JP2012128205A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒータ抵抗の接続を直列、並列に切り替え可能な定着部において、ヒータ抵抗切り替えリレーを、電力遮断用リレーとして用いること。
【解決手段】 第1のスイッチ手段を遮断状態にし且つ第2のスイッチ手段を第1の電源端子と接続することでヒータへの電力供給を遮断する第3の状態を設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、エンドレスベルトと、その内面に接触するヒータと、エンドレスベルトを介してヒータと共に定着ニップ部を形成するニップ部形成部材と、を有する定着部を有する画像形成装置に関するものである。
商用電源の電圧が100V系(例えば、100V〜127V)の地域用の画像形成装置を、200V系(例えば、200V〜240V)の地域で使用する場合、定着部のヒータに供給可能な最大電力は4倍になる。ヒータに供給可能な最大電力が大きくなると、位相制御や波数制御などのヒータの電力制御で生じる高調波電流やフリッカ等が顕著となる。また、定着部が熱暴走した際に生じる電力が4倍に増加するため、より応答性の早い回路が必要になる。そのため、一つの装置を商用電源電圧が100Vの地域と200V地域で使用する場合、地域毎に別々の抵抗値のヒータを取り付ける場合が多い。
一方、100Vの商用電源電圧が供給される地域と、200Vの商用電源電圧が供給される地域で共用できるユニバーサルな装置を実現する手段として、リレーなどスイッチ手段を用いて、ヒータの抵抗値を切り替える方法が提案されている。特許文献1には、ヒータの基板上に第1及び第2の抵抗発熱体を有し、第1及び第2の抵抗発熱体を直列に接続する第1の動作状態と並列に接続する第2の動作状態に切り替え可能とすることで商用電源電圧に応じてヒータの抵抗値を切り替え、商用電源電圧が100Vの地域と200Vの地域で共用できる装置とすることが提案されている。
特開7−199702号公報
商用電源電圧に応じて第1及び第2の抵抗発熱体を直列接続状態と並列接続状態に切り替える方法では、ヒータの発熱領域を変えずに、ヒータの抵抗値を切り替えることができる。換言すると、100Vの地域と200Vの地域どちらで使っても二本の抵抗発熱体が発熱するので、定着ニップ部の記録材搬送方向の温度分布が使用地域に拘らず同じになる。このため、トナー画像の定着性が装置を使用する地域に左右されないというメリットがある。
ところで、ヒータへの電力供給が制御できなくなりヒータが熱暴走した場合の安全対策として、リレー等の電力遮断用のリレーを用いる方法が広く用いられている。また、感電防止のため、ヒータの両側にリレーを設けて、交流電源とヒータを絶縁する方法も知られている。しかしながら、特許文献1に記載されているような、接続状態切替え用のリレーを用いて第1及び第2の抵抗発熱体を直列接続状態と並列接続状態に切り替える装置において、安全対策として電力遮断用リレーを別途設けるとコストが上昇してしまう。
本発明の目的は、コスト上昇を抑えつつ、第1及び第2の抵抗発熱体を直列接続状態と並列接続状態に切り替えられ、且つ装置の安全対策も向上させられる画像形成装置を提供することにある。
上述の課題を解決するための本発明は、記録材に画像を形成する画像形成部と、エンドレスベルトと、第1の電極と第2の電極の間に設けられた第1の抵抗発熱体と前記第2の電極と第3の電極の間に設けられた第2の抵抗発熱体を有し前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記第2の電極と商用電源の第2の電源端子の間の電力供給路に設けられている第1のスイッチ手段と、前記第1の電極の接続先を商用電源の第1の電源端子または前記第2の電源端子に切り替え可能に電力供給路に設けられている第2のスイッチ手段と、を有し、前記第3の電極は前記第1の電源端子と接続されており、前記第1のスイッチ手段を電力供給路遮断状態とし且つ前記第2のスイッチ手段を前記第2の電源端子と接続することで前記第1の抵抗発熱体と前記第2の抵抗発熱体を直列に接続する第1の状態と、前記第1のスイッチ手段を電力供給路導通状態とし且つ前記第2のスイッチ手段を前記第1の電源端子と接続することで前記第1の抵抗発熱体と前記第2の抵抗発熱体を並列に接続する第2の状態と、に切り替え可能である定着部と、を有する画像形成装置において、前記第1のスイッチ手段を電力供給路遮断状態とし且つ前記第2のスイッチ手段を前記第1の電源端子と接続することで前記ヒータへの電力供給を不可能とする第3の状態を有することを特徴とする。
コスト上昇を抑えつつ、第1及び第2の抵抗発熱体を直列接続状態と並列接続状態に切り替えられ、且つ装置の安全対策も向上させられる画像形成装置を提供できる。
定着部の断面図。 実施例1のヒータ構成図及び、ヒータ制御回路構成図。 実施例1のリレー制御回路図及び、トライアック制御回路図。 実施例1の第1の状態、第2の状態、第3の状態の説明図。 実施例1のAC/DCコンバータ回路図及び、電圧検知部の回路図。 実施例1の制御フローチャート図。 実施例2のヒータ制御回路構成図。 実施例3のヒータ制御回路構成図。 画像形成装置の概略図。
図9は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本例ではフルカラープリンタ)の断面図である。記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部は4つの画像形成ステーション(1Y、1M、1C、1Bk)を有する。各画像形成ステーションは、感光体2(2a、2b、2c、2d)、帯電部材3(3a、3b、3c、3d)、レーザスキャナ7(7a、7b、7c、7d)、現像器4(4a、4b、4c、4d)、転写部材5(5a、5b、5c、5d)、感光体をクリーニングするクリーナ6(6a、6b、6c、6d)を有する。更に画像形成部は、トナー画像を担持しつつ搬送するベルト7、ベルト7から記録材Pへトナー画像を転写する二次転写ローラ8を有する。以上の画像形成部の動作は周知であるので説明は割愛する。画像形成部で未定着トナー画像が転写された記録材Pは定着部100に送られ、トナー画像が記録材Pに加熱定着される。
図1は定着装置(定着部)100の断面図である。定着装置100は、筒状のフィルム(エンドレスベルト)102と、フィルム102の内面に接触するヒータ200と、フィルム102を介してヒータ200と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ(ニップ部形成部材)108とを有する。フィルムのベース層の材質は、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属である。加圧ローラ108は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金109と、シリコーンゴム等の材質の弾性層110を有する。ヒータ200は耐熱樹脂製の保持部材101に保持されている。保持部材101はフィルム102の回転を案内するガイド機能も有している。加圧ローラ108は不図示のモータから動力を受けて矢印方向に回転する。加圧ローラ108が回転することによってフィルム102が従動して回転する。
ヒータ200は、セラミック製のヒータ基板105と、ヒータ基板上に抵抗発熱体H1(第1の抵抗発熱体)及び抵抗発熱体H2(第2の抵抗発熱体)と、抵抗発熱体H1及びH2を覆う絶縁性(本実施例ではガラス)の表面保護層107を有する。ヒータ基板105の裏面側であって、プリンタで設定されている利用可能な最小サイズ紙(本例では封筒DL:110mm幅)の通紙領域にはサーミスタ等の温度検知素子(温度検知部)111が当接している。温度検知素子111の検知温度に応じて商用交流電源からヒータへ供給する電力が制御される。未定着トナー画像を担持する記録材(用紙)Pは、定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱されて定着処理される。ヒータ基板105の裏面側には、ヒータが異常昇温した時に作動してヒータへの給電ラインを遮断するサーモスイッチ等の安全素子112も当接している。安全素子112も温度検知素子111と同様に最小サイズ紙の通紙領域に当接している。104は保持部材101に不図示のバネの圧力を加えるための金属製のステーである。
(実施例1)
図2は本実施例1のヒータ200、及び定着部を制御する制御回路210を示している。図2(a)は本実施例1に用いるヒータ200の構成図、図2(b)は制御回路210の回路ブロック図である。このヒータ200を搭載する定着部100は、背景技術欄で説明したものと同様、第1及び第2の抵抗発熱体を直列接続状態と並列接続状態に切り替えることができる。
図2(a)は基板105上に形成された発熱パターン(抵抗発熱体)、導電パターン、及び電極を示している。ヒータ200と制御回路210は、コネクタC1〜C5で接続されている。
ヒータ200は、第1の電極E1と第2の電極E2の間に設けられた第1の抵抗発熱体H1と、第2の電極E2と第3の電極E3の間に設けられた第2の抵抗発熱体H2を有している。201は電極と抵抗発熱体を繋ぐ導電パターンである。ヒータ200の第1の抵抗発熱体H1には、電極E1と電極E2を介して電力が供給されており、第2の抵抗発熱体H2には、電極E2と電極E3を介して電力が供給されている。電極E1はコネクタC1と、電極E2はコネクタC2と、電極E3はコネクタC3とそれぞれ接続されている。なお、112はサーモスイッチや温度ヒューズ等の安全素子であり、商用電源211からヒータ200への電力供給ライン(電力供給路)中に設けられている。安全素子112もコネクタC4及びC5を介して制御回路210と接続されている。
図2(b)を用いて制御回路210の説明を行う。ヒータ200には安全素子112を経由して電力が供給されている。211は商用の交流(AC)電源で、ヒータ200への電力制御は、トライアックTR1(半導体駆動素子)の通電/遮断により行われる。トライアックTR1は商用電源のTerminal1(第1の電源端子)からヒータに電力を供給する経路に設けられている。トライアックTR1はCPU213からのヒータ駆動信号TR1onに従って動作する。温度検知素子111によって検知されるヒータの温度はプルアップ抵抗218の分圧として検知され、CPU213にTH信号として入力される。CPU213内部では、温度検知素子111の検知温度とヒータ200の設定温度(制御目標温度)に基づき、例えばPI制御により、ヒータ200へ供給するべき電力を算出する。算出された電力は、位相角(位相制御)、波数(波数制御)などの制御レベルに換算される。そして制御レベルに応じたヒータ駆動信号TR1onをトライアックTR1へ与え、トライアックTR1を制御している。トライアックの制御タイミングは、図5(a)のゼロクロス検知回路518が出力するZerox信号(AC電源211の交流波形のゼロクロス信号)に基づきCPU213によって制御されている。
図2(b)に示すように、制御回路210にはリレーRL1とリレーRL2が設けられている。リレーRL1はメーク接点(常時開路接点)リレー(第1のスイッチ手段)であり、リレーRL2は図2(b)のCOMを共通接点として動作するブレーク・ビフォア・メーク接点(トランスファ接点)リレー(第2のスイッチ手段)である。リレーR1は、第2の電極E2と商用電源のTerminal2(第2の電源端子)の間の電力供給路に設けられている。リレーRL2は、第1の電極E1の接続先を商用電源のTerminal1(第1の電源端子)またはTerminal2(第2の電源端子)に切り替え可能に電力供給路に設けられている。リレーRL1とリレーRL2は、第1の抵抗発熱体H1と第2の抵抗発熱体H2を直列接続状態(第1の状態)と並列接続状態(第2の状態)に切り替える役目を有し、更に定着部を商用電源211からヒータ200への電力供給を不可能とする状態(第3の状態)にする役目もある。制御回路210は商用電源電圧を検知する電圧検知部212を有しており、電圧検知部212の検知電圧に応じて第1の状態と第2の状態を自動的に切り替える。
図2(b)に示すリレーRL1とリレーRL2の状態は、画像形成装置の電源がOFFの状態である。この状態は上述した第3の状態であり、リレーRL1(第1のスイッチ手段)を電力供給路遮断状態(リレーの接点が開いている状態)にし且つリレーRL2(第2のスイッチ手段)を商用電源のTerminal1(第1の電源端子)側と接続した状態である。この第3の状態は、後述するリレーRL1駆動回路(図3(a))、リレーRL2駆動回路(図3(b))、及びトライアックTR1駆動回路(図3(c))の駆動電圧(駆動電力)Vccが全て0Vとなることで形成される。すなわち、第3の状態では、リレーRL1(第1のスイッチ手段)とリレーRL2(第2のスイッチ手段)への駆動電力が遮断されている。上述した、第1の状態と第2の状態におけるリレーRL1とリレーRL2の状態は後で詳細に述べる。
次に、商用電源電圧を検知する回路である電圧検知部(第1の電圧検知部)212と、リレー制御部214の説明を行う。尚、詳細なリレー制御シーケンスに関しては図6で説明する。
画像形成装置にプリント信号が入力すると、CPU213からのTR3信号により、3.3V直流電圧及び24V直流電圧を生成する電源部510中のAC/DCコンバータ511(図5(a))を駆動するためのトライアックTR3(図5(a))がON状態になる。トライアックTR3がON状態になると、電圧検知部212は交流電源211の電圧を検知可能となり、交流電源211の電圧を検知する。電圧検知部212は商用電源電圧の範囲が100V系か、200V系のどちらかを判別し、CPU213及びリレー制御部214に電圧検知結果をVOLT信号として出力している。商用電源電圧の範囲が200V系の場合、VOLT信号はLow状態となる。電圧検知部212の詳細は図5(b)で説明する。
電圧検知部212が200Vを検知した場合(VOLT信号がLow状態の場合)、CPU213はRL12on信号をLow状態にする。RL12on信号がLow状態になると、リレーRL1はOFF状態(電力供給路遮断状態)、リレーRL2はON状態(図2(b)の左側の接点と接続)となり、この状態では、第1の抵抗発熱体H1と第2の抵抗発熱体H2が直列接続されるため、ヒータ200は抵抗値の高い状態(第1の状態)になる。この第1の状態を図4(a)に示す。電圧検知部212が200Vを検知した場合、RL12on信号をLow状態に保持するラッチ回路を用いても良い。第1の状態は、第1のスイッチ手段を電力供給路遮断状態とし且つ第2のスイッチ手段を商用電源のTerminal2(第2の電源端子)と接続することで第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体を直列に接続する状態である。
電圧検知部212が100Vを検知した場合(VOLT信号がHigh状態の場合)、CPU213はRL12on信号をHigh状態にする。RL12on信号がHigh状態になると、リレーRL1はON状態(電力供給路導通状態)、リレーRL2はOFF状態(図2(b)の右側の接点と接続)となり、この状態では、第1の抵抗発熱体H1と第2の抵抗発熱体H2が並列接続されるため、ヒータ200は抵抗値の低い状態(第2の状態)になる。この第2の状態を図4(b)に示す。第2の状態は、第1のスイッチ手段を電力供給路導通状態とし且つ第2のスイッチ手段をTerminal1(第1の電源端子)と接続することで第1の抵抗発熱体と第2の抵抗発熱体を並列に接続する状態である。
次に電流検知部215の説明を行う。電流検知部215は、カレントトランス216を介して1次側に流れる電流実効値を検知している。この電流検知部215は、電極E2(第2の電極)と電極E3(第3の電極)の電極間を流れる電流を検知しており、装置の故障検知に利用できる。商用電源電圧に応じてリレーRL1とリレーRL2が正常に作動していれば、商用電源電圧が100Vの場合も200Vの場合も、電極E2と電極E3間を流れる電流、すなわち抵抗発熱体H2を流れる電流は5Aとなる。しかしながら、商用電源電圧が200Vであるにも拘らず、第2の状態、すなわち抵抗発熱体H1及びH2が並列接続状態であった場合、電極E2と電極E3間を流れる電流は10Aとなる。したがって、電流検知部215の検知電流が10Aになると装置の故障と判断できる。
電流検知部215は、商用電源周波数の周期ごとに電流実効値の2乗値を出力するIrms1と、Irms1の移動平均値Irms2を出力している。CPU213はIrms1により、商用周波数周期ごとに電流実効値を検知している。電流検知部215の例として、特開2007−212503号公報で提案されている方法を用いることができる。Irms2はリレー制御部214に出力されている。カレントトランス216の一次側に過電流が流れ、Irms2が所定の上限値を超えると、制御部214はRL12とTR1のラッチ部を動作させ、RL12off信号とTR1off信号をLow状態で保持する。これらの信号をLow状態で保持すると、リレーRL1とリレーRL2が第3の状態に保持され、且つトライアックTR1がOFF状態を保持する。すなわち、電流検知部215の検知電流Irms2が所定の上限電流を超えた場合、装置は第3の状態となる。なお、本例の電流検知部215は、電極E2(第2の電極)と電極E3(第3の電極)の電極間を流れる電流を検知しているが、電極E1(第1の電極)と電極E2(第1の電極)の電極間を流れる電流を検知してもよい。
次に、電圧検知部(第2の電圧検知部)217の説明を行う。電圧検知部217も電流検知部215と同様、装置の故障検知に利用できる。電圧検知部217は、図2(b)に示すように、AC4とAC5間の電圧を検出している。商用電源電圧に応じてリレーRL1とリレーRL2が正常に作動していれば、商用電源電圧が100Vの場合も200Vの場合も、AC4とAC5間の電圧、すなわち抵抗発熱体H1に印加される電圧は100Vとなる。しかしながら、商用電源電圧が200Vであるにも拘らず、第2の状態、すなわち抵抗発熱体H1及びH2が並列接続状態である場合、AC4とAC5間の電圧は200Vとなる。したがって、電圧検知部217の検知電圧が200Vになると装置の故障と判断できる。電圧検知部217の検知電圧が200VになるとVlim信号はLow状態になる。制御部214はVlim信号がLow状態になると、RL12とTR1のラッチ部を動作させ、RL12off信号とTR1off信号をLow状態で保持し、リレーRL1及びリレーRL2を第3の状態に保持し、且つTR1がOFF状態を保持する。すなわち、電圧検知部217の検知電圧が所定の上限電圧を超えた場合、装置は第3の状態となる。また電圧検知部217はカレントトランス216が断線故障した場合や、コネクタC3が抜けてしまった場合にも電圧を検出できるように、RL2の端子と直結する位置に接点AC4を有している。FU1は電流ヒューズである。
上述のように本実施例の制御回路は、装置の故障検出用に電流検知部215と電圧検知部217を有しているが、いずれか一方設けるだけでも構わない。ただし、両方設けたほうが装置の安全性が向上するので好ましい。
図3(a)〜(c)は、それぞれリレーRL1、リレーRL2、及びトライアックTR1の駆動回路図である。
図3(a)はリレーRL1の駆動回路である。RL12onがHigh状態になるとNPN型トランジスタ303にベース電流が流れON状態になる。301と302はトランジスタ303を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ303がON状態になると、PNP型トランジスタ306にベース電流が流れON状態になる。304と305はトランジスタ306を駆動するために用いる抵抗である。RL12offがHigh状態になるとNPN型トランジスタ310にベース電流が流れON状態になる。308と309はトランジスタ310を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ306及びトランジスタ310がON状態になると、RL1の2次側コイル311にVccから電力が供給され、RL1はON状態になる。307はサージ吸収用のダイオードである。
図3(b)はリレーRL2の駆動回路である。RL12onがLow状態になると、PNP型トランジスタ326にベース電流が流れON状態になる。324と325はトランジスタ326を駆動するために用いる抵抗である。RL12offがHigh状態になるとNPN型トランジスタ330にベース電流が流れON状態になる。328と329はトランジスタ330を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ326及び、トランジスタ330がON状態になると、RL2の2次側コイル331にVccから電力が供給され、RL2はON状態になる。327はサージ吸収用のダイオードである。
図3(c)はトライアックTR1の駆動回路である。TR1onがLow状態になると、PNP型トランジスタ346にベース電流が流れON状態になる。344と345はトランジスタ346を駆動するために用いる抵抗である。TR1offがHigh状態になるとNPN型トランジスタ350にベース電流が流れON状態になる。348と349はトランジスタ350を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ346及び、トランジスタ350がON状態になると、フォトトライアックカプラ352の2次側発光ダイオード351にVccから電力が供給される。347は電流制限抵抗である。フォトトライアック352がONになると、続いてトライアックTR1はON状態になる。抵抗353、354はトライアックTR1のためのバイアス抵抗である。
リレーRL1、RL2について動作をまとめる。Vccから電力が供給されている状態で、RL12off信号がHighの場合、RL12on信号がLow状態になると、リレーRL1はOFF状態になり、リレーRL2はON状態(図2(b)の左側の接点と接続)になる(第1の状態)。RL12on信号がHigh状態になると、リレーRL1はON状態になり、リレーRL2はOFF状態(図2(b)の右側の接点と接続)になる(第2の状態)。リレー駆動回路の電力供給VccがOFF状態になると、リレーRL1及びRL2はOFF状態になり、装置は第3の状態となる。また、制御部214のRL12ラッチ部が動作すると、RL12off信号をLow状態に保持し、リレーRL1及びRL2はOFF状態になり、第3の状態になる。
図4は第1の状態、第2の状態、第3の状態を説明するための図である。図4(a)は電源電圧が200Vの場合に、第1の抵抗発熱体H1と第2の抵抗発熱体H2を直列接続する、第1の状態を説明するための図である。ここでは説明のため、抵抗発熱体H1及び抵抗発熱体H2の抵抗値をそれぞれ20Ωとする。第1の状態では20Ωの抵抗が直列接続されているため、ヒータ200の合成抵抗値は40Ωとなる。電源電圧は200Vなので、ヒータ200に供給される電流は5Aで、電力は1000Wとなる。第1の抵抗発熱体の電流I1及び第2の抵抗発熱体の電流I2は、それぞれ5Aである。第1の抵抗発熱体に印加される電圧V1及び第2の抵抗発熱体に印加される電圧V2は、それぞれ100Vである。
図4(b)は電源電圧が100Vの場合に、第1の抵抗発熱体H1と第2の抵抗発熱体H2を並列接続する、第2の状態を説明するための図である。第2の状態では20Ωの抵抗が並列に接続されているため、ヒータ200の合成抵抗値は10Ωとなる。電源電圧は100Vなので、ヒータ200に供給される電流は10Aで、電力は1000Wとなる。第1の抵抗発熱体の電流I1及び第2の抵抗発熱体の電流I2は、それぞれ5Aである。第1の抵抗発熱体に印加される電圧V1及び第2の抵抗発熱体に印加される電圧V2は、それぞれ100Vである。
図4(a)及び図4(b)の状態でヒータに供給される電流、電圧、電力を比較する。電流I1または電流I2を検知する場合、図4(a)の状態では電流値5Aでヒータに供給される電力は1000Wになり、図4(b)の状態でも電流値5Aでヒータに供給される電力は1000Wになる。このように、電流検知位置を工夫することによって、第1の状態及び第2の状態どちらであってもヒータに供給される電力に比例した電流を検知することができ、電流I1またはI2を検知すれば装置の状態が正常か故障か判断できる。また抵抗発熱体H1及びH2に印加される電圧は、電流と抵抗値(20Ω)の積となるため、電流の代わりに、電圧V1やV2を検知しても良い。
上述のように、検知位置を工夫した電流検知部215や電圧検知部212は、ヒータに供給する電力を制限する用途としても利用できる。その一例を説明する。ヒータに供給される電力を1000W以下に制限したい場合、電流リミットを設ければよい。例えば、電流I1や電流I2の検知電流を利用する場合、第1の状態及び第2の状態どちらであっても、検知電流のリミットを5Aに設定しておけば、ヒータに供給される電力を1000W以下に制限することができる。電流検知結果を用いて、所定の電力以下に制御する方法の1例として、特許第3919670号公報で説明されている方法を用いることができる。
図4(c)は電圧検知部212の故障などにより、商用電源211の電圧が200Vであるにも拘らず、ヒータ抵抗値が低い第2の状態になった場合を説明するための図である。第2の状態ではヒータ200の合成抵抗値は10Ωとなる。商用電源電圧は200Vなので、ヒータ200に供給される電流は20Aで、電力は4000Wとなってしまう。電流I1及びI2は正常時(図4(a)、図4(b))の2倍の電流値10Aとなる。電圧V1及びV2も正常時の2倍の電圧値200Vとなる。したがって、本例のように検知位置を工夫した電流検知部215や電圧検知部217を用いれば、正常状態と故障状態を区別できるので、図4(c)の故障状態を検出することができる。図4(c)の状態はヒータ200に過大な電力が供給される状態であり、図4(c)の故障状態を検出した場合には、ヒータ200に供給される電力を遮断する必要がある。
図4(d)はリレーRL1及びリレーRL2がOFF状態になった第3の状態である。この状態ではヒータ200に電流が流れる経路Ioff1はRL1によって遮断されており、経路Ioff2はRL2によって遮断されているため、ヒータ200への電力供給が遮断される(電力供給が不可能となっている)。図3で説明したように、リレー駆動回路の電力供給VccがOFF状態になる場合や、RL12off信号がLOW状態になると、RL1及びRL2はOFF状態になり、図4(d)で示した第3の状態となる。ヒータ200への電力供給を遮断する必要がある場合、第3の状態に設定すればよいので、電力遮断用リレーを別途設ける必要がなくなりコストを抑えることができる。
例えば、電流検知部215から出力されるIrms1信号に基づき、電流I2が5A以下になるようにCPU213がトライアックTR1を制御する場合を説明する。電流I2の上限電流Ilimとして6Aが設定されている場合、トライアックTR1故障等により電力制御不能な状態となり電流検知部215から出力されるIrms2信号が6A以上の異常電流を検出すると、制御部214はRL12ラッチ部を動作させる。そしてRL12off信号をLow状態にし、ヒータへの電力供給を遮断することができる。また、温度検知素子111のTH信号に基づき、ヒータが200℃になるように制御を行う場合を説明する。ヒータ200の温度の上限温度Thlimとして250℃が設定されている場合、TH信号が250℃以上の温度を検出すると、制御部214はRL12ラッチ部を動作させる。そしてRL12off信号をLow状態にし、ヒータへの電力供給を遮断することができる。また図4(c)の故障状態を検出した場合にも、制御部214はRL12ラッチ部を動作させ、RL12off信号をLow状態にし、ヒータへの電力供給を遮断することができる。
図3で説明したように、リレー駆動回路の電力供給VccがOFF状態になると第3の状態となるため、VccがOFF状態では電流検知部215、電圧検知部217、温度検知素子111による異常検出を行わなくても、ヒータへの電力供給を遮断する状態を保持することができる。よって、リレー駆動回路へ電力が供給されていない場合に、リレーRL1及びRL2が第3の状態になるようにリレーを設置することで、定着部100の安全性をより高めることができる。
図5(a)〜図5(c)は、それぞれ、電源部510、電圧検知部212、電圧検知部217の回路図である。電源部510は、24Vコンバータ511と、3.3Vコンバータ512を有する。まず、24Vコンバータ511の説明を行う。513は交流電源211からの波形を整流するために用いるブリッジダイオードであり、515及び516は平滑用の電界コンデンサである。TR2は24Vコンバータ511の全波整流状態と倍電圧整流状態を切り替えるトライアックであり、TR2はCPUのTR2on信号がHigh状態でON状態になる。全波整流状態ではトライアックTR2はOFF状態であり、515と516を直列接続した合成容量値に対して、ブリッジダイオード513で整流された電圧が印加されている。
倍電圧整流状態では、トライアックTR2はON状態であり、交流電源211の正位相の半波は電界コンデンサ516に充電され、負位相の半波は電界コンデンサ515に充電され、それぞれピークホールドされるため、全波整流状態に比べて実質2倍の電圧が24Vコンバータ511に印加される。電圧検知部212が電源電圧の範囲を200V系と判断した場合、VOLT信号はLow状態となり、CPU213はTR2をOFF状態とし、24Vコンバータ511を全波整流状態にする。電圧検知部212が電源電圧の範囲を100V系と検知した場合、TR2をON状態にし、24Vコンバータ511を倍電圧整流状態にする。
次に3.3Vコンバータ512の説明を行う。3.3Vコンバータ512は、電源電圧の範囲が100V系か、200V系のどちらであってもフルレンジで動作可能なコンバータである。517は交流電源211からの波形を整流するために用いるブリッジダイオードであり、518は平滑用の電界コンデンサである。3.3Vコンバータ512はCPUやセンサなどの小さな負荷の電源(出力Vc)として用いられるため、倍電圧整流と全波整流の切り替えを行わない場合にも、比較的簡単にフルレンジで動作可能なコンバータを設計できる。3.3Vコンバータの出力Vcは電圧検知部212の電源としても用いられている。
一方、24Vコンバータ511は、モータやリレーRL1、RL2などの大きな負荷の電源(出力Vcc)として用いられるため、大電力を出力する必要がある。大電力出力可能で、特にPFC回路を持たないAC/DCコンバータでは、倍電圧整流と全波整流の切り替えを行わずに、フルレンジで動作可能にすることが難しい場合がある。そのため、本実施例の24Vコンバータ511では、倍電圧整流と全波整流の切り替えを行っている。TR3は消費電力を低減するためのトライアックであり、TR3はCPUのTR3on信号がHigh状態でON状態になる。定着部がOFF状態やスリープ状態の場合に、TR3をOFFすることで、24Vコンバータ511の消費電力や、電圧検知回路212による消費電力を低減することができる。ゼロクロス検知回路518はヒータ200の電力制御や電流検知部215の制御に用いるZerox信号を出力しており、定着部がOFF状態やスリープ状態の時に、ゼロクロス検知回路の消費電力を低減するため、AC1〜AC3間に配置されている。
図5(b)は電圧検知部(第1の電圧検知部)212の回路図である。電圧検知部212はAC1〜AC3間の電圧を検知している。AC3の電圧は、AC1の電圧がAC2の電圧よりも大きい場合、AC3はブリッジダイオード517を介してAC2と接続されているため、実質AC1〜AC2間の電圧を検知する場合と同様の結果を得ることができる。電圧検知部212は後述する補助巻き線電圧VPCを利用するため、AC1〜AC3間の電圧を検知している。AC1〜AC3に印加される電圧が閾電圧値以上になると、抵抗222と抵抗223で分圧された電圧がツェナーダイオード226のツェナー電圧より高い値になり、227に電圧が印加されると、npn型バイポーラトランジスタ229がON状態となり、フォトカプラ232の1次側発光ダイオードはショート状態になる。電源VPCはAC/DCコンバータ212の不図示のトランス補助巻き線電圧によって、AC3電位を基準に供給されるDC電圧源である。VPCから抵抗231を介して、フォトカプラ232の1次側発光ダイオードに電流を流しており、229がOFF状態では、フォトカプラ232の1次側発光ダイオードが通電状態になっている。AC1〜AC3に印加される電圧が高くなると、229がON状態になり、フォトカプラ232の1次側発光ダイオードをショートするため、フォトカプラ232の発光ダイオードは非発光状態となる。221は電流の逆流防止用ダイオード、228はノイズ対策用コンデンサである。フォトカプラ232の発光ダイオードが非発光状態となり、2次側のトランジスタがOFF状態になると、抵抗233を介してVcからコンデンサ235に充電電流が流れる。234は電流の逆流防止用ダイオード、236は放電用抵抗である。AC1〜AC3に印加される電圧が高くなり、フォトカプラ232の1次側発光ダイオードがOFFする時間の比率が大きくなると、コンデンサ235に充電電流が流れる時間が増えるため、コンデンサ235の電圧は高い値となる。コンデンサ235の電圧が、抵抗237と抵抗238で分圧されたコンパレータ239の比較電圧よりも大きくなると、コンパレータ239の出力部には抵抗240を介してVcから電流が流れ、出力VOLTの電圧がLow状態となる。225はバランス抵抗である。
図5(c)は電圧検知部(第2の電圧検知部)217の回路図である。AC4とAC5間に印加される電圧が閾電圧(所定の上限電圧)以上になると、抵抗242と抵抗243で分圧された電圧がツェナーダイオード244のツェナー電圧より高い値になり、245に電圧が印加され、npn型バイポーラトランジスタ246がON状態になる。トランジスタ246がON状態となると、抵抗247を介して、フォトカプラ249の1次側発光ダイオードに電流が流れる。241は電流の逆流防止用ダイオード、248はフォトカプラ249の保護抵抗である。フォトカプラ249の1次側発光ダイオードに電流が流れると、2次側のトランジスタが動作し、抵抗250を介してVcから電流が流れ、pnp型バイポーラトランジスタ251のゲート電圧がLow状態となる。トランジスタ251がON状態になると、抵抗252を介してVcからコンデンサ253に充電電流が流れる。254は放電用抵抗である。AC5〜AC4に印加される電圧が大きくなり、フォトカプラ249の1次側発光ダイオードに電流が流れる時間の比率(ON Duty)が大きくなると、コンデンサ253に充電電流が流れる時間が増えるため、コンデンサ253の電圧は高い値となる。コンデンサ253の電圧が、抵抗255と抵抗256で分圧されたコンパレータ257の比較電圧よりも大きくなると、コンパレータ257の出力部には抵抗258を介してVcから電流が流れ、出力Vlimの電圧がLow状態となる。出力Vlimの電圧がLow状態になった場合、本実施例の制御装置では、図4(c)に示す故障状態を検出したと判断する。
図6はCPU213及び制御部214による、定着部100の制御シーケンスを説明するためのフローチャート図である。
S600では、制御回路210がスタンバイ状態になると、制御を開始しS601に進む。S601では、TR3onをHigh状態にし、トライアックTR3をON状態する。S602では、電圧検知部212の出力であるVOLT信号に基づき、電源電圧の範囲を判断し、電源電圧が100V系の場合はS604に進み、200V系の場合はS603に進む。S603では、RL12on信号をLow状態にし、ヒータ200を抵抗値の高い第1の状態にする。また、TR2on信号をLow状態にし、24Vコンバータ511を全波整流状態にする。S604では、RL12on信号をHigh状態にし、ヒータ200を抵抗値の低い第1の状態にする。また、TR2on信号をHigh状態にし、24Vコンバータ511を倍電圧整流状態にする。S605でプリント制御開始の判断がされるまで、S602〜S604の処理を繰り返し行い、プリント制御が開始されると、S606に進む。
S606では、温度検知素子111のTH信号が、ヒータ200の上限温度Tlimより高い温度を検出しているか判断し、Tlimより高い温度を検出している場合はS609に進む。
S607では、電圧検知部217が200V系の状態を検知している場合(図4(c)の故障状態)、Vlim信号はLow状態となり、S609に進む。
S608では、電流検知部215の出力Irms2がIlimより大きい電流値を検知した場合に、S609に進む。
S609では、RL12、TR1ラッチ部を動作させ、RL12off、TR1offをLow状態に保持し、ヒータ200への電力供給を遮断する。またはVccへの電力供給を遮断しても良い。
S610では、異常状態を報知して、プリント動作を緊急停止し、S613に進み制御を終了する。S606、S607、S608で異常を検知しなかった場合には、S611に進む。S611では、CPU213は、温度検知素子111が出力するTH信号、電流検知部が出力するIrms1信号に基づき、PI制御を用いてトライアックTR1を制御することで、ヒータ200に供給する電力制御(位相制御、若しくは波数制御)を行っている。S612でプリント終了を判断するまで、S606〜S611の処理を繰り返し、プリント終了するとS613に進み、制御を終了する。
このように本提案の実施例1の制御回路210を用いることで、ヒータ抵抗の接続を直列、並列に切り替え可能な定着部において、ヒータ抵抗切り替えリレーを、電力遮断用リレーとして用いることができる。
(実施例2)
図7は本実施例2の制御回路710を示している。図7(a)の制御回路710は図2(b)に示した制御回路210に電力遮断用リレー(第3のスイッチ手段)RL3を追加した構成である。
ヒータ200の第3の状態で更にRL3をOFF状態にすると(図7記載のリレー接続状態)、AC211とヒータ200を電気的に絶縁することができる。AC211の2つの電源端子の一方(Terminal2)にRL1が接続されており、もう一方(Terminal1)にRL3が接続されていることを特徴としている。図7に示すRL1、RL2、RL3は、電源OFF状態における接点の接続状態を示してある。
例えば、リレーRL3の代わりに、トライアックTR1を用いても、AC211の2つの電源端子からヒータ200への電流経路を遮断することはできる。しかし感電防止の安全装置として用いる場合には、半導体駆動素子であるトライアックTR1では十分でない場合がある。AC211の両側の電源端子をリレーRL1、RL2、RL3を用いて、ヒータ200と遮断することで、AC211とヒータ200を電気的に絶縁することができる。実施例2(実施例3)では、定着部がOFF状態やスリープ状態の場合に、バランス抵抗255の消費電力を低減するため、バランス抵抗225をAC3〜AC6間に接続している。リレーRL3がOFF状態では、AC3〜AC6に電圧が印加されなくなるため、バランス抵抗225による消費電力を低減することができる。バランス抵抗225には絶縁抵抗を用いても良い。
図7(b)はインターロックスイッチSW1、及びリレーRL3の駆動回路を示す。RL1、RL2、RL3の駆動回路への電力供給は、24Vコンバータ511からSW1を介して供給されている。つまりSW1がOFF状態になると、RL1、RL2、RL3はOFF状態になる。画像形成装置はメンテナンス、用紙ジャム(紙つまり)の処理、定着装置交換などのため、定着装置をユーザーがアクセスできる構成になっている場合がある。画像形成装置には定着装置100にアクセスするための不図示のドアを設けており、ドアが開いた上体ではインターロックSW1がOFF状態になるように設計されている。一般的に定着装置自体も感電防止のため絶縁処理が行われている。更にAC211の両側の端子をリレーRL1、RL2、RL3を用いて遮断することで、より安全性を高めることができる。抵抗切り替えリレー(RL1及びRL2)を遮断手段として用いない場合には、AC211の両側の電源端子を遮断するために、2つの電力遮断用リレーが必要になる。
RL3の駆動回路は、RL3onがLow状態になると、PNP型トランジスタ706にベース電流が流れON状態になる。704と705はトランジスタ706を駆動するために用いる抵抗である。RL3offがHigh状態になるとNPN型トランジスタ710にベース電流が流れON状態になる。708と709はトランジスタ710を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ706及び、トランジスタ710がON状態になると、RL3の2次側コイル711にVccから電力が供給され、RL3はON状態になる。707はサージ吸収用のダイオードである。
インターロックスイッチSW1がOFF状態になるとVccへの電力供給は遮断され、RL3はOFF状態になる。また、RL3は実施例1で説明した、図6のステップS609で異常状態を検出した場合において、制御部714のRL3ラッチ部を動作させ、RL3offをLow状態に保持し、RL3をOFF状態にする。RL3ラッチ部が動作すると、RL3on信号がHigh状態になっても、RL3をOFF状態で保持することができる。
このように、本実施例では、インターロックスイッチSWが遮断状態になると、AC211の両側の電源端子を3つのリレーRL1、RL2、RL3を用いてヒータ200と遮断する第3の状態にするので、AC211とヒータ200を電気的に絶縁することができ、装置の安全性がより向上する。
(実施例3)
図8は実施例3の制御回路810を示している。
図8(a)の制御回路810は図7に示した制御回路710に用いるMBM接点リレーRL2の代わりに、ブレーク接点リレーRL2−1とメーク接点リレーRL2−2を組み合わせて用いる方法を説明している。図8に示すRL1、RL2−1、RL2−2、RL3は、リレー駆動回路の電源(Vcc)がOFF状態における接点の接続状態を示してある。ブレーク接点リレーRL2−1はコイル811に電力が供給されていない場合に、ON状態になる。また、メーク接点リレーRL2−2はコイル812に電力が供給されていない場合に、OFF状態になる。実施例1で説明した第1の状態では、RL2−1はOFF状態となり、RL2−2はON状態となる。第2の状態では、RL2−1はON状態となり、RL2−2はOFF状態となる。
図8(b)にRL2−1及びRL2−2の駆動回路を示す。RL12onがHigh状態になるとNPN型トランジスタ803にベース電流が流れON状態になる。801と802はトランジスタ803を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ803がON状態になると、PNP型トランジスタ806にベース電流が流れON状態になる。804と805はトランジスタ806を駆動するために用いる抵抗である。RL12offがHigh状態になるとNPN型トランジスタ810にベース電流が流れON状態になる。808と809はトランジスタ810を駆動するために用いる抵抗である。トランジスタ806及び、トランジスタ810がON状態になると、RL2−1の2次側コイル811に電流が流れ、RL2−1はOFF状態になる。また、RL2−2の2次側コイル812に電流が流れ、RL2−2はON状態になる。807はサージ吸収用のダイオードである。本実施例3では、メーク接点リレーとブレーク接点リレーを組み合わせる方法を説明しているが、代わりに2つのメーク接点リレーを用いても良い。メーク接点リレーやブレーク接点リレーは、MBM接点リレーよりも、接点ギャップが優れている場合があるため、メーク接点リレー及びブレーク接点リレーをMBM接点リレーの代わりに用いる方法は有効である。
100 定着部
RL1 第1のスイッチ手段
RL2 第2のスイッチ手段
RL3 第3のスイッチ手段
200 ヒータ
SW1 インターロックスイッチ
H1 第1の抵抗発熱体
H2 第2の抵抗発熱体
E1 第1の電極
E2 第2の電極
E3 第3の電極

Claims (8)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    エンドレスベルトと、第1の電極と第2の電極の間に設けられた第1の抵抗発熱体と前記第2の電極と第3の電極の間に設けられた第2の抵抗発熱体を有し前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に画像を担持する記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成するニップ部形成部材と、前記第2の電極と商用電源の第2の電源端子の間の電力供給路に設けられている第1のスイッチ手段と、前記第1の電極の接続先を商用電源の第1の電源端子または前記第2の電源端子に切り替え可能に電力供給路に設けられている第2のスイッチ手段と、を有し、前記第3の電極は前記第1の電源端子と接続されており、前記第1のスイッチ手段を電力供給路遮断状態とし且つ前記第2のスイッチ手段を前記第2の電源端子と接続することで前記第1の抵抗発熱体と前記第2の抵抗発熱体を直列に接続する第1の状態と、前記第1のスイッチ手段を電力供給路導通状態とし且つ前記第2のスイッチ手段を前記第1の電源端子と接続することで前記第1の抵抗発熱体と前記第2の抵抗発熱体を並列に接続する第2の状態と、に切り替え可能である定着部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記第1のスイッチ手段を電力供給路遮断状態とし且つ前記第2のスイッチ手段を前記第1の電源端子と接続することで前記ヒータへの電力供給を不可能とする第3の状態を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 商用電源の電圧を検知する電圧検知部を有し、前記電圧検知部の検知電圧に応じて前記第1の状態と前記第2の状態を自動的に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第3の状態では、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段への駆動電力が遮断されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の電源端子から前記ヒータに電力を供給する経路に電力を制御するための半導体駆動素子を有し、前記半導体駆動素子と前記第1の電源端子の間の電力供給路には第3のスイッチ手段が接続されており、前記第3の状態では、前記第3のスイッチ手段は電力供給路遮断状態であり前記第3のスイッチ手段への駆動電力も遮断されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記装置はインターロックスイッチを有し、前記インターロックスイッチが遮断状態になると前記第3の状態にすることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記ヒータの温度が所定の上限温度を超えた場合に前記第3の状態にすることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1の電極と前記第2の電極の間を流れる電流、または前記第2の電極と前記第3の電極の間を流れる電流を検知する電流検知部を有し、前記電流検知部の検知電流が所定の上限電流を超えた場合に前記第3の状態にすることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加される電圧、または前記第2の電極と前記第3の電極の間に印加される電圧を検知する第2の電圧検知部を有し、前記第2の電圧検知部の検知電圧が所定の上限電圧を超えた場合に前記第3の状態にすることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
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