JP2012121459A - 座席用スイッチ及びそれを備えた電動座席 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】座席用スイッチ1は、各座席2に共通に設けられ着座した使用者3が操作可能な操作スイッチ12を備え、操作スイッチ12ごとに設けられた操作部電極13を介して識別信号を使用者の身体に送出する送信回路15と、座席ごとに設けられた座席部電極14により識別信号を受信する受信回路16と、を備え、受信回路16による識別信号の受信に基づき、操作スイッチ12を操作した使用者が着座する座席を判別する。送信回路15が操作スイッチ12ごとに対応する識別信号を送出すれば、受信回路16により受信された識別信号に基づいて、操作された操作スイッチ12を判別することができる。
【選択図】図1
Description
しかし、座席の位置・姿勢、暖房等の操作の種類が増えるに伴って操作スイッチの数が増加し、座席ごとのすべての操作スイッチを限られた面積の操作パネル等に配列することが困難になった。従来、これに対処するため、座席の切替スイッチを備えた例がある。例えば、右座席と左座席との座席切替スイッチを別個に設け、左右座席に共通の操作については、1つの操作に1つの操作スイッチが設けられる。これを用いれば、座席ごとの操作は、対象の座席が座席切替スイッチを用いて予め選択されるため、座席ごとに必要であった操作スイッチの数を大幅に減らすことが可能である。
また、車両の隣り合う座席から操作可能なダイアル操作装置として、ダイアル操作部に対する各座席の位置に対応する形で、各々対応する座席からの操作が他の座席からの操作よりも容易となる位置に操作方向検出用補助操作部を設けた車両空調用ダイアル操作装置が開示されている(例えば特許文献1を参照。)。これによれば、操作ダイアルに触れた方向によって、その座席の使用者を対象とした空調の設定等の操作を行うことができる。
特許文献1に記載された操作方向を検出する補助操作部を設ける方法は、その補助操作部への使用者の触れ方によって座席の誤検知を生じるおそれがある。また、そのような誤検知を生じ難くするためには操作部を物理的に大きくする必要があり、多種の機能に対応した多数の操作スイッチを限られたスペースの操作パネルやセンターコンソール等に設けるには適さない。
本第2発明は、上記第1発明において、前記送信回路は前記操作スイッチごとに対応する前記識別信号を送出し、前記受信回路により受信された前記識別信号に基づき、操作された前記操作スイッチを判別することを要旨とする。
本第3発明は、少なくとも2つの座席に共通に設けられ各前記座席に着座した使用者が操作可能な1又は2以上の操作スイッチを備える座席用スイッチであって、前記座席ごとに設けられた座席部電極を介して、前記座席ごとに対応する識別信号を前記使用者の身体に送出する送信回路と、前記操作スイッチごとに設けられた操作部電極により前記使用者の身体を介して前記識別信号を受信する受信回路と、を備え、前記受信回路により受信された前記識別信号に基づき、前記操作スイッチを操作した前記使用者が着座する前記座席を判別することを要旨とする。
本第5発明は、上記第4発明において、前記座席部電極は、前記座席の座面の表面に備えられる導電布であることを要旨とする。
前記送信回路は前記操作スイッチごとに対応する前記識別信号を送出し、前記受信回路により受信された前記識別信号に基づき、操作されている前記操作スイッチを判別する場合は、受信された識別信号によって、複数の操作スイッチのうちのいずれが操作されているかを判別することができるため、当該操作スイッチに対応した動作をさせることが可能になる。
前記座席部電極は、前記座席の座面の表面に備えられる導電布である場合には、使用者と座席部電極との距離を短くして通信しやすくすることができる。また、使用者が着座したときに、座席部電極による違和感を生じないようにすることができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
座席の種類は特に問わず、例えば、自動車・列車等の車両や航空機等の座席、劇場、映画館、遊技場等の座席等を挙げることができる。とくに、狭い空間でスイッチ操作が必要な自動車等車両の座席を好例として挙げることができる。また、座席は、複数の使用者が個別に着座することができる座席の数が2つ以上であってもよいし、ベンチシートのように複数の使用者が着座できる座席が1体に形成されたものであってもよい。また、それらが組み合わされて備えられていてもよい。
このような各種操作を行うための操作スイッチを座席ごとに設けたのでは操作スイッチの数が増加してしまうため、各座席に共通の1つの操作スイッチとすることができる。その場合、1つの操作スイッチをどの座席に着座した使用者が操作したのかを判別する必要がある。
座席用スイッチ1(受信回路16)から、判別した操作スイッチの信号又は情報を外部のコントローラ8等に出力することによって、操作された操作スイッチに対応した動作をさせるように構成することができる。例えば、使用者により座席を移動させる操作がされた場合、コントローラ8はドライバ回路を介して当該使用者の座席を移動させるモータを駆動するように構成することができる。
操作部電極13は、導電性を有する素材で形成され、操作スイッチ12ごとに近接して設けられる。操作部電極13と操作スイッチ12は任意の形態で具備することができ、例えば、図4に示すような構造とすることができる。図4では、操作パネル11上に使用者3の手指が接触する操作スイッチ12が設けられており、その操作スイッチ12の直下に操作部電極13が配設されている。操作パネルの表面材11と操作スイッチ12とは、樹脂等の同一素材で一体に形成されていてもよい。また、操作部電極13を操作スイッチ12の外面に露出させ、使用者3の手指が操作部電極13に接触するように構成されてもよい。また、操作スイッチ12に導電性を備え、操作スイッチ12自身を操作部電極13としてもよい。
座席部電極14の配設場所や形態は適宜に選択することができる。例えば、座席部電極14を座席2の座面21や背面等に設けることができる。座面21は使用者3の身体と密着するため、図1及び図2に示されるように、座面21の表層部(座席(座席カバー)の表面材又はその下層)に座席部電極14を設けることが好ましい。これにより使用者3と座席部電極14との距離が短くなり、識別信号の受信を容易にすることができる。
座席部電極14として導電布を用いる場合、座席(座席カバー)の表面材又はその下層材の一部を導電布によって構成するようにすることができる。これによって、着座した使用者に座席部電極14による違和感を与えないようにすることができる。
操作スイッチ12を操作している使用者3、すなわち操作スイッチ12に触れている使用者3の身体を伝送路として識別信号が伝送されるため、当該使用者3が着座する座席の座席部電極14でのみ識別信号が受信され、他の座席の座席部電極14では識別信号が受信されないこととなる。受信回路16は各座席の座席部電極14と接続されているため、どの座席に設けられた座席部電極14で識別信号が受信されたかを容易に検知することができる。
受信回路16は、各座席に備えられた座席部電極14と接続されており、前記識別信号を検知し、使用者がどの操作スイッチに触れたか、及びどの座席に着席しているかを判別し、その結果を外部に出力可能な回路である。
ここで右側の座席2aに着座した使用者3が、操作スイッチ12を操作する(触れる)と、送信回路15によって生成された識別信号が操作部電極13を介して使用者3の身体に送出される。そして使用者3の身体が伝送路となり、識別信号は座席2a側の座席部電極14aを介して受信回路16で受信される。これにより受信回路16は右側座席2aに着座した使用者によって操作スイッチ12が操作されたことを検知する。この検知結果に基づいて、ECUは右側座席のモータ23aを駆動し、右側座席2aの姿勢を変化させることができる。
図6に示す回路図は、送信回路15を構成する送信部6の一例を表わす。送信部6は、n個の操作部電極13a〜13nと接続されている。この操作部電極は、n個の操作スイッチ12a〜12nにそれぞれ近接して設けられており、使用者がいずれかの操作スイッチに触れている間、当該操作スイッチ部の操作部電極から使用者の身体に識別信号が送出される。送信部6は、ビット列生成回路61、周波数f1の発振回路、周波数f2の発振回路、第1変調回路62、第2変調回路63a〜63n、及び出力回路64a〜64nを備えている。
ビット列生成回路61は、送信クロック信号(Clock)に基づいて、スタートビットsbと、n個のそれぞれ異なるビット列(iba〜ibn)を生成する。このビット列は、それぞれ操作スイッチ12a〜12nに対応した固有の情報ビット列である。ビット列生成回路61は、例えばカウンタ、シフトレジスタ等を用いて構成することができる。本例においては、簡単のため、スタートビットsbは最初(0番目)のクロックの期間のみ1となる信号であり、ビット列ibxはx番目(x=1〜n)のクロックの期間のみ1となる信号であるとする。このように生成されるビット列は、図8に示すsb、iba〜ibnのようになる。n番目のクロックの後は、一定の休止期間を置いて上記0番目のクロックから循環するとする。そうすると、1bitのスタートビットsbに引き続いて、順次1bitずつ1となるn個のビット列(iba〜ibn)が生成されて第2変調回路63a〜63nに並行して送られる。
出力回路64a〜64nは、第1高周波信号r1と各第2高周波信号r2a〜r2nとを合成(論理和)して信号r3a〜r3n(図8参照)を生成する回路である。信号r3a〜r3nは、それぞれ操作部電極13a〜13nに供給される。
ここで操作スイッチ12a〜12nのいずれか(例えば、操作スイッチ12aとする。)に使用者が手指を触れると、その操作スイッチに対応する操作部電極(13a)から当該使用者の身体に信号が送信される。操作部電極13a〜13nに常時繰り返して上記信号r3a〜r3nを供給しておくようにすれば、使用者が手指等で操作スイッチ(12x)に触れたときに、その操作スイッチ(12x)に固有の情報ビット列(ibx)に対応した信号(r3x)が使用者の身体に送出される。これが前記識別信号であり、操作スイッチごとに信号の構成が異なることとなる。
識別信号検出回路74aは、復調されたスタートビット及びビット列を復号する回路であり、ラッチ回路、デコーダ回路等を用いて構成することができる。具体的には、スタートビットsbによって初期化及び同期され、それに引き続くビット列を受信クロック(Clock)に基づいてデコードするようにすることができる。受信クロックは、送信部6で使用される送信クロックと同一速度とすればよい。
以上の送信部6及び受信部7によって、使用者によって触れられた操作スイッチ12xを判別することが可能である。また、操作スイッチ12xに触れている使用者が着座していない座席の座席部電極では識別信号が受信されないため、当該使用者が着座している座席を判別することができる。なお、使用者の誤操作や、識別信号の伝送誤りなどの判断及び処理は、適宜にすることができる。
また、座席用スイッチを備える電動座席を構成することができる。すなわち、操作スイッチとして電動座席に共通する動作をさせる操作スイッチが備えられており、前記座席用スイッチによる判別結果に基づいて、操作スイッチを操作した使用者が着座している座席に対して動作を行う電動座席とすることができる。これによって、スイッチ素子の数を減らことができる。また、使用者にとって分かり易い操作方法とすることが可能になる。また、使用者が操作スイッチに触れたときの通信により座席の識別が行われているため、操作対象となる座席を誤ることがない。このような電動座席の好適な用途として、自動車用の電動座席を挙げることができる。
また、操作パネルの場所も、例示した肘掛け及びセンターコンソールに限られず、前側座席の背もたれの裏側等に設けてもよいし、天井からぶら下げたりして設けてもよい。更に、座席用スイッチは、車両の後部座席に限られず、全部座席等に設けてもよい。このとき、操作パネルの場所は、ダッシュボード及びセンターコンソール等を挙げることができる。また、座席用スイッチの対象となる座席の数は特に問わず、3席以上であっても良い。
Claims (5)
- 少なくとも2つの座席に共通に設けられ各前記座席に着座した使用者が操作可能な1又は2以上の操作スイッチを備える座席用スイッチであって、
前記操作スイッチごとに設けられた操作部電極を介して識別信号を前記使用者の身体に送出する送信回路と、
前記座席ごとに設けられた座席部電極により前記使用者の身体を介して前記識別信号を受信する受信回路と、
を備え、
前記受信回路による前記識別信号の受信に基づき、前記操作スイッチを操作した前記使用者が着座する前記座席を判別することを特徴とする座席用スイッチ。 - 前記送信回路は前記操作スイッチごとに対応する前記識別信号を送出し、
前記受信回路により受信された前記識別信号に基づき、操作された前記操作スイッチを判別する請求項1記載の座席用スイッチ。 - 少なくとも2つの座席に共通に設けられ各前記座席に着座した使用者が操作可能な1又は2以上の操作スイッチを備える座席用スイッチであって、
前記座席ごとに設けられた座席部電極を介して、前記座席ごとに対応する識別信号を前記使用者の身体に送出する送信回路と、
前記操作スイッチごとに設けられた操作部電極により前記使用者の身体を介して前記識別信号を受信する受信回路と、
を備え、
前記受信回路により受信された前記識別信号に基づき、前記操作スイッチを操作した前記使用者が着座する前記座席を判別することを特徴とする座席用スイッチ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の座席用スイッチを備える電動座席であって、
前記操作スイッチは、前記電動座席に共通する動作をさせる操作スイッチを含み、
前記座席用スイッチによって判別された前記操作スイッチを操作した前記使用者が着座している前記座席に対して前記動作を行うことを特徴とする電動座席。 - 前記座席部電極は、前記座席の座面の表面に備えられる導電布である請求項4記載の電動座席。
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