JP2012122091A - プレスクエンチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼入れ中のワークの寸法挙動を測定し、プレスクエンチの最適な条件を特定することができるプレスクエンチ装置を提供する。
【解決手段】プレスクエンチ装置1は、寸法測定手段10と演算手段20とを有する。寸法測定手段10は、円環形状のワークWの周方向の対向する4箇所に複数設けられる。各寸法測定手段10は、ワークWの外周面にワークWの径方向に接触する測定子12と、測定子12に対してワークWの径方向に摺動してワークWの径方向の膨張又は収縮を検知する変位センサ13と、ワークWの径方向の膨張又は収縮に追随するように測定子12をワークWの外周面に付勢させる弾性手段14とがブラケット11に設置されてなる。演算手段20は、焼入れ中のワークWの経時的な寸法変化を各変位センサ13から取得してワークWの最適な熱処理条件を特定し、出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレスクエンチ装置に関し、特に、軸受、又は環状体の焼入れ中における寸法変化を測定するプレスクエンチ装置に関する。
鋼は、加熱をすると膨張し、焼入れ(冷却)をすると組織がマルテンサイト変態するまでは収縮し、マルテンサイト変態を開始すると膨張する。そこで、従来より、鋼製の環状体をなすワークの焼入れ中の寸法挙動及び形状変化を正確に測定するための技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された寸法測定装置の構成を示す概略図である。
図7に示すように、寸法変化測定装置100は、伝達手段129及び直動部材117を有している。そして、ストッパ107,107によって固定された環状体(ワーク)101の外周面に対して先端面が突き当てられた伝達手段129に伴う直動部材117の変位を検知することで、環状体101の寸法変化を連続的に測定することができる。
特開平9−96520号公報
しかしながら、特許文献1に記載された寸法測定装置においては、環状体101の外周面に対して伝達手段129の先端部を押し当てて、寸法を測定しているだけなので、測定箇所が1箇所である結果、焼入れ中の環状体の寸法変化の測定方法としては不十分である。特に、環状体を焼き入れするための装置として、環状体の下方から冷却媒体(焼入れ油等)を浸漬させるような構成を有するものを用いる場合には、測定される寸法変化がワークの各部位によって顕著である。また、環状体101の外周面に対して伝達手段129の先端部のみを押し当てたときの力によって、環状体101が変形してしまい、正確な寸法測定ができない可能性がある。
ここで、焼入れによってワークに歪が出ないようにプレスして焼入れが行われるプレスクエンチ技術は、ワークのマルテンサイト変態時の膨張力を利用して金型内で矯正する技術である。すなわち、このプレスクエンチ技術においては、ワークのマルテンサイト変態膨張が始まる直前の寸法を正確に把握することが重要である。マルテンサイト変態開始直前寸法と矯正金型寸法を同じ寸法にすれば、マルテンサイト変態膨張を最大限に発揮することができ、精度向上ができるからである。
そして、プレスクエンチ技術の最適条件には、(1)金型寸法、(2)金型挿入タイミング、及び(3)冷却時間の3つの大きなファクターがある。これら3つの条件は、ワークの材質、径、肉厚、幅、形状などで大きく変わるため、最適条件の設定が困難である。よって、従来では、最適なプレスクエンチ条件の設定に困難を要した。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、焼入れ中のワークの寸法挙動を測定し、プレスクエンチの最適な条件を特定することができるプレスクエンチ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に係る発明は、円環形状のワークの外周面又は内周面に対して前記ワークの径方向で接触する複数の測定子と、
前記測定子に対して前記ワークの径方向に摺動して前記ワークの径方向の膨張又は収縮を検知する変位センサと、
前記ワークの径方向の膨張又は収縮に追随するように前記測定子を前記ワークの外周面又は内周面に付勢させる弾性手段とを有して前記ワークの周方向の対向する2n箇所(nは整数)に複数設置された測定手段と、
前記ワークを冷却する冷却手段と、
前記複数の変位センサから出力された前記冷却手段による前記ワークの経時的な寸法変化から、最適金型挿入タイミング、最適金型寸法、及び最適冷却時間を算出する演算手段とを有することを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、焼入れ中のワークの寸法挙動を正確に測定することができるので、最適なプレスクエンチの処理条件(最適な金型挿入タイミング、最適な金型寸法、及び最適な冷却時間)を特定することができ、熱処理完了時のワークの寸法精度を大幅に向上できる。これは、ワークの研磨時の取り代を大幅に減らすという工程の省力化をもたらし、大幅にコストダウンすることに繋がる。その結果、焼入れ中のワークの寸法挙動を測定し、プレスクエンチの最適な条件を特定することができるプレスクエンチ装置を提供することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプレスクエンチ装置において、前記冷却手段が、冷却媒体に前記ワークを浸漬させることを特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のプレスクエンチ装置において、前記冷却手段が、冷却媒体を前記ワークに噴射することを特徴としている。
また、請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載のプレスクエンチ装置において、前記冷却媒体が、焼入れ油又は水溶性焼入れ水であることを特徴としている。
本発明によれば、焼入れ中のワークの寸法挙動を測定し、プレスクエンチの最適な条件を特定することができるプレスクエンチ装置を提供することができる。
本発明に係るプレスクエンチ装置の第1の実施形態における構成を示すブロック図である。 本発明に係るプレスクエンチ装置の第1の実施形態における構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明に係るプレスクエンチ装置の第1の実施形態において測定した焼入れ時のワークの経時的な寸法変化を示すグラフである。 本発明に係るプレスクエンチ装置の第2の実施形態における構成を示す概略図である。 本発明に係るプレスクエンチ装置の第3の実施形態における構成を示す概略図である。 本発明に係るプレスクエンチ装置の第4の実施形態における構成を示す概略図である。 従来の寸法測定装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明に係るプレスクエンチ装置の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るプレスクエンチ装置の第1の実施形態における構成を示すブロック図である。また、図2は、本発明に係るプレスクエンチ装置の第1の実施形態における構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。また、図3は、本発明に係るプレスクエンチ装置の第1の実施形態において測定した焼入れ時のワークの経時的な寸法変化を示すグラフである。
図1に示すように、本発明に係るプレスクエンチ装置1は、変位センサ13をそれぞれ備えた複数の寸法測定手段10と、演算手段20とを有する。
[測定手段]
寸法測定手段10は、図2(a),(b)に示すように、平板形状のブラケットBの底面Bbに、該底面Bbの下方に設置された台座50に設置されるワークWの中心軸Aを基準にして互いに対向するように複数(n対個、nは整数)設けられる。寸法測定手段10は、支持部材11と、測定子12と、変位センサ13と、軸体14と、弾性体15とを有する。
支持部材11は、ブラケットBの底面Bbに設置され、ブラケットBの下方に向かって延びるように設けられている。
軸体14は、ワークWの中心軸Aに向かうように支持部材11に複数取り付けられる。これらの軸体14,14には、支持部材11と同様にブラケットBの下方に向かって延びるように配置された1つの測定子12が、支持部材11と所定間隔を有して平行になるように取り付けられている。測定子12は、台座50に載置されたワークWの外周面Wに当接する。軸体14には、支持部材11及び測定子12が外れないように、支持部材11の外側及び測定子12の内側にストッパが形成されている。
変位センサ13は、先端部が常に測定子12に接触するように支持部材11に取り付けられている。この変位センサ13は、支持部材11に対して測定子12がどれだけ移動したかを測定する手段であり、その測定結果情報は図示しない情報転送ラインで演算手段20(図1参照)に接続されている。
弾性体15は、支持部材11に対して測定子12が軸体14に沿って常に付勢されるようにするための手段である。具体的には、支持部材11及び測定子12に付勢するように軸体14に巻回された巻きばねである。
一方、図2(b)に示すように、ワークWは、台座50の座面51上に載置される。台座50は、座面51と、ノズル52と、側壁53と、排出孔54とを有する。側壁53は、座面51の周囲を取り囲むように配設されている。側壁53は、その上端部が座面51の表面及び搬送路60の表面と面一になる位置から上方に摺動可能に設置される。座面51の周囲を取り囲む側壁53が上方に摺動することで、座面の表面及び側壁53の内面によって焼入れ槽(冷却手段)が形成される。側壁53が上方に摺動したときの高さは少なくとも座面51に載置されたワークWの高さよりも高く設定される。ノズル52は、冷却媒体を貯留した貯留槽などに連結され、座面51に対して側壁53が上方に摺動したことで形成される焼入れ槽に冷却媒体を充填する手段である。冷却媒体としては、焼入れ油や、水溶性焼入れ水が挙げられる。
ここで、座面51の表面(ワークWが載置される面)には、載置されたワークWの中心軸にほぼ同軸となる位置から放射状に溝55が形成されている。この溝55は、焼入れ槽に充填された冷却媒体をワークWの下面に接触させるために設けられる。また、座面51と側壁53との間には所定の距離で間隙が設けられており、この間隙が排出孔54を形成している。焼入れ槽から排出孔54を通って排出された冷却媒体は、前述の貯留槽にポンプなどによって循環されるようになっている。
[演算手段]
演算手段20は、受付手段21と、制御手段22と、寸法変化情報作成手段23と、データベース24と、出力手段25とを有する。
受付手段21は、各寸法測定手段10の変位センサ13に情報転送ラインで通信可能に接続されている。
制御手段22は、受付手段21によって各寸法測定手段10の変位センサ13から測定結果情報を受信したことを契機として、得られた測定結果情報を時間情報と共に寸法変化情報作成手段23に送信するように受付手段21に命令する手段である。また、寸法変化情報作成手段23によって得られた寸法変化情報をデータベース24に蓄積したり、出力手段24に対して外部に出力するように命令する手段である。
寸法変化情報作成手段23は、受付手段21によって受信した寸法測定手段10毎の測定結果情報を経時的な寸法変化の情報に演算する手段である。この寸法変化情報作成手段23によって得られる寸法変化情報は図3に示すとおりである。この寸法変化情報に顕れる経時的な寸法変化は、ワークWの材質、径、肉厚、幅、形状などで大きく異なる。この寸法変化情報から、ワーク寸法が極小点laを示すときの寸法を「最適金型寸法」と寸法変化情報作成手段23が特定し、極小点laのときの時間taを「最適金型挿入タイミング」と寸法変化情報作成手段23が特定し、ワーク寸法が所定時間安定したときの時間tbを「最適冷却時間」と寸法変化情報作成手段23が特定する。この「ワーク寸法が所定時間安定」とは、マルテンサイト変態が停止したとみなせる状態を指す。例えば、10秒間のサンプリング期間でのサンプリング平均変化率が寸法マスターの0.01%以下になった状態を指す。これは、焼き入れ油の温度制御の精度が±5℃であり、ワークと焼き入れ油との温度差が10℃のとき、ワークの寸法変化がワークの直径の0.01%程度となることが知られていることから、マルテンサイト変態による寸法変化の測定限界以下となるワークの直径の0.01%でマルテンサイト変態が停止したとみなすことができるからである。
ここで、サンプリング時間及びワークの直径寸法の変化量は、焼き入れ設備の焼き入れ温度制御の精度に依存している。焼き入れ工程でマルテンサイト変態が完了したときには、ワークにおける外周面及び内周面の全ての箇所の温度が焼き入れ油温度と等しくなっている。この時点でワークの寸法変化は焼き入れ設備の焼き入れ油の温度の制御精度によってのみ生じる。そのため、ワークの表面積及び体積を基にサンプリング期間とワークの直径寸法の変化量とを設定している。
すなわち、焼き入れが完了したとき、ワークと焼き入れ油との温度が一致し、マルテンサイト変態が進行しなくなり、ワークの温度変化は焼き入れ油の温度制御の制度の範囲に依存し、ワークの温度変化による寸法変化のみが生じる。そのため、前記サンプリング期間及びサンプリング平均変化率は、焼き入れ設備の焼き入れ油の温度制御の制度と、焼き入れ油の温度制御精度の範囲で生じるサンプリング平均変化率を元に決定される。
出力手段25は、制御手段22からの命令によって、データベース24に蓄積された寸法変化情報を読み出して、外部に接続された機器に出力する手段である。外部に接続された機器としては、例えば、データ処理端末や、ディスプレイなどの表示装置や、プリンタなどの出力装置が挙げられる。
このような構成を有する本実施形態のプレスクエンチ装置を用いた測定方法は、寸法変化装置1を用いてロットの最初のワークWで、焼入れ時の経時的な寸法変化を測定し、最適な焼入れ条件を求め、次のワークからは、求められた最適焼入れ条件を用いて焼入れが行われる。具体的には、下記(a)〜(i)の順で行われる。以下、図1及び図2を参照しながら説明する。
(a)寸法マスターをプレスクエンチ装置1の台座50に載置し、固定具(図示せず)による固定をした後、ワークWの中心軸のゼロ合わせを行う。ゼロ合わせを終了した後、寸法マスターを台座50から外す。
(b)測定対象であるワークWに対して加熱炉で所定温度(例えば、860℃)まで加熱を行う。
(c)加熱されたワークWをプレスクエンチ装置に搬送する。具体的には、台座50の側壁53の上面が座面51の表面及び搬送路60の表面と面一になるように側壁53を固定した状態で、搬送路60から側壁53の上面を経て座面51に、加熱されたワークWを搬送する。
(d)搬送完了後、側壁53を上方に摺動させ、焼入れ油(冷却媒体)をワークWの下方に位置するノズル52から吐出し、ワークWを焼入れ油で浸漬させる。なお、ワークWの焼入れはワークWの下部から行われるため、焼入れ油が完全にワークWを浸漬するまでにタイムラグがある。
(e)ある一定時間焼入れ油を吐出し、ワークWの焼入れを行う。
(f)(e)のワークWの焼入れの間、4つ(2対)の変位センサ13でサンプリングを行う。ワークWが収縮中、測定子12は弾性手段15の伸び力によってワークWに押し当てられ、ワークWの膨張中には、測定子12は、ワークWの膨張に伴い、弾性手段15は縮む。この伸び、及び縮み量を、測定子12を介して変位センサ13が検知し、各変位センサ13で寸法が求められる。
各寸法測定手段10の変位センサ13で得られた寸法変化情報が演算手段20(受付手段21)に送信される。
(g)各寸法測定手段10の変位センサ13から測定結果情報が、受付手段21から寸法変化情報作成手段23に送信される。
(h)寸法変化情報作成手段23が測定結果情報から寸法変化情報を作成する。このとき、作成された寸法変化情報から、「最適金型寸法」、「最適金型挿入タイミング」、及び「最適冷却時間」が特定され、寸法変化情報と共にデータベース24に蓄積される。
(i)出力手段25に接続された外部の機器からの要求に応じて、出力手段25から「寸法変化情報」、「最適金型寸法」、「最適金型挿入タイミング」、及び「最適冷却時間」が外部に接続された機器に出力される。
このように、本実施形態によれば、ワークWの焼入れ中の外周面の寸法変化(焼入れ開始から焼入れ完了までの寸法変化)から、「寸法変化情報」、「最適金型寸法」、「最適金型挿入タイミング」、及び「最適冷却時間」を特定することができる。その結果、プレスクエンチ技術の最適条件の設定が容易となり、研磨工程での取り代を削減できるという効果を奏する。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るプレスクエンチ装置は、ワークWを円錐軸受の外輪(内輪)としたことが前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成及び動作については説明を省略する。図3は、本発明に係るプレスクエンチ装置の第2の実施形態を示す概略図である。本実施形態のプレスクエンチ装置1は、円錐軸受の焼入れ中の外径寸法を経時的に測定することで研磨工程での取り代を削減できるという効果を奏する。
具体的には、図3に示すように、断面形状が台形形状であり、厚さが均一でない円錐軸受の外輪(内輪)をワークWとして焼入れする場合、厚さの不均一による熱収縮の差によって外周面に傾斜が生じる。これは、前述の実施形態のように、ワークWの下面から冷却媒体が吐出され、ワークWを浸漬する形態の焼入れ槽を用いている場合、ワークWの下側から焼入れが始まることにも起因する。
本実施形態のように、ワークWを円錐軸受の外輪(内輪)とした結果得られた寸法変化情報によって、ワークWの外周面が焼入れ中にどれだけ寸法変化するかがわかる。したがって、その寸法変化情報に基づいて、前工程である旋削工程で事前にワークWの外周面に傾斜を設け、焼入れ完了時に傾斜を抑制することが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るプレスクエンチ装置は、測定子がワークの内周面に付勢していることが前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成及び動作については説明を省略する。図5は、本発明に係るプレスクエンチ装置の第4の実施形態を示す概略図である。図5に示すように、本実施形態の寸法測定手段10は、前述の第1の実施形態と同様に、支持部材11と、測定子12と、変位センサ13と、軸体14と、弾性体15とを有する。
支持部材11は、ブラケットBの底面Bbに設置され、ブラケットBの下方に向かって延びるように設けられている。
軸体14は、ワークWの中心軸Aに向かうように支持部材11に複数取り付けられる。これらの軸体14,14には、支持部材11と同様にブラケットBの下方に向かって延びるように配置された1つの測定子12が、支持部材11と所定間隔を有して平行になるように取り付けられている。測定子12は、台座50に載置されたワークWの内周面Wに当接する。軸体14には、支持部材11及び測定子12が外れないように、支持部材11の外側及び測定子12の内側にストッパーが形成されている。
変位センサ13は、先端部が常に測定子12に接触するように支持部材11に取り付けられている。この変位センサ13は、支持部材11に対して測定子12がどれだけ移動したかを測定する手段であり、その測定結果情報は図示しない情報転送ラインで演算手段20(図1参照)に接続されている。
弾性体15は、支持部材11に対して測定子12が軸体14に沿って常に付勢されるようにするための手段である。具体的には、支持部材11及び測定子12に付勢するように軸体14に巻回された巻きばねである。
なお、台座50及び測定方法は、前述の第1の実施形態と同様である。
このように、本実施形態によれば、ワークWの焼入れ中の内周面の寸法変化(焼入れ開始から焼入れ完了までの寸法変化)から、「寸法変化情報」、「最適金型寸法」、「最適金型挿入タイミング」、及び「最適冷却時間」を特定することができる。その結果、プレスクエンチ技術の最適条件の設定が容易となり、研磨工程での取り代を削減できるという効果を奏する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るプレスクエンチ装置は、ワークの内径及び外径を焼入れ油の噴霧によって冷却する構成が前述の第1の実施形態と異なるだけであるので、第1の実施形態と同じ符号を付した同様の構成及び動作については説明を省略する。図6は、本発明に係るプレスクエンチ装置の第4の実施形態を示す概略図である。図6に示すように、前述の第1の実施形態においては、冷却媒体を充填し、ワークWを浸漬する焼入れ槽を「冷却手段」としたが、本実施形態のプレスクエンチ装置1では、冷却媒体をワークWに噴射する噴射装置70,80を設けた。噴射装置70は、ワークWの内周面に対して冷却媒体を噴射する噴射装置であり、噴射装置80は、ワークWの外周面に対して冷却媒体を噴射する噴射装置である。
このように、本実施形態によれば、ワークWを冷却媒体に浸漬させるのではなく、冷却媒体をワークWに噴射する噴射装置70,80を設けることで、ワークWの表面にほぼ同時に冷却媒体を噴射可能なため、ワークWの上部及び下部の冷却不均一による外径形状の傾斜の発生が緩和される、という効果を奏する。
以上、本発明に係るプレスクエンチ装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。例えば、プレスクエンチ装置に代えて、ワークの変形矯正を3つのローラに内接させて行うローリングクエンチ装置を適用してもよい。また、上述した各実施形態では、変位センサ(測定手段)を、ワークの周方向に対向する4箇所(2対)に配置しているが、変位センサ(測定手段)は、少なくとも2箇所(1対)配置されればよく、コストとのバランスを考慮して、2n箇所(n対)配置されればよい。また、ワークの外周面が円形状であれば、大きさ、材質、断面形状が異なっていてもよい。
1 プレスクエンチ装置
10 寸法測定手段
11 ブラケット
12 測定子
13 変位センサ
14 弾性体
20 演算手段
21 受付手段
22 制御手段
23 寸法変化情報作成手段
W ワーク

Claims (5)

  1. 加熱手段によって所定の温度に加熱された鋼製環状のワークを、冷却手段を用いて焼き入れし、焼き入れ中の前記ワークの外周面又は端面の少なくとも一方に矯正型を挿入して拘束し、焼き入れ時の前記ワークの変形を矯正するプレスクエンチ装置において、
    前記矯正型を前記ワークに挿入しない状態で前記ワークの焼き入れを行ったときの前記ワークの外径寸法又は内径寸法の経時的な変化を測定する前記寸法変化測定手段と、
    該寸法変化測定手段の測定結果に基づき、プレスクエンチにおける矯正型挿入タイミング、最適冷却時間、及び最適矯正型寸法を算出する演算手段とを有することを特徴とするプレスクエンチ装置。
  2. 前記寸法測定手段は、前記ワークの外周面又は内周面に対して前記ワークの径方向で接触する複数の測定子と、
    前記測定子に対して前記ワークの径方向に摺動して前記ワークの径方向の膨張又は収縮を検知する変位センサと、
    前記ワークの径方向の膨張又は収縮に追随するように前記測定子を前記ワークの外周面又は内周面に付勢させる弾性手段とを有し、
    前記ワークの周方向の対向する2n箇所(nは整数)に複数設置されたことを特徴とする請求項1に記載のプレスクエンチ装置。
  3. 前記冷却手段が、冷却媒体に前記ワークを浸漬させることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレスクエンチ装置。
  4. 前記冷却手段が、冷却媒体を前記ワークに噴射することを特徴とする請求項1又は2に記載のプレスクエンチ装置。
  5. 前記冷却媒体が、焼入れ油又は水溶性焼入れ水であることを特徴とする請求項3又は4に記載のプレスクエンチ装置。
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