JP5691878B2 - 客席用操作システム - Google Patents

客席用操作システム Download PDF

Info

Publication number
JP5691878B2
JP5691878B2 JP2011139864A JP2011139864A JP5691878B2 JP 5691878 B2 JP5691878 B2 JP 5691878B2 JP 2011139864 A JP2011139864 A JP 2011139864A JP 2011139864 A JP2011139864 A JP 2011139864A JP 5691878 B2 JP5691878 B2 JP 5691878B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
operation signal
user
signal
received
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011139864A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013006490A (ja
Inventor
山田 浩司
浩司 山田
純孝 嶋
純孝 嶋
秀樹 宇野
秀樹 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2011139864A priority Critical patent/JP5691878B2/ja
Publication of JP2013006490A publication Critical patent/JP2013006490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5691878B2 publication Critical patent/JP5691878B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、客席用操作システムに関し、詳しくは、2以上の座席に備えられた送信機の操作を人体通信によって伝え、いずれの座席からどの操作がされかを判別することができる客席用操作システムに関する。
飛行機、列車、自動車等では、座席の位置や姿勢、オーディオ/ビデオ、照明、空調、暖房等を調整可能とした座席が用いられている。そして、座席毎にこれらを電気的に制御することができ、そのための操作スイッチ等が座席毎に設けられている場合も多い。また、座席に座った使用者がそれらを操作するためのリモートコントローラが備えられる場合もある。
例えば、飛行機の座席の遠隔操作装置として、座席の位置調節及びオーディオ/ビデオ機能のための操作ユニットを1つのハウジングにまとめた客席用操作装置の発明が知られている(特許文献1を参照)。この客席用操作装置は座席毎に備えられ、各操作に対応するスイッチが設けられている。そして、客席用操作装置と座席との間はケーブル又はワイヤレスで接続される。
また、自動車においても、乗員がその座席の位置や姿勢、照明、空調、暖房等を電気的に調整可能とした座席は広く用いられている。複数の座席が並んで設けられている場合には、狭い空間を有効利用するため、座席毎の各種操作スイッチをまとめた操作パネルが設けられる場合もある。例えば、自動車の後部座席ではそのような操作パネルが座席間の肘掛けに設けられたり、センターコンソールとして設けられたりする。こうした場合、左右の各座席用に備えられた各種操作スイッチが各座席の使用者によって操作されることとなるので、操作する使用者がどの座席に座っているのかを判別する必要がある。
操作パネル上の操作スイッチの数を減らし、省スペースで多数の操作機能を備えるために、左右座席の切替スイッチを設け、各座席に共通する機能については1つの操作スイッチとした例もある。しかし、座席切替スイッチを別個に設ける場合には、使用者は先ずそのスイッチにより自己の座席を選択し、然る後に所望の動作をさせるための操作スイッチを操作する、という2つの操作を行う必要がある。このため、使用者にとって煩わしく、座席の切替え操作を忘れたり誤ったりしたときには意図しない座席に対して動作が行われてしまうという問題がある。
また、車両等に搭載される入力装置を操作する使用者がどの座席に座っているのかを識別することができるユーザ識別システムが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特表2004−533367号公報 特開2009−154689号公報
飛行機や列車、自動車等の乗物の客席では、多数の座席が並んで配設される。例えば、図15は、乗物の客室フロア90の座席配置を例示する模式図であり、1列毎に6つの座席A〜Fが通路を挟んで設けられている。1つのN列A番の座席を座席9のように表わすと、本例では3席9〜9が左右に隣接して配設されており、座席毎に操作装置2〜2が備えられている。各座席に着座した使用者は、その操作装置に備えられた操作スイッチを操作することによって、自席9の姿勢やビジュアル装置96等を調整することができるようにされている。
上記のような客席毎の操作のために、特許文献1に記載された客席用操作装置を使用することができる。しかし、この客席用操作装置では、遠隔操作装置と座席との間がケーブルによって接続される。そのため、使用者の利便性に欠けるという問題がある。また、遠隔操作装置の消毒やメンテナンスを行う際には、遠隔操作装置の取り外し及び取り付けに時間と手間がかかるという問題がある。特に飛行機等の乗物では消毒等のための回収が頻繁に行われるので、時間のロスや負担が大きい。
上記客席用操作装置は、ワイヤレスでも適用できるとされているが、光や電波を用いてワイヤレスとする場合には、遠隔操作装置を座席毎に対応させる必要がある。どの座席の遠隔操作装置が操作されたかを識別する必要があるからである。しかし、操作された座席が分かるようにするため、遠隔操作装置毎に固有のコードを与えるなど識別可能な手段を備えるのでは、すべての座席に対して同一の遠隔操作装置とすることができなくなるという問題がある。図15に示した操作装置2〜2を同じものとすることができず、それらを回収した後には、再び元の座席9〜9と対応するように戻さなければならないこととなり、煩雑である。
また、電波を利用して遠隔操作を行う場合には、空間に電磁波を放射することとなり、周囲の電子機器の動作に妨害を与えるという問題が生じる。このため、特に飛行機や自動車等においては、装置は周囲空間に電磁妨害波を放射しないことが求められる。
電波を空間に放射しない通信方法として所謂人体通信があり、特許文献2に開示されたユーザ識別システムは人体通信を利用している。このユーザ識別システムでは、座席毎に設けられた信号生成出力装置から座席を識別できる送信信号が使用者の身体に送出され、入力装置を操作する使用者の身体を介して送信信号が受信される。その受信結果に基づいて入力装置を操作する使用者の位置を識別することができ、入力装置はリモコンに適用できるとされている。
しかし、上記ユーザ識別システムでは座席毎に固有の送信信号を送信する必要があり、座席毎に異なる送信装置としなければならないという問題がある。また、入力装置をリモートコントローラとしようとすれば、入力装置は受信した座席識別情報と入力された操作情報を、操作対象装置に対して無線通信等によって更に送信する必要がある。そのための通信手段をリモートコントローラに備えなければならないためシステムが複雑になり、図15に例示したような多数の座席にリモートコントローラを備えるシステムには、適用することが困難である。
人体通信を利用すれば、操作装置を操作する使用者の身体を伝送路として信号を伝送するため、使用者毎に操作情報を伝達することは可能になる。しかし、人体通信を図15に例示したような客席で用いると、隣り合う座席に座った使用者の身体が接触している状態で一方の使用者が操作すると他方の使用者の身体にも信号が伝播してしまい、いずれの使用者が操作したか識別できず誤作動してしまうという問題がある。
以上に挙げた問題は、操作装置が座席毎のリモートコントローラとして備えられている場合だけでなく、複数の座席に共通の操作装置が備えられたり、センターコンソールに操作装置が設けられたりする場合も同様である。また、飛行機や列車、バス等の客席だけでなく、乗用車の座席についても同様である。
本発明は、前記現状に鑑みてなされたものであり、並んで設けられた複数の座席に備えられる送信機の操作を人体通信によって伝え、いずれの座席からどの操作がされたかを正確に判定することができる客席用操作システムを提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本第1発明の客席用操作システムは、少なくとも2つの座席に共通に又は座席毎に備えられる同じ1又は2以上の送信機であって、該送信機に具備されている操作部に使用者が触れたときに当該操作部に対応する識別コードを含む操作信号を当該使用者の身体に送出する送信機と、前記座席毎に設けられ、前記使用者の身体を介して前記操作信号を受信する受信機と、前記受信機毎に受信される前記操作信号の受信レベルを検出するレベル検出手段と、前記受信機により前記操作信号が受信されたとき、該操作信号に含まれる前記識別コードを読み取り、当該受信機の設けられた前記座席について当該識別コードに対応する制御信号を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが所定の閾値以上であった場合のみに前記制御信号を出力し、前記所定の閾値以上である第2閾値が設定され、前記制御部は、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが前記第2閾値以上であった場合には、当該操作信号を受信したすべての前記座席について前記制御信号を出力することを要旨とする。
本第2発明は、上記第1発明において、前記制御部は、隣り合う前記座席の前記受信機により同時に受信された前記操作信号から同一の前記識別コードを読み取った場合には、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが最も高かった前記座席のみに前記制御信号を出力することを要旨とする。
本第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記送信機は前記識別コードに誤り検査符号を付加し、前記制御部は前記識別コードを誤りなく受信した場合のみに前記制御信号を出力することを要旨とする。
本第4発明は、上記第1乃至第3発明において、前記送信機は、異なる前記識別コードが割り当てられた2以上の前記操作部と、該操作部毎に前記操作信号を前記使用者の身体に送出する送信電極と、を備えることを要旨とする。
本第発明は、上記第1乃至第発明において、前記受信機は、導電布を用いた受信電極を前記座席の表層に備えることを要旨とする。
本第1発明の客席用操作システムによれば、少なくとも2つの座席に設けられる同じ1又は2以上の送信機であって、操作部に使用者が触れたときに識別コードを含む操作信号を使用者の身体に送出する送信機と、座席毎に設けられ、使用者の身体を介して操作信号を受信する受信機と、操作信号に含まれる識別コードを読み取り、当該座席について当該識別コードに対応する制御信号を出力する制御部と、を備えるため、操作信号を受信した受信機により操作している使用者が座っている座席を判定することができ、識別コードにより操作された操作部(操作スイッチ)を識別することができる。そして、その座席について制御信号が出力されるので、当該座席に対して当該操作スイッチに対応した動作をさせることが可能になる。これによって、送信機を操作した使用者(以下、送信機を操作する使用者を「操作者」ともいう。)が座っている座席に対してのみ、リクライニング等の電動座席の調整や、その座席用の空調、オーディオ・ビジュアル装置、空調、照明等、各種装置の調整を行うことができる。
そして、受信される操作信号の受信レベルを検出するレベル検出手段を備え、制御部は、受信された操作信号の受信レベルが所定の閾値以上であった場合のみに制御信号を出力するため、操作者の身体が隣り合う座席に座っている別の使用者の身体と触れていた場合にも、操作者の座席を正確に判定することができる。
また、送信機はワイヤレスであるため回収及び再配設が容易であり、しかも同じ送信機を座席毎に備えれば済むため、送信機を配設するときに座席との対応を考慮する必要がない。これによって、消毒やメンテナンスの際に送信機の回収及び再設置を短時間にすることができ、手間も大幅に減らすことができる。
更に、前記所定の閾値以上である第2閾値が設定され、前記制御部は、受信された操作信号の受信レベルが第2閾値以上であったときには、当該操作信号を受信したすべての座席について制御信号を出力するため、複数の使用者が同時にそれぞれ送信機を操作した場合であっても、それぞれの操作者の座席を判定し、それぞれの操作に対応した動作をさせることが可能になる。
本客席用操作システムは、操作者の身体を通信路として使用するため、電磁波を周囲に放射することがなく、周囲の電子機器の動作に妨害を及ぼすことがない。また、電波や配線を使用する信号伝送に比べて、はるかに簡単な構成とすることができる。
前記制御部は、隣り合う座席の受信機により同時に受信された操作信号から同一の識別コードを読み取ったときには、受信された操作信号の受信レベルが最も高かった前記座席のみに制御信号を出力する場合は、操作者の身体が隣りの座席に座っている使用者の身体と触れていたり、複数の隣り合う使用者同士が接触していたりした状態であっても、操作者の座席をより正確に判定することができる。
前記送信機は識別コードに誤り検査符号を付加し、前記制御部は識別コードを誤りなく受信したときのみに制御信号を出力する場合は、複数の使用者が同時に送信機を操作したときに生じる競合による誤判定を確実に防止することができる。
前記送信機は、異なる識別コードが割り当てられた2以上の操作部と、該操作部毎に操作信号を使用者の身体に送出する送信電極と、を備える場合は、多数の操作スイッチを備えた送信機を簡単な構成により実現することができる。
前記受信機は、導電布を用いた受信電極を前記座席の表層に備える場合は、使用者と受信電極との距離を短くして通信しやすくすることができる。また、使用者が着座したときに、受信電極による違和感を生じないようにすることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述によって更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
本実施形態に係る客席用操作システムの構成を表わす模式的なブロック図である。 1つの座席を側面から見た客席用操作システムの模式的なブロック図である。 客席用操作システムに用いられる送信機の構成を表わす模式図である。 図1の客席用操作システムを上方から見た模式図である。 座席毎に設けられた受信機によって受信される操作信号の受信レベルを説明するためのグラフである。 座席毎に受信される操作信号の受信レベルと閾値の関係を説明するためのグラフである。 座席毎に受信される操作信号の受信レベルと第2閾値の関係を説明するためのグラフである。 隣り合う座席の使用者同士が接触している状態で、1人の使用者が送信機の操作を行った場合の受信レベルを説明するためのグラフである。 客席用操作システム全体の制御方法の例を説明するためのフローチャートである。 客席用操作システムの座席毎の処理の例を説明するためのフローチャートである。 送信機の具体的な構成例を示すブロック図である。 図11の送信機の動作を説明するためのタイミングチャートである。 受信部の具体的な構成例を示すブロック図である。 図13の受信部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 乗物の一般的な座席配置を表わす模式図である。
以下、図1〜15を参照しながら本発明の座席用スイッチを詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
1.客席用操作システムの構成
本発明の客席用操作システムは、複数の座席が並んで設けられ、座席毎に着座した使用者が設定や調整をすることができる各種座席用装置が備えられた客席等において、好適に使用することができる。客席の場所や用途等は特に問わず、例えば、飛行機、列車、自動車等の乗物の座席(図15参照)や、劇場、映画館、遊技場等の座席が挙げられる。
各座席に備えられる上記座席用装置も特に限定されず、例えば、座席の位置や姿勢の調整装置(モータ等)、オーディオ/ビジュアル装置、照明灯、空調/暖房装置等が挙げられる。
本客席用操作システムは、各座席に着座した使用者毎に操作可能な、又は複数の使用者が共通に操作可能な送信機を備え、送信機には1又は2以上の操作部が設けられている。使用者は、その操作部に触れることによって操作を行うことができる。操作とは、使用者が送信機の操作部に触れることによって、着座した座席に対応した座席用装置のオン・オフ、調整、切替等の指示を行うことをいう。本客席用操作システムは、どの座席に着座した使用者によってどの操作がされたかを識別可能な操作入力装置として用いることができる。
図1及び図2に、本実施形態に係る客席用操作システム1の構成を示す。図1は、3つの座席9が左右に並んで設けられている場合を表わしている。図2は、1つの座席9について側面視した模式図である。座席数は2以上であればよく、使用者が個別に着座することができる座席が複数あってもよいし、ベンチシートのように複数の使用者が着座できる座席が1体に形成されたものであってもよい。
なお、図面及び以下の説明において、同様の部品や機能等を座席毎に示す場合には参照符号にA、B、C等を付し、特に区別する必要がない場合は省略する。
図1では、各座席9(9、9、9)にそれぞれ使用者8(8、8、8)が着座している。客席用操作システム1は、座席9毎に配された送信機2(2、2、2)、座席9毎に設けられた受信機5(5、5、5)、及び制御部7を備えている。送信機2は、座席9に着座した使用者8により操作がされたときに、その操作部位から当該使用者8の身体に操作信号を送出する。
送信された操作信号は、当該使用者8の身体を介して、受信機5により受信される。また、客席用操作システム1は、受信機5毎に受信される操作信号の受信レベルを制御部7により検出するためのレベル検出手段6(6、6、6)を備えている。制御部7は、受信された操作信号とその受信レベルにより、どの使用者8が送信機2のどの操作部に触れたのかを判定するように構成されている。そして、制御部7から各座席に対応した制御信号S(S、S、S)を出力するように構成することができる。
なお、図2には、座席用装置の例として、座席の姿勢等を調整するためのモータM、使用者に映像等を見せるためのビジュアル装置96を示す。これら座席用装置は、制御部7から出力される座席毎の制御信号Sにより、例えば、インターフェース部90を介してそれぞれ作動されるように構成することができる。
前記送信機2はワイヤレスであるため、様々な形態で備えることができる。例えば、リモートコントローラとして座席9とは分離されていてもよいし、座席9に対して着脱可能とされてもよい。また、肘掛93など座席9の一部に組込まれていてもよい。その他、送信機2は、座席間やセンターコンソール、壁面、天井等に組込まれていてもよい。いずれの形態であっても、送信機2の数は問わず、送信機2が1つの座席に1つ備えられてもよいし、複数の座席に共通に1つ備えられてもよい。
送信機2を複数備える場合には、同じ(構成、機能等が同一の)送信機2を使用することができる。すなわち、上記送信機2、2及び2は同様の送信機とすることができ、送信機2毎に識別コード等を備える必要はない。
送信機2には、1又は2以上の操作部3が備えられる。例えば、図2中(a)は送信機2を上面視した模式図であり、多数の操作部3が設けられている。操作部3は使用者が触れる操作エレメントであり、操作部3毎に異なる識別コードが与えられる。識別コードの構成は問わない。識別コードは、操作部3毎に異なるビット列信号、異なる継続時間の信号、異なるパルス数の信号等として、送信機2から送信することができる。
操作部3の数や形状、構造等は特に限定されない。操作部3は操作対象とする座席用装置に応じて設けられればよい。例えば、1つの操作部3に使用者8が触れたときには、その座席用に設けられたビジュアル装置96の電源をオンとし、別の操作部3に使用者8が触れたときには、座席9の背もたれをリクライニングさせるというようにすることができる。
操作部3の構造は、例えば、送信機2の上面に樹脂製シートで構成した操作パネル部を設け、その表面の一部を凹凸形状や印刷等で区画することによって構成することができる。また、操作部毎に個別の部材が使用されてもよい。
操作部3毎に、操作部3に触れた使用者8の身体に操作信号を送出するための送信電極31が備えられる。送信電極31は金属等導電性を有する素材で形成され、任意の形態で具備することができる。例えば、送信電極31を操作部3に近接して設けることができる。また、操作部3の外面に露出させ、使用者8の手指が送信電極31に接触するように構成されてもよい。また、操作部3を導電性の材料で形成し、操作部3自身を送信電極31としてもよい。
図3に、送信機2に設けられる操作部3及び送信電極31の構成例を示す。送信機2の表面に使用者8が手指で触れるための操作部3(3a、3b、…3n)が設けられ、各操作部3の直下に近接して送信電極31(31a、31b、…31n)が備えられている。
各送信電極31には、送信回路4が接続されている。送信回路4は、操作部3毎に前記識別コードを含む操作信号を生成する回路であり、その操作信号は操作部3に接触した使用者8の手指に送信電極31から送出される。送出された操作信号は、使用者8の身体を伝送路81として伝送される。
上記のとおり、送信機2は、操作部3に使用者8が触れたとき、操作信号を当該使用者8の身体に送出するように構成されている。この操作信号は、使用者8が触れた操作部3の識別コードを含んでいる。操作信号は、識別コードを伝えることができ、使用者8の身体を介した人体通信可能な信号である限り、構成や通信方式等は問わない。人体通信に好適な出力、周波数等の信号とすることができる。例えば、操作信号を、識別コードにより搬送波を変調した信号とすることができる。変調方式は、パルス変調や振幅偏移変調、位相偏移変調、周波数偏移変調等を適宜に用いることができる。
また、送信機2は、識別コードにパリティ符号等の誤り検査符号を付して送信するように構成することができる。
図1に示したように、座席9毎に受信機5が備えられる。受信機5は、受信電極51を備えており、送信機2から使用者8の身体に送出された操作信号の受信回路である。受信された操作信号R(R、R、R)は、制御部7に送られる。
受信電極51は導電性を有する材料で形成される。受信電極51は使用者8の身体から操作信号を受信可能であればよく、形状や材質、構造等は問わない。受信電極51として、例えば、シート状又は板状、網状等に形成された金属が使用されてもよいし、導電布等が使用されてもよい。導電布としては、ステンレス線やカーボン繊維、メッキ繊維等の導電性繊維を適宜に織り込んだ織布等が挙げられる。
受信電極14の配設場所や形態も適宜に選択することができる。例えば、受信電極51を座席9の座面91や背もたれ92等の表層部に設けることができる。座面91は着座した使用者8の身体と密着するため、座面91の表面の直下に受信電極51を設けることが好ましい(図1及び図2参照)。それにより使用者8と受信電極51との距離が短くなり、操作信号の受信を容易にすることができる。また、座席以外でも使用者が着座しているときに触れている場所に受信電極51が設けられてもよい。
受信電極51として導電布を用いる場合、座席(座席カバー)の表面材又はその下層材の一部を導電布によって構成するようにすることができる。これによって、着座した使用者に受信電極51による違和感を与えないようにすることができる。
送信電極31と受信電極51との間は、着座した使用者(操作者)8の身体を伝送路81として前記操作信号が伝送される。送信電極31及び受信電極51と操作者8の身体とは、電磁誘導等による結合、電界変化、電流等の作用によって操作信号を送受信することが可能である。操作者8の身体を伝送路として操作信号が伝送されるため、操作者8の身体が他の座席に座っている使用者の身体と接触していなければ、操作信号は操作者8が着座している座席9に設けられた受信機5でのみ受信され、他の座席の受信機5では受信されないこととなる。制御部7は、座席毎の受信機5と接続されているため、どの座席に設けられた受信機5で操作信号が受信されたかによって、操作者8が着座している座席を知ることができる。
前記レベル検出手段6は、座席9毎に受信機5により受信される操作信号Rの受信レベルを検出する手段である。受信レベルとは、受信される操作信号の振幅の大きさであり、信号の電圧、電流、電力等により検出することができる。受信レベルは、受信機回路中の任意の検出点において検出されればよい。
レベル検出手段6は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれによって構成されてもよい。例えば、上記検出点における操作信号の振幅値を受信レベルV(V、V、V)として読み取り可能にするレベル検出回路(61)と、その受信レベルVを読み取る制御部7のプログラムとによって構成することができる。また、レベル検出回路61として、受信レベルVを所定の閾値(第1閾値、第2閾値等)と比較する比較回路を備えてもよい。
前記制御部7は、各座席に設けられた受信機5と接続されており、受信された操作信号Rに含まれている識別コードを取得するように構成される。具体的には、変調された操作信号Rの復調部、識別コードを読み取るデコーダ部、伝送誤り検出部等を備えて構成することができる。
また、制御部7は、レベル検出手段6により受信レベルVを取得し、受信レベルVと識別コードに基づいて、操作者8が着座している座席及び操作者8が操作している操作部3を判別する判別部を備える。更に、制御部7は、操作がされた操作部3の信号又は情報を、当該座席に対応する制御信号Sとして外部に出力する出力部を備えて構成することができる。
制御部7は、マイクロプロセッサ等と周辺回路によって構成することができる。上記判別処理やその制御処理は、プログラムにより構成することができる。
客席用操作システム1(制御部7)から出力される制御信号Sは、直接に又はインターフェース部90等を介して、座席用装置に接続することができる。インターフェース部90は、座席用装置に制御信号Sに対応した動作をさせる制御回路である。例えば、操作者により座席をリクライニングさせる操作がされたとき、ドライバ回路を介して当該座席をリクライニングさせるモータMを駆動するように構成することができる。制御部7に座席用装置の制御機能を備え、座席用装置のアクチュエータ等を直接駆動するように構成してもよい。
2.客席用操作システムの動作
次に、図1に示したような3つの座席が並んで設けられている場合を例として、客席用操作システムの動作について説明する。座席数が2の場合も4以上である場合も、同様である。
図4は、図1に示した3つの座席を上から見た模式図である。座席9(9、9、9)には、それぞれ、同じ送信機2(2、2、2)が備えられおり、図示しない使用者8(8、8、8)が座っているものとする。また、各座席9の座面部に受信電極51(51、51、51)が配設されており、各受信電極に接続された受信機5(5、5、5)から受信された操作信号R(R、R、R)が制御部7に送られる。また、制御部7は、レベル検出手段6(6、6、6C)により、受信された操作信号Rの受信レベルV(V、V、V)を取得する。
ここで、例えば、使用者8が送信機2に備えられている複数の操作部3のいずれかに手指を触れると、当該操作部3に対応する識別コード(例えば「q」)を含む操作信号が送信機2から操作者8の身体に送出される。この操作信号は、操作者8の身体が伝送路81となり、受信電極51を介して受信機5により受信される。受信された操作信号Rは、受信機5から制御部7に送られる。操作者8による操作信号は他の座席に設けられた受信機5及び5では受信されないので、各席の送信機2が同じであっても、制御部7は、座席9に着座した操作者9により操作が行われたと判定することができる。また、制御部7は、受信された操作信号Rに含まれている識別コードを読み取ることによって、送信機2上のどの操作部3が操作されたかを判別することができる。
しかし、隣り合う座席に座った使用者の身体が接触していたり、2人以上の使用者がそれぞれ同時に操作を行ったりした場合には、上記判定等が困難となる場合がある。例えば、使用者8が送信機2を操作したとき、操作者8と隣の8との身体が触れていれば、図示するように操作信号が隣の8の身体81BAに伝播(分流)し、受信電極51でも受信されてしまう。
図5は、上記各座席において受信される操作信号R、R及びRの受信の状態を表わしている。図の縦軸は、操作信号Rの受信レベルVを示す(任意単位)。図6〜8についても同様である。
図5(a)は、使用者8のみが送信機2の操作部3(識別コード「q」)を操作し、使用者8、8及び8それぞれの身体は接触していない場合を表わす。受信機5により操作信号Rが受信され、その他の受信機により操作信号(R、R)は受信されない。このような場合には、制御部7は、座席9に着座した使用者9により操作が行われたと明確に判定することができる。
図5(b)は、使用者8が送信機2を上記同様に操作し、使用者8の身体と8の身体とが接触している場合を表わす。この場合、送信機2から使用者8の身体に送出された操作信号は、接触部を介して使用者8の身体にも伝播する。この結果、受信機5により受信される操作信号Rの受信レベルが、使用者8と接触していないときに比べて低下するとともに、使用者8の身体を介して受信機5により操作信号Rが受信される。
両者の接触によりどの程度の分流が生じるかは、接触の部位や状態によって差異がある。例えば、両者が衣服を介して接触している場合と、肌が接触している場合とでは、操作信号R及び操作信号Rの受信レベルは異なる。通常は、操作信号Rの受信レベルVは操作信号Rの受信レベルVよりも大幅に低い。
図5(c)は、使用者8が送信機2を操作(識別コード「q」)すると同時に、使用者8が送信機2を操作(識別コード「p」)し、使用者8と8とは接触していない場合を表わす。そうすると、受信機5により操作信号Rが受信され、受信機5により操作信号Rが受信されることとなる。このような場合にも、制御部7は、座席9に着座した使用者9により操作が行われ、同時に座席9に着座した使用者9により別の操作が行われたと明確に判定することができる。
図5(d)は、使用者8と8によって(c)の場合と同様の操作が同時にされ、使用者8と8とが接触している場合を表わす。そうすると、受信機5により、送信機2及び2から送出された操作信号がほぼ同時に受信されることとなる。受信機5側においても同様である。各使用者が操作する送信機2と2に備えられている送信回路4は相互に非同期で動作しているため、送信機2からの操作信号の送出と、送信機2からの操作信号の送出とが重なる時期にされた場合には、双方の信号が競合し、受信機5側においても受信機5側においても正常に操作信号は受信されないこととなる。こうした場合、制御部7では、誤り検査符号により伝送誤りを検出し、誤りのある操作信号の受信を無効とすることによって、誤った判定を防止することができる。
上記のように、操作者8とその隣りの使用者8の身体が接触している場合があるため、制御部7は以下のような判定方法を用いて、操作者がどの座席に着座しているかを正確に判定することが可能になる。
(1)判定方法1
制御部7は、レベル検出手段6により検出した操作信号Rの受信レベルVが所定の閾値(第1閾値という。)V1以上であった場合のみに、その操作信号Rに基づいて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。すなわち、操作信号Rの受信レベルVが第1閾値V1より低い場合には、当該操作信号Rを無効なものとして捨て、当該操作信号Rに基づく制御信号Sの出力を行わないようにすることができる。
図6は、座席9に座った使用者8が送信機2上の操作部3(識別コード「q」)を操作した場合を表わしている。図6(a)は、操作者8の身体に隣りの使用者(隣接者)8の身体が接触している場合である。この場合、座席9に設けられた受信機5により、識別コードqを含む操作信号Rが受信される。また、送信機2から送出された操作信号は操作者8の身体から隣接者8の身体にも伝播するため、座席9に設けられた受信機5にも識別コードqを含む操作信号Rが受信される。前記のとおり、通常は操作信号Rの受信レベルVは操作信号Rの受信レベルVよりも大幅に低い。
したがって、各受信機により受信された操作信号Rの受信レベルが適宜定めた第1閾値V1以上である場合のみ、当該操作信号Rを有効として処理することによって、操作者が座っている座席及び識別コードを判別するようにすることができる。
図6(a)に挙げた例では、操作信号Rの受信レベルは第1閾値V1以上であるため、座席9に座った操作者8が操作を行っているものと判定することができる。一方、操作信号Rの受信レベルは第1閾値V1未満であるため、仮に誤りなく受信された場合であっても、無効な信号として捨てることができる。
また、図6(b)は、操作者8の身体に隣接者8及び8の身体が接触している場合である。送信機2から操作者8の身体に送出された操作信号は、操作者8に接触している隣接者8及び8の身体に伝播するため、隣り合う座席に設けられた受信機5及び5にもそれぞれ操作信号R及びRが受信される。しかし、操作信号R及びRの受信レベルは大幅に低くなるため、上記同様に、受信レベルが第1閾値V1より低い操作信号R及びRは無効な信号として捨てることができる。
上記の第1閾値V1は、使用者間の接触がないときに受信される操作信号の受信レベルに対して、例えば20%〜50%程度の範囲の値とすることができる。
(2)判定方法2
制御部7は、レベル検出手段6により検出した操作信号Rの受信レベルVが所定の閾値(第2閾値という。)V2以上であった場合には、当該操作信号Rに基づいて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。このようにすれば、複数の座席の受信機によって同時に操作信号Rが受信された場合、第2閾値V2以上である操作信号Rはすべて有効なものとして、座席及び識別コードの判別を行うことができる。この第2閾値V2は、前記第1閾値V1以上の値とすることができる。
図7(a)は、座席9に座った使用者8が送信機2上の操作部3を操作すると同時に、座席9に座った使用者8が送信機2を操作し、操作者8と8とは接触していない場合を表わす。そうすると、受信機5により操作信号Rが受信され、受信機5により操作信号Rが受信されることとなる。操作信号R及びRの受信レベルはいずれも高いため、適宜に第2閾値V2を定めておくことによって、第2閾値V2以上である操作信号R及びRはいずれも有効なものとして処理することができる。すなわち、制御部7は、座席9に着座した操作者8により操作が行われ、同時に座席9に着座した操作者8により別の操作が行われたと判定することができる。
図7(b)及び(c)は、座席9に座った使用者8が送信機2上の操作部3を操作したときの受信状態を示す。同図(b)は操作者8が隣接者と接触していない場合であり、受信される操作信号Rの受信レベルは第2閾値V2以上となる。一方、同図(c)は操作者8が隣接者8と接触している場合であり、受信される操作信号Rの受信レベルが低下する。このため、接触がない場合には操作信号Rの受信レベルが第2閾値V2以上となり、接触がある場合には操作信号Rの受信レベルが第2閾値V2よりも低くなるような値に、第2閾値V2を設定することが好ましい。第2閾値V2は、使用者間の接触がないときに受信される操作信号Rの受信レベルに対して、例えば50%〜80%程度の範囲の値とすることができる。
この第2閾値V2と前記第1閾値V1とを用いて、判定を行ってもよい。すなわち、受信レベルVが第2閾値V2以上で受信された操作信号Rはすべて有効であり、且つ受信レベルVが第1閾値V1未満で受信された操作信号Rはすべて無効であるとして、有効な操作信号Rについて座席及び識別コードの判別を行うようにすることができる。これにより、判定をより正確にすることができる。
(3)判定方法3
制御部7は、隣り合う座席に設けられた複数の受信機5により同時に操作信号Rを受信し、その操作信号Rから同一の識別コードを読み取った場合には、受信レベルVが最も高かった操作信号Rを用いて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。
図8(a)は、図6(a)に示した場合と同様に、座席9に座った使用者8が送信機2上の操作部3(識別コード「q」)を操作したとき、操作者8の身体に隣接者8の身体が接触している場合を示している。前記の同様、座席9に設けられた受信機5により、識別コードqを含む操作信号Rが受信され、座席9に設けられた受信機5にも識別コードqを含む操作信号Rが受信される。このとき、操作信号Rの受信レベルは、操作信号Rの受信レベルよりも高くなる。このため、操作信号R及びRから同一の識別コードqを読み取った場合にはその受信レベルを比較し、受信レベルがより高かった操作信号Rに基づいて座席を判定するようにすることができる。
同時に3以上の操作信号Rを受信した場合も同様である。例えば、座席9に座った使用者8が送信機2上の操作部3(識別コード「p」)を操作したとき、その操作者8の身体に隣接者8の身体が接触しており、更に隣接者8とその隣接者8の身体が接触している場合、図8(b)に示すように識別コードpを含む操作信号Rが各座席の受信機5により受信され得る。このような場合、各座席で受信された操作信号Rの受信レベルを比較して、受信レベルが最高であった操作信号Rに基づいて座席及び識別コードを判別するようにすることができる。
上記受信レベルの比較は、前記判定方法1及び2の少なくとも1つと組み合わせてもよい。例えば、受信レベルVが第2閾値V2以上である操作信号Rはすべて有効とし、且つ受信レベルVが第1閾値V1よりも低い操作信号Rは無効とする。更に、受信レベルVが第1閾値V1以上且つ第2閾値V2未満であり、同一の識別コードを含んでいる場合には、それらの受信レベルVを比較して、受信レベルVが最も高かった操作信号Rに基づいて座席及び識別コードの判別を行うようにすることができる。図8(c)に示す場合には、操作信号R及びRがいずれも第1閾値V1以上且つ第2閾値V2未満であるため、両者を比較して受信レベルの高い操作信号Rに基づいて判別を行うことができる。
客席用操作システム1の判定方法は、以上に述べた判定方法1〜3を適宜に選択し又は組み合わせて用いることができる。その他、これらを種々変形した判定方法とすることができる。
3.客席用操作システムの制御方法
以上の判定方法を用いた客席用操作システム1の制御処理例を、図9及び10のフローチャートに示す。本例は、座席数が3つ(9、9、9)の場合の処理であるが、座席数に応じた処理とすることができる。この制御処理は、主として制御部7により行うことができる。
図9は、客席用操作システム1の全体の処理の流れを示し、図10は操作信号Rを受信したときの座席毎の処理の例である。図9に示す制御処理の流れは、各座席について操作信号Rを受信したかどうかを順次調べ、次いで受信のあった座席毎に判定処理を行っている。制御の流れはこれに限定されず、任意に設計可能である。
最初に、座席9毎の操作信号Rの受信の有無を伝達するための受信フラグF(F、F、F)をメモリ等に設け、すべて「0」にリセットしておく(S1)。
次に、座席9、9、9の順に、それぞれ操作信号Rを受信したかどうかを検査する(S2、S3、S4)。操作信号Rを受信したとは、操作信号Rを誤りなく受信したこととする。伝送誤り等の検出及び処理は、適宜にすることができる。
そして、座席9で操作信号Rを受信した場合には、その操作信号Rの受信レベルV、及び操作信号Rをデコードして得た識別コードdを記憶し、受信フラグFを「1」にセットする(S20)。座席9及び9についても同様である(S30、S40)。受信レベルV及び識別コードdは、メモリ上に一時記憶してもよいし、ハードウェアにより記憶されている場合には省略することができる。
次に、上記において受信フラグFがセットされている場合には、当該座席について判定処理を行うようにする(S5、S6、S7)。例えば、座席9で操作信号Rが受信されている場合(受信フラグF=1)には、その座席9の判定処理を行う(S50)。座席9及び9についても同様である(S60、S70)。
以上の処理を、連続して又は適宜のタイミングで、ステップS1から繰り返し実行するようにすることができる。
図10は、座席9において操作信号Rが受信された場合の判定処理(S50)の例を表わしている。座席9及び9(S60及びS70)についても同様である。本例では、前記判定方法1〜3を組み合わせて判定を行う。
先ず、前記記憶された操作信号Rの受信レベルVを取得し、所定の第1閾値V1以上であるかどうかを判断する(S510)。そして、受信レベルVが第1閾値V1より低ければ、この操作信号Rを無効として、何もしないで処理を終了する。この処理は前記判定方法1に相当する。
ステップS510において受信レベルVが第1閾値V1以上であった場合には、受信レベルVが所定の第2閾値V2以上であるかどうかを判断する(S520)。そして、所定の第2閾値V2以上である場合には、この操作信号Rを有効なものと判定する。すなわち、座席Aについて識別コードdに基づいて制御を行う(S540)。この処理は前記判定方法2に相当する。
ステップS520において受信レベルVが第2閾値V2よりも低かった場合には、他の座席(9、9)で、座席9で受信された識別コードdと同一の識別コードを含む操作信号が受信されているかどうかを判断する(S530)。具体的には、前記記憶された識別コードdと、座席9及び9において操作信号Rが受信されていれば当該座席で受信された識別コードdと、を比較する。比較対象を、他の座席で受信され、その受信レベルVが第1閾値V1以上且つ第2閾値V2未満である場合に限ってもよい。
そして、本座席9と同一の識別コードdが他の座席で受信されていなかった場合には、本座席9の操作信号Rを有効なものと判定し、座席9について識別コードdに基づいて制御を行う(S540)。
一方、本座席9と同一の識別コードdが他の座席で受信されていた場合には、本座席9で受信された操作信号Rの受信レベルVと、他の座席で受信された操作信号Rの受信レベルVとを比較する(S531)。本座席9に座った使用者と他の座席に座った使用者とが接触している可能性があるためである。そして、他の座席の受信レベルVと比較して本座席9の受信レベルVが最大でない場合には、この操作信号Rを無効として、何もしないで処理を終了する。一方、他の座席の受信レベルVと比較して本座席9の受信レベルVが最大である場合には、本座席9の操作信号Rを有効なものと判定し、操作信号Rに基づき座席9について制御を行う(S540)。ステップS530及びS531の処理は、前記判定方法3に相当する。
以上のステップにおいて、本座席9の操作信号Rを有効なものと判断した場合には、座席9について識別コードdに基づいて制御を行う(S540)。具体的には、操作信号Rに含まれていた識別コードd即ち使用者が操作した操作部3に対応付けられている制御処理を行うことができる。この制御処理は任意の内容とすることができる。例えば、識別コードdに対応するスイッチ信号を制御信号Sとして外部に出力する。
以上の構成、動作及び制御により、本客席用操作システムは、各座席に同一構成及び同一機能の送信機を備えることができ、並んだ座席に座った使用者同士が接触している場合にも、送信機を操作している使用者が着座する座席を正確に判定し、且つ操作された操作部を正確に識別することができる。
4.具体例
次に、図11〜図14を参照しつつ、前記送信機2及び受信部の具体的な構成例及びその動作を説明する。本例では、前記識別コードを所定の長さのビット列により構成し、そのビット列毎の同期用に1ビットのスタートビットを用いている。また、前記操作信号は、2つの周波数の搬送波をASK変調して生成される。
図11は本例の送信機2の構成を示し、図12はその送信機2のタイミングチャートである。送信機2は、複数の操作部3a〜3n、その操作部毎に設けられる送信電極31a〜31n、及び送信回路4を備えている。各送信電極31は送信回路4と接続されている。使用者8がいずれかの操作部3に触れている間、当該操作部3に対応する送信電極31から操作者8の身体に識別コードを含む操作信号Tが送出される。送信回路4は、ビット列生成回路41、周波数f1の発振回路421、周波数f2の発振回路431、第1変調回路42、第2変調回路43a〜43n、及び出力回路44a〜44nを備えている。
ビット列生成回路41は、送信クロック発生回路411により生成される送信クロック信号tckに同期して、スタートビットsbと、それぞれ異なるビット列ca〜cnを生成する。ビット列ca〜cnは、それぞれ操作部3a〜3nに対応した固有の情報(識別コード)を表わすビット列である。このビット列生成回路41は、カウンタやシフトレジスタ等を用いて構成することができる。スタートビットsbは最初(0番目)の送信クロックの期間のみ「1」となる信号であり、引き続き順次1bitずつシフトして「1」となるビット列ca〜cnが生成される。なお、ビット列生成回路41は、ビット列ca〜cnに図示しない誤り検査符号を付すようにすることができる。
上記のように生成されるビット列は、図12に示すsb、ca〜cnのようになる。この送信後、一定の休止期間を置いて上記0番目のクロックから循環するようにする。ビット列ca〜cnは、それぞれ第2変調回路43a〜43nに並行して送られる。
第1変調回路42は、搬送波となる周波数f1の信号をスタートビットsbによって振幅偏移変調(ASK)して、第1高周波信号sb1を生成する回路である。また、第2変調回路43a〜43nは、搬送波となる周波数f2の信号をビット列ca〜cnによってそれぞれ振幅偏移変調して、第2高周波信号ca2〜cn2を生成する回路である。
出力回路44a〜44nは、第1高周波信号sb1と各第2高周波信号ca2〜cn2とを合成(論理和)して、操作信号Ta〜Tnを生成する回路である。操作信号Ta〜Tnは、それぞれ送信電極31a〜31nに供給される。
送信電極31a〜31nには繰り返し上記信号Ta〜Tnが供給されているため、操作部3a〜3nのいずれか(3xとする。)に使用者8が手指を触れると、その操作部3xに設けられた送信電極31xから当該使用者8の身体に操作信号Txが送出される。例えば、使用者8が操作部3bに触れたときに、当該操作部3bに固有のビット列cbを含む操作信号Tbが使用者8の身体に送出されることとなる。送出された操作信号Tbは、使用者8の身体を伝送路81として伝送される。
操作信号の伝送速度は特に限定されず、例えば、数十bps〜数十kbpsとすることができる。また、搬送波の周波数も特に限定されず、数MHz〜数十MHzの範囲の一定周波数(例えば、f1=4MHz、f2=5MHz)とすることができる。
図13は受信部の構成、図14はその受信部の動作を示す。本例は、座席数が3(座席9、9、9)の場合であるが、受信部は座席数に応じた構成とすることができる。
図13に示すように、上記受信部は、座席毎に設けられた受信電極51、受信電極51毎に接続された受信機5、及び各受信機5と接続された制御部7を備えている。各受信機5は、それぞれの座席9に着座している操作者8の身体から、各受信電極51を介して前記操作信号を受信する。そして、各増幅回路52により増幅等を行い、受信した操作信号Rを制御部7に出力する。
また、受信部には、受信機毎にレベル検出手段6が備えられている。制御部7は、レベル検出手段6により、受信される操作信号Rの受信レベルVを検出する。受信レベルVの検出点は、増幅回路52により増幅する前又は後のいずれであってもよい。受信レベルVの検出は、例えば、図14に示すように、受信される操作信号Rの振幅Vを電圧値等として読むことが可能であればよい。また、受信レベルを所定の閾値と比較する比較回路を備え、その比較回路の出力を入力するように構成してもよい。また、レベル検出手段6として、受信レベルVの検出値を保持し、又は比較回路の出力を記憶する回路を備えてもよい。
上記レベル検出手段6の構成により、制御部7は、座席9毎に設けられた受信電極51によって受信された操作信号Rの受信レベルVを読み込むことができる。
以下では、図13に示す制御部7のうち、1つの座席9の受信機5に接続されている回路について説明する。他の座席の受信機に接続されている回路についても同様である。
制御部7は、CPU(マイクロプロセッサ)71、第1検波回路72、第2検波回路73、読出タイミング生成回路74及びデコード回路75を備えて構成されている。受信機5の出力である操作信号Rは、第1検波回路72及び第2検波回路73に接続されている。また、CPU71は、前記レベル検出手段6により受信レベルVを読み取り可能に構成されている。
受信機5により受信される操作信号Rは、送信機2から送出された前記操作信号Ta〜Tnのいずれか(Txとする。)となる。第1検波回路72は、操作信号Rを入力し、前記周波数f1の第1高周波信号sb1を検波する回路である。この第1検波回路72によって、前記スタートビットsbが復調される。また、第2検波回路73は、操作信号Rを入力し、前記周波数f2の第2高周波信号(ca2〜cn2のいずれか)を検波する回路である。この第2検波回路73によって、前記ビット列ca〜cnのいずれか(cxとする。)が復調される。
読出タイミング生成回路74は、復調されたスタートビットsbのタイミングに同期させ、送信回路4で使用される送信クロック信号tckと同一速度の読取タイミング信号rckを生成する。そして、デコード回路75は、読取タイミング信号rckに基づいて、復調されたビット列cxを読み取る。そして、読み取った識別コードbCをCPU71に出力する。なお、デコード回路75に、伝送誤りの検査回路を備えることができる。
以上のような送信機2及び受信部によって、CPU71は、受信された操作信号Rに含まれている識別コードdを読み取ることができる。また、CPU71は、レベル検出手段6により、受信された操作信号Rの受信レベルVを検出することができる。これによって、CPU71は前記制御方法を実行することが可能になる。
尚、本発明においては、上述の実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲で種々変更した実施形態とすることができる。例えば、送信機は、座席毎に備えられたリモートコントローラであるばかりでなく、複数の座席の使用者に共通に使用されるリモートコントローラ又は操作パネルであってもよい。また、リモートコントローラは、座席や、壁面、天井、コンソールパネル等に組込まれていてもよい。
本客席用操作システムは、複数の座席に着座した使用者毎に、異なる制御を行うための操作入力装置として用いることができる。本客席用操作システムは、飛行機、列車、自動車等の乗物の他、映画館、劇場、遊技場等の客席に広く適用することができる。
1;客席用操作システム、2;送信機、3、3a〜3n;操作部、31、31a〜31n;送信電極、4;送信回路、5;受信機、51;受信電極、6;レベル検出手段、7;制御部、8;使用者、81;身体伝送路、9;座席、90;座席用装置インターフェース部、91;座面、92;背もたれ、95;モータ、96;ビジュアル装置、d、p、q;識別コード、R;受信された操作信号、S;制御信号、Ta〜Tn;送出される操作信号、V;受信レベル。

Claims (5)

  1. 少なくとも2つの座席に共通に又は座席毎に備えられる同じ1又は2以上の送信機であって、該送信機に具備されている操作部に使用者が触れたときに当該操作部に対応する識別コードを含む操作信号を当該使用者の身体に送出する送信機と、
    前記座席毎に設けられ、前記使用者の身体を介して前記操作信号を受信する受信機と、
    前記受信機毎に受信される前記操作信号の受信レベルを検出するレベル検出手段と、
    前記受信機により前記操作信号が受信されたとき、該操作信号に含まれる前記識別コードを読み取り、当該受信機の設けられた前記座席について当該識別コードに対応する制御信号を出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが所定の閾値以上であった場合のみに前記制御信号を出力し、
    前記所定の閾値以上である第2閾値が設定され、
    前記制御部は、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが前記第2閾値以上であった場合には、当該操作信号を受信したすべての前記座席について前記制御信号を出力することを特徴とする客席用操作システム。
  2. 前記制御部は、隣り合う前記座席の前記受信機により同時に受信された前記操作信号から同一の前記識別コードを読み取った場合には、前記レベル検出手段により検出した前記操作信号の受信レベルが最も高かった前記座席のみに前記制御信号を出力する請求項1記載の客席用操作システム。
  3. 前記送信機は前記識別コードに誤り検査符号を付加し、
    前記制御部は前記識別コードを誤りなく受信した場合のみに前記制御信号を出力する請求項1又は2記載の客席用操作システム。
  4. 前記送信機は、異なる前記識別コードが割り当てられた2以上の前記操作部と、該操作部毎に前記操作信号を前記使用者の身体に送出する送信電極と、を備える請求項1乃至のいずれかに記載の客席用操作システム。
  5. 前記受信機は、導電布を用いた受信電極を前記座席の表層に備える請求項1乃至のいずれかに記載の客席用操作システム。
JP2011139864A 2011-06-23 2011-06-23 客席用操作システム Expired - Fee Related JP5691878B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011139864A JP5691878B2 (ja) 2011-06-23 2011-06-23 客席用操作システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011139864A JP5691878B2 (ja) 2011-06-23 2011-06-23 客席用操作システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013006490A JP2013006490A (ja) 2013-01-10
JP5691878B2 true JP5691878B2 (ja) 2015-04-01

Family

ID=47674248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011139864A Expired - Fee Related JP5691878B2 (ja) 2011-06-23 2011-06-23 客席用操作システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5691878B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015032928A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 株式会社東芝 生体通信装置
CN103645741B (zh) * 2013-11-20 2016-06-22 中国科学院深圳先进技术研究院 一种座椅调节控制方法及系统
CN106064570B (zh) * 2016-07-14 2018-09-28 长春富维—江森自控汽车饰件系统有限公司 一种能分享调节使用权的遥控座椅

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4586618B2 (ja) * 2005-04-18 2010-11-24 ソニー株式会社 人体通信システム及び通信装置
JP4524647B2 (ja) * 2005-06-14 2010-08-18 ソニー株式会社 通信装置、通信方法、およびプログラム
JP5076882B2 (ja) * 2007-12-26 2012-11-21 株式会社デンソー ユーザ識別システム
JP2010108164A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Seiko Instruments Inc センサネットワークシステム
JP5186471B2 (ja) * 2009-12-07 2013-04-17 日本電信電話株式会社 制御システム、制御装置及び制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013006490A (ja) 2013-01-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8704651B2 (en) Method for attributing equipment operation to a specific operator
CN102792257B (zh) 用于运行用户接口的方法和设备
KR101539477B1 (ko) 사용자 인식 신호 생성 방법 및 사용자 인식 신호 생성 장치
US10033381B2 (en) Wireless switches using human body as a conductor
CN100549926C (zh) 具有可区分的用户控制部的系统及其操作方法
US10144285B2 (en) Method for operating vehicle devices and operating device for such devices
JP2006304264A (ja) 区別されたユーザコントロールを備えるシステム、および個別のユーザコントロールでシステムを動作させるための方法
US10252641B2 (en) Electronic seat switch for power seat of autonomous vehicle and method of operating power seat using electronic seat switch
US20200079216A1 (en) Method for operating a display arrangement of a motor vehicle, operator control device and motor vehicle
JP5691878B2 (ja) 客席用操作システム
JP4705117B2 (ja) 電気回路の構成
US8836527B2 (en) Automotive vehicle with system for detecting the proximity of an occupant
EP2932352B1 (en) Touch system and method
JP5651335B2 (ja) 車両用の操作設備
EP1980450A1 (en) Automotive vehicle with occupant detection system
JP5011806B2 (ja) 車両用入力装置
JP5076882B2 (ja) ユーザ識別システム
JP5747492B2 (ja) 座席用スイッチ及びそれを備えた電動座席
JP2008201275A (ja) 遠隔操作式入力装置
US10997282B2 (en) Method for triggering a security-relevant function of a system, and system
JP2009217731A (ja) 入力システム、入力装置、および入力方法
JP2016013774A (ja) 操作者判別装置
JP2008241576A (ja) 入力操作可否判別装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131219

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5691878

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees