JP2012119405A - 有機太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率がさらに高い有機太陽電池を提供する。
【解決手段】電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層3と、前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極2と、前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極4とを備えてなる有機太陽電池であって、前記有機顔料の微粒子が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを主体とする有機太陽電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機太陽電池に関し、より詳細にはバルクへテロ接合型の有機太陽電池およびその製造方法に関する。
地球温暖化が深刻化するなかで、代替エネルギーへの要望が高まっており、なかでも、太陽光を電力に変換する太陽電池の研究開発が精力的に進められている。現在実用化されている太陽電池の大部分はシリコンを原料とするものである。しかしこれらは、高温処理工程を必要とし、また材料自体の価格も高いため、単位電力あたりのコストが高いという問題を有している。また、シリコン資源の面から、供給性にも問題を有している。
一方、有機材料を用いた太陽電池(以下、「有機太陽電池」という)は、高温工程を必要とせず、シート状基板で所謂roll to roll方式での生産が可能で低コスト化が可能である。また、原料面での制約が少ないため、実用化が望まれている。
太陽電池は、いずれも光を吸収して発電を行うが、そのプロセスは、通常、(1)光吸収による励起状態(励起子)の生成、(2)励起子のキャリア対への解離、(3)キャリア対が分離して電極に到達、の3過程に分けて考えることができる。
前記の励起子が、その寿命の中で動ける範囲(励起子拡散距離)は、一般に、10nm程度の小さい距離である。(1)のプロセスで生成した励起子が、(2)のプロセスで解離して光起電力として利用されるには、生成した場所と解離場所とが、上述の励起子拡散距離の範囲内にある必要がある。有機太陽電池の構造は様々であり、例えば、色素増感型、バルクヘテロ接合型(例えば、非特許文献1参照)、pn接合型、ショットキー型などが提案されているが、上記の制約を満たすために、それぞれ特徴ある構造を有している。
特に、バルクヘテロ接合型の太陽電池においては、例えばp型有機半導体であるポリチオフェン誘導体とn型有機半導体であるフラーレン(C60)誘導体とを混合して薄膜(バルクへテロ接合層)とし、励起子の解離場所であるpn接合部を膜全体に均一に分散させる事により、光吸収により生成した励起子が、励起子の解離場所に到達してイオン対に解離する過程を効率よく進行させるように構成されている。
しかし、上記文献に記載のバルクへテロ接合型の有機太陽電池では、バルクへテロ接合型の材料の光吸収係数が小さく、太陽光を十分吸収出来ないという問題がある。また、それを補うためにバルクへテロ接合層を厚くすると、バルクへテロ接合層自体の電気抵抗が増大するため、未だ十分な光電変換効率は得られていなかった。
一方、従来の太陽電池では、有機顔料を光吸収材として用いることも提案されている。有機顔料は太陽光スペクトルに対する吸収係数が高く、かつ結晶性が高いため光照射に対する耐久性も高いという特長を有している。しかし、太陽電池の製造のため有機顔料を成膜しようとする場合、有機顔料は、一般的な溶剤への溶解度が小さいため、真空蒸着以外の方法では成膜が困難であり、大面積の成膜が実用上難しく、高コストであるという問題があった。このため、有機材料の特長を活かした塗布成膜によるバルクヘテロ接合に用いることが出来ていなかった。
また、特許文献1には、溶剤に可溶な潜在顔料を塗布後、熱処理や光照射などのプロセスにより顔料に変換する事が開示されている。この方法では、塗布工程後の変換プロセス(熱処理や光照射)が追加されること、またそのプロセスにより、その他の有機材料が損傷を受ける可能性があるという問題があった。また、潜在顔料の一部が顔料に変換されないで残留すると、有機光電変換素子の性能を損なう問題もあった。さらには、他材料と混合された塗布膜の中で変換された顔料は、結晶性が低く本来の特性が得られない場合もあり問題があった。
また、特許文献2には、ルテニウム錯体をバルクヘテロ接合に分散させることが開示されている。しかし、ルテニウム錯体の吸収波長は主として可視光域に限定され、また未だ光電変換効率に改善の余地を残していた。
特開2007−324587号公報 特開2007−180190号公報
G.Li,nature materials,vol.4,pp864(2005)
本発明の目的は、光電変換効率がさらに高い有機太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、塗布プロセスを用いて有機顔料を含むバルクヘテロ接合層を成膜し、さらに、特定のフタロシアニン顔料が赤〜赤外領域の吸収スペクトルを持つことを利用して、バルクヘテロ接合層全体の吸収スペクトルを広げることにより、光電変換効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機太陽電池は、電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層と、前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極と、前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極とを備えてなる有機太陽電池であって、前記有機顔料の微粒子が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを主体とすることを特徴とする。ここで、一面側に設けられるとは、バルクヘテロ接合層と透明電極が接触していてもよく、バルクヘテロ接合層と透明電極との間に注入層などの別の層を介していてもよいことをいう。これにより、より高い光電変換効率を得ることが可能となる。
本発明の有機太陽電池は、他の形態においては、微粒子が有機溶剤による結晶変換され、700nm±10nmに光吸収ピークを有している。フタロシアニンは合成条件、処理条件により多くの結晶異型を呈することは良く知られている。本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニンは溶剤処理によりベータ型を多く含有する結晶となっているものと推定され、特定の吸収ピークを呈している。
さらに、従来知られているフタロシアニンの吸収ピーク波長は650nmから680nmであるが、本フタロシアニンはより長波長側にピークを有することから高い光吸収効率を達成できる。
本発明の有機太陽電池は、他の形態においては、前記有機顔料の微粒子の平均粒径が5nm〜100nmである。好ましくは、前記有機顔料の微粒子の平均粒経は5nm〜10nmである。粒径が大きいと比表面積が小さくなり、吸収できる光量が減少するために発電効率が低下する。逆に小さすぎると粒子中の欠陥による光電流の損失が大きくなり光電流が減少し好ましくない。
本発明は、前記有機太陽電池の製造方法を含んでいる。前記透明電極と、前記バルクヘテロ接合層と、前記対向電極とを、順次積層する工程を含んでなる有機太陽電池の製造方法であって、前記積層する工程が、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とを含む液に前記有機顔料の微粒子を分散させて塗布液とし、湿式塗布法でバルクヘテロ接合層を形成する工程を含むこととする。順次積層するとは、透明電極、バルクヘテロ接合層、対向電極の順に積層しても、対向電極、バルクヘテロ接合層、透明電極の順に積層してもよい。また、この順であれば、各層の間に他の層を介していてもよい。これにより、バルクヘテロ接合層に含まれる有機顔料の微粒子は、熱処理や光照射などの追加の工程を必要とせず、高い純度と結晶性が保たれ、有機顔料が本来もつ光電変換効率を発揮することができる。
本発明によれば、湿式塗布プロセスを用いて、光電変換効率の高い有機太陽電池、およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係る有機太陽電池の一実施形態を示す模式断面図である。
以下に、本発明に係る有機太陽電池、およびその製造方法について、その実施形態を参照しながらさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の有機太陽電池の一実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の有機太陽電池10は、主として透明基板1、透明電極2、バルクヘテロ接合層3および対向電極4が順次積層されて構成される。ここで、透明電極2は、バルクヘテロ接合層3の一面側に設けられている。対向電極4は、バルクヘテロ接合層3に対し、透明電極2の反対側に設けられている。透明電極2と、バルクヘテロ接合層3の間に注入層5が挿入されている。バルクヘテロ接合層3と、対向電極4の間に、注入層6が挿入されている。
[バルクヘテロ接合層]
バルクヘテロ接合層3は、電子供与性を有するp型有機半導体と、電子受容性を有するn型有機半導体と、有機顔料の微粒子とを含んでなるものである。
・p型有機半導体
本実施形態のバルクヘテロ接合層を構成するp型有機半導体としては、電子供与性を有する任意の有機材料を用いることができる。p型有機半導体は、好ましくは共役高分子である。共役高分子は、分子構造中に共役二重結合を有するもので、例えば、チオフェン、フェニレンビニレン、チエニレンビニレン、カルバゾール、ビニルカルバゾール、ピロール、イソチアナフェン、イソチアナフェンおよびヘプタジエンなどの化合物、ならびに水酸基、アルキル基、アミノ基、メチル基、ニトロ基およびハロゲン基などを有する上記化合物の誘導体の重合体が挙げられるが、これらには限定されない。なお、これらの共役高分子は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。より具体的には、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−(4−オクチルフェニル)−2,2’−ビチオフェン、3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン、および2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレンなどの単独重合体又はこれらの二種以上の共重合体が挙げられる。なかでも、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)が、光電変換効率を向上させる観点から特に好ましいが、これらには限定されない。
p型有機半導体として用いることができる共役高分子は、数平均分子量が標準ポリスチレン換算で1,000〜200,000であることが好ましい。数平均分子量が1,000未満では、1,000以上である場合に比べてp型共役高分子の粘度が低くなり、例えば丈夫なスピンコート膜を形成することができなくなり、有機太陽電池10の作製が困難となる。逆に、数平均分子量が200,000を超えると、200,000以下である場合に比べて、p型共役高分子の粘度が高くなり、n型半導体が凝集しやすくなり、光電変換効率の低下を招く。より好ましくは、標準ポリスチレン換算の数平均分子量は10,000〜100,000である。数平均分子量がこの範囲にあると、この範囲から外れた場合と比較して、例えばスピンコート膜の形成が容易になり、n型半導体が分散して電荷移動錯体が形成されやすくなり、光電変換効率がより向上するという利点が得られる。
p型有機半導体は結晶性でも非晶性であってもよく、立体規則性の程度については問われない。
・n型有機半導体
本実施形態のバルクヘテロ接合層を構成するn型有機半導体は、電子受容性を有する任意の有機材料を用いることができる。フラーレン系材料においてはp型高分子からの電子移動が取り分け早いことが知られている。例えば、その中でも溶剤への溶解性のある、フラーレン誘導体(PCBM:Phenyl−C61−Butyric−Acid−Methyl Ester)を用いることが好ましい。
p型有機半導体とn型有機半導体の混合割合は、好ましくは、p型有機半導体およびn型有機半導体のそれぞれのもう一方に対するモル比が0.6〜1.4であり、さらに好ましくは、p型有機半導体:n型有機半導体が1:1である。ここで、p型有機半導体が共役高分子の場合は、モノマーユニットを1分子とみなし、上記モル比を、(p型有機半導体のモノマーユニットのモル数):(n型有機半導体のモル数)として計算する。
・有機顔料
有機顔料としてはヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いることができる。ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、太陽光のスペクトルに対して大きな吸収係数を持ち、また化学的にも安定な特性を有するとともに、電荷を輸送できる高い半導体特性を有する点で有利である。特に、従来用いられている多くのp型有機半導体、n型有機半導体の吸収スペクトルが、波長600nm以下の領域であるのに対し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の吸収スペクトルは波長700nm以上の赤〜赤外領域が中心である。特に、有機溶剤または有機溶剤蒸気中で結晶変換された微粒子は700nm付近に、すなわち700nm±10nmに光吸収ピークを有する吸収ピークを有し、p型有機半導体とn型有機半導体の吸収スペクトルを補完する結果、バルクヘテロ接合層全体の吸収スペクトルが広がり、有機太陽電池の光電変換効率を向上させるのに効果的である。
ヘテロ接合層3に含有される有機顔料は、一種の有機顔料であってもよく、二種以上の有機顔料の組み合わせであってもよい。二種以上の有機顔料を用いる場合、混合する有機顔料の比率は、任意に調整することができる。主体となるヒドロキシガリウムフタロシアニン特有の700nm近辺の吸収以外に他の有機顔料添加による異なった波長の光吸収を増加させることで太陽電池の変換効率を増加することも可能である。ここで、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの有機顔料中の比率は、80%以上とする。80%以下では、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの特徴を有効に発揮できなくなる。
また、本発明で用いるヒドロキシガリウムフタロシアニンのエネルギー準位は以下の条件を満たすことが望ましい。すなわち、有機顔料の伝導帯の最低エネルギー準位(LUMOレベル)が、p型有機半導体の伝導帯の最低エネルギー準位とn型有機半導体の伝導帯の最低エネルギー準位との間にあり、有機顔料の価電子帯の最高エネルギー準位(HOMOレベル)が、p型有機半導体の価電子帯の最高エネルギー準位とn型有機半導体の価電子帯の最高エネルギー準位との間にあるようにする。
このように構成すると、有機太陽電池10、透明電極2側からバルクヘテロ接合層3に光が入射されると、有機顔料において電子がHOMOからLUMOに励起され、この電子はn型有機半導体の伝導帯に移動する。また、p型有機半導体、n型有機半導体においても光吸収により電子が伝導帯に励起されるが、それらの電子も同様にn型有機半導体の伝導帯に移動する。
一方、有機顔料のHOMOのレベルは、p型有機半導体の価電子帯の最高エネルギー準位とn型有機半導体の価電子帯の最高エネルギー準位との間にある。このため、バルクヘテロ接合層3に光が入射されると、HOMOのレベルに発生した正孔は、p型有機半導体の価電子帯に移動する。また、p型有機半導体、n型有機半導体においても光吸収により生成した正孔は同様にp型有機半導体の価電子帯に移動する。
このようにして、バルクヘテロ接合層で励起された電荷は、n型有機半導体の伝導帯とp型有機半導体の価電子帯に有効に分離され、起電力を誘起する。そして外部回路を接続すると、電荷が外部回路に流れて電流となる。以上のようにして有機太陽電池において光電流が流れる。このように、バルクヘテロ接合層3がn型有機半導体、およびp型有機半導体に加えて有機顔料を含むことで、これら三成分間の相互作用により、効率よく光電荷分離が進行し、光電変換効率を十分に向上させることができる。
有機顔料の微粒子としては、上記のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の微粒子を用いることができる。本発明において、微粒子とは、平均粒経が5nm〜100nmの粒子をいう。平均粒径とは、透過電子顕微鏡による観察で測定した値の平均値である。有機顔料の微粒子の粒経は、好ましくは、5nm〜100nmである。さらに好ましくは、微粒子の粒経は5nm〜10nmである。
バルクヘテロ接合層3において、有機顔料は、p型有機半導体100質量部に対し1〜100質量部混合されていることが好ましく、10〜80質量部混合されていることがさらに好ましい。有機顔料の混合割合が1質量部未満では、光電変換効率の向上程度が小さく、100質量部を超えると、バルクヘテロ接合層3の電気抵抗が大きくなり、有機顔料添加による吸収効率の向上効果を打ち消して、かえって光電変換効率が低下する傾向がある。
バルクヘテロ接合層3の厚さは、100nm〜400nmであることが好ましい。さらに好ましくは150nm〜300nmである。バルクヘテロ接合層3の厚さが100nm未満の場合、バルクヘテロ接合層3が有機顔料を含まない場合に比べて光電変換効率を十分に向上できるものの、上記範囲にある場合と比較して、入射光の吸収率が低下し、十分に光電変換を行うことができない。また、厚さが400nmを超えると、電気抵抗が大きくなり、光電変換効率の低下を招く場合がある。
・その他の成分
バルクヘテロ接合層3は、その他の構成成分として、バインダ樹脂を含むことができる。バインダ樹脂としては、例えば、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等をバルクヘテロ接合層3の構成成分(溶媒を除く)に対し0質量%〜50質量%含ませることができる。また、バルクヘテロ接合層3は、例えば、電気伝導度等の電気物性を制御する無機顔料粒子を含有していてもよい。無機顔料粒子としては、例えば酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性酸化物などをバルクヘテロ接合層3の構成成分(溶媒を除く)に対し0〜30質量%用いることができる。
[基板]
透明基板1は、透明電極2、バルクヘテロ接合層3および対向電極4を有する積層体を支持し、補強するものであれば、任意の材料を使用することができる。例えばガラス、または、ポリイミド、PET、PEN、PES、テフロン(登録商標)等の耐熱性の高分子フィルム、または、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム板等の金属、または、シリコン等の半導体、または、セラミック等が挙げられる。好ましくは、透明基板1は、高い透明性を有するもの、例えばガラスである。なお、透明基板1、表面がフラットなものでもよいし、表面に凹凸を有しているものでもよい。基板の厚さは、任意の厚さとすることができる。好ましくは、0.05mm〜3mmである。
[電極]
・透明電極
透明電極2は、バルクヘテロ接合層3の一面側に設けられる。本実施形態では、透明電極2は、注入層5を介して設けられているが、バルクヘテロ接合層3に接して設けられていてもよい。透明電極2は、バルクヘテロ接合層3に対してオーミック接触の形成が可能であり、かつ照射光を透過させるものであれば任意の材料を使用することができる。例えば、ITO、SnO、ZnO、In等の透明導電材料又はフッ素ドープ酸化錫(SnO:F)、アンチモンドープ酸化錫(SnO:Sb)、In、錫ドープ酸化インジウム(In:Sn)、ZnO、Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)等の、上記透明導電材料に不純物がドープされたもので構成される。透明電極2は、これら材料からなる層単独で構成してもよく、複数の層を積層した積層体で構成してもよい。透明電極2の膜厚は、電極としての機能を果たすものであれば特に限定されるものではないが、通常は3nm〜10μmである。なお、透明電極2は、表面がフラットなものでもよく、表面に凹凸を有しているものでもよい。
・対向電極
対向電極4は、バルクヘテロ接合層3の他面側に設けられる。他面側とは、バルクヘテロ接合層3に対し、透明電極2の反対側をいう。本実施形態では、対向電極4は、注入層6を介して設けられているが、バルクヘテロ接合層3に接して設けられていてもよい。対向電極4を構成する材料は、バルクヘテロ接合層3の半導体からの電荷を有効に収集できる仕事関数を有することが望ましい。透明電極2が、正孔を収集する場合は、対向電極4は電子を収集しやすいアルミニウム、マグネシウム、カルシウム等が用いられる。また、透明電極2が、電子を収集する場合は、対向電極4は正孔を収集しやすい金、白金、ロジウムなどが用いられる。対向電極4の膜厚は、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できる程度のシート抵抗を得ることができる範囲であれば、特に限定されない。対向電極4の膜厚は通常は、1nm〜50nmであり、好ましくは20nm〜30nmである。
[注入層]
対向電極4とバルクヘテロ接合層3との間に注入層6が設けられている。また、透明電極2とバルクヘテロ接合層3との間に注入層5が設けられている。例えば、バルクヘテロ接合層3から電子を注入する層との間には、注入層としてLiFからなる層を設けることができる。バルクヘテロ接合層3から正孔を注入する層との間には、注入層としてpoly(3,4−ethylenedioxythiophene:poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)からなる層を設けることが効果的である。注入層の厚さは、例えば0.3nm〜150nmである。注入層は、バルクヘテロ接合層3から電極への電荷の注入を促進するという効果を奏する。なお、注入層は設けられていなくてもよい。また、透明電極2とバルクヘテロ接合層3との間の注入層5だけ設けられていてもよいし、対向電極4とバルクヘテロ接合層3との間の注入層6だけ設けられていてもよい。
[有機太陽電池の製造方法]
本実施形態の別の側面によれば、有機太陽電池の製造方法であり、前記透明電極と、前記バルクヘテロ接合層と、前記対向電極とを、順次積層する工程を含んでなる有機太陽電池の製造方法であって、前記積層する工程が、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とを含む塗布液であって、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンの微粒子を分散させた塗布液を塗布してバルクヘテロ接合層を形成する工程を含む方法である。
より詳細には、基板1を設置し、基板1上に透明電極2を形成する。基板の形状および寸法に制限はなく、任意に設置することができる。透明電極2は任意の方法により形成することができ、例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセス、ゾルゲル法などの湿式プロセス等の方法が挙げられる。透明電極2の層の厚さは、好ましくは、3nm〜10μmである。次に、透明電極2の表面上に必要に応じて注入層5を形成する。注入層5は、スピンコート、ディップコート、キャストコート等の任意の方法を用いて形成することができる。注入層5の厚さは、0.3nm〜150nmとすることが好ましい。注入層5の表面上にはバルクヘテロ接合層3を塗布により成膜する。バルクヘテロ接合層3の厚さは、好ましくは、100nm〜400nmであり、さらに好ましくは、150nm〜300nmである。バルクヘテロ接合層3の表面上には、注入層6を形成する。注入層6は、真空蒸着等の方法を用いて形成できる。注入層6は、上記の注入層5と同様に、0.3nm〜150nmとすることが好ましい。次に、注入層6の表面上に対向電極4を形成する。対向電極4は、真空蒸着、レーザー転写法等の任意の方法で形成できる。対向電極4からなる層の厚さは1nm〜50nmとすることができ、好ましくは20nm〜30nmとすることができる。また、それぞれの層を形成した後に、乾燥窒素雰囲気下において、100度〜150度で5分〜60分乾燥させる工程を行うことが好ましい。
このように構成された有機太陽電池10では、バルクヘテロ接合層3全体の吸収スペクトルが赤〜赤外領域まで広がり、高い光電変換効率を発揮することができる。
本発明の有機太陽電池の製造方法においては、バルクヘテロ接合層3は、以下の方法により、有機顔料の微粒子を分散させた塗布液であって、p型有機半導体およびn型有機半導体を含む湿式塗布プロセスにより成膜する。
(I)塗布液
ここで、特にバルクヘテロ接合層3を形成するための塗布液の調製方法につき詳細に説明する。塗布液は、p型有機半導体と、n型有機半導体と、有機顔料の微粒子とを混合して調製する。これらの塗布液の構成材料を混合する順は任意であり、同時に混合されてもよい。混合には、例えばマグネットスターラーや、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカ、円盤振動ミル、ジェットミル、超音波分散機などの各種分散器を用いることができる。
塗布液には有機顔料を少なくとも一種含有させればよいが、二種以上の有機顔料を含有させることも可能である。その際に用いる有機顔料の種類、並びに、二種以上の有機顔料の組み合わせおよび比率は、有機光電変換素子のタイプや当該有機光電変換素子の活性層に含有させる顔料の種類および比率などに応じて適切に選択すればよい。例えば、p型有機半導体としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)、n型有機半導体としてPCBMを用いる場合は、フタロシアニン顔料であるヒドロキシガリウムフタロシアニンおよび無金属フタロシアニンを、80:20の質量比率で含有させることができる。これらを溶剤に分散して用いる。
塗布液には、塗布液中の成分間の密着性および塗布液の分散性を改善する必要に応じて、バインダを添加することもできる。バインダとして好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらのバインダ樹脂は、バルクヘテロ接合層3の構成成分(溶媒を除く)に対し0質量%〜50質量%含ませることができる。
さらに、塗布液には、本発明の効果を著しく損なわない限り、p型有機半導体、n型有機半導体、有機顔料微粒子、バインダ樹脂、および溶剤以外の成分を含有していてもよい。例えば、電気伝導度等の電気物性を制御する無機顔料粒子を含有させることも可能である。
有機顔料は、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカ、円盤振動ミル、ジェットミル、超音波分散機などの方法によって粉砕して溶剤に湿式分散する。有機顔料を分散させた溶剤、または、有機顔料を分散させた溶剤にn型半導体、p型半導体、およびその他の構成材料を加えた塗布液を以下分散液という。有機顔料を分散させることにより、広い範囲の太陽光スペクトルを吸収できるという有利な効果を奏する。ここで粉砕に用いられるメディアの材質としてはジルコニア、ガラス、アルミナ、非酸化物、金属などがある。メディアは分散処理後に塗布液から除去する。分散液の作製条件は、各分散方法により異なる。特に、分散手段ないしその使用条件により、有機顔料の結晶形態が異なり、特に、粉砕力、分散力、錬磨力等の比率や、使用する溶剤種が、影響を持つが、特定の結晶型を有することが出来ればエネルギーコスト、処理量等に合わせて適切な方法を選ぶことが可能である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子は、平均粒経が5nm〜100nmとなることが好ましい。バルクヘテロ接合層の膜厚は一般に100〜400nmが実用的である。ヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子の平均粒径が100nmを超えると、その膜内での分散が均一で無くなり、電極間がヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子のみで短絡される確率が増加して光電変換効率をかえって低下させる可能性が高くなるためである。さらに好ましくは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子の平均粒経は5nm〜10nmである。これは、光吸収により生じた励起子の拡散距離が、一般に10nm程度の小さい距離であり、平均粒経が10nmに近ければ有機顔料で生じた励起子から有効に電荷を取り出すことができるからである。しかしながら、従来のバルクヘテロ接合層に用いられているp型、n型有機半導体材料の吸収スペクトルは、主として波長600nm以下の可視光域であり、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの主な吸収スペクトルである赤外域とは重ならない。従ってヒドロキシガリウムフタロシアニンの粒径が10nmより比較的大きく、赤外光を吸収して電荷を発生する効率が仮に低いものであっても、その分が従来の効率に加算される事になり、効果を発現する事が可能である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンの所定の結晶型を得るほかの方法として、ヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子をトルエン等特定の溶剤中に分散させて加熱等によりエネルギーを与え、結晶変換を行なうことが可能である。
また、有機溶剤中に分散させた後、粉砕と同時に結晶変換を行なうことも出来る。粉砕による結晶破壊による微粒子化と同時に粉砕メディア例えばジルコニアボールとの衝突により生じる熱エネルギーによる結晶変換の二つの効果を同時に得ることができる。
結晶変換条件は例えばトルエンを用いた場合は、温度35度から60度、結晶変換時間5分から60分程度が好ましい。この範囲であれば光吸収ピークが600nmから800nmとなる。特に、660nmにピークを有する結晶型の場合が光吸収量が最大となり好適となる。
分散のために用いる溶剤としては、主として非水溶剤の公知のものが広く使用できるが、例えば、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、モノクロロベンゼン、1,2―ジクロロベンゼン、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、ジクロルメタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン、ジオキソラン、ブタノンが好ましく使用できる。なお、溶剤は一種を用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。また、これらの溶剤を用いて有機顔料を分散した後に、その他の材料を溶解した溶液を混合希釈する事で最終組成の塗布液を調整してもよい。上記有機顔料の分散処理は、p型有機半導体、n型有機半導体、バインダ樹脂を含んだ、塗布液の最終組成で行ってもよく、有機顔料と溶剤のみで分散処理を行った後、その他の成分を含んだ溶液と混合してもよい。また、分散の途中で混合することも可能である。
塗布液の濃度は、所望のバルクへテロ接合層を形成できる限り、制限はない。したがって、塗布液中の有機顔料、およびその他の成分の濃度は、それぞれ任意である。ただし、塗布性を良好にするため、塗布液の粘度が塗布に適した粘度範囲となるように、溶剤を選択したり、濃度を設定したりすることが好ましい。塗布液の固形分の濃度は、例えば、塗布液の最終組成において1質量%〜10質量%とすることが好ましい。
・成膜
塗布液は、透明電極2、または透明電極2の上に形成された注入層5などの別の層の表明上に、任意の方法で塗布することができる。例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法などを用いることができる。また、印刷法によって成膜することも可能である。印刷法の例としては、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。該成膜は、窒素などの不活性ガス雰囲気下、室温で行うことができる。成膜後は、乾燥窒素雰囲気下において、100度〜150度で、5分間〜60分間乾燥させることが好ましい。
上記のようにヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子の分散液を塗布することにより有機光電変換素子を製造すれば、高性能な有機太陽電池を低コストで製造することが可能となる。また、顔料は通常は長寿命なものが多いため、長寿命な有機光電変換素子が得られるという利点を得ることも可能である。
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の有機太陽電池は以下の実施例に限定されるものではない。
図1に示す実施形態の太陽電池を形成した。ガラス基板1に、スパッタ法によりインジウム錫酸化物薄膜からなる透明電極2を厚さ100nmで成膜した。さらにPEDOT:PSSの1質量%水溶液(アルドリッチ社製)を2400rpm、30秒の回転条件でスピンコートした後、ホットプレートで100℃に加熱し、厚さ120nmのPEDOT:PSS膜からなる注入層5を得た。
一方、ヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子1.6gをジメトキシエタン30gに加え、サンドグラインドミルで6時間粉砕、微粒子化分散処理を行った。この時の吸収スペクトルは668nmにピークを有していた。次に、ジメトキシエタン20gを加え希釈した。さらにポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、デンカブチラール#6000C )0.4gをジメトキシエタン7gに溶解した液と混合し、有機顔料分散液を得た。この時のヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子の平均粒径を透過型電子顕微鏡(日立ハイテク社製)によって測定したところ、約35nmであった。
他方で、p型有機半導体としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(メルク社製)120mg、n型有機半導体としてフラーレン誘導体PCBM(アルドリッチ社製)80mgを1,2―ジクロロベンゼン15gに溶解させ、前記の有機顔料分散液のうち3gと混合して、バルクヘテロ接合層3を形成するための塗布液とした。
続いて、前記のITOとPEDOT:PSSを成膜したガラス基板1に、作製したバルクヘテロ接合層3用の塗布液を、1500rpmで30秒の条件でスピンコーティングした。さらに、乾燥窒素雰囲気においてホットプレートにより150℃、10分の熱処理を行って厚さ250nmのバルクヘテロ接合層3を得た。
このようにしてバルクヘテロ接合層3を形成したガラス基板1を、真空蒸着装置(ULVAC社製)にセットし、LiFを蒸着して厚さ1nmの注入層6を形成した。続いて厚さ70nmのアルミニウム薄膜を蒸着して対向電極4とした。これにより、実施例1の有機太陽電池10を得た。
有機顔料分散液の作製において、ポリビニルブチラール溶液と混合しない他は、実施例1と同様にして、実施例2の有機太陽電池10を得た。この時のヒドロキシガリウムフタロシアニンの平均粒径は約50nmであった。
有機顔料として、事前にトルエン中で45℃、15分間保持したヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の有機太陽電池10を得た。この時のヒドロキシガリウムフタロシアニン微粒子の平均粒径は約60nmであった。
(比較例)
バルクヘテロ接合層3用の塗布液の作製において、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを溶剤に分散させたものを加えずに塗布液を調製したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の有機太陽電池10を得た。
(比較例2)
バルクヘテロ接合層3用の塗布液の作製において、有機顔料の事前処理を60℃、120分間行ったこと以外は実施例3と同様にして、比較例2の有機太陽電池10を得た。
この時のヒドロキシガリウムフタロシアニンの光吸収ピークは520nmであった。これは結晶変換エネルギーが大きすぎたためにβ型が得られず結晶型が短波長を吸収する型に遷移したためと考えられる。
(光電変換性能の評価)
実施例1〜3および比較例1および2の各有機太陽電池10について、分光感度測定装置(日本分光社製)により、擬似太陽光(0.1Sun、AM1.5)の照射の下、電流―電圧曲線を計測し、得られる短絡電流、開放電圧、形状因子から、光電変換効率を求めた。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜3のバルクへテロ接合型セルは、比較例1および2のバルクへテロ接合型セルに比べて、特に短絡電流が30%から120%増大して光電変換効率が大きくなっていることが分かる。これはヒドロキシガリウムフタロシアニンによる光吸収の増大により発生した励起子が増加するためと考えられる。
以上のように、本発明よれば、塗布プロセスを用いて、光電変換効率の高い有機太陽電池を提供する事ができる。
1 透明基板
2 透明電極
3 バルクヘテロ接合層
4 対向電極
5 注入層
6 注入層





















Claims (5)

  1. 電子供与性を有するp型有機半導体と電子受容性を有するn型有機半導体と有機顔料の微粒子とを含んでなるバルクヘテロ接合層と、
    前記バルクへテロ接合層の一面側に設けられる透明電極と、
    前記バルクへテロ接合層の他面側に設けられる対向電極と
    を備えてなる有機太陽電池であって、
    前記有機顔料の微粒子が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを主体とすることを特徴とする有機太陽電池。
  2. 前記有機顔料の微粒子中で、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの占める比率が、80%以上である請求項1に記載の有機太陽電池。
  3. 前記有機顔料の微粒子が、有機溶剤或いは有機溶剤蒸気中で結晶変換され700nm±10nmに光吸収ピークを有するものである請求項1または請求項2に記載の有機太陽電池。
  4. 前記有機顔料の微粒子の平均粒径が、5nm〜100nmである請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の有機太陽電池。
  5. 前記透明電極と、前記バルクヘテロ接合層と、前記対向電極とを、順次積層する工程を含んでなる請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の有機太陽電池の製造方法であって、
    前記積層する工程が、前記p型有機半導体と前記n型有機半導体とを含む液に前記有機顔料の微粒子を分散させて塗布液とし、湿式塗布方法でバルクヘテロ接合層を形成する工程を含むことを特徴とする有機太陽電池の製造方法。
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