JP2012135904A - 熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の熱転写受像シートの製造方法は、中空粒子を含んでなる水系塗布液を用いて、前記基材上に断熱層を形成する工程と、溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含んでなる溶剤系溶液を、ゼラチンを実質的に含まない水系溶液中に乳化させた水系分散塗布液を用いて、前記断熱層上に受容層を形成する工程とを含んでなるものである。この製造方法により製造された熱転写受像シートは、離型性、耐湿・耐熱性、および印画物の画像濃度等の各性能に優れるものである。
【選択図】図1
Description
基材と、前記基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
中空粒子を含んでなる水系塗布液を用いて、前記基材上に断熱層を形成する工程と、
溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含んでなる溶剤系溶液を、ゼラチンを実質的に含まない水系溶液中に乳化させた水系分散塗布液を用いて、前記断熱層上に受容層を形成する工程と
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法が提供される。
本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に、少なくとも断熱層と、受容層とをこの順に有するものである。好ましい態様では、熱転写受像シートはその他の層をさらに有してもよい。
本発明における基材は、受容層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
本発明における断熱層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性やクッション性を有するものである。本発明における断熱層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。断熱層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備えることができる。また、好ましい態様によれば、断熱層は2層以上からなるものであってもよい。このように断熱層を2層以上設けることで、印画品質に影響する断熱性およびクッション性と、基材への密着性とを改善することができる。ここで、断熱層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、断熱層のクッション性の程度についても、例えば、断熱層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。断熱層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、断熱層の密度は、例えば0.1g/cm3〜0.8g/cm3の範囲内、なかでも0.2g/cm3〜0.7g/cm3の範囲内であることが好ましい。
本発明で用いる中空粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の体積平均粒径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を断熱層に与えることができる。さらに、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、HP−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース(株)製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。本発明における受容層は、水系分散塗布液により形成されるものである。
受容層の形成に用いる水系分散塗布液は、溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を、従来公知の方法によって分散して調製することができる。例えば、分散剤を含む水系溶液と、溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含む溶剤系溶液とをホモジナイザーなどの方法によって分散し調製することが望ましい。なお、本発明において、「水系溶液」とは、水を媒体とする溶液であり、「溶剤系溶液」とは、有機溶媒を媒体とする溶液である。水系溶液と、溶剤系溶液とを別個に調製した後に混合し、ホモジナイザーなどを用いて分散することで、溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含む分散体を形成することができる。分散体は、実質的に下記のゼラチンを含まないのがよく、適宜、添加剤をさらに包含することもできる。また、本発明においては、受容層は、ゼラチンを実質的に含まないのがよい。本発明において、「実質的に含まない」とは、受容層の性質を改質するために、意図的にゼラチンを添加していないことを意味するものである。例えば、ゼラチンの含有量は、ポリ塩化ビニル樹脂の固形分質量に対して、1質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。受容層に含まれるゼラチンの量を上記程度まで低減することで、印画時の画像濃度を向上することができる。
水系溶液の調製に用いる分散剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。画像の「にじみ」を防止する観点からは、スルホン酸型アニオン界面活性剤であることがさらに好ましい。低分子の界面活性剤は分散性が良好であり、その中でも低分子のアニオン性界面活性剤が特に良好である。また、高分子の界面活性剤やHLBの高いノニオン性界面活性剤は分散液の安定性が良好である。低分子と高分子の界面活性剤と併用することでさらに安定性を上げることができる。例えば、ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩、テトラデシルベンゼンスルフォン酸Na塩、ジ−t−ブチルナフタレンスルフォン酸Na塩、トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩、モノナフタレンスルフォン酸Na塩、p−ノニルフェノキシプロピルスルフォン酸Na塩、ドデシルスルフォン酸Na塩、パーフルオロオクタンスルフォン酸Na塩、ビス−2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩、ジイソオクチルスルホコハク酸Na塩、ジ(1,1,7−トリヒドロ−パーフルオロヘプチル)スルホコハク酸Na塩、ステアリン酸Na塩、2−メチル−ヘキサノールスルフォン酸Na塩、ヘプタデセニルベンズイミダゾールスルフォン酸Na塩、N−メチルオレイルタウライドNa塩、N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N−プロピルグリシンK塩、ソルビタンラウリルモノエステル、アルキルナフタレンスルホン酸Na、コハク酸ジオクチルスルホン酸Na、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na等が上げられる。このような分散剤を用いることで、ポリ塩化ビニル系樹脂と下記の溶剤系離型剤とを含む水系分散塗布液が安定な状態をとることができる。本発明においては、市販の分散剤を用いることもでき、例えば、第一工業製薬(株)製のハイテノール、ネオゲンLA−10、ネオゲンLA−12、PSA−C、エオコールSW、ハイテノールLA−10、プライサーフDB−01、エパン485、エパン785、ADEKA(株)のアデカトールLA−50、アデカプルロニックF−68、アデカプルロニックF−88、アデカプルロニックF−108、アデカホープYES−25等が好ましい。
溶剤系溶液の調製に用いる有機溶媒としては、溶剤系樹脂とシリコーンを溶解させるものであれば良く、酢酸エチル、トルエンやベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。このような有機溶媒を用いることで、分散性を上げ、また水との適度な分散状態を維持する事ができる。これによって受容層用の水系分散塗布液を得ることができる。本発明においては、分散後、または分散と同時に、加熱および/または減圧などの手段によって有機溶剤を除去する工程を入れても良い。
本発明に用いる樹脂はポリ塩化ビニル系樹脂が用いられ、一般的な樹脂と共重合してもよく、酢酸ビニルとの共重合体(塩酢ビ系樹脂)が好ましい。本発明において、「ポリ塩化ビニル系樹脂」とは、全体の50%以上の組成比(モル比)で塩化ビニルを含むものがよい。塩化ビニルと酢酸ビニルのモル比、重合度、および分子量等により、溶解性、接着性、および耐薬品性等の種々の性質を変化させることができる。水系分散体の調製にポリ塩化ビニル系樹脂を用いることで、ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含む分散体が安定な状態をとりながら、塗布後に良好な印画適性を得ることができる。本発明においては、市販の塩酢ビ系樹脂を用いることもでき、例えば、日信化学工業(株)製のソルバインC、ソルバインCL、ソルバインCH、ソルバインCN、ソルバインCNL、ソルバインA、ソルバインAL、ソルバインTA2、ソルバインTA3等が好ましい。
溶剤系溶液の調製に用いる溶剤系離型剤としては、溶剤系シリコーンやフッ素系界面活性剤を挙げることができ、特に溶剤系シリコーンが好ましい。溶剤系シリコーンとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン、アミド変性シリコーン等を用い、これらを混合して用いたり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を含む水系分散塗布液を用いて受容層を形成することで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、市販の溶剤系離型剤を用いることもでき、例えば、信越化学工業株式会社製のX−22−163、X−22−173D、X−22−343、X−22−2000、X−22−3000T、KF−101、KF−102、KF−1001、KF−1002、KP―1800U、X−22−4015、X−22−1660B、X−22−160ASD、KF−410等が好ましい。
本発明においては、断熱層と受容層以外に他の層を設けてもよい。他の層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加することができる。他の層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、他の層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、断熱層や他の層の形成に用いる水系溶液には、親水性バインダーを用いることができる。親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、断熱層や他の層との層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗布液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、
中空粒子を含んでなる水系塗布液を用いて、該基材上に断熱層を形成する工程と、
溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含んでなる溶剤系溶液を、ゼラチンを実質的に含まない水系溶液中に乳化させた水系分散塗布液を用いて、前記断熱層上に受容層を形成する工程と
を含んでなるものである。このように、断熱層上に、該水系分散塗布液を用いて受容層を形成することで、溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂の断熱層への移行を抑制して、断熱層に含まれる中空粒子の溶剤への溶解を防止し、中空粒子の性能低下を回避することができる。したがって、断熱層と受容層の間にバリア層等の中間層を設けなくてもよくなるため、コストを改善することができる。さらに、本発明においては、ゼラチンを用いずに、溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂が十分に分散した水系分散塗布液を用いて受容層を形成することができるため、印画物の画像濃度を向上することができる。
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、離型層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
上記耐熱滑性層塗布液における溶剤としては、上述の染料インキにおける溶剤と同様のものを使用することができる。
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
1.水系分散塗布液の調製
まず、下記の組成となるように、水系溶液1および溶剤系溶液1を調製した。この水系溶液1と溶剤系溶液1とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、溶剤系塩酢ビ系樹脂および溶剤系離型剤を水溶液中に乳化させ、その後、有機溶媒を除去して、水系分散塗布液を調製した。調製した水系分散塗布液の固形分量は、16%であった。この水系分散塗布液を受容層用塗布液として用いた。
水系溶液1の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分100%)5重量部
・アデカプルロニックF−108(分散剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ADEKA(株)製、固形分100%) 5重量部
・純水 600重量部
溶剤系溶液1の組成
・ソルバインC(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製、固形分100%)100重量部
・X−22−3000T(溶剤系シリコーン離型剤(エポキシ変性シリコーン)、信越化学工業(株)製、固形分100%) 5重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600重量部
基材シートとしてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、下記の断熱層用塗布液および上記で調製した受容層用塗布液を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ25μm、5μmとなるように塗布した。塗布後、5℃にて30秒間冷却した後、40℃にて5分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/断熱層/受容層)を得た。この熱転写受像シートは、図1に示されるような層構成を有していた。
断熱層用塗布液の組成
・ローペイクST(アクリル系中空粒子、ロームアンドハース(株)製、体積平均粒径:0.4μm、固形分30%) 240重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製、固形分10%) 250重量部
・ハイドランAP−40(ウレタン系樹脂、DIC(株)製、固形分22%)25重量部
溶剤系溶液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に水系分散塗布液を調製して、熱転写受像シート2を作製した。
溶剤系溶液2の組成
・ソルバインCN(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製、固形分100%)
100重量部
・X−22−3000T(溶剤系シリコーン離型剤、信越化学工業(株)製) 5重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600重量部
溶剤系溶液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に水系分散塗布液を調製して、熱転写受像シート3を作製した。
溶剤系溶液3の組成
・ソルバインCNL(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製、固形分100%)
100重量部
・X−22−3000T(溶剤系シリコーン離型剤、信越化学工業(株)製) 5重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600重量部
溶剤系溶液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に水系分散塗布液を調製して、熱転写受像シート4を作製した。
溶剤系溶液4の組成
・ソルバインC(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 5重量部
・KP−1800U(溶剤系シリコーン離型剤(エポキシ変性シリコーン)、信越化学工業(株)製、固形分100%) 5重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600重量部
水系溶液および溶剤系溶液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に水系分散塗布液を調製して、熱転写受像シート5を作製した。
水系溶液2の組成
・ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分100%) 5重量部
・アデカプルロニックF−108(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ADEKA(株)製) 5重量部
・純水 600重量部
溶剤系溶液5の組成
・ソルバインC(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X−22−3000T(溶剤系シリコーン離型剤、信越化学工業(株)製) 5重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600重量部
溶剤系溶液の組成を下記のとおりとし、溶剤系溶液を受容層用塗布液として用いた以外は実施例1と同様に、熱転写受像シート6を作製した。
溶剤系溶液6の組成
・ソルバインC(塩酢ビ系樹脂、日信化学工業(株)製) 100重量部
・X−22−3000T(溶剤系シリコーン離型剤、信越化学工業(株)製) 5重量部
・酢酸エチル(シリコーン離型剤溶解用溶剤) 600重量部
下記組成の中間層(バリア層)用塗布液を用いて、断熱層と受容層の間に中間層を設けた以外は、比較例1と同様に、熱転写受像シート7(層構成:基材/断熱層/中間層(バリア層)/受容層)を作製した。なお、中間層は、乾燥時の厚みが、2μmとなるように塗布した。
中間層用塗布液の組成
・KM−11(ポリビニルアルコール、日本化学工業(株)製) 80重量部
・ハイドランAP−20(ポリウレタンエマルジョン、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%) 100重量部
・溶媒(水/イソプロピルアルコール=3/1) 36重量部
水系溶液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様に水系分散塗布液を調製して、熱転写受像シート8を作製した。
水系溶液3の組成
・トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸Na塩(分散剤、固形分100%)5重量部
・アデカプルロニックF−108(分散剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ADEKA(株)製、固形分100%) 5重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製、固形分10%) 100重量部
・純水 600重量部
水系溶液の組成を下記のとおりとし、水系溶液を受容層用塗布液として用いた以外は実施例1と同様に、熱転写受像シート9を作製した。
水系溶液4の組成
・ビニブラン900(塩化ビニル系エマルジョン、日信化学工業(株)製、固形分40%) 250重量部
・KF−615A(水系シリコーン系離型剤(ポリエーテル変性シリコーン)、信越化学工業(株)製、固形分100%) 10重量部
上記で作製した熱転写受像シート1〜9について、(1)離型性評価、(2)耐湿・耐熱にじみ評価、(3)ざらつき評価、および(4)画像濃度評価を行った。
上記で作製した熱転写受像シートに、35℃80%の環境下であらかじめヘッド温度が40℃となるまで暖めた昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS(株)製、型式:MEGAPIXELIII)を用いて、作製した熱転写受像シートに黒ベタ画像を印画し、その際に剥離音が聞こえるかどうかを官能評価した。
・評価基準
○:剥離音が聞こえなかった、あるいは機械音にまぎれる程度であった。
△:剥離音が聞こえた。
×:印画できず、リボンと受像紙の貼りつきが発生した。
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)を用いて、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、印画物を60℃Freeおよび40℃90%環境に一週間保存したものの、画像にじみを目視にて官能評価した。
・評価基準
○:にじんでいなかった。
△:ややにじんでいた。
×:にじんでいた。
(3)ざらつき評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、印画物に白抜けやムラがないかを目視にて官能評価した。
・評価基準
○:問題なし
△:わずかに白抜けやムラが発生していた。
×:白抜けやムラが発生していた。
(4)画像濃度評価
上記で作製した熱転写受像シートに、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)と、インクリボン(メガピクセルIII用、アルテックエーディーエス(株)純正品)とを使用して、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)(Ansi−A、D65))による光学反射濃度が最大となる値を測定し、ブラックのOD値(光学的濃度)を示した。
11 基材
12 断熱層
13 受容層
Claims (4)
- 基材と、前記基材上に、断熱層と、受容層とをこの順に有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
中空粒子を含んでなる水系塗布液を用いて、前記基材上に断熱層を形成する工程と、
溶剤系ポリ塩化ビニル系樹脂および溶剤系離型剤を含んでなる溶剤系溶液を、ゼラチンを実質的に含まない水系溶液中に乳化させた水系分散塗布液を用いて、前記断熱層上に受容層を形成する工程と
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法。 - 前記受容層を形成する水系分散塗布液が、分散剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記溶剤系離型剤が、溶剤系シリコーンまたはフッ素系界面活性剤である、請求項1または2に記載の熱転写受像シートの製造方法。
- 前記断熱層および前記受容層を同時重層塗布により形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010288489A JP5660449B2 (ja) | 2010-12-24 | 2010-12-24 | 熱転写受像シートの製造方法 |
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