〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るカラー電子写真画像形成装置(以下「画像形成装置」という)について説明する。
(画像形成装置の全体構成)
まず画像形成装置の全体構成について、図1を用いて説明する。なお、図1は本第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
まず電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という。)100の全体構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、着脱可能な4個のプロセスカートリッジ7(7a,7b,7c,7d)が装着部材(不図示)によって図の手前から奥側へ装着されている。図1において、プロセスカートリッジ7は、電子写真画像形成装置本体100A内に水平方向に対して傾斜して併設されている。
各プロセスカートリッジ7には、電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムという)1(1a,1b,1c,1d)と、感光体ドラム1の周囲に帯電ローラ2(2a,2b,2c,2d)と、現像ローラ25(25a,25b,25c,25d)と、クリーニング部材6(6a,6b,6c,6d)等のプロセス手段が一体的に配置されている。帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させるものであり、現像ローラ25は、感光体ドラム1に形成した潜像をトナーによって現像して可視像化するものである。そして、クリーニング部材6は、感光体ドラム1に形成した現像剤像を記録媒体に転写した後に、感光体ドラム1に残留した現像剤を除去するものである。
また、プロセスカートリッジ7の下方には画像情報に基づいて感光体ドラム1に選択的な露光を行い、感光体ドラム1に潜像を形成するためのスキャナユニット3が設けられている。
装置本体100Aの下部には記録媒体Sを収納したカセット17が装着されている。そして、装置本体Aの上方へ搬送されるように記録媒体搬送手段が設けられている。すなわち、カセット17内の記録媒体Sを1枚ずつ分離給送する給送ローラ18、給送された記録媒体Sを搬送する搬送ローラ対19、感光体ドラム1に形成される潜像と記録媒体Sとの同期をとるためのレジストローラ対20が設けられている。また、プロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)の上方には各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に形成したトナー画像を転写させるための中間転写手段としての中間転写ユニット5が設けられている。
中間転写ユニット5には駆動ローラ21、従動ローラ22、各色の感光体ドラム1に対向する位置に一次転写ローラ23(23a,23b,23c,23d)、二次転写ローラ24に対向する位置に対向ローラ87を有し、中間転写ベルト5aが掛け渡されている。そして、中間転写ベルト5aはすべての感光体ドラム1に対向し、且つ接するように循環移動し、一次転写ローラ23に電圧を印加することにより、感光体ドラム1から中間転写ベルト5a上に一次転写を行う。そして、中間転写ベルト5a内に配置された対向ローラ87と二次転写ローラ24への電圧印加により、中間転写ベルト5a上のトナーを記録媒体Sに転写する。
画像形成に際しては、各感光体ドラム1を回転させ、帯電ローラ2によって一様に帯電させた感光体ドラム1にスキャナユニット3から選択的な露光を行う。これによって、感光体ドラム1に静電潜像を形成する。その潜像を現像ローラ25によって現像する。これによって、各感光体ドラム1に各色現像剤像を形成する。この画像形成と同期して、レジストローラ対20が、記録媒体Sを対向ローラ87と二次転写ローラ24とが中間転写ベルト5aを介在させて当接している二次転写位置に搬送する。そして、二次転写ローラ24へ転写バイアス電圧を印加することで、中間転写ベルト5a上の各色現像剤像を記録媒体Sに二次転写する。これによって、記録媒体Sにカラー画像を形成する。前記の様にしてカラー画像が形成された記録媒体Sは、定着部88によって加熱、加圧されて現像剤像が定着される。その後、記録媒体Sは、排出ローラ89によって排出部90に排出される。尚、定着部88は、装置本体100Aの上部に配置されている。
(プロセスカートリッジ)
次に本実施形態のプロセスカートリッジ7について、図2を用いて説明する。図2は現像剤(以下、トナーという)を収納したプロセスカートリッジ7の主断面である。尚、イエロー色のトナーを収納したプロセスカートリッジ7a、マゼンタ色のトナーを収納したプロセスカートリッジ7b、シアン色のトナーを収納したプロセスカートリッジ7c、ブラック色のトナーを収納したプロセスカートリッジ7dは同一構成である。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電ローラ2、及びクリーニング部材6を備えたドラムユニット26(26a〜26d)、及び現像部材を有する現像ユニット4(4a〜4d)に分かれている。
前記ドラムユニット26のクリーニング枠体27には、感光体ドラム1が軸受(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1の周上には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。さらに、クリーニング部材6によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは除去トナー室27aに落下する。そしてドラムユニット26に駆動源である駆動モータ(不図示)の駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて回転駆動させる。帯電ローラ軸受28はクリーニング枠体27に対して矢印D方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2は軸2jが帯電ローラ軸受28に回転可能に取り付けられており、帯電ローラ軸受28は帯電ローラ加圧部材46により感光体ドラム1に向かって加圧されている。
現像装置である現像ユニット4は、感光体ドラム1と接触して矢印B方向に回転する現像ローラ25と現像枠体31とから構成される。現像ローラ25は、現像枠体31の両側にそれぞれ取り付けられた軸受部材32(32R,32L)を介して、回転自在に現像枠体31に支持されている。また現像ローラ25の周りには、現像ローラ25に接触して矢印C方向に回転するトナー供給ローラ34と現像ローラ25上のトナー層を規制するための現像ブレード35が配置されている。さらに現像剤容器である現像枠体31のトナー収容部31aには、収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラ34へトナーを搬送するためのトナー搬送部材36が設けられている。
そして現像ユニット4は、軸受部材32R,32Lに設けられた、穴32Rb,32Lbに嵌合する軸37R、37Lを中心にしてドラムユニット26に回動自在に結合されている。プロセスカートリッジ7の画像形成時においては、現像ユニット4は、加圧バネ38により付勢されているため、軸37R,37Lを中心に回転し、現像ローラ25が感光体ドラム1に当接している。
(プロセスカートリッジの画像形成装置本体への装着機構)
次に本発明を実施したプロセスカートリッジ7を装置本体100Aへ装着する機構について図3を用いて説明する。
図3aはプロセスカートリッジ7の装置本体100Aへの装着前の状態を説明する図である。図3aにおいて、プロセスカートリッジ7は装置本体100Aの前側板82の開口部82bより矢印E方向に向かって装着(進入)される。ここで、E方向とはプロセスカートリッジ7の長手方向である。またプロセスカートリッジ7の長手方向は、感光体ドラム1の軸線方向、現像ローラ25の軸線方向でもある。その際に、プロセスカートリッジ7のクリーニング枠体27に一体に設けられた被ガイド部27bが、装置本体100Aに設けられたガイド部材81のガイド部81aに乗せられた状態でガイドされながら矢印E方向に装着される。ガイド部材81は、プロセスカートリッジ7を取り外し可能に装着する為の装着部材である。
図3bはプロセスカートリッジ7が装着方向において後側板83である後側板83まで装着された状態を説明する図である。プロセスカートリッジ7が矢印E方向に装着されると、クリーニング枠体27に一体に設けられた突き当て部27cが、装置本体100Aの後側板83に当接することで、プロセスカートリッジ7は後側板83まで装着された状態になる。これにより、プロセスカートリッジ7の長手方向の位置が定まるが、この状態ではプロセスカートリッジ7は装置本体100Aには完全には位置決めされていない。即ち、上下方向(プロセスカートリッジ7の長手方向と交差する方向)の位置決めがされていない。また感光体ドラム1も中間転写ユニット5の転写ベルト5aに当接していない。
図3cはプロセスカートリッジ7が装置本体100Aに完全に装着された状態を説明する図である。プロセスカートリッジ7が長手方向において後側板83まで装着された後に、装置本体100Aに設けられた移動部材84R,84Lがプロセスカートリッジ7のクリーニング枠体27に一体に設けられた被押圧部27Ld,27Rdを矢印F方向に押圧する。移動部材84R、84Lは、装置本体100Aに設けられた開閉カバー(不図示)に連動して移動する。ここで、開閉カバー(不図示)は、プロセスカートリッジ7を装着する際に、装置本体100Aに設けられた開口(不図示)を開閉するものである。そして、クリーニング枠体27に一体に設けられた位置決め部27Re,27Leが、装置本体100Aの前側板82の突き当て部82aと後側板83の突き当て部83aにそれぞれ当接することで、プロセスカートリッジ7の上下方向が位置決めされる。これにより、プロセスカートリッジ7は装置本体100Aに完全に位置決めされる。また、この状態では感光体ドラム1と転写ベルト5aも当接する。
すなわち、突き当て部27cが突き当たる後側板83は、プロセスカートリッジ7の長手方向の位置決め部である。また、位置決め部27Re,27Leが突き当たる突き当て部82a,83aは、上下方向においてプロセスカートリッジ7を位置決めするための本体位置決め部である。
また、移動部材84R,84Lは、プロセスカートリッジ7を装置本体100A内に進入させるときは、その進入を許容する第一の位置(図3aの位置)をとりうる。即ち、第一の位置は、プロセスカートリッジ7の進入を妨げないように、移動部材84R,84Lはガイド81aから突出しない位置にある。このとき、開閉カバー(不図示)は、開口(不図示)を開放する位置にある。さらに、移動部材84R,84Lは、プロセスカートリッジ7を本体位置決め部に位置決めするためにプロセスカートリッジ7を、該プロセスカートリッジ7の長手方向(進入方向)に交差方向に押圧する第二の位置(図3cの位置)をとり得る。即ち、移動部材84R,84Lはガイド81aから突出した位置にある。このとき、開閉カバー(不図示)は、開口(不図示)を閉鎖する位置にある。即ち、開閉カバー(不図示)が開放する位置から閉鎖する位置に移動することによって、移動部材84R、84Lは、第一の位置から第二の位置に移動する。即ち、図3aに示すプロセスカートリッジ7を長手方向から装着している際は、感光体ドラム1を転写ベルト5aから離間させて装着することができるので、感光体ドラム1と転写ベルト5aが摺擦することがない。そして、移動部材84R,84Lが第一の位置から第二の位置に移動することで、感光体ドラム1が転写ベルト5aに接触させることができる。
(プロセスカートリッジにおける現像ローラとオルダムカップリングの支持構成)
次に本実施形態に係るプロセスカートリッジ7における、軸継手部材としてオルダムカップリング48を用いた構成及び現像ローラ25の支持構成について図4から図6を用いて説明する。図4は現像ローラ25の支持部の長手一端側を示した図である。図4において現像ローラ25の現像ローラ軸25jは、軸受部材32Lに一体に設けられた軸受部32Lcの内周に回転可能に嵌合している。現像ローラ25のゴムローラ部25gと軸受部32Lcの間には、現像ローラ25の感光体ドラム1への当接量を規制するための規制コロ47が現像ローラ軸25jに回転可能に嵌合して設けられている。ここでは現像ローラ25の長手一端側の支持構成について説明したが、長手方向他端側についても同様に軸受部材に軸受部が一体に設けられており現像ローラ軸の他端側を回転可能に嵌合している。
図5及び図6を用いて本実施形態の軸継手部材であるオルダムカップリング48の構成について説明する。ここではオルダムカップリング48の構成を説明するために軸受部材32Lは省略してある。
図5において、オルダムカップリング48は、固定側係合部である従動側係合部48a、中間係合部48b、駆動側係合部48cから構成される。ここで従動側係合部48aは現像ローラ軸25jの端部に固定されている。固定の方法としては、スプリングピンや並行ピンにより結合する方法や、図5に示したように、現像ローラ軸25jの端面にカット部25cを設け、従動側係合部48a側の穴をこれと対応する形状にカットして結合させる方法がある。駆動側係合部48cは係合部軸受部材49に回転可能に嵌合されている。また係合部である駆動側係合部48cには、後述する装置本体100Aの第二の本体駆動力伝達部材である本体現像カップリング53(図7参照)と係合する、突起48c1〜48c4が一体に形成されている。このオルダムカップリング48は、本体現像カップリング53の軸線と現像ローラ25の軸線とのズレを許容して装置本体100Aからの駆動回転力(第二の駆動回転力)を現像ローラ25に伝達する。
図6においてオルダムカップリング48の構成について断面図を用いて更に詳しく説明する。図6aは図5の矢印Hに平行な方向の断面図、図6bは図5の矢印Gに平行な方向の断面図である。
図6aにおいて、従動側係合部48aにはリブ48a1が一体に設けられている。中間係合部48bには溝48ba1が設けられており、リブ48a1と溝48ba1は図5矢印G方向に移動可能に嵌合している。
図6bにおいて、駆動側係合部48cにはリブ48c6が一体に設けられている。中間係合部48bには溝48bc1が設けられており、前記リブ48c6と溝48bc1は図6矢印H方向に移動可能に嵌合している。
図7aはプロセスカートリッジ7に設けられたカップリングの構成を示す図である。現像ユニット4に設けられたオルダムカップリング48の駆動側係合部48cの端面には、軸線方向に突出する突起48c1〜48c3が一体で形成されている。また、本体カップリング53との軸線を合わせるための係合部位置決め部である芯決め突起48c4が、駆動側係合部48cの端面から軸線方向に突出している。そして、感光体ドラム1の先端には三角柱のドラムカップリング1cが設けられている。また係合部軸受部材49のガイド部49bは現像ユニット4に図示しないビス等により固定されたサイドカバー50の溝50aに現像ローラ25の軸線方向に対し、交差する方向に移動可能にガイドされる。すなわち、駆動側係合部48cは、現像ローラ25の軸線25に対して交差する方向に移動可能となっている。
図7bが装置本体100Aに設けられたカップリングの構成を示す図である。図7bにおいて感光体ドラム1に装置本体100Aから駆動力を伝達するための第一の本体駆動力伝達部材であるドラム駆動カップリング(本体ドラムカップリング)66には断面が略三角形の穴66aが設けられている。プロセスカートリッジ7が移動部材84R,84Lによって本体位置決め部82a、83aに位置決めされた後に、カップリング移動機構66bが矢印m方向に移動する。それによって、ドラム駆動カップリング66は、感光体ドラム1の軸線方向においてプロセスカートリッジ7側に向かってカップリング移動機構66bと一緒に移動する。そして、ドラムカップリング1cとドラム駆動カップリング66の穴66aの位相がずれていた場合には、ドラムカップリング1cの端面1c1とドラム駆動カップリング66の端面66cが当接した状態になっている。その際は、ドラム駆動カップリング66は移動板66b2に設けられたバネ66b1の付勢力に抗して矢印n方向に退避する。そして、ドラム駆動カップリング66が回転し、前記ドラムカップリング1cと穴66aの位相が合うと、ドラム駆動カップリング66はバネ66b1の付勢力で矢印r方向に移動して、カップリング1cと穴66aとは係合する。そして、ドラム駆動カップリング66によって感光体ドラム1に駆動回転力(第一の駆動回転力)が伝達される。即ち、ドラムカップリング1cは、図3cに示すプロセスカートリッジ7が移動部材84R,84Lで本体位置決め部82a、83aに位置決めされることによって、ドラム駆動カップリング66と係合可能な位置にくることになる。よって、プロセスカートリッジ7が本体位置決め部82a、83aに位置決めされるまでは、ドラム駆動カップリング66は退避しておく必要がある。そのため、前述したカップリング移動機構66が必要になってくる。
一方、本体現像カップリング53は、単に現像ローラ25の軸線と平行な方向に向かって圧縮バネ等の押圧部材(押圧部)53cによって、プロセスカートリッジ7側に向かって付勢されているだけの構成である。これは、現像ローラ25にはオルダムカップリング48が設けられている。よって、図3bに示すプロセスカートリッジ7が本体位置決め部82a、83aに位置決めされる前でも、本体現像カップリング53とオルダムカップリング48とは係合可能になっているためである。即ち、プロセスカートリッジ7を装置本体100Aに進入させる際に、駆動側係合部48cを現像ローラ25の軸線からずらして、本体現像カップリング53と係合可能な位置に位置決めしておけば良い。したがって、本体現像カップリング53での退避機構は、ドラム駆動カップリング66で用いた様なカップリング移動機構を用いる必要はなく、簡単な構成ですむことになる。
本体現像カップリング53の詳細な構成を説明する。本体現像カップリング53には穴53b1,53b2,53b3が設けられている。また、本体現像カップリング53は、現像ローラ25の軸線と平行な方向に向かって圧縮バネ等の押圧部材53cによって、プロセスカートリッジ7側に向かって付勢されている。
プロセスカートリッジ7を装置本体100Aに進入させて、駆動側係合部48cと本体現像カップリング53とが係合する際に、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3と位相が合わない場合がある。この場合は、突起48c1〜48c3の先端が穴53b1〜53b3以外の所に当接して、本体現像カップリング53が、押圧部材53cの付勢力に抗して軸線方向に後退する。しかし、本体現像カップリング53が回転し、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3と位相が合うと、本体現像カップリング53は押圧部材53cの付勢力で前進する。そして、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3は係合し、芯決めボス48c4と伝達部材位置決め部である芯決め穴53b4も嵌合し、駆動側係合部48cと本体現像カップリング53の軸線(回転中心)が一致する。そして、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3と位相が合うとそれぞれは係合し、現像ローラ25に駆動回転力が伝達される。
ここでドラム駆動カップリング66及び本体現像カップリング53に対する駆動回転力は装置本体100A内に設けられたモータ(不図示)により伝達される。モータは各色のプロセスカートリッジにつき各1台のモータを用いる構成や、モータ1台で何色かのプロセスカートリッジに駆動を伝達する構成がある。
以上、説明したように感光体ドラム1への駆動入力とは独立して、装置本体100Aから現像ローラ25に直接駆動力を入力する構成をとっている。したがって、感光体ドラム1の回転精度において、現像ローラ25の回転の影響を受けることを抑え、さらに、現像ローラ25自身の回転精度を向上させ、画像品質の向上させることができる。
(画像形成装置本体へのプロセスカートリッジ装着時のオルダムカップリングの動作)
次に図8から図10を用いて本発明を実施したプロセスカートリッジ7における画像形成装置本体100Aへの装着時のオルダムカップリング48の動作について説明する。図8aはプロセスカートリッジ7を装着方向において後側板83に向かって装着している状態(図3a参照)を装着方向奥側から見た図である。そして、図8bは図8aを長手方向側面(矢印V1)から見た断面図である。
図8bに示すように、装置本体100Aの本体現像カップリング53の軸線53aは、装着されるプロセスカートリッジ7が有する現像ローラ25の軸線25kとずれた位置になっている。これは、前述したように、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aに進入する際に、感光体ドラム1と転写ベルト5aが摺擦しないように、感光体ドラム1と現像ローラ25を下げておく必要があるためである。その為、プロセスカートリッジ7が本体位置決め部82a、83aに位置決めされた際に、現像ローラ25の軸線25kと軸線53aが略一致するように本体現像カップリング53が設けられている。そして、駆動側係合部48cは、係合部軸受部材49を介して弾性体である付勢部材54によって付勢され、クリーニング枠体27に設けられた保持部27fに位置決めされる。これは、プロセスカートリッジ7を装着した際に、本体現像カップリング53に駆動側係合部48cが係合しやすいように、軸線53aと略一致する位置に駆動側係合部48cの軸線48c5を配置するためである。即ち、プロセスカートリッジ7が装置本体100A内に進入する際は、軸線48c5は、軸線25kよりも本体現像カップリング53の軸線53aに近い位置になるように、駆動側係合部48cは保持部27fに位置決めされている。ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をD1としておく。したがって、係合部48cを保持部27fに位置決めすることにより、係合部48c及び本体現像カップリング53に係合の為の大きなガイドを設けず、プロセスカートリッジ7及び電子写真画像形成装置100の小型化を実現できる。尚、ここで係合部軸受部材49を付勢するものとして、付勢部材54を用いた。しかし、係合部軸受部材49に一体的に弾性変形可能な弾性部を設けることによって、係合部軸受部材49を保持部27fに当接させても良い。
また、図9aはプロセスカートリッジ7を装置本体100Aにプロセスカートリッジ7の装着方向において後側板83まで装着した状態(図3b参照)を装着方向奥側から見た図である。そして、図9bは図9aを長手方向側面(矢印V2)から見た断面図である。
図9aに示したようにプロセスカートリッジ7が装置本体100Aのガイド部材81にガイドされ、プロセスカートリッジ7の装着方向において後側板83まで装着された状態では、まだプロセスカートリッジ7は移動部材84により押圧されていない。このため、装置本体100Aに完全には位置決めされておらず、感光体ドラム1は転写ベルト5aと離間した状態になっている。
そしてこの状態で、図9bに示すように、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っていない場合は、当接部49bは保持部27fに代わって装置本体100Aに設けられた本体当接部である本体係止部材85に当接して位置決めされる。当接部49bが本体係止部材85で位置決めされる際は、本体係止部材85の先端に設けられた斜面85aによってガイドされて、図9bに示す状態になる。したがって、当接部49bと保持部27fとの間には隙間が生じる。ここで駆動側係合部48cは係合部軸受部材49に回転可能に嵌合している。したがって、駆動側係合部48cは係合部軸受部材49を介して本体係止部材85に位置決めされることになる。よって、ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をD2とすると、D2は前述したD1よりも小さいことになる。そして、本体現像カップリング53は駆動側係合部48cの突起48c1〜48c3によって押されて図中矢印J方向(軸線方向)に退避した状態になる。
また、プロセスカートリッジ7を後側板83(図3参照)まで装着した状態で、図9cに示すように、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っている場合は、突起48c4と穴53b4とが嵌合して駆動側係合部48cが位置決めされる。その際は、係合部軸受部材49の当接部49bと本体係止部材85は離間した状態になる。よって、ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をD3とすると、D3は前述したD1、D2よりも小さくなる。
図10aはプロセスカートリッジ7が移動部材84R、84Lによって押圧され、本体位置決め部82a、83aに位置決めされている状態(図3c参照)を装着方向奥側から見た図である。そして、図10bは図10aを長手方向側面(矢印V3)から見た断面図である。
図10aで示したように、プロセスカートリッジ7のクリーニング枠体27が移動部材84より力を受け矢印I方向に付勢される。これにより、カートリッジ位置決め部27g1が装置本体100Aの後側板の突き当て部83aに当接し、プロセスカートリッジ7は装置本体100Aに完全に位置決めされ、感光体ドラム1と転写ベルト5aは当接する。そして、現像ローラ25の軸線25kも本体現像カップリング53の軸線53aと略一致する位置にくることになる。ここで、カートリッジ位置決め部27g1は、クリーニング枠体27に設けられた、感光体ドラム1を回転可能に支持するドラム軸受27gの一部である。また、係合部軸受部材49の当接部49bは本体係止部材85に当接して係止されているか(図10b)、駆動側係合部48cの突起48c4と、本体現像カップリング53の穴53b4とが嵌合して駆動側係合部48cが位置決めされる(図10c)。このため、プロセスカートリッジ7が矢印I方向に移動しても駆動側係合部48cは移動が規制されて、プロセスカートリッジ7と一緒に移動することはない。したがって、本体係止部材85は、プロセスカートリッジ7が移動する移動方向(矢印I方)において、本体現像カップリング53よりも下流側に位置することになる。よって、ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をそれぞれD4(図10b参照)、D5(図10c参照)とすると、D4、D5は前述したD1、D2、D3よりも小さくなる。
そして、図10bに示すように、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っていない場合は、本体現像カップリング53が回転することで、突起48c1〜48c3が穴53b1〜53b3と位相が合う。そして、駆動側係合部48cと本体現像カップリング53は係合する。一方、図10cに示すように、駆動側係合部48cの突起48c1〜48c3が本体現像カップリング53に設けられた穴53b1〜53b3と位相が合っていれば、駆動側係合部48cと本体現像カップリング53は係合している。そして、本体現像カップリング53が回転することで駆動側係合部48cに駆動回転力(第二の駆動回転力)が伝達される。
以上説明したように、プロセスカートリッジ7の進入方向と交差する方向に移動部材84R,84Lで本体位置決め部82a、83aに位置決めさせる構成において、本体現像カップリング53の退避機構を簡略化し画像形成装置100を小型化することができる。
また、オルダムカップリング48に設けられた駆動側係合部48cを保持部27fに位置決めすることにより、駆動側係合部48c及び本体現像カップリング53に係合の為の大きなガイドを設ける必要が無い。したがって、プロセスカートリッジ7及び電子写真画像形成装置100の小型化を実現できる。
なお、本実施形態ではオルダムカップリング48を用いた例について説明したが、入力側と出力側の軸線(回転中心)がずれている場合に発生する回転変動を吸収する効果のある他のカップリング(例えばラテラルカップリング等)を用いても良い。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態に係るカートリッジにおける画像形成装置本体への装着時のオルダムカップリングの動作について図11から図15を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
図11aはプロセスカートリッジ7を装着方向において後側板83に向かって装着している状態(図3a参照)を装着方向奥側から見た図であり、図11bは図11aを長手方向側面(矢印V4)から見た断面図である。
図11a、図11bに示した様にプロセスカートリッジ7が装置本体100Aのガイド部材81にガイドされ装着されている途中の状態では、移動部材84により押圧されていない。このため、装置本体100Aには完全には位置決めされていない。また、この状態では現像ユニット4には、プロセスカートリッジ7単体の状態で現像ユニット4を感光体ドラム1に対して現像ローラ25を離間させる離間位置に保持するための離間保持部材(離間部材)86が設けられている。現像ユニット4は第1実施形態と同様に加圧バネ(不図示)によって、軸37を中心にして現像ローラ25が感光体ドラム1に当接する方向に付勢されている。しかし、離間保持部材86がクリーニング枠体27の側面に設けられた穴27eに係合している為、現像ユニット4を軸37を中心にして矢印L方向に回転させて離間位置に保持している。このときの離間保持部材86の位置を係合位置とする。
しかしながら、係合部軸受部材49は付勢部材54によって現像ローラ25の軸線25kに対して交差方向(図中矢印I方向)に付勢されている。そのため係合部軸受部材49の当接部49bはプロセスカートリッジ7のクリーニング枠体27に設けられた保持部27fに当接した状態になり、係合部軸受部材49の位置が決められる。そのため、駆動側係合部48cの軸線(回転中心)48c5と、現像ローラの軸線25kはズレた位置に配置されている。これは、第1実施形態と同様に、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aに進入する際に、感光体ドラム1と転写ベルト5aが摺擦しないように、感光体ドラム1と現像ローラ25を下げておく必要があるためである。その為、第1実施形態と同様にプロセスカートリッジ7が本体位置決め部82a、83aに位置決めされた際に、現像ローラ25の軸線25kと軸線53aとが略一致するように本体現像カップリング53が設けられている。
保持部27fは感光体ドラム1が取り付けられたクリーニング枠体27に設けられ、この保持部27fに当接部49bが当接して位置決めされている。このため、係合部軸受部材49は装置本体100Aに対して位置精度よく装着される感光体ドラム1に対して位置精度よく位置決めされている。即ち、この状態では図11bに示した様に、プロセスカートリッジ7を更に進入させていけば、本体現像カップリング53に駆動側係合部48cが係合しやすいように、軸線53aと略一致する位置に駆動側係合部48cの軸線48b5を配置しているためである。即ち、プロセスカートリッジ7が装置本体100A内に進入する際は、軸線48c5は、軸線25kよりも本体現像カップリング53の軸線53aに近い位置になるように、駆動側係合部48cは保持部27fに位置決めされている。ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をS1としておく。そして、係合部48cを保持部27fに位置決めすることにより、係合部48c及び本体現像カップリング53に係合の為の大きなガイドを設けず、プロセスカートリッジ7及び電子写真画像形成装置100の小型化を実現できる。
図12aは装着方向において、プロセスカートリッジ7を後側板83に突き当たるまで装着した状態(図3b参照)を装着方向奥側から見た図である。そして、図12bは図12aを長手方向側面(矢印V5)から見た断面図である。
図12a及び図12bに示した状態では、移動部材84により押圧されていない。このため、プロセスカートリッジ7は、装置本体100Aの本体位置決め部82a、83aには位置決めされておらず、感光体ドラム1は転写ベルト5aと離間した状態になっている。このとき、本体現像カップリング53の軸線53aと、現像ローラ25の軸線25kはずれた位置になっている。
そしてこの状態で、図12bに示すように、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っていない場合は、当接部49bは保持部27fに代わって本体係止部材85に当接して位置決めされる。当接部49bが本体係止部材85で位置決めされる際は、本体係止部材85の先端に設けられた斜面85aによってガイドされて、図11bに示す状態になる。したがって、当接部49bは保持部27fより離間する。ここでオルダムカップリング48の駆動側係合部48cは係合部軸受部材49に回転可能に嵌合している。したがって、駆動側係合部48cは係合部軸受部材49を介して本体係止部材85に位置決めされることになる。よって、ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をS2とすると、S2は前述したS1よりも小さいことになる。
そして、本体現像カップリング53は駆動側係合部48cの突起48c1〜48c3に押されて図中矢印J方向(軸線方向)に退避した状態になる。
また、プロセスカートリッジ7を後側板83(図3参照)まで装着した状態で、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っている場合は、図9cの場合と同じなので、ここでは省略する。
また、図12bに示すように、プロセスカートリッジ7が長手方向において装置本体100Aに装着した際に、離間保持部材86と当接する本体解除部材87が装置本体100Aに設けられている。そして、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aに装着され本体位置決め部82b、83aに位置決めされる前に本体解除部材87が離間保持部材86と当接することで、離間保持部材86と穴27eとの係合を解除する構成となっている。このときの離間保持部材86の位置を解除位置とする。また離間保持部材86が解除されると現像ユニット4が接触位置に移動し、現像ローラ25が感光体ドラム1に当接することが可能となる。しかし、通常プロセスカートリッジ7が装置本体100Aに装着され状態では、装置本体100Aに設けられた離間機構91が現像枠体31の力受け部31bに当接する位置に配置されている。したがって、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aに装着され、離間保持部材86が解除されたとしても現像ローラ25は感光体ドラム1には当接することがない。
図13aはプロセスカートリッジ7が移動部材84によって押圧され、装置本体100Aに本体位置決め部82a、83aに位置決めされている状態を、装着方向奥側から見た図である。そして、図13bは、図13aを長手方向側面(矢印V6)から見た断面図である。
図13aで示したように、プロセスカートリッジ7のクリーニング枠体27が移動部材84より力を受け矢印I方向に付勢される。これにより、カートリッジ位置決め部27g1が装置本体100Aの後側板の突き当て部83aに当接し、プロセスカートリッジ7は装置本体100Aに位置決めされ、感光体ドラム1と転写ベルト5aは当接する。ここで、カートリッジ位置決め部27g1は、クリーニング枠体27に設けられた、感光体ドラム1を回転可能に支持するドラム軸受27gの一部である。また、係合部軸受部材49の当接部49bは本体係止部材85に当接して係止されているか、駆動側係合部48cに設けられた突起48c4と、本体現像カップリング53に設けられた穴53b4とが嵌合して駆動側係合部48cが位置決めされる。このため、プロセスカートリッジ7が矢印I方向に移動しても駆動側係合部48cは図12の位置に保持されて、プロセスカートリッジ7と一緒に移動することはない。したがって、本体係止部材85は、プロセスカートリッジ7が移動する移動方向(矢印I方)において、本体現像カップリング53よりも下流側に位置することなる。ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をS3とすると、S3は前述したS1、S2よりも小さくなる。
また、現像ユニット4に設けられた力受け部31bも離間機構91から力を矢印N方向に受けた状態が維持されるため、現像ユニット4は感光体ドラム1から現像ローラ25を離間した離間位置に維持される。
図14aは離間機構91に動作によって現像ユニット4が回動し、現像ローラ25が感光体ドラム1に接触する接触位置に移動したカートリッジを装着方向奥側から見た図である。図14bは、図14aを長手方向側面(矢印V7)から見た断面図である。
図14aで示したように、離間機構91が矢印P方向に移動し、現像ユニット4の力受け部31bと離間するため、加圧バネ38(図2参照)の力によって現像ユニット4は軸37を中心として矢印Q方向に回動する。そして、図14bに示すように、現像ユニット4が感光体ドラム1と現像ローラ25とが接触する接触位置に移動する。そして、現像ローラ25の軸線25kも本体現像カップリング53の軸線53aと略一致する位置にくることになる。ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をそれぞれS4とすると、S4は前述したS1、S2、S3よりも小さくなる。
次に、図15aは画像形成時におけるプロセスカートリッジ7を装着方向奥側から見た状態の状態を示す図である。そして、図15bは、図15aを長手方向側面(矢印V8)から見た断面図である。
ここで、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っていない場合は、本体現像カップリング53が回転することで、突起48c1〜48c3が穴53b1〜53b3と位相が合う。そのため本体現像カップリング53と駆動側係合部48cは係合し、装置本体100Aの駆動回転力(第二の駆動回転力)が現像ローラ25に伝達される。この状態では駆動側係合部48cと一体に設けた突起48c5と本体現像カップリング53に設けられた穴53b4は嵌合し、本体現像カップリング53の軸線53aと駆動側係合部48cの軸線(回転中心)48c5が一致する。また、同様に現像ローラ25の軸線(回転中心)25kも軸線53aと略一致する。そして、係合部軸受部材49の当接部49bは本体係止部85から離間した状態になる。
以上説明したように、本実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、感光体ドラムと現像ローラ25とが離間した状態でプロセスカートリッジ7を装着しても、スムーズに軸継手部材48の係合部48cと本体現像カップリング53とが係合して、装着性が向上する。
〔第3実施形態〕
(プロセスカートリッジを再装着する際の離間機構)
次に装置本体100Aから一旦取り出したプロセスカートリッジ7を再度、装置本体100Aに装着する際の離間機構について説明する。なお、本実施形態の装置等の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
装置本体100Aから取り出されたプロセスカートリッジ7は、図14、図15に示すように、離間保持部材86がクリーニング枠体27の穴27eから解除されている。そのため、現像ユニット4が接触位置にあり、感光体ドラム1と現像ローラ25が当接した状態になっている。また、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aから取り外される際に、電子写真画像形成装置100の画像形成動作は終了している。したがって、離間機構91は、図13に示すように、現像ユニット4を離間位置に位置させる状態にするために離間力受け部31bに当接する位置に位置する。離間機構91がこの状態で、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aから取り外され、現像ユニット4は接触位置に戻ることになる。しかし、この状態で再びプロセスカートリッジ7を装置本体100Aに装着すると、離間機構91の側面に接触位置に位置する現像ユニット4の離間力受け部31bが当たってしまい、プロセスカートリッジ7が装置本体100Aに装着できないことになる。これを防止するために、取り出されたプロセスカートリッジ7を再装着する際には予め現像ユニット4を離間位置に移動させる動作が必要になる。
その構成を、図16〜図19を用いて説明する。図16、図17に示すように装置本体100Aにはプロセスカートリッジ7を装着するための装着開口部87が設けられている。装置本体100Aには、プロセスカートリッジ7の現像ユニット4に設けられた離間力受け部31bが一体で設けられた突出部31dと当接する離間ガイド部92が設けられている。
図18aに示すようにプロセスカートリッジ7は装置本体100Aに進入する前は、現像ユニット4は接触位置にあり、感光体ドラム1と現像ローラ25が当接している。そして図18bに示すようにプロセスカートリッジ7を装置本体100Aに装着すると、まずクリーニング枠体27に一体に設けられたガイド部27bが、装置本体100Aに設けられた本体ガイド部材81にガイドされる。そして現像枠体31に設けられた突出部31dが離間ガイド部92の面とり部92aに当接する。そして更にプロセスカートリッジ7をさらに進入させると、図18cに示すように現像ユニット4が奥軸受部材15を回転中心として矢印J方向に回転する。すると現像ユニット4が矢印Kの離間位置に移動し、現像ローラ25が感光体ドラム1と離間する。そしてプロセスカートリッジ7が画像形成装置100本体に位置決めされた際は、図19に示すように離間力受け部31bは離間ガイド部92の装着方向下流側に配置された離間機構91に当接した状態になる。その際、現像ユニット4は離間位置にあり、現像ローラ25は感光体ドラム1と離間した状態を保ったままプロセスカートリッジ7を画像形成装置100本体に装着できる。この場合、力受け部31bのプロセスカートリッジ7の装着方向上流側に設けられた力受け逃げ部31eは装着ガイド部84と干渉しない形状となっている。これは、現像ユニット4が、離間ガイド部92と干渉することなく接触位置に移動することを許容するためである。
以上、本実施形態も第2実施形態と同様に、第1実施形態での効果に加えて、感光体ドラム1と現像ローラ25とが離間した状態でプロセスカートリッジ7を装着しても、スムーズに駆動側係合部48cと本体現像カップリング53とが係合して、装着性が向上する。
〔第4実施形態〕
前述した実施形態では装置本体100Aにプロセスカートリッジ7を装着する場合を例示した。しかし、本発明は現像装置のみを装置本体100Aに着脱可能とした場合にも好
次に第4実施形態として、現像装置4を装置本体100Aへ装着する時のオルダムカップリングの動作について、図20から図22を参照して説明する。なお、本実施形態の装置等の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
図20aは現像装置4を装置本体100Aに現像装置4の長手方向から装着する前の状態を示す図である。そして、図20bは図20aを長手方向側面(矢印V9)から見た断面である。
図20a、図20bにおいて、係合部軸受部材49を介して、駆動側係合部48cは付勢部材54によって付勢されている。そして、駆動側係合部48cは、係合部軸受部材49を介して現像枠体31に設けられた保持部31fに位置決めされる。したがって第1実施形態に示す場合と同様に、現像装置4が位置決めされる前でも、オルダムカップリング48が本体現像カップリング53と係合可能な位置にある。これは、現像装置4が装置本体100Aに進入する際に、現像ローラ25と感光体ドラム1が摺擦しないように、現像ローラ25を下げておく必要があるためである。即ち、現像装置4が装置本体100A内に進入する際は、軸線48c5は、軸線25kよりも本体現像カップリング53の軸線53aに近い位置になるように、駆動側係合部48cは保持部31fに位置決めされている。そして、係合部48cを保持部31fに位置決めすることにより、係合部48c及び本体現像カップリング53に係合の為の大きなガイドを設けず、現像装置4及び電子写真画像形成装置100の小型化を実現できる。ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をL1としておく。
図21aは現像装置4を装置本体100Aに現像装置の装着方向において後側板(不図示)まで装着した状態を示す図である。そして、図21bは図21aを長手方向側面(矢印V10)から見た断面図である。
図21aに示すように、現像装置4が装置本体100Aのガイド部材81にガイドされ、現像装置4の装着方向において後側板(不図示)まで装着された状態では、装置本体100Aの移動部材84により押圧されていない。したがって、現像ローラ25は感光体ドラム1と離間した状態になっている。
そしてこの状態において、図21bに示すように、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っていない場合は、当接部49bは保持部31fに代わって、装置本体100Aに設けられた本体係止部材85に当接して位置決めされる。当接部49bが本体係止部材85で位置決めされる際は、本体係止部材85の先端に設けられた斜面85aによってガイドされて、図21bに示す状態になる。ここでオルダムカップリングの駆動側係合部48cは係合部軸受部材49に回転可能に嵌合している。したがって、駆動側係合部48cは係合部軸受部材49を介して本体係止部材85に位置決めされることになる。よって、ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をL2とすると、L2は前述したL1よりも小さいことになる。そして、本体現像カップリング53は駆動側係合部48cに押されて図中矢印J方向(軸線方向)に退避した状態になる。
また、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っている場合は、駆動側係合部48cに設けられた突起48c4と、本体現像カップリング53に設けられた穴53b4とが嵌合して駆動側係合部48cが位置決めされる。その際は、係合部軸受部材49の当接部49bと本体係止部材85は離間した状態になる。
図22aは現像装置が移動部材84によって押圧され、装置本体100Aに位置決めされている状態を示す図である。そして、図22bは図22aを長手方向側面(矢印V11)から見た状態を図である。
図22aで示したように、現像装置4の現像枠体31が移動部材84より力を受けて矢印I方向に付勢されることで、現像ローラ25の両端部に設けられた規制コロ47が感光体ドラム1に当接する。そして、現像装置4は装置本体100Aに完全に位置決めされ、現像ローラ25と感光体ドラム1は当接する。そして、現像ローラ25の軸線25kも本体現像カップリング53の軸線53aと略一致する位置にくることになる。ここで係合部軸受部材49の当接部49bは、現像装置が矢印I方向に移動する際に、本体係止部材85に当接して係止されるか、突起48c4と穴53b4とが嵌合して駆動側係合部48cが本体現像カップリング53に位置決めされる。このため、現像装置4が矢印I方向に移動しても駆動側係合部48cは図21の位置に保持されて、現像装置4と一緒に移動することはない。したがって、本体係止部材85は、現像装置4が移動部材84移動する移動方向において、本体現像カップリング53よりも下流側に位置することになる。よって、ここでの軸線48c5と現像ローラ25の軸線25kとの距離をL3とすると、L3は前述したL1、L2よりも小さくなる。
ここで、突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合っていない場合は、本体現像カップリング53が回転することで、図22bに示すようにカップリングの突起48c1〜48c3と穴53b1〜53b3の位相が合う。そして、駆動側係合部48cと本体現像カップリング53は係合する。一方、駆動側係合部48cの突起48c1〜48c3が本体現像カップリング53に設けられた穴53b1〜53b3と位相が合っていれば、駆動側係合部48cと本体現像カップリング53は係合している。そして、本体現像カップリング53が回転することで駆動回転力が伝達される。
以上説明したように、現像装置4の進入方向に対して交差する方向に移動部材84R,84Lで本体位置決め部82a、83aに位置決めさせる構成において、本体現像カップリング53の退避機構を簡略化し、電子写真画像形成装置100を小型化できる。
また、軸継手部材48に設けられた係合部48cを保持部31fに位置決めすることにより、係合部48c及び本体現像カップリング53に係合の為の大きなガイドを設けず、現像装置4及び電子写真画像形成装置100の小型化を実現できる。
なお、本実施形態ではオルダムカップリングを用いた例について説明したが、入力側と出力側の軸線(回転中心)がずれている場合に発生する回転変動を吸収する効果のある他のカップリング(例えばラテラルカップリング等)を用いても良い。