JP2012124324A - 高耐久絶縁層付き回路基板及びその製造方法 - Google Patents

高耐久絶縁層付き回路基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム基板の上面にアルマイト層を形成した後、配線電極形成を行った場合、配線電極形成のプロセス時に発生する熱等によりアルマイト層の表面にクラック等が発生し、回路基板の絶縁性特性に対して悪影響が生じる。
【解決手段】アルミニウム基板3の上面にシードメタル層4を介して配線電極1を形成した後、所定の配線電極1の幅に対応した時間に応じて陽極酸化処理を行うことにより、配線電極1の下部も含めて、アルミニウム基板3の上層部全域に所定の厚みのアルマイト層を形成した回路基板であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、LED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)などの光学素子及び電子デバイス実装用の回路基板の製造方法に関する。特に、LED素子を実装する高放熱アルミニウム基板に関する。
近年、白色LEDはCCFL(冷陰極管)に代わるテレビのバックライト、さらには蛍光灯に代わる白色LED照明や自動車のヘッドライトなどに加速的に普及されつつある。またLDは光通信用や加工用、読み書きの記録用、さらには様々なセンサなど広い分野で使用されている。その中で光源としてのLED素子、LD素子の実装用基板には、素子の性能を引き出す必要性から放熱性が高いものが要求されている。従来、高放熱回路用基板としてアルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックス、または絶縁(コート)層付き金属アルミニウムなどが使用されている。
さらに、市場が拡大するにつれて、素子実装用回路基板のコスト低減が一層求められ、比較的高価なセラミックスの代替として、特許文献1に示すような、金属基板の表面を陽極酸化(アルマイト)処理して絶縁層を設け、その層上に実装に必要な配線電極等を形成し実装回路基板として使用されてきていることが知られている。また、他の使われ方として、特許文献2に示すような、表面にアルマイト処理による絶縁層が形成されたアルミニウム基板に、発光素子が実装された樹脂基板を実装して、放熱特性を高める方法も知られている。
特開2003−57461号公報 特開2007−129053号公報
しかしながら、金属基板、特にアルミニウム基板の陽極酸化処理によるアルマイト層はアルマイト層形成後、素子実装用回路パターンである配線電極形成プロセス時の熱、特に製膜工程やフォトリソグラフィー時に使用するフォトレジストのベーキング工程で掛かる100℃以上の熱の影響を受け、アルマイト層の表面がひび割れ、アルマイト層を貫通するような深いクラックが発生する問題を常に抱えている。図9はアルミニウム基板をアルマイト処理し、その後、配線電極を形成するという従来の製造方法による基板表面及び断面SEM観察結果を示す図であり、図9(A)は上面SEM写真、図9(B)はその断面SEM写真である。アルミニウム基板103の表面に形成されたアルマイト層102の表面に配線電極101を形成したところ、配線電極101形成時の熱の影響によりクラック108がひび割れ状態で観察された様子を示している。
上記のようなクラック108や微細空孔(図示せず)が発生すると、アルミニウム基板103表面への配線電極材料や導電性異物等の進入により絶縁性が低下するという問題があった。また、配線電極101は一般に積層構造で構成されており、その積層された材料の中には耐酸化性や耐硫化性に劣る材料も含まれる。図10は従来の絶縁層を付した金属回路基板の模式断面図を示したものである。図10(A)は全体図、図10(B)は配線電極101とアルマイト層102との界面近傍を拡大した図である。前記のクラック108がある場合、そこに隣接する積層された配線電極101の側面101aは、酸化や硫化などの侵攻性劣化が促進され易くなり、配線電極101の剥離や抵抗値が増加するなどの信頼性に関わる品質低下の原因になっていた。さらには、クラック108の発生有無確認のための外観確認検査工程や絶縁性確認工程が必要で製造コストの増大などの問題ともなっていた。
そこで本発明は、上記クラック発生の問題及び配線電極側面の劣化問題についての新たな回避手段を用いた高放熱基板を提供することを目的とする。また、そのような回避手段を有する基板、さらには当該基板を用いた種々の発光または受光素子及び電子デバイスを実装可能な高放熱基板を安価に製作可能な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、導体基板の上面に絶縁層を有し、その絶縁層の上面の一部にシードメタル層を介して配線電極を形成した回路基板において、この配線電極の下部に対向した部分の絶縁層の膜厚は、配線電極が上部にない部分の絶縁層の膜厚よりも薄いことを特徴とする。好ましくは、導体基板はアルミニウム基板であり、絶縁層はアルマイト層であることを特徴とする。
また、アルマイト層の膜厚が40μm以上70μm未満の場合は、配線電極の配線幅は,5μm以上80μm未満であり、アルマイト層の膜厚が70μm以上90μm以下の場合は、配線電極の配線幅は、5μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。
さらに、配線電極の下部に対向したアルマイト層の膜厚は、配線電極が上部にない部分のアルマイト層の膜厚よりも10〜50%薄いことを特徴とする。
次に、この回路基板の製造方法は、導体基板の上面に堆積法によりシードメタル層を形成し、堆積法とマスクプロセスにより配線電極を形成し、その後、配線電極の下部に対向した部分も含めて導体基板の上層部全域に陽極酸化処理により絶縁層を形成することを特徴とする。
また、アルミニウム基板の上面にPVD法によりシードメタル層を形成し、シードメタル層の上面に配線電極用のマスクとなるフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜が形成されていないシードメタル層の上面にめっき法により配線電極膜を形成し、次に、配線電極を残してフォトレジスト膜を除去し、配線電極が上部に形成されていない部分のシードメタル層を配線電極をマスクとしてエッチングにより除去する工程とを順次行い、その後、アルミニウム基板の上層部全域に陽極酸化処理によりアルマイト層を形成することを特徴とする。
さらに、アルミニウム基板の上層部全域に陽極酸化処理によりアルマイト層を形成した後、アルマイト層を常温にて封孔処理する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、製造工程上の加工熱等により導体基板上面の絶縁層に発生するクラック等の問題及び配線電極側面の劣化問題について、新たな回避手段を提供することができる。なお、導体基板にアルミニウム基板を使用したときは、高い放熱特性と高い反射特性を同時に得られるという効果を奏する。さらに、この配線電極の下部に対向した部分の絶縁層の膜厚が、配線電極が上部にない部分の絶縁層の膜厚よりも薄いため、配線電極上に実装された発光または受光素子及び電子デバイスから発生する熱を導体基板へ逃がす効果も期待できる。また、この効果を実現するための理想的な配線電極の配線幅と絶縁層との膜厚の関係を見出すことができた。
本発明の実施形態に係る回路基板の模式断面図である。 本発明の実施例による回路基板の製造方法の主要な工程を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るアルマイト処理方法を説明した図である。 本発明の実施形態に係るアルマイト層生成メカニズムを説明した図である。 本発明の実施例に係るアルマイト処理後の断面SEM観察の結果を示す図である。 本発明の実施例に係るテスト配線電極の模式図及び実際の外観図である。 本発明の実施例に係るアルマイト処理後の断面SEM観察による比較図である。 本発明の実施例に係るアルマイト厚みと配線電極幅の関係を示す一例の図である。 従来のアルマイト処理後の表面及び断面SEM観察結果を示す図である。 従来の回路基板の模式断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略した。図1は、本発明の実施形態に係る回路基板の模式断面図である。アルミニウム基板3の上にシードメタル層4を介して配線電極1を形成した後、陽極酸化処理によりアルマイト層2が形成された状態を示している。
図2は、図1の実施形態における回路基板の主要な製造工程を示す図である。本実施例では回路基板の材料にアルミニウムを用いる場合を示す。図2(A)は無垢のアルミニウム基板3を準備する工程である。例えば、材質記号A5052のアルミニウム基板3を製膜可能な表面状態に洗浄等で清浄化する工程である。
図2(B)はアルミニウム基板3の上面にシードメタル層4を形成する工程である。シードメタル層4はアルミニウム基板3と配線電極1との密着性を良好にすること、及び電解めっきの際の通電用電極とすることを目的として形成する。シードメタル層4はスパッタリングにより形成する。例えば、シードメタル層4の第1層にTiW0.1μm、第2層にCu0.3μmをそれぞれ全面に積層堆積させる。なお、シードメタル層4の形成方法は、PVD法に限定したものではなく、CVD法、めっき法、塗布法なども適用可能である。またシードメタル層4の第1層目の堆積材料として、他にTi、Cr、NiCr、Niなどを適用してもよい。第2層目の堆積材料として、Au、Pt、Ni、Pd、Ag、Alなども適用可能である。
図2(C)は同図(B)で形成したシードメタル層4上にフォトレジスト膜5を用いて配線電極1形成用のマスクを施す工程である。フォトレジスト膜5はフォトリソグラフィー等により、例えば幅50μmの配線電極1を電着タイプのフォトレジスト膜5で形成する。図2(D)は電解めっきによる配線電極1の形成工程を示す図である。例えば、Cuを5μm、Niを1〜2μm、Auを1μm積層させ配線電極1を形成する。電解めっきの電気接点は、前記シードメタル層4を利用して行う。(図3参照)
図2(E)は配線電極1を残してフォトレジスト膜5を除去する工程を示した図である。フォトレジスト膜5をアルカリ水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液に浸し、場合によっては超音波を併用して除去した後、スピンナーにより乾燥洗浄させ、120℃のオーブンに入れてハードベーキングを行う。図2(F)は配線電極1の下部に形成されたシードメタル層4を残してその他のシードメタル層4を除去する工程を示した図である。例えば前記シードメタル層4の材料であるCuとTiWを、Cuは硫酸とリン酸の混合液、TiWは過酸化水素水を用いてウェットエッチングにてシードメタル層4を除去することにより、アルミニウム基板3の上面に、シードメタル層4を介してTiW/Cu/Cu/Ni/Auという積層構成の配線電極1が形成される。
図2(G)は配線電極1が形成されたアルミニウム基板3を陽極酸化処理する工程を示した図である。また図3は前記陽極酸化処理方法を模式的に表した図である。例えば、陽極酸化処理は、アルミニウム基板3をアルカリ脱脂、中和した後、図3に示すようにプラス電極側をアルミニウム基板3(シードメタル層4)との接点とし、マイナス電極側の接点には例えば、カーボン板7を使用し、定電流(例えば、2.5A/dm2の電流密度)で狙いのアルマイト層4の膜厚となる時間(例えば、アルマイト層40μm狙いで48分)だけアルマイト浴6(例えば硫酸浴)に浸漬し、指定時間浸漬後、封孔処理、という順で実施する。図2(H)は陽極酸化処理によりアルマイト層2が形成され完成した本発明の実施形態に係る回路基板の模式断面図である。
図3は陽極酸化処理方法の構成を簡単に示すものでありアルマイト浴6は例えば弱酸の硫酸であり、陽極(+)が接続されたシードメタル層4を介して配線電極1が形成されたアルミニウム基板3を用意し、陰極(−)にはカーボン板7を用いて電気分解を行う。陰極のカーボン板7で発生した水素(H)は、陽極であるアルミニウム基板3の表面に向かい、アルミニウム基板3の表面には、電解によってアルミナ(Al2O3)が析出生成される。
図4は図2(G)で示した陽極酸化の原理を模式的に示した図である。前記のアルミナ(Al2O3)析出生成過程の初期段階では、図4(A)に示すようにアルミニウム基板3の表面に、アルマイト層2の発達を示す腐食点2’が現れる。生成される腐食点2’は図4(B)に示すように徐々にアルミニウム基板3の表面一帯を覆ってポーラス皮膜となり、外側から内側へと発達していく。生成されたアルマイト層2は、皮膜が厚くなるにつれて、図4(C)のように深さ方向に寸法が増加し、このポーラス皮膜の約半分が内部に、そして半分が外部へと成長していく。つまり、アルミニウム基板3の陽極酸化の場合、アルマイト層2の形成方向は、アルミニウム基板3の深さ方向のみでなく、基板横方向や上方向へも成長することになる。
以上、図2(A)〜図2(H)に示す製造工程及び上記で説明した陽極酸化処理により、アルミニウム基板3の上に配線電極1を形成した後、この配線電極1の下部を含めてアルミニウム基板3の上層部に絶縁層であるアルマイト層2を形成することにより、絶縁層が熱影響により劣化することのない高耐久絶縁層を有する回路基板を製造することが可能となる。
なお、本発明に係る導体の回路基板は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態ではアルミニウム基板を用いたが、銅、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛などの各基板にも適用可能である。さらに、配線電極材料や積層構成も前記に限定されるものではなく、導体回路基板に実装するLEDなどの発光素子または受光素子の仕様や前記導体回路基板を組み込むパッケージ仕様、さらにはそのパッケージを使用するモジュール仕様などによって適宜設定し得るものである。
本発明に係る導体の回路基板1に関し、アルマイト層2の膜厚40μm狙いで陽極酸化処理し、配線電極1が形成されたアルミニウム基板3の断面SEM観察を行った結果について説明する。図5は、本発明の回路基板1の実施例1に係る構造確認結果を示す図である。実施例1では、材質記号A5052でサイズが100mm×100mm×t2.5mmのアルミニウム基板3を使用した場合である。図6は、本発明の回路基板1の実施例1に係る構造確認を行うためにテスト配線電極図を示している。図6(A)はテスト配線電極の表面模式図を示し、図6(B)は実際のテスト配線電極の外観図を示している。
まず、シードメタル層4にTiW/Cuを無加熱のDCマグネトロンロードロック式スパッタ装置を使用して、膜厚0.1/0.3μmでスパッタし積層堆積した。次に、図6(A)に示すように配線電極1の幅を5μm〜100μmまで5μm間隔で変更したテスト配線電極を電着タイプのフォトレジスト膜5(図示せず)により形成した。次に、電解めっきにより、Cu/Ni/Pd/Auを各層の設計膜厚10/3.0/0.1/0.3μmとして合計13.4μmの狙いで時間制御によりめっき処理を行った。次に、電着タイプのフォトレジスト膜5の除去、続いてテスト配線電極1の下部以外のシードメタル層4をリン酸と硫酸を主成分とする銅選択エッチング液CSSでCuを、過酸化水素水が主成分の液でTiWをウェットエッチングにより除去し、図6(B)に示すようなTiw/Cu/Cu/Ni/Pd/Au積層構造のテスト配線電極1を形成した。
次に、テスト配線電極1が形成されたアルミニウム基板3をアルカリ脱脂、中和後、アルマイト浴6中にて陽極酸化処理を実施した。陽極酸化条件は、アルマイト浴の電解液に硫酸浴を使用し、電流密度を2.5A/dm2に設定し、アルマイト層厚み40μm狙いでは電解処理時間を48分、70μm狙いでは同時間を84分、90μm狙いでは同時間を100分、100μm狙いでは同時間を120分とし、4水準の厚みのアルマイト層2付きテスト配線電極1のサンプル基板を作製した。
図5はテスト配線電極1の幅が50μm、アルマイト層2の膜厚が40μm狙いの場合の断面SEM像である。テスト配線電極1の下部以外のアルマイト層2の膜厚は狙い通りの40μmで形成されている。テスト配線電極1の下部のアルマイト層2の膜厚はおよそ25μmの厚みで形成されている。さらにアルマイト生成メカニズム通り、アルマイト層2は内部のみでなく外側へも成長していることが、配線電極1の下部に対向したアルマイト層2界面の位置が配線電極1のないアルマイト層2表面の位置より若干盛り下がっていることから確認できた。これにより配線電極1形成後の陽極酸化処理によるアルマイト層2形成でも配線電極1の下部まで絶縁層形成が実現できた。
図7は実施例1に係る各膜厚のアルマイト処理後の断面SEM観察による比較図である。図7(A)はアルマイト層2の膜厚40μm狙い、図7(B)は膜厚70μm、図7(C)は膜厚100μm狙いの場合の断面SEM観察結果である。配線電極1の幅はどれも膜厚50μmの場合の結果である。アルマイト層2の膜厚70μmまではクラックの発生も見られず形成できているが、アルマイト層2が膜厚100μmになると僅かであるが表面に微細なクラック8が確認された。これは熱の影響によるものではなく、アルミニウムがアルミナに変化する過程で生じた応力によるものと考えられる。
表1に配線電極1の幅である配線幅とアルマイト層2の膜厚の関係を調べた実験結果を示す。表1の結果より、配線幅が5μm以上80μm以下ではアルマイト層2の膜厚が40μmで十分に配線電極1の下部までアルマイト層2が形成されていることが確認できた。配線幅が100μmになるとアルマイト層2の膜厚40μmでは配線電極1の下部全域にはアルマイト層2が形成されず、アルマイト層2の膜厚を70μm以上に設定することで配線幅100μmでも配線電極1の下部までアルマイト層2が形成できることが確認できた。しかしアルマイト層2の狙い厚みが100μmになると、配線電極1の下部へのアルマイト層2の形成は可能であるものの、応力による微小なクラックが発生することが確認された。尚、実験は行っていないが、配線幅5μmの場合、アルマイト層の狙い厚み(狙いアルマイト厚み)が40μm以上についてはアルマイト層の膜厚によらずに全て配線電極1の下部へのアルマイト層2の形成が可能であることは他の実験結果から容易に推測できる。
表2に配線電極1以外のアルマイト層2の厚みと配線電極1下部のアルマイト層2の厚みの関係を調べた実験結果を示す。この結果より、配線電極1の下部のアルマイト層2の膜厚は、狙いのアルマイト厚みより薄くなる傾向が確認され、その割合は配線幅が大きくなるに従い増加することが分かった。具体的には、狙いアルマイト厚みが40μmでは配線幅が5μmの時は狙いアルマイト厚みのおよそ1割強、配線幅が80μmの場合は5割程度薄くなることが確認できた。狙いアルマイト厚みが40μm以外の場合でも2割程度から5割程度薄くなることが確認された。絶縁膜においては絶縁特性を維持しつつ、極力薄く形成されている方が、配線電極上に実装された発光または受光素子及び電子デバイスから発生する熱を導体基板へ逃がす効果が促進されることになる。
図8は実施例1に係る各アルマイト層2の膜厚(狙いアルイマイト厚み)と配線電極1幅(配線電極幅1′)の関係を示す一例である。この場合狙いアルマイト厚みが40μmであり、図8(A)は配線幅が25μm、図8(B)は同幅50μm、図8(C)は同幅80μmのときの断面観察結果を示す。この結果から配線幅80μmまでは十分に配線電極1の下部にもアルマイト層2が形成されることを示している。
一般にLED素子実装用の回路基板の配線電極幅は100μm程度またはそれ以下の場合が多く、アルマイト層の膜厚も絶縁特性を考慮して40μm程度であるため、本実施例はLED素子実装用の回路基板への応用性が高く、最適な回路基板を提供することが可能となった。
1 配線電極
1′ 配線電極幅
2 アルマイト層
2′ 腐食点
3 アルミニウム基板
4 シードメタル層
5 フォトレジスト膜
6 アルマイト浴
7 カーボン板
8 クラック

Claims (7)

  1. 導体基板の上面に絶縁層を有し、該絶縁層の上面の一部にシードメタル層を介して配線電極を形成した回路基板において、前記配線電極の下部に対向したの前記絶縁層の膜厚は、前記配線電極が上部にない部分の前記絶縁層の膜厚よりも薄いことを特徴とする絶縁層付き回路基板。
  2. 前記回路基板はアルミニウム基板であり、前記絶縁層はアルマイト層であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁層付き回路基板。
  3. 前記アルマイト層の膜厚が40μm以上70μm未満の場合、前記配線電極の配線幅は、5μm以上80μm未満であり、前記アルマイト層の膜厚が70μm以上90μm以下の場合は、前記配線電極の配線幅は5μm以上100μm以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の絶縁層付き回路基板。
  4. 前記配線電極の下部に対向したアルマイト層の膜厚は、前記配線電極のない部分のアルマイト層の膜厚よりも10〜50%薄いことを特徴とする請求項2、3に記載の絶縁層付き回路基板。
  5. 導体基板の上面に堆積法によりシードメタル層を形成し、次に、堆積法とマスクプロセスにより配線電極を形成し、その後、前記配線電極の下部に対向した部分も含めて前記導体基板の上層部全域に陽極酸化処理により絶縁層を形成する工程とを有することを特徴とした絶縁層付き回路基板の製造方法。
  6. アルミニウム基板の上面にPVD法により前記シードメタル層を形成し、前記シードメタル層の上面に前記配線電極用のマスクとなるフォトレジスト膜を形成し、前記フォトレジスト膜が形成されていない前記シードメタル層の上面にめっき法により配線電極膜を形成し、前記配線電極を除いてフォトレジスト膜を除去し、前記配線電極が上部に形成されていない部分のシードメタル層を、前記配線電極をマスクとしてエッチングで除去する工程とを順次行い、その後、前記アルミニウム基板の上層部全域に陽極酸化処理によりアルマイト層を形成することを特徴とする請求項5に記載の絶縁層付き回路基板の製造方法。
  7. 前記アルミニウム基板の上層部全域に陽極酸化処理によりアルマイト層を形成した後、該アルマイト層を常温にて封孔処理する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の絶縁層付き回路基板の製造方法。
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