JP2012118438A - ワイヤグリッド偏光子及びワイヤグリッド偏光子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材と、前記基材上に形成された樹脂皮膜と、前記樹脂皮膜上に形成された金属ワイヤとを包含するワイヤグリッド偏光子であって、該ワイヤグリッド偏光子から前記金属ワイヤの構造を維持したままで前記基材を分離することが可能なワイヤグリッド偏光子。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、透明ガラス基板の表面上に透明誘電体の膜を堆積させ、次いで、ホログラフィ干渉リソグラフィを使用してフォトレジスト内に微細な格子構造を形成し、次いで、この構造をイオンビームエッチングやリアクティブエッチングにより金属膜に転写して平行なグリッド導電素子のアレイを前記基板上に形成し、その後、このグリッド導電素子をマスクとして基板をエッチングすることで、導電素子を支持する、非常に狭い周期の周期的な格子状凸凹構造を有するリブを作製することが開示されている。しかしながら、ガラス基板で、半導体プロセスを応用した製造方法では生産性に乏しいという欠点がある。また、ガラス基板のワイヤグリッド偏光子は厚みが大きく、重く、割れやすいといった、使用上の欠点があった。
1.基材と、前記基材上に形成された樹脂皮膜と、前記樹脂皮膜上に形成された金属ワイヤとを包含するワイヤグリッド偏光子であって、該ワイヤグリッド偏光子から前記金属ワイヤの構造を維持したままで前記基材を分離することが可能なワイヤグリッド偏光子。
2.前記樹脂皮膜が0.005μmから3μmの厚みであって、前記基材と前記樹脂皮膜との剥離力が5N/25mm以下であることを特徴とする上記1に記載のワイヤグリッド偏光子。
3.基材上に樹脂皮膜を形成する工程と、前記樹脂皮膜上に金属ワイヤを形成してワイヤグリッド偏光子を製造する工程と、を含むワイヤグリッド偏光膜の製造方法において、基材上に硬化後樹脂皮膜となる光硬化性樹脂を塗布してから、光硬化性樹脂を紫外線硬化反応させるまでの時間を2秒以内とすることを特徴とするワイヤグリッド偏光膜の製造方法。
基材の形態は特に制限は無いが、コンベアベルトのような形状、ロール状のフィルム又はシートのような形状、剛直で平坦な枚葉形状、柔軟で屈曲性のある枚葉形状などが挙げられる。基材の材質は鉄や、ステンレスや、チタンのような金属や、樹脂や、ガラスや、セラミックなどの無機材料が挙げられる。これらの中でも、強度や耐久性の点で金属製のベルト形状の基材が好ましく、大面積のワイヤグリッド偏光子の製造のし易さや、ワイヤグリッド偏光子の取り扱いの容易さの点でロールフィルム状のプラスチックフィルム基材が好ましい。プラスチックフィルム基材としては透明で厚みの均一な材料が好ましい。
基材はワイヤグリッド偏光子の製造工程、保管工程、運送工程、ワイヤグリッド偏光膜の転着工程から選ばれる一つ以上の工程において、樹脂皮膜を一時的に担持することが可能であって、ワイヤグリッド偏光膜と基材とを分離する工程において金属ワイヤの構造を維持出来ることが必要である。金属ワイヤの構造を維持するとは、ワイヤグリッド偏光膜と基材とを分離する工程の前後で、ワイヤグリッド偏光膜の意図しない箇所ではワイヤグリッド偏光膜の性能に影響を与えるほどの損傷を与えないことを指す。意図しない箇所とは、例えばワイヤグリッド偏光膜を用途に応じて意図的に切り抜いて所望の形状にしたときの切り抜き線及び、切り抜き線の近傍及び外側の、該用途には使用されない領域以外の箇所を指す。損傷とは、例えば直径500μmを越える大きさでのワイヤグリッド偏光膜の欠損や汚染、金属ワイヤの歪み変形などを指す。
一方で、本発明の基材と樹脂皮膜の剥離力を低く保つという技術思想とその解決法は、本発明において、基材と樹脂皮膜とを分離するという課題に着眼することで、初めて見出されたものである。
樹脂皮膜としては、高さが0.01μm〜20μmの範囲であって、特定方向に延在するピッチが0.01μm〜20μmの範囲である規則的な凸凹構造を表面に有し、厚みが0.01μm〜3μmの範囲の光硬化性樹脂の成形体からなる樹脂皮膜が好ましい。このような構造をとることで、樹脂皮膜の凸凹構造の上に金属ワイヤを形成することが容易になる。
樹脂皮膜表面の凸凹構造及び金属ワイヤのピッチが20μm以下であるとテラヘルツ帯域の偏光特性を発現でき、ピッチが150nm以下であると可視域までの特性も発現でき好ましい。さらにピッチが120nm以下であると400nm近傍の短波長光まで、10nm程度であると紫外領域までの偏光特性を併せもつことができるので特に好ましい、このようにピッチを小さくすることに対応していずれの波長域での消光比も向上するので、より好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光子は、金属ワイヤを支持する樹脂皮膜の厚みが3μm以下と薄いことによって、ワイヤグリッド偏光子の曲げや裁断加工や収縮応力などのストレスに対する耐久性が向上する。またワイヤグリッド偏光膜と基材とを分離する工程での、ワイヤグリッド偏光膜の性能に影響を及ぼすほどの損傷を最小限に抑制出来る。これらの点では樹脂皮膜の厚みが2μm以下であることがより好ましい。
樹脂皮膜の厚みを薄くし、且つ転写欠陥の発生を少なくするためには、使用する光硬化性樹脂の粘度が低く、スタンパからの離型性が良く、樹脂基材との接着性が良いことが求められる。
モールドの温度は25℃〜100℃の範囲で一定に調節されていることが好ましい。モールドの温度が25℃以上であると光硬化性樹脂の流動性が向上すると共に、樹脂皮膜と樹脂基材との接着力が向上する効果や、樹脂皮膜の硬化反応後のモールドからの離型性が向上する効果があるので好ましい。またモールドの温度が100℃以下であると基材の熱変形が少ないので好ましい。30℃〜80℃の範囲がより好ましく、35℃〜70℃の範囲がさらに好ましく、40℃〜65℃の範囲が特に好ましい。
樹脂皮膜の厚みは、モールドへの光硬化性樹脂組成物の充填量と、樹脂基材とモールドを押し当てる圧力によって調整することが出来る。
樹脂皮膜と金属ワイヤとの密着性を向上させるために、金属ワイヤを形成する前に誘電体層を樹脂皮膜表面の凸部及び、その側面部の少なくとも一部を覆うように設けておくことが好ましい。誘電体層を構成する誘電体は、樹脂皮膜及び金属ワイヤを構成する金属との密着力が強い材料が好ましく、例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混ざった誘電体)を用いることができる。
金属ワイヤを樹脂皮膜の上、好ましくは予め樹脂皮膜層の凸部及び、その側面部の少なくとも一部を覆うように形成された誘電体層の上に形成する方法には特に制限は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法が好ましく、中でも、金属を凸部に選択的に、又は凸部の一方の側面に偏って選択積層できるような方法が好ましく、例えば、真空蒸着法が挙げられる。
なお、実施例中の主な測定値は以下の方法で測定した。
(粘度の測定)
E型粘度計(東機産業社製 型番RE550L)を用い、試料量1.0mlで評価した。粘度の測定は全て25℃で行った。
樹脂皮膜が形成された基材について、樹脂皮膜の面または樹脂皮膜の上に金属ワイヤが形成された面に、接着剤を塗布し、剥離試験用の易接着PETフィルム(東洋紡績製型番A4100)のコート面に貼り合せた後で長さ100mm、幅10mmの短冊状に裁断して剥離力評価用の試料を作成した。この試料を、引張試験機(エー・アンド・デイ社製 型番RTG−1210)を用い、室温(23℃)にて、1m/分の速度で90度剥離試験し評価した。
実施例、比較例のワイヤグリッド偏光子について、分光光度計(日本分光社製 型番V-7100)を用い偏光度及び光線透過率を測定した。ここでは、直線偏光に対する平行ニコル、直交ニコル状態での透過光強度を測定し、偏光度、光線透過率は下記式より算出した。また、測定波長は550nmとした。
偏光度=[(Imax−Imin)/(Imax+Imin)]×100 %
光線透過率=[(Imax+Imin)/2] %
ここで、Imaxは平行ニコル時の透過光強度であり、Iminは直交ニコル時の透過光強度である。
粘着剤層の粘着剤について評価した。粘着剤3.0gをN,N−ジメチルホルムアミド100mLに加え、一晩攪拌し、溶解させた。JIS−K−8001に記載されるフェノールフタレイン溶液もしくは、0.1gのチモールブルーをエタノール50mlに溶かし、水を加えて100mlにしたチモールブルー溶液を数滴加えた。粘着剤を溶解させた試料溶液は、JIS−K−0070に記載の0.1mol/lの水酸化カリウム(KOH)エタノール溶液を用いて、攪拌しながら中和滴定を行うことで酸価を測定した。KOH溶液は、ファクター既知の0.1mol/lの塩酸を用いて中和滴定を行うことで、実際に溶かした量から算出されるKOHの濃度と、上記の滴定で得られた結果から算出される濃度の比(ファクター)を求めたものを使用した。滴定の終点はフェノールフタレインを用いた場合では、薄い紅色が30秒間続いた点を終点とした。粘着剤によっては、DMFへ溶解した際、薄く黄色に色づくものがあり、この場合は、フェノールフタレインの変色による終点の判断が難しくなるため、チモールブルーを使用した。チモールブルーを用いた場合、黄緑色が30秒間続いた点を終点とした。また、粘着剤中にUV吸収剤などを含む場合も、DMFへの溶解により、薄く黄色に色づくことがあるため、チモールブルーを使用した。終点の判断は、濃い黄色が30秒間続いた点を終点とし、酸価は以下の式を用いて算出した。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:滴定に用いた0.1mol/l KOHエタノール溶液の量(ml)
f:0.1mol/l KOHエタノール溶液のファクター
S:粘着剤の質量(g)
(ワイヤグリッド偏光子の製造)
三官能以上のアクリレート化合物である単量体として、トリメチロールプロパントリアクリレートを32質量%、N−ビニル化合物である単量体としてN−ビニル−2−ピロリドンを32質量%、その他の単量体として1,9−ノナンジオールジアクリレートを33質量%、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを2質量%、シリコンジアクリレートを1質量%配合したものをろ過して光硬化性樹脂1を調整した。この粘度は7.9mPa・sであった。
転写フィルムを連続製膜装置によって、転写フィルムの転写面側に窒化珪素薄膜を形成した。次いで窒化珪素薄膜の上にアルミニウムのワイヤを形成することでワイヤグリッド偏光子1を製造した。
転写フィルムについて微細格子パターンを転写した側の面に、接着剤として上記の光硬化性樹脂1を1μmの厚みで塗布して剥離試験用の易接着PETフィルムと貼り合せ、剥離力評価用の試料1(図1参照)を作成した。また、ワイヤグリッド偏光子1についても、アルミニウムのワイヤが形成された側の面に同様に接着剤を塗布し、剥離力評価用の試料2(図2参照)を作成し、それぞれの剥離力を評価した。試験の結果、試料1と試料2のいずれも試料の全面にわたり樹脂皮膜層と基材の界面で滑らかに剥離した。試料1の場合も、試料2の場合も、樹脂皮膜と基材との剥離力は4.6N/25mmであった。このように樹脂皮膜層と基材の界面の剥離力を低めに調整できた理由は、光硬化性樹脂を塗布してから紫外線硬化反応させるまでの時間を0.2秒と短めに設定したことによって光硬化性樹脂がTAC樹脂フィルムに浸透する量を低めに調整できたことによる。
尚、試料2について剥離試験前と剥離試験後の透過率と偏光度をそれぞれ測定したところこれらの特性は維持されていた。また剥離試験後の試料2を、自然光光源及び偏光光源で透かしながら、10倍のルーペで欠点の有無について観察したが、剥離面全面にわたり剥離に起因する欠損や変形などのワイヤグリッド偏光膜の異常は認められなかった。これらの結果を表1に示す。
(ワイヤグリッド偏光子の製造)
TAC基材上に微細格子パターンを転写した樹脂皮膜を形成する際、TAC樹脂フィルム上に連続的に上記光硬化性樹脂1を塗布した後、TAC樹脂フィルムを光硬化性樹脂が塗布された状態のままで20℃、50%RHの標準環境下で5秒間搬送した後で、微細格子パターンを表面に有するロールスタンパと接触させながら紫外線硬化させることで、微細格子パターンを連続的に転写した以外、実施例1と同様にしてワイヤグリッド偏光子2を製造した。
実施例1と同様にして転写フィルムから作成した剥離試験用の試料3と、ワイヤグリッド偏光子2から作成した剥離試験用の試料4を作成し、それぞれの剥離力を評価したが、光硬化性樹脂が塗布されてから紫外線硬化反応するまでの5秒間のあいだに、光硬化性樹脂がTAC樹脂フィルムに深く浸透したためにいずれの試料も樹脂皮膜と基材との剥離力は極めて強く、これらの界面で剥離する以前にTAC樹脂フィルム基材がワイヤグリッド偏光膜と共に裂けたり、また部分的に接着剤と剥離試験用の易接着PETフィルムとの界面部で剥離したりしてしまった。このように比較例の方法では、ワイヤグリッド偏光子2から基材を分離することは出来なかった。これらの結果を表1に示す。
(ワイヤグリッド偏光子の製造)
光硬化性樹脂を市販の光硬化性樹脂組成物(商品名PAK−01 東洋合成社製)に代えて、実施例1と同様にしてワイヤグリッド偏光子の製造を試みた。この樹脂組成物の粘度は72.0mPa・sであった。しかしながら連続転写の工程において、樹脂の塗布厚みが不均一なうえロールスタンパと接触させたときに気泡が入りやすく、転写を開始した直後からロールスタンパが樹脂の付着残留物で汚染されてしまった。このため連続プロセスによる製造は断念し、あらためて厚み80μm、幅200mm、長さ200mmの正方形のTAC樹脂フィルム上に、バーコータを用いてPAK−01を塗付した後、5秒後に微細格子パターンを表面に有する幅100mm、長さ100mmの平板状のスタンパと接触させながら紫外線硬化させることで、微細格子パターンを転写したが、部分的にスタンパに樹脂の付着残留物が発生した。この転写フィルムの断面を電子顕微鏡により観察したところ、微細格子パターンの形状は概ねロールスタンパの反転形状になっており、ピッチが100nm、高さが105nmのライン&スペース構造が確認できたものの、スタンパに樹脂の付着残留物が発生した箇所においては平均径が200〜2000μmの微細格子パターンの無い領域が多数存在した。また樹脂皮膜の厚みには若干のむらがあり5〜8μmの範囲であった。この転写フィルムを回分式の製膜装置を使用した以外は実施例1と同様にして、転写フィルムの転写面側に窒化珪素薄膜を形成した。次いで窒化珪素薄膜の上にアルミニウムのワイヤを形成することでワイヤグリッド偏光子3を製造した。
実施例1と同様にして転写フィルムから作成した剥離試験用の試料5と、ワイヤグリッド偏光子3から作成した剥離試験用の試料6を作成し、それぞれの剥離力を評価したが、いずれの試料も樹脂皮膜と基材との剥離力は極めて強く、これらの界面で剥離する以前にTAC樹脂フィルム基材がワイヤグリッド偏光膜と共に裂け、また部分的に接着剤と剥離試験用の易接着PETフィルムとの界面部で剥離したり、転写時に部分的にスタンパに樹脂の付着残留物が発生したために出来た樹脂皮膜層の欠陥部を中心に樹脂皮膜層が凝集破壊したりしてしまった。このように比較例の方法では、ワイヤグリッド偏光子3から基材を分離することは出来なかった。これらの結果を表1に示す。
(ワイヤグリッド偏光子の製造)
三官能以上のアクリレート化合物である単量体として、トリメチロールプロパントリアクリレートを25質量%、N−ビニル化合物である単量体としてN−ビニル−2−ピロリドンを15質量%、その他の単量体として1,9−ノナンジオールジアクリレートを57質量%、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを2質量%、シリコンジアクリレートを1質量%配合したものをろ過して光硬化性樹脂2を調整した。この粘度は8.8mPa・sであった。
この光硬化樹脂2を使用した以外、実施例1と同様にしてワイヤグリッド偏光子4を製造した。
実施例1と同様にして転写フィルムから作成した剥離試験用の試料7と、ワイヤグリッド偏光子4から作成した剥離試験用の試料8を作成し、それぞれの剥離力を評価した。試験の結果、試料7と試料8のいずれも試料の全面にわたり樹脂皮膜層と基材の界面で滑らかに剥離した。試料7の場合も、試料8の場合も、樹脂皮膜と基材との剥離力は1.3N/25mmであった。
尚、試料8について剥離試験前と剥離試験後の透過率と偏光度をそれぞれ測定したところこれらの特性は維持されていた。また剥離試験後の試料8を、自然光光源及び偏光光源で透かしながら、10倍のルーペで欠点の有無について観察したが、剥離面全面にわたり剥離に起因する欠損や変形などのワイヤグリッド偏光膜の異常は認められなかった。これらの結果を表1に示す。
ワイヤグリッド偏光子4は、厚み80μm、幅250mm、長さ200mのロール状のTAC樹脂フィルム基材上に、幅200mmで基材の全長にわたり形成されている。これと、幅250mm、長さ200mのロール状のノンキャリア粘着フィルム1(商品名「WT♯5402A」:積水化学工業社製)とを、ロールツーロール方式のラミネータを用いてノンキャリア粘着フィルムの軽剥離面とワイヤグリッド偏光子4のアルミワイヤ面とを貼り合せた積層体1(図3参照)を連続的に製造した。ノンキャリア粘着フィルム1の粘着層の酸価を測定したところ、0.8mgKOH/gであった。次いで積層体1からTACフィルム基材を連続的に剥離除去して、アルミワイヤ面上に粘着層が形成されたワイヤグリッド偏光膜4(図4参照)を連続的に製造した。TACフィルム基材を剥離する際、ワイヤグリッド偏光子4の全面にわたり樹脂皮膜層と基材の界面で滑らかに剥離した。
ノンキャリア粘着フィルム2(商品名「EW1500」:エリエールテクセル社製)を用いた以外、ワイヤグリッド偏光子膜4と同様にして積層体2及び、ワイヤグリッド偏光膜5を連続的に製造した。ノンキャリア粘着フィルム2の粘着層の酸価を測定したところ、6.0mgKOH/gであった。TACフィルム基材を剥離する際、ワイヤグリッド偏光子4の全面にわたり樹脂皮膜層と基材の界面で滑らかに剥離した。尚、基材を剥離する前の積層体2と基材を剥離した後のワイヤグリッド偏光膜5について透過率と偏光度をそれぞれ測定したところこれらの特性は維持されていた。またワイヤグリッド偏光膜5を、自然光光源及び偏光光源で透かしながら、10倍のルーペで欠点の有無について観察したが、剥離面全面にわたり剥離に起因する欠損や変形などの異常は認められなかった。このアルミワイヤ面上に粘着層が形成されたワイヤグリッド偏光膜5は、ハサミやカッターナイフなどを用いて所望の形に切り抜くことが出来、粘着層の重剥離面のセパレータを剥がして、ガラス板などの所望の物品に貼り合せることが出来た。
ワイヤグリッド偏光膜4とワイヤグリッド偏光膜5をそれぞれ1cm角に切り抜き、ガラス板に貼り付け、25℃、50%RHの室内で、約24時間放置後、光学性能と外観を評価した。これを温恒温恒湿槽(型式:μ―2002 いすゞ製作所社製)に入れ、槽内の環境を85℃、85%RHに設定し、恒温恒湿試験を500時間行った。試験後、再度25℃、50%RHの室内で、約24時間放置後、光学性能と外観を評価した。試験後のワイヤグリッド偏光膜4の偏光度は試験前と同じであったのに対し、試験後のワイヤグリッド偏光膜5の偏光度は試験前と比較して特性が20%低下した。また、試験後の試料の色合いは試験前に比べ黄色味を帯びていた。
2 接着剤層
3 樹脂皮膜層
4 TAC樹脂フィルム基材
5 金属ワイヤ層
6 ノンキャリア粘着フィルムの重剥離側セパレータ
7 ノンキャリア粘着フィルムの粘着層
Claims (3)
- 基材と、前記基材上に形成された樹脂皮膜と、前記樹脂皮膜上に形成された金属ワイヤとを包含するワイヤグリッド偏光子であって、該ワイヤグリッド偏光子から前記金属ワイヤの構造を維持したままで前記基材を分離することが可能なワイヤグリッド偏光子。
- 前記樹脂皮膜が0.005μmから3μmの厚みであって、前記基材と前記樹脂皮膜との剥離力が5N/25mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤグリッド偏光子。
- 基材上に厚みが0.005μmから3μmの範囲の樹脂皮膜を形成する工程と、前記樹脂皮膜上に金属ワイヤを形成してワイヤグリッド偏光子を製造する工程とを含むワイヤグリッド偏光膜の製造方法において、基材上に硬化後樹脂皮膜となる光硬化性樹脂を塗布してから、光硬化性樹脂を紫外線硬化反応させるまでの時間を2秒以内とすることを特徴とするワイヤグリッド偏光膜の製造方法。
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