JP2671191B2 - 薄膜作製装置の基板加熱機構 - Google Patents

薄膜作製装置の基板加熱機構

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JP2671191B2
JP2671191B2 JP3523094A JP3523094A JP2671191B2 JP 2671191 B2 JP2671191 B2 JP 2671191B2 JP 3523094 A JP3523094 A JP 3523094A JP 3523094 A JP3523094 A JP 3523094A JP 2671191 B2 JP2671191 B2 JP 2671191B2
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和男 平田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパッタリング装置、蒸
着装置、CVD装置等の薄膜作製装置の基板加熱機構に
関し、特に、複数の基板を同時に移動させながら加熱す
るとともに基板温度を常時モニターして温度制御できる
基板加熱機構に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜作製技術の進歩と共に多くの
高機能デバイスが開発されており、その薄膜作製技術と
して、スパッタリング法、蒸着法(MBE法を含む)、
化学気相成長法(CVD法)等が用いられている。特
に、高機能性薄膜を得る観点から、500℃以上の高基
板温度で成膜するプロセスが要求されている。その幾つ
かの代表例をあげると、IC配線に利用するアルミニウ
ムをコンタクトホールへ埋め込むために、基板温度を5
00℃にしてアルミニウムにリフローを起こさせて穴埋
め特性を良好にするものがある。また、64メガDRA
M以降のキャパシタ絶縁膜に利用しようとしているSr
TiO3膜や(Ba、Sr)TiO3膜では、高比誘電率
を得るために、基板温度を400〜600℃の高温にし
て成膜している。さらに別の例としては、分極反転を利
用した不揮発性の高速RAMのキャパシタ絶縁膜に利用
しようとしているPZT膜では、高比誘電率の強誘電体
特性を得るために、600℃以上の基板温度で成膜する
必要がある(参考文献:K. Hirata et al, Jpn. J. App
l. Phys. 31 (1992) P.3021 )。このような高基板温度
で成膜を行うには基板加熱機構が重要になる。
【0003】その基板加熱機構に要求される主要な機能
としては次の5つの機能が挙げられる。(1)量産性の
観点から一度に複数枚の基板を加熱できる。(2)ヒー
ターが耐腐食性があり、長寿命である。(3)高基板温
度に容易にできる。(4)成膜中の基板の温度モニター
が可能であり、基板の温度制御ができる。(5)基板面
内の温度均一性が良好である。
【0004】上記の条件を満たす基板加熱機構としてラ
ンプ加熱方式を利用した基板加熱機構があり、その従来
例として、特開平5−148633号公報に記載された
ものがある。この基板加熱機構は、基板ホルダーに複数
枚の基板を設置でき、耐腐食性があるランプ加熱方式を
利用して、これらの複数の基板を一度に加熱できる。ま
た、基板に熱線を直接照射して基板を高温に加熱でき、
さらに、成膜中の基板温度をモニターするためにダミー
基板を用いている。
【0005】ところで、上述の従来の公報は、基板面内
の温度分布の均一性に関しては特に言及していない。ラ
ンプ加熱方式では、基板に熱線を直接照射して基板を高
温に加熱しているので、ランプの形状、大きさ、及び配
置が、基板面内の温度分布の均一性に非常に影響するこ
とになる。そこで、以下に、棒状ランプヒーターとサー
クル状ランプヒーターを用いた従来例を挙げて、基板面
内の温度分布の状況を説明する。
【0006】まず、棒状ランプヒーターについて説明す
る。図11の(A)は、カルーセル型の移動式の基板ホ
ルダーに対する基板加熱機構の正面断面図であり、
(B)はその平面断面図である。(A)は(B)のA−
A線断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図で
ある。円筒状の基板ホルダー10の内部では、6個の棒
状ランプヒーター12が円板状ランプベース台14の同
一円周上に設置されている。円筒状の基板ホルダー10
には6個の基板取り付け板16が取り付けられ、その基
板取り付け板16に基板18が取り付けられる。基板1
8は棒状ランプヒーター12によって直接加熱される。
【0007】図16の(A)は、この棒状ランプヒータ
ー12と基板18との位置関係を示す正面断面図であ
る。棒状ランプヒーター12は水平方向に延びており、
これに対して、基板18は鉛直姿勢の状態で水平面内を
回転する。すなわち、基板18は矢印20の方向に移動
し、棒状ランプヒーター12は基板18の移動方向に平
行に延びている。棒状ランプヒーター12の高さ位置は
基板18の中央の高さ位置に等しい。
【0008】図16の(B)は、(A)の側面断面図で
あり、(C)は基板の上下方向の面内温度分布を示すグ
ラフである。(C)から分かるように、基板の移動方向
に対して垂直な方向すなわち上下方向においては、基板
面内で大きな温度分布が生じる。すなわち熱線22が強
く照射される基板中央部は、基板上端および下端よりも
加熱されて温度が高くなってしまう。基板中央部が60
0℃になるように加熱した場合、基板上端と下端の温度
はいずれも550℃にとどまり、基板面内の最大温度差
は50℃にもなる。
【0009】また、図16の(A)において、ランプ碍
子部24,25とリード線26,27は円筒状の基板ホ
ルダーの内部にあるため、これらの部品が非常に加熱さ
れることになる。したがって、ランプ碍子部24,25
の内部で断線したり、これらの部品からガスが発生した
りする構造上の欠点がある。
【0010】図16の(A)は棒状ランプヒーター12
aを上下方向に延びるように配置した状態の従来例の正
面断面図である。この場合は、棒状ランプヒーター12
aが基板18の移動方向20に対して垂直に述びてい
る。この棒状ランプヒーター12aの中央の高さ位置は
基板18の中央の高さ位置と等しい。棒状ランプヒータ
ー12aをこのように配置すると、図16に示す従来例
よりも基板面内の上下方向の温度分布が改善される可能
性がある。
【0011】しかし、図16の(B)の側面断面図に示
すように、棒状ランプヒーター12aは円筒状の基板ホ
ルダー10の内部に設置されるので、ランプ碍子部24
a,25aとリード線26a,27aはやはり非常に加
熱されことになり、ランプ碍子部24a,25aの内部
で断線したり、これらの部品からガスが発生したりする
欠点は改善されていない。
【0012】このような欠点の改善策として、図16に
示すように円筒状の基板ホルダー10の外側にある真空
容器28に棒状ランプヒーター12bを取り付けること
が考えられる。この棒状ランプヒーター12bは、基板
移動方向に対して垂直に延びているので、基板面内の上
下方向の温度分布は図16の場合と同様に改善される。
また、円筒状の基板ホルダー10の外部にランプヒータ
ーがあるので、ランプ碍子部やリード線の温度があまり
高くならない、という利点もある。しかし、このような
配置にすると、基板温度が高温に上がりにくいし、ま
た、成膜源としてのスパッタリングターゲットなどを設
置するスペースがなくなってしまう、という欠点があ
る。
【0013】そこで、棒状ランプヒーターの代わりにサ
ークル状ランプヒーターを用いる従来例が知られてい
る。図16の(A)は、カルーセル型の移動式の基板ホ
ルダーに対してサークル状ランプヒーターを用いた基板
加熱機構を示す正面断面図であり、(B)はその平面断
面図である。(A)は(B)のA−A線断面図であり、
(B)は(A)のB−B線断面図である。円筒状の基板
ホルダー10の内部には、6個のサークル状ランプヒー
ター30が円板状ランプベース台14の同一円周上に設
置されている。円筒状の基板ホルダー10には6個の基
板取り付け板16が取り付けられ、その基板取り付け板
16に基板18が取り付けられる。基板18はサークル
状ランプヒーター30によって直接加熱される。
【0014】図16の(A)は、このサークル状ランプ
ヒーター30と基板18との位置関係を示す正面断面図
である。サークル状ランプヒーター30は基板18に対
向可能な平面内(この例では鉛直面内)に配置され、基
板18は鉛直姿勢で水平面内を回転する。すなわち、基
板18は矢印20の方向に移動する。サークル状ランプ
ヒーター30のサークル部の中心の高さ位置は基板18
の中央の高さ位置に等しい。
【0015】図16の(B)は(A)の側面断面図であ
り、(C)は基板面内の上下方向の温度分布を示すグラ
フである。上下方向の温度分布は、図16に示す棒状ラ
ンプヒーター12の場合と比較すると改善されている。
ところで、サークル状ランプヒーター30の場合、サー
クル部の下端は端子に接続するためにフィラメントが途
切れているが、上端はフィラメントが連続している。し
たがって、ヒーターの上部32から放射される熱線33
は、ヒーターの下部34から放射される熱線35よりも
強くなる。そのため、基板18の下端の方が基板の上端
よりも温度が低くなる。基板中央部が600℃になるよ
うに加熱した場合、基板上端は580℃になるが、下端
は570℃にとどまり、基板面内の最大温度差は30℃
になる。このように、サールル状ランプヒーター30で
は上端の方が下端よりも加熱されやすく、基板面内の上
下方向の温度分布を一様にするのが難しい。
【0016】なお、図16の(A)に示すように、サー
クル状ランプヒーター30は、ランプ碍子部36,37
とリード線38,39を円板状のランプベース台14の
下側に配置できるので、これらの部品をフィラメントか
ら隔てることができる。したがって、ランプ碍子部とリ
ード線の温度はあまり高くならず、碍子部内の断線やガ
ス発生といった問題は改善されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】サークル状ランプヒー
ターは、全体としては棒状ランプヒーターよりは優れて
いるが、上述のように基板面内の温度分布を改善しにく
い問題がある。その理由は、ランプヒーターの形状と配
置にある。すなわち、基板の移動方向に垂直な方向にお
いて、熱線の強度が均一でないことにある。それゆえ
に、基板移動方向に対して垂直方向の基板面内で大きな
温度差が生じてしまう。このような基板面内の温度差
は、膜厚や膜組成を精密に制御する場合には特に大きな
問題となる。
【0018】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、その目的は、基板面内の温度分
布を改善できる基板加熱機構を提供することにある。本
発明の別の目的は、ランプヒーターの碍子部とリード線
があまり高温にならないような基板加熱機構を提供する
ことにある。本発明のさらに別の目的は、正確な基板温
度制御が可能な基板加熱機構を提供することにある。本
発明のさらに別の目的は、複数の基板を同時に移動させ
ながら、基板を直接的にランプヒーターで加熱して高基
板温度を容易に得ることのできる基板加熱機構を提供す
ることにある。本発明のさらに別の目的は、基板の温度
を常に一定に保ち、膜組成や膜厚の、再現性と制御性を
改善できる基板加熱機構を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板を取り付
け可能な基板ホルダーと、基板を加熱するためのランプ
ヒーターとを備え、ランプヒーターに対して基板ホルダ
ーを相対的に移動させながら基板を加熱するようにした
薄膜作製装置の基板加熱機構において、ランプヒーター
の形状および配置に特徴を有する。すなわち、本発明に
おけるランプヒーターは、基板に対向可能な平面内に配
置されて、基板ホルダーの相対移動方向(以下、X方向
という。)に垂直な方向(以下、Y方向という。)にお
ける一方側に一対の端子を備えるとともに他方側に非発
熱の接続線を備え、前記一対の端子と前記接続線との間
に少なくとも2個のフィラメントが接続され、このフィ
ラメントと接続線が共通の封入管の内部に配置されてい
るものである。
【0020】本発明におけるランプヒーターは、一対の
端子の間がすべてフィラメントになっているのではなく
て、途中に非発熱の接続線が形成されている。そして、
一対の端子がY方向の一端側に配置される。例えば、基
板ホルダーの移動方向(X方向)が水平方向であると仮
定すると、Y方向は上下方向となり、その一方側、例え
ば下方側に一対の端子がまとめられている。したがっ
て、ランプヒーターの一対の碍子部をランプヒーターの
下方側にまとめて配置することができ、ランプベース台
の一方側にフィラメントを他方側に碍子部を配置するこ
とが可能になる。さらに、Y方向の他方側、例えば上方
側に非発熱の接続線を形成してあるので、Y方向の一方
側と他方側における投入パワーがほぼ対称的になり、基
板面内のY方向の温度分布を改善できる。
【0021】非発熱の接続線は、全く発熱しない材質で
形成する必要はなく、フィラメント部分と比較して、単
位長さ当たりの発熱量が各段に小さくなっていれば、非
発熱の接続線として利用することができる。
【0022】本発明におけるフィラメントの最も簡単な
構成としては、一対の端子の間に、2個のフィラメント
と、これらをつなぐ一つの接続線とを形成したものであ
る。しかし、これに限定されず、4個または6個のフィ
ラメントと、それらの間の3個または5個の接続線と
を、一対の端子の間に形成してもよい。
【0023】フィラメントはY方向に平行に延びるよう
にするのが一般的であるが、Y方向に対して傾斜させて
もよいし、曲線にしてもよい。また、接続線はX方向に
平行に配置するのが好ましい。ランプヒーターの最適な
形状は、概略U字形である。すなわち、X方向に延びる
一つの非発熱の接続線と、Y方向に延びる平行な一対の
フィラメントとを備えるものである。
【0024】フィラメントのY方向の寸法は基板のY方
向の寸法の1.1倍以上とするのが好ましい。1.1倍
以下であると、基板加熱時に、基板のY方向の上端及び
下端の温度が中央よりも低くなる傾向が大きくなり、あ
まり好ましくない。一方、フィラメントのY方向の寸法
は、長ければ長いほど基板面内のY方向の温度分布が均
一になるが、必要な温度分布均一性が確保できる限りに
おいて、フィラメントの寸法を短くするのが経済的であ
る。
【0025】本発明は、複数の基板を取り付ける基板ホ
ルダーに対して特に効果的であり、その場合は、ランプ
ヒーターも複数個配置するのが好ましい。さらに、基板
ホルダーは回転可能な円筒状または円形状とすることが
できる。
【0026】基板はその両面が露出した状態で基板ホル
ダーに取り付けるのが好ましい。その場合、基板の片面
を堆積物質供給源(例えばスパッタリング装置のターゲ
ット)に対向させ、基板の他面をランプヒーターに対向
させる。これにより、ランプヒーターからの熱線が基板
全面に直接的にかつ均一に放射される。また、高基板温
度を容易に得ることができる。
【0027】基板は基板取り付け板に取り付けることが
でき、この基板取り付け板を基板ホルダーに着脱可能に
取り付けることができる。この基板取り付け板には基板
と実質的に同じ大きさの貫通孔を形成する。この基板取
り付け板を基板交換機構によって成膜室とロードロック
室との間で運搬するようにすれば、基板交換の際に成膜
室を大気に開放しなくてすむ。これにより、基板ホルダ
ーが高温に加熱された場合でも、基板ホルダーを大気に
露出させることなく、基板のみを大気中に取り出せるよ
うになり、基板ホルダーを酸化させることがない、ま
た、基板ホルダーを室温付近まで冷却する必要がないの
で、基板交換時間も短縮できる。
【0028】基板を基板取り付け板に取り付けるに当た
っては、基板の片面の外周近傍と基板取り付け板との間
に複数の石英片を挟むことができる。基板取り付け板
(一般に金属で形成される。)と比較して、石英片は熱
伝導率が小さいので、基板から基板取り付け板に逃げる
熱を少なくできる。石英片自体は小さくすることができ
るので、基板と石英片との接触面積を小さくすることが
できて、これによっても、基板から基板取り付け板に逃
げる熱を少なくできる。基板はランプヒーター側から石
英片に接触させて、基板のランプヒーター側の表面に爪
部材を接触させるのが好ましい。これにより、基板はそ
の外周部までランプヒーターで加熱され、また、爪部材
自体もランプヒーターで加熱されるので、基板はその全
面が一様に加熱される。
【0029】本発明においては、ダミー基板を用いて基
板温度を制御できる。すなわち、基板ホルダーにダミー
基板を取り付け、基板と基板ホルダーとの位置関係と、
ダミー基板と基板ホルダーとの位置関係とが、幾何学的
に同等になるように、ダミー基板を配置して、このダミ
ー基板の温度を検出して、その検出結果に基づいてラン
プヒーターへの供給電力を制御する。このような温度制
御方法を用いると、高精度の基板温度制御が可能とな
る。この場合、ダミー基板を基板と同一の材質で形成す
るのが好ましい。また、ダミー基板の片面の少なくとも
3箇所に熱電対を取り付けるのが好ましい。
【0030】さらに、ダミー基板の、堆積物質供給源に
対向する面の側に、ダミー基板より大きな透明石英ガラ
ス窓を配置するのが好ましい。これにより、ダミー基板
に堆積膜が付着することがない。成膜した基板を交換す
る場合にも、ダミー基板は交換しなくてもすむ。このガ
ラス窓は着脱可能にするのが好ましく、ガラス窓に所定
量以上の膜が堆積がした場合には、このガラス窓を交換
する。ガラス窓に膜が堆積し過ぎると、堆積物質供給源
からの放射熱の影響が、成膜基板とダミー基板とで異な
ってくるからである。ガラス窓の交換には上述の基板交
換機構を用いることができる。このようなガラス窓を設
けることにより、ダミー基板の状態を、成膜する基板と
ほぼ同じ状態に保つことができる。
【0031】
【作用】本発明におけるランプヒーターは、Y方向の一
方側に一対の端子があって、他方側に非発熱の接続線が
あるので、次の利点がある。まず、Y方向の一方側に一
対の端子があるので、ランプヒーターの碍子部やリード
線をY方向の一方側にまとめて配置することが可能にな
る。これにより、ランプベース台の一方側にフィラメン
トを、他方側に碍子部などを配置できて、碍子部やリー
ド線があまり加熱されないような構成とすることができ
る。したがって、碍子部の内部で断線したり、碍子部や
リード線からガスが発生したりするのを防ぐことができ
る。また、他方側に非発熱の接続線があるので、Y方向
の一方側と他方側における投入パワーがほぼ対称的にな
り、基板面内のY方向の温度分布が改善される。
【0032】本発明では、さらに、ダミー基板を、成膜
する基板と幾何学的に同等な位置に設けて、そのダミー
基板の温度をモニターすることによって基板加熱装置の
制御を行うようにしているので、成膜する基板の温度を
ほぼ正確に把握でき、かつ、精密な温度制御が可能にな
る。また、成膜前から基板温度を常時モニターして基板
温度を制御できるので、ガス導入やシャッターの開閉な
どに起因する基板温度変動要因に確実に対応して、常に
基板温度を一定に保持することができる。さらに、基板
面内の3箇所以上を測定すれば、基板温度分布も常時測
定できる。
【0033】
【実施例】図1(A)は本発明の第1実施例の正面断面
図であり、(B)はその平面断面図である。この実施例
は、カルーセル型の移動式の基板ホルダーに対する基板
加熱機構に本発明を適用したものであり、(A)は
(B)のA−A線断面図であり、(B)は(A)のB−
B線断面図である。
【0034】円筒状の基板ホルダー40の内部には、6
個のU字形ランプヒーター42が円板状のランプベース
台44に取り付けられている。U字形ランプヒーター4
2は、基板ホルダー40と同心の円周上に等間隔に配置
されている。U字形ランプヒーター42は、円筒状の基
板ホルダー40に囲まれた空間内にあり、加熱効率が良
好である。円筒状の基板ホルダー40には6個の基板取
り付け板46が取り付けられている。この基板取り付け
板46に、膜を堆積するための基板48が取り付けられ
る。U字形ランプヒーター42は基板48に対向可能な
平面内(すなわち鉛直面内)に配置されている。円筒状
の基板ホルダー40と円板状のランプベース台44は互
いに独立しており、円筒状の基板ホルダー40は矢印4
7の方向に回転する。一方、ランプベース台44は真空
容器50に固定され、静止している。したがって、基板
48は回転しながら加熱され、かつ成膜される。堆積物
質供給源(例えばスパッタリング装置のターゲット)
は、円筒状の基板ホルダー40よりも外側に配置されて
いる。
【0035】図2の(A)は、U字形ランプヒーターと
基板との相対位置関係を示した拡大正面断面図である。
このU字形ランプヒーター42はハロゲンランプであ
り、ガラス製の封入管52の内部に一対のフィラメント
54,55が配置されている。このU字形ランプヒータ
ー42の下端は円板状のランプベース台44に固定され
ている。基板ホルダーに取り付けられた基板48は、基
板ホルダーの回転に伴って、U字形ランプヒーター42
に対向しながら、矢印56の方向に移動する。
【0036】U字形ランプヒーター42の一対の端子
は、碍子部58,59とリード線60,61とから成
る。この一対の端子に、同じ長さの一対のフィラメント
54,55が接続されている。そして、一対のフィラメ
ント54,55の上端は非発熱の接続線57で接続され
ている。これらのフィラメント54,55と接続線57
は共通の封入管52の内部に配置されている。フィラメ
ント54,55と接続線57は、支持リング(図示せ
ず)で支持されていて、封入管52には接触しない構造
になっている。フィラメント54,55は、線径0.1
mmのタングステン線を2重のコイル状にしたものであ
る。一方、接続線57は線径1mmのタングステン線で
あって、この接続線57にフィラメント54,55をス
ポット溶接で接合してある。接続線57はフィラメント
の100倍の断面積を有しているので、電気抵抗が小さ
く、フィラメントと比較して実質的に非発熱の部分とみ
なすことができる。なお、接続線57はタングステンよ
りも電気抵抗の小さい材質で作ることもできる。
【0037】U字形ランプヒーター42に対する基板4
8の移動方向をX方向と定義し、基板に平行な平面内に
おいてX方向に垂直な方向をY方向と定義すると、一対
のフィラメント54,55はY方向に延びており、接続
線57はX方向に延びている。この実施例では、X方向
は水平方向であり、Y方向は上下方向である。U字形ラ
ンプヒーター42の一対の端子はY方向の一方側すなわ
ち下方側にあり、接続線57はY方向の他方側すなわち
上方側にある。
【0038】フィラメント54,55のY方向の長さH
Lは、基板48のY方向の長さHSの1.1倍よりも長
く形成されている。なお、本実施例のように円形基板の
場合は、基板のY方向の長さHSは、基板の直径に等し
い。この実施例ではHL=84mm,HS=76.2m
mであり、HLはHSのちょうど1.1倍となってい
る。また、接続線57の長さは10mm以上にするのが
好ましい。
【0039】U字形ランプヒーター42に電力を供給す
ると、フィラメント54,55は発熱して高温になる
が、接続線57は高温にならない。したがって、ランプ
ヒーター42の下方と上方はほぼ対称に発熱し、その結
果、基板48はランプヒーター42によってY方向にお
いてほぼ均一に加熱される。基板48はX方向に移動す
るので、基板面内のX方向の温度分布はほぼ均一であ
る。
【0040】U字形ランプヒーター42の碍子部58,
59とリード線60,61はランプベース台44の下側
に配置されている。これにより、フィラメント54,5
5が高温に発熱しても、碍子部58,59とリード線6
0,61はそれほど高温にならず、碍子部で断線が起こ
ることはなく、また、この部分からのガスの発生も少な
い。
【0041】図2の(B)は基板とランプヒーターの位
置関係を示した側面断面図である。基板ホルダー40に
は基板取り付け板46が着脱可能に取り付けられ、この
基板取り付け板46の貫通孔の内面には、断面が3mm
角の4個の細長い突起63が、周方向に等間隔で、溶接
により固定されている。そして、基板48は、爪部材6
4を用いて、断面が3mm角の4個の石英片62を介し
て、突起63に取り付けられる。したがって、基板48
は石英片62とだけ接触する。
【0042】図3は基板取り付け板46の正面図であ
る。ステンレス鋼製の基板取り付け板46には、基板4
8とほぼ同じ大きさの貫通孔66が形成されていて、そ
の内周面に4個の突起63が等間隔で溶接されている。
基板48は爪部材64を用いて石英片を介して突起63
に取り付けられる。
【0043】図2の(B)に示すように、U字形ランプ
ヒーター42から放射された熱線68は基板48を均一
に加熱する。基板48の熱は、熱伝導率の小さい石英片
62を介して逃げるだけであり、基板取り付け板46に
熱が直接逃げることがない。爪部材64はランプヒータ
ー42に対向する位置にあるので、爪部材64も加熱さ
れることになり、基板48の熱が爪部材64から逃げる
のを防いでいる。このような構成により、基板48はそ
の外縁までほぼ均一な温度分布となる。
【0044】図2の(C)はY方向の基板面内の温度分
布を示すグラフである。縦軸がY方向での基板面内位
置、横軸が基板温度を表わしている。基板の中央が60
0℃になるように温度制御したとき、基板の上端と下端
はいずれも595℃になり、最大温度差は5℃におさま
っている。
【0045】図4は基板交換機構の側面断面図である。
成膜室70にはゲートバルブ72を介してロードロック
室74が接続され、このロードロック室74は専用の排
気系で矢印76の方向に排気される。ロードロック室7
4の扉78を矢印80の方向に開いて、基板搬送棒82
の先端に基板取り付け板46を取り付ける。扉78を閉
じてロードロック室74を排気し、ゲートバルブ72を
開いて、基板搬送棒82により基板取り付け板46を成
膜室70内に搬入できる。基板取り付け板46は基板搬
送棒82に対して垂直に取り付けられていて、この基板
搬送棒82は、並進運動84と回転運動86が可能であ
る。このような運動により、基板取り付け板46を、成
膜室70内の基板ホルダーに取り付けることができる。
【0046】図5の(A)は基板温度制御機構の鉛直断
面図であり、(B)はダミー基板の正面図である。ダミ
ー基板88の表面の中心部のA点と、上端付近のB点
と、下端付近のC点に、それぞれ、熱電対90,91,
92が耐熱性無機接着剤(商品名:アロンセラミック,
東亜合成化学工業製)により接着されている。なお、実
際のB点とC点の位置は、基板の端部から5mm程度内
側に入ったところである。このダミー基板88は、成膜
する基板と同様に、基板取り付け板46に石英片62を
介して爪部材64で取り付けられる。すなわち、基板と
ダミー基板は、基板ホルダーに対する位置関係が幾何学
的に互いに同等になるように配置される。U字形ランプ
ヒーター42から放射される熱線68によりダミー基板
88は裏面側から一様に加熱される。
【0047】この実施例では、成膜用の基板として、直
径3インチのPt/Ti/SiO2/Si基板(Si基
板の上にSiO2,Ti,Ptを順に積層したもの)を
用いており、基板温度モニター用のダミー基板88も、
この成膜用の基板と全く同じものを用いている。このよ
うなPt/Ti/SiO2/Si基板は、基板上にPZ
T薄膜を堆積することを想定して選択されたものであ
る。
【0048】3本の熱電対90〜92は、円筒状の基板
ホルダー40の内部を通って、円筒回転軸94の内部に
導入され、真空容器50の外部にあるスリップリング9
6に接続される。このスリップリング96から補助線9
8が引き出され、これが温度モニターに接続されて、ダ
ミー基板88の各部の温度を常時モニターできる構成と
なっている。基板の温度制御は、基板の中心部A点の温
度に基づいて、ランプヒーターへの供給電力を制御する
ことにより行われる。
【0049】円筒状の基板ホルダー40に固定されてい
る円筒回転軸94は、モーター100により歯車10
2,103を介して駆動され、矢印104に示すように
回転する。円筒回転軸94は2個のベアリング106に
よって回転可能に支持されている。円筒回転軸94と真
空容器50との間はオイルシール108によって真空シ
ールされている。
【0050】図6は、ダミー基板用の透明石英ガラス窓
と基板取り付け板との位置関係を示す拡大側面断面図で
ある。ダミー基板88が取り付けられた基板取り付け板
46の前面側(堆積物質供給源に対面する側)には、ダ
ミー基板よりも大きな透明石英製のガラス窓110が取
り付けられている。このガラス窓110はダミー基板8
8に堆積膜が付着するのを防止している。また、石英ガ
ラスは熱線を比較的透過しやすいので、窓で熱線が遮蔽
されることの悪影響をできるだけ少なくしている。この
ガラス窓110は、図4に示した基板交換機構を用い
て、基板取り付け板46に対して着脱できるようになっ
ている。そして、ガラス窓110に1μm程度の膜が堆
積したらガラス窓を交換するのが好ましい。例えば、P
ZT薄膜を堆積する場合、実用的膜厚が約300nmな
ので、PZT薄膜を堆積する作業において3回程度の基
板交換を実施したら、ガラス窓110を交換することに
なる。ガラス窓110に膜が堆積し過ぎると、堆積物質
供給源からの放射熱の影響、および、ランプヒーターか
ら放出されてダミー基板88を透過してきた熱線の影響
が、成膜基板の場合とは異なってくるからである。これ
により、ダミー基板が、成膜する基板にできるだけ近い
状態を保つようにして、基板温度モニターの信頼性を確
保している。
【0051】図7は、基板温度分布について本発明の実
施例と従来例とを比較して示したグラフである。(A)
は図2に示すU字形ランプヒーターを用いたときの基板
温度分布であり、(B)は図15に示す従来のサークル
状ランプヒーターを用いたときのの基板温度分布であ
る。横軸は、基板温度が定常状態になってからの経過時
間であり、縦軸は基板温度である。(A)(B)どちら
のグラフも、次のような同一の条件で測定した。ダミー
基板の中心部A点の温度が600℃となるようにランプ
ヒーター加熱電源を制御し、そのときに、図5(B)に
示すA,B,Cの各点の基板温度を測定した。ダミー基
板は直径3インチのPt/Ti/SiO2/Si基板で
ある。ダミー基板とランプヒーターとが対面したときの
両者間の最小間隔は45mmである。基板は回転しなが
ら加熱している。
【0052】図7の(B)で用いた6個のサークル状ラ
ンプヒーターのサークル部は、直径50mmの円形であ
る。この場合、基板中心部A点の600℃に対して、上
端付近B点の温度は約580℃、下端付近C点の温度は
約570℃となり、最大で30℃の温度差が生じてい
る。
【0053】これに対して、図7の(A)では、図2に
示すU字形ランプヒーターを6個用いている。U字形ラ
ンプヒーターのフィラメントの長さは、76mmと84
mmの2種類を用いた。すなわち、基板の直径とほぼ同
じ長さのものと、基板の直径の1.1倍の長さのもので
ある。フィラメント長さが76mmの場合には、基板中
心部A点の600℃に対して、基板上端および下端付近
は約590℃となり、最大温度差は10℃であった。し
たがって、従来よりもY方向の温度分布が改善された。
また、フィラメント長さが84mmの場合は、図7の
(A)に示すように、基板中心部A点の600℃に対し
て、基板上端および下端付近は595℃となって、最大
温度差は5℃とさらに小さくなった。その理由は、フィ
ラメント長さを84mmと長くすると、基板を取り付け
ている爪部材まで均一に加熱されるため、基板から基板
取り付け板への熱の逃げが少なくなったためである。
【0054】なお、本実施例において、熱電対が接着さ
れているダミー基板の取り付け姿勢を変更して、3個の
熱電対がX方向に並ぶようにして、X方向での基板温度
分布を測定してみると、基板中心部A点の600℃に対
してX方向の最大温度差が3℃におさまっている。した
がって、X方向の基板温度分布は非常に良好である。こ
れは、基板がX方向に回転しているため、X方向では均
一に加熱されるためである。また、基板を石英片を介し
て取り付けたり、爪部材も加熱されるようにしたりし
て、基板の周縁からの熱の逃げを防いでいるために、基
板の周縁での温度低下が小さくなり、このことは、X方
向でもY方向でも温度分布の改善に寄与している。
【0055】上述の実施例はカルーセル型の移動式の基
板ホルダーについて説明しているが、平行平板型の移動
式の基板ホルダーについても同様の結果が得られる。平
行平板型とカルーセル型では、基板とランプヒーターの
配置関係が異なるが、どちらも複数の基板を円周上で移
動させながら、ランプヒーターで直接的に基板の裏面を
加熱することができる。
【0056】図8は、本発明の第2実施例の、図1と同
様の図である。この実施例は、平行平板型の移動式の基
板ホルダーに対して本発明を適用したものである。真空
容器に固定された円筒状のランプベース台44aには、
6個のU字形ランプヒーター42aが同一円周上にかつ
同一水平面内に取り付けられている。ランプベース台4
4aには、U字形ランプヒーター42aを取り囲むよう
に反射板112が固定されている。
【0057】回転可能な円板状の基板ホルダー40aに
は、6個の基板取り付け板46aが同一円周上にかつ同
一水平面内に取り付けられている。基板取り付け板46
aに取り付けられた基板48は、U字形ランプヒーター
42aに対面しながら水平面内を回転する。
【0058】U字形ランプヒーター42aは、円筒状の
ランプベース台44aと反射板112と円板状の基板ホ
ルダー40aとで囲まれた空間に配置されることにな
り、加熱効率が良好である。ただし、U字形ランプヒー
ター42aの端子は、円筒状のランプベース台44aの
外側に出ることになり、あまり高温に加熱されない。
【0059】基板48は基板取り付け板46aの上側か
ら取り付けられ、上方から加熱される。基板の取り付け
方法は第1実施例と同じである。一方、基板取り付け板
46aの下方には堆積物質供給源が配置される。
【0060】基板ホルダーホルダー40aは、その中央
がシャフト114に固定されて、矢印116に示すよう
に回転する。このシャフト114は、円筒状のランプベ
ース台40の上面板118の中央に形成された貫通孔1
20を通過している。したがって、円板状の基板ホルダ
ー40aと円筒状のランプベース台44aは同心状に配
置されている。
【0061】この第2実施例においても基板移動方向に
垂直な方向の基板面内温度分布は第1実施例と同様に改
善された。
【0062】図9は本発明で使用できるランプヒーター
の変更例を示す正面断面図である。(A)に示すランプ
ヒーターは、4個のフィラメント122,123,12
4,125と、それらを互いに接続する3個の非発熱の
接続線126,127,128とを備えるものである。
Y方向が上下方向であると仮定すると、このランプヒー
ターは、下方に一対の端子と1個の接続線127とを備
えており、上方には2個の接続線126,128を備え
ている。全体としては概略M字形の形状をしている。こ
のランプヒーターは図2に示すU字形ランプヒーターと
比較して、1個のランプヒーター当たりの発熱量が大き
くなる。図9(A)のランプヒーターは、全体として、
図2のU字形ランプヒーターの2倍のフィラメント長さ
を備えているので、フィラメントの単位長さ当たりの最
大発熱量が一定であると仮定すると、図2のU字形ラン
プヒーターの約2倍の発熱量を得ることができ、基板加
熱能力が高まる。
【0063】図9の(B)に示すランプヒーターは、2
個のフィラメント130,131と、これらを接続する
1個の接続線132とを備えており、この点では、図2
に示すU字形ランプヒーターと共通している。ただし、
図2のU字形ランプヒーターのフィラメントがY方向に
延びているのに対して、図9のランプヒーターのフィラ
メント130,131はY方向に対して傾斜しているの
が異なっている。フィラメント130,131のY方向
の寸法HLは、図2のU字形ランプヒーターと同じにし
てある。したがって、各フィラメント130,131の
長さはHLよりも長くなっている。これにより、Y方向
の単位距離当たりの発熱量は、図2のランプヒーターよ
りも大きくなり、基板加熱能力が高まる。
【0064】図10は基板取り付け板の着脱機構の一例
を示す斜視図である。基板取り付け板46には2個の孔
132が形成されていて、この孔132に、基板搬送棒
82の先端にある一対の挿入棒134を挿入できるよう
になっている。2本の挿入棒134はリンク機構136
によって開閉動作が可能である。挿入棒134を基板取
り付け板46の孔132に挿入した後に、挿入棒134
を開けば、挿入棒134で基板取り付け板46をしっか
りと支持できる。基板取り付け板46の外周面144に
は、円弧状の一対の凸部138が一体に形成されてい
て、この凸部138の周方向の一端には傾斜面140が
形成されている。基板取り付け板46の凸部138は、
基板ホルダー40に設けられた一対の受け部142と噛
み合うようになっている。挿入棒134で支持した基板
取り付け板46の外周面144を、基板ホルダー40の
貫通孔146に挿入してから、基板搬送棒82を反時計
方向に回転させると、基板取り付け板46の凸部138
の傾斜面140が基板ホルダー40の受け部142の内
部に入っていき、これにより、基板取り付け板46を基
板ホルダー40に固定することができる。基板ホルダー
40から基板取り付け板46を取り外すときは、上述と
逆の動作を行う。図6に示した透明石英ガラス窓110
を基板ホルダーに着脱する機構についても、上述の着脱
機構と同様の構造とすることができる。
【0065】図1の第1実施例と図8の第2実施例は、
どちらも、6個の基板に対して6個のランプヒーターを
配置しているが、基板とランプヒーターの数はこれに限
定するものではなく任意の個数とすることができる。ま
た、基板は回転しながら加熱されるので、基板とランプ
ヒーターの数は同じにしなくてもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明におけるランプヒーターは、Y方
向の一方側に一対の端子があるので、ランプヒーターの
碍子部やリード線をY方向の一方側にまとめて配置する
ことができ、碍子部やリード線があまり加熱されないよ
うな構成とすることができる。したがって、碍子部の内
部で断線したり、碍子部やリード線からガスが発生した
りするのを防ぐことができる。また、Y方向の他方側に
非発熱の接続線があるので、Y方向の一方側と他方側と
における投入パワーがほぼ対称的になり、基板面内のY
方向の温度分布が改善される。また、石英片を介して基
板を取り付けることにより、基板から基板取り付け板へ
の熱の逃げを少なくでき、これによっても、基板面内の
温度分布が均一化される。
【0067】本発明では、さらに、ダミー基板を用いて
基板温度を制御しているので、正確な温度制御が可能で
ある。高基板温度を正確に制御できれば、膜質の再現性
や膜組成の制御性が良好になる。また、新物質を作製す
る場合の結晶化温度を正しく同定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の正面断面図と平面断面図
である。
【図2】U字形ランプヒーターと基板との位置関係を示
した正面断面図と側面断面図、および基板面内の上下方
向の温度分布を示すグラフである。
【図3】基板取り付け板の正面図である。
【図4】基板交換機構の側面断面図である。
【図5】基板温度制御機構の鉛直断面図と、ダミー基板
の正面図である。
【図6】ガラス窓と基板取り付け板の位置関係を示す拡
大側面断面図である。
【図7】基板温度分布について本発明の実施例と従来例
とを比較して示したグラフである。
【図8】本発明の第2実施例の正面断面図と平面断面図
である。
【図9】ランプヒーターの変更例を示す正面断面図であ
る。
【図10】基板取り付け板の着脱機構の斜視図である。
【図11】カルーセル型の基板ホルダーに対する従来の
基板加熱機構の正面断面図と平面断面図である。
【図12】従来の棒状ランプヒーターと基板との位置関
係を示す正面断面図と側面断面図、および基板面内の上
下方向の温度分布を示すグラフである。
【図13】棒状ランプヒーターを上下方向に延びるよう
に配置した状態の従来例の正面断面図と側面断面図であ
る。
【図14】棒状ランプヒーターを備える別の従来例の側
面断面図である。
【図15】サークル状ランプヒーターを用いた従来の基
板加熱機構の正面断面図と平面断面図である。
【図16】従来のサークル状ランプヒーターと基板との
位置関係を示す正面断面図と側面断面図、および基板面
内の上下方向の温度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
40 基板ホルダー 42 U字形ランプヒーター 44 ランプベース台 46 基板取り付け板 48 基板 50 真空容器 52 封入管 54,55 フィラメント 57 接続線 58,59 碍子部 60,61 リード線 62 石英片 64 爪部材 66 貫通孔 68 熱線

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を取り付け可能な基板ホルダーと、
    基板を加熱するためのランプヒーターとを備え、前記ラ
    ンプヒーターに対して前記基板ホルダーを相対的に移動
    させながら基板を加熱するようにした薄膜作製装置の基
    板加熱機構において、 前記ランプヒーターは、前記基板に対向可能な平面内に
    配置されて、前記基板ホルダーの相対移動方向(以下、
    X方向という。)に垂直な方向(以下、Y方向とい
    う。)における一方側に一対の端子を備えるとともに他
    方側に非発熱の接続線を備え、前記一対の端子と前記接
    続線との間に少なくとも2個のフィラメントが接続さ
    れ、前記フィラメントと前記接続線が共通の封入管の内
    部に配置されていることを特徴とする基板加熱機構。
  2. 【請求項2】 前記ランプヒーターは、前記一対の端子
    と、X方向に延びる1個の前記接続線と、2個のフィラ
    メントとを備えることを特徴とする請求項1記載の基板
    加熱機構。
  3. 【請求項3】 前記ランプヒーターはU字形であること
    を特徴とする請求項2記載の基板加熱機構。
  4. 【請求項4】 前記2個のフィラメントは、互いに平行
    で、かつ、Y方向に対して傾斜していることを特徴とす
    る請求項2記載の基板加熱機構。
  5. 【請求項5】 前記ランプヒーターは、Y方向の一方側
    にある一対の端子と、Y方向の他方側にあってX方向に
    延びる2個の非発熱の接続線と、Y方向の一方側にあっ
    てX方向に延びる1個の非発熱の接続線と、Y方向に延
    びる4個のフィラメントとを備え、全体として概略M字
    形の形状をしていることを特徴とする請求項1記載の基
    板加熱機構
  6. 【請求項6】 前記ランプヒーターの前記フィラメント
    のY方向の寸法は、前記基板のY方向の寸法の1.1倍
    以上であることを特徴とする請求項1記載の基板加熱機
    構。
  7. 【請求項7】 前記ランプヒーターはランプベース台に
    取り付けられ、ランプベース台の一方の側にランプヒー
    ターのフィラメントが配置され、ランプベース台の他方
    の側にランプヒーターの碍子部とリード線が配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の基板加熱機構。
  8. 【請求項8】 前記基板ホルダーには複数の基板を取り
    付け可能であり、前記ランプヒーターは複数個配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の基板加熱機構。
  9. 【請求項9】 前記基板ホルダーは回転する円筒ドラム
    状であってこれに複数の基板が同一円周上に取り付けら
    れ、複数のランプヒーターは前記基板ホルダーの内側に
    おいて前記基板ホルダーの回転中心と同心の円周上に配
    置されていることを特徴とする請求項8記載の基板加熱
    機構。
  10. 【請求項10】 前記基板ホルダーは回転する平板状で
    あってこれに複数の基板が同一円周上に取り付けられ、
    複数のランプヒーターは前記基板ホルダーの回転中心と
    同心の円周上に配置されていることを特徴とする請求項
    8記載の基板加熱機構。
  11. 【請求項11】 前記基板はその両面が露出した状態で
    前記基板ホルダーに取り付けられ、前記基板の片面が堆
    積物質供給源に対向可能であり、前記基板の他面が前記
    ランプヒーターに対向可能であることを特徴とする請求
    項1記載の基板加熱機構。
  12. 【請求項12】 前記基板は基板取り付け板に取り付け
    られ、この基板取り付け板が前記基板ホルダーに着脱可
    能に取り付けられ、前記基板取り付け板には前記基板と
    実質的に同じ大きさの貫通孔が形成されていることを特
    徴とする請求項11記載の基板加熱機構。
  13. 【請求項13】 前記基板の片面の外周付近と前記基板
    取り付け板との間に複数の石英片を挟んだ状態で前記基
    板が前記基板取り付け板に取り付けられることを特徴と
    する請求項12記載の基板加熱機構。
  14. 【請求項14】 前記基板ホルダーにダミー基板を取り
    付け、基板と基板ホルダーとの位置関係とダミー基板と
    基板ホルダーとの位置関係とが幾何学的に同等になるよ
    うに前記ダミー基板を配置し、このダミー基板の温度を
    検出して、その検出結果に基づいて前記ランプヒーター
    への供給電力を制御することを特徴とする請求項1記載
    の基板加熱機構。
  15. 【請求項15】 前記ダミー基板を前記基板と同一の材
    質で形成したことを特徴とする請求項14記載の基板加
    熱機構。
  16. 【請求項16】 前記ダミー基板の片面の少なくとも3
    箇所に熱電対を取り付けることを特徴とする請求項14
    記載の基板加熱機構。
  17. 【請求項17】 前記ダミー基板の、堆積物質供給源に
    対向する面の側に、ダミー基板より大きな透明石英ガラ
    ス窓を配置したことを特徴とする請求項14記載の基板
    加熱機構。
  18. 【請求項18】 前記ガラス窓を前記基板ホルダーに対
    して着脱可能にしたことを特徴とする請求項17記載の
    基板加熱機構。
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