JP2012122590A - 油圧ユニット - Google Patents

油圧ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2012122590A
JP2012122590A JP2010275915A JP2010275915A JP2012122590A JP 2012122590 A JP2012122590 A JP 2012122590A JP 2010275915 A JP2010275915 A JP 2010275915A JP 2010275915 A JP2010275915 A JP 2010275915A JP 2012122590 A JP2012122590 A JP 2012122590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
hydraulic pump
temperature
tank
electric motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010275915A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Nakada
哲雄 仲田
Atsushi Suhara
淳 須原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2010275915A priority Critical patent/JP2012122590A/ja
Publication of JP2012122590A publication Critical patent/JP2012122590A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

【課題】安価で且つ簡易な構成の昇温回路を備えること。
【解決手段】作動油のタンク24と、タンク24と油圧シリンダ1とに接続される正逆回転可能な油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21と油圧シリンダ1の間の流路に設けられる方向切換弁23とを有する主回路20と、油圧ポンプ21と方向切換弁23の間の流路とタンク24とに接続される作動油の昇温回路30とを備えている。昇温回路30は、流路の絞り32と、タンクからの作動油の流れのみを許容するチェック弁33とが直列に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、作動油の昇温回路を備えた油圧ユニットに関するものである。
従来より、例えば特許文献1に開示されているように、作動油が貯留されるタンクと、該タンクの作動油を油圧シリンダ等のアクチュエータへ供給する油圧ポンプとを備えた油圧ユニットが知られている。
ところで、このような油圧ユニットを特に寒冷地で用いる場合、始動時において、作動油の温度が低く粘度が高くなっているため、回路における作動油の圧力損失が大きくなり、作動油のアクチュエータ末端での圧力が低下してしまう。その結果、アクチュエータの動作速度が低下する。始動後、作動油は各部での圧力損失による発熱によって温度が徐々に上昇して粘度が低下していき、アクチュエータは設定された所望の速度で作動するようになる。このように、作動油の温度が低いと、油圧ユニットを始動してからアクチュエータを安定動作させるまでに時間を要する。そこで、図12に示すように、作動油の温度を強制的に上昇させるための昇温回路を備えた油圧ユニットが従来より知られている。
具体的に、この油圧ユニット(100)では、油圧ポンプ(101)が第1流路(105)を介してタンク(104)に接続されると共に第2流路(106)を介して方向切換弁(103)に接続されている。方向切換弁(103)には油圧シリンダ(1)が接続されている。第2流路(106)とタンク(104)との間には昇温回路(107)が設けられている。昇温回路(107)は、電磁切換弁(108)と絞り(32)とが直列に接続されている。油圧ポンプ(101)は、電動機(22)によって回転駆動(正回転駆動)される。油圧シリンダ(1)を作動する通常動作では、方向切換弁(103)が開放され、電磁切換弁(108)が閉鎖される。この通常動作では、同図に実線の矢印で示すように、油圧ポンプ(101)から吐出された作動油が方向切換弁(103)を介して油圧シリンダ(1)へ供給される。一方、油圧ユニット(100)の始動時において、作動油の温度が低いと、昇温動作が行われる。この昇温動作では、方向切換弁(103)が閉鎖され、電磁切換弁(108)が開放される。なお、油圧ポンプ(101)は、通常動作と同様、正回転駆動される。そうすると、同図に破線の矢印で示すように、油圧ポンプ(101)から吐出された作動油が昇温回路(107)を介して再びタンク(104)へ流れる。昇温回路(107)では、作動油が絞り(32)を通過する際に圧力損失が生じるため、この圧力損失による発熱によって作動油が昇温する。そして、作動油が所定温度まで昇温すると、方向切換弁(103)および電磁切換弁(108)が切り換えられて、上述した通常動作に切り換えられる。このように、昇温回路(107)によって作動油の温度を強制的に昇温させることで、アクチュエータを安定動作させるまでの時間が短縮される。
特許第4245065号公報
ところで、上述した従来の昇温回路は、電磁切換弁(単に、電磁弁とも言う)を用いているため、使用頻度の割には制御系統が複雑化してしまうという問題があった。つまり、昇温回路は油圧ユニットの始動時における僅かな時間にしか用いられないにも拘わらず、電磁切換弁の開閉制御が付帯的に必要になるという問題があった。また、電磁切換弁は比較的高価なものであり、これまた使用頻度の割にはコスト高となっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で且つ簡易な構成の昇温回路を備えた油圧ユニットを提供することにある。
第1の発明は、作動油のタンク(24)と、該タンク(24)と油圧アクチュエータとに接続される油圧ポンプ(21)と、該油圧ポンプ(21)と上記油圧アクチュエータの間の流路に設けられる流路開閉弁(23)とを有する主回路(20)と、上記油圧ポンプ(21)と上記流路開閉弁(23)の間の流路と上記タンク(24)とに接続される作動油の昇温回路(30)とを備えた油圧ユニットを対象としている。そして、本発明の上記油圧ポンプ(21)は、正逆回転駆動するように構成され、上記昇温回路(30)は、流路の絞り(32)と、該絞り(32)と直列に接続され、上記タンクからの作動油の流れのみを許容するチェック弁(33)とを備えているものである。
第1の発明では、作動油が油圧アクチュエータへ供給される動作(通常動作)と、昇温回路(30)によって作動油を強制的に昇温させる動作(昇温動作)とが切り換えられる。前者の通常動作では、流路開閉弁(23)が開放された状態で、油圧ポンプ(21)が正回転駆動される。この通常動作において、油圧ポンプ(21)はタンク(24)側が吸入側となり流路開閉弁(23)側が吐出側となる。この通常動作では、主回路(20)において、タンク(24)から油圧ポンプ(21)に吸入された作動油が流路開閉弁(23)を介して油圧アクチュエータへ供給される。その際、油圧ポンプ(21)から吐出された作動油は昇温回路(30)へも流入する。ところが、昇温回路(30)におけるチェック弁(33)はタンク(24)からの作動油の流れのみを許容するものであるため、昇温回路(30)からタンク(24)へ向かう作動油の流れはチェック弁(33)によって阻止される。つまり、チェック弁(33)は閉鎖状態となる。
一方、例えば油圧ユニット(10)の始動時において作動油の温度が低い場合、後者の昇温動作が行われる。昇温動作では、流路開閉弁(23)が閉鎖された状態で、油圧ポンプ(21)が逆回転駆動される。この昇温動作において、油圧ポンプ(21)は流路開閉弁(23)側が吸入側となりタンク(24)側が吐出側となる。この昇温動作では、油圧ポンプ(21)の吸入側に位置する流路開閉弁(23)が閉鎖されているため、同じく吸入側に位置する昇温回路(30)を通じてタンク(24)の作動油が油圧ポンプ(21)に吸入される。つまり、チェック弁(33)は油圧ポンプ(21)の吸入圧力(作動油圧)の作用によって自動的に開放状態となる。これにより、昇温回路(30)は流通可能な状態となり、タンク(24)の作動油が絞り(32)およびチェック弁(33)を通過して油圧ポンプ(21)に吸入される。そして、昇温回路(30)では、作動油が絞り(32)を通過する際に圧力損失が生じ、この圧力損失による発熱によって作動油が昇温する。つまり、昇温回路(30)は、強制的に作動油の圧力損失を生じさせて、その圧力損失分を熱量に変化させている。そして、昇温動作が完了して通常動作に切り換わると、即ち油圧ポンプ(21)が正回転駆動されると、チェック弁(33)は自動的に閉鎖する。
このように、本発明は、開放状態と閉鎖状態とが自動的に切り換わるチェック弁(33)を用いているため、昇温回路(30)の流路の開閉動作を自動的に行うことができる。また、チェック弁(33)は比較的安価でもある。
第2の発明は、第1の発明の上記主回路(20)において、上記油圧ポンプ(21)が作動油を上記油圧アクチュエータ側へ吐出する油圧ポンプ(21)の正回転駆動と上記タンク(24)側へ吐出する油圧ポンプ(21)の逆回転駆動とを行う電動機(22)を備えている。さらに、本発明は、上記流路開閉弁(23)の開放時に上記油圧ポンプ(21)の正回転駆動が行われる通常動作と、上記流路開閉弁(23)の閉鎖時に上記油圧ポンプ(21)の逆回転駆動が行われる昇温動作とを実行する一方、上記昇温動作の実行時に、上記油圧ポンプ(21)の吸入圧力が所定値以上となるように上記電動機(22)の回転数またはトルクを調節する制御部(40)を備えている。
第2の発明では、昇温動作時において、油圧ポンプ(21)の吸入側に位置する流路開閉弁(23)が閉鎖されると共に、同じく吸入側に位置する昇温回路(30)には絞り(32)が設けられているため、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が著しく低下して負圧になりやすい。吸入圧力が負圧になると、油圧ポンプ(21)にとって故障の原因となる。ところが、本発明では、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が低下しすぎないように、電動機(22)の回転数またはトルクが調節される。例えば、吸入圧力が低い場合、電動機(22)の回転数またはトルクを減少させることで、吸入圧力が高くなる。
第3の発明は、第2の発明において、上記制御部(40)は、上記昇温動作の実行時に、上記タンク(24)の作動油の温度が所定値以上になると上記昇温動作を終了させて上記通常動作を実行するように構成されているものである。
第3の発明では、昇温動作時において、タンク(24)の作動油の温度が例えば油圧アクチュエータが安定動作し得る温度になると、昇温動作は完了したとして通常動作に切り換えられる。
第4の発明は、第1の発明の上記主回路(20)において、上記油圧ポンプ(21)が作動油を上記油圧アクチュエータ側へ吐出する油圧ポンプ(21)の正回転駆動と上記タンク(24)側へ吐出する油圧ポンプ(21)の逆回転駆動とを行う電動機(22)を備えている。さらに、本発明は、上記流路開閉弁(23)の開放時に上記油圧ポンプ(21)の正回転駆動が行われる通常動作と、上記流路開閉弁(23)の閉鎖時に上記油圧ポンプ(21)の逆回転駆動が行われる昇温動作とを実行する一方、上記昇温動作の実行時に、上記タンク(24)の作動油の温度が所定値以上になると上記昇温動作を終了させて上記通常動作を実行する制御部(40)とを備えている。
第4の発明では、昇温動作時において、タンク(24)の作動油の温度が例えば油圧アクチュエータが安定動作し得る温度になると、昇温動作は完了したとして通常動作に切り換えられる。
第5の発明は、第2または第3の発明において、上記制御部(40)は、上記昇温動作の実行時に、上記電動機(22)の電流、回転数またはトルクに基づいて上記油圧ポンプ(21)の吸入圧力を推定し、該推定圧力が上記所定値以上となるように上記電動機(22)の回転数指令またはトルク指令を出力して上記電動機(22)の回転数またはトルクを調節するように構成されているものである。
第5の発明では、例えば、電動機(22)の電流、回転数またはトルクと油圧ポンプ(21)の吸入圧力との対応関係が予め備えられている。基本的に、電動機(22)の電流、回転数またはトルクが高いほど、油圧ポンプ(21)の吸入圧力は低いと考えられる。つまり、作動油の温度が低いと粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。また、作動油が油圧ポンプ(21)に吸入されにくいと、油圧ポンプ(21)に作動油を吸入させようとして、電動機(22)の回転数またはトルク(即ち、油圧ポンプ(21)の回転数またはトルク)が増大する。電動機(22)のトルクは、電動機(22)の電流を増大させることで増大する。そして、昇温動作時において、電動機(22)の実際の電流、回転数またはトルクが検出され、上記対応関係に基づいて油圧ポンプ(21)の吸入圧力が推定される。そして、その推定した吸入圧力が低くなりすぎないように、電動機(22)の回転数指令またはトルク指令が出力される。
第6の発明は、第3または第4の発明において、上記制御部(40)の昇温動作の実行時における上記タンク(24)の作動油の温度は、上記油圧ポンプ(21)の吸入圧力に基づいて推定した温度である。
第6の発明では、例えば、作動油の温度と油圧ポンプ(21)の吸入圧力との対応関係が予め備えられている。基本的に、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が低いほど、作動油の温度は低いと考えられる。つまり、作動油の温度が低いと粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。そして、昇温動作時において、油圧ポンプ(21)の実際の吸入圧力が検出され、上記対応関係に基づいて作動油の温度が推定される。
第7の発明は、第3または第4の発明において、上記制御部(40)の昇温動作の実行時における上記タンク(24)の作動油の温度は、上記電動機(22)の電流またはトルクに基づいて推定した温度である。
第7の発明では、例えば、作動油の温度と電動機(22)の電流またはトルクとの対応関係が予め備えられている。基本的に、電動機(22)の電流またはトルクが高いほど、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が低くなり、作動油の温度は低いと考えられる。つまり、作動油の温度が低いと粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。また、作動油が油圧ポンプ(21)に吸入されにくいと、油圧ポンプ(21)に作動油を吸入させようとして、電動機(22)の回転数またはトルク(即ち、油圧ポンプ(21)の回転数またはトルク)が増大する。電動機(22)のトルクは、電動機(22)の電流を増大させることで増大する。そして、昇温動作時において、電動機(22)の実際の電流またはトルクが検出され、上記対応関係に基づいて作動油の温度が推定される。
以上のように、本発明によれば、正逆回転駆動するように構成された油圧ポンプ(21)を備えると共に、タンク(24)からの作動油の流れのみを許容するチェック弁(33)を絞り(32)と直列に接続した昇温回路(30)を備えるようにした。そのため、従来の電磁切換弁の開閉制御を行わなくても、昇温回路(30)を流通可能状態と流通阻止状態とに自動的に切り換えることができる。したがって、従来に比べて電磁切換弁の制御部が不要となるため、制御部(40)の構成を簡易とすることができる。また、チェック弁(33)は、従来の電磁切換弁に比して安価であるため、昇温回路(30)ひいては油圧ユニット(10)の低コスト化を図ることができる。
また、第2の発明によれば、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が所定値以上となるように電動機(22)の回転数またはトルク(油圧ポンプ(21)の回転数またはトルク)を調節するようにした。そのため、油圧ポンプ(21)の故障を事前に回避しながら、油温を昇温させることができる。したがって、信頼性の高い油圧ユニット(10)を提供することができる。
また、第3および第4の発明によれば、作動油の温度が所定値以上になると昇温完了したとして昇温動作を終了させて通常動作に切り換えるようにした。そのため、確実に昇温動作の完了を把握することができる。
また、第5の発明によれば、油圧ポンプ(21)の吸入圧力を現在の電動機(22)の電流や回転数、トルクから推定するようにしたので、実際の吸入圧力を検出するためのセンサが不要となる。したがって、主回路(20)などの油圧回路の構成について簡易化を図ることができる。
また、第6の発明によれば、油圧ポンプ(21)の吸入圧力に基づいて作動油の温度を推定し昇温動作の完了を判定するようにしたため、実際のタンク(24)の油温を検出するためのセンサが不要となる。したがって、主回路(20)などの油圧回路の構成について簡易化を図ることができる。
また、第7の発明によれば、電動機(22)の電流またはトルクに基づいて作動油の温度を推定し昇温動作の完了を判定するようにしたため、実際のタンク(24)の油温を検出するためのセンサが不要となる。したがって、主回路(20)などの油圧回路の構成について簡易化を図ることができる。
図1は、実施形態に係る油圧ユニットの構成を示す油圧回路図である。 図2は、通常動作時の作動油の流れを示す油圧回路図である。 図3は、昇温動作時の作動油の流れを示す油圧回路図である。 図4は、実施形態に係る制御部の構成を示す系統図である。 図5は、実施形態に係る制御部の構成を示す系統図である。 図6は、実施形態に係る制御動作を示すフローチャートである。 図7は、実施形態の変形例1に係る制御部の構成を示す系統図である。 図8は、実施形態の変形例2に係る制御部の構成を示す系統図である。 図9は、実施形態の変形例3に係る制御部の構成を示す系統図である。 図10は、実施形態の変形例4に係る制御部の構成を示す系統図である。 図11は、実施形態の変形例5に係る制御部の構成を示す系統図である。 図12は、従来の油圧ユニットの構成を示す油圧回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の油圧ユニット(10)は、圧油を油圧アクチュエータへ供給して該アクチュエータを作動させるものである。図1〜図5に示すように、油圧ユニット(10)は、主回路(20)と、昇温回路(30)と、制御部(40)とを備えている。なお、主回路(20)と昇温回路(30)とは油圧ユニット(10)の油圧回路を構成している。
主回路(20)は、油圧ポンプ(21)と、電動機(22)と、方向切換弁(23)と、作動油のタンク(24)とを備えている。
油圧ポンプ(21)は、2つのポート(21a,21b)を有しており、第1ポート(21a)が第1流路(25)を介してタンク(24)に接続され、第2ポート(21b)が第2流路(26)を介して方向切換弁(23)に接続されている。油圧ポンプ(21)は、固定容量型ポンプを構成しており、例えばギアポンプ、トロコイドポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプ等である。また、油圧ポンプ(21)は、正逆回転可能に構成されている。具体的に、油圧ポンプ(21)は、正回転時は第1ポート(21a)が吸入側となり第2ポート(21b)が吐出側となる。油圧ポンプ(21)は、逆回転時は第2ポート(21b)が吸入側となり第1ポート(21a)が吐出側となる。
電動機(22)は、油圧ポンプ(21)を駆動する可変速型(インバータ型)のものである。また、電動機(22)は、油圧ポンプ(21)を正逆回転駆動(正回転駆動および逆回転駆動)するように構成されている。
方向切換弁(23)は、第1電磁ソレノイド(23a)および第2電磁ソレノイド(23b)を有する4ポート3位置スプリングセンタ式電磁切換弁である。本実施形態では、2つの方向切換弁(23)が設けられているが、数量はこれに限られない。方向切換弁(23)は、4ポートのうち、Pポートが第2流路(26)と接続され、Tポートが第3流路(27)を介してタンク(24)に接続され、AポートおよびBポートが流路を介して油圧アクチュエータである油圧シリンダ(1)に接続されている。方向切換弁(23)は、第1電磁ソレノイド(23a)および第2電磁ソレノイド(23b)のON/OFF動作によって、中立位置と第1位置および第2位置(図1において左右の位置)とに切り換わる。方向切換弁(23)は、中立位置では4ポートが互いに遮断状態となり第2流路(26)が閉鎖され、第1位置および第2位置では第2流路(26)が油圧シリンダ(1)側へ開放される。
このように、油圧ポンプ(21)はタンク(24)と油圧シリンダ(1)とに接続され、方向切換弁(23)は油圧ポンプ(21)と油圧シリンダ(1)の間の流路に設けられる流路開閉弁を構成している。なお、主回路(20)には、リリーフ弁(28)が設けられている。リリーフ弁(28)は、第2流路(26)とタンク(24)とに接続される第4流路(29)に設けられている。
−昇温回路の構成および動作−
昇温回路(30)は、第2流路(26)とタンク(24)とに接続され、作動油を昇温するための回路である。具体的に、昇温回路(30)は、第5流路(31)と、流路の絞り(32)と、チェック弁(33)とを備えている。第5流路(31)は、第2流路(26)とタンク(24)とに接続されている。第5流路(31)には、タンク(24)側から順に、絞り(32)およびチェック弁(33)が設けられている。つまり、絞り(32)とチェック弁(33)は互いに直列に接続されている。また、チェック弁(33)は、タンク(24)から第2流路(26)へ向かう作動油の流れのみを許容するように構成されている。昇温回路(30)は、作動油が絞り(32)を通過する際に圧力損失が生じ、この圧力損失による発熱によって作動油が昇温するように構成されている。つまり、昇温回路(30)は、絞り(32)にて強制的に作動油の圧力損失を生じさせて、その圧力損失分を熱量に変化させている。
本実施形態の油圧ユニット(10)では、作動油を油圧シリンダ(1)へ供給して油圧シリンダ(1)を動作させる通常動作と、作動油を強制的に昇温させる昇温動作とが切り換えて実行される。
具体的に、通常動作は、図2に示すように、方向切換弁(23)が開放状態(第1位置または第2位置)に切り換えられ、油圧ポンプ(21)が電動機(22)によって正回転駆動される。この通常動作では、主回路(20)において、タンク(24)の作動油が油圧ポンプ(21)に吸入されて第2流路(26)へ吐出される。第2流路(26)の作動油は、方向切換弁(23)を介して油圧シリンダ(1)の例えばヘッド側へ流れると共に、油圧シリンダ(1)のロッド側の作動油が方向切換弁(23)および第3流路(27)を介してタンク(24)へ戻る。これにより、油圧シリンダ(1)が動作する。この通常動作において、油圧ポンプ(21)から第2流路(26)へ吐出された作動油は昇温回路(30)へも流入する。ところが、昇温回路(30)において、チェック弁(33)は閉鎖されているため、第2流路(26)からタンク(24)へ向かう作動油の流れはチェック弁(33)によって阻止される。つまり、通常動作では、昇温回路(30)の流通阻止状態となり、油圧ポンプ(21)から吐出された作動油は昇温回路(30)を通じてタンク(24)へは流れない。
一方、例えば油圧ユニット(10)の始動時において作動油の温度が低い場合、昇温動作が行われる。昇温動作は、図3に示すように、方向切換弁(23)が閉鎖状態(中立位置)に切り換えられ、油圧ポンプ(21)が電動機(22)によって逆回転駆動される。この昇温動作では、油圧ポンプ(21)の吸入側に位置する方向切換弁(23)が閉鎖されているため、同じ吸入側に位置する昇温回路(30)を通じてタンク(24)の作動油が油圧ポンプ(21)に吸入される。つまり、チェック弁(33)は油圧ポンプ(21)の吸入圧力(作動油圧)の作用によって自動的に開放状態となる。これにより、昇温回路(30)は流通可能な状態となり、タンク(24)の作動油が絞り(32)およびチェック弁(33)を通過して油圧ポンプ(21)に吸入される。そして、昇温回路(30)では、作動油が絞り(32)を通過することによって作動油が強制的に昇温される。これにより、始動時において作動油が低温であっても、作動油をいち早く昇温させて、始動から油圧シリンダ(1)の安定動作に至るまでの時間を短縮することができる。
そして、昇温動作が完了して通常動作に切り換わると、即ち油圧ポンプ(21)が正回転駆動されると、チェック弁(33)は自動的に閉鎖する。このように、開放状態と閉鎖状態とが自動的に切り換わるチェック弁(33)を用いているため、昇温回路(30)の流路の開閉動作を制御することなく自動的に行うことができる。したがって、従来の電磁切換弁の開閉制御を行わなくてもよいため、制御が簡易となる。また、チェック弁(33)は、従来の電磁切換弁に比して安価であるため、油圧ユニット(10)の低コスト化を図ることができる。
−制御部の構成および動作−
本実施形態の制御部(40)は、上述した通常動作と昇温動作の切換制御、各動作における制御を行う。
図4および図5に示すように、制御部(40)は、指令生成部(41)と、弁切換部(42)と、電動機駆動部(43)と、完了判定部(44)とが設けられている。また、主回路(20)には圧力センサ(S1)と油温センサ(S2)が設けられている。圧力センサ(S1)は、第2流路(26)の作動油の圧力(作動油圧)を検出する。油温センサ(S2)は、タンク(24)の作動油の温度(油温)を検出する。なお、図4および図5において(2)は交流電源である。
弁切換部(42)は、方向切換弁(23)の切換制御を行う。指令生成部(41)は、電動機(22)の回転方向指令および回転数指令(またはトルク指令)を生成して出力する。電動機駆動部(43)は、指令生成部(41)から出力された指令に基づいて電動機(22)を駆動制御する。完了判定部(44)は、昇温動作の完了(昇温完了)を判定する。
具体的に、制御部(40)の動作について図6を参照しながら説明する。油圧ユニット(10)の始動時に、先ず、システムコントロール部(図示せず)から「昇温要求」があったか否かが判定される(ステップST1)。例えば、タンク(24)の油温(即ち、油温センサ(S2)の検出温度)が所定値以下になっていると、システムコントロール部から弁切換部(42)へ「昇温要求」の信号が出力される。なお、システムコントロール部は油圧ユニット(10)全体の基本制御を行う中央制御部である。弁切換部(42)は、システムコントロール部から「昇温要求」の信号が出力されると、その「昇温要求」の信号を指令生成部(41)へ出力すると共に、方向切換弁(23)を強制的に閉鎖する(ステップST2)。つまり、方向切換弁(23)が中立位置になる。逆に、「昇温要求」がないとステップST11へ移行する。指令生成部(41)は、「昇温要求」の信号が入力されると電動機(22)の逆回転指令を電動機駆動部(43)へ出力する(ステップST3)。そして、電動機駆動部(43)は電動機(22)を逆回転駆動する。以上により、上述した昇温動作が開始され、タンク(24)の油温が徐々に高くなる。このように、電磁切換弁を切り換えるという従来の制御を行うことなく昇温動作を開始することができる。
この昇温動作中は、現在の油圧ポンプ(21)の吸入圧力(即ち、圧力センサ(S1)の検出圧力)が指令生成部(41)へ入力される(ステップST4)。指令生成部(41)では、入力された現在の吸入圧力と「負圧限界設定値」とが対比される(ステップST5)。「負圧限界設定値」は、油圧ポンプ(21)が故障しない限界の圧力値(負圧値)であり、予め指令生成部(41)に設定されている。この昇温動作では、油圧ポンプ(21)の吸入側に位置する方向切換弁(23)が閉鎖されると共に、同じく吸入側に位置する昇温回路(30)には絞り(32)が設けられているため、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が著しく低下して負圧になりやすい。油圧ポンプ(21)は、吸入側の圧力が低くなりすぎると(負圧が高くなりすぎると)故障などの要因となる。指令生成部(41)は、吸入圧力が「負圧限界設定値」よりも低いと、現在の電動機(22)の回転数よりも低い回転数指令を電動機駆動部(43)へ出力する(ステップST6)。そうすると、電動機(22)の回転数(油圧ポンプ(21)の回転数)が低下し、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が上昇する。これにより、昇温動作時において、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が「負圧限界設定値」よりも低くなるのを防止でき、油圧ポンプ(21)の故障を事前に回避することができる。また、指令生成部(41)は、吸入圧力が「負圧限界設定値」よりも高いと、現在の電動機(22)の回転数よりも高い回転数指令を電動機駆動部(43)へ出力する(ステップST7)。そうすると、電動機(22)の回転数(油圧ポンプ(21)の回転数)が上昇し、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が「負圧限界設定値」よりも低くならない範囲内で低下する。油圧ポンプ(21)の回転数が高くなると、昇温回路(30)において作動油の流速が増大し、絞り(32)による圧力損失が増大する。これにより、単位時間あたりの油温の上昇度が高くなる。また、指令生成部(41)は、吸入圧力が「負圧限界設定値」と同じであると、現在の電動機(22)の回転数と同じ回転数指令を電動機駆動部(43)へ出力する(ステップST8)。これにより、電動機(22)の回転数は維持される。以上のように、指令生成部(41)は、昇温動作時において油圧ポンプ(21)の吸入圧力が「負圧限界設定値」よりも低くならないように電動機(22)の回転数(油圧ポンプ(21)の回転数)を設定するように構成されている。
なお、指令生成部(41)は、電動機(22)の回転数指令に代えて電動機(22)のトルク指令を設定しても同様に吸入圧力を制御することができる。つまり、指令生成部(41)は、ステップST6では現在の電動機(22)のトルクよりも低いトルク指令を出力し、ステップST7では現在の電動機(22)のトルクよりも高いトルク指令を出力し、ステップST8では現在の電動機(22)のトルクと同じトルク指令を出力する。
続いて、昇温動作では、現在のタンク(24)の油温(即ち、油温センサ(S2)の検出温度)が完了判定部(44)へ入力される(ステップST9)。そして、完了判定部(44)では、入力された現在の油温が「昇温完了温度設定値」と対比される(ステップST10)。「昇温完了温度設定値」は、通常動作において油圧ポンプ(21)が充分な量の作動油を油圧シリンダ(1)へ供給し得る油温であり、予め完了判定部(44)に設定されている。つまり、「昇温完了温度設定値」は、作動油の粘度が油圧シリンダ(1)が安定動作し得る値となる油温である。完了判定部(44)は、油温が「昇温完了温度設定値」以上となると昇温動作が完了したと判定し、その判定結果を電動機駆動部(43)および弁切換部(42)へ出力する。具体的に、完了判定部(44)は、電動機駆動部(43)へ電動機(22)の正回転指令を出力し、弁切換部(42)へ方向切換弁(23)の開放指令を出力する。そうすると、電動機駆動部(43)は電動機(22)を正回転駆動し(ステップST11)、弁切換部(42)は方向切換弁(23)を開放する(ステップST12)。つまり、ステップST11では電動機(22)の回転方向が通常動作時の回転方向に切り換えられる。なお、ステップST10において未だ油温が「昇温完了温度設定値」よりも低いと判定されると、ステップST9へ戻る。以上により、昇温動作から通常動作に切り換えられる。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態の昇温回路(30)は、タンク(24)からの作動油の流れのみを許容するチェック弁(33)を絞り(32)と直列に接続するようにした。そのため、従来の電磁切換弁の開閉制御を行わなくても、昇温回路(30)を流通可能状態と流通阻止状態とに自動的に切り換えることができる。したがって、従来に比べて電磁切換弁の制御部が不要となるため、制御部(40)の構成を簡易とすることができる。また、チェック弁(33)は、従来の電磁切換弁に比して安価であるため、昇温回路(30)ひいては油圧ユニット(10)の低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態の昇温動作では、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が所定値(負圧限界設定値)以上となるように電動機(22)の回転数(油圧ポンプ(21)の回転数)を調節するようにした。そのため、油圧ポンプ(21)の故障を事前に回避しながら、油温を昇温させることができる。したがって、信頼性の高い油圧ユニット(10)を提供することができる。
また、本実施形態では、油温が所定値(昇温完了温度設定値)以上になると昇温完了したとして昇温動作を終了させて通常動作に切り換えるようにした。そのため、確実に昇温動作の完了を把握することができる。
−制御部の変形例−
上述した実施形態の制御部(40)は、以下に示す変形例のように変更してもよい。
〈変形例1〉
本変形例の制御部(40)は、図7に示すように、圧力推定部(45)をさらに備えている。圧力推定部(45)は、昇温動作時において油圧ポンプ(21)の吸入圧力を推定するように構成されている。具体的に、圧力推定部(45)は、電動機駆動部(43)における現在の電動機(22)の駆動情報(電流や回転数、トルク)が入力される。また、圧力推定部(45)は、電動機(22)の特性や油圧回路(主回路(20)および昇温回路(30))の特性が設定され、これら特性を考慮した電動機(22)の電流、回転数またはトルクと油圧ポンプ(21)の吸入圧力との対応関係が予め入力されている。そして、圧力推定部(45)は、電動機駆動部(43)から現在の駆動情報が入力されると上記対応関係に基づいて油圧ポンプ(21)の吸入圧力を推定する。基本的に、電動機(22)の電流、回転数またはトルクが高いほど、油圧ポンプ(21)の吸入圧力は低いと考えられる。つまり、油温が低いと作動油の粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。また、作動油が油圧ポンプ(21)に吸入されにくいと、油圧ポンプ(21)に作動油を吸入させようとして、電動機(22)の回転数またはトルク(即ち、油圧ポンプ(21)の回転数またはトルク)が増大する。なお、電動機(22)のトルクは、電動機(22)の電流を増大させることで増大する。そして、本変形例の指令生成部(41)は、圧力推定部(45)の推定圧力が入力され、その推定圧力が所定値(負圧限界設定値)以上となるように電動機(22)の回転数またはトルク(油圧ポンプ(21)の回転数またはトルク)を設定する。
このように、本変形例の制御部(40)は、油圧ポンプ(21)の吸入圧力を現在の電動機(22)の駆動情報(電流や回転数、トルク)から推定するようにしたので、実際の吸入圧力を検出しなくてもよくなり上記実施形態における圧力センサ(S1)が不要となる。したがって、油圧回路の構成について簡易化を図ることができる。
〈変形例2〉
本変形例の制御部(40)は、図8に示すように、上記実施形態の完了判定部(44)の構成を変更したものである。本変形例の完了判定部(44)は、現在の油圧ポンプ(21)の吸入圧力(圧力センサ(S1)の検出圧力)が入力される。そして、完了判定部(44)は、入力された吸入圧力と「昇温完了圧力設定値」とを対比し、吸入圧力が「昇温完了圧力設定値」以上となると昇温動作が完了したと判定し、その判定結果を電動機駆動部(43)および弁切換部(42)へ出力する。「昇温完了圧力設定値」は、油温が通常動作において油圧ポンプ(21)が充分な量の作動油を油圧シリンダ(1)へ供給し得る値となる作動油の圧力値であり、予め完了判定部(44)に設定されている。つまり、「昇温完了圧力設定値」は、油圧シリンダ(1)が安定動作し得る油温になっているであろう作動油の圧力である。基本的に、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が低いほど、油温は低いと考えられる。つまり、油温が低いと粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。したがって、吸入圧力が高いということから、油温が高くなっていることを推定できる。
このように、本変形例の制御部(40)は、油圧ポンプ(21)の吸入圧力に基づいて油温を推定し昇温動作の完了を判定するようにしたため、実際のタンク(24)の油温を検出しなくてもよくなり上記実施形態における油温センサ(S2)が不要となる。したがって、油圧回路の構成について簡易化を図ることができる。
〈変形例3〉
図9に示すように、本変形例の制御部(40)は、上記変形例1と同様、圧力推定部(45)をさらに備えている。つまり、圧力推定部(45)は、電動機駆動部(43)から現在の駆動情報が入力されると上記対応関係(駆動情報と吸入圧力との対応関係)に基づいて油圧ポンプ(21)の吸入圧力を推定する。そして、本変形例の完了判定部(44)は、圧力推定部(45)で推定された吸入圧力が入力され、その吸入圧力と「昇温完了圧力設定値」とを対比する。完了判定部(44)は、吸入圧力が「昇温完了圧力設定値」以上となると昇温動作が完了したと判定し、その判定結果を電動機駆動部(43)および弁切換部(42)へ出力する。「昇温完了圧力設定値」については上記変形例2で説明したとおりである。
このように、本変形例においても、上記変形例2と同様、実際のタンク(24)の油温を検出することなく昇温動作の完了を判定するようにしたので、上記実施形態における油温センサ(S2)が不要となる。また、本変形例は、上記変形例1の制御部(40)の構成と組み合わせることによって、上記実施形態の圧力センサ(S1)および油温センサ(S2)の両方のセンサが不要となるため、油圧回路の構成についてより簡易化を図ることができる。
〈変形例4〉
図10に示すように、本変形例の制御部(40)は、上記実施形態の完了判定部(44)の構成を変更したものである。本変形例の完了判定部(44)は、電動機駆動部(43)における現在の電動機(22)のトルクが入力される。そして、完了判定部(44)は、入力されたトルクと「昇温完了トルク設定値」とを対比し、トルクが「昇温完了トルク設定値」以下となると昇温動作が完了したと判定し、その判定結果を電動機駆動部(43)および弁切換部(42)へ出力する。「昇温完了トルク設定値」は、油温が通常動作において油圧ポンプ(21)が充分な量の作動油を油圧シリンダ(1)へ供給し得る値となる電動機(22)のトルク値であり、予め完了判定部(44)に設定されている。つまり、「昇温完了圧力設定値」は、油圧シリンダ(1)が安定動作し得る油温になっているであろう電動機(22)のトルクである。基本的に、電動機(22)のトルクが高いほど、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が低くなり、油温は低いと考えられる。つまり、油温が低いと粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。また、作動油が油圧ポンプ(21)に吸入されにくいと、油圧ポンプ(21)に作動油を吸入させようとして、電動機(22)のトルク(即ち、油圧ポンプ(21)のトルク)が増大する。なお、電動機(22)のトルクは、電動機(22)の電流を増大させることで増大する。したがって、電動機(22)のトルクが低いということから、油温が高くなっていることを推定できる。
このように、本変形例の制御部(40)は、電動機(22)のトルクに基づいて油温を推定し昇温動作の完了を判定するようにしたので、上記変形例2と同様、上記実施形態における油温センサ(S2)が不要となる。また、本変形例は、上記変形例1の制御部(40)の構成と組み合わせることによって、上記実施形態の圧力センサ(S1)および油温センサ(S2)の両方のセンサが不要となるため、油圧回路の構成についてより簡易化を図ることができる。
〈変形例5〉
図11に示すように、本変形例の制御部(40)は、上記実施形態の完了判定部(44)の構成を変更したものである。本変形例の完了判定部(44)は、電動機駆動部(43)における現在の電動機(22)の電流が入力される。そして、完了判定部(44)は、入力された電流と「昇温完了電流設定値」とを対比し、電流が「昇温完了電流設定値」以下となると昇温動作が完了したと判定し、その判定結果を電動機駆動部(43)および弁切換部(42)へ出力する。「昇温完了電流設定値」は、油温が通常動作において油圧ポンプ(21)が充分な量の作動油を油圧シリンダ(1)へ供給し得る値となる電動機(22)の電流値であり、予め完了判定部(44)に設定されている。つまり、「昇温完了圧力設定値」は、油圧シリンダ(1)が安定動作し得る油温になっているであろう電動機(22)の電流である。基本的に、電動機(22)の電流が高いほど、油圧ポンプ(21)の吸入圧力が低くなり、油温は低いと考えられる。つまり、油温が低いと粘度が低下するため、作動油は油圧ポンプ(21)に吸入されにくくなり、その結果、吸入圧力が低下する。また、作動油が油圧ポンプ(21)に吸入されにくいと、油圧ポンプ(21)に作動油を吸入させようとして、電動機(22)のトルク(即ち、油圧ポンプ(21)のトルク)が増大する。電動機(22)のトルクは、電動機(22)の電流を増大させることで増大する。したがって、電動機(22)の電流が低いということから、油温が高くなっていることを推定できる。
このように、本変形例の制御部(40)は、電動機(22)の電流に基づいて油温を推定し昇温動作の完了を判定するようにしたので、上記変形例2と同様、上記実施形態における油温センサ(S2)が不要となる。また、本変形例は、上記変形例1の制御部(40)の構成と組み合わせることによって、上記実施形態の圧力センサ(S1)および油温センサ(S2)の両方のセンサが不要となるため、油圧回路の構成についてより簡易化を図ることができる。
−その他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態について以下のように構成するようにしてもよい。
例えば、上述した実施形態の昇温回路(30)において、チェック弁(33)と絞り(32)の接続位置を逆にしても同様の作用効果を奏する。つまり、本発明は、チェック弁(33)を絞り(32)のタンク(24)側に接続するようにしてもよい。
また、上記実施形態における油圧アクチュエータとしては、油圧シリンダ(1)に限らないことは勿論である。
以上説明したように、本発明は、作動油の昇温回路を有する油圧ユニットについて有用である。
10 油圧ユニット
20 主回路
21 油圧ポンプ
22 電動機
23 方向切換弁(流路開閉弁)
24 タンク
30 昇温回路
32 絞り
33 チェック弁
40 制御部

Claims (7)

  1. 作動油のタンク(24)と、該タンク(24)と油圧アクチュエータとに接続される油圧ポンプ(21)と、該油圧ポンプ(21)と上記油圧アクチュエータの間の流路に設けられる流路開閉弁(23)とを有する主回路(20)と、上記油圧ポンプ(21)と上記流路開閉弁(23)の間の流路と上記タンク(24)とに接続される作動油の昇温回路(30)とを備えた油圧ユニットであって、
    上記油圧ポンプ(21)は、正逆回転駆動するように構成され、
    上記昇温回路(30)は、流路の絞り(32)と、該絞り(32)と直列に接続され、上記タンクからの作動油の流れのみを許容するチェック弁(33)とを備えている
    ことを特徴とする油圧ユニット。
  2. 請求項1において、
    上記主回路(20)において上記油圧ポンプ(21)が作動油を上記油圧アクチュエータ側へ吐出する油圧ポンプ(21)の正回転駆動と上記タンク(24)側へ吐出する油圧ポンプ(21)の逆回転駆動とを行う電動機(22)と、
    上記流路開閉弁(23)の開放時に上記油圧ポンプ(21)の正回転駆動が行われる通常動作と、上記流路開閉弁(23)の閉鎖時に上記油圧ポンプ(21)の逆回転駆動が行われる昇温動作とを実行する一方、上記昇温動作の実行時に、上記油圧ポンプ(21)の吸入圧力が所定値以上となるように上記電動機(22)の回転数またはトルクを調節する制御部(40)とを備えている
    ことを特徴とする油圧ユニット。
  3. 請求項2において、
    上記制御部(40)は、上記昇温動作の実行時に、上記タンク(24)の作動油の温度が所定値以上になると上記昇温動作を終了させて上記通常動作を実行するように構成されている
    ことを特徴とする油圧ユニット。
  4. 請求項1において、
    上記主回路(20)において上記油圧ポンプ(21)が作動油を上記アクチュエータ側へ吐出する油圧ポンプ(21)の正回転駆動と上記タンク(24)側へ吐出する油圧ポンプ(21)の逆回転駆動とを行う電動機(22)と、
    上記流路開閉弁(23)の開放時に上記油圧ポンプ(21)の正回転駆動が行われる通常動作と、上記流路開閉弁(23)の閉鎖時に上記油圧ポンプ(21)の逆回転駆動が行われる昇温動作とを実行する一方、上記昇温動作の実行時に、上記タンク(24)の作動油の温度が所定値以上になると上記昇温動作を終了させて上記通常動作を実行する制御部(40)とを備えている
    ことを特徴とする油圧ユニット。
  5. 請求項2または3において、
    上記制御部(40)は、上記昇温動作の実行時に、上記電動機(22)の電流、回転数またはトルクに基づいて上記油圧ポンプ(21)の吸入圧力を推定し、該推定圧力が上記所定値以上となるように上記電動機(22)の回転数指令またはトルク指令を出力して上記電動機(22)の回転数またはトルクを調節するように構成されている
    ことを特徴とする油圧ユニット。
  6. 請求項3または4において、
    上記制御部(40)の昇温動作の実行時における上記タンク(24)の作動油の温度は、上記油圧ポンプ(21)の吸入圧力に基づいて推定した温度である
    ことを特徴とする油圧ユニット。
  7. 請求項3または4において、
    上記制御部(40)の昇温動作の実行時における上記タンク(24)の作動油の温度は、上記電動機(22)の電流またはトルクに基づいて推定した温度である
    ことを特徴とする油圧ユニット。
JP2010275915A 2010-12-10 2010-12-10 油圧ユニット Withdrawn JP2012122590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275915A JP2012122590A (ja) 2010-12-10 2010-12-10 油圧ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010275915A JP2012122590A (ja) 2010-12-10 2010-12-10 油圧ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012122590A true JP2012122590A (ja) 2012-06-28

Family

ID=46504229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010275915A Withdrawn JP2012122590A (ja) 2010-12-10 2010-12-10 油圧ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012122590A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104329043A (zh) * 2014-10-16 2015-02-04 克拉玛依市尚正石油科技有限公司 油井环空测试井口装置
JP2017040298A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 株式会社豊田自動織機 荷役車両の油圧駆動装置
CN106762595A (zh) * 2017-02-27 2017-05-31 江苏恒立液压科技有限公司 负载敏感泵试验系统
CN107327434A (zh) * 2017-08-08 2017-11-07 济宁山重新能源有限公司 一种可稳定液压油温的旁通背压集成阀

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104329043A (zh) * 2014-10-16 2015-02-04 克拉玛依市尚正石油科技有限公司 油井环空测试井口装置
JP2017040298A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 株式会社豊田自動織機 荷役車両の油圧駆動装置
CN106762595A (zh) * 2017-02-27 2017-05-31 江苏恒立液压科技有限公司 负载敏感泵试验系统
CN107327434A (zh) * 2017-08-08 2017-11-07 济宁山重新能源有限公司 一种可稳定液压油温的旁通背压集成阀

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5015091B2 (ja) 油圧作業機械のエンジンラグダウン抑制装置
JP5564541B2 (ja) アクチュエータ
WO2011004879A1 (ja) ハイブリッド建設機械の制御装置
JPH07127607A (ja) 作業機械の油圧装置
JP2012122590A (ja) 油圧ユニット
JP5608252B2 (ja) アクチュエータ
US11644027B2 (en) Electronic torque and pressure control for load sensing pumps
US20130243611A1 (en) Hydraulic fan drive for an internal combustion engine
JP2002081408A (ja) 流体圧回路
JP2008275100A (ja) 建設車両
JP4858009B2 (ja) 油圧システム
JP2009287744A (ja) ハイブリッド建設機械の制御装置
JP5582780B2 (ja) 液圧回路の制御方法
US20160252086A1 (en) Method for operating a pump unit, pump unit and use thereof
JP4111090B2 (ja) 油圧ユニット
CN1432739A (zh) 多泵液压系统的合流及卸荷控制方法
CN105402184A (zh) 单向节流阀及先导控制油路
JP2010112493A (ja) 作業機械の制御装置
JP5048439B2 (ja) 液圧ユニット
JPH10259809A (ja) 油圧回路の暖機方法およびその装置
US20200191137A1 (en) Electronic torque and pressure control for load sensing pumps
JP4250797B2 (ja) インバータ駆動油圧ユニット
JP3711044B2 (ja) 温水暖房装置
JP7463161B2 (ja) ショベル
CN112539166B (zh) 一种液压控制系统及疏通设备

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140304