JP2012130962A - 板金の歪み矯正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】曲げ癖矯正装置10は、所定間隔L1で並設された3つの曲げ成形部11a〜11cを備えるパンチ11と、曲げ成形部11a〜11cの間に形成される2つの凹状の成形空間に対向配置する2つの曲げ成形部12a,12bを備えるダイ12とを備え、曲げ成形部11bをプレス成形品1の曲げ癖に凸側から当接させて、パンチ11及びダイ12によってプレス成形品1の両面を板厚方向に押圧することで、当該曲げ癖を矯正する。このとき、曲げ成形部11bと曲げ成形部11a,11cとの高さの差ΔHをプレス成形品1の板厚t以下とし、曲げ成形部11bの押し込み量ΔPを板厚tに対して2t以下とすることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
このような曲げ癖を解消するために、高い荷重をかけて凹凸を押し潰すことも考えられるが、金属の剛性やプレス装置の能力には限界があり、曲げ癖を完全に解消することはできない。
一方、反りに代表される広範囲に曲率を持つ形状不良の対策としては、部材の表面を部分的に板厚方向に押圧することで応力の不均一を緩和し、当該形状不良を改善する方法がある(例えば、特許文献1,2参照)。
そこで、本発明は、板金の局所的な歪みを矯正可能な板金の歪み矯正装置を提供することを課題としている。
このように、3つの曲げ成形部が設けられたパンチと2つの曲げ成形部が設けられたダイとを用いて板金の両面を板厚方向に押圧することで、板金の凸状のR形状の歪みを矯正するので、特殊なプレス設備を用いることなく上記歪みを矯正し、凹凸状の形状不良のない部品を得ることができる。
これにより、歪み矯正後に、板金の矯正前の歪みの凸部両側が反り返ったり沈み込んだりするのを防止することができ、板金を適切に平らな形状に矯正することができる。
これにより、歪み矯正後に、矯正前の歪みとは逆方向の変形が生じるのを防止することができ、板金を適切に平らな形状に矯正することができる。
これにより、歪み矯正後の板金を適切に平らな形状とすることができる。
さらにまた、上記において、前記曲げ成形部の前記R形状は、半径Rを5mmより小さく設定し、前記板金は、前記3つの曲げ成形部のうち中央の曲げ成形部の中央位置を基準とした、前記板金の歪みの凸部の中央位置のずれ量が5mm以下となるように配置することを特徴としている。
また、上記において、前記板金は、高強度鋼板であることを特徴としている。
このように、軟鋼と比較して著しく曲げ癖のような形状不良が発生しやすい高強度鋼板であっても、当該形状不良を適切に矯正することができる。
図1は、本実施形態における曲げ癖矯正装置の主要部を示す図である。
図中、符号10は曲げ癖矯正装置である。この曲げ癖矯正装置10は、板金の凸状のR形状の歪みを矯正する、板金の歪み矯正装置である。本実施形態では、矯正対象の板金として、例えば図7に示すような鋼板からなる断面ハット型形状のプレス成形品1を適用し、図9に示すような曲げ癖5を矯正するものとする。
押し込み量ΔPは、プレス成形品1の板厚をtとしたとき、曲げ成形部12a及び12bの先端位置より板厚tだけ上方の位置に、曲げ成形部11bの先端位置が位置した状態でΔP=0となる。すなわち、図2(a)に示すように、曲げ成形部11bの先端位置が曲げ癖5の凸部の先端位置に当接している状態から、パンチ11を更に下降し、図2(b)に示す状態となったときが押し込み量ΔP=0である。また、この状態から更にパンチ11を下降し、図2(c)に示すように、曲げ成形部11bの先端位置が曲げ成形部12a及び12bの先端位置より板厚tだけ下方の位置となった状態が押し込み量ΔP=2tである。
このように、本実施形態では、3つの曲げ成形部11a〜11cが設けられたパンチ11と、2つの曲げ成形部12a,12bが設けられたダイ12とによって、プレス成形品1の両面を板厚方向に押圧し、曲げ癖5を矯正する。このとき、曲げ癖5の凸側にパンチ11の曲げ成形部11a〜11c、曲げ癖5の凹側にダイ12の曲げ成形部12a,12bが配置するようにし、曲げ成形部11bを曲げ癖5の凸部に凸側から当接させた状態で、プレス成形品1の曲げ癖5に対して局所的に小変形を与える。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
ここでは、図3に示す試験片110に対して、図4に示す矯正実験装置100を用いて曲げ癖を矯正する実験を行った。試験片110としては、440MPa級を超える高強度鋼板(ハイテン)を用い、図3(a)に示すようにV字状に曲げ成形した後、曲げ加工部110aをリストライクし、その結果、図3(b)に示すような曲げ癖110bが残留している部材を適用した。なお、試験片110の板厚はt[mm]とする。
図6を参照すると、実施例では、曲げ癖が矯正されて試験片110が凹凸の無い平らな部材となっていることがわかる。
また、比較例2のように、曲げ成形部の高さの差ΔHが上記実施例と同じであっても、押し込み量ΔPが大きいと曲げ癖とは逆方向の変形が生じてしまい、やはり平らに矯正できない。
したがって、押し込み量ΔP及び曲げ成形部の高さの差ΔHは、ΔP=2t[mm]及びΔH=t[mm]をそれぞれ超えないように設定することが好ましい。そこで、本実施形態では、押し込み量ΔPを0<ΔP≦2t、曲げ成形部の高さの差ΔHをΔH≦tに設定する。これにより、軟鋼と比較して著しく曲げ癖が発生しやすい高強度鋼板であっても、当該曲げ癖を適切に矯正することができる。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、矯正対象の板金をプレス成形品とし、矯正対象の歪みをプレス成形品の曲げ癖とする場合について説明したが、局所的なR形状を持つ凸状の歪みであれば矯正が可能である。
Claims (6)
- ダイ及びパンチを備え、前記ダイ及び前記パンチによって板金の両面を板厚方向に押圧することで、前記板金の凸状のR形状の歪みを矯正する板金の歪み矯正装置であって、
前記パンチは、所定間隔で並設された3つの凸状の曲げ成形部を備え、
前記ダイは、前記3つの曲げ成形部の間に形成される2つの凹状の成形空間に対向配置する2つの凸状の曲げ成形部を備え、
前記3つの曲げ成形部のうち中央の曲げ成形部を前記板金の歪みの凸部に凸側から当接させて、前記ダイ及び前記パンチによって前記板金の両面を板厚方向に押圧することを特徴とする板金の歪み矯正装置。 - 前記3つの曲げ成形部のうち中央の曲げ成形部を、当該中央の曲げ成形部の先端位置が両端の曲げ成形部の先端位置に対して突出するように設けると共に、これら先端位置の差を前記板金の板厚以下とすることを特徴とする請求項1に記載の板金の歪み矯正装置。
- 前記ダイ及び前記パンチは、互いの成形空間内に相対的に移動可能に構成されており、
前記3つの曲げ成形部うち中央の曲げ成形部による前記板金の歪みの凸部の前記成形空間内への押し込み量を、前記板金の板厚の2倍以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の板金の歪み矯正装置。 - 前記曲げ成形部は、前記板金との当接部がR形状をなしていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の板金の歪み矯正装置。
- 前記曲げ成形部の前記R形状は、半径Rを5mmより小さく設定し、
前記板金は、前記3つの曲げ成形部のうち中央の曲げ成形部の中央位置を基準とした、前記板金の歪みの凸部の中央位置のずれ量が5mm以下となるように配置することを特徴とする請求項4に記載の板金の歪み矯正装置。 - 前記板金は、高強度鋼板であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の板金の歪み矯正装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013121602A (ja) * | 2011-12-09 | 2013-06-20 | Jfe Steel Corp | 板金の屈曲矯正装置 |
CN106541609A (zh) * | 2016-12-21 | 2017-03-29 | 浙江道明光电科技有限公司 | 板材边缘的压平装置及其压平方法 |
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-
2010
- 2010-12-24 JP JP2010287617A patent/JP5609630B2/ja active Active
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