発明の概要
本発明は、コード化ビーズおよび生物学的分子を検出、分離、および同定する際に、ならびにヘテロポリマーを含むモノマー単位を配列決定する際に使用する方法およびデバイスに関する。好ましい態様において、本発明は、合成された生成物を検出するためにモノリスマルチキャピラリーアレイを使用して、スペクトルコード化ビーズ上での合成によって実施されるサイクル配列決定に基づくDNA配列決定システムに関する。本発明はまた、検出工程においてキャピラリーアレイを使用してスペクトルコード化ビーズ上でハイブリダイゼーションアレイを実施するためのシステムにも関する。本発明はまた、検出工程において、スペクトルコード化ビーズを使用しおよびキャピラリーアレイを利用する、材料および対象に「バーコードを付す」のためのシステムに関する。別の態様において、本発明は、相互に識別可能なセットに指定可能なビーズを作製する方法に関し、ここで、各セットは、標識またはマーカーとして複数の発光粒子の同じ独特な組み合わせを各々が有するビーズを含んでいる。さらなる態様において、該発光粒子は量子ドットである。さらに別の態様において、本発明は、2つまたはそれ以上の発光粒子を含むビーズ、および、該ビーズに結合された、核酸配列に関する。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、発光コード化ビーズを生成する方法に関する:a)i)複数の第1の同一の発光粒子、ii)複数の第2の同一の発光粒子、iii)第1の複数の多孔質構造、iv)複数の第1のウェルであって、各々のこのようなウェルが該複数の第1の発光粒子の一部を含み、ここで、該第1の発光粒子は少なくとも2つの該第1のウェルの中で異なる濃度である、複数の第1のウェル;v)複数の第2のウェルであって、各々のこのようなウェルが該複数の第2の発光粒子の一部を含み、ここで、該第2の発光粒子は少なくとも2つの該第2のウェル中で、異なる濃度である、複数の第2のウェルを提供する工程;b)該第1の発光粒子が該多孔質構造によって吸収されるような条件下で、該複数の多孔質構造の一部を該第1のウェルの各々に分配する工程;c)吸収されていない第1の発光粒子から該多孔質構造を抽出する工程;d)該抽出した多孔質構造を再結合して、その上に吸収された該第1の発光粒子を有する第2の複数の多孔質構造を形成し、ここで、該多孔質構造の少なくとも2つが、その上に吸収された該粒子を異なる濃度で有する、工程;e)該再結合した多孔質構造の一部を、該第2の発光粒子が該多孔質構造によって吸収されるような条件下で、該第2の各々のウェルに分配する工程;f)該吸収されていない第2の発光粒子から、該多孔質構造を抽出する工程;g)該抽出された多孔質構造を再結合して、その上に吸収された該第1の発光粒子および該第2の発光粒子を有する第3の複数の多孔質構造を形成し、ここで、少なくとも2つの該多孔質構造が異なる濃度の該第1の発光粒子および異なる濃度の該第2の発光粒子を有する、工程。さらなる態様において、該第1の発光粒子は量子ドットである。さらなる態様において、該第2の発光粒子は量子ドットであり、第1の量子ドットおよび第2の量子ドットは異なるサイズを有する。さらなる態様において、該多孔質構造はメソ多孔質シリカビーズである。さらなる態様において、該多孔質構造はメソ多孔質ポリスチレンビーズである。さらなる態様において、該複数の多孔質構造の一部を該第1の複数のウェルに分配するための該条件は、該第1の複数の粒子で多孔質構造を飽和しない。
さらなる態様において、この方法は、複数の第3のウェルの間に分配された複数の第3の同一の発光粒子を提供し、ここで、該第3の発光粒子は、少なくとも2つの該第3のウェルに異なる濃度で存在する、工程、およびさらに、該第3の発光粒子が該多孔質構造によって吸収されるように、該第3の複数の多孔質構造の一部を該第3のウェルの各々に分配する工程、該多孔質構造を、吸収されていない第3の発光粒子から抽出する工程、該抽出された多孔質構造を再結合して、その上に吸収された該第1の発光粒子、該第2の発光粒子、および該第3の発光粒子を有する第4の複数の多孔質構造を形成し、ここで、該多孔質構造の少なくとも3つが、該第1の発光粒子、該第2の発光粒子、および該第3の発光粒子の濃度によって、異なる組み合わせを有する、工程をさらに含む。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、対象の真正性を決定する方法に関する:a)i)複数の発光コード化ビーズを含む対象であって、ここで、該コード化ビーズが、発光シグネチャを提供するように構成された2つまたはそれ以上の発光マーカーを含む対象、ii)電磁放射、およびiii)電磁放射を検出するための機器、を供給する工程;b)該発光マーカーが発光するような条件下で、該対象を該電磁放射に曝露する工程、ならびにc)該機器を用いて該発光シグネチャを検出する工程;ならびにd)該対象の真正性のシグネチャと、発光シグネチャを相関させる工程。さらなる態様において、該対象は、身分証明カード、貨幣、液体、固体、および繊維からなる群より選択される。さらなる態様において、該電磁放射は紫外光である。さらなる態様において、該発光マーカーは量子ドットである。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、発光コード化ビーズを生成する方法に関する:a)i)複数の第1の発光粒子、ii)複数の第2の発光粒子、およびiii)複数の多孔質構造;iv)第1の複数のウェルであって、ここで、該第1の発光粒子は該ウェル中にあり、少なくとも2つのウェルの中で異なる濃度を有する、ウェル;v)第2の複数のウェルであって、ここで、該第2の発光粒子は該ウェル中にあり、少なくとも2つのウェルの中で異なる濃度を有する、ウェルを供給する工程;b)該第1の発光粒子が該複数の構造によって吸収されるような条件下で、該複数の多孔質構造の一部を該第1の複数のウェルに分配する工程;c)該第1の複数のウェルから、該第1の発光粒子を有する該複数の多孔質構造を抽出する工程;d)該抽出した複数の多孔質構造を該第1の発光粒子と一緒に混合して、少なくとも2つの該多孔質構造が異なる濃度の該第1の発光粒子を有する複数の多孔質構造を形成する工程;e)該第2の発光粒子が該多孔質構造によって吸収されるような条件下で、該少なくとも2つの該多孔質構造が異なる濃度の該第1の発光粒子を有する複数の多孔質構造を、該第2の複数のウェルに分配する工程;f)該第2の複数のウェルから、該第1の発光粒子および該第2の発光粒子を有する該複数の多孔質構造を抽出する工程;g)該複数の多孔質構造を、該第2の複数のウェルから抽出される該第1の発光粒子および該第2の発光粒子と一緒に混合して、少なくとも2つの該多孔質構造が異なる濃度の該第1の発光粒子を有し、および異なる濃度の該第2の発光粒子を有する複数の多孔質構造を形成する工程。さらなる態様において、該第1の発光粒子は量子ドットである。さらなる態様において、該第2の発光粒子は量子ドットであり、該第1の量子ドットおよび第2の量子ドットは異なるサイズを有する。さらなる態様において、該多孔質構造はメソ多孔質シリカビーズである。さらなる態様において、該多孔質構造はメソ多孔質ポリスチレンビーズである。さらなる態様において、該第1の複数のウェルに該複数の多孔質構造の一部を分配するための該条件が、該第1の複数の粒子を備える多孔質構造を飽和しない。
さらなる態様において、この方法は、該第2の発光粒子および第3の発光粒子が該ウェル中にあり、かつ少なくとも2つのウェル中で異なる濃度を有する、複数の第3の発光粒子を供給する工程、ならびに、該複数の多孔質構造を、該第2の複数のウェルから抽出される該第1の発光粒子、該第2の発光粒子、および該第3の発光粒子と一緒にさらに混合して、少なくとも3つの該多孔質構造が、該第1の発光粒子、該第2の発光粒子、および該第3の発光粒子の異なる濃度の組み合わせを有する複数の多孔質構造を形成する工程をさらに含む。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、対象の真正性を決定する方法に関する:a)i)複数の発光コード化ビーズを含む対象であって、ここで、該コード化ビーズが、発光シグネチャを提供するように構成された2つまたはそれ以上の発光マーカーを含む、対象、ii)電磁放射、およびiii)電磁放射を検出するための機器を供給する工程;b)該量子ドットが発光するような条件下で、該対象を該電磁放射中に配置する工程、ならびにc)該機器を用いて該発光シグネチャを検出する工程;ならびにd)該対象の真正性と、発光シグネチャを相関させる工程。さらなる態様において、該対象は、身分証明カード、現金、液体、固体、および繊維からなる群より選択される。さらなる態様において、該電磁放射は紫外光である。さらなる態様において、該発光マーカーは量子ドットである。
さらなる態様において、本発明は、以下の工程を含む、チャネルを通してビーズを移動させる方法に関する:a)i)第1の発光標識および第2の発光標識を含むビーズ、ii)チャネル、iii)該ビーズが溶液の内部にある、該チャネルの内部の溶液、iv)電極対を供給する工程;ならびにb)該ビーズが該チャネル中で該電極対の1つの電極に向かって移動するような条件下で、該電極対間に電位を印加する工程。さらなる態様において、該ビーズはポリスチレンビーズである。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は量子ドットである。さらなる態様において、該ビーズは電荷を有する。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、被験体の表現型を決定する方法に関する:a)i)複数の連結されたビーズであって、A)発光電磁コード、B)複数の核酸マーカーが、独特な配列を有する核酸が独特な発光電磁コードを備えるビーズに連結されるように構成されている、被験体の表現型と相関する核酸にハイブリダイズする複数の核酸マーカーを含む、ビーズ、およびii)該被験体からの核酸を含むか、またはそれを含むことが疑われている試料を供給する工程;b)該複数のビーズ上の該発光電磁コードを検出し、および該ビーズ上の該核酸マーカーの該独特な配列に対応する該コードを記録する工程;c)該試料中の核酸へのハイブリダイゼーションが起こり得るような条件下で、該試料と該連結されたビーズを混合する工程;d)ハイブリダイゼーションが起こっているビーズを検出する工程;e)該ハイブリダイズしたビーズ上の該発光電磁コードを決定する工程;f)該ハイブリダイズしたビーズ上の該発光電磁コードを、該記録コードと比較する工程;ならびにg)該被験体における該表現型に対して、該記録コードを相関させる工程。ある態様において、該発光電磁コードは3つより多くの識別可能な電磁波長を含む。ある態様において、該電磁波長は個別の視覚色である。ある態様において、該ビーズはビオチン-ストレプトアビジン相互作用によって該核酸に連結される。ある態様において、該表現型は疾患である。ある態様において、該被験体はヒトである。さらなる態様において、該ビーズの数は1,000,000個または10,000,000個を超える。さらなる態様において、該複数の核酸マーカーは1000種または10,000種の異なる核酸マーカーを含む。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む方法に関する:a)i)第1の発光標識および第2の発光標識を含むビーズ、ii)第1の核酸、iii)該第1の核酸を含むヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列の一部である第2の核酸、iv)第3の発光標識を含むヌクレオチド、およびv)透明チャネルを供給する工程;b)該第1の核酸を該ビーズに結合させる工程;c)第1の核酸の二本鎖部分の形成を生じるような条件下で、該第2の核酸および該第1の核酸を接触させる工程;d)該第2の核酸への該ヌクレオチドのライゲーションがライゲーションされた核酸を供給するような条件下で、該ヌクレオチドおよび該二本鎖部分を混合する工程;e)該透明チャネルを通して該ビーズを移動させる工程;ならびにf)該第1の発光標識、第2の発光標識、および第3の発光標識を独立して検出する工程。さらなる態様において、この方法は、g)該ライゲーションされた核酸から第3の発光標識を除去する付加的な工程を含む。さらなる態様において、この方法は、工程d)〜g)を反復する工程を含む。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識はビーズの中に含まれる。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は、ビーズの外部に共有結合される。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は、蛍光を発することが可能である量子ドットである。さらなる態様において、該第1の発光標識は色素であり、該第2の蛍光標識は量子ドットである。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は色素である。さらなる態様において、該ヌクレオチドはヌクレオチド三リン酸である。さらなる態様において、該ビーズは、異なる濃度の該第1の発光標識および第2の発光標識を含む。さらなる態様において、該異なる濃度は、ビーズあたりの標識の量、ビーズの単位体積あたりの標識の量、またはビーズが懸濁されている溶液の体積あたりの標識の量である。
別の態様において、本発明は、a)第1の発光標識および第2の発光標識を含む第1のビーズ;b)第3の発光標識および第4の発光標識を含む第2のビーズ;c)該第1のビーズを含む第1の透明チャネルおよび該第2のビーズを含む第2の透明チャネル;ならびにd)発光標識からの電磁放射を検出するための機器を含む検出システムに関する。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識はビーズの中に含まれる。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は、ビーズの外部に共有結合される。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は、蛍光量子ドットである。さらなる態様において、該第1の発光標識および該第3の発光標識は同じ標識であり、ここで、該第3の発光標識は、該第1のビーズ中の該第1の発光標識の濃度よりも低い濃度で、該第2のビーズの内部にある。さらなる態様において、共有壁は、該第1の透明チャネルおよび第2の透明チャネルを分離している。さらなる態様において、該第1の透明チャネルおよび第2の透明チャネルは、正方形の断面を備えている。さらなる態様において、該電磁放射を検出するための機器は電荷結合素子である。さらなる態様において、このシステムは電磁放射の供給源を含む。さらなる態様において、該電磁放射の供給源はレーザーである。
他の態様において、本発明は、a)第1の発光標識、第2の発光標識、および配列中の最後のヌクレオチド上に第1の除去可能な発光マーカーを有する第1のヌクレオチド配列を含む第1の核酸を含む、第1のビーズ;b)第3の発光標識、第4の発光標識、および配列中の最後のヌクレオチド上に第2の除去可能な発光マーカーを有する第2のヌクレオチド配列を含む第2の核酸を含む、第2のビーズ;c)該第1のビーズを受容するように構成された第1の透明チャネルおよび該第2のビーズを受容するように構成された第2の透明チャネル;d)該蛍光標識からの電磁放射を検出するための機器;ならびにe)該除去可能な発光マーカーからの電磁放射を検出するための機器を含む、検出システムに関する。さらなる態様において、該機器は、各発光標識についての別々のデータセットを収集するように構成される。さらなる態様において、このシステムは二色性ミラーを備える。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識はビーズに含まれる。さらなる態様において、該第1の発光標識および第2の発光標識は蛍光量子ドットである。さらなる態様において、該除去可能な発光マーカーは、光に対する曝露の際に除去可能である。さらなる態様において、該除去可能な発光マーカーは、オルトニトロフェニル基によって、該ヌクレオチドに連結される。さらなる態様において、該蛍光標識からの電磁放射を検出するための該機器は電荷結合素子を含む。さらなる態様において、該発光マーカーからの電磁放射を検出するための該機器は電荷結合素子を含む。さらなる態様において、このシステムはさらにレーザーを含む。さらなる態様において、該レーザーは、電磁放射を該第1の透明チャネルおよび第2の透明チャネルに照射する。さらなる態様において、このシステムは、該透明チャネルを通して、該第1のビーズおよび第2のビーズを可逆的に押し出すように構成されるポンプを含む。
別の態様において、本発明は、以下の工程を含む、核酸のヌクレオチド配列を決定する方法に関する:a)i)(A)第1の発光標識および第2の発光標識を含む第1のビーズ;(B)第3の発光標識および第4の発光標識を含む第2のビーズ;C)第1の透明チャネルおよび第2の透明チャネル;ならびにD)該第1の透明チャネルおよび該第2の透明チャネルに電磁放射を同時発射する機器を含む検出システム;ii)同一であるかまたは相補的な重複ヌクレオチド配列を有する第1の核酸および第2の核酸;iii)該第1の核酸および第2の核酸の一方の末端にハイブリダイズする複数のパートナー;iv)該マーカーの各々の発光が独特なヌクレオシド塩基に対応する、取り外し可能な発光マーカーを含むヌクレオチドのセットを供給する工程;b)該複数のプライマーを、該第1のビーズおよび該第2のビーズに結合させる工程;c)該プライマーの一方への該第1の核酸のハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、該第1のビーズおよび該第1の核酸を接触させ、ならびに該プライマーの一方への該第2の核酸のハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、該第2のビーズおよび該第2の核酸を接触させる工程;d)該ハイブリダイズした第1の核酸および第2の核酸上の対応するヌクレオシド塩基の水素結合対合に従って、該ヌクレオチドが該プライマーにライゲーションするような条件下で、該第1のビーズおよび第2のビーズに、該ヌクレオチドのセットを曝露する工程;e)該発射された電磁放射が該標識およびマーカーを照射するように、該第1の透明チャネル中に該第1のビーズおよび該第2の透明チャネル中に該第2のビーズを配置する工程;ならびに、d)該第1のビーズおよび該第2のビーズに結合した第1の核酸配列および第2の核酸配列に対応する該標識およびマーカーを検出する工程。さらなる態様において、この方法は、該ライゲーションされたヌクレオチドから該マーカーを除去する工程を含む。さらなる態様において、この方法は、工程d)〜f)を反復する工程を含む。さらなる態様において、該プライマーは、全体としてまたは部分的に、同一のヌクレオチド配列を含む。さらなる態様において、該第1の核酸および第2の核酸は、該プライマーに対して相補的であるヌクレオチド配列を含む。さらなる態様において、該結合は、ストレプトアビジンを含む該ビーズ、およびビオチンを含む該プライマーによって起こる。
別の態様において、本発明は、以下の工程を含む、発光コード化ビーズを生成する方法に関する:a)i)複数の第1の発光粒子、複数の第2の発光粒子、ii)複数の多孔質構造、iii)第1の複数のウェルであって;ここで、該第1の発光粒子は該ウェル中にあり、かつ少なくとも2つのウェルの中で異なる濃度を有する、第1の複数のウェル;およびiv)第2の複数のウェルであって、ここで、該第1の発光粒子は該ウェル中にあり、かつ少なくとも2つのウェルの中で異なる濃度を有する、第2の複数のウェルを供給する工程、b)該第1の発光粒子が該多孔質構造によって吸収されるような条件下で、該複数の多孔質構造の一部を該第1の複数のウェルに分配する工程、c)複数の多孔質構造を形成するために、該第1の複数のウェルの中にある該第1の発光粒子と、該複数の多孔質構造を一緒に混合し、ここで、該多孔質構造の少なくとも2つが、異なる濃度の該第1の発光粒子を有する、工程、d)該複数の多孔質構造を分配し、ここで、該第2の発光粒子が該多孔質構造に含まれるような条件下で、少なくとも2つの該多孔質構造は、該第2の複数のウェルに対して異なる濃度の該第1の発光粒子を有する、工程、およびe)該第2の複数のウェルの中にある該第1の発光粒子および該第2の発光粒子と、該複数の多孔質構造を一緒に混合して、複数の多孔質構造を形成し、ここで、少なくとも2つの該多孔質構造が、該第1の発光粒子のビーズあたり、異なる濃度の粒子を有し、および異なる濃度の該第2の発光粒子を有する、工程。さらなる態様において、該第1の発光粒子は量子ドットである。さらなる態様において、該第2の発光粒子は、該第1の量子ドットおよび第2の量子ドットが異なるサイズを有する、量子ドットである。さらなる態様において、該多孔質構造はメソ多孔質シリカビーズである。さらなる態様において、該複数の多孔質構造の一部を該第1の複数のウェルに分配するための該条件は、該第1の複数の粒子で多孔質構造を飽和しない。
ある態様において、本発明は、生体分子を含むような様式で修飾された2つまたはそれ以上の異なるフルオロフォアを含む粒子に関する。さらなる態様において、フルオロフォアおよび量子ドットおよび生体分子は核酸である。ならびにさらなる態様において、粒子は、該粒子に含まれる少なくとも1つのヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有する核酸を含むかまたは含むことが疑われる試料と混合され、および核酸配列を決定するような様式で操作される。粒子はキャピラリーアレイを通した移動に供され、ハイブリダイズした核酸配列は量子ドットの蛍光発光によって同定される。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、特定の分子を同定する方法に関する:a)i)第1の分子を有することが疑われる試料およびii)第2の分子にコンジュゲートされ、第1の光学マーカーおよび第2の光学マーカーを含む、ビーズを供給する工程;b)該第1の分子が該第2の分子に結合して、コンジュゲート複合体を形成するような条件下で、該試料および該ビーズを混合する工程;c)該コンジュゲート複合体が精製されるような条件下で、該試料から該ビーズを分離する工程;およびd)該第1の光学マーカーおよび第2の光学マーカーを検出する工程。さらなる態様において、該第1の分子は第1の核酸、アミノ酸配列、またはポリサッカリドである。さらなる態様において、該第2の分子は、該第1の核酸の一部に相補的な配列を有する第2の核酸である。さらなる態様において、該結合は、該第2の核酸への該第1の核酸のハイブリダイゼーションによる。さらなる態様において、該コンジュゲート複合体は、二本鎖核酸である。さらなる態様において、該第1の光学マーカーは量子ドットである。さらなる態様において、該第2の光学マーカーは量子ドットである。さらなる態様において、該分離条件はキャピラリー電気泳動による。さらなる態様において、該ビーズは、該第2の光学マーカーよりも高い濃度の該第1の光学マーカーを含む。他の態様において、本発明は、以下の工程を含む、特定の分子を同定する方法に関する:a)i)第1の分子を有することが疑われる試料、ii)第2の分子にコンジュゲートされ、第1の光学マーカーおよび第2の光学マーカーを含む、第1のビーズ、ならびにiii)該第2のビーズが第1の光学マーカーおよび第2の光学マーカーを含み、該第2のビーズ中の該第1の光学マーカーは、該第1のビーズ中よりも高濃度である、第3の分子にコンジュゲートされた第2のビーズを供給する工程;b)該第1の分子が該第2の分子に結合可能であり、コンジュゲート複合体を形成するような条件下で、該試料、該第1のビーズ、および第2のビーズを混合させる工程;c)該コンジュゲート複合体が精製されるような条件下で、該試料から該第1のビーズおよび第2のビーズを分離する工程;ならびにd)該第1および第2の光学マーカーを検出する工程。さらなる態様において、該第1の分子は第1の核酸、アミノ酸配列、またはポリサッカリドである。さらなる態様において、該第2の分子は、該第1の核酸の一部に対して相補的な核酸配列である。さらなる態様において、該結合は、該第1の核酸の、該第2の核酸へのハイブリダイゼーションである。さらなる態様において、該コンジュゲート複合体は、二本鎖核酸配列である。さらなる態様において、該第1の光学マーカーは量子ドットである。さらなる態様において、該第2の光学マーカーは量子ドットである。さらなる態様において、該分離条件はキャピラリー作用による。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、キャピラリーアレイ中のコード化ビーズの検出および同定の方法に関する:a)i)所望の濃度まで緩衝液中で希釈された、好ましくは10μm未満、またはさらにより好ましくは1μm未満のサイズの複数のビーズであって、およびさらにより好ましくは、これらのビーズは10から30ナノメートルの間の孔を備え、ここで、各ビーズは独特なコードを有し、かつこのコードによって同定できる、ビーズ;ii)ビーズの希釈セットを保持するための容器;iii)マルチキャピラリーアレイ;iv)該容器からキャピラリーアレイを通して該ビーズを移動させるためのポンピング機器;v)ビーズからのシグナルを励起するための励起機器;該ビーズが該キャピラリーを通過するときに、該ビーズからのシグナルを獲得するための検出機器;vi)検出データを伝達および記録するための機器;ならびにvii)該データを処理するための機器を供給する工程;b)容器から、マルチキャピラリーアレイを通してビーズのセットをポンピングする工程;c)シグナルが該ビーズによって生成されるような条件下で、該励起機器を用いてビーズを励起する工程;d)該検出機器を用いて該シグナルを検出する工程、およびe)該処理機器を用いて該シグナルを処理する工程。さらなる態様において、該結合は抗体のエピトープ結合を含む。さらなる態様において、該抗体は該ビーズに結合され、該エピトープは細胞に結合される。さらなる態様において、該処理機器はコンピュータである。さらなる態様において、該ビーズはスペクトルでコード化される。さらなる態様において、スペクトルコード化はデジタル、アナログ、またはその両方である。さらなる態様において、各ビーズは、コード化色マーカーとは異なり、かつキャピラリーのビーズ検出領域中のビーズの存在にシグナルを与える、さらなる色マーカーを有する。さらなる態様において、ビーズは、照射誘導蛍光によって検出される。さらなる態様において、ビーズは多色量子ドットでコード化されたミクロスフェアである。さらなる態様において、ビーズはメソ多孔質である。さらなる態様において、キャピラリーアレイは、任意の形状の穴を有するモノリシックガラス構造である。さらなる態様において、該キャピラリーアレイは、1列に配置された2つより多くのキャピラリー、すなわち、線状アレイを備える。さらなる態様において、該キャピラリーアレイは、二次元断面に配置される。さらなる態様において、該キャピラリーアレイは、ガラス引っ張りプロセスによって、または個々のキャピラリーと一緒に接着することによって、組み立てられる。さらなる態様において、ビーズ検出系は、同時にまたは連続的に、好ましくは、走査様式で、キャピラリーアレイのすべてのキャピラリー中で、ビーズを検出する。さらなる態様において、検出システムは、アレイのキャピラリーに対して垂直な平面において、ビーズを検出する。さらなる態様において、検出システムは、側面によるアレイのキャピラリーに対する特定の角度の下でキャピラリーを横断する平面においてビーズを検出する。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、キャピラリーアレイ中のコード化ビーズを使用する、生体分子の検出および同定のための方法に関する:a)i)一定の濃度まで緩衝液中で希釈された、好ましくは10μm未満、またはさらにより好ましくは1μm未満のサイズの複数のビーズであって、ここで、各ビーズは独特なコードを有し、かつこのコードによって同定でき、そして各ビーズが、同定される該生体分子に選択的に結合し、または好ましくハイブリダイズする特定の生体分子で覆われている、ビーズ;ii)同定される生体分子のセット、iii)ビーズの希釈セットおよび緩衝液中の生体分子を保持するための容器;iv)マルチキャピラリーアレイ;v)該容器からキャピラリーアレイを通して該ビーズを移動させるためのポンピング機器;vi)ビーズのコードに関する情報およびビーズへの生体分子の結合に関する情報を有する、ビーズからのシグナルを励起するための励起機器;vii)該ビーズが該キャピラリーを通過するときに、該ビーズに対応する該生体分子の結合を検出する、該ビーズからのコード化シグナルの検出機器;viii)検出データを伝達および記録するための機器;およびix)すべての個々のビーズのコードを同定することが可能である、該データを処理するための機器を供給する工程;b)容器から、マルチキャピラリーアレイを通してビーズのセットをポンピングする工程;c)シグナルが該ビーズ中で生成されるような条件下で、該励起機器を用いてビーズを励起する工程;d)該検出機器を用いて該シグナルを検出する工程、およびe)該機器を用いて該シグナルを処理する工程。
他の態様において、本発明は、以下の工程を含む、キャピラリーアレイ中のコード化ビーズを使用する、生体分子の検出および同定の方法に関する:a)i)所望の濃度まで緩衝液中で希釈された、好ましくは10μm未満、またはさらにより好ましくは1μm未満のサイズの複数のビーズであって、ここで、各ビーズは独特なコードを有し、かつこのコードによって同定でき、そして各ビーズが、同定される該生体分子に選択的に結合し、または好ましくはハイブリダイズする特定の生体分子で覆われる、ビーズ;ii)同定される生体分子のセット、iii)生物学的反応、好ましくは、PCRおよびサイクル配列決定を実行するための化学試薬のセット、iv)ビーズの希釈セット、化学試薬のセット、および緩衝液中の生体分子を保持するための容器;v)少なくとも1つのキャピラリーを有するマルチキャピラリーアレイ;vi)該容器からキャピラリーアレイを通して該ビーズを移動させるためのポンピング機器;vii)ビーズのコードに関する情報およびビーズへの生体分子の結合に関する情報を有する、ビーズからのシグナルを励起するための励起機器;viii)該ビーズが該キャピラリーを通過するときに、該ビーズに対応する該生体分子の結合を検出する、該ビーズからのコード化シグナルのための検出機器;ix)検出データを伝達および記録するための機器;およびx)すべての個々のビーズのコードを同定することが可能である、該データを処理するための機器を供給する工程;b)容器から、マルチキャピラリーアレイを通してビーズのセットをポンピングする工程;c)シグナルが該ビーズ中で生成されるような条件下で、該励起機器を用いてビーズを励起する工程;d)該検出機器を用いて該シグナルを検出する工程、およびe)すべての個々のビーズのコードを同定可能であるような条件下で、該機器を用いて該シグナルを処理する工程。さらなる態様において、該配列の生物学的反応はサイクル配列決定を含み、該配列決定の化学反応ならびにビーズ検出および同定は反復され、核酸配列の配列決定を可能にする。さらなる態様において、本発明は、本明細書に開示されるビーズの検出を実施するデバイスに関する。
ある態様において、本発明は、三次元容器中でビーズ上で実施される合成方法によるサイクル配列決定を使用し、およびビーズの分離のためのモノリスマルチキャピラリーアレイを使用するDNA配列決定システムに関する。
ある態様において、本発明は、その追求対象がそこに存在しない場合を除き、各ビーズがその追求対象を見つけるまで、核酸の群を通して、一斉に作動して検索し、次いで、ビーズを同定し、ビーズが見つけようとしたものを見つけたか否かを決定する分析に、各ビーズが供される、アドレス可能なビーズに関する。
ある態様において、本発明は、癌の分子マーカーの定量的分析のためのナノメートルスケールPCRシステムに関する。さらなる態様において、該マーカーはテロメラーゼ反復である。さらなる好ましい態様において、該マーカーは蛍光標識されている。
さらなる態様において、本発明は、PCR試薬の交互のナノリットルスケールゾーンで満たされたキャピラリー中での単一分子の増幅に関する。さらなる態様において、これらのゾーンは、PCR試薬の水溶液のゾーンおよびオイルのゾーンが交互になっている。
別の態様において、本発明は、コード化ビーズ上のDNAライブラリーを供給する工程、個々のビーズ上での合成、続いてビーズ流およびマルチキャピラリーアレイ中の検出により配列決定する工程を含む方法に関する。
さらなる態様において、この方法は、スペクトルコード化ビーズ上でDNAライブラリーを調製する工程;標識ヌクレオチド、例えば、Aとビーズをインキュベートする工程;マルチキャピラリーアレイを使用して取り込んだ標識ヌクレオチドを用いてコード化ビーズを検出する工程;取り込んだヌクレオチドから蛍光標識を脱離させる工程;および別のヌクレオチド、例えば、A、T、C、G、Uを使用してこれらの工程を反復する工程を含む。
さらなる態様において、ビーズは、標識ヌクレオチドを用いる毎インキュベーションサイクル後に、チューブから、多色照射マルチキャピラリーアレイを通してポンピングされる。個々のビーズの検出は、蛍光励起およびCCDカメラのためのレーザーまたは光発光照射光源を使用して、リアルタイムで行われる。
ある態様において、各ビーズは、たとえビーズの空間的位置が変化する可能性があるとしても、特定の配列を個々のビーズに関連付けることができるように、個別のスペクトルコードを有する。並行配列検出は、k×1平方キャピラリー、例えば、2〜5μm内径、5〜10μm間隔幅、2〜3cmキャピラリー長である、100×100からなる、ガラスモノリスマルチキャピラリーアレイを通してビーズを押し出すことによって実施される。
好ましい態様において、ビーズは、106〜109個の個別のスペクトルコードを有する。別の好ましい態様において、モノリスマルチキャピラリーアレイは、1,000〜100,000個のキャピラリーを有する。
別の好ましい態様において、光学的検出システムは、1cm2までの面積で2μmの分解能で、10色までの色の検出が可能である。
ある態様において、本発明は、セグメント化されたナノロッド、希土類ドープガラス、蛍光シリカコロイド、光退色パターン、オリゴヌクレオチド連結金コロイド、または増強ラマンナノ粒子を使用して、光学的にコードされるビーズの使用に関する。
好ましい態様において、発光量子ドットが使用される。さらにより好ましい態様において、界面活性剤でコーティングされた量子ドットでコード化されたメソ多孔質ポリスチレンビーズは、秒あたり1000、5000、10,000、50,0000、100,000、500,000、1,000,000、または10,000,000個のビーズまでの読み取りのフローサイトメーターを使用して同定することができる。
ある態様において、本発明は、ナノ結晶コアの中に多数の種々のサイズを有する量子ドットのナノ結晶に関し、すなわち、複数の別個サイズの量子ドットが、シェルの中で混合およびコーティングされる。小さいサイズの量子ドットは、より大きな量子ドットの蛍光発光とは異なる特異的蛍光発光を提供し、小さな量子ドットおよび大きな量子ドットの混合物を含むナノ結晶は、励起の際に複数の蛍光シグナルを生じる。
加えて、ある態様において、本発明は、小さな量子ドットまたは大きな量子ドットの相対数を、特定の波長における蛍光シグナルの程度を強化または減少するために調製することができるナノ結晶に関する。
特定の態様において、本発明は、特異的な量子ドットの構成を用いて、外部に連結された特定の生体分子の存在までのナノ結晶の特異的修飾を突き止めることに関する。ナノ結晶の外部に連結された生体分子は、結合分子を含む組成物に曝露されてもよい。
さらなる態様において、生体分子は、特異的な相補配列にハイブリダイズされた核酸分子である。
特定の態様において、本発明は、複数のサイズの量子ドットおよび特定のサイズの複数の数の量子ドットを含む、複数のナノ結晶コアに対応する複数のナノ粒子を提供することに関する。
ある態様において、本発明は、個々の色シグネチャを有し、および特異的遺伝子プローブを有する、多色ビーズへの生体分子または細胞のハイブリダイゼーションに基づくシステムに関する。
特定の態様において、特許請求の範囲は、色によりビーズをコード化する方法によって限定されることは意図されない。複数の色によりビーズをコード化する種々の方法、例えば、粒子に分子色素を加えることが存在する。
好ましい態様において、マイクロメートルスケールのビーズは、多色量子ドットを含む。量子ドットの蛍光発光が可視光に限定されることは意図されない。
好ましい態様において、蛍光発光は青色光を含む。他の態様において、蛍光発光は赤外線である。
ある態様において、コード化シグナルはデジタルであってもよく、例えば、コード化色が存在するかまたは存在しないかのいずれかである。
ある態様において、コード化シグナルはアナログ、すなわち、相対的発光強度の指標であってもよい。これは、各個々の色について行われてもよい。
ある態様において、本発明は、単一チューブ形式のハイブリダイゼーションアッセイにおいて特定の分子プローブでコーティングされたコード化ビーズのセットを使用する方法に関する。コード化ビーズを用いるハイブリダイゼーションはスペクトルコード法によって行われる。N通りの色が使用されるならば、2Nの別個の色の組み合わせを同定することができる。N通りの色が使用され、M通りの強度周波数分解能が使用されるならば、2NM通りの別個の色の組み合わせが同定できる。例えば、65,000個の独特なビーズは、16色または4色のいずれかを使用し、4通りの異なる強度分解能を用いてコード化することができる。ハイブリダイゼーション後、試料は、三次元マルチチャネル分析装置にポンピングすることができる。レーザーまたは他の光発光源、例えば、発光ダイオードを使用して、リアルタイムで個々のビーズを検出してもよい。ビーズ流の検出は、マルチチャネル分析装置の上端または側面のいずれかから、デジタルカメラを用いてなされてもよい。次いで、デジタルまたはアナログである、検出されたシグナルは、保存および分析のためにコンピュータに伝達される。
別の態様において、本発明は、フィードセグメントを有するキャピラリーを成形するためのインゴット、ヒーター、モノリスの内部空洞および外部部分をコーティングするための溶液を保持するための領域、モノリスを硬化させるためのランプ、好ましくは紫外ランプ、およびモノリスを移動させるためのローラーを備える、キャピラリーアレイ製造システムに関する。
他の態様において、本発明は、抗体を含み、複数の発光マーカーを有するビーズに関する。さらなる態様において、抗体は、ヌクレオチドに取り込まれているアミノ酸配列に結合する。
さらなる態様において、本発明は、光分解可能な部分によって連結されているアミノ酸配列にコンジュゲートされているヌクレオチドに関し、ここで、該アミノ酸配列は、複数の発光マーカー、好ましくは量子ドットを有するビーズにコンジュゲートされた抗体に結合する。
さらなる態様において、本発明は、複数の発光マーカーとともに、抗体を含むビーズを使用する核酸の配列決定に関する。
さらなる態様において、本発明は、アミノ酸配列にコンジュゲートされたヌクレオチドを使用することによって核酸を検出または配列決定する方法に関する。
さらなる好ましい態様において、核酸は光分解性部分によって連結され、さらなる態様において、該アミノ酸配列は、量子ドットを含むビーズにコンジュゲートされた抗体のエピトープである。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、伸長している二本鎖核酸にヌクレオチドを取り込む方法に関する:ヌクレオチドが相補性塩基にハイブリダイズし、核酸配列の伸長している鎖にライゲーションするような条件下で、核酸、およびマーカーにコンジュゲートされた該ヌクレオチドを混合し、好ましくは、このマーカーは、光分解可能なリンカーとコンジュゲートされたアミノ酸配列である、工程;取り込んだヌクレオチドを有するアミノ酸配列を、そのヌクレオチドへの該アミノ酸配列コンジュゲートに対するエピトープの特異的結合を有する抗体と混合し、ここで、該抗体が、発光マーカー、好ましくは、量子ドットを含むビーズにコンジュゲートされている、工程;該抗体発光マーカーを測定する工程;ならびに取り込んだ/ライゲーションしたヌクレオチドに該マーカーを相関させる工程。
さらなる態様において、該核酸は、固体支持体にコンジュゲートされる。さらなる態様において、支持体は、核酸配列の内容物がアレイ中の位置に相関されるアレイである。
他の態様において、本発明は、本明細書に開示される組成物および機器を使用して、核酸配列およびヌクレオチドを操作する方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、ドキュメントの真正性についての方法におけるスペクトルコード化ビーズの使用に関する。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、ドキュメントの真正性を決定する方法に関する:a)i)複数のコード化ビーズを含むドキュメントであって、該コード化ビーズが、発光シグネチャを提供するように配置された2つまたはそれ以上の発光マーカーを含む、ドキュメント、ii)電磁放射、およびiii)電磁放射を検出するための機器を供給する工程;b)該量子ドットが発光するような条件下で、該電磁放射中に該ドキュメントを配置する工程、ならびにc)該発光シグネチャを該機器を用いて検出する工程;ならびにd)発光シグネチャを該ドキュメントの真正性と相関させる工程。さらなる態様において、該ドキュメントは支払保証小切手である。さらなる態様において、該ドキュメントは現金である。さらなる態様において、該電磁放射は紫外光である。さらなる態様において、該発光マーカーは量子ドットである。
ある態様において、本発明は、以下の工程を含む、チャネルを通してビーズを移動させる方法に関する:a)i)第1の発光標識および第2の発光標識を含むビーズ、ii)チャネル、iii)該ビーズが溶液内部にある、該チャネル内部の溶液、iv)電極対を供給する工程;ならびにb)該ビーズが、該チャネルの中で、該電極対の1つの電極に向けて移動するような条件下で、該電極対間に電位を印加する工程。さらなる態様において、該ビーズは多孔質ポリスチレンビーズである。さらなる態様において、該第1および第2の発光標識は量子ドットである。さらなる態様において、該ビーズは電荷を有する。さらなる態様において、該ビーズはカルボキシル官能化表面を有する。
発明の詳細な説明
本発明は、生物学的分子を検出、分離、および同定する際に、ならびに、ヘテロポリマー性である場合には、それらを配列決定する際に、使用する方法およびデバイスに関する。好ましい態様において、本発明は、三次元容器中に拘束されているビーズ上で実施される合成によるサイクル配列決定に基づくDNA配列決定システムに関する。ビーズは、これらがモノリスマルチキャピラリーアレイを通過するときに検出される。別の態様において、本発明は、核酸に結合された2つまたはそれ以上の発光標識を含むビーズに関する。さらなる態様において、該発光標識は量子ドットである。
開示されるDNA配列決定システムは、ヒト疾患の病因を決定するため、ならびにそれらの疾患を予防、診断、および治療するための手段において顕著な進歩を可能にし、このシステムは以下を含む:悪性の遺伝的基盤を同定するための、腫瘍および腫瘍サブタイプ対正常サブタイプの比較プロファイリング;正常状態および病的状態における免疫系、心臓血管系、神経系、および他の系のゲノムプロファイリング;機能ゲノム学におけるゲノム規模発現分析;病原微生物のゲノム同定および薬物耐性株の詳細なアノテーション、ならびに個々の保健医療の要素としての個々のヒトゲノムの連続的配列決定。
本明細書で使用される場合、「チャネル」は、溶質不浸透性の材料によって部分的に境界が付けられている塊を意味する。チャネルは、しばしば、液体または固体または液体懸濁液を保持するために使用される。チャネルが任意の形状であることは意図されない。しかし、好ましい態様において、チャネルは円筒形のような形状である。さらにより好ましい態様において、チャネルはキャピラリーである。
本明細書で使用される場合、「キャピラリー」は、キャピラリーがチャネルの中の材料に対して作用することを可能にするために十分に小さな寸法のチャネルを意味する。他の好ましい態様において、チャネルは、透明である材料で作られる。キャピラリーアレイまたはマルチキャピラリーアレイは、2つまたはそれ以上のキャピラリーの群である。例は図9および10に提供される。チューブ中の液体の気体-液体界面と、その界面におけるチューブの壁の内部表面の間の接着性分子間力が、気体-液体界面と、その界面の下の液体の間の粘着性分子間力を超えるときに、キャピラリー作用または毛管現象またはキャピラリー運動は起こる。これらの状況下では、チューブはその中の液体を移動させる傾向があり、その結果、その中の気体は置き換えられる。このチューブは、典型的には、毛細管といわれる。
本明細書で使用される場合、材料に関連する「透明な」という用語は、電磁放射、好ましくは、しかし非限定的に、可視光がそこを通って通過できる材料を意味する。透明チャネルは、チャネルが照射される必要がある程度まで、またはチャネルがその一部であるデバイスの適切な機能のために、検出器まで光を通過させかつ光を発光させる必要がある程度までの透明を意味することが意図される。透明であるプラスチックまたはガラスなどの材料に関して、すべての電磁放射がその材料を通過することを意図するのではない。例えば、特定の可視波長をフィルタリング、反射、または吸収する材料はなお透明であると見なされる。
本明細書で使用される場合、「ビーズ」は、好ましくは5センチメートル未満、および300ナノメートルより大きな面積の表面を有する材料を意味する。好ましくは、ビーズは、実質的に球形である。ビーズはまた、棒または立方体の形状でもあり得るが、ビーズはこれらの形状に限定されることが意図されるわけではない。好ましくは、ビーズは、ビーズが懸濁される液体中で、溶解に対して安定である材料で作られる。好ましくは、ビーズは、ポリマーまたは金属またはその組み合わせで作られるが、ビーズがこれらの材料に限定されることが意図されるわけではない。ビーズの外部表面はその内部の化学構成から化学的に変化されてもよいことが意図される。ビーズの外部は、ビーズそれ自体の化学構成の一部ではない材料を含む細孔を有してもよいこともまた意図される。Reigler et al. Analytical and Bioanalytical Chemistry 384(3): 645-650 (2006)は、異なる型のナノ結晶で膨潤させたポリスチレンビーズをいかにして製造するかを含む、蛍光多重化のためのコードポリマービーズを議論している。
好ましい小さなビーズからのDNAの物理的分離は、電極対の間の電場にDNA-ビーズ混合物を配置することによって容易に行われ、DNAはビーズよりも一方の電極により速く移動するように作製することができ、従って、明確な分離をもたらす。
ある態様において、本発明は、電極電位を使用してビーズを移動させることに関する。カルボキシル官能基化された、量子ドットでドープ処理した500nmポリスチレンジビニルベンゼンビーズ(CrystalPlex Plex)は、電極を使用することによってキャピラリーチャネル中で移動できることが発見された。アミン官能基化ビーズなどの他の荷電ビーズもまた電場中で移動されてもよいことが意図される。
本明細書で使用される場合、「固体支持体」という用語は、抗体、抗原、および他の試験成分などの試薬が結合された任意の固体または固定された材料に関して使用される。例えば、ELISA法において、マイクロタイタープレートのウェルが固体支持体を提供する。固体支持体の他の例には、顕微鏡スライド、カバーガラス、ビーズ、粒子、細胞培養フラスコ、およびその上に、任意の他の適切な物品が含まれる。
本明細書で使用される場合、「ウェル」という用語は、液体を保持するための容器またはリザーバーを意味する。ウェルが任意の特定の形状に限定されることは意図されない。
「標識」は、その特性によってバックグラウンドから検出可能な組成物であり、非限定的に、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、および化学的なものを含む。例えば、有用な標識には、緑色、黄色、赤色、または青色蛍光タンパク質などの蛍光タンパク質、32P、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて一般的に使用されるような試薬)、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはその抗血清もしくはモノクローナル抗体が入手可能であるハプテンおよびタンパク質が含まれる。
「異なる濃度」という用語は、ビーズ中またはビーズ上の標識およびマーカーに関して、ビーズあたりの標識の量を意味する。
発光は、特定の材料が、所定の波長の電磁エネルギーを吸収可能に、および異なる波長で発光可能にする、その特定の材料の特性である。例には、蛍光、生物発光、およびリン光が含まれる。発光は、化学的もしくは生化学的変化、電気エネルギー、亜原子運動、結晶中での反応、または他の、一般的には、非熱的な、原子系の電子状態によって引き起こすことができる。「蛍光標識」または「マーカー」は、分子構築物であり、光発光が可能であり、別の材料、物質、または分子に、共有結合的に、一般的には、リンカーを通して、またはイオン結合、ファンデルワールス力、水素結合、または任意の物理的な空間的な拘束を通してのいずれかで、結合される。好ましくは、発光標識またはマーカーは、蛍光色素、または量子ドット、またはその両方において典型的に見い出されるような、芳香族性を有する分子、または高度にコンジュゲートされた二重結合を有する分子である。
本明細書で使用される場合、「発光電磁コード」または「スペクトルコード」は、個々に区別可能な電磁放射の波長の検出可能なコレクション、および発光によりもたらされる対応する区別可能な個々の強度を意味する。好ましい態様において、発光電磁コードは、可視領域、すなわち、視覚色のグラデーションの中にある。実施例2は、スペクトルコードを有するビーズの作製を記載し、図4は、3つより多くの個別の視覚色を有するビーズの作製を図示する。「独特な発光電磁コード」は、特異的発光電磁コードを意味する。
「取り外し可能な発光マーカー」は、特定の条件への曝露の際に脱離される発光マーカーである。ヌクレオチドに結合された取り外し可能な発光マーカーの例は図11に提供される。例示的なマーカーは、Seo et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2005; 102(17): 5926-5931(図12)において提供されるように調製できる(または適切に修飾できる)。これらのヌクレオチドが固相ポリメラーゼ反応において伸長しているDNA鎖に取り込まれた後、レーザー照射(約355nm)を使用してフルオロフォアを切断してもよい。
本明細書で使用される場合、「ライゲーションする」という用語は、核酸およびヌクレオチドに関連して、1つのヌクレオチドの3'ヒドロキシルと別のヌクレオチドの5'リン酸の間の共有結合的なホスホジエステル結合を作製することによって、2つまたはそれ以上の核酸、ヌクレオチド、またはその組み合わせを結合するプロセスを意味する。これはDNAリガーゼの作用に限定されることは意図されす、これには、DNAポリメラーゼの作用もまた含まれる。
本明細書で使用される場合、「結合パートナー」という用語は、相互作用が、独立して作用して一方または両方の分子の物理的、化学的、または生物学的特性を変化させるように、互いと物理的に相互作用可能であるか、またはこれと相互作用可能であると疑われる2つの分子(例えば、タンパク質)をいう。本明細書で使用される場合、「第1の結合パートナー」および「第2の結合パートナー」という用語は、互いと物理的に相互作用可能であり、またはこれと相互作用可能であると疑われる2つの分子種をいう。「特異的結合」および「特異的に結合する」という用語は、抗体と抗原の間の相互作用に関連して使用される場合、抗原上の特定の構造(すなわち、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存する相互作用を説明する。換言すれば、抗体は、一般的にすべてのタンパク質に結合する(すなわち、非特異的結合)よりはむしろ、抗原に対して独特なタンパク質構造を認識しかつこれに結合する。
本明細書で使用される場合、「表現型」は、観察可能な、生物の物理的または生化学的特徴、例えば、非限定的に、環境因子の下での疾患の発症を意味する。遺伝子の構成は疾患の発症に影響を与えると考えられている。例えば、PTPN22(protein tyrosine phosphatase, non-receptor type 22)遺伝子の一塩基変異多型、1858C/Tは、多くの自己免疫疾患と関連することが見い出されてきた。1型糖尿病感受性は、染色体10p11-q11上の遺伝子座(暫定的にIDDM10と名付けられた)に相関すると考えられている;鎌状赤血球貧血は、染色体11p15.4上に見い出されるヘモグロビンβ遺伝子(HBB)の点変異によって引き起こされる;APOE ε4対立遺伝子は、遅発型アルツハイマー病に対する感受性に対応する(Saunders, A.M. et al. (1993) NeuroBiol. 43, 1467-72);第V因子1691G_A対立遺伝子(FV Leiden)は、遺伝性深部静脈血栓に関与している(Corder, E.H. et al. (1994) Nat. Genet. 7, 180-4)およびいくつかの型のシトクロムp450(CYP)遺伝子は薬物代謝に影響を与える(van der Weide, J. and Steijn, L.S. (1999) Ann. Clin. Biochem. 36, 722-9, Tanaka, E. (1999) Update: J. Clin. Pharm. Ther. 24, 323-9)。
「被験体」は、任意の動物、好ましくは、ヒト患者、家畜、または飼育されているペットを意味する。
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原決定基に特異的に結合し、それらの産生を刺激した抗原決定基と同一であるか、または構造的に関連しているタンパク質に特異的に結合する任意の免疫グロブリンをいう。従って、抗体は、それらの産生を刺激した抗原を検出するためのアッセイにおいて有用である。モノクローナル抗体は、Bリンパ球(すなわち、B細胞)の単一クローンに由来し、一般的には、構造および抗原特異性が均質である。ポリクローナル抗体は、抗体産生細胞の多くの異なるクローンから生じ、従って、それらの構造およびエピトープ特異性が不均一であるが、これらはすべて同じ抗原を認識する。ある態様において、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体は粗調製物として使用されるのに対して、好ましい態様において、これらの抗体は精製される。例えば、ある態様において、粗抗血清に含まれるポリクローナル抗体が使用される。また、「抗体」という用語は、これが抗原との結合パートナーとして働くことが可能である場合に限り、化学結合によって、または組換え融合産物として別の置換基と合わせられるか否かに関わらず、任意の免疫グロブリン(例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDなど)またはそのフラグメントを含むことが意図される。このような抗体は、任意の供給源(例えば、ヒト、齧歯類、非ヒト霊長類、ウサギ、ヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジなど)から得られてもよい。
本明細書で使用される場合、「抗原」という用語は、抗体によって認識されることが可能である任意の物質に関して使用される。この用語は、任意の抗原および「免疫原」(すなわち、抗体の形成を誘導する物質)を含むことが意図される。従って、免疫原性反応において、抗体は、抗原または抗原の部分の存在に応答して産生される。「抗原」および「免疫原」という用語は、個々の高分子または抗原性高分子の同種もしくは異種の集団をいうために使用される。抗原および免疫原という用語は、1つまたは複数のエピトープを含むタンパク質分子またはタンパク質分子の部分を含むことが意図される。多くの場合において、抗原もまた免疫原であり、従って、「抗原」という用語は、しばしば、「免疫原」という用語と交換可能に使用される。ある好ましい態様において、免疫原性物質は、免疫した動物の血清中の適切な抗体の存在を検出するためのアッセイにおいて抗原として使用される。
「抗原決定基」および「エピトープ」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の抗体可変領域と接触する抗原の部分をいう。タンパク質またはタンパク質のフラグメント(または部分)が宿主動物を免疫するために使用される場合、タンパク質の多数の領域が、特定の領域またはタンパク質上の三次元構造(これらの領域および/または構造は「抗原決定基」といわれる)に特異的に結合する抗体の産生を誘導するようである。ある設定において、抗原決定基は、抗体への結合について無傷の抗原(すなわち、免疫応答を誘発するために使用される「免疫原」)と競合する。
本明細書で使用される場合、「ELISA」という用語は、酵素結合免疫吸着アッセイ(またはEIA)をいう。多数のELISA法および応用が当該分野において公知であり、多くの文献において記載されている(例えば、Crowther「Enzyme-Linked Immunosorbent Assay (ELISA)」Molecular Biomethods Handbook所収、Rapley et al. [編] pp. 595-617, Humana Press, Inc., Totowa, N.J. [1998]; Harlow and Lane (編), Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press [1988]; Ausubel et al. (編), Current Protocols in Molecular Biology, Ch. 11, John Wiley & Sons, Inc., New York [1994]を参照されたい)。加えて、多数の市販のELISA試験系が存在している。
本発明において使用されるELISA法の1つは、「直接ELISA」であり、ここでは、試料中の抗原が検出される。直接ELISAの1つの態様において、抗原に特異的な酵素コンジュゲート抗体を使用して、抗原が直接的にその上で検出されることを可能にするような様式で、抗原が支持構造に固定化されるような条件下で、その抗原を含む試料は、支持構造(例えば、ビーズ)に曝露される。酵素によって触媒される反応の、検出される生成物は、固定化抗原の存在、ならびにそれが結合される支持構造を示す。
代替的な態様において、抗原に特異的な抗体は、試料中で検出される。この態様において、抗体が支持構造上に固定されるような条件下で、抗体を含む試料は支持構造(例えば、ビーズ)に曝露される。抗原特異的抗体は、続いて、精製抗原および抗原に特異的な酵素コンジュゲート抗体を使用して検出される。
代替的な態様において、「間接ELISA」が使用される。1つの態様において、抗原(または抗体)は、直接ELISAと同様に固体支持体(例えば、ビーズ)に固定化されるが、最初に抗原特異的抗体(または抗原)を加えること、続いて、当業者に公知である種々の製造業者(例えば、Santa Cruz Biotechnology; Zymed; およびPharmingen/Transduction Laboratories)から利用可能である、「種特異的」抗体としてもまた知られる、特異的に抗原を結合する抗体に特異的な検出抗体(例えば、ヤギ抗ウサギ抗体)の添加によって間接的に検出される。
本明細書で使用される場合、「捕捉抗体」という用語は、抗原の検出の前に、試料中の抗原を結合する(すなわち、捕捉する)ためにサンドイッチELISAにおいて使用される抗体をいう。本発明の1つの態様において、ビオチン化捕捉抗体は、アビジンコーティングした固体支持体とともに使用される。次いで、別の抗体(すなわち、検出抗体)が、抗原-抗体複合体を結合および検出するために使用され、実際上、抗体-抗原-抗体から構成される「サンドイッチ」を形成する(すなわち、サンドイッチELISA)。
本明細書で使用される場合、「検出抗体」は、適切な基質の添加後に、着色または蛍光反応生成物を生じる、可視化または定量のための手段、典型的には、コンジュゲート酵素部分を有する。ELISAにおいて検出抗体とともに一般的に使用されるコンジュゲート酵素には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコアミラーゼ、およびβ-ガラクトシダーゼが含まれる。ある態様において、検出抗体は抗種抗体である。または、検出抗体は、ビオチン、蛍光マーカー、または放射性同位元素などの標識とともに調製され、この標識を使用して、検出および/または定量される。
「電荷結合素子」または「CCD」は、連結された、または結合された、感光性キャパシタのアレイを備えた集積回路からなる画像センサである。好ましくは、光ダイオードが、光を装置のための電子信号に変換する。
「二色性ミラー」は、他の色を通過させながら、一定の範囲の色の光を選択的に反射させるために使用される色フィルターである。
本明細書で使用される場合、「対象」とは、ものを意味する。
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」は、複素環塩基、糖、および1つまたは複数のリン酸基からなる化学化合物である。好ましくは、塩基ヌクレオチドはプリンまたはピリミジンの誘導体であり、糖はペントース(5炭糖)デオキシリボースまたはリボースである。ヌクレオチドは核酸のモノマーであり、一緒に結合する3つまたはそれ以上のヌクレオチドとともに「ヌクレオチド配列」を形成する。核酸は、二本鎖または一本鎖であり得る。「ポリヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、約100ヌクレオチド長よりも長い配列を含む核酸である。「オリゴヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、短いポリヌクレオチド、またはポリヌクレオチドの一部である。オリゴヌクレオチドは、典型的には、約2〜約100塩基の配列を含む。「オリゴ」という語句は、「オリゴヌクレオチド」という語句の代わりに時折使用される。
核酸配列は、核酸ホスホジエステル結合が、置換基モノヌクレオチドのペントース環の5'炭素および3'炭素に存在するので、「5'末端」(5'端)および「3'末端」(3'端)を有するといわれる。新たな結合が5'炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端はその5'末端ヌクレオチドである。新たな結合が3'炭素に対してであるポリヌクレオチドの末端はその3'末端ヌクレオチドである。末端ヌクレオチドは、本明細書で使用される場合、3'末端または5'末端の末端位置におけるヌクレオチドである。
特定の態様において、「独特の配列」の核酸がビーズに結合される。このことは、核酸配列が重複する同一のヌクレオチド塩基を含むことを意味する。重複する同一のヌクレオチド塩基は、所望のハイブリダイゼーション標的配列に対応することが好ましい。
ハイブリダイゼーションは、相補性塩基の水素結合により、別の一本鎖核酸またはヌクレオチドのいずれかと、一本鎖核酸が一緒になること(アニーリング)を意味する。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、核酸鎖間の結合の強度)は、当該分野において周知である多くの要因によって影響を受け、これらの要因には、それぞれのヌクレオチド配列の相補性の程度、塩濃度などの条件のストリンジェンシー、形成されたハイブリッドのTm(融解温度)、他の成分の存在(例えば、ポリエチレングリコールの存在または非存在)、ハイブリダイズする鎖のモル濃度、および核酸鎖のG:C含量が含まれる。
本明細書で使用される場合、「プライマー」という用語は、天然に存在するか(例えば、精製制限消化物においてのように)または合成的に製造されるかに関わらず、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下(すなわち、ヌクレオチド、DNAポリメラーゼなどの誘導剤の存在下、ならびに温度およびpHの適切な条件下)に置かれたときに、核酸合成の開始点として作用可能であるオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは、好ましくは、増幅の最大効率のために一本鎖であるが、または二本鎖であってもよい。二本鎖である場合、プライマーは、伸長産物を調製するために使用される前に、最初に、その鎖を分離するように処理する。好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、誘導剤の存在下で、伸長産物の合成を開始するために十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源、および使用する方法を含む多くの要因に依存する。核酸配列の末端において、所望のヌクレオチド配列を人工的に挿入するために、プライマーをPCRにおいて使用できることもまた意図される(下記を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「相補的」または「相補性」という用語は、塩基対形成規則によって言及されるヌクレオチドの配列に関連して使用される。例えば、配列5'「A-G-T」3'は、配列3'「T-C-A」5'に相補的である。相補性は「部分的」であってもよく、ここでは、ある核酸塩基のみが、塩基対形成規則に従って一致する。または、核酸間で「完全な」または「全体的な」相補性が存在してもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に有意な効果を有する。このことは、核酸のハイブリダイゼーションに依存する増幅反応において、ならびに検出方法のために、特に重要である。
本明細書で使用される場合、「ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)」という用語は、これらのすべてが参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,683,195号、同第4,889,818号、および同第4,683,202号に記載される方法をいう。これらの特許は、クローニングまたは精製なしで、ゲノムDNAの混合物中の標的配列のセグメントの濃度を増加させるための方法を記載している。標的配列を増幅するためのこのプロセスは、所望の標的配列を含むDNA混合物に、大過剰の2種のオリゴヌクレオチドプライマーを導入する工程、続いて、DNAポリメラーゼ(例えば、Taq)の存在下での正確な順番の熱サイクリング工程からなる。これらの2種のプライマーは、二本鎖の標的配列のそれらのそれぞれの鎖に相補的である。増幅をもたらすために、混合物は変性され、次いで、プライマーは、標的分子内のそれらの相補配列にアニーリングされる。アニーリング後、プライマーは、相補鎖の新たな対を形成するためにポリメラーゼを用いて伸長される。変性、プライマーアニーリング、およびポリメラーゼ伸長の工程は、多数回反復され(すなわち、変性、アニーリング、および伸長が1「サイクル」を構成し;多数回の「サイクル」が存在し得る)、高濃度の所望の標的配列の増幅セグメントを得ることができる。所望の標的配列の増幅セグメントの長さは制御可能なパラメーターであり、互いに関するプライマーの相対的位置によって決定される。プロセスの反復する局面により、この方法は「ポリメラーゼ連鎖反応」(本明細書以後では「PCR」)といわれる。標的配列の所望の増幅セグメントが、混合物中で優勢な(濃度に関して)配列になるので、これらは「PCR増幅された」といわれる。
PCRを用いると、いくつかの異なる方法論(すなわち、標識プローブを用いるハイブリダイゼーション;ビオチン化プライマーの取り込み、その後のアビジン-酵素コンジュゲート検出;増幅セグメントへの32P標識デオキシヌクレオチド三リン酸、例えば、dCTPまたはdATPの取り込み)によって検出可能なレベルまで、ゲノムDNA中の単一コピーの特定の標的配列を増幅することが可能である。ゲノムDNAに加えて、任意のオリゴヌクレオチド配列が、適切なプライマー分子のセットを用いて増幅できる。特に、PCRプロセスそれ自体によって作製される増幅セグメントは、引き続くPCR増幅のためにそれら自体が効率的な鋳型である。
「単離された」という用語は、核酸に関して、「単離されたオリゴヌクレオチド」または「単離されたポリヌクレオチド」におけるように使用される場合、その供給源の中では通常はそれと結合している少なくとも1種の夾雑物から同定および分離されている核酸をいう。従って、単離された核酸は、天然で見い出されるものとは異なる型または状況で存在している。対照的に、単離されていない核酸(例えば、DNAおよびRNA)は、それらが天然で存在する状態で見い出される。例えば、所定のDNA配列(例えば、遺伝子)は、隣接する遺伝子に近接した宿主細胞染色体上で見い出され;RNA配列(例えば、特定のタンパク質をコードしている特定のmRNA配列)は、数多くのタンパク質をコードする多数の他のmRNAを有する混合物として、細胞中で見い出される。単離された核酸またはオリゴヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖の型で存在し得る。単離された核酸またはオリゴヌクレオチドがタンパク質を発現するために利用される場合、このオリゴヌクレオチドは、最小限、センスまたはコード鎖(すなわち、オリゴヌクレオチドは一本鎖であり得る)を含むが、センス鎖とアンチセンス鎖の両方を含んでもよい(すなわち、オリゴヌクレオチドは二本鎖であり得る)。
核酸配列決定法
DNA配列決定法は、一般的には、Metzker, Genome Res., December 1, 2005; 15(12): 1767 - 1776およびShendure et al., Nature Reviews Genetics 5, 335-344 (2004)において記載されている。サンガー配列決定法またはチェーンターミネーションまたはジデオキシ法は、通常のヌクレオチドと混合した、希釈濃度の個々のジデオキシヌクレオチドを含む、4つの異なる反応で様々な長さのDNA鎖を合成するために酵素的手法を使用する技術である。DNA複製は、4種のジデオキシヌクレオチド塩基の1つによって占められる位置において停止し、一定の分布のヌクレオチドフラグメントを生じる。なぜなら、通常のヌクレオチドは適切に取り込まれるからである。非天然ddNTPターミネーターは、デオキシリボース分子の3'位置においてOHがHで置き換えられており、DNAポリメラーゼ活性を不可逆的に停止する。得られたフラグメントの長さを決定し、最終的な配列を解読する。デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)フラグメントの電気泳動的分離は、一塩基分解能で行われる。
従来的なプロトコールを用いて配列決定することが困難であると判明した領域は、変異誘発技術を通して達成可能にできる。微細加工技術を使用することによって、DNA増幅、精製、および配列決定を統合するデバイスを作製することができる。例えば、384ウェルキャピラリー電気泳動配列決定のための微細加工した円形ウェファが使用されてもよい。反応物は外周部に注入され、中心に向かって泳動され、ここで、回転共焦点蛍光スキャナーが検出を実行する。別の例において、一本鎖ポリヌクレオチドは、溶血素ナノ細孔を通して一列で通過させ、ナノ細孔中のポリヌクレオチドの存在は、ベースラインイオン電流の一過性の障壁として検出される。
ハイブリダイゼーションによる配列決定(sequencing by hybridization)(SBH)において、差示的ハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチドプローブが、標的DNA配列を解読するために使用される。Cutler, D. J. et al. High-throughput variation detection and genotyping using microarrays. Genome Res. 11, 1913-1925 (2001)に記載されるように、所定の塩基を再配列決定するために、4つの特徴がマイクロアレイ上に存在し、各々は、照会位置(25bpオリゴヌクレオチドの中心の塩基)における異なるヌクレオチド以外は同一である。各塩基における遺伝子型決定データは、4つの特徴の各々のセットへのゲノムDNAの差示的ハイブリダイゼーションを通して得られる。
1つの例において、配列決定されるDNAは、ビーズなどの基材、メンブレン、またはカバーガラス上に固定化される。次いで、短いプローブオリゴヌクレオチド(例えば、7bpオリゴヌクレオチド)との連続的なハイブリダイゼーションを実行する。特異的プローブが標的DNAに結合する場合、これらは未知の配列を推測するために使用することができる。別の例において、所定の塩基を再配列決定するために、4つの特徴がマイクロアレイ上に存在し、各々は、照会位置(25bpオリゴヌクレオチドの中心の塩基)における異なるヌクレオチド以外は同一である。各塩基における遺伝子型決定データは、4つの特徴の各々のセットへのゲノムDNAの差示的ハイブリダイゼーションを通して得られる。固定化オリゴヌクレオチドプローブのアレイは、試料DNAにハイブリダイズされる。平方単位あたりのオリゴヌクレオチド‘特徴’を提供し、各々の特徴は、規定された25bpオリゴヌクレオチドの複数コピーからなる。再配列決定される参照ゲノムの各塩基対について、ビーズ上に4つの特徴が存在する。これらの4つの特徴の中央の塩基対はA、C、G、またはTである。可変性の中央の塩基を取り囲む配列は、4つすべての特徴について同一であり、参照配列と一致する。標識された試料DNAをビーズにハイブリダイズさせること、および4つの特徴のどれが、参照配列中の各塩基対にとって最も強いシグナルを生じるかを決定することによって、DNA試料は、迅速に再配列決定することができる。データ収集法は、プローブ配列のアレイにハイブリダイズされる標識標的DNAによって発光される蛍光を走査する工程を含む。
サイクルアレイ法は、一般的に、複数サイクルの空間的に分けられたオリゴヌクレオチド特徴のアレイの酵素的操作を含む。各サイクルは、1個または数個の塩基を照会するが、数兆もの特徴が並行して処理される。アレイ特徴は、順番にまたはランダムに分散させることができる。非電気泳動的なサイクル配列決定法が意図される。
ピロ配列決定法は、一連の酵素反応によって可視光に比例的に転換される、無機ピロリン酸の遊離を測定する。DNA合成を終結させるために3'修飾dNTPを使用する他の配列決定アプローチとは異なり、ピロ配列決定アッセイは、限定量のdNTPの単回添加によって、DNAポリメラーゼを操作する。相補的dNTPの添加に際して、DNAポリメラーゼはプライマーを伸長し、非相補的塩基に遭遇したときに停止する。DNA合成は、分配サイクルにおける次の相補的dNTPの添加後に再開される。酵素カスケードによって生成される光は、ピログラムと呼ばれる一連のピークとして記録される。連続の順番は取り込まれた相補的dNTPの順番に対応し、根底にあるDNA配列を明らかにする。
蛍光インサイチュー配列決定(FISSEQ)と呼ばれる方法は、還元剤で効率的に切断されるジスルフィド架橋、または蛍光標識されたdNTPを有する光切断可能/分解可能な基のいずれかを含むリンカーを使用する。切断可能なリンカーは、DNAポリメラーゼによる取り込み後に、かさ高い蛍光基の除去を可能にする(図11)。
FISSEQとピロ配列決定の両方において、配列決定反応を通しての進行は、増幅される、プライミングされる鋳型のアレイへの、段階的な(すなわち、サイクル的な)、ポリメラーゼによって駆動される、単一型のヌクレオチドの付加によって外部的に制御される。ピロ配列決定法などの単一ヌクレオチド付加(SNA)法は、DNA合成を中断させるために、限定量の個々の天然のdNTPを使用し、これは、サンガー法とは異なり、天然のヌクレオチドの添加で再開することができる。所定のdNTPの量を限定することは、より高濃度で観察される誤取り込み効果を最小化するために必要とされる。
両方の場合において、ヌクレオチド伸長の反復サイクルは、個々のアレイ特徴の配列を進行的に推測するために使用される(多くのサイクルの過程にわたって伸長/非伸長のパターンに基づいて)。ピロ配列決定は、ルシフェラーゼベースのピロリン酸遊離のリアルタイムモニタリングを通して伸長を検出し得る。FISSEQにおいて、伸長は、デオキシヌクレオチドに結合された蛍光基を使用することによって、オフラインで(リアルタイムではなく)検出される。
配列決定の別の方法は、ポリメラーゼ伸長のサイクルに基づかないが、代わりに、制限消化およびライゲーションのサイクルに基づく。すべての可能な突出を含むアダプターの混合物が、完全に相補的な突出を有するもののみがライゲーションされるように、標的配列にアニールされる。256種類の各々のアダプターは独特な標識、Fnを有し、これは、ライゲーション後に検出され得る。鋳型突出の配列はアダプター標識によって同定され、これは、鋳型突出を示す。次のサイクルは、鋳型の次の4塩基を露出させるために、BbvIで切断することによって開始される。
蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)(細胞の代わりにビーズを単離するために使用される)が、cDNAをロードした蛍光標識ビースを単離した後、cDNAはDpnIIで切断され、4塩基突出を露出し、次いで、これは、フィルイン反応によって3塩基突出に転換される。BbvI認識部位を含む蛍光標識(F)開始アダプターは、別々の反応においてcDNAにライゲーションされ、その後、ビーズはキャピラリーアレイにロードされる。次いで、cDNAはBbvIで切断され、コード化アダプターはハイブリダイズされ、ライゲーションされる。標識デコーダープローブは、コード化アダプターのデコーダー結合部位に別々にハイブリダイズされ、各ハイブリダイゼーション後、ビーズアレイの画像が、その後の分析および塩基の同定のために撮影される。次いで、コード化アダプターはBbvIで処理され、これは、内部のcDNAを切断し、ライゲーションおよび切断の次のサイクルのために4つの新たな塩基を露出させる。シグネチャデータを収集するために、ビーズは、ライゲーション、プロービング、および蛍光コードによる切断の連続サイクルを通して追跡される。
ある態様において、本発明は、単離された増幅に関する。増幅後、配列決定される特徴は、同一のDNA分子の数千から数百万までのコピーを含み得るが、特徴は空間的に区別可能であり得る。増幅は、検出のために十分なシグナルを達成するように行われる。
クローン増幅のための方法は、一般的にサイクル配列決定のための方法から独立しているが、異なる経路が使用されてもよい。1つの方法において、増幅は、複数のピコリットル量PCR反応を同時に実施することによって行われる。別の例において、PCRがアクリルアミドゲル中でインサイチューで実施されるポロニー(polony)技術を使用してもよい。アクリルアミドはDNAの拡散を制限するので、反応に含まれる各単一の分子は、空間的に別個のミクロンスケールのDNAのコロニー(ポロニー)を生じ、これは、独立して配列決定することができる。大量並行シグネチャ配列決定(MPSS)のために、ライブラリー中の各単一のDNA分子は、独特なオリゴヌクレオチドタグで標識されている。ライブラリー混合物のPCR増幅後、捕捉ビーズ(各ビーズは独特なオリゴヌクレオチドタグの1つに対して相補的なオリゴヌクレオチドを有する)が使用されて、同一のPCR産物を分離する。
クローン増幅は、ビーズ、エマルジョン、増幅、および磁気特性を使用して達成されてもよい。例えば、油-水エマルジョンは、標準的なPCR反応を数百万の単離されたマイクロリアクターにパース(parse)し、磁気ビーズは、個々の区画において生じるクローン増幅産物を捕捉するために使用される。
ある態様において、本発明は、可逆的ターミネーター、すなわち、ポリメラーゼ伸長を終結するヌクレオチドの使用(例えば、3'-ヒドロキシル基の修飾を通して)に関するが、しかしこれは、終結が化学的にまたは酵素的に逆転されることを可能にするやり方である。サイクル可逆的終結(CRT)は、DNA合成を終結させるヌクレオチドに結合された保護基を含む可逆的ターミネーターを使用する。可逆的ターミネーターについて、保護基の除去は、天然のヌクレオチド基質を回復し、可逆的終結ヌクレオチドの引き続く添加を可能にする。可逆的ターミネーターの1つの例は3'-O-保護ヌクレオチドであるが、保護基は同様にヌクレオチドの他の部位に結合させることができる。カップリングと脱保護の間でサイクルを行う、この段階的塩基付加アプローチは、オリゴヌクレオチドの自動化DNA合成の多くの段階を模倣する。可逆的ターミネーターは4つすべてのdNTPの同時使用を提供する(異なるフルオロフォアで標識される)。
ある態様において、本発明は、増幅工程を省くように試みるサイクルアレイ法に関する。ある方法は、蛍光標識されたヌクレオチドを用いた、ポリメラーゼによる、プライミングされたDNA鋳型の伸長を含む。他の態様において、ホモポリマー配列を解読することは、各伸長工程を単一取り込みに限定することによって達成される。可逆的ターミネーターは、単一分子検出のために標準的光学を使用して、十分なシグナル対ノイズ比を単一分子検出に提供する。配列情報は、ナノ製造ゼロモード導波管を通したヌクレオチド取り込み事象のシグナル対ノイズ比およびリアルタイム検出を改善するための、連続的一塩基伸長を使用する単一DNA分子から、および蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の使用から、得ることができる。ゼロモード導波管における反応を実行することによって、DNAポリメラーゼ活性部位中の蛍光ヌクレオチドが検出される10ゼプトリットル(10-21リットル)のオーダーの有効観察体積がもたらされる。
別の態様において、本発明は、ナノ細孔配列決定を使用する単一分子アプローチに関する。DNAがナノ細孔を通過するにつれて、異なる塩基対が様々な程度まで細孔をふさぎ、細孔の電気伝導度の変動を生じる。細孔の伝導度は測定することができ、DNA配列を推測するために使用することができる。操作されたDNAポリメラーゼまたは蛍光ヌクレオチドは、その天然のペースでDNAを合成しながら、リアルタイムの塩基特異的シグナルを提供する。
ある態様において、本発明は、各々がもともとのDNA分子の配列の数千コピーを含む、単一の磁気ビーズ上への単一の核酸の複製に関する。次いで、集団中の変種DNA分子の数は、蛍光プローブを用いてビーズを染色すること、およびフローサイトメトリーを使用することによってそれらを計数することによって評価することができる。特定の変種を提示するビーズは、フローソーティングを通して回収し、引き続く確認および実験のために使用することができる。
配列決定の別の方法は、緑色蛍光タンパク質(GFP)などのフルオロフォアで標識し、および参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,982,146号に提供されるような個々の分子を検出可能である顕微鏡の視野のチャンバー中で、アニールしたオリゴヌクレオチドプライマーと合わせた、操作したDNAポリメラーゼを利用する。各々が異なる蛍光色素で塩基上で標識された、4種のヌクレオチド三リン酸が、反応に導入される。特定波長の光がポリメラーゼ上のフルオロフォアを励起するために使用され、これは次には、FRETによってヌクレオチド上の隣接するフルオロフォアを励起する。ヌクレオチドがプライマーに加えられるにつれて、それらのスペクトル発光は、DNA分子の配列情報を提供する。
量子ドット
量子ドットは、好ましくは、2〜10ナノメートルのオーダーの直径、またはおよそ200〜10,000個の原子を有する半導体粒子である。これらの半導体性質およびこれらのサイズ制限特性は、光電子デバイスおよび生物学的検出のために有用である。大量の半導体は、組成依存的なバンドギャップエネルギーによって特徴付けられ、これは、一般的には、バンドギャップエネルギーよりも大きな光子のエネルギーの吸収を通して、その基底状態より上のエネルギーレベルまで電子を励起させるために必要とされる最小エネルギーである。その基底状態まで戻る、励起された電子の緩和には、光子放出が付随し得る。バンドギャップエネルギーは粒子サイズに依存するので、量子ドットの光学的特性は、そのサイズを調節することによって調整することができる。
量子ドットを作製するための広範な種々の合成方法が公知であり、これには、室温における水溶液中での調製、オートクレーブにおける高温および高圧での合成、ならびに固体支持体上での気相析出が含まれる。Alivisatos, Science 271:933-937, 1996およびCrouch et al., Philos. Trans. R. Soc. Lond., Ser. A. 361:297-310, 2003。量子ドットのコロイド状懸濁液を生じる多くの合成は、それらのサイズをナノスケール内で維持するために、結晶成長を反応速度論的に制御するように機能する半導体結合剤の存在下での、熱力学的に結晶成長が好ましい条件下での半導体前駆体の導入を含む。
量子ドットのサイズ依存的な特性は、ナノ粒子が単分散されているときに最も顕著であるので、狭いサイズの分布を有する量子ドットを産生することが好ましい。硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、またはテルル化カドミウム(CdTe)から作られた単分散量子ドット(直径で<5%二乗平均平方根)のための合成方法は、Murray et al., J. Am. Chem. Soc. 115:8706-8715. 1993に記載されている。可視スペクトルに広がり得る量子ドットを生成することは公知であり、CdSeは量子ドット合成のための好ましい化学組成となってきた。多くの技術が、合成後修飾量子ドットのために可能であり、これらは、例えば、保護無機シェルを用いるコーティング、Dabbousi, et al., J. Phys. Chem. B 101 :9463-9475, 1997およびHines & Guyot-Sionnest, J. Phys. Chem.. 100:468-471, 1996、コロイドの安定性を与えるための表面修飾、Gerion, et al., J. Phys. Chem. B 105:8861-8871, 2001およびGao et al., J. Am. Chem. Soc. 125:3901-3909, 2003、ならびに生物学的に活性な分子への直接的結合、Bruchez et al., Science 281:2013-2016, 1998およびChan & Nie, Science 281 :2016-2018, 1998である。
合成のための好ましいスキームには4つの段階が含まれる:(1)高温有機溶媒中での量子ドットコア、最も頻繁には、CdSeの合成;(2)量子ドットの光学的特性を保護するために、コア上でのエピタキシャルな無機シェル(通常、硫化亜鉛、ZnS)の成長;(3)有機液相から水溶液への量子ドットの相間移動;および(4)機能性を与えるための、量子ドット表面への生物学的に活性な分子の結合、または生物学的活性を最小化するための、生物学的に不活性なポリマーの結合。
単分散量子ドットのための1つの合成手順は、高温における液体配位溶媒(liquid coordinating solvent)への半導体前駆体の添加を含む。配位溶媒は、好ましくは、トリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)およびトリオクチルホスフィン(TOP)からなり、これらは、大量の半導体の形成を妨害するために、成長の間に量子ドット表面に結合できる塩基性官能基を含む。配位リガンドからのアルキル鎖は量子ドット表面から離れて伸び、量子ドットをコロイドとして立体的に安定にし、多くの非極性溶媒中に分散可能にする。CdSeの好ましい合成において、液体TOPに溶解した、室温量子ドット前駆体、ジメチルカドミウム、およびセレン元素は、熱(290〜350℃)TOPOに迅速に注入され、量子ドット結晶の核生成がすぐに開始する。CdSeの核形成および成長は熱力学的に好ましい。なぜなら、生じる半導体の溶解度よりも十分に上の濃度で、前駆体が導入されるからである。しかし、結晶成長は、溶媒の高い粘度に起因して、モノマー拡散によって反応速度論的に制御され、そして半導体前駆体および量子ドット表面との配位溶媒の強力な結合に起因して、量子ドット表面におけるモノマーの反応速度を通してもまた制御される。注入の高い温度は、立体的な/反応速度論的障壁を克服し、前駆体の結合および核形成を可能にする。モノマー濃度の低下(多くの小さな量子ドット結晶の核形成に起因する)と組み合わせた、温度の迅速な低下は、注入後数秒以内に核形成を停止し、同様のサイズの核の上での等しくかつ均一な成長を可能にする。この核形成および成長の分離が、最終量子ドットの単分散の原因である。高温の溶媒の使用はまた、熱力学的に好ましくない格子欠陥を最小化しながら、高度に結晶性である半導体ナノ粒子を生じる。
集束点(focusing point)において、通常、結晶成長が無視できるまで温度を低下させることによって、反応をクエンチすることが所望される。この合成手順は、CdSeから構成される量子ドットのためには好ましいが、他の組成物を用いる量子ドットは配位溶媒中で合成されてもよい。この合成のバリエーションは、酸化カドミウム、ジメチルカドミウム、および酢酸カドミウムを含むがこれらに限定されない、CdSeの代わりの代替分子前駆体を使用し、TOP-Se、アルキルアミンおよびアルカン酸を含むがこれらに限定されない種々の配位リガンドと組み合わせ、そして配位溶媒は、少量の配位リガンドを含む、オクタデカンのような非配位溶媒で置き換えられてもよい。2から8nmの間の直径を有するCdSe量子ドットは、全体の可視スペクトルにわたる450〜650nmの発光波長を有する。量子ドット組成もまた調整することによって(ZnS、CdS、CdSe、CdTe、PbS、PbSe、およびそれらの合金)、波長範囲を400〜4000nmに広げることが可能である。溶媒特性および初期前駆体濃度を調整することにより、棒状およびテトラポッドのような多様な形状を有するナノ結晶がさらに生じる。
特定の波長領域のための量子ドットコアを設計するときに、最初の選択は化学組成を選択することである。なぜなら、量子ドットは、各組成について、特定の波長範囲のために好ましいからである。例えば、CdSe量子ドットは、450から650nmの間で発光するように調整され得るのに対して、CdTe量子ドットは、500から750nmまでで発光するように調整され得る。次いで、量子ドット直径は、特定の発光波長を決定するために選択され、次いで、量子ドットは、合成パラメーターを使用して、集束粒子成長を通して生成される。得られる量子ドットは配位リガンド中でコーティングされ、配位溶媒および分子前駆体の粗混合物中に懸濁される。多くの量子ドットは高度に疎水性であり、液体-液体抽出(ヘキサンおよびメタノールの混液)を通して、または、反応物および配位リガンドを溶解するが、量子ドットを溶解しない極性溶媒(メタノールまたはアセトン)からの沈殿を通してのいずれかで、反応混液から単離および精製できる。次いで、純粋なコア量子ドットは、さらなる修飾のために基質として使用される。
量子ドットは高い表面積対体積比を有するので、構成原子の大きな画分は表面に露出され、それゆえに、完全には結合されていない原子または分子軌道を有する。これらの「ぶら下がり」軌道は、TOPOなどの有機リガンドとの結合を形成し得る。このことは、内部格子構造を維持すること、および外部効果から無機表面を保護することによって、量子ドット表面を「不動態化する」ように働く電気的絶縁単層をもたらす。しかし、有機リガンドと半導体表面原子の間の結合強度は、典型的には、半導体格子の内部結合強度よりもはるかに低く、リガンドの脱離は、コアを物理的に接近可能にする。この理由のために、合成後のQD表面上に別の半導体のシェルを成長させることが好ましい。根底にあるコアよりも広いバンドギャップのシェルを使用することによって、強力な電子的絶縁がフォトルミネッセンス効率の増強を生じ、安定なシェルが分解または酸化に対する物理的な障壁を提供する。1つの例として、ZnSを有するCdSe量子ドットを不動態化するために、コアは精製されて、未反応カドミウムまたはセレニウム前駆体を除去し、次いで、配位溶媒中に再懸濁される。次いで、シェルの分子前駆体、通常は、TOPに溶解したジエチル亜鉛およびヘキサメチルジシラチアンが、高温でゆっくりと加えられる。CdSe上のZnSの成長のための温度は、その温度がエピタキシャルな結晶成長が優先されるために十分に高く、しかしZnS結晶の核形成およびCdSeコアのオストワルド成熟を妨害するために十分に低く選択される。通常、これは160〜220℃周辺の温度である。次いで、(コア)シェル(CdSe)ZnSナノ結晶が、コアと同様に精製され得る。シェルを有することが好ましいが、ある態様において、キャップを有さないCdSeコアが使用される。
量子ドット合成は、生物学的環境の中での使用がいつでもできる量子ドットを生成する水溶液中で直接的に実施されてもよい。水溶液中で可溶性の疎水性量子ドットを作製するために使用され得る2つのストラテジーには、リガンド交換、および両親媒性ポリマーを用いるコーティングが含まれるがこれらに限定されない。リガンド交換のために、TOPOコーティングされた量子ドットの懸濁液は、過剰のヘテロ二官能性リガンドを含む溶液と混合され、このリガンドは、量子ドット表面に結合する1つの官能基、および親水性である別の官能基を有する。それによって、新たな二官能性リガンドが吸着して水溶性を与えるにつれて、疎水性TOPOリガンドは、質量作用を通してQDから置き換えられる。この方法を使用して、(CdSe)ZnS QDは、メルカプト酢酸および(3-メルカプトプロピル)トリメトキシシランでコーティングされてもよく、これらの両方は、量子ドット表面原子に結合するための塩基性チオール基を含み、カルボン酸およびシランモノマーを示す量子ドットを生じる。これらの方法は、生物学的アッセイのために有用な量子ドットを生成する。より好ましくは、表面上にネイティブなTOPO分子を保持し、両親媒性ポリマーで疎水性量子ドットを転換し得る。疎水性相互作用を通して各量子ドットをカプセル化する保護的疎水性二重層により、これらの方法は、水溶液中で分散させることができ、および長時間の間安定なままである量子ドットを生じる。量子ドットは、超遠心分離、透析、または濾過によって、生物学的アッセイにおける使用の前に、残渣のリガンドおよび過剰の両親媒性物質から精製されることが好ましい。
好ましい水可溶化方法において、量子ドットは、しばしば、カルボン酸基で覆われ、量子ドットは、中性または塩基性緩衝液中で負に荷電する。量子ドットバイオコンジュゲートを調製するために使用される好ましいスキームは、カルボン酸と生体分子の間の共有結合形成に依存する。QD表面は正味の負電荷を有するので、正に荷電した分子もまた、静電結合のために使用することができ、これは、カチオン性アビジンタンパク質、および正に荷電したペプチドと融合した組換えマルトース結合タンパク質を用いて量子ドットをコーティングするために使用されてもよい技術である。または、アミンまたはチオールなどの塩基性官能基を含む生体分子は、リガンドとして量子ドット表面と直接的に相互作用してもよい。生体分子が、直接的量子ドット結合のための基を本質的に含まない場合、生体分子はこれらの官能基を加えるために修飾されてもよい。例えば、核酸およびペプチドは、量子ドットへの結合のためにチオール基を加えるために修飾されてもよい。表面修飾はまた、高親和性ストレプトアビジン-ビオチン結合によりモジュール式になっている。量子ドット-ストレプトアビジンコンジュゲートは、広範囲のビオチン化生体分子への間接的結合のために便利である。量子ドットは、ポリエチレングリコール(PEG)などの不活性親水性ポリマーでコーティングすることができ、これは、非特異的吸着を減少するため、およびコロイド安定性を増加するために作用する。生体適合性量子ドットは、ストレプトアビジン、ビオチン、またはモノクローナル抗体のような種々の機能的生物学的分子にコンジュゲートされてもよい。
複数の量子ドットが、メソ多孔質シリカビーズ中で正確にドープ処理されてもよい。例えば、量子ドットは、トリ-n-オクチルホスフィンオキサイド(TOPO)の層でコーティングされてもよい。メソ多孔質材料は、自己集合性の界面活性剤またはポリマーなどの鋳型を生成する細孔を使用することによって合成されてもよい。好ましくは、10または32nmの細孔径を有するメソ多孔質シリカビーズ(5μm直径)は、Si-C18H37(オクタデシル、18炭素直鎖炭化水素)の単層でコーティングされる。
単色ドープ処理は、ブタノールなどの有機溶媒中で、制御量の量子ドットと多孔質ビーズを混合することによって達成されてもよい。例えば、0.5mLの4nM量子ドット溶液(クロロホルム)が、2〜5mLのブタノール中の100万個の多孔質ビーズと混合されてもよく、ビーズあたり120万個のドットのドープ処理レベルを生じる。10nm細孔ビーズについては、より延長した時間が使用されてもよい。多色ドープ処理のために、異なる色の量子ドットが、正確に制御された比率でプレミックスされてもよい。多孔質ビーズは、このプレミックス溶液のアリコートに加えられてもよい。ドープ処理ビーズは遠心分離によって単離され、エタノールで3回洗浄されてもよい。
量子ドットは一緒にクラスター化されてもよい。典型的には、これらのクラスターは、さらなるシェル、例えば、硫化亜鉛でコーティングされる。これらのクラスターはポリマーでコーティングすることができる。ポリマーの化学修飾は、生物材料および分子がポリマーコートに結合できるように、ナノ結晶の表面が修飾されることを可能にする。例えば、ポリスチレンは、ナノ結晶をコーティングするために使用することができる。ポリスチレンは水酸化され、フェノール基を形成することができる。p-ヒドロキシベンジルブロミドとのフェノール基の反応はブロミドの置換を生じ、ヒドロキシベンジル表面を提供する。ベンジルヒドロキシル基は、樹脂媒介のアミノ酸固相合成において典型的に利用されるように、所望通りに、ハロゲン化アルキルまたはアミンに転換され、およびアミノ酸に結合され得る。ビーズの外部上のアミノ酸配列は、それ自体が蛍光標識されていてもよいし、されていなくてもよい、抗体のエピトープであり得る。同様の様式で、核酸配列は、ポリマー表面にコンジュゲートされてもよい。ビーズの外部上のコンジュゲート核酸配列は、さらなるフルオロフォアを含んでもよいし、含まなくてもよい相補配列にハイブリダイズさせることができる。
テロメラーゼ
テロメラーゼは、染色体のテロメア長を維持するリボ核タンパク質である。テロメラーゼは、非悪性体細胞においては活性ではないが、大部分のヒト癌において活性化されている。テロメラーゼ活性は、とりわけ、従来的な細胞学とともに使用されるときには、癌マーカーとして使用され得る。機能的なテロメラーゼはすべてのヒトの癌の約90%に存在しているが、一般的には、良性腫瘍細胞および正常体細胞(生殖系列および幹細胞を除く)には存在していない。テロメラーゼ活性の検出は、癌を同定するための他のスクリーニング方法と比較した場合に、感度(60〜90%)および臨床的特異性(94〜100%)の最高の組み合わせを有する。
染色体の末端は、いくつかの機能を有する、テロメアと呼ばれる数千もの二本鎖(ds)TTAGGG反復からなる。正常な体細胞においては、テロメア長は、各々の細胞分裂に伴って進行的に短くなり、最終的には細胞死をもたらす。対照的に、多くの不死化細胞および癌細胞の無限の増殖は、テロメラーゼの活性に高度に依存しており、これは、それ自体のRNA成分を鋳型として使用して、TTAGGG反復を有する既存のテロメアを伸長することによって、複製テロメラーゼの損失を補償する。
テロメラーゼ活性の検出は、テロメア反復増幅プロトコール(TRAP)に基づいてもよく、これは、インビトロで、人工オリゴヌクレオチド基質、TSを認識および伸長するテロメラーゼの能力を利用し、次いで、PCRを使用して、伸長したDNA産物を増幅する。リアルタイム定量TRAP(RTQ-TRAP)は、従来的なTRAPアッセイおよびSYBRグリーンに基づくリアルタイムPCRを組み合わせる。より特異的なテロメラーゼ検出は、Amplifluor(商標)プライマーを利用するTRAPeze XL(商標)キットを使用して実証された。
リアルタイムPCRの感度を制限する1つの要因は、PCR産物に結合しないプローブの高いバックグラウンド蛍光である。キャピラリー電気泳動(CE)を用いてDNAフラグメントを分離すること、およびそれらのレーザー誘導蛍光(LIF)を検出することは、バックグラウンド蛍光を除去し、電気運動注入の間に試料のスタッキングによりPCR産物の濃縮を可能にし、従って、感度を改善する。検出閾値をさらに低下させるために、CE-LIFを単一光子検出器(SPD)と組み合わせてもよい、SPDの感度は、それらの高い量子収率および極度に低い暗計数に起因して、固有に非常に高い。加えて、SPDの電気的出力は、デジタル回路によって直接的に処理することができる。従って、シグナル増幅、記録、および処理の段階は、一般的なLIFシステムとは反対に、検出シグナルにいかなるノイズも加えない。
ドキュメントの真正性
時折、オリジナルと同一に見える印刷物、例えば、銀行証券、原稿、身分証明書、小切手、現金などのコピーを同定することが所望される。ある態様において、本発明は、窃盗または偽造に対する抑止力として、ドキュメント中に埋め込まれた1つまたは複数のセキュリティーコードまたはマークの使用に関する。これらのコードは、すかし、ホログラム、インク中の蛍光色素、バーコード、または数字コードとして現れてもよい。
本明細書で使用される場合、「ドキュメント」は、証拠または情報を与えるために使用することができる何らかのものを意味する。好ましくは、ドキュメントは、もともとの、公的な、または法律的な形式を有する、書かれたかまたは印刷された紙である;しかし、これらに限定することは意図されない。一般的には、写真、名称、住所、指紋、数字コードなどからなる身分証明ドキュメントの多くの型が存在している。例には、国民証(national identity)カード、パスポート、運転免許証、および企業のIDカード/キーが含まれる。ドキュメントの他の例には、銀行証券および現金が含まれる。
ある態様において、本発明は、ドキュメントの真正性を決定するために、色素中で使用されるビーズの発光シグネチャの使用に関する。例えば、インクは、異なる濃度の量子ドットを含む一連のビーズを含んでもよい。インクはドキュメントに適用されてもよい。紫外光への曝露による異なる量子ドットの検出は異なる色を提供し、相対的な濃度は異なる色の強度を提供する;従って、発光シグネチャまたはスペクトルは、使用するビーズおよび量子ドットに依存して作製される。
ある態様において、スペクトルコードを有するビーズが選択され、印刷プロセスの間または製造後の間のいずれかに、ドキュメントに(またはスポット光沢コートに、もしくは決定的に重要なドキュメントを物理的に保護するために使用されるプラスチックラミネートに)適用され、そのドキュメントは、蛍光リーダーを使用して、数秒以内の短時間で、真正であると容易に同定することができる。キー識別子のみがスクリーンに現れるので、コードの組成は安全なままである。この技術の変換安全性をさらに増強するために、複数の目に見えるタグは、ドキュメントに、または紙もしくはドキュメントの背面に、および/またはそのパッケージに、印刷プロセスにおいて使用されるインクを通して内部的に加えることができ、または基材それ自体に埋め込むことができる。
赤外可視インクは読み取り可能であり、または消失性であり得る。印刷したときに、これらは同じに見え得るが、赤外光下で見たときに、あるものは読み取り可能であり、そしてあるものは消失する。安全性の特徴としてこれらの2種のインクを使用する1つの例は、両方のインクを使用してバーコードを印刷することである。赤外読み取り可能なインクを用いてバーコードの実際の印刷可能な領域を印刷し、赤外消失インクであるが規則的なバーコードのように見えるインクを用いてバーコードの他の領域を印刷する。バーコードスキャナーによって読み取るとき、赤外読み取り可能なもののみがスキャナーによって読み取られる。偽造者が印刷ドキュメント上に見られるようなバーコードを通常のインクを使用して複製しようと試みるならば、バーコードは、スキャナーによって読み取られるときに拒絶される。なぜなら、スキャナーは、全体のバーコードを読み取るからである。目に見える赤外インクは、湿式または乾式オフセット印刷のために利用可能である。
光互変性インクは着色または無色であり得る。これがUV光に曝露されるとき、これは即座に色を変化させる。一旦、UV光の光源が取り外されると、これはそのもとの色に戻る。光互変性インクの独特な特性は、スキャナーまたはコピー機によって再生することはできない。ドキュメント上に光互変性インクを有するドキュメントの真正性は、日光、UV光、または他の強力な人工光への曝露によって確認することができる。このインクは、フレキソ印刷を用いる湿式または乾式オフセットであり得る。
実施例
実施例1 キャピラリー流動におけるビーズの検出
ストレプトアビジンコーティングしたポリスチレン6μmビーズは、ビオチン化抗体、続いて、対応する蛍光コンジュゲート検出抗体とのインキュベーションによって、フルオレセインを用いて標識した。沈殿なしでビーズを運ぶための媒体溶液を得るために、Applied Biosystems Polymer(Performance Optimized Polymer-4)を、PBSと1:1比率でプレミックスした。ポンプを使用して、定常速度で、25cm長の51μm IDキャピラリーを通してビーズを押し出した。
蛍光は、4mW Ar-イオンレーザーを用いて488nmで励起した。蛍光の各ピークは、レーザービームの60mm断面を通過する単一の6μmビーズに対応する(図8を参照されたい)。このシリーズにおいて検出される最小ピーク振幅は、約20,000カウント/秒のバックグラウンドレベルにおいて、約104カウント/秒であり、3より高いシグナル対ノイズ比であった。未標識ビーズを用いる実験は、これらがバックグラウンドレベルよりも上のシグナルを生じないことを示した。
実施例2 マイクロビーズのスペクトルコード化(図4)
緩衝液中で異なる発光スペクトル希釈剤を伴うD種の型の発光色素があり、該色素型の各々においてGi種のグラデーションがあると仮定する(1
<i
<D)。C通りのカラーコードを有するN個のビーズのセットを作製することが所望されていると仮定し、ここで、
である。
該コードでコード化されたN個のビーズを得るために以下を行う:
Wウェルのプレートを作製し、各ウェルプレートは、w
kウェルを含み、それゆえ
であり、ここで、
であり、およびd
jは蛍光色素の型の数であり、それゆえ
である。
a)d
1個の蛍光色素の第1のセットを取り、該蛍光セットの第1のセットのw
1個の異なる組み合わせを調製し、および第1のウェルプレートのw
1個のウェルにこの組み合わせを配置し、1つのウェルあたり1つの色素の組み合わせである;同じ手順をW回反復し、毎回d
j個の色素の異なるセットを選択し、および異なるウェルトレイを満たす。
b)第1のウェルプレートの該w
1個のウェル間にM個の無色多孔質ビーズを分配する;
c)該発光マーカーが該ビーズによって吸収されるように、該ウェルプレート中で該M個のビーズをインキュベートする(ビーズのドープ処理手順);
d)該ウェルプレートから該M個のビーズを抽出し、該d
1個の蛍光色素から該M個のビーズを分離する;
e)該抽出したM個のビーズを一緒に混合する;
f)第2のウェルプレートのw
2個のウェル間に該M個のビーズを分配する;
g)工程d)〜g)をW-2回反復する;
h)工程d)〜f)をさらに1回反復する;
i)該M個のスペクトルコード化ビーズを容器に配置する。
ビーズのドープ処理の手順が完了した後、ビーズファミリーと呼ばれるC個の別個のコードを含む溶液を得る。各ビーズファミリーに、1からCまでの標識を割り当てる。各ファミリーは多くのメンバー-同じコードを有するビーズからなる。コード化手順の間に非常に多数のビーズMが常に均一に反応ウェルの間に分配されるならば、各ファミリーはおよそK個のメンバーからなり、ここでk=M/C±√M/Cである。コード化手順後にビーズの混合物からランダムに取られた一連のビーズをLビーズと呼び、L≒M/K≒Cについてのセットにおける多数の独特なコードを見積もる。C個のピットを有し、1からCの数字によって同様に標識する。M個のビーズの全体のリザーバーから標識mを有する単一のビーズを選択するとき、同じ標識mを有するピットにこのビーズを配置する。L個のランダムに選択されたビーズが与えられると、どれくらいの数のピットが1個および1個のみのビーズを有するかを知りたくなる。L個のランダムに選択されたビーズの配置後、所定のピット中で1個および1個のみのビーズを得る確率p(C,L)を誘導するために、成功し得る各可能な方法の確率を計算し、これらの確率を合計した。大きなMおよびCについては、p(C,L)=L/N exp(-L/C)を得る。pについての最大値は、約0.36であり、これは、L=Cのときに得られる。問題はベルヌーイ問題と等価であることを仮定し、試行の数C、成功確率pでは、平均成功数 N成功=C×pであり、標準偏差
で分布する。従って、Mビーズを含む混合物から画分1/Kを取ることによって、独特に着色されたビーズの約36%を含むL=M/F=C±√C個のビーズのセットを得る。
量子ドットの中で109個の別個のスペクトルコードを作製するために、10段階の強度のグラデーションを有する9種類の別個の色を使用する。量子ドットでドープ処理したビーズによって産生される蛍光の強度は、ビーズに包埋された量子ドットの数に比例するので、強度のグラデーションを作製するために、異なる量の量子ドットでビーズをドープ処理する。隣接するグラデーションの平均強度間の距離は、標準偏差の2倍である。
大量の無色多孔質ビーズは、第1の色を有する異なる濃度の量子ドットの溶液で満たされた10個のウェル間に分配する(QD1、図4を参照されたい)。ビーズへのQD1の包埋後、10個すべてのウェルの内容物を一緒に混合する。ビーズを洗浄し、異なる濃度のQD2で満たされた10個のウェルの次のセット間に均一かつランダムに分配する。この手順を、各別個の色について反復する。
Gao & Nie Analytical Chemistry 2004, 16, 2406-2410に記載されるように、多孔質ポリスチレンビーズを量子ドットでコード化する。TOPOの層でコーティングされた、ZnS-キャップされたCdSeコアシェル量子ドットを使用する。10から30nmの間の細孔を有するポリスチレン多孔質マイクロビーズを使用する。単色量子ドットドープ処理は、ブタノール中に懸濁した多孔質ビーズに、制御量の量子ドットを注入することによって行う。この混合物は、本質的に量子ドットのみが上清溶液に残るまで攪拌する。遠心分離によってビーズを単離し、エタノールでこれらを洗浄する。
量子ドットの吸収を妨害する多孔質ビーズの中で形成する気泡を予防するために、ビーズが継続して液体環境に曝露される様式で、ビーズを抽出および洗浄することが好ましい。1つの態様において、このことは、懸濁液を希釈すること、ウェルの底にビーズを沈殿させること、溶液の一部を、例えば、ピペットを用いて溶液の上半分を吸引することによって取り除くことによって達成される。ウェルがガラスフリットなどの透過膜を含む場合、ドープ処理の間にウェル中に溶液を維持するために膜に陽圧を適用すること、次いで、吸引を適用することによって、溶液の一部を取り除くことが可能である。
加えて、抽出工程、洗浄工程、および移動工程の回数を減少させるために、各ウェル中に1色より多くの量子ドットを有するウェルを作製することが好ましい。例えば、96ウェルを有するプレートを利用でき、行方向に赤色を有する様々な濃度の量子ドットを配置し、列方向に緑色を有する様々な濃度の量子ドットを配置することが意図される。従って、ビーズが量子ドットを吸収した後に、これらは2色の指示物質を有する。2色より多くを使用できることもまた意図される。例えば、上記に記載される複数プレートは、各プレート中に様々な濃度の第3、第4、第5などの色の指示物質を有することができる。より多くの色のバリエーションを有するより多くのウェルを有することは、抽出、洗浄、組換え、および再分配の前に独特な色の濃度を有するより多くのビーズの産生を可能にする。その後、第2、第3、第4などのドープ処理を行い、さらなる多様性を提供する。
好ましい態様において、応用に依存して、ビーズ中の量子ドット色の異なる相対的濃度を利用することが所望され得ることもまた意図される。記載されるように、本発明のある態様において、各ビーズの蛍光の検出は、電磁放射の測定波長を屈折または通過する一連のミラーを使用して達成される。光強度は、光がミラーを通して屈折または通過するたびに失われる。従って、システム中のCCD検出器などの色検出器の位置に依存して、色を有する量子ドットの相対的濃度を増加させることが所望され得、ここでは、検出機器は、多くのミラーを通過するために、蛍光を必要とする位置に配置されている。例えば、ある態様において、ビーズ濃度における緑色蛍光量子ドットの濃度を増加させ、最大数のミラーを有する位置に緑色の検出のための機器を配置することが好ましく、およびビーズ濃度における赤色蛍光量子ドットの濃度を減少させ、最小数のミラーを有する位置に赤色の検出のための機器を配置することが好ましい。
実施例3 標識DNAフラグメントを用いるスペクトルコード化ビーズのスペクトル同定
システムは、光学検出サブシステム、流体サブシステム、およびデータ獲得サブシステムを備える(図5および6を参照されたい)。光学システムは以下を備える:Ar-イオンレーザー(488nm、0.5〜1W)、光学ライン発生装置(モノリスマイクロ-キャピラリーアレイの全体の断面を照射するため)、モノリスマイクロ-キャピラリーアレイのマニホールドの外側の蛍光画像を移動させるためのアレイレンズ、レーザー波長を拒否するための低域通過5 O.D.フィルター、二色性ミラーのセット(90%透明度/90%反射)、および異なる量子ドット型間のスペクトルのクロストークを最小化するための狭帯域通過フィルターを備えたCCDカメラのセット(PhotometricsからのCascade 128+)。DNA標識のために、近赤外色素を使用する。CCDカメラによって標識DNAから蛍光を検出する。5μmビーズについては、代替として、CMOSカメラ(Photonfocus AGからのMV D1024-160)を使用してもよい。
緩衝液中の、量子ドット色でコードされた一連のビーズを希釈し、キャピラリーチャネルを通してそれらを押し出す。チャネルの上端は、488nmのレーザービームによって照射する。ビーズがチャネルの上端に近づき、レーザービームを横切るとき、ビーズ中で励起された蛍光は、レーザー拒否フィルター、リレーレンズ、および二色性ミラーのシステムを通過する。蛍光画像はCCDカメラによって検出する。カラムの上端のさらなるCCDカメラは、標識DNAからの蛍光を検出する(図5におけるレーザーの近くの第1の二色性ミラーを参照されたい)。すべてのCCDカメラは単一のボードコンピュータ、CCDコンピュータに接続されており、これは、すべてのCCDカメラのフレームが同調し、ビーズによって発光されたすべての色が同時に検出されるように、CCDカメラに同調シグナルを伝達する。色画像は記録し、獲得したデータは、さらなる処理分析および保存のために、コンピュータプロセッサに伝達する。
データの獲得
各CCDカメラは、それに接続された個々の単一のボードコンピュータを有する。初期データ獲得および処理はこれらのコンピュータ上で起こる。初期データ処理は画像処理を含み、各フレームについてのアレイの各キャピラリーから測定した蛍光強度を含むファイルを生じる。獲得したデータは、ネットワークを通して、CCDカメラからコンピュータプロセッサに伝達する。
ビーズのあいまい性の除去
単一ビーズ上のすべての色を読み取ることが可能である機械を有する。この議論の目的のために、Kがこのビーズ上の異なる色の数であること、およびGが色あたりのグラデーションの数であることを仮定する。従って、GK通りの可能な個別のビーズを有する。
ビーズを測定するとき、それゆえに、K次元ベクトルVを得、各要素について0〜Gの値を有する。絶対項で各色の強度を測定できないが、それらの相対濃度を測定することができる。このベクトルを、以下のアルゴリズムを介して0〜Gの範囲まで標準化し、ここで、V[i]はベクトルVのi番目の要素を示し、max(V)はVの最大個別要素を示す:
最大値=max(V)
i=1〜Kについて:
V[i]=V[i]/最大値
この手順後、各ビーズの標準化記録が得られる。これらを大量に記録した後、各Vがビーズのセット中に存在する数を計数する。
このことは、以下のアルゴリズムを用いて効率的に達成することができる。
トライ(trie)(プレフィックスツリー)として、サイズNのビーズのセットを表示し、ここで、プレフィックスツリーの各ノードはグラデージョンである。一旦、トライの末端ノードに達すると、その計数は1増大する。1回のみ存在する色の組み合わせの数を計数するために、トライを横切り、1の計数を有するリーフノードのみ戻る。
プレフィックスツリーは、深さG、およびノードの数Nを有する。プレフィックスツリーへの挿入はO(G)時間かかることは明白である。従って、N個の要素を挿入することは、O(N*G)時間かかる。実用的な場合において、Gは全く小さく、従って、挿入操作の全体の実行時間は効率的にO(N)であり、これは、入力のサイズであるので最適である。
プレフィックスツリーは、キーが順序だったリスト(ベクトル)である連合アレイを保存するために使用される、順序だったツリーデータ構造である。バイナリ検索ツリーとは異なり、ツリーの中のノードは、そのノードと関連するキーを保存しない;その代わりに、ツリーの中のその位置が、どのキーがそれと関連するかを示す。任意の1つのノードのすべての系統的な子孫が、そのノードと関連するストリングの共有のプレフィックスを有し、ルートは空のストリングと関連する。不運にも、トライは、基本的にはランダムアクセスデータ構造であり、主記憶に維持されなければならない。10億個のビーズについては、これは、トライのために10ギガバイトを超えるメモリを必要とする。1つの解決法は、読み取りビーズを主記憶に適合するチャンクまで、ある程度クラスター化することであり、なお、特定のベクトルについては、常にそのすべての存在を含むことである。このことは以下の様式で行ってもよい。
トライに読み取りベクトルを挿入する前に、各ベクトル上でハッシュすること(hashing)、および0〜N/(メモリサイズ)の整数範囲に結果をマッピングすることに基づくバケット化を実施し、およそのN/(メモリサイズ)チャンクを生じる。従って、ハッシュ(V)モッド(mod)(N/(メモリサイズ))は、現在のベクトルが存在するべきバケットを与える。メモリ中のバケットにVを付加し、そして一旦これが所定のサイズ(例えば、1MB)より上に成長すると、ディスク上のバケットファイルにこれを付加し、メモリコピーを空にする。この手順は、ハッシュが計算するためにO(1)時間をかかるので、O(N)時間かかる。
ハッシュ機能の特性は、2つのハッシュが同じならば、2つの入力が同じであることである。従って、バケットB1にベクトルVを保存するならば、Vと同じであるすべてのベクトルは、バケットB1に保存される。従って、アルゴリズムは以下のように見える:
入力における各Vについて:
バケット数にVを付加する([ハッシュ(V)モッド(N/(メモリサイズ)))
バケット数([ハッシュ(V)モッド(N/(メモリサイズ)))が一杯であるならば:
これをディスクに保存
これを空にする
バケットにおける各Bについて:
トライを作製する
Bにおける各Vについて:
Vをトライに挿入する
1回トライを横切ることでトライ中のVのリーフノード上のカウンタを増分し、カウンタ=1のすべてのリーフを印刷する。
このアルゴリズムは、O(N)+O(G×N)時間かかり、予測したデータセットについては、主記憶装置に完全に適合する。かかる時間は、ディスクへのバケットの読み取りおよび書き込みによって支配される。言及したように、アルゴリズムのアクセスパターンは連続的であり、従って、予測量のデータを、ディスクの処理速度によって除算することによって、可能な処理能力を見積もることができる。最新のコンピュータでは、100MB/秒の処理速度が実情にそぐわない記録である。従って、N=1×109を有するデータセットは、1×1010バイトかかり、これは10GBである。4秒の経過時間が必要であるので(データを読み取るために1秒、バケットに保存するために1秒、トライへの挿入のためにバケットを読み取るために1秒、および結果を保存するために1秒)、結局書き込みに40GBかかり、これは、100MB/s処理能力では、400秒かかり、または10分間を少し下まわる。
自動化流体システムは、DNA配列決定システムにおけるデータ獲得の様式の後で、同じビーズセットの複数の読み取りを可能にし、ここでは、同じビーズのセットを各伸長サイクル後に検出する。このシステムは、2個のシリンジ、4個のマニホールド、モノリスマルチ-キャピラリーアレイ、バルブ、モーター、およびアクチュエータからなる。第1のシリンジにビーズのセットをロードし、各フレームについてマニホールドおよびアレイを通して押し出す。この獲得したデータは、ネットワークを通して、CCDカメラからコンピュータプロセッサに移す(図6を参照されたい)。
検出速度は、以下のように決定することができる:rDET=(NCAP×fCCD)/l、ここで、fCCDはCCDフレーム速度であり、lは1個のビーズの検出のために必要とされるフレームの数である。例えば、l=5およびfCCD=500/sおよび1,000<NCAP >100,000については、1051/s<rDET >1071/sを得る。
光学システムは、蛍光の損失を導入する複数の要素を備える(図5)。全体の損失は以下を含む:光収集損失(リレーレンズとCCD対物レンズの両方に伴う全体効率の2%を仮定している);ミラー損失(最大ミラー損失は5枚のミラーについて0.59と見積もられる);検出効率(選択したCCDカメラについては最大40%)。それゆえに、光学システムの全体の効率は〜0.5%である。連続して配置された二色性ミラーは、ミラーの位置に依存して、不均一な蛍光シグナルを引き起こす。ミラーが同一の損失ηを有するならば、i番目のミラーから検出されるシグナルはηiである。それゆえに、このミラーを通して検出される量子ドットの量NQDを1/ηiだけ増加させるならば、すべてのミラーについて同じ蛍光強度を得る。
直径dの多孔質ビーズから得ることができる見積り蛍光シグナルは、シグナルの強度がビーズ中の量子ドットの数に直接的に比例することを仮定して計算することができる。ビーズへのQDドーパントの連続的付加の上記のプロセスは、ビーズの細孔がドープ処理プロセスの最後まで飽和しないことを必要とする。n
MAXが、ビーズに包埋することができる単位体積あたりのQDの最大数であるならば、図5に示される検出システムについては、i番目のミラーを通して検出されるi番目の型のODの数は
であり、ここで、γは各OD型の強度グラデーションの数であり、n
MAXは〜3,700ビーズ/μm
3として見積もることができる。従って、本発明者らの検出システムにおいて、ビーズあたりの1色の量子ドットの最小数N
MINは、2μmおよび5μmについて、58および912に対応する。1個の量子ドットが、光学システムにおいてψ=10〜20光子/ms/1mW励起出力を産生できるならば、0.5%蛍光収集/検出効率を伴う。従って、1個のビーズから検出される光子の最小数は
である。レーザー出力P
LASER=10mWおよびf
CCD=1,000/sについては、2μmビーズについてΦ
MIN=6,000〜12,000であり、そして5μmビーズについてはフレームあたり90,000〜180,000光子まで増大する。
次いで、CCDカメラによって獲得したデータは、単一のコンピュータにコピーし、これは色逆重畳積分を実施し、ビーズのシグネチャを呼び出す。色逆重畳積分は、量子ドットが重複するスペクトルを有し得るので、必要である。色逆重畳積分は、すべての型の量子ドットについてあらかじめ決定される色マトリックスを利用して、DNA配列決定におけるものと同じやり方で行う。ビーズに個々のシグネチャを割り当てる際に、すべての色チャネルにおいて得られる蛍光シグナルの絶対値を使用することを所望し得、または、異なる色チャネルにおける強度の比率のみを利用することを所望し得る(例えば、比率1:1:1:1:1:1:1:1:1および5:5:5:5:5:5:5:5:5を同じシグネチャとして考慮する)。Q
<9型の量子ドット、および各量子ドット型にγ個のグラデーションを有する場合において、ビーズのセットにおける独特なシグネチャの数は
倍だけより小さい。Q=9およびγ=10である場合において、およそ4%のFを得る。ビーズの呼び出しは、独特さのために分析されなければならない〜10
9個のビーズシグネチャを生じる。これは、プレフィックスツリーデータ構造を利用する標準的なアプローチの洗練を使用して行う。本発明者らの見積もりは、標準的な仕様のデスクトップコンピュータ上で実施した場合に、10
9セットのビーズの独特さについての処理および分析が数分間かかることを示す。
実施例4.核酸マーカーを有するビーズの製造
本発明のある態様において、スペクトルコード化ビーズは、核酸疾患マーカーの検出のための一般的プラットフォームとして使用されてもよい(図1を参照されたい)。例えば、実施例2に記載されるような方法を使用して、10億個のビーズを産生する。ストレプトアビジンでビーズをコーティングし、これらをビオチン化オリゴヌクレオチド(オリゴ)に結合させる。これらのオリゴは、核酸生物学的マーカー、好ましくは、疾患マーカーにハイブリダイズする配列である。
各ウェルは、単一の核酸マーカーを含み、各核酸は、ビオチン部分を含む。例えば、1,000個の個々のウェル中に、1,000個の個々の核酸疾患マーカーを増幅する。各ビーズが疾患マーカーに対応する単一の配列を含むように、マーカーおよびストレプトアビジンを含む各ウェルに10億個のビーズを分配する。実施例3に記載されるように、各ウェル中のビーズを検出システムに通過させ、各ビーズ上に存在する各コードを同定するコンピュータファイルを生成し、ウェル中の対応する核酸を記録する。これは、各ウェル中の各ビーズについて行う。特定のコードされたビーズの核酸含量に関して混乱が起こらないように、統計的基礎に基づき、同じ色でコーティングされたマーカーを有するビーズを無視、または考慮する。好ましくは、独特なコードを有するビーズのみが、特定の疾患マーカーに相関する。
ビーズの色コードを記録した後、1,000個の核酸疾患マーカーを分配する様式で、全体の10億個のビーズを混合する。10億個の混合したビーズのうちの100万個を、チャンバーの中に配置する。混合したビーズのチャンバーを、核酸マーカーにハイブリダイズする核酸を含むか、または含むことが疑われている試料溶液に曝露する。ビーズを適切に洗浄し、および収集する。ビーズを、臭化エチジウムなどの二重ヘリックスインターカレート剤に曝露し、ハイブリダイゼーションを決定する。ハイブリダイゼーション陽性を示す色コードについてビーズを分析し、コンピュータファイルからのデータを使用して、対応する疾患に基づいて、疾患の存在または非存在を相関させる。
好ましい態様において、緩衝液中で希釈した、別個のCU個の独特なスペクトルコードを有するN個のビーズの大量のセット(例えば、N≒3.6×109およびCU=109)を調製し、容器中に配置し、各ビーズは、DNA分子を結合することを可能にする生体分子、例えば、ストレプトアビジンを有する。w個のウェル(例えば、w=1,000)を含むウェルトレイを調製し、各ウェルは、1つの型の遺伝子マーカーの複数の分子を含み、異なる遺伝子マーカーは異なるウェル中にある。遺伝子マーカーは、特定の配列のDNAまたはRNAのフラグメントである。すべての遺伝子マーカーは生体分子を取り込んでおり、これは、ビーズへのこれらの結合を企図する。N個のビーズをw個のウェル間に均一に分割し、該分子マーカーが該ビーズに結合するように、ウェルトレイをインキュベートする。w個のウェルの各々の中ですべてのビーズのスペクトルコードを読み取り、この情報をファイルに入力する(これを「パスポート(PASSPORT)」ファイルと呼ぶ)。このパスポートファイルは、各個々のビーズのコード、およびこのビーズが有し得るマーカーの型に関する情報を含む。ビーズのコードの読み取りは、本特許出願の別の箇所に記載されている、高処理能力キャピラリービーズ検出システムを使用して、行うことができる。該検出系は、単一の容器中での読み取り後に、すべてのビーズを収集するための設備を有する。該ビーズを洗浄し、これらを適切な緩衝液中で再度希釈する。各バイアルがn≒N/Kビーズ、とりわけ、独特なコードを有するおよそCU≒CU/Kビーズを含むように、N個すべてのビーズをK個のバイアルに分配する(例えば、K=1,000であるならば、CUは1バイアルあたりおよそ106個の独特にコード化されたビーズであり、これは、w種類のすべての遺伝子マーカーの型、マーカーの各型あたりおよそ1,000個のビーズを有する)。バイアル中に試験試料を配置すること、および適切な条件(時間、温度など)でバイアルをインキュベートすることによって、ハイブリダイゼーションアッセイを実行する。ハイブリダイゼーションが、特定のマーカー型について、特定のビーズ上で起こる場合、得られる二本鎖DNAは、二本鎖DNAに特異的に結合する蛍光色素(例えば、SYBRグリーン)で標識することによって、またはハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用される任意の他の既知の標識技術によって、検出することができる。ハイブリダイズしたDNAを有するビーズを洗浄し、バイアル中にて新鮮な緩衝液でこれらを希釈する。該バイアル中のハイブリダイズしたDNAで、すべての該ビーズのスペクトルコードを読み取り、この情報をファイルに入力する(これを「バイアル(VIAL)」ファイルと称する)。バイアルファイルは、該バイアル中の各個々のビーズのコード、およびビーズ上のハイブリダイゼーションに関する情報を含む(該情報は,ハイブリダイズしたDNAの存在および量に関連する蛍光強度などを含んでもよい)。ビーズのコードの読み取りは、単一キャピラリーリーダーを使用して行うことができる(図15)。適切なソフトウェアを使用して、バイアルファイル中のビーズのコードをパスポートファイル中のコードと比較し、および特定の遺伝子マーカーがハイブリダイズしたか否かを決定する。ハイブリダイゼーションアッセイにおいて得られた結果の統計学的分析を実施する。
実施例5 モノリスマルチ-キャピラリーアレイの製造
プロセスは図7に図示する。一連のガラスフェルールを用いて開始し、それらの数は、所望の数のチャネルに等しい。フェルールのサイズおよび形状、ならびにそれらの壁の厚さは、キャピラリーの所望の内部サイズ、およびそれらの間の間隔に依存して選択する。アレイの中でフェルールを一緒に押し込み、正方形形状のガラスチューブ中に充填し、および高温で引き出す。引き出しが完了した後、全体のキャピラリー構造を切断し、必要とされる長さのMMCAを提供する。接着に起因して、得られるアレイはモノリシック構造を有する。製造プロセスは、並進対称性を有する正方形または長方形のキャピラリーの規則的なアレイの形成を可能にする。MMCAの顕著な利点には、検出ゾーンにおいて任意の特別に調整された部品がないことが含まれる。
実施例6 油中水エマルジョン中の微粒子に対する単分子PCR
アガロースゲル電気泳動によってPCR産物を分析し、およびPicoGreen dsDNAキットを使用してDNA収率を定量してもよい。ストレプトアビジンコーティングした磁気ビーズへのプライマーの結合は、結合緩衝液中にビーズを懸濁すること、およびビオチンコンジュゲートプライマーを加えることによって行われる。7%(重量/体積)ABIL WE09、20%(体積/体積)鉱油、および73%(体積/体積)Tegosoft DECを使用して乳化剤-油混合物を調製し、次いで、この混合物をボルテックスしてもよい。プライマー、鋳型DNA、dNTP、緩衝液、ポリメラーゼ、および水を混合することによって増幅反応液を設定し、ならびに、1つのスチールビーズ、油-乳化剤混合物、およびPCR混合物を、保存プレートの1つのウェルに順番に加えてもよい。粘着性フィルムでこのプレートをシールし、このプレートを上下にひっくり返して、スチールビーズがウェル中で自由に移動することを確認してもよい。
上端と下端のアダプタープレートの間にエマルジョンPCR混合物を含む96ウェル保存プレートをサンドイッチすることによって、TissueLyserアダプターセットを組み立ててもよく(エマルジョンもまた、スターラーバーまたはホモジナイザーを使用して生成することができる)、各々が96ウェル保存プレートに面した圧縮パッドが取り付けられており、この組み立てはTissueLyserホルダーに配置し、およびハンドルを強固に閉じてもよい。192個未満のウェルを使用する場合、TissueLyserは、同じ重量の第2のアダプターセットとバランスを取る。15Hzで10秒間を1回、および17Hzで7秒間を1回で混合してもよく、温度サイクルでエマルジョンとし、ならびに0.1M NaOH中にビーズを再懸濁し、および2分間インキュベートする。チューブを磁気分離装置中に1分間配置し、注意深く上清を除いてもよい。ビーズ上のDNAの検出は、蛍光オリゴハイブリダイゼーションを用いて行うことができる。フローサイトメトリーを使用して、ビーズ上のDNAにハイブリダイズしたプライマーの相対的蛍光強度を決定してもよい。
エマルジョンPCRにおいて使用されるDNAの量は、比較的広い範囲にわたって変化し得る。最適には、15%のビーズがPCR産物を含むべきである。あまりにも少ない鋳型を使用することは、あまりにも少ない陽性ビーズを生じ、分析の感度を損なう。あまりにも多すぎる鋳型を使用することは、複数の鋳型を含むあまりにも多い区画を生じ、関心対象の配列を含む初期の鋳型の画分を正確に定量することを困難にする。非磁気ビーズを使用できるが、磁石以外の遠心分離がこれらを操作するために使用されるべきである。
エマルジョン中の固体支持体の増幅の効率は、アンプリコン長を増加させることに伴って減少する。好ましいアンプリコン長(プライマーを含む)は70〜110bpである。リバースプライマーとしてユニバーサルプライマーを使用してもよい。しかし、ネスト化リバースプライマーもまた使用でき、これは、ビーズ上の非特異的増幅を減少するため、またはビーズ結合したPCR産物のサイズを減少するために、増幅前工程の産物よりも短いアンプリコンを生じる。より高いポリメラーゼ濃度の使用は、ビーズに結合したより高い収率のPCR産物を生じる。ビーズに結合したPCR産物の量を増加させるための別の方法は、ローリングサークル増幅を通してである。
実施例7.モノリスマルチ-キャピラリーアレイの製造
一連のガラスフェルールを用いて開始する。フェルールのサイズおよび形状、ならびにそれらの壁の厚さは、キャピラリーの所望の内部サイズ、およびそれらの間の間隔に依存して選択する。アレイの中でフェルールを一緒に押し込み、正方形形状のガラスチューブ中に充填し、およびこれらを一緒に融解させるために高温で引き出す。引き出しが完了した後、全体のキャピラリー構造を切断し、必要とされる長さを提供することができる。接着に起因して、得られるアレイはモノリシック構造を有する。製造プロセスは、並進対称性を有する正方形または長方形のキャピラリーの規則的なアレイの形成を可能にする。モノリシックであるので、アレイは、光の伝播のための損失が少ない媒体として作用する。
5μmおよび10μmの正方形のキャピラリー断面ならびに10μmおよび15μmのアレイピッチを有する32×32および64×128キャピラリーアレイを製造する。キャピラリー壁上での標識DNAの除去を妨害するために、BSAなどのキャピラリー壁コーティングを使用する。
実施例8 コードされたビーズに対するPCR
ストレプトアビジンで共有結合的にコーティングされたビーズを、ビオチン化オリゴヌクレオチド(オリゴ)に結合させる(図14を参照されたい)。PCRのために必要なすべての成分、ならびにプライマー結合ビーズおよび鋳型DNAを含む水性混合物を、油/界面活性剤混合物と一緒に攪拌して、マイクロエマルジョンを作製する。水性区画は、平均で1個未満の鋳型分子、および1個未満のビーズを含む。マイクロエマルジョンは、従来的なPCRと同様に、温度サイクル処理される。DNA鋳型およびビーズが単一の水性区画に一緒に存在する場合、ビーズ結合オリゴヌクレオチドは、増幅のためのプライマーとして作用する。
実施例9.ドキュメントの真正性
ある態様において、本発明は、非ヒト可食性製品に独特にタグを付けるために、一連の多色ビーズを使用する方法に関する。ある人(すなわち、媒介者)は、上記のように、最初に、各々1つが異なる色の組み合わせによってタグ化されている(すなわち、各ビーズは異なるタグを有する)、サイズNの一連のビーズを生成する。このセットから、多数の製品をタグ化したいクライアントに、N個、M個のビーズを送る。これをタグ化セットと呼ぶ。次いで、クライアントは、彼が所有するビーズのタグ化セットの内の少量の測定した一部を取り、彼がタグ化したい生成物の各試料を、その少量の測定した一部でドープ処理する(このセットの中のビーズの数はTである)。ここで、生成物はタグ化され、次いで、検出はいつでも可能である。生成物試料中のビーズのサブセットを分離し、および読み取る。ここで、検出器はタグのセットを有する。このタグのセットは媒介者に送られ、次いで、媒介者は、誰がタグ化セットを順序付けたかを検出器に伝え、および任意の情報を、検出器に広めることが所望されているタグ化セットの購入者に伝える。
タグ化するために必要とされるM、N、およびTの相対的割合を計算し、次いで、非常に高い確率で、単一試料からのタグ化セットを独特に決定する。最初に、さらなる因子R:検出のために回収された試料中のビーズの画分を導入する。
Nを総ビーズ数、Mをタグ化セットのサイズ、Tを試料あたりのビーズ、およびT×Rを検出試行あたりのビーズと仮定し:異なるセット中にあるビーズの確率を得、これは、タグ化セットにおける場合に、(M/N)である。1つの異なるセット中にあるT×Nビーズの確率は、これらが互いに独立である場合に:(M/N)(T×R)である。これを衝突確率と呼ぶ。
任意の2つの選択が同じである確率を計算するために、バーズデイ(birhtday)パラドックスを引用する。これは、Xの衝突確率を有する対象、およびK個の対象のために言及され、同じである2番目の確率は、概略で
(1-X)C(K,2)であり、これは、(1-X)(1/2×K×(K-1))と単純化される。
どれも同じではない確率Bを伴うK個の対象を有することが所望される。これについては、以下を(Kについて)解かなければならない:
(1-X)(1/2×K×(K-1))=B
これについては以下を得る:
K=(ln [1 - X] + {[log [1 - X]]}1/2×{8× log [B] + ln [1 - X]}1/2)/(2×ln[1 - X])
従って、M=1O8、N=1O9、およびR=1については、衝突確率は0.1Tである。T=20については、従って、衝突確率は10-20である。最大で.95である全体の衝突確率を所望するならば、3×109個までの別個の対象を有することができる。
実施例10 電場におけるビーズの移動を図示する
緩衝溶液を含み、スペクトル的にバーコードを付されたビーズを含む2つのチューブ(図16)を、単一キャピラリーによって、または複数キャピラリーアレイによって接続する。量子ドットでドープ処理した、カルボキシル官能基化500nmポリスチレンジビニルベンゼンビーズを使用する(CrystalPlex Plex 890 William Pitt Way, Pittsburgh, PA 15238)。電位を該チューブ間に印加する。ビーズが電荷を有する場合、これらはキャピラリーに沿って移動する。ビーズの検出は、レーザー励起蛍光によって行う。