JP2012126619A - 酸化亜鉛焼結体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタリングターゲットに用いた場合に異常放電を発生せず、比抵抗の小さな透明電極を得ることが出来る程度に緻密な酸化亜鉛系焼結体を得る。
【解決手段】低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有する酸化亜鉛焼結体であって、相対密度95%以上で、かつ複合酸化物の含有割合が10%以下である。この酸化亜鉛焼結体は、酸化亜鉛粉末と、亜鉛と低原子価チタンの複合酸化物粉末とを、低原子価チタンが2モル%超、10モル%以下含有するように混合した後、成形し、次いで800〜1500℃の温度で焼結を行うことによって得られる。
【選択図】図1
【解決手段】低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有する酸化亜鉛焼結体であって、相対密度95%以上で、かつ複合酸化物の含有割合が10%以下である。この酸化亜鉛焼結体は、酸化亜鉛粉末と、亜鉛と低原子価チタンの複合酸化物粉末とを、低原子価チタンが2モル%超、10モル%以下含有するように混合した後、成形し、次いで800〜1500℃の温度で焼結を行うことによって得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明電極材料となる酸化亜鉛をスパッタリング法で形成する際のスパッタリングターゲット等に用いられる酸化亜鉛焼結体およびその製造方法に関する。
導電性と光透過性とを兼ね備えた透明導電膜は、これまでから、太陽電池、液晶表示素子、その他各種受光素子における電極などとして利用されているほか、自動車窓や建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、冷凍ショーケース等における防曇用透明発熱体など、幅広い用途に利用されている。特に、低抵抗で導電性に優れた透明導電膜は、太陽電池や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス、無機エレクトロルミネッセンスなどの液晶表示素子や、タッチパネルなどに好適であることが知られている。
特に、液晶ディスプレイや太陽電池等には、導電性でかつ光に対して透明な電極(透明電極)が用いられている。こうした性質をもつ材料としては、例えば、In2O3−SnO2(ITO)、ZnO−Al2O3(AZO)、ZnO−B2O3(BZO)等の酸化物材料が知られている(例えば、特許文献1,2)。こうした材料は、スパッタリング法によって液晶ディスプレイや太陽電池上に薄膜として形成された後に、電極としてパターニングされ、透明電極となる。
特に、液晶ディスプレイや太陽電池等には、導電性でかつ光に対して透明な電極(透明電極)が用いられている。こうした性質をもつ材料としては、例えば、In2O3−SnO2(ITO)、ZnO−Al2O3(AZO)、ZnO−B2O3(BZO)等の酸化物材料が知られている(例えば、特許文献1,2)。こうした材料は、スパッタリング法によって液晶ディスプレイや太陽電池上に薄膜として形成された後に、電極としてパターニングされ、透明電極となる。
スパッタリング法においては、スパッタリング装置中で、薄膜を形成すべき基板(この場合は液晶ディスプレイ等)とスパッタリングターゲット(以下、単にターゲットと略称することがある)とを対向させて配置する。これらの間でガス放電を発生させ、このガス放電によって発生したイオンがターゲットの表面にぶつかり、その衝撃によって放出された原子(粒子)を対向する基板に付着させて薄膜を形成する。
このターゲットは薄膜(透明電極)となる材料で形成され、透明電極の特性は、ターゲットの特性を反映する。また、一般にターゲットは非常に高価であり、その価格が液晶ディスプレイや太陽電池の製造コストに占める割合が大きい。このため、液晶ディスプレイや太陽電池の低コスト化のためには、ターゲットが安価であることも要求される。
上記ITOは、スズ(Sn)ドープされた酸化インジウム(In2O3)であり、これを用いた場合、光の透過率が85%以上、比抵抗値は1.0×10-4Ω・cm程度の透明電極が得られており、その特性は液晶ディスプレイや太陽電池に用いるには充分である。しかしながら、その原料の主成分となるインジウム(In)が高価であるため、ターゲットが高価であった。特に、大面積の液晶ディスプレイや太陽電池用の透明電極を形成する場合には、ターゲットも同程度の大面積のものが必要になるため、これらが高コストとなる原因となっていた。このため、より低価格な材料からなり、同等の特性をもつ透明電極が望まれた。
一方、導電性を高めるべくZnOに種々のドーパントをドープさせる試みがなされており、種々のドーパントごとに最適ドープ量と最低抵抗率が報告されている(非特許文献1)。
上記AZOおよびBZOは、半導体である酸化亜鉛(ZnO)にn型の導電性添加物であるアルミニウム(Al)またはホウ素(B)が添加された材料であり、安価な亜鉛を主成分とするため、低価格という点ではITOよりも優れている。これらの材料のスパッタリングターゲットとしては、容易に大面積のものを得ることができるため、焼結体が広く用いられている。BZOやAZOの焼結体は、原材料の粉末を配合、成形後に1000℃以上の高温で焼結することによって得られる。原材料の粉末としては、主成分となるZnO粉末と、添加成分となるAl2O3粉末またはB2O3粉末が用いられる。同様に、Ga2O3が添加された酸化亜鉛系材料として、ZnO−Ga2O3(GZO)等も知られる(特許文献4)。
上記AZOおよびBZOは、半導体である酸化亜鉛(ZnO)にn型の導電性添加物であるアルミニウム(Al)またはホウ素(B)が添加された材料であり、安価な亜鉛を主成分とするため、低価格という点ではITOよりも優れている。これらの材料のスパッタリングターゲットとしては、容易に大面積のものを得ることができるため、焼結体が広く用いられている。BZOやAZOの焼結体は、原材料の粉末を配合、成形後に1000℃以上の高温で焼結することによって得られる。原材料の粉末としては、主成分となるZnO粉末と、添加成分となるAl2O3粉末またはB2O3粉末が用いられる。同様に、Ga2O3が添加された酸化亜鉛系材料として、ZnO−Ga2O3(GZO)等も知られる(特許文献4)。
しかしながら、実際にこれらのターゲットを用いて比抵抗の低いBZOやAZOの透明電極を安定して得ることは困難であり、その比抵抗はITOと比べると高くなった。その原因は、主に、これらのスパッタリング時に、スパッタリング装置内で異常放電が多発することに起因する。すなわち、AZOのスパッタリング時には、異常放電が多発するために安定した成膜が困難であった。
この異常放電は、ターゲットが不均一で局所的に比抵抗の異なる部分が存在し、ターゲットを含む放電系のインピーダンスがスパッタリング中に変動することに起因して発生する。この局所的に比抵抗が異なる部分となっていたのは、析出物や空孔であった。従って、これらの個々のサイズや数密度を小さくすることが異常放電の抑制には効果的である。析出物や空孔は、ZnO粉末成分のみを焼結する場合には発生せず、膜に導電性をもたせるためにB2O3やAl2O3が添加された焼結体において顕著である。こうした点を考慮して、均一で緻密な焼結体を得ることのできるAZOの焼結体の製造方法が提案されている(特許文献3)。
すなわち、AZOの焼結体を製造する場合の問題点は、Al2O3の添加によって、主成分であるZnO自身の焼結性が阻害されることである。このため、Al2O3の添加量を多くした場合には緻密な焼結体が得られず、異常放電の原因となる不均質が生じる。これに対して、特許文献3には、この製造条件を最適化することにより不均質を改善できることが記載されている。ここでは、Al2O3粉末の二次凝集径を小さくすることによって、焼結粒径を小さくし、これによってZnO自身の焼結性が改善され、緻密な焼結体を得ることができる。この焼結体をターゲットに用いることにより、異常放電を抑制し、比抵抗が低い透明電極を得ることができる。
また、一方で、こうした酸化亜鉛系の導電膜(透明電極)は、一般に耐熱性や空気中での耐湿性が低い。すなわち、熱や湿度により、抵抗率が時間と共に上昇することがある。これに対して、特許文献4、5には、GaやSiが所定量添加された酸化亜鉛系スパッタリングターゲットが記載されている。こうした元素が添加されることによって、耐熱性・耐湿性が改善された透明膜を得ることができるとされている。
月刊ディスプレイ、1999年9月号、p10〜「ZnO系透明導電膜の動向」
しかしながら、これらの方法によってAZOの焼結体を製造した場合においても、その緻密性は充分ではなかった。
従って、スパッタリングターゲットとして用いた場合に、異常放電を発生せず、比抵抗の小さな透明電極を得ることができる程度に緻密な酸化亜鉛焼結体を得ることは困難であった。
従って、スパッタリングターゲットとして用いた場合に、異常放電を発生せず、比抵抗の小さな透明電極を得ることができる程度に緻密な酸化亜鉛焼結体を得ることは困難であった。
また、酸化亜鉛にGaやSiが含まれる焼結体を用いたスパッタリングターゲットで成膜された透明電極では、耐熱性・耐湿性(耐候性)は改善されるものの、耐候性と低抵抗性を両立させた透明電極という要請に対しては充分なものでなく、また、異常放電の少ないターゲットという要請に対しても充分なものではなかった。
これに対しては、上記と同様にAl等を添加し、2種類以上の添加物を用いることが有効であるが、この場合にも上記と同様にその成膜時に、異常放電が発生するという問題があった。
これに対しては、上記と同様にAl等を添加し、2種類以上の添加物を用いることが有効であるが、この場合にも上記と同様にその成膜時に、異常放電が発生するという問題があった。
一方、本発明者は、低原子価酸化チタンを酸化亜鉛のドナー源とすれば、さらに低抵抗化し導電性に優れかつ可視&近赤外領域の透過性に優れ、耐熱性、耐湿性、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)などの化学的耐久性に優れることを見出している。その効果を最大に発揮することが可能なスパッタリングターゲットとなる酸化亜鉛系焼結体の提供が望まれている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、低原子価酸化チタンをドナー源として使用した場合の効果を最大限に発揮でき、スパッタリングターゲットとして低抵抗な薄膜を安定して形成可能な酸化亜鉛系焼結体、およびその製造方法、ならびに酸化亜鉛系スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、スパッタリングターゲットに用いた場合に異常放電を発生せず、比抵抗の小さな透明電極を得ることが出来る程度に緻密な酸化亜鉛系焼結体およびその製造方法、ならびに酸化亜鉛系スパッタリングターゲットを提供するものである。
すなわち、本発明は、スパッタリングターゲットに用いた場合に異常放電を発生せず、比抵抗の小さな透明電極を得ることが出来る程度に緻密な酸化亜鉛系焼結体およびその製造方法、ならびに酸化亜鉛系スパッタリングターゲットを提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来の製造方法による酸化亜鉛系焼結体、例えばZnO−Ti2O3もしくはTiO焼結体(TZO焼結体)等の焼結体組織を解析した結果、この焼結体中には、ZnOとTi2O3の複合酸化物相が析出しており、空孔はその周辺にのみ形成されていることが判明した。本発明者は、この空孔が発生する原因を調べ、析出物や空孔の大きさを小さくすることにより、緻密な焼結体を得ることに成功したものである。
また、本発明者らは、空孔の大きさを小さくすることは、酸化亜鉛と低原子価酸化チタンとの固相反応により形成される複合酸化物の生成を抑制することになり、その結果、低原子価チタンが酸化亜鉛に置換固溶する割合を高くすることができるので、優れた薄膜を得られたことを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、空孔の大きさを小さくすることは、酸化亜鉛と低原子価酸化チタンとの固相反応により形成される複合酸化物の生成を抑制することになり、その結果、低原子価チタンが酸化亜鉛に置換固溶する割合を高くすることができるので、優れた薄膜を得られたことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するための本発明の酸化亜鉛焼結体は、低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有し、相対密度95%以上で、かつ複合酸化物の含有割合が10%以下であること特徴とする。
また、本発明に係る酸化亜鉛焼結体の製造方法は、以下の構成を有する。
(1)酸化亜鉛粉末と、酸化亜鉛と低原子価チタンの複合酸化物粉末とを、低原子価酸化チタンが2モル%超、10モル%以下含有するように混合した後、成形し、次いで800〜1500℃の温度で焼結を行うことを特徴とする酸化亜鉛焼結体の製造方法。
(2)ZnOに低原子価チタンを含有させる酸化亜鉛焼結体の製造方法であって、
前記低原子価チタンの酸化物からなる酸化物粉末と第1の酸化亜鉛粉末とを配合し、700〜1100℃の範囲の温度で仮焼成して、仮焼粉末を得る仮焼粉末製造工程と、
前記仮焼粉末と第2の酸化亜鉛粉末とを配合した本焼成前粉末を成形し、得られた成形体を800〜1500℃の範囲の温度で焼成して、低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下の割合となるように含有する酸化亜鉛焼結体を得る本焼成工程とを含むことを特徴とする酸化亜鉛焼結体の製造方法。
(1)酸化亜鉛粉末と、酸化亜鉛と低原子価チタンの複合酸化物粉末とを、低原子価酸化チタンが2モル%超、10モル%以下含有するように混合した後、成形し、次いで800〜1500℃の温度で焼結を行うことを特徴とする酸化亜鉛焼結体の製造方法。
(2)ZnOに低原子価チタンを含有させる酸化亜鉛焼結体の製造方法であって、
前記低原子価チタンの酸化物からなる酸化物粉末と第1の酸化亜鉛粉末とを配合し、700〜1100℃の範囲の温度で仮焼成して、仮焼粉末を得る仮焼粉末製造工程と、
前記仮焼粉末と第2の酸化亜鉛粉末とを配合した本焼成前粉末を成形し、得られた成形体を800〜1500℃の範囲の温度で焼成して、低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下の割合となるように含有する酸化亜鉛焼結体を得る本焼成工程とを含むことを特徴とする酸化亜鉛焼結体の製造方法。
本発明のスパッタリングターゲットは、上記の酸化亜鉛焼結体からなることを特徴とする。
本発明の酸化亜鉛焼結体は、緻密な焼結体であり、かつ複合酸化物の生成が抑制され、低原子価チタンが酸化亜鉛に置換固溶する割合が高くなっているので、この酸化亜鉛焼結体をスパッタリングターゲットに用いた場合には、異常放電を発生せず、比抵抗の小さな透明電極を安定して得ることができる、という効果がある。
(酸化亜鉛焼結体)
以下、本発明の酸化亜鉛焼結体をスパッタリングターゲットとして実施するための実施形態について説明する。
以下、本発明の酸化亜鉛焼結体をスパッタリングターゲットとして実施するための実施形態について説明する。
本発明の酸化亜鉛焼結体は、低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有し、相対密度95%以上で、かつ複合酸化物の含有割合が10%以下であり、焼結体(ターゲット)組織における低原子価チタンをできるだけ酸化亜鉛組織中に置換固溶した形態を有する。
ここで、低原子価チタンとは、例えば酸化チタンの場合、TiO(II)、Ti2O3(III)という整数の原子価を有するものばかりでなく、Ti3O5,Ti4O7,Ti6O11、Ti5O9、Ti8O15等も含む、一般式:TiO2-x(式中、X=0.1〜1)で表される範囲のものである。すなわち、本発明における低原子価酸化チタンは、上記一般式:TiO2-Xの化学式で表される新規な低原子価酸化チタンである。低原子価酸化チタンの構造は、X線回折装置(X−ray diffraction、XRD)、X線光電子分光装置(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)などの機器分析の結果によって確認することができる。
スパッタリング法においては、ターゲットの組成は、薄膜の組成とほぼ一致するものとなるため、基本的な導電性を付与する低原子価チタン量は、薄膜に要求される電気特性に関係する。
本発明のターゲットにおいては、上記の基本組成を満たした上で、低原子価チタンの90mol%以上を、固溶した形態で存在させて、複合酸化物の生成割合を10%以下にする必要がある。
本発明のターゲットにおいては、上記の基本組成を満たした上で、低原子価チタンの90mol%以上を、固溶した形態で存在させて、複合酸化物の生成割合を10%以下にする必要がある。
ここで、固溶した状態とは、低原子価酸化チタンである、例えばTi2O3,TiO等あるいはZn2TiO4といった結晶構造をとるのではなく、Ti原子がZnO結晶などに置換型で固溶した形態にあることをいう。つまり、この形態とすることで、ターゲット自身の抵抗率を低減することができる。Ti2O3,TiOは導電性であるが、ZnOと固相反応するレベルまで焼結しないと、相対密度が増大しないので、Ti2O3,TiOが存在することはない。
ターゲット自身の抵抗率を低下できると、低い電圧で成膜することが可能になる。これによって、酸素イオンを基板方向へ加速させる電圧が低くなり、酸素イオンの衝突エネルギーも低下し、薄膜へのダメージが軽減され、薄膜の比抵抗を低くすることができる。
また、ターゲット中に固溶した低原子価Tiを増加させることによって、ターゲット中の低原子価Tiの分布を均一にできる。低原子価Tiの分布が均一なターゲットを使用してスパッタリングを行うと、薄膜でのTiの分布も均一化することができる。薄膜では全てのTiがZnO中に固溶するが、薄膜でTiの分布が不均一の場合は、局所的にTi密度が高い所ではイオン不純物散乱の影響が強くなり、抵抗率が高くなる。これによって、薄膜全体としても抵抗率が高くなるという問題がある。
また、ターゲット中に固溶した低原子価Tiを増加させることによって、ターゲット中の低原子価Tiの分布を均一にできる。低原子価Tiの分布が均一なターゲットを使用してスパッタリングを行うと、薄膜でのTiの分布も均一化することができる。薄膜では全てのTiがZnO中に固溶するが、薄膜でTiの分布が不均一の場合は、局所的にTi密度が高い所ではイオン不純物散乱の影響が強くなり、抵抗率が高くなる。これによって、薄膜全体としても抵抗率が高くなるという問題がある。
本発明では、酸化亜鉛焼結体中における複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合が10%以下で、できるだけターゲット中に固溶した形態としたことで、低抵抗の薄膜を効率良く製造することが可能となる。
すなわち、本発明の酸化亜鉛焼結体は、六方晶のウルツ鉱構造をとる酸化亜鉛相と、立方晶の逆スピネル構造をとる複合酸化物Zn2TiO4相とから構成され、かつX線回折により測定される、下記の式(A)で求められるピークの強度比が、10%以下である。
I[Zn2TiO4(311)]/{I[ZnO(101)]+I[Zn2TiO4(311)]}×100(%) ・・・・・(A)
(式中、I[ZnO(101)]は、六方晶のウルツ鉱構造をとる酸化亜鉛相の(101)ピーク強度であり、I[Zn2TiO4(311)]は、立方晶の逆スピネル構造をとる複合酸化物痾−Zn2TiO4相の(311)ピーク強度を示す。)
すなわち、本発明の酸化亜鉛焼結体は、六方晶のウルツ鉱構造をとる酸化亜鉛相と、立方晶の逆スピネル構造をとる複合酸化物Zn2TiO4相とから構成され、かつX線回折により測定される、下記の式(A)で求められるピークの強度比が、10%以下である。
I[Zn2TiO4(311)]/{I[ZnO(101)]+I[Zn2TiO4(311)]}×100(%) ・・・・・(A)
(式中、I[ZnO(101)]は、六方晶のウルツ鉱構造をとる酸化亜鉛相の(101)ピーク強度であり、I[Zn2TiO4(311)]は、立方晶の逆スピネル構造をとる複合酸化物痾−Zn2TiO4相の(311)ピーク強度を示す。)
ターゲット中の複合酸化物Zn2TiO4の生成割合はX線回折により求めることができる。Zn2TiO4の2θが35.4°付近の(311)面と、酸化亜鉛の(101)のピーク強度比とによりターゲット中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合を求めることができる。
また、ターゲットしての焼結密度が低いとターゲットの機械加工時に割れたり、あるいは成膜時に異物が発生したりする原因になるなどの種々の問題が生じるので、本発明の酸化亜鉛焼結体は相対密度が95%以上であるのが好ましい。この相対密度以上にすることによって、機械加工が容易になるなど、ターゲットの生産性と薄膜の生産性の両方を向上することができる。
また、ターゲットしての焼結密度が低いとターゲットの機械加工時に割れたり、あるいは成膜時に異物が発生したりする原因になるなどの種々の問題が生じるので、本発明の酸化亜鉛焼結体は相対密度が95%以上であるのが好ましい。この相対密度以上にすることによって、機械加工が容易になるなど、ターゲットの生産性と薄膜の生産性の両方を向上することができる。
(酸化亜鉛焼結体(ターゲット)の製造方法)
本発明の製造方法において、低原子価チタン(Ti)を多量に固溶させ、かつ相対密度を高くするためには、原料と焼結条件が重要である。
本発明の製造方法において、低原子価チタン(Ti)を多量に固溶させ、かつ相対密度を高くするためには、原料と焼結条件が重要である。
本発明の一実施形態に係る製造方法では、平均粒径1μm以下の酸化亜鉛粉末と、平均粒径1.5μm以下の複合酸化物粉末とを、低原子価チタンが2モル%超、10モル%以下含有するように調製し混合した後、プレス成形し、次いで不活性雰囲気中で800〜1500℃の温度で焼結を行う。これによって、相対密度95%以上で、複合酸化物の生成割合が10%未満である酸化亜鉛焼結体が得られる。
原料となるZnO粉末の平均粒径は1μm以下、Znと低原子価チタンの複合酸化物の平均粒径は1.5μm以下であるのが好ましい。ZnO粉末や複合酸化物の平均粒径が上記範囲より大きくなると、焼結前の状態でTiを含む複合酸化物の偏析が顕著になる。このような状態になると、焼結時にTiを拡散させる時間が長くなる。すなわち、固溶Ti量を増加させるための処理時間が長くなり生産効率が低下しないように、ZnO粉末の平均粒径を1μm、複合酸化物粉末の粒径を1.5μm以下とするのが好ましい。これらの粉末を、上述したターゲットの基本組成となるよう調整し混合を行ない、プレス成形する。
複合酸化物の作製方法は原料となるZnOにTi2O3(III)あるいはTiO(II)等の低原子価酸化チタンを添加し混合粉末とを配合して650℃〜1500℃に不活性雰囲気中にて焼成して作製する。低原子価酸化チタンは400℃以上で酸素が存在する雰囲気で加熱すると、酸化されてしまうので、酸素を除外した不活性雰囲気にて焼成する。次に、この仮焼粉体を所望の粒度に再度粉末化して、複合酸化物Zn2TiO4粉末を製造する。この作業により、平均粒径を1.5μm以下とする。この粉末中には、ZnOとTi2O3(TiO)との複合酸化物である逆スピネル構造のZn2TiO4が形成されている。 この場合、ZnOと低原子価酸化チタンの混合比率はZn:Tiのモル比が2:1となるように所定量を混合して作製する
このように作製した複合酸化物Zn2TiO4と酸化亜鉛ZnOとを配合する。配合においては、バインダーとして例えばポリビニルアルコールを1重量%添加して、ボールミル等で混合を行うことが好ましい。こうして作製したスラリーを乾燥造粒し、プレス等の方法により所望の形状に成形する。成形体の形状、大きさは任意であり、大面積の液晶ディスプレイの透明電極用のターゲットとして、その大きさが例えば127mm×381mm×5mm以上の板状のものを作製することができる。この成形体を、800〜1500℃の温度で焼成(本焼成)することにより、酸化亜鉛焼結体を得る。本焼成の時間は、1〜5時間が好ましい。
焼結は、不活性雰囲気中(例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水素等の不活性ガスを供給しながら、または真空中)で行う必要がある。酸素濃度を極力制限した不活性雰囲気で焼結することによって、Tiの固溶を著しく促進することができる。
ここで、不活性雰囲気中1000℃以上で焼結すると、成形体の酸素が除去されながら焼結が進み相対密度を高めることができる。しかし、1500℃を超える温度で焼結させると、焼結時の質量減少が著しくなり、生産歩留や焼結炉の保全に問題が生じるので、1500℃以下の温度で焼結を実施するのが好ましい。
ここで、不活性雰囲気中1000℃以上で焼結すると、成形体の酸素が除去されながら焼結が進み相対密度を高めることができる。しかし、1500℃を超える温度で焼結させると、焼結時の質量減少が著しくなり、生産歩留や焼結炉の保全に問題が生じるので、1500℃以下の温度で焼結を実施するのが好ましい。
上記製法により、相対密度95%以上、複合酸化物の生成割合を10%以下に抑えTiの大部分が固溶した形態で存在させた焼結体を得ることができる。
焼結を行なう際の方法は、特に制限されるものではなく、常圧焼結法、ホットプレス法、HIP法、SPS法、ミリ波焼結法、マイクロ波焼結法など公知の方法を採用することができる。
焼結を行なう際の方法は、特に制限されるものではなく、常圧焼結法、ホットプレス法、HIP法、SPS法、ミリ波焼結法、マイクロ波焼結法など公知の方法を採用することができる。
本発明に係る酸化亜鉛焼結体の製造方法は、図1に示す工程図から明らかなように、第1のZnO粉末と、Ti2O3、TiOなどの低原子価チタンの酸化物粉末とを配合して仮焼成する仮焼粉末製造工程と、これによって得られた仮焼粉末と第2のZnO粉末とを配合し、成形して成形体を形成し、これを焼成する本焼成工程とからなる。
本願発明では、低原子価チタンの酸化物粉末とZnO粉末とを配合し、成形して焼結体を得るのではなく、まずZn2TiO4相を含む仮焼粉末を製造し、この仮焼粉末とZnO粉末とを配合し、成形、焼成して酸化亜鉛焼結体を形成する。このため、この製造方法は、図1に示すように、仮焼粉末製造工程および本焼成工程を含んでいる。
<仮焼粉末製造工程>
仮焼粉末製造工程では、まず、第1のZnO粉末と、低原子価チタンの酸化物粉末(以下、単に酸化チタン粉末ということがある。)とを混合し、造粒後、不活性雰囲気あるいは還元性雰囲気中で焼成(仮焼成)し、次に、これを所望の粒度に再度粉末化して、仮焼粉末を製造する。この仮焼粉末中には、ZnOとTi2O3またはTiOとの複合化合物である逆スピネル構造のZn2TiO4が形成されている。
ここで用いる第1のZnO粉末は、ウルツ鉱構造のZnOよりなり、そのBET比表面積は2〜30m2/gが好ましい。純度は99.9%以上であることが好ましい。
仮焼粉末製造工程では、まず、第1のZnO粉末と、低原子価チタンの酸化物粉末(以下、単に酸化チタン粉末ということがある。)とを混合し、造粒後、不活性雰囲気あるいは還元性雰囲気中で焼成(仮焼成)し、次に、これを所望の粒度に再度粉末化して、仮焼粉末を製造する。この仮焼粉末中には、ZnOとTi2O3またはTiOとの複合化合物である逆スピネル構造のZn2TiO4が形成されている。
ここで用いる第1のZnO粉末は、ウルツ鉱構造のZnOよりなり、そのBET比表面積は2〜30m2/gが好ましい。純度は99.9%以上であることが好ましい。
酸化チタン粉末のBET比表面積は2〜100m2/g、好ましくは5〜50m2/gであるのがよく、純度は99.9%以上であることが好ましい。
第1のZnO粉末と酸化チタン粉末との配合比であるZnO/酸化チタンのモル比は1〜200の範囲が好ましく、特に1〜30が好ましい。配合後の粉末をボールミルで混合し、造粒後、700〜1100℃、好ましくは700〜1000℃の温度で焼成(仮焼成)し、仮焼粉末を製造する。仮焼成の時間は、1〜5時間が好ましい。
ここで、仮焼成の温度が700℃未満であると、ZnO粉末と酸化チタン粉末の固相焼結が十分行われず、逆スピネル構造のZn2TiO4が生成し難くなり、1100℃を超えると固相焼結は十分進行するが、後の工程にて粉砕して微粒にすることが困難となり、いずれも好ましくない。
ここで、仮焼成の温度が700℃未満であると、ZnO粉末と酸化チタン粉末の固相焼結が十分行われず、逆スピネル構造のZn2TiO4が生成し難くなり、1100℃を超えると固相焼結は十分進行するが、後の工程にて粉砕して微粒にすることが困難となり、いずれも好ましくない。
仮焼成の雰囲気は不活性雰囲気または還元性雰囲気が好ましい。不活性雰囲気または還元雰囲気としては、アルゴン、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、真空および水素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気が挙げられる。
仮焼粉末中では、ZnO粒と酸化チタン粉末との固相反応によって、逆スピネル構造の複合酸化物であるZn2TiO4が形成される。仮焼粉末中では、焼結によって粒子が結合している。これを再びボールミル等の機械的処理によって粉砕し、所望の粒度(粒径)として仮焼粉末とする。仮焼粉末のBET比表面積は2〜30m2/gとすることが好ましい。なお、BET比表面積を調整できる方法であれば、ボールミル以外の方法、例えば振動ミル等の方法を同様に用いることもできる。仮焼粉末がそのままで前記したBET比表面積の範囲内にあり良好な微粉状態となっている場合には、この粉末化は不要である。なお、仮焼粉末の粒径は、およそ0.1〜1μm程度である。
仮焼粉末のBET比表面積が2m2/gより小さいと、ZnO粒子間に気孔が形成され異常放電の原因となるおそれがある。一方、30m2/gよりも大きいと凝集粉となり分散性が低下し、焼結体中の複合酸化物相の組織が不均一となるおそれがある。
仮焼粉末の状態は、第1のZnO粉末/酸化チタン粉末の比率に依存する。特にこの比率が大きいとZnO相が多くなり、ZnO相自身の焼結が進んで粒子が大きくなるため、仮焼粉末のBET比表面積を上記の範囲とするには、粒度調整が必要となる。
なお、各粉末のBET比表面積は、BET法によって求めた単位質量当たりの表面積で、JIS R 1626に記載された方法によって求めることができる。
なお、各粉末のBET比表面積は、BET法によって求めた単位質量当たりの表面積で、JIS R 1626に記載された方法によって求めることができる。
<本焼成工程>
本焼成工程では、前記の工程で得られた仮焼粉末と第2のZnO粉末とを配合、造粒した後、成形して、不活性雰囲気または還元性雰囲気中(例えば、窒素やアルゴン雰囲気中)で焼成(本焼成)して酸化亜鉛焼結体を作製する。ここでは、所望の形状、例えばスパッタリングターゲットの形状等に成形する。
本焼成工程では、前記の工程で得られた仮焼粉末と第2のZnO粉末とを配合、造粒した後、成形して、不活性雰囲気または還元性雰囲気中(例えば、窒素やアルゴン雰囲気中)で焼成(本焼成)して酸化亜鉛焼結体を作製する。ここでは、所望の形状、例えばスパッタリングターゲットの形状等に成形する。
第2のZnO粉末としては、第1のZnO粉末と同様に、ウルツ鉱構造のZnOよりなり、BET比表面積が2〜30m2/gのものを用いることができる。純度は99.9%以上であることが好ましい。
仮焼粉末/第2のZnO粉末の配合割合は、最終的に得られる酸化亜鉛焼結体が低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有するような割合となるように決定される。
仮焼粉末/第2のZnO粉末の配合割合は、最終的に得られる酸化亜鉛焼結体が低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有するような割合となるように決定される。
仮焼粉末と第2のZnO粉末との配合においては、バインダーとして例えばポリビニルアルコールを総量中、1重量%添加して、ボールミル等で混合を行うことが好ましい。こうして作製したスラリーを乾燥造粒し、プレス等の方法により所望の形状に成形する。
成形体の形状、大きさは任意であり、大面積の液晶ディスプレイの透明電極用のターゲットとして、その大きさが例えば127mm×381mm×5mm以上の板状のものを作製することができる。この成形体を、1000〜1300℃の温度で焼成(本焼成)することにより、酸化亜鉛焼結体を得る。本焼成の時間は、1〜5時間が好ましい。
仮焼粉末と第2のZnO粉末とを前記のとおりに配合・混合する際に、これらを混合した本焼成前粉末の粒度を調整することにより、成形体の焼成(本焼成)の状態を最適化できる。この場合の本焼成前粉末のBET比表面積は1〜30m2/g程度、粒径範囲は0.1〜1μm程度とすることが好ましい。
この製造方法によって大きな空孔や析出物がなく、緻密な酸化亜鉛焼結体が得られる理由を以下に示す。
通常のTZO焼結体においては、焼結の際に充分な粒成長が起これば空孔は発生しないが、通常は空孔が多く発生する。この空孔が形成される原因は、その形態から、ZnO粒子とTi2O3粒子との固相反応によりZn2TiO4相が形成される際の体積収縮であると考えられる。ZnO(融点:1980℃)とTi2O3(融点:2130℃)の融点は共に2000℃程度であるため、Zn2TiO4はZnO粒とTi2O3粒との固相反応によって焼成時に形成される。その際に元のZnO粒とTi2O3粒の体積よりも小さくなる、いわゆる体積収縮が起きる。一方、ZnO粉末の量はTi2O3粉末の量よりも多いため、Zn2TiO4を形成しないZnO粒同士は結合し、緻密なZnO相を形成する。このためにZn2TiO4析出層の周辺空孔が形成される。この構造の焼結体をスパッタリングターゲットに用いた場合、特に空孔の存在は異常放電の原因となる。また、Zn2TiO4相とZnO相とはその比抵抗が異なるため、ZnO相中に比較的大きなZn2TiO4相が不均一に分布している場合、この析出物の存在自体も異常放電の原因となる。また、Zn2TiO4相の周辺以外にはほとんど空孔は見られず、ZnO相はほぼ緻密な構造であるため、酸化亜鉛焼結体の密度が低いのは、主にこの空孔が存在するためであると推測される。
通常のTZO焼結体においては、焼結の際に充分な粒成長が起これば空孔は発生しないが、通常は空孔が多く発生する。この空孔が形成される原因は、その形態から、ZnO粒子とTi2O3粒子との固相反応によりZn2TiO4相が形成される際の体積収縮であると考えられる。ZnO(融点:1980℃)とTi2O3(融点:2130℃)の融点は共に2000℃程度であるため、Zn2TiO4はZnO粒とTi2O3粒との固相反応によって焼成時に形成される。その際に元のZnO粒とTi2O3粒の体積よりも小さくなる、いわゆる体積収縮が起きる。一方、ZnO粉末の量はTi2O3粉末の量よりも多いため、Zn2TiO4を形成しないZnO粒同士は結合し、緻密なZnO相を形成する。このためにZn2TiO4析出層の周辺空孔が形成される。この構造の焼結体をスパッタリングターゲットに用いた場合、特に空孔の存在は異常放電の原因となる。また、Zn2TiO4相とZnO相とはその比抵抗が異なるため、ZnO相中に比較的大きなZn2TiO4相が不均一に分布している場合、この析出物の存在自体も異常放電の原因となる。また、Zn2TiO4相の周辺以外にはほとんど空孔は見られず、ZnO相はほぼ緻密な構造であるため、酸化亜鉛焼結体の密度が低いのは、主にこの空孔が存在するためであると推測される。
この結果より、Zn2TiO4相が形成される際の体積収縮の影響を除去すれば、空孔は発生せず、緻密な酸化亜鉛焼結体が得られると考えられる。そこで、本実施形態においては、まず初めに仮焼粉末製造工程を設け、スピネル構造のZn2TiO4を主成分とする仮焼粉末を製造する。Zn2TiO4相を形成することが目的であるため、その仮焼成の温度は、結晶性に優れたZn2TiO4相が形成される温度で、かつできるだけ低い温度がよい。結晶性に優れたZn2TiO4相を形成させるためには、高い温度の方が好ましいが、仮焼成温度が高くなればなるほど、粉末のBET比表面積が小さくなり、粉末の活性が失われ、焼結性が劣ってしまう。
この仮焼粉末を新たに第2のZnO粉末と混合、焼成して酸化亜鉛焼結体を得る。この製造方法によれば、本焼成の際に新たにZn2TiO4相が形成されることが極力回避できるため、Zn2TiO4相周辺で空孔の形成はされにくくなり、形成されたとしても相対的な空孔径が小さくなる。また、本焼成時にZn2TiO4を含む析出物が形成される場合よりも、仮焼成で予めこれを形成しておく方が析出物のサイズがより小さく均一になる。
以上より、本実施形態に係る製造方法では、ZnO焼結体への酸化チタン粉末の添加に際しては、Ti2O3(TiO)の代わりに、逆スピネル構造のZn2TiO4を含む粉末を用いて、本焼成を行うことになる。
このようなZn2TiO4を含む仮焼粉末を配合して本焼成を行った場合においても、主成分となるZnOの粒成長は充分に行われており、緻密なZnO相が得られている。従って、複合酸化物相の分布が均一で、空孔がない酸化亜鉛焼結体を形成することができる。すなわち、本実施形態の製造方法により、複合酸化物相の分布が均一で緻密な酸化亜鉛焼結体を得ることができる。従って、この酸化亜鉛焼結体をスパッタリングターゲットに用いた場合に、異常放電の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法によって製造された酸化亜鉛焼結体においては、サイズの大きな析出物や空孔の形成が抑制されるため、これをスパッタリングターゲットに用いた場合の異常放電を抑制できる。
また、本実施形態の製造方法によって製造された酸化亜鉛焼結体においては、サイズの大きな析出物や空孔の形成が抑制されるため、これをスパッタリングターゲットに用いた場合の異常放電を抑制できる。
また、本実施形態の製造方法によって製造された酸化亜鉛焼結体は空孔が小さく、その数も少なくなるため、焼結体の密度が高くなる。理想的な酸化亜鉛の密度は、Znが種々の同位体を有するため酸化亜鉛の密度も一義的に決められないが、ほぼ5.60g/cm3であるとされているのに対して、5.40g/cm3以上、相対密度97%以上とすることができる。
仮焼粉末製造工程は、TiO、Ti2O3粒をウルツ鉱構造のZnO粒と固相反応させ、スピネル構造のZn2TiO4を形成するために行われる。このため、第1のZnO粉末のBET比表面積は2〜30m2/gが好ましい。2m2/gよりも小さいと、Zn2TiO4相等の析出物が大きくなり異常放電の原因となるおそれがある。一方、30m2/gよりも大きいと、ZnOが凝集粒子としてふるまい、ZnOが均一に分散されず、Zn2TiO4相等が大きくなり異常放電の原因となるおそれがある。
また、酸化チタン粉末(Ti2O3粉末、TiO粉末等の酸化物粉末)のBET比表面積は2〜100m2/gが好ましい。2m2/gよりも小さいと、Zn2TiO4相等の析出物が大きくなり異常放電の原因となるおそれがある。一方、100m2/gよりも大きいと、Ti2O3、TiO粉等が凝集粒子としてふるまい、ZnOが均一に分散されず、Zn2TiO4相等の析出物が大きくなり異常放電の原因となるおそれがある。
仮焼粉末製造工程における仮焼成温度は、700〜1100℃の範囲、仮焼成時間は1〜5時間の範囲が好ましい。温度が800℃よりも低いか、または1時間より短いと、仮焼成時にスピネル構造のZn2TiO4等が充分に形成されず、Ti2O3相等が残り、後の本焼成時にZn2TiO4が形成されるおそれがある。このため、本焼成時に形成されたZn2TiO4相等の周囲に空孔が形成されることがある。温度が1100℃よりも高いか、または仮焼成時間が5時間より長いと、仮焼粉末のBET比表面積が小さくなり、本焼成において緻密な焼結体が得られにくくなるおそれがある。仮焼成の雰囲気は不活性雰囲気または還元性雰囲気中にする必要がある、また、加圧雰囲気としてもよい。これに対して、酸化雰囲気等の酸素が存在する雰囲気であると、Ti2O3(III)やTiO(II)がTiO2(IV)に酸化されてしまうので好ましくない。そのため、酸素を除外した雰囲気にする必要がある。
仮焼成によって得られた仮焼粉末においては、ZnOとTi2O3との固相反応により、逆スピネル構造の複合酸化物であるZn2TiO4が形成される。このため、第1のZnO粉末と酸化チタン粉末の混合モル比率は、その化学量論的組成である、Zn:Ti=2:1(モル比)となることが好ましい。このモル比がこの比率よりもTi2O3リッチまたはTiOリッチとなった場合には、余剰となったTi2O3相、TiO等が仮焼粉末中に存在する。この場合には、その後の本焼成時において、このTi2O3相等と第2のZnO粉末との固相反応によって新たにZn2TiO4等が形成され、その際に空孔が形成され異常放電の原因となる。一方、この比率がZnOリッチになった場合には、仮焼粉末中のTi2O3組成等が小さくなるため、ZnO自体の焼結が進行し、本焼成後の焼結性が劣化し、緻密な焼結体を得ることが困難となる。この場合には粉砕により仮焼粉末を微粉化する必要がある。そのため、原料粉の混合にあたっては、少なくともTi2O3リッチまたはTiOリッチとならないように、原料粉の配合比率は、例えば、ZnO:Ti2O3、またはZnO:TiOが2:1〜100:1の範囲が好ましく、2:1〜50:1がより好ましい。
本焼成工程は、成形されたZnO焼結体を得るための工程である。ここで用いる仮焼粉末のBET比表面積は、粉砕を行なう機械的処理、例えばボールミルを用いて調整することができる。ボールミルにおいては、処理時間を調節することにより変えることができる。例えば、アルミナボールを用い、40時間処理することによりBET比表面積が5m2/gの仮焼粉末を得ることができる。また、ボールミルの代わりに、同様に粒度の調整ができる他の方法、例えば振動ミル等の方法を用いることができる。本焼成前粉末のBET比表面積は1〜20m2/gであるのが好ましい。
第2のZnO粉末のBET比表面積は2〜30m2/gの範囲が好ましい。第2のZnO粉末のBET比表面積が2m2/gよりも小さいと、本焼成において緻密な焼結体が得られず、また30m2/gよりも大きいと、成形時の成形体密度が小さくなり、本焼成において緻密な焼結体が得られないおそれがある。このZnO粉末は、最終的に得られる酸化亜鉛焼結体の主成分となる。
本焼成工程を行なう際の第2のZnO粉末と仮焼粉末との混合比の設定により、酸化亜鉛焼結体におけるTiの含有比率[Ti /(Ti+Zn)のモル比]を酸化物換算で2モル%超、10モル%以下とすることができる。ただし、仮焼粉末中のTi等の比率は仮焼粉末製造工程での混合比率に依存する。酸化亜鉛焼結体におけるTiの含有率が酸化物換算で2モル%よりも小さい、または10モル%より大きいと、前記焼結体をターゲットとして用いてスパッタリングによって形成された膜の比抵抗が10-3Ω・cm以上と高くなる。
仮焼粉末と第2のZnO粉末との配合は、所定の混合比率で、バインダーとして例えばポリビニルアルコールを用いて行うことができる。この際に、ボールミルを用いて20時間の混合を行うことにより、均一に混合をすることができる。この際、同様に混合を行うことのできる他の方法、例えば振動ミル等の方法を用いることもできる。その後、この混合物にプレス成形等を行うことにより、所定形状の成形体を得ることができる。
本焼成温度は、800〜1500℃、好ましくは1000〜1300℃の範囲が好ましい。800℃よりも低いと、主成分であるZnOの焼結が充分に行われず、緻密な酸化亜鉛焼結体が得られないおそれがある。1500℃よりも高いと、ZnOが分解、昇華し、焼結体の組成ずれが生ずるおそれがある。本焼成温度は、緻密な酸化亜鉛焼結体を得るためには仮焼成温度よりも高いことが好ましく、仮焼成と本焼成との温度差は200℃以上とすることが好ましい。この温度差が小さいと、本焼成工程で緻密な焼結体が得られず、ZnO相間に空孔が形成されることがある。本焼成の雰囲気は不活性雰囲気または還元性雰囲気とすることが好ましいが、不活性雰囲気の加圧雰囲気としてもよい。また、不活性雰囲気または還元雰囲気としては、例えばアルゴン、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、真空および水素からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる雰囲気が挙げられる。真空(好ましくは、2Pa以下)下で加熱する方法等により行うことができるが、製造コストの観点からは、常圧で行う方法が有利である。
本焼成時間は、1〜5時間の範囲が好ましい。1時間より短いと、ZnOの粒成長が充分に行われず、緻密な酸化亜鉛焼結体を得ることが困難になるおそれがある。5時間より長いと、ZnOの分解、昇華が起こり、焼結体の組成ずれが生ずるおそれがある。
一般に、焼結体における空孔は、その焼成時の雰囲気が加圧あるいは常圧雰囲気の場合には発生しにくい。仮焼粉末製造工程における仮焼成においては、ZnOおよびTi2O3またはTiOは粉末の状態であるため、空孔は発生しない。
こうした酸化亜鉛焼結体は、一般の焼結体を製造する方法と同様の装置(ボールミル、焼成炉等)を用いて製造することができる。従って、一般の焼結体と同様に、大面積のものを容易に得ることができ、例えば数10cm以上の大きさのスパッタリングターゲットを得ることもできる。このスパッタリングターゲットを用いて、大面積の液晶ディスプレイや太陽電池上に、光透過率が高く電気抵抗の低い透明電極を形成することができる。
本発明の酸化亜鉛焼結体は低抵抗で高密度なために透明導電膜形成用のスパッタリングターゲットとして極めて優れた性能を有している。即ち、当該焼結体は低原子価酸化チタンと酸化亜鉛とで形成される複合酸化物の形成が著しく低減させたことにより、極めて低抵抗な焼結体が得られ、スパッタリングターゲットとしてRF(高周波)だけでなく、工業的な量産に適したdc(直流)にも適用可能である。更にこれを用いたいずれのスパッタリング法においても放電は安定した状態で行うことができる。
本発明の酸化物焼結体またはターゲットを用いて形成された透明導電膜は、優れた導電性と化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)など)および近赤外領域高透過性とを兼ね備えたものであるので、例えば、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・無機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイ・有機ELディスプレイ・電子ペーパーなどの透明電極、太陽電池の光電変換素子の窓電極、透明タッチパネル等の入力装置の電極、電磁シールドの電磁遮蔽膜等の用途に好適に用いられる。さらに、本発明の酸化物焼結体またはターゲットを用いて形成された透明導電膜は、透明電波吸収体、紫外線吸収体、さらには透明半導体デバイスとして、他の金属膜や金属酸化膜と組み合わせて活用することもできる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの主成分は高価なインジウムではなく安価な亜鉛であるため、低コストでこれを製造することができる。このため、低コストで良好な特性の透明電極を得ることができる。
これらの酸化亜鉛焼結体は、比抵抗が低く、緻密なものとなるため、透明電極の成膜用のスパッタリングターゲットとして好ましく用いることができる。
これらの酸化亜鉛焼結体は、比抵抗が低く、緻密なものとなるため、透明電極の成膜用のスパッタリングターゲットとして好ましく用いることができる。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、得られた透明導電性基板の評価は以下の方法で行なった。
<比抵抗> 比抵抗は、抵抗率計(三菱化学(株)製「LORESTA−GP、MCP−T610」)を用いて、四端子四探針法により測定した。詳しくは、サンプルに4本の針状の電極を直線上に置き、外側の二探針間に一定の電流を流し、内側の二探針間に一定電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し、抵抗を求めた。
<表面抵抗> 表面抵抗(Ω/□)は、比抵抗(Ω・cm)を膜厚(cm)で除することにより算出した。
<透過率> 透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V−670」)を用いて測定した。
<耐湿性>
透明導電性基板を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気中に1000時間保持する耐湿試験に付した後、表面抵抗を測定した。耐湿試験後の表面抵抗が、耐湿試験前の表面抵抗の2倍以下であると、耐湿性に優れると言える。
<耐熱性>
透明導電性基板を、温度200℃の大気中に5時間保持する耐熱試験に付した後、表面抵抗を測定した。耐熱試験後の表面抵抗が、耐熱試験前の表面抵抗の1.5倍以下であると、耐熱性に優れると言える。
<耐アルカリ性>
透明導電性基板を、3%のNaOH水溶液(40℃)中に10分間浸漬し、浸漬前後の基板上の膜質の変化の有無を目視にて確認した。
<耐酸性>
透明導電性基板を、3%のHCl水溶液(40℃)中に10分間浸漬し、浸漬前後の基板上の膜質の変化の有無を目視にて確認した。
なお、得られた透明導電性基板の評価は以下の方法で行なった。
<比抵抗> 比抵抗は、抵抗率計(三菱化学(株)製「LORESTA−GP、MCP−T610」)を用いて、四端子四探針法により測定した。詳しくは、サンプルに4本の針状の電極を直線上に置き、外側の二探針間に一定の電流を流し、内側の二探針間に一定電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定し、抵抗を求めた。
<表面抵抗> 表面抵抗(Ω/□)は、比抵抗(Ω・cm)を膜厚(cm)で除することにより算出した。
<透過率> 透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製「V−670」)を用いて測定した。
<耐湿性>
透明導電性基板を、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気中に1000時間保持する耐湿試験に付した後、表面抵抗を測定した。耐湿試験後の表面抵抗が、耐湿試験前の表面抵抗の2倍以下であると、耐湿性に優れると言える。
<耐熱性>
透明導電性基板を、温度200℃の大気中に5時間保持する耐熱試験に付した後、表面抵抗を測定した。耐熱試験後の表面抵抗が、耐熱試験前の表面抵抗の1.5倍以下であると、耐熱性に優れると言える。
<耐アルカリ性>
透明導電性基板を、3%のNaOH水溶液(40℃)中に10分間浸漬し、浸漬前後の基板上の膜質の変化の有無を目視にて確認した。
<耐酸性>
透明導電性基板を、3%のHCl水溶液(40℃)中に10分間浸漬し、浸漬前後の基板上の膜質の変化の有無を目視にて確認した。
[実施例1]
BET比表面積が5m2/gの第1のZnO粉末と4m2/gのTi2O3(III)粉末とを、ZnO:Ti2O3=4:1(モル比)で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、混合粉を得た。この混合粉末をAr雰囲気中にて1000℃の焼成温度で2時間焼成を行い、仮焼粉末を得た。仮焼粉末は100%Zn2TiO4(複合酸化物)であった。この仮焼粉末に対して、上記と同様にボールミルで処理を行い、6m2/gのBET比表面積を有する仮焼粉末を得た。
この仮焼粉末と所定のBET比表面積をもつ第2のZnO粉末(5m2/g)とを、焼結体におけるZn:Ti=97:3(モル比)の値になる比率で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、本焼成前粉末を得た。
この本焼成前粉末に成形圧力40MPaにて一軸加圧成形後、円盤型の成形体とした。この成形体をAr雰囲気で1200℃、2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ97.7%であった。
なお、相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、酸化チタンの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化チタンの単体密度×混合重量比)
また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、焼結体は複合酸化物相の分布が均一で、空孔もなく緻密な焼結体であった。
得られた焼結体に研削ついで表面研磨を施し、径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。なお、各粉末のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(マックソーブ(モデル1201):マウンテック(株)製)によって測定した。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
BET比表面積が5m2/gの第1のZnO粉末と4m2/gのTi2O3(III)粉末とを、ZnO:Ti2O3=4:1(モル比)で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、混合粉を得た。この混合粉末をAr雰囲気中にて1000℃の焼成温度で2時間焼成を行い、仮焼粉末を得た。仮焼粉末は100%Zn2TiO4(複合酸化物)であった。この仮焼粉末に対して、上記と同様にボールミルで処理を行い、6m2/gのBET比表面積を有する仮焼粉末を得た。
この仮焼粉末と所定のBET比表面積をもつ第2のZnO粉末(5m2/g)とを、焼結体におけるZn:Ti=97:3(モル比)の値になる比率で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、本焼成前粉末を得た。
この本焼成前粉末に成形圧力40MPaにて一軸加圧成形後、円盤型の成形体とした。この成形体をAr雰囲気で1200℃、2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ97.7%であった。
なお、相対密度は、下式に示すように、酸化亜鉛、酸化チタンの単体密度に混合の重量比をかけ、和をとったものを100%として求めた。
相対密度=100×[(焼結体の密度)/(理論密度)]
理論密度=(酸化亜鉛の単体密度×混合重量比+酸化チタンの単体密度×混合重量比)
また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、焼結体は複合酸化物相の分布が均一で、空孔もなく緻密な焼結体であった。
得られた焼結体に研削ついで表面研磨を施し、径が50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。なお、各粉末のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(マックソーブ(モデル1201):マウンテック(株)製)によって測定した。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。スパッタ条件は以下のとおりである。
ターゲット寸法 :50.8mmφ×3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ(株)製 E-200S
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :200℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :石英ガラス(50.8mm×50.8mm×0.7mm)
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電の発生はなく問題なかった。また、得られた薄膜を、35質量%塩酸を2倍希釈した液に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
ターゲット寸法 :50.8mmφ×3mm厚
スパッタリング装置 :キャノンアネルバ(株)製 E-200S
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタリング
到達真空度 :2.0×10-4Pa
Ar圧力 :0.5Pa
基板温度 :200℃
スパッタ電力 :30W
使用基板 :石英ガラス(50.8mm×50.8mm×0.7mm)
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電の発生はなく問題なかった。また、得られた薄膜を、35質量%塩酸を2倍希釈した液に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、得られた透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い、薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べた。その結果、透明導電膜は、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.3×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.6Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜1500nm)で平均89%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜1500nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.3×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.6Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜1500nm)で平均89%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜1500nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[実施例2]
BET比表面積が5m2/gの第1のZnO粉末と4m2/gのTiO(II)粉末とをZnO:TiO=2:1(モル比)で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、混合粉を得た。この混合粉末をAr雰囲気中にて1000℃焼成温度で2時間、焼成を行い、仮焼粉末を得た。仮焼粉末は100%Zn2TiO4(複合酸化物)であった。この仮焼粉末に対して、上記と同様にボールミルで処理を行い、6m2/gBET比表面積をもった仮焼粉末を得た。
この仮焼粉末と所定のBET比表面積をもつ第2のZnO粉末(5m2/g)とを、焼結体におけるZn:Ti=97:3(モル比)の値になる比率で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、本焼成前粉末を得た。この本焼成前粉末に成形圧力40MPaにて一軸加圧成形後、円盤型の成形体とした。この成形体をAr雰囲気中1200℃で2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ97.7%であった。
また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、焼結体は複合酸化物相の分布が均一で、空孔もなく緻密な焼結体であった。
得られた焼結体に研削ついで表面研磨を施し、径50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。なお、上記の各粉末のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(マックソーブ(モデル1201):マウンテック(株)製)によって測定した。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
BET比表面積が5m2/gの第1のZnO粉末と4m2/gのTiO(II)粉末とをZnO:TiO=2:1(モル比)で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、混合粉を得た。この混合粉末をAr雰囲気中にて1000℃焼成温度で2時間、焼成を行い、仮焼粉末を得た。仮焼粉末は100%Zn2TiO4(複合酸化物)であった。この仮焼粉末に対して、上記と同様にボールミルで処理を行い、6m2/gBET比表面積をもった仮焼粉末を得た。
この仮焼粉末と所定のBET比表面積をもつ第2のZnO粉末(5m2/g)とを、焼結体におけるZn:Ti=97:3(モル比)の値になる比率で配合し、ボールミルで20時間混合、乾燥し、本焼成前粉末を得た。この本焼成前粉末に成形圧力40MPaにて一軸加圧成形後、円盤型の成形体とした。この成形体をAr雰囲気中1200℃で2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ97.7%であった。
また、電子顕微鏡にて焼結体を観察したところ、焼結体は複合酸化物相の分布が均一で、空孔もなく緻密な焼結体であった。
得られた焼結体に研削ついで表面研磨を施し、径50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。なお、上記の各粉末のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(マックソーブ(モデル1201):マウンテック(株)製)によって測定した。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。スパッタ条件は実施例1と同じである。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電の発生はなかった。また、得られた薄膜を実施例1と同様にして2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電の発生はなかった。また、得られた薄膜を実施例1と同様にして2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.1×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜1500nm)で平均89%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜1500nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.1×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜1500nm)で平均89%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜1500nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに、化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であることが明らかである。また、耐アルカリ性、耐酸性に優れていることから、パターニングの際には適当なエッチングレートを有することが推測される。
[比較例1]
BET比表面積が5m2/gの酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学製)と4m2/gの酸化チタン(TiO、高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とチタン元素の元素数比が97.0:3.0となるように秤量し(モル比でZnO:TiO=97:3)、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成型体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.3%であった。
電子顕微鏡にて、焼結体を観察したところ、複合酸化物の分布が不均一であり、空孔の存在が確認された。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、径50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
BET比表面積が5m2/gの酸化亜鉛(ZnO、キシダ化学製)と4m2/gの酸化チタン(TiO、高純度化学研究所製)を、亜鉛元素とチタン元素の元素数比が97.0:3.0となるように秤量し(モル比でZnO:TiO=97:3)、ポリプロピレン製の容器に入れ、更に2mmφジルコニア製ボールと混合溶媒としてエタノールを入れた。これをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。
混合操作後、ボールとエタノールを除去して得られた混合粉末を金型に入れ、40MPaの圧力で加圧し、円盤型の成型体を得た。これを電気炉に入れ、Ar雰囲気で1300℃で加熱処理を行い、焼結体を得た。この焼結体の相対密度を焼結体のサイズから算出したところ96.3%であった。
電子顕微鏡にて、焼結体を観察したところ、複合酸化物の分布が不均一であり、空孔の存在が確認された。得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、径50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。スパッタ条件は実施例1と同様である。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電が3回発生した。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電が3回発生した。
得られた薄膜を実施例1と同様にして2倍希釈した塩酸に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製のThermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製の「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.2×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.4Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜1500nm)で平均89%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜1500nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製の「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べたところ、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.2×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.4Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
得られた透明導電性基板の透過率は、可視領域(380nm〜780nm)で平均89%、赤外領域(780nm〜1500nm)で平均89%であった。なお、成膜前の石英ガラス基板の可視領域(380nm〜780nm)における透過率は平均94%であり、赤外領域(780nm〜1500nm)における透過率は平均94%であった。
得られた透明導電性基板の耐湿性を評価したところ、耐湿試験後の表面抵抗は、耐湿試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐湿性に優れることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐熱性を評価したところ、耐熱試験後の表面抵抗は、耐熱試験前の表面抵抗の1.2倍であり、耐熱性に優れることがわかった。
得られた透明導電性基板の耐アルカリ性を評価したところ、浸漬前後で膜質に変化はなく耐アルカリ性に優れていることがわかった。また、得られた透明導電性基板の耐酸性を評価したところ、浸漬後、膜厚が薄くなっており溶解していたが、浸漬前後で膜質に変化はなく耐酸性に優れていることがわかった。
以上のことから、得られた透明導電性基板上の膜は、透明かつ低抵抗であるとともに化学的耐久性(耐熱性、耐湿性、耐アルカリ性、耐酸性)をも兼ね備えた透明導電膜であるが、相対密度が低く、異常放電が多発し生産性に劣っていることが判明した。
[実施例3]
まず、平均粒径0.7μmのZnO粉末と平均粒径0.7μmの低原子価酸化チタン(TiO(II))粉末を準備した。このZnO粉末とTiO粉末とを2:1(モル比)で配合し、これに純水を加えてボールミルで20時間混合した。乾燥させた後、不活性雰囲気(アルゴン)中、1000℃×2時間で焼成し、再度ボールミルで粉砕してZnとTiの複合酸化物(Zn2TiO4)を作製した。この複合酸化物の平均粒径は0.9μmであった。
平均粒径0.7μmのZnO粉末と、得られた平均粒径0.9μmのZnとTiの複合酸化物粉末とを原料粉末として、Ti含有量が4mol%になるようにこれらの粉末を計量し、これに純水を加えてボールミルで20時間混合し、続いて乾燥・粉砕を行った。次に、分級して500μm以上の粗大粒を除去した粉末を型に入れて成形圧力40MPaにて一軸加圧成形し、円盤型の成形体を得た。この成形体をAr雰囲気中、1200℃で2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。
この焼結体の相対密度を、実施例1と同様にして焼結体のサイズから算出したところ、97.0%であった。
また、X線回折にて焼結体を測定した。図2にチャートを示す。焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合は、X線回折により求めることができる。すなわち、複合酸化物であるZn2TiO4の2θが35.4°付近の(311)面と酸化亜鉛の(101)のピーク強度比により焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合を求めることができる。
<ピーク強度比>
I[Zn2TiO4(311)]/{I[ZnO(101)]+I[Zn2TiO4(311)]}×100(%)=7%
また、焼結体の抵抗をテスターにて測定したところ、5Ωであり、非常に導電性に優れていた。
得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、直径50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
まず、平均粒径0.7μmのZnO粉末と平均粒径0.7μmの低原子価酸化チタン(TiO(II))粉末を準備した。このZnO粉末とTiO粉末とを2:1(モル比)で配合し、これに純水を加えてボールミルで20時間混合した。乾燥させた後、不活性雰囲気(アルゴン)中、1000℃×2時間で焼成し、再度ボールミルで粉砕してZnとTiの複合酸化物(Zn2TiO4)を作製した。この複合酸化物の平均粒径は0.9μmであった。
平均粒径0.7μmのZnO粉末と、得られた平均粒径0.9μmのZnとTiの複合酸化物粉末とを原料粉末として、Ti含有量が4mol%になるようにこれらの粉末を計量し、これに純水を加えてボールミルで20時間混合し、続いて乾燥・粉砕を行った。次に、分級して500μm以上の粗大粒を除去した粉末を型に入れて成形圧力40MPaにて一軸加圧成形し、円盤型の成形体を得た。この成形体をAr雰囲気中、1200℃で2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。
この焼結体の相対密度を、実施例1と同様にして焼結体のサイズから算出したところ、97.0%であった。
また、X線回折にて焼結体を測定した。図2にチャートを示す。焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合は、X線回折により求めることができる。すなわち、複合酸化物であるZn2TiO4の2θが35.4°付近の(311)面と酸化亜鉛の(101)のピーク強度比により焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合を求めることができる。
<ピーク強度比>
I[Zn2TiO4(311)]/{I[ZnO(101)]+I[Zn2TiO4(311)]}×100(%)=7%
また、焼結体の抵抗をテスターにて測定したところ、5Ωであり、非常に導電性に優れていた。
得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、直径50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
得られた焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、実施例1と同条件にてスパッタリングによる成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電がなく問題なかった。
また、得られた薄膜を、35質量%塩酸を2倍希釈した液に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
得られたスパッタリングターゲットを用い、実施例1と同条件にてスパッタリングによる成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べたところ、この間に異常放電がなく問題なかった。
また、得られた薄膜を、35質量%塩酸を2倍希釈した液に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、得られた透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い、薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べた。その結果、透明導電膜は、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.4×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
複合酸化物の生成割合が少ないため、ターゲットの抵抗が小さく、異常放電がなく安定に成膜でき、低抵抗な膜を得ることができた。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.4×10-4Ωcmであった。表面抵抗は8.8Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
複合酸化物の生成割合が少ないため、ターゲットの抵抗が小さく、異常放電がなく安定に成膜でき、低抵抗な膜を得ることができた。
[比較例2]
平均粒径0.7μmのZnO粉末と平均粒径0.7μmの低原子価酸化チタン(TiO(II))粉末とを原料粉末として、Ti含有量が4mol%になるようにこれらの粉末を計量し、これに純水を加えてボールミルで20時間混合し、続いて乾燥・粉砕を行った。次に、分級して500μm以上の粗大粒を除去した粉末を型に入れて成形圧力40MPaにて一軸加圧成形して、円盤型の成形体を得た。この成形体をAr雰囲気中、1200℃で2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。
この焼結体の相対密度を実施例1と同様にして焼結体のサイズから算出したところ96.3%であった。
また、X線回折にて焼結体を測定した。図2にチャートを示す。焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合はX線回折により、求めることができる。すなわち、実施例3と同様にして、複合酸化物であるZn2TiO4の2θが35.4°付近の(311)面と酸化亜鉛の(101)のピーク強度比を求めた。その結果、ピーク強度比は22% であった。これにより焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合を求めることができる。
また、ターゲットの抵抗をテスターにて測定したところ、70Ωであり、導電性は低かった。
平均粒径0.7μmのZnO粉末と平均粒径0.7μmの低原子価酸化チタン(TiO(II))粉末とを原料粉末として、Ti含有量が4mol%になるようにこれらの粉末を計量し、これに純水を加えてボールミルで20時間混合し、続いて乾燥・粉砕を行った。次に、分級して500μm以上の粗大粒を除去した粉末を型に入れて成形圧力40MPaにて一軸加圧成形して、円盤型の成形体を得た。この成形体をAr雰囲気中、1200℃で2時間の本焼成を行い、酸化亜鉛焼結体を得た。
この焼結体の相対密度を実施例1と同様にして焼結体のサイズから算出したところ96.3%であった。
また、X線回折にて焼結体を測定した。図2にチャートを示す。焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合はX線回折により、求めることができる。すなわち、実施例3と同様にして、複合酸化物であるZn2TiO4の2θが35.4°付近の(311)面と酸化亜鉛の(101)のピーク強度比を求めた。その結果、ピーク強度比は22% であった。これにより焼結体中の複合酸化物であるZn2TiO4の生成割合を求めることができる。
また、ターゲットの抵抗をテスターにて測定したところ、70Ωであり、導電性は低かった。
得られた焼結体に研削、表面研磨を施し、50.8mmφ、厚さ3mmの焼結体を得た。
この焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、実施例1と同条件にてスパッタリングにより成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べた。この成膜中に何回か異常放電が発生して生産性が低くなってしまった。
また、得られた薄膜を、35質量%塩酸を2倍希釈した液に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
この焼結体を、銅板をバッキングプレートとして用い、インジウム半田を用いてボンディングし、スパッタリングターゲットを得た。
得られたスパッタリングターゲットを用い、実施例1と同条件にてスパッタリングにより成膜を行い、厚さ約500nmの薄膜を得た。
スパッタリング成膜中の放電特性を調べた。この成膜中に何回か異常放電が発生して生産性が低くなってしまった。
また、得られた薄膜を、35質量%塩酸を2倍希釈した液に溶解させ、ICP−AES(サーモサイエンティフィック社製Thermo−6500)により薄膜組成を測定したところ、ターゲット組成とほぼ等しい組成の薄膜が得られていた。
また、この透明導電膜について、X線回折装置(理学電機(株)製「RINT2000」)を用い薄膜測定用のアタッチメントを使用したX線回折を行うとともに、エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(TEM−EDX)を用いて亜鉛へのチタンのドープ状態を調べ、さらに電界放射型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて結晶構造を調べた。その結果、透明導電膜は、C軸配向したウルツ鉱型の単相であり、チタンが亜鉛に置換固溶していることがわかった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.6×10-4Ωcmであった。表面抵抗は9.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
複合酸化物の生成割合が多いため、ターゲットの抵抗が高く、異常放電が発生し安定に成膜できずまた、抵抗も少し高くなってしまった。
得られた薄膜のシート抵抗を四探針法(三菱化学製、ロレスタ)で、膜厚をTencor社製Alpha−Step IQを用いて測定し、抵抗率を算出したところ、4.6×10-4Ωcmであった。表面抵抗は9.2Ω/□であった。なお、透明基板上の比抵抗の分布は面内均一であった。
複合酸化物の生成割合が多いため、ターゲットの抵抗が高く、異常放電が発生し安定に成膜できずまた、抵抗も少し高くなってしまった。
Claims (15)
- 低原子価チタンを2モル%超、10モル%以下含有する酸化亜鉛焼結体であって、相対密度95%以上で、かつ複合酸化物の含有割合が10%以下であること特徴とする酸化亜鉛焼結体。
- 酸化亜鉛粉末と、亜鉛と低原子価チタンの複合酸化物粉末とを、低原子価チタンが2モル%超10モル%以下含有するように混合した後、成形し、次いで800〜1500℃の温度で焼結して酸化亜鉛焼結体を得る、ことを特徴とする酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 酸化亜鉛粉末の平均粒径が1μm以下であり、前記複合酸化物粉末の平均粒径が1.5μm以下である請求項2に記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- ZnOに低原子価チタンを含有させる酸化亜鉛焼結体の製造方法であって、
前記低原子価チタンの酸化物からなる酸化物粉末と第1の酸化亜鉛粉末とを配合し、700〜1100℃の範囲の温度で仮焼成して仮焼粉末を得る仮焼粉末製造工程と、
前記仮焼粉末と第2の酸化亜鉛粉末とを800〜1500℃の範囲の温度で焼成して、低原子価チタンを2モル%超10モル%以下の割合となるように含有する酸化亜鉛焼結体を得る本焼成工程と
を含むことを特徴とする酸化亜鉛焼結体の製造方法。 - 前記第1の酸化亜鉛粉末のBET比表面積が2〜30m2/gである、ことを特徴とする請求項4に記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記酸化物粉末のBET比表面積が2〜100m2/gである、ことを特徴とする請求項4または5に記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記仮焼粉末製造工程における焼成が不活性雰囲気中または還元性雰囲気中で行われる、ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記本焼成工程において、前記本焼成前粉末のBET比表面積が1〜20m2/gである、ことを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記本焼成工程における焼成が不活性雰囲気中または還元性雰囲気中で行われる、ことを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記仮焼粉末製造工程において、前記低原子価チタンの酸化物粉末および第1の酸化亜鉛粉末を配合し、800〜1000℃の範囲の温度で焼成して仮焼粉末を得る、ことを特徴とする請求項4ないし9のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記第2の酸化亜鉛粉末のBET比表面積が2〜30m2/gである、ことを特徴とする請求項4ないし10のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記仮焼粉末製造工程で製造された仮焼粉末を溶媒に混合して第1の混合液を製造する第1混合工程と、 前記第1の混合液に第2の酸化亜鉛粉末を混合し第2の混合液を製造する第2混合工程とを含み、 前記本焼成工程において、前記第2の混合液から生成した粉末を前記本焼成前粉末として成形した成形体を焼成し、酸化亜鉛焼結体を得る、ことを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記第2混合工程において、第2の酸化亜鉛粉末を溶媒に混合してなる混合液に第1の混合液を混合し第2の混合液を製造する、ことを特徴とする請求項12に記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 前記複合酸化物がZn2TiO4からなる、ことを特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の酸化亜鉛焼結体の製造方法。
- 請求項1に記載の酸化亜鉛焼結体からなる、ことを特徴とするスパッタリングターゲット。
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JP2010280990A JP2012126619A (ja) | 2010-12-16 | 2010-12-16 | 酸化亜鉛焼結体およびその製造方法 |
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JP2014194072A (ja) * | 2013-02-26 | 2014-10-09 | Mitsubishi Materials Corp | 酸化ニオブスパッタリングターゲット、その製造方法及び酸化ニオブ膜 |
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2010
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