JP2012124221A - トランジスタ素子及びトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents

トランジスタ素子及びトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】GaAs基板からHBT構造層に伝搬する転位を抑制したトランジスタ素子及びトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法を提供する。
【解決手段】GaAs基板2上に高電子移動度トランジスタ構造層3が形成され、高電子移動度トランジスタ構造層3上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層4が形成されたトランジスタ素子において、GaAs基板2の転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下であり、高電子移動度トランジスタ構造層3とヘテロバイポーラトランジスタ構造層4との間に、InGaPからなるエッチングストッパ層12と、エッチングストッパ層12上に設けられたGaAsからなる安定化層21と、を設けたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、GaAs基板上に高電子移動度トランジスタ構造層が形成され、該高電子移動度トランジスタ構造層上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層が形成されたトランジスタ素子及びトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法に関するものである。
通信端末機器用のパワー増幅器等では、化合物半導体を用いて形成されるヘテロバイポーラトランジスタ(Hetero Bipolar Transistor;以下、HBTという)や高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor;以下、HEMTという)が用いられている。
まず、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)について説明する。
HBTの動作は、基本的には通常のバイポーラトランジスタ(Bipolar Junction Transistor;以下、BJTという)と同様である。npn型BJTでは、エミッタからコレクタに向かって流れる電子量をベース電流(ホール電流)により制御することで、トランジスタとしての動作をさせている。すなわち、ホール電流を増やすことにより、コレクタ電流が増大する。しかし、ホール電流をさらに増やすと、ベースからエミッタに向かってホールが漏れだし、トランジスタの電流増幅率が低下する。
これに対し、エミッタにバンドギャップの大きな半導体材料を用いて構成されるnpn型HBTでは、ベース・エミッタ界面に障壁ができ、ホールがエミッタに漏れるのを抑えることができる。これによりHBTでは、電流増幅率を低下させずにコレクタ電流を大きくできる利点を有する。
HBTの代表的な構造を図2に示す。図2に示すように、HBT31は、半絶縁性GaAs基板32上に、サブコレクタ層33となるn型GaAs層、コレクタ層34となるn型GaAs層、ベース層35となるp型GaAs層、エミッタ層36となるn型InxGa1-xP層(x=0.48)、エミッタコンタクト層37となるn型GaAs層、グレーデッド・ノンアロイ層38となるn型InxGa1-xAs層(x=0→0.5)、均一組成ノンアロイ層39となるn型InxGa1-xAs層(x=0.5)、を順に積層したものである。
次に、高電子移動度トランジスタ(HEMT)について説明する。
HEMTは、InGaAs層をチャネル層とし、チャネル層の両側又は片側に電子供給層を有する。ヘテロ接合HEMTは、電子が高速移動する利点を活かして高速動作が可能なだけでなく、マイクロ波帯等の超高周波帯における高出力かつ高効率動作が可能である。
HEMTの代表的な構造を図3に示す。図3に示すように、HEMT41は、半絶縁性GaAs基板42上に、バッファ層43となるアンドープGaAs層、電子供給層44となるn型AlxGa1-xAs層、スペーサ層45となるアンドープAlxGa1-xAs層、チャネル層46となるアンドープInxGa1-xAs層、スペーサ層47となるアンドープAlxGa1-xAs層、電子供給層48となるn型AlxGa1-xAs層、キャップ層49となるn型GaAs層、を順に積層したものである。
なお、図2において、キャリア濃度を示す表記として、n+、n、n-が使用されているが、これらはキャリア濃度の一例を示すものであり、+が付いたものは高キャリア濃度で1018以上、無印が1017台、−が付いたものは低キャリア濃度で1014以上1017未満を表す。また、図2,3におけるn−はn型、p−はp型、un−はアンドープであることを意味する。
これらトランジスタは、主に携帯端末の送受信用パワー増幅器に用いられてきたが、近年、音声やテキストデータだけでなく、動画像などの大容量かつ多様な情報を高速で送受信する必要がでてきた。このため、携帯端末の中で最も電力消費が大きい部品である送受信用パワー増幅器にも高性能化が求められ、低電圧で動作し、かつ消費電力を少なくすることが要求されている。これらの要求は、パワー増幅器の効率を上げることにより対応できるが、一般に、増幅器を高効率で動作させた場合には、出力信号の歪が大きくなるという問題がある。出力信号の歪が大きくなると、歪により隣接する通信チャネルへ電波が漏れ出して信号同士が干渉し、送信データが異なった値となってしまう問題が生じる。
そこで、電流駆動能力の高いHBTと、低消費電力かつ高周波雑音特性のよいHEMTを1つのパワー増幅器モジュールに複数用いることで、出力信号の歪みを抑えると共に消費電力の低減を図り、高い振幅を持つ出力信号が得られるパワー増幅器モジュールとすることが行われている。例えば、図4に示すパワー増幅器モジュール51では、入力信号を駆動用HBT52により増幅し、その増幅信号を後段の出力用HEMT53でさらに増幅して、出力信号とするように構成されている。
しかしながら、図4のパワー増幅器モジュール51のようにHBT52とHEMT53とを配線で接続した場合、配線によるRC遅延、素子の発熱が問題となってしまう。
そこで、この配線をなくし、基板上にエピタキシャル成長によりHEMT構造層を設け、HEMT構造層の上にさらにHBT構造層を設けた2段トランジスタ構造(BI−FET構造)のトランジスタ素子が用いられるようになっている(例えば特許文献1,2参照)。
図5に示すように、BI−FET構造のトランジスタ素子61は、GaAs基板2上にエピタキシャル成長によりHEMT構造層3を設け、HEMT構造層3の上にHBT構造層4を設けた構造となっている。すなわち、トランジスタ素子61は、半絶縁性GaAs基板2上に、バッファ層5となるアンドープAlxGa1-xAs層、電子供給層6となるn型AlxGa1-xAs層、スペーサ層7となるアンドープAlxGa1-xAs層、チャネル層8となるアンドープInxGa1-xAs層、スペーサ層9となるアンドープAlxGa1-xAs層、電子供給層10となるn型AlxGa1-xAs層、ショットキー層11となるアンドープGaAs層、エッチングストッパ層12となるn型InxGa1-xP層、サブコレクタ層13となるn型GaAs層、コレクタ層14となるn型GaAs層、ベース層15となるp型GaAs層、エミッタ層16となるn型InxGa1-xP層、バラスト層17となるn型GaAs層、ノンアロイ層18となるn型InxGa1-xAs層、を順に積層したものである。ノンアロイ層18は、グレーデッド・ノンアロイ層19となるn型InxGa1-xAs層と、均一組成ノンアロイ層20となるn型InxGa1-xAs層とからなる。
特開2006−228784号公報 特開2009−194379号公報
ところで、半絶縁性GaAs基板2の製造方法として、液体封止引き上げ法(LEC法)や、縦型融液法(垂直ブリッジマン法(VB法)、垂直温度勾配凝固法(VGF法))が一般的に知られている。
本発明者は、LEC法により製造したGaAs基板2(以下、LEC基板という)と、VGF法により製造したGaAs基板2(以下、VGF基板という)を用いて、図5のトランジスタ素子61をそれぞれ作製し、その特性を測定した。
具体的には、φ6インチ(約15.24cm)のGaAs基板(LEC基板、VGF基板)2上に、フェイスダウンMOVPE法(有機金属気相成長法)を用いたエピタキシャル結晶成長法により、バッファ層5となるアンドープAlxGa1-xAs層(x=0.28)を500nm、電子供給層6となるn型AlxGa1-xAs層(x=0.3)を30nm、スペーサ層7となるアンドープAlxGa1-xAs層(x=0.3)を10nm、チャネル層8となるアンドープInxGa1-xAs層(x=0.18)を15nm、スペーサ層9となるアンドープAlxGa1-xAs層(x=0.3)を10nm、電子供給層10となるn型AlxGa1-xAs層(x=0.3)を30nm、ショットキー層11となるアンドープGaAs層を30nm、エッチングストッパ層12となるn型InxGa1-xP層(x=0.48)を10nm、サブコレクタ層13となるn型GaAs層を500nm、コレクタ層14となるn型GaAs層を700nm、ベース層15となるp型GaAs層を120nm、エミッタ層16となるn型InxGa1-xP層(x=0.48)を40nm、バラスト層17となるn型GaAs層を100nm、グレーデッド・ノンアロイ層19となるn型InxGa1-xAs層(x=0→0.5)を50nm、均一組成ノンアロイ層20となるn型InxGa1-xAs層(x=0.5)を50nm、を順に積層させてトランジスタ素子61をそれぞれ作製した。作製した両トランジスタ素子61の特性を表1に示す。
Figure 2012124221
表1に示すように、LEC基板を使用したトランジスタ素子61は、VGF基板を使用したトランジスタ素子61に比べ、ベース抵抗がほぼ等しいのに対して、電流利得(電流密度1kA/cm2)が10程度低くなっていることが分かる。
このように、LEC基板を用いた場合には、VGF基板を用いた場合と比較して、電流利得が低下してしまうという問題がある。これは、LEC法では、急峻な温度勾配のもとで結晶成長が行われるために、LEC基板の方がVGF基板よりも転位密度(EPD:Etch Pit Density)が高くなり、GaAs基板2の転位がHBT構造層4に伝搬したためだと考えられる。なお、転位密度とは、単位体積あたりに含まれる転位(線状の格子欠陥)の長さの総和、あるいは、ある任意の断面の単位面積と交わる転位の数である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、GaAs基板からHBT構造層に伝搬する転位を抑制したトランジスタ素子及びトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、GaAs基板上に高電子移動度トランジスタ構造層が形成され、該高電子移動度トランジスタ構造層上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層が形成されたトランジスタ素子において、前記GaAs基板の転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下であり、前記高電子移動度トランジスタ構造層と前記ヘテロバイポーラトランジスタ構造層との間に、InGaPからなるエッチングストッパ層と、該エッチングストッパ層上に設けられたGaAsからなる安定化層と、を設けたトランジスタ素子である。
前記GaAs基板と前記高電子移動度トランジスタ構造層との間に、厚さ0.4μm以上0.8μm以下、かつ炭素濃度1.0×1016cm-3以上5.0×1017cm-3以下のバッファ層が設けられ、前記エッチングストッパ層は、5nm以上20nm以下の厚さに形成され、前記安定化層は、10nm以上30nm以下の厚さに形成されてもよい。
また、本発明は、GaAs基板上に高電子移動度トランジスタ構造層を形成し、該高電子移動度トランジスタ構造層上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層を形成するトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法において、液体封止引き上げ法により製造した転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下の前記GaAs基板を用い、該GaAs基板上に、順次、前記高電子移動度トランジスタ構造層、InGaPからなるエッチングストッパ層、GaAsからなる安定化層、前記ヘテロバイポーラトランジスタ構造層を気相成長法により形成する工程を有し、前記安定化層を、400℃以上600℃以下の成長温度で形成するトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法である。
前記高電子移動度トランジスタ構造層を、成長温度600℃以上750℃以下、V/III比150以下の条件で成長し、前記エッチングストッパ層と前記バイポーラトランジスタ構造層を、成長温度400℃以上600℃以下、V/III比75以下の条件で成長するとよい。
本発明によれば、GaAs基板からHBT構造層に伝搬する転位を抑制したトランジスタ素子及びトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係るトランジスタ素子の積層構造図である。 HBTの積層構造図である。 HEMTの積層構造図である。 従来のパワー増幅器モジュールの回路図である。 従来のトランジスタ素子の積層構造図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係るトランジスタ素子の積層構造図である。
図1に示すように、トランジスタ素子1は、GaAs基板2上に高電子移動度トランジスタ構造層(以下、HEMT構造層という)3が形成され、HEMT構造層3上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層(以下、HBT構造層という)4が形成された構造(BI−FET構造)となっている。
GaAs基板2としては、LEC法により製造した転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下のもの(LEC基板)を用いる。転位密度が100,000/cm2を超えると、GaAs基板2からHBT構造層4に伝搬する転位を抑制することが困難となる。また、転位密度が10,000/cm2より小さければ、そもそもGaAs基板2からHBT構造層4へ転位が殆ど伝搬しないので、本発明のような対策を行う必要はない。
GaAs基板2とHEMT構造層3との間には、バッファ層5となるアンドープAlxGa1-xAs層(x=0.28)が設けられる。バッファ層5は、厚さが0.4μm以上0.8μm以下、炭素濃度が1.0×1016cm-3以上5.0×1017cm-3以下とされる。本実施の形態では、バッファ層5の厚さを0.5μm(500nm)とした。GaAs基板2とバッファ層5との間に、図示しない下部バッファ層(AlxGa1-xAs(x=0→0.28))を設けてもよい。
バッファ層5上には、電子供給層6となるn型AlxGa1-xAs層(x=0.3)を30nm、スペーサ層7となるアンドープAlxGa1-xAs層(x=0.3)を10nm、チャネル層8となるInxGa1-xAs層(x=0.18)を15nm、スペーサ層9となるアンドープAlxGa1-xAs層(x=0.3)を10nm、電子供給層10となるn型AlxGa1-xAs層(x=0.3)を30nm、ショットキー層11となるアンドープGaAs層を30nm、順に積層することにより、HEMT構造層3が形成される。
HEMT構造層3の電子供給層6,10は、Siのδドープ層としてもよい。δドープ層とは局所的にドーパント(ここではSi)が高濃度に含まれた領域であり、図1に示すような縮尺の層としては存在しない。なお、図1では、便宜上各層の縮尺を変更し、トランジスタ素子1の構造を概略的に示している。
本実施の形態に係るトランジスタ素子1では、HEMT構造層3上(HEMT構造層3とHBT構造層4との間)には、エピタキシャル成長により、InGaPからなるエッチングストッパ層12と、エッチングストッパ層12上に設けられたGaAsからなる安定化層21とが設けられる。
エッチングストッパ層12は、5nm以上20nm以下の厚さに形成され、安定化層21は、10nm以上30nm以下の厚さに形成される。本実施の形態では、HEMT構造層3上に、エッチングストッパ層12となるn型InxGa1-xP層(x=0.48)を10nm、安定化層21となるn型GaAs層を10nm順に積層する。
安定化層21上には、エピタキシャル成長により、サブコレクタ層13となるn型GaAs層を500nm、コレクタ層14となるn型GaAs層を700nm、ベース層15となるp型GaAs層を120nm、エミッタ層16となるn型InxGa1-xP層(x=0.48)を40nm、バラスト層17となるn型GaAs層を100nm、を順に積層し、さらにバラスト層17上に、ノンアロイ層18としてグレーデッド・ノンアロイ層19となるn型InxGa1-xAs層(x=0→0.5)を50nm、均一組成ノンアロイ層20となるn型InxGa1-xAs層(x=0.5)を50nm順に積層して、HBT構造層4を形成する。なお、グレーデッド・ノンアロイ層19は、成長方向でIn組成を変化させた層であり、ここでは、バラスト層17から離れるにしたがってIn組成が0から0.5に徐々に変化するようにした。
次に、本実施の形態に係るトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法を説明する。
本実施の形態に係るトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法では、エピタキシャル層の成長面を鉛直方向下方に向けてエピタキシャル成長を行うフェイスダウンMOVPE法により、GaAs基板2上に各エピタキシャル層を成長させる。
まず、GaAs基板2上にバッファ層5、HEMT構造層3を順に積層する。本実施の形態では、バッファ層5とHEMT構造層3を、成長温度600℃以上750℃以下、V/III比150以下の条件で成長する。なお、本明細書において、成長温度とは、成長時のGaAs基板2の基板温度を意味する。
その後、HEMT構造層3上に、成長温度400℃以上600℃以下の条件で、エッチングストッパ層12と安定化層21を順に積層する。エッチングストッパ層12を積層する際のV/III比は75以下とする。
その後、安定化層21上にHBT構造層4を積層する。本実施の形態では、HBT構造層4を、成長温度400℃以上600℃以下、V/III比75以下の条件で成長する。
以上により、トランジスタ用エピタキシャルウェハが得られる。得られたトランジスタ用エピタキシャルウェハを素子化することにより、図1のトランジスタ素子1が得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係るトランジスタ素子1では、LEC法により製造した転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下のGaAs基板2を用い、HEMT構造層3とHBT構造層4との間に、InGaPからなるエッチングストッパ層12と、エッチングストッパ層12上に設けられたGaAsからなる安定化層21と、を設けている。
HEMT構造層3とHBT構造層4の間に、エッチングストッパ層12及び安定化層21を基板温度(成長温度)400〜600℃で成長することにより、GaAs基板2からHBT構造層4に伝搬する転位を抑制することが可能となる。その結果、10,000/cm2〜100,000/cm2と比較的転位密度の大きい基板(例えばLEC基板)を用いた場合でも、10,000/cm2未満と転位の少ない基板(例えばVB法やVGF法により製造したGaAs基板)を用いた場合と同等の良好な特性のトランジスタ素子1を実現できる。具体的には、本実施の形態では、ベース抵抗270.7Ω/sqで電流利得129.9(電流密度1kA/cm2)と増幅するトランジスタ素子1が実現できた。
安定化層21を形成しない従来のトランジスタ素子(図5参照)のベース抵抗と電流利得の特性と、本発明のトランジスタ素子1のベース抵抗と電流利得の特性を併せて表2に示す。表2における従来例1は、VGF法により製造したGaAs基板(VGF基板)を用い、従来例2は、本発明のトランジスタ素子1と同様のLEC法により製造したGaAs基板(LEC基板)を用いたものである。なお、これら従来例1,2のトランジスタ素子は、表1で説明したものと同じものである。
Figure 2012124221
表2に示すように、本発明によれば、LEC基板を用いた従来例2よりも電流利得が高くなっており、VGF基板を用いた従来例1と同等のベース抵抗と電流利得の特性が得られることが分かる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、MOVPE法により各エピタキシャル層を成長する場合を説明したが、これに限らず、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)により各エピタキシャル層を成長するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、GaAs基板2としてLEC法により製造したものを用いる場合を説明したが、これに限らず、本発明は、転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下のGaAs基板2であれば、GaAs基板2の製造方法によらず好適に適用可能である。
1 トランジスタ素子
2 GaAs基板
3 HEMT構造層(高電子移動度トランジスタ構造層)
4 HBT構造層(ヘテロバイポーラトランジスタ構造層)
5 バッファ層
6,10 電子供給層
7,9 スペーサ層
8 チャネル層
11 ショットキー層
12 エッチングストッパ層
13 サブコレクタ層
14 コレクタ層
15 ベース層
16 エミッタ層
17 バラスト層
18 ノンアロイ層
19 グレーデッド・ノンアロイ層
20 均一組成ノンアロイ層
21 安定化層

Claims (4)

  1. GaAs基板上に高電子移動度トランジスタ構造層が形成され、該高電子移動度トランジスタ構造層上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層が形成されたトランジスタ素子において、
    前記GaAs基板の転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下であり、
    前記高電子移動度トランジスタ構造層と前記ヘテロバイポーラトランジスタ構造層との間に、InGaPからなるエッチングストッパ層と、該エッチングストッパ層上に設けられたGaAsからなる安定化層と、を設けた
    ことを特徴とするトランジスタ素子。
  2. 前記GaAs基板と前記高電子移動度トランジスタ構造層との間に、厚さ0.4μm以上0.8μm以下、かつ炭素濃度1.0×1016cm-3以上5.0×1017cm-3以下のバッファ層が設けられ、
    前記エッチングストッパ層は、5nm以上20nm以下の厚さに形成され、
    前記安定化層は、10nm以上30nm以下の厚さに形成される
    請求項1記載のトランジスタ素子。
  3. GaAs基板上に高電子移動度トランジスタ構造層を形成し、該高電子移動度トランジスタ構造層上にヘテロバイポーラトランジスタ構造層を形成するトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法において、
    液体封止引き上げ法により製造した転位密度が10,000/cm2以上100,000/cm2以下の前記GaAs基板を用い、
    該GaAs基板上に、順次、前記高電子移動度トランジスタ構造層、InGaPからなるエッチングストッパ層、GaAsからなる安定化層、前記ヘテロバイポーラトランジスタ構造層を気相成長法により形成する工程を有し、
    前記安定化層を、400℃以上600℃以下の成長温度で形成する
    ことを特徴とするトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法。
  4. 前記高電子移動度トランジスタ構造層を、成長温度600℃以上750℃以下、V/III比150以下の条件で成長し、
    前記エッチングストッパ層と前記バイポーラトランジスタ構造層を、成長温度400℃以上600℃以下、V/III比75以下の条件で成長する
    請求項3記載のトランジスタ用エピタキシャルウェハの製造方法。
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