JP2012135212A - ドア駆動制御装置及びドア駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドア1の駆動用のモータ2に電力を供給する電力変換器14を備え、ドア1の速度検出値と速度指令値とを用いたフィードバック制御により電力変換器14を運転し、ドア1の速度を制御するドア駆動制御装置に関する。速度検出値を用いてドアの加速度を演算する加速度演算手段と、この加速度演算手段から出力された加速度検出値と前記速度検出値とから所定時間後のドアの速度を予測し、その予測速度が正または負の第3の設定速度を超えた場合に、予測速度異常信号を出力する異常判定手段と、を備える。
【選択図】 図3
Description
特許文献1に記載されたドア開閉装置では、同期モータの速度検出値が、速度指令値とは逆極性の第1の設定値を超えた場合を逆転暴走と判定している。
図9は、ドアの閉動作時にドアに障害物が接触したためドアを再び開動作させた場合(いわゆる再開閉動作)における速度指令値と速度検出値との関係を示している。
しかし、ドアが開方向へ暴走して全開位置までに止まれずに全開位置で跳ね返る場合、速度検出値は、ドアが全開位置で跳ね返る瞬間にゼロとなる。このとき、制御装置は電力変換器のゼロ電圧出力を解除するので、電力変換器はゲートオフされ、モータはフリーラン状態となる。従って、モータの制動に遅れが生じ、乗客がドアに挟まれて怪我をするおそれがある。
すなわち、この場合はドアが実際に暴走しているわけではないので、電力変換器がゼロ電圧を出力しても制御装置は逆転暴走状態と誤認し続ける。その結果、電力変換器はいつまでもゼロ電圧を出力し続けることとなるので、特定のスイッチング素子がオン状態またはオフ状態で固定されることになり、機器の劣化を進行させるという問題もあった。
請求項1に記載したドア駆動制御装置の具体的構成としては、請求項2に記載するように、速度検出値が速度指令値に一致するように電流指令値を演算する速度制御手段と、上記電流指令値、電力変換器の出力電流検出値、及びドアの位置検出値を用いて、電力変換器の電圧指令値を生成する電流制御手段と、を有する。
請求項4に係るドア駆動制御方法は、ドアの速度検出値から演算した加速度検出値と速度検出値とから所定時間、例えば数秒後のドアの速度を予測し、その予測速度が正または負の第3の設定速度を超えた場合に異常と判断してドアの予測速度異常信号を出力する異常検出動作を行う。そして、上記の予測速度異常信号を用いて電力変換器の運転を制御するものである。
また、利用者に対する安全性を高め、機器を損傷したり運行に支障をきたすことのないドア駆動制御装置及びドア駆動制御方法を提供することができる。
まず、図1はドア駆動制御装置の第1実施形態を示すブロック図である。
図1において、1はドアであり、連結部3を介してドア駆動用のリニアモータ2に連結されている。リニアモータ2は、ドア駆動制御装置10Aに接続されている。
速度演算器11は、位置検出器5から出力される位置検出値を用いてドア1の速度を演算し、速度検出値として出力する。速度制御器12では、速度指令値と速度検出値とを用いて速度をフィードバック制御し、電流指令値を演算して出力する。
すなわち、図2の動作では、速度指令値が正または負の設定速度1を超えないときには異常検動作を行っていない。言い換えれば、速度指令値が正または負の設定速度1を超えた場合に限って異常検出動作を行っている。
図3において、図1と同一の構成要素には同一の番号を付してあり、以下では図1と異なる部分を中心に説明する。
[数式1]
予測速度=速度検出値+加速度検出値×予測時間
ここで、速度検出値は図3の速度演算器11により演算され、加速度検出値は加速度演算器16により演算される。
また、予測速度が正の設定速度3を超えていないときは(S402,NO)、予測速度が負の設定速度3未満であるか否かを判断する(S404)。そして、予測速度が負の設定速度3未満であれば(S404,YES)、ドア予測速度異常信号bをセットする(S405)。予測速度が負の設定速度3未満でない場合には(S404,NO)、処理を終了する。
また、例えば数秒先の予測速度を用いることにより、速度検出値が設定速度を超えたか否かの単純な速度超過検出方法と異なり、暴走したドアが危険速度に達する前の段階で暴走状態を検出できるという利点がある。
このため、図6では、始めにゲートオンの有無を判断する(S601)。ゲートオンされている場合(S601,YES)は、タイマにより時間の計測を開始する。つまり、ドア1が動作を開始してからの経過時間を計測する。
タイマ値が設定時間2を超過したら(S602,NO)、第1実施形態の処理(S603)は実行せずに終了する。また、ステップS601でゲートオンされていない場合(S601,NO)は、タイマ値をクリアして終了する(S605)。
タイマ値が設定時間3に達したら(S702,NO及びS707,YES)、数式2が成立するか否かを判断する(S708)。
|(速度指令値)−(速度検出値)|>(速度検出閾値)
ここで、速度検出閾値は予め設定された値である。
数式2の条件が成立しない場合には(S708,NO)、異常検出実施フラグをリセットし(S710)、タイマ値を加算する(S704)。
このように、前述した第4実施形態では設定時間2の間だけドア逆方向速度異常検出動作(S603)を行うのに対し、第5実施形態では、動作開始後の設定時間3の間、ドア逆方向速度異常検出動作(S706)を行うだけでなく、以下の処理も行っている。すなわち、その処理とは、設定時間3が経過した時に、速度検出値が速度指令値に追従できているかを速度検出閾値を用いて判断し、その結果に応じて、設定時間3の経過後における異常検出動作の実施有無を判断することである(S707〜S710)。
ドア1の取付や保守などの作業(以下、点検整備作業という)において位置検出器5を交換した場合には、その後に磁極位置を正しく再設定することを忘れやすい。このため、磁極位置ズレによる逆転暴走の発生確率が高い。また、これらの作業時には、営業運転中のように、ドア1が停止することによる運行の遅延などの問題は生じない。従って、ドアの整備作業を行い、その作業結果を検証する場合には、特に安全性を重視して低速度においても逆転暴走を検出できることが望ましい。
例えば鉄道車両において、ドアの点検整備作業を行うときには、リニアモータ2への通電を停止するのが一般的である。
2:リニアモータ
3:連結部
4:出力電流検出器
5:位置検出器
10A,10B:ドア駆動制御装置
11:速度演算器
12:速度制御器
13:電流制御器
14:電力変換器
15:ドア速度異常判定器
16:加速度演算器
17:ドア予測速度異常判定器
Claims (7)
- ドア駆動用のモータに電力を供給する電力変換器を備え、ドアの速度検出値と速度指令値とを用いたフィードバック制御により前記電力変換器を運転し、前記モータによって駆動されるドアの速度を制御するドア駆動制御装置において、
前記速度検出値を用いてドアの加速度を演算する加速度演算手段と、
この加速度演算手段から出力された加速度検出値と前記速度検出値とから所定時間後のドアの速度を予測し、その予測速度が正または負の第3の設定速度を超えた場合に、予測速度異常信号を出力する異常判定手段を備えたことを特徴とするドア駆動制御装置。 - 請求項1に記載したドア駆動制御装置において、
前記速度検出値が速度指令値に一致するように電流指令値を演算する速度制御手段と、
前記電流指令値と、前記電力変換器の出力電流検出値と、前記ドアの位置検出値と、を用いて前記電力変換器の電圧指令値を生成する電流制御手段と、
を備えたことを特徴とするドア駆動制御装置。 - 請求項2に記載したドア駆動制御装置において、
前記予測速度異常信号を前記電流制御手段に入力したことを特徴とするドア駆動制御装置。 - ドア駆動用のモータに電力を供給する電力変換器を、ドアの速度検出値と速度指令値とを用いたフィードバック制御により運転し、前記モータによって駆動されるドアの速度を制御するドア駆動制御方法において、
前記速度検出値から演算した加速度検出値と前記速度検出値とから所定時間後のドアの速度を予測し、その予測速度が正または負の第3の設定速度を超えた場合に異常と判断して予測速度異常信号を出力する異常検出動作を行い、前記予測速度異常信号を用いて前記電力変換器の運転を制御することを特徴とドア駆動制御方法。 - 請求項4における予測速度異常信号が出力された時に、
前記電力変換器の出力電圧を一定期間ゼロとして前記モータを発電制動させることを特徴とするドア駆動制御方法。 - ドアが動作を開始してから一定時間のみ、請求項4記載の異常検出動作を実行し、上記一定時間を経過した後は上記異常検出動作を実行しないことを特徴とするドア駆動制御方法。
- ドアが動作を開始してから一定時間のみ、請求項4記載の異常検出動作を実行し、上記一定時間を経過した後は、前記速度指令値と前記速度検出値との差が閾値以内であれば、請求項4記載の異常検出動作を実行しないことを特徴とするドア駆動制御方法。
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