JP5691878B2 - 客席用操作システム - Google Patents
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Description
例えば、飛行機の座席の遠隔操作装置として、座席の位置調節及びオーディオ/ビデオ機能のための操作ユニットを1つのハウジングにまとめた客席用操作装置の発明が知られている(特許文献1を参照)。この客席用操作装置は座席毎に備えられ、各操作に対応するスイッチが設けられている。そして、客席用操作装置と座席との間はケーブル又はワイヤレスで接続される。
操作パネル上の操作スイッチの数を減らし、省スペースで多数の操作機能を備えるために、左右座席の切替スイッチを設け、各座席に共通する機能については1つの操作スイッチとした例もある。しかし、座席切替スイッチを別個に設ける場合には、使用者は先ずそのスイッチにより自己の座席を選択し、然る後に所望の動作をさせるための操作スイッチを操作する、という2つの操作を行う必要がある。このため、使用者にとって煩わしく、座席の切替え操作を忘れたり誤ったりしたときには意図しない座席に対して動作が行われてしまうという問題がある。
また、車両等に搭載される入力装置を操作する使用者がどの座席に座っているのかを識別することができるユーザ識別システムが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
上記客席用操作装置は、ワイヤレスでも適用できるとされているが、光や電波を用いてワイヤレスとする場合には、遠隔操作装置を座席毎に対応させる必要がある。どの座席の遠隔操作装置が操作されたかを識別する必要があるからである。しかし、操作された座席が分かるようにするため、遠隔操作装置毎に固有のコードを与えるなど識別可能な手段を備えるのでは、すべての座席に対して同一の遠隔操作装置とすることができなくなるという問題がある。図15に示した操作装置2A〜2Cを同じものとすることができず、それらを回収した後には、再び元の座席9A〜9Cと対応するように戻さなければならないこととなり、煩雑である。
電波を空間に放射しない通信方法として所謂人体通信があり、特許文献2に開示されたユーザ識別システムは人体通信を利用している。このユーザ識別システムでは、座席毎に設けられた信号生成出力装置から座席を識別できる送信信号が使用者の身体に送出され、入力装置を操作する使用者の身体を介して送信信号が受信される。その受信結果に基づいて入力装置を操作する使用者の位置を識別することができ、入力装置はリモコンに適用できるとされている。
しかし、上記ユーザ識別システムでは座席毎に固有の送信信号を送信する必要があり、座席毎に異なる送信装置としなければならないという問題がある。また、入力装置をリモートコントローラとしようとすれば、入力装置は受信した座席識別情報と入力された操作情報を、操作対象装置に対して無線通信等によって更に送信する必要がある。そのための通信手段をリモートコントローラに備えなければならないためシステムが複雑になり、図15に例示したような多数の座席にリモートコントローラを備えるシステムには、適用することが困難である。
以上に挙げた問題は、操作装置が座席毎のリモートコントローラとして備えられている場合だけでなく、複数の座席に共通の操作装置が備えられたり、センターコンソールに操作装置が設けられたりする場合も同様である。また、飛行機や列車、バス等の客席だけでなく、乗用車の座席についても同様である。
本第2発明は、上記第1発明において、前記制御部は、隣り合う前記座席の前記受信機により同時に受信された前記操作信号から同一の前記識別コードを読み取った場合には、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが最も高かった前記座席のみに前記制御信号を出力することを要旨とする。
本第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記送信機は前記識別コードに誤り検査符号を付加し、前記制御部は前記識別コードを誤りなく受信した場合のみに前記制御信号を出力することを要旨とする。
本第4発明は、上記第1乃至第3発明において、前記送信機は、異なる前記識別コードが割り当てられた2以上の前記操作部と、該操作部毎に前記操作信号を前記使用者の身体に送出する送信電極と、を備えることを要旨とする。
本第5発明は、上記第1乃至第4発明において、前記受信機は、導電布を用いた受信電極を前記座席の表層に備えることを要旨とする。
そして、受信される操作信号の受信レベルを検出するレベル検出手段を備え、制御部は、受信された操作信号の受信レベルが所定の閾値以上であった場合のみに制御信号を出力するため、操作者の身体が隣り合う座席に座っている別の使用者の身体と触れていた場合にも、操作者の座席を正確に判定することができる。
また、送信機はワイヤレスであるため回収及び再配設が容易であり、しかも同じ送信機を座席毎に備えれば済むため、送信機を配設するときに座席との対応を考慮する必要がない。これによって、消毒やメンテナンスの際に送信機の回収及び再設置を短時間にすることができ、手間も大幅に減らすことができる。
更に、前記所定の閾値以上である第2閾値が設定され、前記制御部は、受信された操作信号の受信レベルが第2閾値以上であったときには、当該操作信号を受信したすべての座席について制御信号を出力するため、複数の使用者が同時にそれぞれ送信機を操作した場合であっても、それぞれの操作者の座席を判定し、それぞれの操作に対応した動作をさせることが可能になる。
本客席用操作システムは、操作者の身体を通信路として使用するため、電磁波を周囲に放射することがなく、周囲の電子機器の動作に妨害を及ぼすことがない。また、電波や配線を使用する信号伝送に比べて、はるかに簡単な構成とすることができる。
前記送信機は識別コードに誤り検査符号を付加し、前記制御部は識別コードを誤りなく受信したときのみに制御信号を出力する場合は、複数の使用者が同時に送信機を操作したときに生じる競合による誤判定を確実に防止することができる。
前記受信機は、導電布を用いた受信電極を前記座席の表層に備える場合は、使用者と受信電極との距離を短くして通信しやすくすることができる。また、使用者が着座したときに、受信電極による違和感を生じないようにすることができる。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明の客席用操作システムは、複数の座席が並んで設けられ、座席毎に着座した使用者が設定や調整をすることができる各種座席用装置が備えられた客席等において、好適に使用することができる。客席の場所や用途等は特に問わず、例えば、飛行機、列車、自動車等の乗物の座席(図15参照)や、劇場、映画館、遊技場等の座席が挙げられる。
各座席に備えられる上記座席用装置も特に限定されず、例えば、座席の位置や姿勢の調整装置(モータ等)、オーディオ/ビジュアル装置、照明灯、空調/暖房装置等が挙げられる。
本客席用操作システムは、各座席に着座した使用者毎に操作可能な、又は複数の使用者が共通に操作可能な送信機を備え、送信機には1又は2以上の操作部が設けられている。使用者は、その操作部に触れることによって操作を行うことができる。操作とは、使用者が送信機の操作部に触れることによって、着座した座席に対応した座席用装置のオン・オフ、調整、切替等の指示を行うことをいう。本客席用操作システムは、どの座席に着座した使用者によってどの操作がされたかを識別可能な操作入力装置として用いることができる。
なお、図面及び以下の説明において、同様の部品や機能等を座席毎に示す場合には参照符号にA、B、C等を付し、特に区別する必要がない場合は省略する。
送信された操作信号は、当該使用者8の身体を介して、受信機5により受信される。また、客席用操作システム1は、受信機5毎に受信される操作信号の受信レベルを制御部7により検出するためのレベル検出手段6(6A、6B、6C)を備えている。制御部7は、受信された操作信号とその受信レベルにより、どの使用者8が送信機2のどの操作部に触れたのかを判定するように構成されている。そして、制御部7から各座席に対応した制御信号S(SA、SB、SC)を出力するように構成することができる。
なお、図2には、座席用装置の例として、座席の姿勢等を調整するためのモータM、使用者に映像等を見せるためのビジュアル装置96を示す。これら座席用装置は、制御部7から出力される座席毎の制御信号Sにより、例えば、インターフェース部90を介してそれぞれ作動されるように構成することができる。
送信機2を複数備える場合には、同じ(構成、機能等が同一の)送信機2を使用することができる。すなわち、上記送信機2A、2B及び2Cは同様の送信機とすることができ、送信機2毎に識別コード等を備える必要はない。
操作部3の数や形状、構造等は特に限定されない。操作部3は操作対象とする座席用装置に応じて設けられればよい。例えば、1つの操作部3に使用者8が触れたときには、その座席用に設けられたビジュアル装置96の電源をオンとし、別の操作部3に使用者8が触れたときには、座席9の背もたれをリクライニングさせるというようにすることができる。
操作部3の構造は、例えば、送信機2の上面に樹脂製シートで構成した操作パネル部を設け、その表面の一部を凹凸形状や印刷等で区画することによって構成することができる。また、操作部毎に個別の部材が使用されてもよい。
図3に、送信機2に設けられる操作部3及び送信電極31の構成例を示す。送信機2の表面に使用者8が手指で触れるための操作部3(3a、3b、…3n)が設けられ、各操作部3の直下に近接して送信電極31(31a、31b、…31n)が備えられている。
各送信電極31には、送信回路4が接続されている。送信回路4は、操作部3毎に前記識別コードを含む操作信号を生成する回路であり、その操作信号は操作部3に接触した使用者8の手指に送信電極31から送出される。送出された操作信号は、使用者8の身体を伝送路81として伝送される。
また、送信機2は、識別コードにパリティ符号等の誤り検査符号を付して送信するように構成することができる。
受信電極51は導電性を有する材料で形成される。受信電極51は使用者8の身体から操作信号を受信可能であればよく、形状や材質、構造等は問わない。受信電極51として、例えば、シート状又は板状、網状等に形成された金属が使用されてもよいし、導電布等が使用されてもよい。導電布としては、ステンレス線やカーボン繊維、メッキ繊維等の導電性繊維を適宜に織り込んだ織布等が挙げられる。
受信電極51として導電布を用いる場合、座席(座席カバー)の表面材又はその下層材の一部を導電布によって構成するようにすることができる。これによって、着座した使用者に受信電極51による違和感を与えないようにすることができる。
レベル検出手段6は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれによって構成されてもよい。例えば、上記検出点における操作信号の振幅値を受信レベルV(VA、VB、VC)として読み取り可能にするレベル検出回路(61)と、その受信レベルVを読み取る制御部7のプログラムとによって構成することができる。また、レベル検出回路61として、受信レベルVを所定の閾値(第1閾値、第2閾値等)と比較する比較回路を備えてもよい。
また、制御部7は、レベル検出手段6により受信レベルVを取得し、受信レベルVと識別コードに基づいて、操作者8が着座している座席及び操作者8が操作している操作部3を判別する判別部を備える。更に、制御部7は、操作がされた操作部3の信号又は情報を、当該座席に対応する制御信号Sとして外部に出力する出力部を備えて構成することができる。
制御部7は、マイクロプロセッサ等と周辺回路によって構成することができる。上記判別処理やその制御処理は、プログラムにより構成することができる。
次に、図1に示したような3つの座席が並んで設けられている場合を例として、客席用操作システムの動作について説明する。座席数が2の場合も4以上である場合も、同様である。
図4は、図1に示した3つの座席を上から見た模式図である。座席9(9A、9B、9C)には、それぞれ、同じ送信機2(2A、2B、2C)が備えられおり、図示しない使用者8(8A、8B、8C)が座っているものとする。また、各座席9の座面部に受信電極51(51A、51B、51C)が配設されており、各受信電極に接続された受信機5(5A、5B、5C)から受信された操作信号R(RA、RB、RC)が制御部7に送られる。また、制御部7は、レベル検出手段6(6A、6B、6C)により、受信された操作信号Rの受信レベルV(VA、VB、VC)を取得する。
しかし、隣り合う座席に座った使用者の身体が接触していたり、2人以上の使用者がそれぞれ同時に操作を行ったりした場合には、上記判定等が困難となる場合がある。例えば、使用者8Bが送信機2Bを操作したとき、操作者8Bと隣の8Aとの身体が触れていれば、図示するように操作信号が隣の8Aの身体81BAに伝播(分流)し、受信電極51Aでも受信されてしまう。
図5(a)は、使用者8Bのみが送信機2Bの操作部3(識別コード「q」)を操作し、使用者8A、8B及び8Cそれぞれの身体は接触していない場合を表わす。受信機5Bにより操作信号RBが受信され、その他の受信機により操作信号(RA、RB)は受信されない。このような場合には、制御部7は、座席9Bに着座した使用者9Bにより操作が行われたと明確に判定することができる。
図5(b)は、使用者8Bが送信機2Bを上記同様に操作し、使用者8Aの身体と8Bの身体とが接触している場合を表わす。この場合、送信機2Bから使用者8Bの身体に送出された操作信号は、接触部を介して使用者8Aの身体にも伝播する。この結果、受信機5Bにより受信される操作信号RBの受信レベルが、使用者8Aと接触していないときに比べて低下するとともに、使用者8Aの身体を介して受信機5Aにより操作信号RAが受信される。
両者の接触によりどの程度の分流が生じるかは、接触の部位や状態によって差異がある。例えば、両者が衣服を介して接触している場合と、肌が接触している場合とでは、操作信号RB及び操作信号RAの受信レベルは異なる。通常は、操作信号RAの受信レベルVAは操作信号RBの受信レベルVBよりも大幅に低い。
図5(d)は、使用者8Bと8Aによって(c)の場合と同様の操作が同時にされ、使用者8Aと8Bとが接触している場合を表わす。そうすると、受信機5Bにより、送信機2B及び2Aから送出された操作信号がほぼ同時に受信されることとなる。受信機5A側においても同様である。各使用者が操作する送信機2Bと2Aに備えられている送信回路4は相互に非同期で動作しているため、送信機2Bからの操作信号の送出と、送信機2Bからの操作信号の送出とが重なる時期にされた場合には、双方の信号が競合し、受信機5B側においても受信機5A側においても正常に操作信号は受信されないこととなる。こうした場合、制御部7では、誤り検査符号により伝送誤りを検出し、誤りのある操作信号の受信を無効とすることによって、誤った判定を防止することができる。
(1)判定方法1
制御部7は、レベル検出手段6により検出した操作信号Rの受信レベルVが所定の閾値(第1閾値という。)V1以上であった場合のみに、その操作信号Rに基づいて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。すなわち、操作信号Rの受信レベルVが第1閾値V1より低い場合には、当該操作信号Rを無効なものとして捨て、当該操作信号Rに基づく制御信号Sの出力を行わないようにすることができる。
したがって、各受信機により受信された操作信号Rの受信レベルが適宜定めた第1閾値V1以上である場合のみ、当該操作信号Rを有効として処理することによって、操作者が座っている座席及び識別コードを判別するようにすることができる。
また、図6(b)は、操作者8Bの身体に隣接者8A及び8Cの身体が接触している場合である。送信機2Bから操作者8Bの身体に送出された操作信号は、操作者8Bに接触している隣接者8A及び8Cの身体に伝播するため、隣り合う座席に設けられた受信機5A及び5Cにもそれぞれ操作信号RA及びRCが受信される。しかし、操作信号RA及びRCの受信レベルは大幅に低くなるため、上記同様に、受信レベルが第1閾値V1より低い操作信号RA及びRCは無効な信号として捨てることができる。
上記の第1閾値V1は、使用者間の接触がないときに受信される操作信号の受信レベルに対して、例えば20%〜50%程度の範囲の値とすることができる。
制御部7は、レベル検出手段6により検出した操作信号Rの受信レベルVが所定の閾値(第2閾値という。)V2以上であった場合には、当該操作信号Rに基づいて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。このようにすれば、複数の座席の受信機によって同時に操作信号Rが受信された場合、第2閾値V2以上である操作信号Rはすべて有効なものとして、座席及び識別コードの判別を行うことができる。この第2閾値V2は、前記第1閾値V1以上の値とすることができる。
図7(a)は、座席9Bに座った使用者8Bが送信機2B上の操作部3を操作すると同時に、座席9Aに座った使用者8Aが送信機2Bを操作し、操作者8Aと8Bとは接触していない場合を表わす。そうすると、受信機5Bにより操作信号RBが受信され、受信機5Aにより操作信号RAが受信されることとなる。操作信号RB及びRAの受信レベルはいずれも高いため、適宜に第2閾値V2を定めておくことによって、第2閾値V2以上である操作信号RB及びRAはいずれも有効なものとして処理することができる。すなわち、制御部7は、座席9Bに着座した操作者8Bにより操作が行われ、同時に座席9Aに着座した操作者8Aにより別の操作が行われたと判定することができる。
制御部7は、隣り合う座席に設けられた複数の受信機5により同時に操作信号Rを受信し、その操作信号Rから同一の識別コードを読み取った場合には、受信レベルVが最も高かった操作信号Rを用いて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。
図8(a)は、図6(a)に示した場合と同様に、座席9Bに座った使用者8Bが送信機2B上の操作部3(識別コード「q」)を操作したとき、操作者8Bの身体に隣接者8Aの身体が接触している場合を示している。前記の同様、座席9Bに設けられた受信機5Bにより、識別コードqを含む操作信号RBが受信され、座席9Aに設けられた受信機5Aにも識別コードqを含む操作信号RAが受信される。このとき、操作信号RBの受信レベルは、操作信号RAの受信レベルよりも高くなる。このため、操作信号RB及びRAから同一の識別コードqを読み取った場合にはその受信レベルを比較し、受信レベルがより高かった操作信号RBに基づいて座席を判定するようにすることができる。
同時に3以上の操作信号Rを受信した場合も同様である。例えば、座席9Aに座った使用者8Aが送信機2A上の操作部3(識別コード「p」)を操作したとき、その操作者8Aの身体に隣接者8Bの身体が接触しており、更に隣接者8Bとその隣接者8Cの身体が接触している場合、図8(b)に示すように識別コードpを含む操作信号Rが各座席の受信機5により受信され得る。このような場合、各座席で受信された操作信号Rの受信レベルを比較して、受信レベルが最高であった操作信号RAに基づいて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。
客席用操作システム1の判定方法は、以上に述べた判定方法1〜3を適宜に選択し又は組み合わせて用いることができる。その他、これらを種々変形した判定方法とすることができる。
以上の判定方法を用いた客席用操作システム1の制御処理例を、図9及び10のフローチャートに示す。本例は、座席数が3つ(9A、9B、9C)の場合の処理であるが、座席数に応じた処理とすることができる。この制御処理は、主として制御部7により行うことができる。
図9は、客席用操作システム1の全体の処理の流れを示し、図10は操作信号Rを受信したときの座席毎の処理の例である。図9に示す制御処理の流れは、各座席について操作信号Rを受信したかどうかを順次調べ、次いで受信のあった座席毎に判定処理を行っている。制御の流れはこれに限定されず、任意に設計可能である。
次に、座席9A、9B、9Cの順に、それぞれ操作信号Rを受信したかどうかを検査する(S2、S3、S4)。操作信号Rを受信したとは、操作信号Rを誤りなく受信したこととする。伝送誤り等の検出及び処理は、適宜にすることができる。
そして、座席9Aで操作信号RAを受信した場合には、その操作信号RAの受信レベルVA、及び操作信号RAをデコードして得た識別コードdAを記憶し、受信フラグFAを「1」にセットする(S20)。座席9B及び9Cについても同様である(S30、S40)。受信レベルV及び識別コードdは、メモリ上に一時記憶してもよいし、ハードウェアにより記憶されている場合には省略することができる。
以上の処理を、連続して又は適宜のタイミングで、ステップS1から繰り返し実行するようにすることができる。
先ず、前記記憶された操作信号RAの受信レベルVAを取得し、所定の第1閾値V1以上であるかどうかを判断する(S510)。そして、受信レベルVAが第1閾値V1より低ければ、この操作信号RAを無効として、何もしないで処理を終了する。この処理は前記判定方法1に相当する。
そして、本座席9Aと同一の識別コードdが他の座席で受信されていなかった場合には、本座席9Aの操作信号RAを有効なものと判定し、座席9Aについて識別コードdAに基づいて制御を行う(S540)。
一方、本座席9Aと同一の識別コードdが他の座席で受信されていた場合には、本座席9Aで受信された操作信号RAの受信レベルVAと、他の座席で受信された操作信号Rの受信レベルVとを比較する(S531)。本座席9Aに座った使用者と他の座席に座った使用者とが接触している可能性があるためである。そして、他の座席の受信レベルVと比較して本座席9Aの受信レベルVAが最大でない場合には、この操作信号RAを無効として、何もしないで処理を終了する。一方、他の座席の受信レベルVと比較して本座席9Aの受信レベルVAが最大である場合には、本座席9Aの操作信号RAを有効なものと判定し、操作信号RAに基づき座席9Aについて制御を行う(S540)。ステップS530及びS531の処理は、前記判定方法3に相当する。
次に、図11〜図14を参照しつつ、前記送信機2及び受信部の具体的な構成例及びその動作を説明する。本例では、前記識別コードを所定の長さのビット列により構成し、そのビット列毎の同期用に1ビットのスタートビットを用いている。また、前記操作信号は、2つの周波数の搬送波をASK変調して生成される。
上記のように生成されるビット列は、図12に示すsb、ca〜cnのようになる。この送信後、一定の休止期間を置いて上記0番目のクロックから循環するようにする。ビット列ca〜cnは、それぞれ第2変調回路43a〜43nに並行して送られる。
出力回路44a〜44nは、第1高周波信号sb1と各第2高周波信号ca2〜cn2とを合成(論理和)して、操作信号Ta〜Tnを生成する回路である。操作信号Ta〜Tnは、それぞれ送信電極31a〜31nに供給される。
操作信号の伝送速度は特に限定されず、例えば、数十bps〜数十kbpsとすることができる。また、搬送波の周波数も特に限定されず、数MHz〜数十MHzの範囲の一定周波数(例えば、f1=4MHz、f2=5MHz)とすることができる。
図13に示すように、上記受信部は、座席毎に設けられた受信電極51、受信電極51毎に接続された受信機5、及び各受信機5と接続された制御部7を備えている。各受信機5は、それぞれの座席9に着座している操作者8の身体から、各受信電極51を介して前記操作信号を受信する。そして、各増幅回路52により増幅等を行い、受信した操作信号Rを制御部7に出力する。
上記レベル検出手段6の構成により、制御部7は、座席9毎に設けられた受信電極51によって受信された操作信号Rの受信レベルVを読み込むことができる。
制御部7は、CPU(マイクロプロセッサ)71、第1検波回路72B、第2検波回路73B、読出タイミング生成回路74B及びデコード回路75Bを備えて構成されている。受信機5Bの出力である操作信号RBは、第1検波回路72B及び第2検波回路73Bに接続されている。また、CPU71は、前記レベル検出手段6Bにより受信レベルVBを読み取り可能に構成されている。
読出タイミング生成回路74Bは、復調されたスタートビットsbのタイミングに同期させ、送信回路4で使用される送信クロック信号tckと同一速度の読取タイミング信号rckを生成する。そして、デコード回路75Bは、読取タイミング信号rckに基づいて、復調されたビット列cxを読み取る。そして、読み取った識別コードbCBをCPU71に出力する。なお、デコード回路75Bに、伝送誤りの検査回路を備えることができる。
Claims (5)
- 少なくとも2つの座席に共通に又は座席毎に備えられる同じ1又は2以上の送信機であって、該送信機に具備されている操作部に使用者が触れたときに当該操作部に対応する識別コードを含む操作信号を当該使用者の身体に送出する送信機と、
前記座席毎に設けられ、前記使用者の身体を介して前記操作信号を受信する受信機と、
前記受信機毎に受信される前記操作信号の受信レベルを検出するレベル検出手段と、
前記受信機により前記操作信号が受信されたとき、該操作信号に含まれる前記識別コードを読み取り、当該受信機の設けられた前記座席について当該識別コードに対応する制御信号を出力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが所定の閾値以上であった場合のみに前記制御信号を出力し、
前記所定の閾値以上である第2閾値が設定され、
前記制御部は、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが前記第2閾値以上であった場合には、当該操作信号を受信したすべての前記座席について前記制御信号を出力することを特徴とする客席用操作システム。 - 前記制御部は、隣り合う前記座席の前記受信機により同時に受信された前記操作信号から同一の前記識別コードを読み取った場合には、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが最も高かった前記座席のみに前記制御信号を出力する請求項1記載の客席用操作システム。
- 前記送信機は前記識別コードに誤り検査符号を付加し、
前記制御部は前記識別コードを誤りなく受信した場合のみに前記制御信号を出力する請求項1又は2記載の客席用操作システム。 - 前記送信機は、異なる前記識別コードが割り当てられた2以上の前記操作部と、該操作部毎に前記操作信号を前記使用者の身体に送出する送信電極と、を備える請求項1乃至3のいずれかに記載の客席用操作システム。
- 前記受信機は、導電布を用いた受信電極を前記座席の表層に備える請求項1乃至4のいずれかに記載の客席用操作システム。
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