JP2012140286A - 新規シリカ系中空微粒子、透明被膜付基材および透明被膜形成用塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均粒子径(DP)が25〜200nmの範囲にあり、表面に凸部を有し、該凸部の底面部の平均直径(凸P)が平均粒子径(DP)の1/40〜1/2の範囲にある(なお、平均粒子径は、任意の20個の粒子について最長径(DL)と最長径と直行する径(DS)を測定し、粒子径を(DL)+(DS)の1/2とし、その平均値とする。)ことを特徴とするシリカ系中空微粒子。さらに、当該シリカ系中空微粒子、マトリックス成分および極性溶媒を含むことを特徴とする透明被膜形成用塗料。
【選択図】図1
Description
[2]凸部の高さ(凸H)が凸部の底面部の平均直径(凸P)の1/10〜1/1の範囲にある[1]のシリカ系中空微粒子。
[3]屈折率が1.10〜1.35の範囲にある[1]または[2]のシリカ系中空微粒子。
[4]前記[1]〜[3]シリカ系中空微粒子、マトリックス成分および極性溶媒を含むことを特徴とする透明被膜形成用塗料。
[5]塗料中のシリカ系中空微粒子の濃度が固形分として、0.2〜40重量%の範囲にあり、マトリックス成分の濃度が固形分として、0.2〜40重量%の範囲にあり、全固形分濃度が1.0〜50重量%の範囲にある[4]の透明被膜形成用塗料。
[6]前記マトリックス形成成分が紫外線硬化型樹脂である[4]または[5]の透明被膜形成用塗料。
[7]基材上に前記[4]〜[6]の透明被膜形成用塗料を用いて形成された透明被膜を有する透明被膜付基材。
[8]前記透明被膜中のシリカ系中空微粒子の含有量が20〜80重量%である[7]の透明被膜付基材。
[9]前記透明被膜の膜厚が30〜300nmであり、屈折率が1.20〜1.50の範囲にある[7]または[8]の透明被膜付基材。
[新規シリカ系中空微粒子]
本発明に係る新規シリカ系中空微粒子は、表面に凸部を有しするものである。
凸部の底面部の平均直径(凸P)は、新規シリカ系中空微粒子の平均粒子径(DP)の1/40〜1/2、さらには1/10〜1/2.5の範囲にあることが好ましい。
(凸P)がシリカ系中空微粒子に対して小さすぎると、凸部が小さすぎて、実質的に、凸部のない球状シリカ系中空微粒子と大きく変わることが無いためにアンカリング効果(マトリックス成分の接合効果)が不充分となり、透明被膜の耐擦傷性、強度、耐アルカリ性等を向上させる効果が不充分となる場合がある。一方、(凸P)が前記範囲の上限を超えて大きい凸部は形成することが困難であり、また得られたとしても、かかる凸部によって透明被膜への緻密な充填が困難となり、透明被膜のヘイズが悪化し、また屈折率の低下が不充分となり、反射防止性能が不十分となる場合がある。
凸部の高さ(凸H)が小さいと、マトリックス成分との接合面積が小さく、アンカリング効果が不充分となり、透明被膜の耐擦傷性、強度、耐アルカリ性等を向上させる効果が不充分となる場合がある。高さ(凸H)が高すぎても前記上限を越えるものは得ることが困難であり、得られたとしても、凸部が透明被膜中で新規シリカ系中空微粒子の緻密な充填を阻害し、透明被膜のヘイズ、透過率が不充分となり、また、屈折率の低下が不充分となるために反射防止性能が不充分となる場合がある。
なお本発明の新規微粒子の形状は、中空粒子の表面に複数の凸部が形成された形状となる。
上記した平均粒子径(DP)、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)は、新規シリカ系中空微粒子の透過型電子顕微鏡写真を撮影して求めた。
凸部の平均直径(凸P)は、凸部の最下部の径を測定し、その平均値とした。
凸部の高さ(凸H)は粒子周縁部の高さを測定し、その平均値とした。
(1)複合酸化物分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を微粒子の屈折率とする。
このような新規シリカ系中空微粒子の製造方法は、前記した凸部を有し、平均粒子径および屈折率が前記範囲の新規シリカ系中空微粒子が得られれば特に制限は無いが、以下に例示する方法は好適に採用することができる。
まず、凸部を形成するための母体となるシリカ系中空微粒子を製造するが、シリカ系中空微粒子の製造方法は本願出願人の出願による、特開2001−233611号公報、特開2004−203683号公報、特開2006−21938号公報、WO2006/009132号公報等に開示した方法により製造することができる。
本発明では、シリカ系中空微粒子として、平均粒子径は概ね20〜200nm、好ましくは25〜75nmの範囲にある粒子を用いる。(凸部形成前)
シリカ被覆層の厚さは粒子径によっても異なるが1〜20nmの範囲にあり、空隙率は概ね20体積%〜80体積%の範囲にある。
まず、固形分濃度1〜20重量%のシリカ系中空微粒子の水分散液を調製し、これにアルミン酸アルカリ水溶液を混合する。この時、アルミン酸アルカリ水溶液の添加量は、シリカ系中空微粒子の平均粒子径によっても異なるが、Al2O3としてシリカ系中空微粒子の固形分重量の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲である。
ついで、珪酸アルカリ水溶液を添加する。珪酸アルカリの添加量はシリカ系中空微粒子の平均粒子径、前記アルミン酸アルカリ水溶液によるアルミナ添加量によっても異なるが、SiO2としてシリカ系中空微粒子の固形分重量の0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲である。珪酸アルカリ水溶液を添加すると、シリカ系中空微粒子分散液のpHがアルカリ性になり、かつ分散液中に溶解シリカが存在するようになるため、後述する酸性珪酸液を添加した際に、酸性珪酸液中のシリカの析出が促進されるものと考えられる。
上記範囲で珪酸アルカリ水溶液を添加すると、後述する酸性珪酸液を添加することによって前記アルミナ拠点上にシリカを析出させて所望の凸部を形成することができる。
ついで、珪酸アルカリ水溶液を添加した分散液を40〜150℃に加温し、酸性珪酸液を添加する。これによって、酸性珪酸液中のシリカが中空粒子表面のアルミナ拠点上に析出し、凸部を形成する。
新規シリカ系中空微粒子分散液はアルコールなどの有機溶媒に溶媒置換して用いることもできる。
さらに、従来公知の方法でシランカップリング剤などで処理して用いることもできる。
具体的には、本発明の新規シリカ系中空微粒子は下記式(1)で表される有機珪素化合物、これらの加水分解物で表面処理されていることが好ましい。
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
新規シリカ系中空微粒子の表面処理は微粒子のアルコール分散液に前記有機珪素化合物を所定量加え、これに水を加え、必要に応じて加水分解用触媒として酸またはアルカリを加えて有機珪素化合物を加水分解する。
ついで、本発明に係る透明被膜付基材について具体的に説明する。
本発明に係る透明被膜付基材は、基材上に、新規シリカ系中空微粒子とマトリックス成分とからなる透明被膜が形成された透明被膜付基材であって、該新規シリカ系中空微粒子の平均粒子径(DP)が30〜200nmの範囲にあり、表面に凸部を有し、該凸部の底面の平均直径(凸P)が平均粒子径(DP)の1/40〜1/2の範囲にあり、屈折率が1.10〜1.35の範囲にあることを特徴としている。
基材としては、従来公知の基材を用いることができ、ガラスの他、トリアセチルセルロースフィルム(TAC)、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム等のセルロース系基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系基材、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、環状ポリオレフィンフィルム等のポリオレフィン系基材、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系基材、ポリアクリル系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテウフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、アクリロニトリルフィルム等の基材が挙げられる。また、このような基材上に、ハードコート膜等他の被膜が形成された被膜付基材を用いこともできる。
透明被膜を構成する新規シリカ系中空微粒子としては、前記した表面に凸部を有するシリカ系中空微粒子を用いる。
透明被膜中の新規シリカ系中空微粒子の含有量は20〜80重量%、さらには30〜60重量%の範囲にあることが好ましい。
このような樹脂として、たとえば、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
透明被膜中のマトリックス成分の含有量は20〜80重量%、さらには40〜70重量%の範囲にあることが好ましい。
このような透明被膜付基材の形成方法としては従来公知の方法を採用することができる。
つぎに、本発明に係る透明被膜形成塗料について説明する。
本発明に係る透明被膜形成塗料は、前記新規シリカ系中空微粒子とマトリックス形成成分と極性溶媒とからなることを特徴としている。
塗料中のマトリックス形成成分が少なければ、得られる透明被膜の膜強度、耐摩耗性等が不充分となる場合があり、また、充分な膜厚を有した透明被膜が得られないことがある。
本発明に用いる極性溶媒としてはマトリックス形成成分、必要に応じて用いる重合開始剤を溶解あるいは分散できるとともに新規シリカ系中空微粒子を均一に分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。
具体的には、透明被膜形成用塗料を前記したようなディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、バーコート法、スリットコーター印刷法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、紫外線照射、加熱処理等常法によって硬化させることによって透明被膜を形成することができるが、本発明ではロールコート法、スリットコーター印刷法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法が推奨される。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
新規シリカ系中空微粒子(1)分散液の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al2O3濃度20重量%、固形分中Al2O3含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液3,740gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液3,740gを6時間で添加して、SiO2・Al2O3一次粒子分散液を得た。このときの反応液のpHは11.8、固形分濃度0.8%であった。ついで、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液15,400gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液5,100gを6時間で添加して、固形分濃度1.1重量%のシリカ・アルミナ被覆複合酸化物粒子分散液32,000gを得た。また、平均粒子径は61nmであった。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(1)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
表面処理新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5重量%に希釈した分散液60gと、アクリル樹脂(ヒタロイド1007、日立化成(株)製)2.5gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒37.5gとを充分に混合して固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(1)を調製した。
シリカゾル分散液(日揮触媒化成(株)製;カタロイド SI−30;平均粒子径12nm、SiO2濃度40.5重量%、分散媒:イソプロパノ−ル、粒子屈折率1.46)100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン1.88g(信越シリコ−ン株製:KBM−503、SiO2成分81.2%)を混合し超純水を3.1g添加し50℃で20時間攪拌して表面処理した12nmのシリカゾル分散液を得た(固形分濃度40.5重量%)。
ついで、固形分濃度40.5重量%のシリカゾル(1-8)のプロピレングリコールモノプロピルエーテル分散液51.85gと、ジヘキサエリスリトールトリアセテート(共栄社化学(株)製:DPE−6A)18.90g、と1.6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製;ライトアクリレートSR−238F)2.10gとシリコーン系レベリング剤(楠本化成(株)製;ディスパロン1610)0.01gと光重合開始剤(チバジャパン(株))製:イルガキュア184、PGMEで固形分濃度10%に溶解)12.60gとPGME14.54gとを充分に混合して固形分濃度42.0重量%のハードコート膜形成用塗布液を調製した。
まず、ハードコート膜形成用塗布液を、TACフィルム(パナック(株)製:FT−PB80UL−M、厚さ:80μm、屈折率:1.51)にバーコーター法(#14)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させてハードコート膜を形成した。ハードコート膜の膜厚は5μmであった。
鉛筆硬度は、JIS K 5400に準じて、鉛筆硬度試験器で測定した。即ち、透明被膜表面に対して45度の角度に鉛筆をセットし、所定の加重を負荷して一定速度で引っ張り、傷の有無を観察した。
透明被膜付基材(A-1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100個の升目を作り、これにセロファンテープを接着し、次いで、セロファンテープを剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の3段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数90個以上 :◎
残存升目の数85〜89個 :○
残存升目の数84個以下 :△
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条の傷が僅かに認められる :○
筋条の傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
耐鹸化性評価
鹸化テスト方法:透明被膜付基材(1)を40℃の10wt%NaOH水溶液に80秒浸漬する。鹸化テスト前後の透明被膜表面のΔ接触角を測定し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
〈評価基準〉
±5°以内 :◎
±5〜10° :○
±10〜20° :△
±20°以上 :×
新規シリカ系中空微粒子(2)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(1)分散液100gに純水135gを加え、15分間攪拌したのち、濃度0.9重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液6.7gを4時間で添加した。その後90℃に加温し、3時間熟成してアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(2)を得た。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(2)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(2)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(2)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(2)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(2)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(2)を得た。この透明被膜付基材(2)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
新規シリカ系中空微粒子(3)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(1)分散液100gに純水135gを加え、15分間攪拌したのち、濃度0.9重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液13gを4時間で添加した。その後90℃に加温し、3時間熟成してアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(3)を得た。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(3)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(3)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(3)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(3)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(3)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(3)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(3)を得た。この透明被膜付基材(3)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
新規シリカ系中空微粒子(4)分散液の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20重量%のシリカ系微粒子(1)分散液100gに純水135gを加え、15分間攪拌したのち、濃度0.9重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液20gを4時間で添加した。その後90℃に加温し、3時間熟成してアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(4)を得た。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(4)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(4)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(4)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(4)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(4)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(4)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(4)を得た。この透明被膜付基材(4)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
透明被膜形成用塗料(5)の調製
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5重量%に希釈した分散液41gと、アクリル樹脂(日立化成(株)製:ヒタロイド1007)3.7gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒60gとを充分に混合した以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(5)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(5)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(5)を得た。この透明被膜付基材(5)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
透明被膜形成用塗料(6)の調製
表面処理新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5重量%に希釈した分散液65.5gと、アクリル樹脂(日立化成(株)製:ヒタロイド1007、)3.3gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒50.8gとを充分に混合した以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(6)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(6)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(6)を得た。この透明被膜付基材(6)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
新規シリカ系中空微粒子(7)分散液の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al2O3濃度20重量%、固形分中Al2O3含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液740gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液740gを6時間で添加して、SiO2・Al2O3一次粒子分散液を得た。このときの反応液のpHは11.8、固形分濃度0.6%であった。ついで、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液7,500gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液2,500gを6時間で添加して、固形分濃度1.0重量%のシリカ・アルミナ被覆複合酸化物粒子分散液15,000gを得た。また、平均粒子径は40nmであった。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(7)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(7)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(7)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、固形分濃度20重量%の表面処理新規シリカ系中空微粒子(7)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(2)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(7)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(7)を得た。この透明被膜付基材(7)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
新規シリカ系中空微粒子(8)分散液の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al2O3濃度20重量%、固形分中Al2O3含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液9,600gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9,600gを6時間で添加して、SiO2・Al2O3一次粒子分散液を得た。このときの反応液のpHは11.8、固形分濃度0.9%であった。ついで、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液34,400gとAl2O3としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液11,500gを6時間で添加して、固形分濃度1.1重量%のシリカ・アルミナ被覆複合酸化物粒子分散液69,000gを得た。また、平均粒子径は81nmであった。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(8)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(8)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(8)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、固形分濃度20重量%の表面処理新規シリカ系中空微粒子(8)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(8)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(8)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(8)を得た。この透明被膜付基材(8)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
シリカ系中空微粒子(R1)分散液の調製
実施例1と同様にしてイオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(1)の水分散液を得た。
固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理したシリカ系中空微粒子(R1)のアルコール分散液を調製した。
実施例1において、固形分濃度20重量%の表面処理シリカ系中空微粒子(R1)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(R1)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(R1)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R1)を得た。この透明被膜付基材(R1)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
新規シリカ系中空微粒子(R2)分散液の調製
実施例1と同様にしてアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(2)を得た。
つぎに、固形分濃度8.5重量%のアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(2)分散液230gに、純水460g、濃度29%の珪酸ナトリウム水溶液6gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、濃度3.0重量%の珪酸水溶液52gを14時間で添加して、表面に凸部を有する新規シリカ系中空微粒子(R2)分散液を得た。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(R2)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(R2)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(R2)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(R2)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(R2)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(R2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R2)を得た。この透明被膜付基材(R2)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
新規シリカ系中空微粒子(R3)分散液の調製
実施例1と同様にしてアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(2)を得た。
つぎに、固形分濃度8.5重量%のアルミナ修飾シリカ系中空微粒子(2)分散液230gに、純水460g、濃度29%の珪酸ナトリウム水溶液6gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、濃度3.0重量%の珪酸水溶液 587gを14時間で添加して、表面に凸部を有する新規シリカ系中空微粒子(R3)分散液を得た。
固形分濃度20重量%の新規シリカ系中空微粒子(R3)のアルコール分散液100gにメタクリルシランカップリング剤としてγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-503、SiO2成分81.2重量%)3gを添加し、50℃で加熱処理を行い、再び限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20重量%の表面処理した新規シリカ系中空微粒子(R3)のアルコール分散液を調製した。
得られた新規シリカ系中空微粒子(R3)について、屈折率、平均粒子径、凸部の大きさ(凸P)および凸部の高さ(凸H)を測定し、結果を表に示す。
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(R3)のアルコール分散液を用いた以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(R3)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(R3)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R3)を得た。この透明被膜付基材(R3)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
透明被膜形成用塗料(R4)の調製
実施例1において、表面処理新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5重量%に希釈した分散液11gと、アクリル樹脂(日立化成(株)製:ヒタロイド1007、5gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒85gとを充分に混合した以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(R4)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(R4)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R4)を得た。この透明被膜付基材(R4)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
透明被膜形成用塗料(R5)の調製
表面処理新規シリカ系中空微粒子(1)のアルコール分散液をエタノールで固形分濃度5重量%に希釈した分散液98gと、アクリル樹脂(日立化成(株)製:ヒタロイド1007)0.6gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒1.4gとを充分に混合した以外は同様にして固形分濃度5.5重量%の透明被膜形成用塗料(R5)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗料(R5)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R5)を得た。この透明被膜付基材(R5)の全光線透過率、ヘイズ、反射率、被膜の屈折率、密着性および鉛筆硬度、耐擦傷性、耐鹸化性評価を測定し、結果を表に示す。
Claims (9)
- 平均粒子径(DP)が25〜200nmの範囲にあり、表面に凸部を有し、該凸部の底面部の平均直径(凸P)が平均粒子径(DP)の1/40〜1/2の範囲にある(なお、平均粒子径は、任意の20個の粒子について最長径(DL)と最長径と直行する径(DS)を測定し、粒子径を(DL)+(DS)の1/2とし、その平均値とする。)ことを特徴とするシリカ系中空微粒子。
- 凸部の高さ(凸H)が凸部の底面部の平均直径(凸P)の1/10〜1/1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のシリカ系中空微粒子。
- 屈折率が1.10〜1.35の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のシリカ系中空微粒子。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ系中空微粒子、マトリックス成分および極性溶媒を含むことを特徴とする透明被膜形成用塗料。
- 塗料中のシリカ系中空微粒子の濃度が固形分として、0.2〜40重量%の範囲にあり、マトリックス成分の濃度が固形分として、0.2〜40重量%の範囲にあり、全固形分濃度が1.0〜50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の透明被膜形成用塗料。
- 前記マトリックス形成成分が紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項4または5に記載の透明被膜形成用塗料。
- 基材上に請求項4〜6のいずれかに記載の透明被膜形成用塗料を用いて形成された透明被膜を有する透明被膜付基材。
- 前記透明被膜中のシリカ系中空微粒子の含有量が20〜80重量%であることを特徴とする請求項7に記載の透明被膜付基材。
- 前記透明被膜の膜厚が30〜300nmであり、屈折率が1.20〜1.50の範囲にあることを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の透明被膜付基材。
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