ17が取り付けられている。シグナルロータ17の外周面には複数の突起(歯)17a・・17aが等角度ごとに設けられている。シグナルロータ17の側方近傍にはエンジン回転数センサ(クランクポジションセンサ)25が配置されている。エンジン回転数センサ25は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト15が回転する際にシグナルロータ17の突起17aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
エンジン1のシリンダブロック1aにはエンジン冷却水温を検出する水温センサ21が配置されている。また、シリンダブロック1aの上端にはシリンダヘッド1bが設けられており、このシリンダヘッド1bとピストン1cとの間に燃焼室1dが形成されている。
エンジン1のシリンダブロック1aの下側には、エンジンオイルを貯留するオイルパン18が設けられている。このオイルパン18に貯留されたエンジンオイルは、エンジン1の運転時に、異物を除去するオイルストレーナを介してオイルポンプによって汲み上げられ、さらにオイルフィルタで浄化された後に、ピストン1c、クランクシャフト15、コネクティングロッド16などに供給され、各部の潤滑・冷却等に使用される。
エンジン1のシリンダヘッド1bには、エンジン1の各燃焼室1d内に燃料を直接噴射するためのインジェクタ(燃料噴射弁)2がそれぞれ設けられている。これらインジェクタ2にはコモンレール(蓄圧室)11が接続されている。コモンレール11にはサプライポンプ10が接続されている。
サプライポンプ10は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後に燃料通路10aを介してコモンレール11に供給する。コモンレール11は、サプライポンプ10から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ2に分配する。インジェクタ2は所定電圧が印加されたときに開弁して、燃焼室1da内に燃料を噴射供給する電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ2の開閉(燃料噴射量・噴射時期)は、後述するECU(Electronic Control Unit)200によって制御される。
エンジン1の燃焼室1dには吸気通路3と排気通路4とが接続されている。吸気通路3の一部は吸気ポート3b及び吸気マニホールド3aによって形成されている。また、排気通路4の一部は排気ポート4b及び排気マニホールド4aによって形成されている。吸気通路3(吸気ポート3b)と燃焼室1dとの間に吸気バルブ13が設けられており、この吸気バルブ13を開閉駆動することにより、吸気通路3と燃焼室1dとが連通または遮断される。また、排気通路4(排気ポート4b)と燃焼室1dとの間に排気バルブ14が設けられており、この排気バルブ14を開閉駆動することにより、排気通路4と燃焼室1dとが連通または遮断される。これら吸気バルブ13及び排気バルブ14の開閉駆動は、クランクシャフト15の回転が伝達される吸気カムシャフト13a及び排気カムシャフト14aの各回転によって行われる。
吸気カムシャフト13aの近傍には、特定の気筒(例えば第1気筒#1)のピストン1cが圧縮上死点(TDC)に達したときにパルス状の信号を発生するカムポジションセンサ29が設けられている。カムポジションセンサ29は、例えば電磁ピックアップであって、吸気カムシャフト13aに一体的に設けられたロータ外周面の1個の歯(図示せず)に対向するように配置されており、その吸気カムシャフト13aが回転する際にパルス状の信号(電圧パルス)を出力する。なお、吸気カムシャフト13a(及び排気カムシャフト14a)は、クランクシャフト15の1/2の回転速度で回転するので、クランクシャフト15が2回転(720°回転)するごとにカムポジションセンサ29が1つのパルス状の信号を発生する。
このようなカムポジションセンサ29及び上記エンジン回転数センサ(クランクポジションセンサ)25の各出力信号から、エンジン運転時において、エンジン1の各気筒#のピストン位置(吸入行程・圧縮行程・爆発行程・排気行程)を認識することができ、精密な燃料噴射制御や点火時期制御などのエンジン運転制御を行うことができる。
また、吸気通路3には、エアクリーナ7、エアフロメータ22、後述するターボチャージャ100のコンプレッサインペラ102、ターボチャージャ100での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ6、及び、スロットルバルブ5などが配置されている。また、吸気通路3(吸気マニホールド3a)には、吸気温センサ23及び過給圧センサ28が配置されている。
エアフロメータ22は、吸入空気量(新規空気量)を検出する。吸気温センサ23は、インタークーラ6にて冷却された後であって、エンジン1に吸入される前の空気の温度(吸気温)を検出する。過給圧センサ28は、吸気マニホールド3a内の圧力つまり過給圧(吸気圧)を検出する。
スロットルバルブ5は、インタークーラ6(ターボチャージャ100のコンプレッサインペラ102)の下流側(吸入空気流れの下流側)の吸気通路3に配置されている。スロットルバルブ5は電子制御式のバルブであって、スロットルモータ51によって開度が調整される。スロットルバルブ5の開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ26によって検出される。
一方、排気通路4には、前段のS/C触媒(スタート触媒)91と、後段のU/F触媒(アンダーフロア触媒)92とが配置されている。S/C触媒91は、例えば、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などを浄化可能な三元触媒によって構成されている。また、U/F触媒92は、例えば、排気ガス中のNOxを吸蔵するとともに、吸蔵しているNOxを還元する機能を有するNOx触媒(例えば、NSR(NOx Storage Reduction)触媒)によって構成される。なお、図示はしないが、排気通路4には空燃比センサ及び酸素センサなどが配置されている。
−ターボチャージャ−
エンジン1には、排気圧を利用して吸入空気を過給するターボチャージャ(過給機)100が装備されている。
ターボチャージャ100は、図1及び図3に示すように、排気通路4に配置されたタービンホイール101、吸気通路3に配置されたコンプレッサインペラ102、及び、これらタービンホイール101とコンプレッサインペラ102とを回転一体に連結する連結シャフト103などによって構成されており、排気通路4に配置のタービンホイール101が排気のエネルギによって回転し、これに伴って吸気通路3に配置のコンプレッサインペラ102が回転する。そして、コンプレッサインペラ102の回転により吸入空気が過給され、エンジン1の各気筒の燃焼室に過給空気が強制的に送り込まれる。
タービンホイール101はタービンハウジング111内に収容されており、コンプレッサインペラ102はコンプレッサハウジング112内に収容されている。また、連結シャフト103を支持するフローティングベアリング104,104はセンターハウジング113内に収容されており、このセンターハウジング113の両側に上記タービンハウジング111とコンプレッサハウジング112とが取り付けられている。
この例のターボチャージャ100は、可変ノズル式ターボチャージャ(VNT)であって、タービンホイール101側に可変ノズルベーン機構120が設けられており、この可変ノズルベーン機構120の開度(以下、VN開度ともいう)を調整することによってエンジン1の過給圧を調整することができる。なお、可変ノズルベーン機構120の詳細については後述する。
そして、このような可変ノズルベーン機構120を装備しておくことにより、タービンホイール101及びコンプレッサインペラ102の回転速度を調整することができ、エンジン1の燃焼室1dに導入される空気の圧力を調整することが可能となるので、例えば、加速性に繋がるトルク応答性や、出力・燃費(燃料消費率)・エミッションに対する適合の自由度などの向上を図ることが可能になる。
−EGR装置−
また、エンジン1にはEGR装置8が装備されている。EGR装置8は、吸入空気に排気ガスの一部を導入することで、燃焼室1d内の燃焼温度を低下させてNOxの発生量を低減させる装置である。
EGR装置8は、図1に示すように、ターボチャージャ100のタービンホイール101よりも上流側(排気ガス流れの上流)の排気通路4と、インタークーラ6(ターボチャージャ100のコンプレッサインペラ102)の下流側(吸入空気流れの下流側)の吸気通路3とを連通するEGR通路81、このEGR通路81に設けられたEGRクーラ82及びEGRバルブ83などによって構成されている。そして、このような構成のEGR装置8において、EGRバルブ83の開度を調整することにより、EGR率[EGR量/(EGR量+吸入空気量(新規空気量))(%)]を変更することができ、排気通路4から吸気通路3に導入されるEGR量(排気還流量)を調整することができる。
なお、EGR装置8には、EGRクーラ82をバイパスするEGRバイパス通路及びEGRバイパス切替バルブを設けておいてもよい。
−可変ノズルベーン機構
次に、ターボチャージャ100の可変ノズルベーン機構120について図1及び図3〜図7を参照して説明する。
この例の可変ノズルベーン機構120は、ターボチャージャ100のタービンハウジング111とセンターハウジング113との間に形成されたリンク室114に配設されている。
可変ノズルベーン機構120は、複数(例えば12枚)のノズルベーン121・・121と、環状のユニゾンリング122と、このユニゾンリング122の内周側に位置し、ユニゾンリング122に一部が係合する複数の開閉アーム123・・123と、その各開閉アーム123を駆動するためのメインアーム124と、各開閉アーム123に連結され、各ノズルベーン121を駆動するためのベーンシャフト125と、各ベーンシャフト125を保持するノズルプレート126とを備えている。
複数のノズルベーン121・・121はタービンホイール101の外周側に等間隔に配置されている。各ノズルベーン121は、ノズルプレート126上に配置されており、ベーンシャフト125を中心として所定の角度だけ回動することが可能となっている。
この例の可変ノズルベーン機構120においては、メインアーム124に連結される駆動リンク127を所定の角度だけ回動させることにより、その回動力がメインアーム124、ユニゾンリング122及び各開閉アーム123を介して各ノズルベーン121に伝達され、各ノズルベーン121が連動して回動する。具体的には、駆動リンク127は、駆動シャフト128を中心に回動可能となっている。また、駆動シャフト128は、駆動リンク127及びメインアーム124と回動一体に連結されている。そして、駆動リンク127の回動にともなって駆動シャフト128が回動すると、この回動力がメインアーム124に伝達される。メインアーム124の内周側端部は駆動シャフト128に固定されている。メインアーム124の外周側の端部はユニゾンリング122に係合しており、上記駆動シャフト128を中心としてメインアーム124が回動すると、その回動力がユニゾンリング122に伝達される。このユニゾンリング122の回転に伴って各開閉アーム123が回転(揺動)して各可変ノズルベーン121が回動する。
ユニゾンリング122の内周面には、各開閉アーム123の外周側端部が嵌まり合っており、ユニゾンリング122が回動すると、この回動力が各開閉アーム123に伝達される。具体的には、ユニゾンリング122はノズルプレート126に対して周方向に摺動可能に配設されている。このユニゾンリング122の内周縁に設けられた複数の凹部122aに、メインアーム124及び各開閉アーム123の外周側端部が嵌め合わされており、ユニゾンリング122の回転力が各開閉アーム123に伝達される。
各開閉アーム123は、ベーンシャフト125を中心に回動可能となっている。各ベーンシャフト125はノズルプレート126に回転自在に支持されており、これらベーンシャフト125により、開閉アーム123と上記ノズルベーン121とが回動一体に連結されている。そして、ユニゾンリング122の回動にともなって各開閉アーム123が回動すると、この回動が各ベーンシャフト125に伝達される。これにより、各ノズルベーン121がベーンシャフト125及び開閉アーム123とともに回動する。
なお、上記ノズルプレート126はタービンハウジング111に固定されている。ノズルプレート126にはピン126a(図4及び6参照)が差し込まれており、このピン126aにはローラ126bが嵌め合わされている。ローラ126bはユニゾンリング122の内周面をガイドする。これにより、ユニゾンリング122はローラ126bに保持されて所定方向に回動することが可能となっている。
上記タービンホイール101を収容しているタービンハウジング111には、タービンハウジング渦室111aが設けられており、このタービンハウジング渦室111aに排気ガスが供給され、その排気ガスの流れによってタービンホイール101が回転する。この際、上述の如く、各ノズルベーン121の回動位置が調整されて、その回動角度を設定することにより、タービンハウジング渦室111aからタービンホイール101に向かう排気の流量及び流速を調整することができる。これによって過給性能を調整することが可能になり、例えば、エンジン1の低回転時にノズルベーン121同士の間の流路面積(スロート面積)を減少させるように各ノズルベーン121回動位置(変位)を調整すれば、排気ガスの流速が増加して、エンジン低速域から高い過給圧を得ることが可能になる。
可変ノズルベーン機構120の駆動リンク127はロッド129に接続されている。このロッド129は棒状部材であって、VNアクチュエータ140に連結されている。VNアクチュエータ140は、電動モータ(DCモータ)141と、この電動モータ141の回転を直線運動に変換して上記ロッド129に伝達する変換機構(例えば、ウォームギヤ及びこのウォームギヤに噛み合うウォームホイールを有するギヤ機構等:図示せず)とを備えている。
VNアクチュエータ140はECU200によって駆動制御される。ECU200は、例えば、エンジン運転状態から要求されるノズルベーン開度要求値(VN開度要求値)などに応じて電動モータ141の通電制御を行う。なお、電動モータ141には車載バッテリ(図示せず)からの電力が供給される。
そして、電動モータ141の通電制御(回転駆動)により、電動モータ141が回転すると、その回転力が上記回転機構を介してロッド129に伝わり、このロッド129の移動(前進・後退)に伴って駆動リンク127が回動することにより、各ノズルベーン121が回動(変位)する。
具体的には、図4に示すように、ロッド129を図中矢印X1方向に引くことで(ロッド129の後退)、ユニゾンリング122が図中矢印Y1方向に回動し、図5に示すように、各ノズルベーン121がベーンシャフト125を中心に図中反時計回り方向(Y1方向)に回動してノズルベーン開度(VN開度)が大きく設定される。
一方、図6に示すように、ロッド129を図中矢印X2方向に押すことで(ロッド129の前進)、ユニゾンリング122が図中矢印Y2方向に回動し、図7に示すように、各ノズルベーン121がベーンシャフト125を中心に図中時計回り方向(Y2方向)に回してノズルベーン開度(VN開度)が小さく設定される。なお、可変ノズルベーン機構120のVN開度の制御を以下「VN制御」という場合もある。
以上のエンジン1、ターボチャージャ100のVNアクチュエータ140(電動モータ141)、スロットルバルブ5を開閉駆動するスロットルモータ51、及び、EGRバルブ83などの各部はECU200によって制御される。
−ECU−
ECU200は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、及び、バックアップRAM204などを備えている。
ROM202は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU201は、ROM202に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM203は、CPU201での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM204は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU201、ROM202、RAM203及びバックアップRAM204は、バス207を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース205及び出力インターフェース206と接続されている。
入力インターフェース205には、水温センサ21、エアフロメータ22、吸気温センサ23、レール圧センサ24、エンジン回転数センサ25、スロットルバルブ5の開度を検出するスロットル開度センサ26、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ27、過給圧センサ28、カムポジションセンサ29、及び、車速センサ30などの各種センサ類が接続されている。また、入力インターフェース205にはイグニッションスイッチ31が接続されており、イグニッションスイッチ31がオン操作されると、スタータモータ20によるエンジン1のクランキングが開始される。
出力インターフェース206には、インジェクタ2、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト15に連結され、エンジン1のクランキングを行うスタータモータ20、スロットルバルブ5のスロットルモータ51、EGRバルブ83、及び、ターボチャージャ100の可変ノズルベーン機構120の開度を調整するVNアクチュエータ140(電動モータ141)などが接続されている。
ECU200は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットルバルブ5の開度制御、燃料噴射量・噴射時期制御(インジェクタ2の開閉制御)、及び、EGR制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU200は、下記の「失火検出処理」及び「エンジン暖機過程時のVN開度制御」を実行する。
以上のECU200により実行されるプログラムによって本発明の過給機付きエンジン(内燃機関)の制御装置が実現される。
−失火検出処理−
次に、ECU200が実行する失火検出処理について説明する。
まず、4つの気筒#1〜#4のうち、ある気筒(例えば第1気筒#1)に失火が発生した場合、その気筒(複数の気筒の場合も含む)の爆発行程におけるエンジン回転速度が低下するので、この失火が生じた気筒(第1気筒#1)の爆発行程中においてクランクシャフト15が一定クランク角度を回転するのに要する時間が、他の気筒(例えば第2気筒#2〜第4気筒#4)の爆発行程時におけるその時間よりも長くなる。したがって、これらの時間を計測して比較することにより失火の発生を認識することが可能になる。
その具体的な処理の一例について説明する。まず、ECU200は、エンジン回転数センサ25及びカムポジションセンサ29の各出力信号を所定のクランク角度毎(例えば30°CA毎)に取り込み、それらの各信号に基づいて、第1気筒#1が爆発行程にあるときに、この爆発行程中において、クランクシャフト15が一定クランク角度(例えば180°CA)を回転するのに要する経過時間T1と、この第1気筒#1の爆発行程よりも1回前(360°CA前)に爆発行程を迎えていた第2気筒#2の爆発行程中においてクランクシャフト15が一定のクランク角度(例えば180°CA)を回転するのに要する経過時間T2との差を演算して、第1気筒#1の回転変動量Δne1(=T1−T2)を得る。
また、同様にして、エンジン1の各気筒#2〜#4の爆発行程中においてクランクシャフト15が一定クランク角度(例えば180°CA)を回転するのに要する経過時間T3(第3気筒#3)、T4(第4気筒#4)、T2(第2気筒#2)を順次演算して、第3気筒#3の回転変動量Δne3(=T3−T1)、第4気筒#4の回転変動量Δne4(=T4−T3)、及び、第2気筒#2の回転変動量Δne2(=T2−T4)を得る。
そして、ECU200は、上記演算により求めた各気筒#1〜#4の回転変動量Δne1〜ne4と失火判定閾値とを比較し、回転変動量Δneが失火判定閾値を超えている気筒がある場合は「失火が発生している」と認識(検出)する。
ここで、回転変動量Δneに対して設定する失火判定閾値は、失火が発生するエンジン1の回転変動量を実験・シミュレーション等によって取得しておき、その結果を基に経験的に適合した値である。この失火判定閾値はECU200のROM202内に記憶されている。また、失火判定閾値は、回転変動量Δneなどに応じて可変に設定するようにしてもよい。なお、各気筒#1〜#4の回転変動量は、他の公知の方法によって認識(演算)するようにしてもよい。
また、エンジン1の失火を検出する方法としては、上記したエンジン1の回転変動量を用いて失火を検出する方法に限られることなく、例えば、触媒の前後に配置された空燃比センサと酸素センサとの出力信号(2つのセンサ検出値の差)に基づいて失火の発生を検出する方法など、他の公知の方法を採用してもよい。
−エンジン暖機過程時のVN開度制御−
次に、ECU200が実行する「エンジン始動後の暖機過程時のVN開度制御」について説明する。
まず、車両等に搭載されるディーゼルエンジンにおいては、上述したように、排気規制の強化対応や燃費の向上を目的として低圧縮化が実施されているが、低圧縮化を実施した場合、圧縮端温度が低くなり、エンジン始動後に失火(ラフアイドル)が発生しやすくなってしまう。その対策の1つとして、ターボチャージャに装備の可変ノズルベーン機構のVN開度を閉じ側に設定(失火対策要求値に設定)することによって、失火を抑制するという方法が採用されている。
しかしながら、従来制御では、エンジン始動後の暖機過程において常にVN開度の閉じ側に設定しているので、失火が発生しない領域であってもVN開度が閉じ側に設定される場合がある。すなわち、ディーゼルエンジンにおいて失火が発生する領域は、エンジンのハードばらつきや燃料・組成によってばらつきがあり、その失火発生領域のばらつきの最大値(上限または下限)を考慮して、従来制御では、エンジン始動後の暖機過程でのVN開度を適合している。このため、例えば、ノミナルに対してずれが小さい良好なエンジン1の場合、失火が発生しない領域であるのにも関らず、VN開度が閉じ側に設定される場合がある。そして、そのような状況になると、ノズルベーン121間(スロート)を通過する排気ガスの流速が大きくなってしまい、不快な気流音が発生する場合がある。
このような点を考慮して、この例では、エンジン始動後(完爆後)の暖機過程においてエンジン1の失火が発生したときのみ、VN開度を閉じ側にすることによって、不快な気流音の発生を抑制することを技術的特徴としている。
その具体的な制御(エンジン暖機過程時のVN開度制御)の例について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9の制御ルーチンはECU200において実行される。
なお、図9の制御ルーチンの実行中において、ECU200は、エンジン回転数センサ25及びカムポジションセンサ29の各出力信号に基づいて上記した失火検出処理を逐次実行している。
この制御ルーチンはイグニッションスイッチ31がオン操作された時点(IG_ON)で開始される。制御ルーチンが開始されるとエンジン1のクランキングが開始され、まずは、ステップST101において、始動フラグをONに設定(始動フラグ_ON)し、失火検出フラグをOFFに設定(失火検出フラグ_OFF)する。
なお、上記始動フラグは、エンジン1のクランキング中にONに設定されるフラグであり、エンジン1が完爆に至る回転数(例えば、エンジン回転数が800rpm)以上になった時点でOFFに設定されるフラグである。
次に、ステップST102において、始動フラグがOFFになったか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)になったときに(始動フラグ_OFFになったときに)ステップ103に進む。ステップST103では、上記した失火検出処理にてエンジン1に失火が発生したか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合(失火発生の検出なしの場合)はステップST109に進んで、通常のVN制御を実行する。
なお、「通常のVN制御」は、例えば、現在のエンジン1(ターボチャージャ100)の運転状態に基づいて、燃費(燃料消費率)・エミッション・ターボ効率(過給効率)などを考慮したマップ(通常制御時のマップ)を参照して、可変ノズルベーン機構120のVN開度を調整する制御である。
上記ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合(失火検出の場合)はステップST104に進む。ステップST104では、可変ノズルベーン機構120のVN開度を、閉じ側の失火対策要求値(適合値)に設定する閉じ制御(VN閉制御)を実行するとともに、失火検出フラグをONに設定(失火検出フラグ_ON)する。また、このとき、ECU200は、VN開度を閉じ側に設定した時点からの経過時間の計時を開始する。
ここで、上記ステップST104においてVN開度を閉じ側に制御する際に用いる失火対策要求値は、上記した「通常のVN制御」時の要求開度値よりも閉じ側の値で、かつ、ノズルベーン121の可動範囲の下限値以上の値(下限値も含む)であって、低温始動後の暖機過程において失火(ラフアイドル)を抑制することが可能なVN開度(閉じ側の値)を、実験・シミュレーション等によって適合した値を設定する。なお、失火対策要求値はECU200のROM202内に記憶しておく。
次に、ステップST105において、VN開度を閉じ側に設定した時点(VN閉制御を開始した時点)からの経過時間が所定時間Δt1に達したか否かを判定する。この所定時間Δt1は、「上記VN通常制御」と「上記VN閉制御」とのハンチングの防止、及び、失火によるラフアイドルの収束に要する時間などを考慮して、実験・シミュレーション等によって適合した値を設定する。
上記VN開度を閉じ側に設定した時点(VN閉制御を開始した時点)からの経過時間が所定時間Δt1に達しておらず、ステップST105の判定結果が否定判定(NO)である場合には、この経過時間が所定時間Δt1に達するまで待機する。そして、ステップST105の判定結果が肯定判定(YES)となった時点、つまり、VN開度を閉じ側に設定した後(VN閉制御開始後)の経過時間が所定時間Δt1に達した時点でステップST106に進む。
ステップST106では、可変ノズルベーン機構120のVN開度を、上記閉じ側の値(失火対策要求値)から開き側に徐変していく。このVN開度の開き側への徐変処理中において、失火の発生を検出した場合(ステップST107の判定結果が肯定判定(YES)となった場合)、ステップST104に戻って、再度、VN閉制御を実行する。
次に、ステップST108において、VN開度の徐変処理が終了したか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、VN開度の開き側への徐変処理中(徐変処理開始から終了までの間)において、失火発生が検出されなかった場合はステップST109に進む。なお、「VN開度の徐変処理の終了」については、例えば、VN開度を開き側に徐変していく過程において、可変ノズルベーン機構120のVN開度が通常制御の要求値に相当する値に達したときに「VN開度の徐変処理終了」と判定する。
ステップST109では、通常のVN制御を実行する。また、このとき、ECU200は、通常のVN制御を開始した時点からの経過時間の計時を開始する。なお、通常のVN制御は、上述の如く、例えば、現在のエンジン1(ターボチャージャ100)の運転状態に基づいて、燃費(燃料消費率)・エミッション・ターボ効率(過給効率)などを考慮したマップ(通常制御時のマップ)を参照して、可変ノズルベーン機構120のVN開度を調整する制御である。
次に、ステップST110において、上記ステップST109の通常のVN制御を開始した時点からの経過時間が所定時間Δt2に達したか否かを判定する。その経過時間が所定時間Δt2に達しておらず、ステップST110の判定結果が否定判定(NO)である場合には、この経過時間が所定時間Δt2に達するまで待機する。そして、ステップST110の判定結果が肯定判定(YES)となった時点、つまり、通常のVN制御を開始した後の経過時間が所定時間Δt2に達した時点で、ステップST111において失火検出フラグをOFFに設定(失火検出フラグ_OFF)して、この処理(図9の制御ルーチン)を終了する。
なお、上記ステップST110の判定に用いる所定時間Δt2については、例えば、「通常のVN制御」が安定するまでの時間を、実験・シミュレーション等によって適合して設定する。また、このような時間による管理に替えて、水温センサ21の出力信号から得られるエンジン水温が所定値に達した時点で、失火検出フラグをOFFに設定(失火検出フラグ_OFF)するようにしてもよい。
以上のように、この例の制御によれば、エンジン始動後の暖機過程において、エンジン1に失火が発生したときのみ、可変ノズルベーン機構120のVN開度を閉じ側にする制御(VN閉制御)を実行しているので、失火が発生していないときには、VN閉制御を行わなくて済み、ノズルベーン121を開くこと(通常制御時のVN開度(要求値)に設定すること)が可能になる。これによって、エンジン始動後の暖機過程において不快な気流音の発生を抑制することができる。なお、エンジン1に失火が発生していないときには、ノズルベーン121を閉じなくてよいので、上記したハード制約によりノズルベーン121を閉じることができないという懸念も解消することができる。
また、この例の制御では、ノズルベーン121を閉じ側(失火対策要求開度)から開く際に、ノズルベーン121を一気に開くのではなく、徐変処理にてノズルベーン121を徐々に開いていくので、エミッション・ドライバビリティの低下、及び、ターボ音の急激な変化などを抑制することができる。
−他の実施形態−
以上の例では、コモンレール式筒内直噴型多気筒(4気筒)ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限られることなく、例えば6気筒ディーゼルエンジンなど他の任意の気筒数のディーゼルエンジンにも適用可能である。
また、以上の例では、ディーゼルエンジンの制御の例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、可変ノズルベーン式ターボチャージャを備えたガソリンエンジンの制御にも本発明は適用可能である。
なお、本発明において、可変ノズルベーン機構を駆動するアクチュエータとして、電動モータを駆動源とするモータ式アクチュエータのほか、例えば負圧式や油圧式のアクチュエータを用いてもよい。
本発明は、可変ノズルベーン式過給機を備えた内燃機関(エンジン)の制御に利用可能であり、さらに詳しくは、機関始動後の機関暖機過程において不快な気流音の発生を抑制する制御に有効に利用することができる。
1 エンジン
11 吸気通路
12 排気通路
25 エンジン回転数センサ
29 カムポジションセンサ
100 ターボチャージャ(可変ノズルベーン式ターボチャージャ)
101 タービンホイール
102 コンプレッサインペラ
120 可変ノズルベーン機構
121 ノズルベーン
140 VNアクチュエータ
200 ECU

Claims (3)

  1. 吸気通路に設けられたコンプレッサインペラと、排気通路に設けられたタービンホイールと、前記タービンホイールの外周側に設けられた複数のノズルベーンを有し、前記ノズルベーンの開度を変更することによって排気ガスの流れを調整する可変ノズルベーン機構とを備えた過給機が搭載された過給機付き内燃機関の制御装置において、
    機関始動後の機関暖機過程で内燃機関に失火が発生した場合に、前記可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度を閉じ側に制御するノズルベーン開度制御手段を備えていることを特徴とする過給機付き内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記ノズルベーン開度制御手段は、機関始動後の機関暖機過程で内燃機関に失火が発生した場合に、前記可変ノズルベーン機構のノズルベーンの開度を失火対策要求値まで閉じることを特徴とする過給機付き内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記ノズルベーン開度制御手段は、ノズルベーンの開度を閉じ側に制御した時点から、所定時間経過した後に、当該ノズルベーンの開度を開き側に徐変することを特徴とする過給機付き内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116608039A (zh) * 2022-07-26 2023-08-18 盖瑞特动力科技(上海)有限公司 在发动机制动期间涡轮增压器的可变涡轮喷嘴的控制方法

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