JP2012136062A - 車両の床下構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンルームの搭載機器の冷却性を確保できる冷却風流量を保持できると共に空気抵抗の増加を抑制できる車両の下部構造を提供することにある。
【解決手段】エンジンルーム2の下部に車幅方向Yに長いクロスメンバ10を配設し、該クロスメンバとエンジンルーム後方の車室4のフロアパネル14との間にエンジンルーム通過後の冷却風Fa1,Fa2の流動方向を規制するアンダーカバー15を配した構造において、アンダーカバー15はその後端部151がフロアパネルの下面とオーバーラップされ、後端部のうちフロアパネルのバックボーン141と対向する中央部分pcの後端部に対して、その左右に位置するサイドフロアパネル部と所定量の隙間hを有して対向する左右側方部分ps、psの後端部をより後方に突き出すよう延出して略凹状に形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジンルームの下部に配備される車両の床下構造、特に、エンジンルームを流動した冷却風とエンジンルームの下方を通過してくる走行風とをアンダーカバー後方で合流させる車両の床下構造に関する。
一般的に車両のエンジンルームにはその前部開口より走行風が取り入れられ、これが冷却風としてエンジンの熱交換器及びその後方のエンジン本体や回転伝達系等、エンジンルーム内に搭載されている機器を冷却している。この冷却風は、エンジンルームの下部より排出され下方を流れる走行風と合流し後方に流動される。ところで、車体表面近くの空気流(走行風)の乱れは空気抵抗を増加し走行安定性や燃費に悪影響を及ぼすため、車体下部を流れる床下走行風の乱れを抑制して空力特性を向上させる狙いでエンジンルーム下面をアンダーカバーで覆った車両が知られている。このようにアンダーカバーが設けられた車両の場合、車体前方からエンジンルーム内に導入された冷却風の逃げ道が無くなるため、通常は、エンジンルーム後部のフロアパネル前端とアンダーカバー後端との間を開放することで冷却風を排出できるように構成されている。
しかしながら、エンジンルームの後端部(フロアパネルの前端部)には、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルが設けられており、その構造上、エンジンルーム後方まで流れた冷却風はダッシュパネルに沿って車体下方側へ向かって導かれるため下方への排出角度が大きくなり、アンダーカバー後方でエンジンルーム下方(アンダーカバー下方)を流れてきた床下走行風と干渉して流れが大きく乱れてしまい空気抵抗を効率よく低減できないという問題があった。
そこで、例えば、特許文献1(特開平08−276867号公報)に開示されたエンジンルームの下部に配備のアンダーカバーでは、アンダーカバーの後端部が車室下部のフロアパネルの下面に重なるように配置し、フロアパネル下面とアンダーカバーとの間の隙間から冷却風を排出するように構成している。
ここでは、フロアパネルの前部とアンダーカバーの後端部との上下方向の隙間がエンジンルームからの冷却風を後方に流す排出口となり、冷却風はフロアパネル下面に略平行に排出される。すなわち、冷却風をダッシュパネルに沿ってそのまま下方に排出するのではなくアンダーカバーを利用して流れを後方に向くように導くことで、排出された冷却風がアンダーカバー下側の床下走行風と略平行に流れるようにしている。これによりエンジンルームから排出される冷却風を床下走行風にスムーズに合流させることができるので、冷却風の排出による床下走行風の乱れが抑えられ空気抵抗の増加が抑制されている。
特開平08−276867号公報
ところで、車両の下部構造では、床下走行風が乱れないように整流し床下での空気抵抗を低減させる点だけでなく、エンジンルームからの冷却風を確実に排出してエンジンルーム内での冷却性を確保する点をも満たす必要がある。
しかし、特許文献1のように、エンジンルームの下面を塞いだ大型のアンダーカバーを用い、そのアンダーカバーの後端部をフロアパネルと重なるように形成し、アンダーカバーとフロアパネル下面の間の上下方向の隙間を通して冷却風を後方に流す構成にしてしまうと、空気抵抗の増加は抑制できるが、一方で冷却風が排出される開口面積が全体的に狭くなるため冷却風の流速が落ちるとともに流量も少なくなる傾向にあり、エンジンルーム内の冷却効率が落ちてしまうという問題を生じやすい。
アンアダーカバーのフロアパネル下面とのオーバーラップ量(フロアパネル下面に対してアンアダーカバーが重なる領域)が多いほど、すなわちアンダーカバーを後方に延ばすほど、床下走行風の乱れが抑えられて床下での空気抵抗を低減させることができるが、エンジンルーム内の冷却性能は、アンダーカバーのオーバーラップ量が多くなると逆に冷却風の排出が悪くなり効率が落ちる傾向にあり、これらの両立は難しかった。
また、通常、車体前方側のフロアトンネル内には触媒が配設されており、特許文献1のようにアンダーカバーをフロアパネルと重ねるように設けると、車種によっては触媒をアンダーカバーで覆ってしまう可能性が高い。触媒をアンダーカバーで覆うと触媒周りに熱がこもってしまい、場合によってはエンジンルーム側にこの熱の影響が生じて搭載機器等に熱害を起こしてしまう虞があった。
このような問題点を考慮し、車両の下部構造として、従来技術が解決できていないエンジンルームの冷却性を確保すると共に車体下部の空気抵抗を抑制できるものが望まれている。
本発明の主たる目的は、エンジンルームの搭載機器の冷却性を確保できる冷却風流量を保持できると共に車体下部を流れる走行風の乱れを抑制できる車両の下部構造を提供することにある。
前記課題を達成するため、請求項1に係る発明は、エンジンルームの下部に車幅方向に長いクロスメンバを配設し、該クロスメンバと前記エンジンルーム後方の車室のフロアパネルとの間にエンジンルーム通過後の冷却風の流動方向を規制するアンダーカバーを配した車両の床下構造において、前記アンダーカバーは、その後端部が前記フロアパネルの下面と対向するようオーバーラップされ、前記後端部のうち前記フロアパネルのバックボーンと対向する中央部分の後端部に対して、前記バックボーンの左右に位置するサイドフロアパネル部と所定量の隙間を有して対向する左右側方部分の後端部をより後方に突き出すよう延出して略凹状に形成した、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両の床下構造において、前記アンダーカバーの左右側方部分は前記エンジンルームの左右側端側に形成された左右タイヤハウスには達しないよう形成された、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の車両の床下構造において、前記バックボーンの下向き空間に前記車両の排気系部材が収容され、前記アンダーカバーの中央部分が前記排気系部材との相対間隔を所定量保持するよう形成された、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、エンジンルーム通過後の冷却風のうち左右のサイドフロアパネル部と対向するアンダーカバーの左右側方部分との空間に向かう流れはアンダーカバーの上面部に近づく際に垂直方向成分が比較的大きく、その下向き流れを上面部に沿った後方流れに偏向する必要があるので、左右のサイドフロアパネル部と対向するアンダーカバーの左右側方部分の後方への延出量を比較的大きく形成した。一方で、冷却風が比較的スムーズに後方へ流れるバックボーンに対向するアンダーカバーの中央の後端部を短く形成してエンジンルーム側の冷却風を排出するための開口面積を確保するようにした。このため、冷却風の風速を落とさずにアンダーカバー通過後の冷却風の流動方向を床下走行風とほぼ同等の方向に変位させてスムーズに冷却風と床下走行風とを合流させることができる。したがって、エンジンルームの冷却性を維持した状態で、床下走行風の乱れを確実に抑制して空気抵抗の低減を図ることができる。また、アンダーカバーの小型化、軽量化を図ることが出来る。
請求項2の発明によれば、左右タイヤハウスの領域にアンダーカバーの左右側方部分が延出することがないよう比較的短く形成されたので、無駄な部位を排除し、小形化、軽量化を図れる。しかも、アンダーカバーの幅を小さくすることで、左右側方部分に流れる冷却風を左右の車外側(タイヤ後方側)に逃がすことができるので、左右側方部分での冷却風の流速が速くなり、流量増を図れ、冷却効率を向上できる。更に、左右側方部分での冷却風の流速を中央部分の冷却風の流速に近づける(中央部分と左右側方部分とで冷却風の流速差を少なくする)ことができるので、床下走行風と合流する部位での(3次元的な)冷却風の乱れを抑制し、流動抵抗を低減できる。
請求項3の発明によれば、バックボーンの下向き空間の排気系部材がアンダーカバーの後端部の中央部分と相対間隔を保持するので、中央部分の上側を流動する冷却風の後方への流動量を十分確保でき、排気系部材の放熱性をも確保できる。
本発明の第1実施形態の車両の床下構造を装備する車両の前部の中央位置での切欠側面図である。 図1の車両の床下構造を装備する車両の前部の側方位置での切欠側面図である。 図1の車両の前部の概略切欠底面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1の車両の床下構造での冷却風の挙動を説明する概略図で(a)は前部の中央位置を(b)は側方位置を示す。 図1の車両の床下構造の空気抵抗と速度比を説明する線図である。 図1の車両の床下構造で用いるアンダーカバーの変形例であり、(a)、(b)は第1変形例、(c)、(d)は第2変形例を示し、(e)、(f)は参考例としての従来のアンダーカバーを示す。
図1、図2にはこの発明の第1の実施形態としての車両の床下構造を適用した車両1の前部車体を示した。
図1および図2に示された車両1は、その前部にエンジンルーム2が形成され、エンジンルーム2の後方にダッシュパネル3を介して車室4が形成される。エンジンルーム2はその上部がフード5で、左右側部が左右フロントフェンダー6(図4参照)で、前面がフロントマスク7及びバンパ8で覆われる。
エンジンルーム2の後方の車室4の下部は車幅方向Yに沿ってほぼ水平のフロアパネル14で覆われる。フロアパネル14の前端は湾曲し、その湾曲部の上端がダッシュパネル3の下端と車幅方向Y全域において一体接合されている。フロアパネル14の車幅方向中央部には前方より後方に向けて上向き突状のバックボーン141が形成され、バックボーン141の左右側方にはバックボーン141の左右の低壁部より連続してサイドフロアパネル142、142が車幅方向車外側に延出形成される。
前後方向Xに長いバックボーン141はフロアパネル14の剛性を強化する機能を備え、しかも、その下部に前後方向Xに長い下向き開口を成すトンネル部Eを形成し、そこに車両1の排気管12や排気系部品13、不図示の回転伝達系を収容している。
バックボーン141の左右の低壁部より延出するサイドフロアパネル142、142の下壁には前後方向Xに延びる逆ハット型のサイドメンバ11、11(図4参照)が溶着され、これにより左右のサイドフロアパネル142、142の剛性を強化している。
更に、図1〜図3に示すように、エンジンルーム2の下部にはフロアパネル14の側に一体結合されていた左右のサイドメンバ11、11がその閉断面形状を拡大変更した上で前方に延出形成されている。それら左右のサイドメンバ11、11は前側のフロントエンドクロスメンバ15とその後方のサスペンションクロスメンバ(以後、サスクロスメンバと記す)10により相互に結合されて配備され、これによりエンジンルーム2の下部剛性が確保されている。
ここで、エンジンルーム2の下面はサスクロスメンバ10の前側の下部開口a1が前アンダーカバー9で覆われ、サスクロスメンバ10の後側の下部開口a2が後アンダーカバー(以後単にアンダーカバーと記す)15で覆われている。
図1に示すように、車両1の前面下部のバンパ8は、車幅方向Y(図1で紙面垂直方向)に延びる樹脂製のバンパフェーシング801と、車幅方向に延びるリンフォース802とリンフォース802を左右のサイドメンバ11、11に連結する不図示のバンパブラケット、等を備えている。
図1、2に示すように、エンジンルーム2内にはエンジン16や回転力伝達系17を成す複数の部材や、各種走行操作装置(不図示)が配備され、特に、エンジン16の前部にはラジエータ等からなる熱交換器19が配備される。
車両1の前面を成すフロントマスク7やバンパ8には、上下に前向き流入口21、21が形成される。
前向き流入口21、21の後方に配備の熱交換器19は支持枠22を介してフロントエンドクロスメンバ30に支持されている。両熱交換器19の後方には支持枠22に支持された冷却用ファン23が配備され、その冷却用ファン23の後方には所定幅の前空間201を介してエンジン16がその長手方向を車幅方向Yに向けて(図3参照)配備される。エンジン16の後方には所定幅の後空間202を介してエンジンルーム2と車室4とを仕切る縦壁をなすダッシュパネル3が配備される。
図1〜3に示すように、バンパ8の下端縁803には前アンダーカバー9の前縁部901が重ねられ、下端縁803より延出する複数の止め板804に前縁部901がそれぞれビス止めされている。一方、前アンダーカバー9の後端縁902は、サスクロスメンバ10の前部に重なり、互いに複数箇所が不図示の締結手段を介して締結されている。
前アンダーカバー9は鋼板のプレス成形品であり、エンジンルーム2下面のサスクロスメンバ10の前方側の下部開口a1の形状と略等しい形状とされ、前方側の下部開口a1全面、すなわちサスクロスメンバ10の前方側のエンジンルーム2下面を覆うように配置されている。また、前アンダーカバー9は、その下面がなだらかに湾曲して形成され、主要部分には前後に延びる複数のビードb(図3参照)を形成され保形性を保持している。これにより、走行風Foをエンジンルーム2の下方域を経て後方にスムーズに流動させる走行風ガイド板として機能する。なお、前アンダーカバー9は樹脂成形されても良い。
更に、図1に示すように、エンジンルーム2のサスクロスメンバ10の後方側の下部開口a2が後アンダーカバー(以後単にアンダーカバーと記す)15で覆われている。
アンダーカバー15は鋼板のプレス成形品であり、後端縁151の中央に凹部eを有する矩形プレートである。このアンダーカバー15の前端縁152はサスクロスメンバ10の後部に対し車幅方向Yでのほぼ全域において重なり、互いに複数箇所が不図示の締結手段を介して締結されている。
アンダーカバー15は、その後端部がフロアパネル14の下面と対向してオーバーラップするように配設される。ここでアンダーカバー15は、フロアパネル14の車幅方向Yでの中央部を構成するバックボーン141のトンネル部Eと対向してオーバーラップする中央部分pcと、バックボーン141の車幅方向Y左右両側の部位を構成するサイドフロアパネル142、142と対向してオーバーラップする左右側方部分ps、psとからなり、中央部分pcの後部側にトンネル部Eとほぼ同等の幅A(図3参照)の矩形の凹部eを後端より前側に切り込み形成されている。
中央部分pcの中央後端縁151cは前端縁152に対し距離Lcと比較的前方に位置するように形成される。これに対し、左右側方部分ps、psの後端縁151sは距離Lsと比較的後方に延出形成される。即ち、アンダーカバー15は、中央部分pcの中央後端縁151cに対し左右側方部分ps、psの左右の後端縁151sをより後方に突き出すよう延出して、即ち、所定量Le後方に突出するように延出されて略凹状を成すように形成されている。
そして、図2、図3に示すように、アンダーカバー15の左右側方部分ps、psは左右のサイドフロアパネル142、142の前端部より距離L1(図2参照)の間の空間でほぼ同一の上下幅hを保ちつつ前後方向Xにおいて互いに対向するよう形成され、この空間が後述の冷却風Fa2を後方に流す噴出し路Reを左右一対形成している。この噴出し路Reはその流路面積が冷却風Fa2の流量に対して流動抵抗を過度に増すことのないよう十分な流路面積を確保すべく上下幅hが予め設定される。
また、図1に示すように、アンダーカバー15の中央後端縁151cはバックボーン141の下向き開口を成すトンネル部Eに配備された比較的大径の排気系部品13の前端より所定の離隔量Bだけ前方に位置するよう形成される。
このように凹部eは排気系部品13に対して隙間が確保され、即ち、エンジンルーム側の冷却風を排出するための開口面積を十分に確保するよう形成され、アンダーカバー15の中央部分pcの上面側でバックボーン141のトンネル部Eに沿って流れる冷却風の流動を抑制することが無いように形成され、これにより排気系部品13の周囲の冷却風の流動を容易化し、熱害を防止している。
また、アンアダーカバー15の車幅方向Yの幅は、比較的小さく形成されている。具体的には、アンダーカバー15の左右側方部分ps、ps(サイド部分)の左右両側端縁がホイールハウスWHより内側(不図示のサスペンションアームよりも内側)となるよう形成されている。
次に、第1実施形態の車両の床下構造を適用した車両1の駆動時の作用について説明する。
車両1が前進すると、図1、2に示すように、フロントマスク7及びバンパ8の一部に形成された上下の前向き流入口21に走行風Foが流入し、熱交換器19、ファン23を冷却風Faとして通過し、これにより、熱交換器19の放熱を促進して冷却処理する。
更に、冷却風Faはエンジン16の本体161の前側の前空間201及びエンジン16を回り込んで後空間202に順次流入する。本体161の前空間201の冷却風Faの一部は、本体161の前壁に沿い下方に方向転換し、下向きに流動し、更にエンジン本体161の下端側の下方に回りこみ、下部冷却風Ffとして後方に流動することで、エンジン本体161等を冷却する。
この下部冷却風Ffは前アンダーカバー9の上面に沿い後方に流動し、サスクロスメンバ10の上側を通過してエンジンルーム2の下部後方に流動するので、この間で、前アンダーカバー9の下面の走行風Fuと合流することはなく、この点で、前アンダーカバー9がエンジンルーム2下方を流れる走行風Fuを整流し、空気抵抗の低減を図るのに寄与している。
一方、前空間201の冷却風Faの他の一部はエンジン本体161の上端側を回りこみ、縦壁をなすダッシュパネル3に沿い下方に方向転換し、下向き流Fdとして流動し、エンジン本体161等を冷却する。
この下向き流Fdは車幅方向Yに広がった状態でダッシュパネル3に沿い下方に流動し、ダッシュパネル3の下端であってフロアパネル14の前端に達するとアンダーカバー9の上面に沿い流動してきた下部冷却風Ffに合流する。
ここで、図1に示すように、ダッシュパネル3の中央下部にはバックボーン141のトンネル部Eの入口が開口し、特に、バックボーン141の前端上部がその後方の部位より比較的大きく上方位置に達しており、下向き流Fdのうち、車幅方向Yにおける中央部がバックボーン141の前端上部に達すると後方に方向変換してトンネル部Eに容易に流入している。
更に、図2に示すように、下向き流Fdのうち、車幅方向Yにおける左右部の流れが左右のサイドフロアパネル142、142とその下方の左右側方部分ps、psとが形成す空間である噴出し路Reの入口部分にまで達すると後方に向けて流入する。
ここで、図5(a)に示すように、トンネル部Eの入口において、下向き流Fdは入口側に偏向するが、この際、バックボーン141の前端上部に近いものは下方への流動成分が比較的大きく、下方に離れたものほど水平方向の流動成分が大きくなる。ここではバックボーン141の前端上部とアンダーカバー15の上面の間が比較的大きく離れることより、下部にいくほど、偏向冷却風Fauはその傾きを水平方向に代え、下部冷却風Ffに合流した後比較的容易に水平方向に流動する冷却風Fa1となる。
また、トンネル部Eと下方より対向するアンダーカバー15の中央部分pcはその中央後端縁151cが前端縁152に対し距離Lcと比較的前方に位置するように形成されている。一方、アンダーカバー15の中央部分pcの下面側を比較的早い速度で走行風Fuが流動している。このため、切り込み形成されている凹部eを通過すると、比較的容易にアンダーカバー15の中央部分pcの上面側(トンネル部E側)を後方へ排出される冷却風Fa1は下方の走行風Fuに引き込まれ、合流位置c1でスムーズに合流し、アンダーカバー15の中央部分pcの下面側で走行風Fuの流れを大きく乱すことなく後方に流動する。
ここで、中央後端縁151cは前端縁152に対し距離Lcと比較的前方に位置する。これは、図5(a)に示すように、トンネル部Eに流入する冷却風Fauのうち、バックボーン141の前端上部より離れた下側の冷却風Fauが、上述のように、アンダーカバー15の上面に沿って後方へ向かう流れに容易に偏向するので、アンダーカバー15の中央部分pcを気流の変更のために後方へ大きく延出する必要は少ないという点を考慮したもので、この後の流路の流動抵抗を低減して排出される冷却風Fa1の流速を維持する点からも凹部eの中央後端縁151cを前側に形成することが好ましいためである。これにより、冷却風Fa1の流速は落ちることなく維持されるので、エンジンルーム2の冷却性が確保される。
更に、図1、3に示すように、トンネル部E内の排気系部品13の前端はアンダーカバー15の中央後端縁151cに対して所定の離隔量Bだけ後方に離れ、凹部eは幅Aを保持し、排気系部品13の側壁に対して下方に所定の隙間を保って対向できるよう形成されている。このため、凹部eと排気系部品13との間にはエンジンルーム側の冷却風を排出するための開口面積が十分に確保され、図5(a)に示すように冷却風Fa1の後方への流動をスムーズに行うことが出来、排気系部品13の表面部の冷却を容易化でき、熱害を防止できる。
一方、図2に示すように、下向き流Fdと下部冷却風Ffがエンジン16の後空間202の下部において合流するが、そのうち、アンダーカバー15の車幅方向Yにおける左右側方部分ps、psの前部側に達した偏向冷却風Fau(図5(b)参照)は左右のサイドフロアパネル142、142とその下方の左右側方部分ps、psとが形成する噴出し路Reの入口部分に流入する。
ここで、図2、図5(b)に示すように、噴出し路Reの入口側に達する下向き流Fdは方向転換して偏向冷却風Fauとなり噴出し路Reの入口部分に流入する。
この際、偏向冷却風Fauは急激に水平方向に偏向されるため、その垂直成分Fau1が比較的大きく、入口内部で下方に進むほど水平成分Fau2が大きくなる。
偏向冷却風Fauは入口より所定量流動すると垂直成分Fau1が無くなり、ほぼ水平に噴出し路Re内を流動して後方へ排出される冷却風Fa2となる。
ここで、左右側方部分ps、psは中央後端縁151cより比較的大きく後方に伸びるよう形成され、左右のサイドフロアパネル142、142との間の噴出し路Reを比較的長く形成しているので、ここに流入した左右の冷却風Fa2の流動方向をほぼ水平方向に確実に修正して走行風Fuと同方向に流動させることができ、合流位置c2では確実に下方の走行風Fuに引き込まれ、走行風Fuとスムーズに合流できるので、アンダーカバー15の左右側方部分ps、ps(サイド部分)の下面側での走行風Fuの流れを大きく乱すことなく後方に流動できる。
更に、アンダーカバー15のバックボーン141(トンネル部E)と重ならない左右側方部分ps、ps(サイド部分)の左右両側端縁は、ホイールハウスWHより内側(不図示のサスペンションアームよりも内側)に形成されている。
これにより、噴出し路Re内、すなわちアンダーカバー15の左右側方部分ps、psの上面側(噴出し路Re内)を流れる冷却風Fa2をアンダーカバー15の左右外側(タイヤ後方側)に積極的に逃がすようにし、アンダーカバー15により滞りがちになる冷却風Fa2の流速が落ちない(流速を速くする)ようにしている。これは、アンダーカバー15を車体幅Y方向一杯まで設けた場合、左右側方部分ps、psの上面側を流れる冷却風Fa2の流速は遅くなるが、アンダーカバー15の幅を小さくして冷却風Fa2を横方向に逃がしてやれば冷却風Fa2の流速を速くすることができるとの理由による。
この結果、左右側方部分ps、psでの冷却風Fa2の流速が比較的早くなり、アンダーカバー15の左右側方部分ps、ps(サイド部分)の上面側を流れる冷却風Fa2の流速を中央部分pcの上面側(トンネル部E内)を流れる冷却風Fa1の流速に近づける(冷却風Fa1と冷却風Fa2との流速差を少なくして均一に近づける)ことができるので、アンダーカバー15の後方で排出される冷却風Fa1、Fa2の速度差による3次元的な乱れを抑制することができる。したがって、より一層走行風Fuの乱れが抑制されて空気抵抗が低減されるという利点がある。また、冷却風Fa2の流速が落ちないので、エンジンルーム2の冷却性も落とさずより確実に維持することができる。
さらに、アンダーカバー15の左右幅を短く(不図示のサスペンションアームよりも内側)形成したことにより、コストや重量の増加を抑えることができる。つまり、ここでのアンダーカバー15は左右側方部分ps、psが後方へ延ばされてカバーが大きくなる分だけ幅を小さくすることで、コストと重量のアップを抑えている。
なお、アンダーカバー15の左右幅をホイールハウスWHより内側(図示しないサスペンションアームより内側)に設定しているのは、ホイールハウスWHの後方域wr(図3参照)の空気(走行風Fu)の流れは、タイヤTや図示しないサスペンションアームなどにより既に乱されており、ホイールハウスWHの後方にアンダーカバー15を設けても整流効果がほとんど期待できない点を踏まえ、既に走行風Fuの乱れているホイールハウスWH後方側(アンダーカバー15の側方側)に冷却風Fa2を排出しても空気抵抗の増加に対する影響が少ないからである。
つまり、アンダーカバー15とフロアパネル14とがオーバーラップされることで、全体的に落ちる冷却風Fa2の流速を、アンダーカバー15の左右幅を短く形成することで、冷却風Fa2を既に床下走行風Fuが乱されて整流効果が期待できないホイールハウスWHの後方側に積極的に排出して、冷却風Fa2の流速が落ちないようにしている。これによりエンジンルーム内の冷却効率が落ちるのを抑制している。
このように、図1の第1実施形態の車両の床下構造によれば、エンジンルーム2の冷却性を確実に維持した上で、冷却風Fa1、Fa2の流れを後方へのスムーズな流れとし、車体床下での流動抵抗低減を図ることができる。しかも、アンダーカバー15の小型化、軽量化を図ることが出来る。
なお、図6は、第1実施形態で説明した図1のアンダーカバー(発明構造)を適用した適用車両と、アンダーカバーを装着していない非装着車両(ベース車両)と、幅広で後端部が凹状とされていないアンダーカバー(非発明構造:図7(e),(f)参照)を適用した車両のそれぞれの走行時における空気抵抗とエンジンルームから排出される冷却風の風速を解析した結果を比較したものである。ここで、非装着車両(ベース車両)を基準にして発明構造(凹状)と非発明構造(非凹状)を比較すると、空気抵抗は、発明構造と非発明構造の両者とも同程度低下しているのが分かる。
一方、冷却風の風速は、非発明構造(非凹状)では大きく低下しているのに対して、発明構造(凹状)では非装着車両(ベース車両)とほぼ同一レベルの値を示しているのが分かる。
すなわち、この図6の解析結果から分かるように、本願発明の構造であれば、冷却風の風速、すなわちエンジンルームの冷却効率を落とさずに空気抵抗を下げることができることが明らかである。
上述のところにおいて、アンダーカバー15はその左右側方部分ps、psの後端縁に対し、中央部分pcの中央後端縁151cが前側に変位し、凹部eを形成していたが、これに代えて図7(a)〜(d)に示すような変形例としてのアンダーカバー15a、15bを用いても良い。
図7(a)、(b)に示すように、第1変形例のアンダーカバー15aは左右側方部分ps、psの後端縁に対し、中央部分pcの凹部eaが三角形の切り込みとして形成される。この場合も、三角形の凹部eaの端縁は排気系部品13の側壁に干渉することなく下方に所定の隙間を保って冷却風Fa1の下方への流動を阻害しない大きさに形成される。更に、左右側方部分ps、psは冷却風Fa2を後方にほぼ水平方向に流すよう方向規制する距離L1(図2参照)の噴出し路Reを形成できるように形成される。
図7(c)、(d)に示すように、第2変形例のアンダーカバー15bは左右側方部分ps、psの後端縁に対し、中央部分pcの凹部ebが台形の切り込みとして形成される。この場合も、台形の凹部ebの端縁は排気系部品13の側壁に干渉することなく下方に所定の隙間を保って冷却風Fa1の下方への流動を阻害しない大きさに形成される。更に、左右側方部分ps、psは冷却風Fa2を後方にほぼ水平方向に流すよう方向規制する距離L1(図2参照)の噴出し路Reを形成している。
これら第1、第2変形例のアンダーカバー15a、15bを用いた場合も、図1の車両の床下構造を適用した場合と同様の切り欠き形成することで、同様の作用、効果を容易に得ることが出来る。
なお、図7(e)、(f)に参考例として示したアンダーカバー15n(非発明構造)では凹分部がなく、エンジンルーム側の冷却風Fa1を流出させる開口面積が確保されず、エンジンルーム内の冷却効率が落ち、排気系部材の放熱性が確保されない状態となっている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 車両
2 エンジンルーム
3 ダッシュパネル
4 車室
9 前アンダーカバー
10 クロスメンバ
14 フロアパネル
141 バックボーン
142 サイドフロアパネル
15 アンダーカバー
151c 中央後端縁
151s 後端縁
152 前端縁
16 エンジン
21 流入口
e 凹部
h 所定量の隙間
ps、ps 左右側方部分
pc 中央部分
C1,C2 合流部
E トンネル部
Fa 冷却風
Fa1 トンネル部を流動する冷却風
Fa2 噴出し路を流動する冷却風
Fd 下向き冷却風
Fo,Fu 走行風
Lc 距離
Le 所定量
Ls 距離
L1 距離
X 前後方向
Y 車幅方向

Claims (3)

  1. エンジンルームの下部に車幅方向に長いクロスメンバを配設し、該クロスメンバと前記エンジンルーム後方の車室のフロアパネルとの間にエンジンルーム通過後の冷却風の流動方向を規制するアンダーカバーを配した車両の床下構造において、
    前記アンダーカバーは、その後端部が前記フロアパネルの下面と対向するようオーバーラップされ、前記後端部のうち前記フロアパネルのバックボーンと対向する中央部分の後端部に対して、前記バックボーンの左右に位置するサイドフロアパネル部と所定量の隙間を有して対向する左右側方部分の後端部をより後方に突き出すよう延出して略凹状に形成した、ことを特徴とする車両の床下構造。
  2. 前記アンダーカバーの左右側方部分は前記エンジンルームの左右側端側に形成された左右タイヤハウスには達しないよう形成された、ことを特徴とする請求項1記載の車両の床下構造。
  3. 前記バックボーンの下向き空間に前記車両の排気系部材が収容され、前記アンダーカバーの中央部分が前記排気系部材との相対間隔を所定量保持するよう形成された、ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両の床下構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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