JP2012127711A - 真空蒸着装置及び薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
真空排気された真空槽11内に蒸着材料の蒸気を放出させ、ホルダ32a、32bに接触して保持された振動子31a、31bの表面に蒸気を付着させ、付着膜の膜厚を測定しながら、基板16に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、付着膜の蒸発温度より融点の高い振動子31a、31bとホルダ32a、32bと、ホルダ加熱装置33a、33bとを用いて、真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、ホルダ32a、32bの融点と振動子31a、31bの融点の両方より低い温度でかつ付着膜の蒸発温度以上の温度にホルダ32a、32bを加熱し、ホルダ32a、32bからの熱伝導により振動子31a、31bを加熱し、振動子31a、31bから付着膜を気化させて除去する。
【選択図】図1
Description
従来の真空蒸着装置110は、真空槽111と、真空槽111内を真空排気する真空排気装置112と、真空槽111内に露出する放出口121から蒸着材料の蒸気を放出する放出装置120と、放出口121と対面する位置に基板を保持する基板保持部115とを有している。符号116は、基板保持部115に保持された基板を示している。
複数枚の基板116で成膜を繰り返すと、振動子131に付着した付着膜の膜厚が大きくなり、振動子131は膜厚を正確に測定できなくなる。
本発明は真空蒸着装置であって、前記ホルダ加熱装置は、前記ホルダと接触された抵抗加熱ヒーターである真空蒸着装置である。
本発明は真空蒸着装置であって、前記ホルダ加熱装置は、前記ホルダと非接触の誘導加熱コイルである真空蒸着装置である。
本発明は真空蒸着装置であって、前記真空槽内には、前記蒸気が到達する位置である第一の位置と、前記蒸気が遮蔽された位置である第二の位置が配置され、前記振動子を、前記ホルダと前記ホルダ加熱装置と一緒に、前記第一の位置と前記第二の位置との間を移動させる移動装置を有する真空蒸着装置である。
本発明は真空蒸着装置であって、前記振動子と前記ホルダと前記ホルダ加熱装置とをそれぞれ複数個ずつ有し、各前記振動子はそれぞれ異なる一の前記ホルダに保持され、各前記ホルダ加熱装置はそれぞれ異なる一の前記ホルダを加熱するように構成され、前記移動装置は、複数の前記振動子のうち、前記第一の位置に配置された一の前記振動子を前記第二の位置に移動し、他の一の前記振動子を前記第一の位置に移動する真空蒸着装置である。
本発明は真空蒸着装置であって、前記蒸着材料は、有機物と、フッ化リチウムと、三酸化モリブデンのいずれか一種類の物質であり、前記基板に形成される前記薄膜と前記振動子に付着する前記付着膜は、前記物質の薄膜である真空蒸着装置である。
本発明は、真空排気された真空槽内に露出する放出口から蒸着材料の蒸気を放出させ、ホルダに接触して保持された振動子の表面に前記蒸気を付着させ、前記振動子に付着した付着膜の膜厚を測定しながら、前記放出口と対面する位置に配置された基板に薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、前記付着膜の蒸発温度より融点の高い前記振動子と前記ホルダと、前記ホルダを加熱するホルダ加熱装置とを用いて、前記基板に薄膜を形成した後、前記放出口から前記蒸気の放出を停止し、前記真空槽内の真空雰囲気を維持しながら、前記ホルダの融点と前記振動子の融点の両方より低い温度でかつ前記付着膜の蒸発温度以上の温度に前記ホルダを加熱し、前記ホルダからの熱伝導により前記振動子を加熱し、前記振動子から前記付着膜を気化させて除去する薄膜の製造方法である。
本発明は、真空排気された真空槽内に露出する放出口から蒸着材料の蒸気を放出させ、前記蒸気が到達する位置である第一の位置に配置され、ホルダに接触して保持された振動子の表面に前記蒸気を付着させ、前記振動子に付着した付着膜の膜厚を測定しながら、前記放出口と対面する位置に配置された基板に薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、前記付着膜の蒸発温度より融点の高い前記振動子と前記ホルダと、前記ホルダを加熱するホルダ加熱装置とを用いて、前記真空槽内の真空雰囲気を維持し、前記放出口から前記蒸気の放出を継続し、前記基板に薄膜を形成しながら、前記第一の位置に配置された前記振動子を前記ホルダと前記ホルダ加熱装置と一緒に前記蒸気が遮蔽された位置である第二の位置に移動させ、前記ホルダの融点と前記振動子の融点の両方より低い温度でかつ前記付着膜の蒸発温度以上の温度に前記第二の位置に配置された前記振動子の前記ホルダを加熱し、前記ホルダからの熱伝導により前記振動子を加熱し、前記振動子から前記付着膜を気化させて除去する薄膜の製造方法である。
本発明は薄膜の製造方法であって、前記第一の位置に配置された前記振動子を前記ホルダと前記ホルダ加熱装置と一緒に前記第二の位置に移動させ、別の振動子を、前記別の振動子を接触して保持する別のホルダと、前記別のホルダを加熱する別のホルダ加熱装置と一緒に前記第一の位置に移動させる薄膜の製造方法である。
本発明は薄膜の製造方法であって、前記ホルダ加熱装置は、前記ホルダと接触された抵抗加熱ヒーターである薄膜の製造方法である。
本発明は薄膜の製造方法であって、前記ホルダ加熱装置を、前記ホルダと非接触の誘導加熱コイルである薄膜の製造方法である。
本発明は薄膜の製造方法であって、前記蒸着材料は、有機物と、フッ化リチウムと、三酸化モリブデンのいずれか一種類の物質であり、前記基板に形成される前記薄膜と前記振動子に付着する前記付着膜は、前記物質の薄膜である薄膜の製造方法である。
振動子上の付着膜の成膜レートと、基板上の薄膜の成膜レートは正比例する。したがって、Tooling factor(T/F)=(基板上の成膜レート)/(振動子上の成膜レート)を予め求めておけば、付着膜の測定値から、基板上の薄膜の膜厚や基板上の成膜レートを測定できる。
成膜作業を続けると、付着膜の膜厚が厚くなって、T/Fの比率がずれ、測定精度が悪くなったり、振動子の振動が停止し、測定ができなくなったりする。なお、本発明で「測定精度」とは、振動子が測定した基板上の薄膜の膜厚と、実際に基板上に成膜された薄膜の膜厚との差のことである。
測定精度が悪くなる振動周波数を予め求めておき、成膜中に振動周波数が予め求めておいた振動周波数より大きい所定の振動周波数になったら、振動子をクリーニングする。
本発明の第一例の真空蒸着装置の構造を説明する。図1は第一例の真空蒸着装置101の内部構成図である。
本実施例では、第一例の真空蒸着装置101は放出装置20a、20bを二個有しているが、放出装置20a、20bの数は二個に限定されず、一個でもよいし三個以上でもよい。
基板保持部15には不図示のモーターが接続されており、モーターは動力を基板保持部15に伝達して、基板保持部15に保持された基板16を、鉛直な回転軸線を中心に回転できるようなっている。
振動子31a、31bには制御装置19が接続されている。制御装置19は、振動子31a、31bの振動周波数の低減量から、付着した付着膜の膜厚や付着膜の成膜レートを測定できるように構成されている。
ホルダ加熱装置33a、33bは線状に形成され、ホルダ32a、32bの外周側面に巻き回されて取り付けられ、ホルダ32a、32bと接触している。なお、ホルダ加熱装置33a、33bは、ホルダ32a、32bと接触しているならば、上記構成に限定されず、ブロック形状の抵抗加熱ヒーターを用いてもよい。ホルダ加熱装置33a、33bとホルダ32a、32bとの接触面積が大きい方が、高い熱伝導性が得られるため好ましい。
第一例の真空蒸着装置を用いた薄膜形成方法を説明する。
材料容器22a、22b内に固体又は液体の蒸着材料を収容する。本実施例では、一方の材料容器22a内にホストの有機蒸着材料を収容し、他方の材料容器22b内にドーパントの有機蒸着材料を収容するが、両方の材料容器22a、22b内に同じ種類の有機蒸着材料を配置してもよい。
また、例えば基板保持部15にダミー基板を保持させた状態で、振動子31a、31bの洗浄を行わずに連続して成膜し、ダミー基板上の膜厚を振動子31a、31b以外の他の機器(例えば、不図示の段差計)で測定しながら、振動子31a、31bの振動周波数を記録し、振動子31a、31bの測定精度が悪くなるときの振動周波数を求める。振動子31a、31bの洗浄を行うときの振動周波数を、ここで求めた振動周波数より大きい値に予め定めておく。
シャッター24a、24bと、補助シャッター35a、35bをどちらも閉状態にしておく。
材料加熱用電源25a、25bから材料加熱装置23a、23bに電力を供給して、材料容器22a、22b内の蒸着材料を加熱し、蒸気を発生させる。
モーターを動作させて、基板保持部15に保持された基板16を鉛直な回転軸線の周りに回転させておく。
シャッター24a、24bと補助シャッター35a、35bを開状態にする。
放出口21a、21bから放出された蒸気の一部は、基板保持部15に保持された基板16の表面に到達して付着し、基板16の表面に、ホストの有機蒸着材料とドーパントの有機蒸着材料の混合物からなる有機薄膜が形成される。
制御装置19は、振動子31a、31bの振動周波数を監視しており、振動周波数の低減量から、付着した付着膜の膜厚や付着膜の成膜レートを測定する。
基板16の表面に所定の厚みの薄膜を形成した後、シャッター24a、24bを閉じて、放出口21a、21bからの蒸気の放出を停止する。
モーターによる基板16の回転を停止する。
真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、成膜済みの基板16を真空槽11の外側に搬出し、次いで、別の未成膜の基板16を真空槽11内に搬入して、基板保持部15に保持させる。
基板交換工程と成膜工程とを繰り返し行って、複数枚の基板に蒸着材料の粒子から成る薄膜を形成する。
複数の振動子31a、31bのうちいずれか一個の振動子の振動周波数が、予め定めておいた洗浄を行うときの振動周波数になったら、シャッター24a、24bを閉じて、放出口21a、21bからの蒸気の放出を停止する。真空槽11内に基板16が配置されている場合には、基板16を真空槽11の外側に搬出しておく。真空槽11内の真空雰囲気を維持する。
ホルダ32a、32bが加熱されると、熱伝導により振動子31a、31bも加熱され、振動子31a、31bの温度が蒸着材料の蒸発温度よりも高くなると、付着膜が気化して、振動子31a、31bの表面から除去される。振動子31a、31b全体が加熱されるので、振動子31a、31bの表面全体から付着膜が除去される。
付着膜の気化物の一部は補助シャッター35a、35b上に付着し、他の一部は真空排気装置12により真空槽11内から真空排気される。基板16は真空槽11の外側に搬出されており、付着膜の気化物が基板16に付着することはない。また、シャッター24a、24bを閉じてあるので、付着膜の気化物が材料容器22a、22b内の蒸着材料に混入することもない。
振動子31a、31bとホルダ32a、32bの温度を蒸着材料の蒸発温度より低い温度に下げた後、上述の成膜工程と基板交換工程を繰り返す。
第二例の真空蒸着装置の構造を説明する。図2は、第二例の真空蒸着装置102の内部構成図を示している。第二例の真空蒸着装置102のうち、上述の第一例の真空蒸着装置101と構造が同じ部分には、同じ符号を付している。
第二例の真空蒸着装置102は、第一例の真空蒸着装置101と比べて、膜厚センサの構造が異なっている。
指向性パイプ37a、37bの内周の直径は、振動子31a、31bの表面の直径よりも大きく形成されている。
ホルダ加熱装置33a、33bは線状の抵抗加熱ヒーターであり、指向性パイプ37a、37bの外周側面に巻き回されて取り付けられ、指向性パイプ37a、37bと接触している。
第二例の真空蒸着装置102の使用方法は、第一例の真空蒸着装置101の使用方法と同様であり説明を省略する。
第三例の真空蒸着装置の構造を説明する。図3は、第三例の真空蒸着装置103の内部構成図を示している。第三例の真空蒸着装置103のうち、上述の第一例の真空蒸着装置101と構造が同じ部分には、同じ符号を付している。
第一例の真空蒸着装置101と構造が同じ部分は、説明を省略する。
第四例の真空蒸着装置の構造を説明する。図4は、第四例の真空蒸着装置104の内部構成図を示している。第四例の真空蒸着装置104のうち、上述の第一例の真空蒸着装置101と構造が同じ部分には、同じ符号を付している。
第四例の真空蒸着装置104は、第一例の真空蒸着装置101と比べて、膜厚センサのホルダ加熱装置の構成が異なっている。すなわち、第四例の真空蒸着装置104の膜厚センサ30a4、30b4のホルダ加熱装置51a、51bは、放射面から赤外線を放射する赤外線ランプである。
ホルダ加熱装置51a、51bにはランプ用電源52a、52bが電気的に接続されている。ランプ用電源52a、52bからホルダ加熱装置51a、51bに電力を供給すると、ホルダ加熱装置51a、51bはホルダ32a、32bに赤外線を照射して、ホルダ32a、32bが加熱されるようになっている。
第五例の真空蒸着装置の構造を説明する。図5は、第五例の真空蒸着装置105の内部構成図を示している。第五例の真空蒸着装置105のうち、上述の第一例の真空蒸着装置101と構造が同じ部分には、同じ符号を付している。
第五例の真空蒸着装置105は、第一例の真空蒸着装置101の膜厚センサ30a1、30b1の代わりに、膜厚測定装置40a、40bを有している。各膜厚測定装置40a、40bの構造は互いに同様であり、符号40aの膜厚測定装置で代表して説明する。
膜厚測定装置40aは、膜厚センサ30a41、30a42と、膜厚センサ30a41、30a42を保持するセンサ保持部41aと、センサ保持部41aの表面を覆うように配置された遮蔽部42aとを有している。本実施例では、膜厚測定装置40aは二個の膜厚センサ30a41、30a42を有している。
センサ保持部41aは、融点が蒸着材料の蒸発温度より高く、断熱性を有する材質からなり、ここでは円錐台形状に形成されている。各膜厚センサ30a41、30a42は、センサ保持部41aの外周に沿って並んで配置され、それぞれ振動子31a1、31a2の表面が露出した状態で、センサ保持部41aの外周側面に固定されている。
複数の振動子31a1、31a2のうち、一の振動子31a1の表面を開口43aから露出させると、他の振動子31a2の表面は遮蔽部42aで遮蔽されるようになっている。
以下では、真空槽11内において、各膜厚測定装置40a、40bの振動子31a1、31a2、31b1、31b2が開口43a、43bから露出する位置を第一の位置と呼び、遮蔽部42a、42bで遮蔽される位置を第二の位置と呼ぶ。
第五例の真空蒸着装置を用いた薄膜の形成方法を説明する。
(準備工程)
材料容器22a、22b内に固体又は液体の蒸着材料を収容する。本実施例では、一方の材料容器22a内にホストの有機蒸着材料を収容し、他方の材料容器22b内にドーパントの有機蒸着材料を収容するが、両方の材料容器22a、22b内に同じ種類の有機蒸着材料を配置してもよい。
また、例えば基板保持部15にダミー基板を保持させた状態で、第一の位置に配置された振動子31a1、31b1の交換を行わずに連続して成膜し、ダミー基板上の膜厚を第一の位置に配置された振動子31a1、31b1以外の他の機器(例えば、不図示の段差計)で測定しながら、第一の位置に配置された振動子31a1、31b1の振動周波数を記録し、第一の位置に配置された振動子31a1、31b1の測定精度が悪くなるときの振動周波数を求める。第一の位置に配置された振動子31a1、31b1の交換を行うときの振動周波数を、ここで求めた振動周波数より大きい値に予め定めておく。
シャッター24a、24bと、補助シャッター35a、35bをどちらも閉状態にしておく。
(成膜工程)
モーターを動作させて、基板保持部15に保持された基板16を鉛直な回転軸線の周りに回転させておく。
材料容器22a、22b内の蒸気は放出口21a、21bから真空槽11内に放出される。
放出口21a、21bから放出された蒸気の一部は、基板保持部15に保持された基板16の表面に到達して付着し、基板16の表面に、ホストの有機蒸着材料とドーパントの有機蒸着材料の混合物からなる有機薄膜が形成される。
一方、放出口21a、21bから放出された蒸気の一部は、第一の位置に配置された振動子31a1、31b1の表面に到達して付着し、有機物から成る付着膜が形成される。
また、制御装置19は、予め求めておいた振動子31a1、31b1上の成膜レートと基板16上の成膜レートとの関係を用いて、振動子31a1、31b1上の成膜レートから、基板16上の薄膜の厚みを求める。
第一の位置に配置された振動子31a1の振動周波数が、予め定めておいた交換を行うときの振動周波数になると、制御装置19は移動装置44aに制御信号を送って、センサ保持部41aを回転させ、図7を参照し、付着膜が付着した振動子31a1をそのホルダ32a1とホルダ加熱装置33a1と一緒に第一の位置から第二の位置に移動させ、別の未成膜の振動子31a2をそのホルダ32a2とホルダ加熱装置33a2と一緒に第一の位置に移動させ、第一の位置に配置された新しい振動子31a2で成膜レートの測定を継続する。
基板16の表面に所定の厚みの薄膜を形成した後、シャッター24a、24bと補助シャッター35a、35bを閉じて、放出口21a、21bからの蒸気の放出を停止する。
真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、成膜済みの基板16を真空槽11の外側に搬出し、次いで、別の未成膜の基板16を真空槽11内に搬入して、基板保持部15に保持させる。
基板交換工程と、成膜工程とを複数枚の基板で繰り返し行って、複数枚の基板に蒸着材料の薄膜を形成する。
11……真空槽
12……真空排気装置
15……基板保持部
16……基板
20a、20b……放出装置
21a、21b……放出口
31a、31b、31a1、31a2、31b1、31b2……振動子
32a、32b、32a1、32a2、32b1、32b2……ホルダ
33a、33b、33a1、33a2、33b1、33b2……ホルダ加熱装置(抵抗加熱ヒーター)
38a、38b……ホルダ加熱装置(誘導加熱コイル)
44a、44b……移動装置
Claims (12)
- 真空槽と、
前記真空槽内を真空排気する真空排気装置と、
前記真空槽内に露出する放出口から蒸着材料の蒸気を放出する放出装置と、
前記放出口と対面する位置に基板を保持する基板保持部と、
前記真空槽内に配置され、表面に付着した付着膜の膜厚を測定できる振動子と、
前記振動子を前記振動子の表面を露出させた状態で、前記振動子と接触して保持するホルダと、
を有し、前記基板保持部に保持された前記基板に薄膜を形成する真空蒸着装置であって、
前記振動子の融点と前記ホルダの融点はどちらも前記付着膜の蒸発温度より高くされ、
前記ホルダの融点と前記振動子の融点の両方より低い温度でかつ前記付着膜の蒸発温度以上の温度に前記ホルダを加熱するホルダ加熱装置を有する真空蒸着装置。 - 前記ホルダ加熱装置は、前記ホルダと接触された抵抗加熱ヒーターである請求項1記載の真空蒸着装置。
- 前記ホルダ加熱装置は、前記ホルダと非接触の誘導加熱コイルである請求項1記載の真空蒸着装置。
- 前記真空槽内には、前記蒸気が到達する位置である第一の位置と、前記蒸気が遮蔽された位置である第二の位置が配置され、
前記振動子を、前記ホルダと前記ホルダ加熱装置と一緒に、前記第一の位置と前記第二の位置との間を移動させる移動装置を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の真空蒸着装置。 - 前記振動子と前記ホルダと前記ホルダ加熱装置とをそれぞれ複数個ずつ有し、
各前記振動子はそれぞれ異なる一の前記ホルダに保持され、
各前記ホルダ加熱装置はそれぞれ異なる一の前記ホルダを加熱するように構成され、
前記移動装置は、複数の前記振動子のうち、前記第一の位置に配置された一の前記振動子を前記第二の位置に移動し、他の一の前記振動子を前記第一の位置に移動する請求項4記載の真空蒸着装置。 - 前記蒸着材料は、有機物と、フッ化リチウムと、三酸化モリブデンのいずれか一種類の物質であり、
前記基板に形成される前記薄膜と前記振動子に付着する前記付着膜は、前記物質の薄膜である請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の真空蒸着装置。 - 真空排気された真空槽内に露出する放出口から蒸着材料の蒸気を放出させ、ホルダに接触して保持された振動子の表面に前記蒸気を付着させ、前記振動子に付着した付着膜の膜厚を測定しながら、前記放出口と対面する位置に配置された基板に薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、
前記付着膜の蒸発温度より融点の高い前記振動子と前記ホルダと、前記ホルダを加熱するホルダ加熱装置とを用いて、
前記基板に薄膜を形成した後、前記放出口から前記蒸気の放出を停止し、前記真空槽内の真空雰囲気を維持しながら、
前記ホルダの融点と前記振動子の融点の両方より低い温度でかつ前記付着膜の蒸発温度以上の温度に前記ホルダを加熱し、前記ホルダからの熱伝導により前記振動子を加熱し、前記振動子から前記付着膜を気化させて除去する薄膜の製造方法。 - 真空排気された真空槽内に露出する放出口から蒸着材料の蒸気を放出させ、前記蒸気が到達する位置である第一の位置に配置され、ホルダに接触して保持された振動子の表面に前記蒸気を付着させ、前記振動子に付着した付着膜の膜厚を測定しながら、前記放出口と対面する位置に配置された基板に薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、
前記付着膜の蒸発温度より融点の高い前記振動子と前記ホルダと、前記ホルダを加熱するホルダ加熱装置とを用いて、
前記真空槽内の真空雰囲気を維持し、前記放出口から前記蒸気の放出を継続し、前記基板に薄膜を形成しながら、
前記第一の位置に配置された前記振動子を前記ホルダと前記ホルダ加熱装置と一緒に前記蒸気が遮蔽された位置である第二の位置に移動させ、
前記ホルダの融点と前記振動子の融点の両方より低い温度でかつ前記付着膜の蒸発温度以上の温度に前記第二の位置に配置された前記振動子の前記ホルダを加熱し、前記ホルダからの熱伝導により前記振動子を加熱し、前記振動子から前記付着膜を気化させて除去する薄膜の製造方法。 - 前記第一の位置に配置された前記振動子を前記ホルダと前記ホルダ加熱装置と一緒に前記第二の位置に移動させ、別の振動子を、前記別の振動子を接触して保持する別のホルダと、前記別のホルダを加熱する別のホルダ加熱装置と一緒に前記第一の位置に移動させる請求項8記載の薄膜の製造方法。
- 前記ホルダ加熱装置は、前記ホルダと接触された抵抗加熱ヒーターである請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の薄膜の製造方法。
- 前記ホルダ加熱装置を、前記ホルダと非接触の誘導加熱コイルである請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の薄膜の製造方法。
- 前記蒸着材料は、有機物と、フッ化リチウムと、三酸化モリブデンのいずれか一種類の物質であり、
前記基板に形成される前記薄膜と前記振動子に付着する前記付着膜は、前記物質の薄膜である請求項7乃至請求項11のいずれか1項記載の薄膜の製造方法。
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